ロッテ(6対6)西武 =リーグ戦9回戦(2021.05.16)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
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ロッテ
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【ロッテ】荻野 貴司(2号・1回裏ソロ),マーティン(11号・1回裏ソロ),マーティン(12号・5回裏2ラン)

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◆ロッテは4-4で迎えた5回裏、マーティンの2ランが飛び出し、勝ち越しに成功する。対する西武はそのまま迎えた8回、2死一三塁の好機からスパンジェンバーグが2点適時打を放ち、同点とした。続く9回の攻防は両軍無得点に終わり、試合は規定により引き分けとなった。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が16日の西武戦(ZOZOマリン)で1軍デビューのマウンドに上がる。 すでに井口資仁監督(46)が16日の先発起用を公表している。佐々木朗は15日の練習後に「日に日に感覚も良くなっているので、そのいい感覚を当日まで維持できたらなと思います」と代表取材に対応。「先発投手として5回までまず投げきれるように、そういう投球をしたいなと思います」と話していた。

◆とんねるず石橋貴明(59)がロッテ-西武9回戦(ZOZOマリン)で始球式を務めた。 Youtubeチャンネル「貴ちゃんねるず」は登録者が約162万人を超える人気チャンネルで、ZOZOマリンにも撮影に訪れたことがある。 事前には「肩が全然回らないのでホームベースまで届かないと思いますが、ティモンディに負けないように146、7、8キロくらいは出したいなと思っています」と意気込んでいた。 マウンドのかなり前に立った石橋は、西武山川の外角低めに投げ込んだ。球速は148・4キロ(イシバシ)。ZOZOマリンでは普段、小数点以下までの表示はない。「だましい!」と叫び、場内は大盛り上がり。 石橋の始球式を終え、この日デビューの佐々木朗希投手(19)がマウンドに上がった。

◆ロッテ佐々木朗希投手のデビュー戦で、帝京野球部出身のとんねるず石橋貴明が始球式を行った。 右翼からリリーフカーに乗って登場。打席には1番若林楽人外野手ではなく、番組で共演経験がある4番山川穂高内野手を呼び寄せて"対戦"。なぜかマウンドには立たずに、手前から投球した。 プロ初先発の佐々木朗が登板する直前とあって、解説の里崎智也氏は「マウンドを汚さないように貴さんの配慮じゃないですか」と推測していた。

◆1軍デビューのロッテ佐々木朗希投手(19)が、先輩たちから強烈なプレゼントを贈られた。 初回を無失点で切り抜けると、1番荻野が西武平井の2球目139キロをフルスイング。打球は左翼席に飛び込む2号ソロとなった。チームが苦手とする西平井に対し、さらに2番マーティンが初球を完璧に右中間スタンドへ運ぶ11号ソロ。右翼席のファンがダイレクトでつかみ、ZOZOマリンのボルテージはいきなり最高潮に達した。 荻野は球団広報を通じ「思い切りいきました。朗希が初登板なので、早く点を取れて良かったです」。マーティンは「朗希に打った後のパフォーマンスが見たいと言われていたので、打てて良かったよ」と喜びのコメントを寄せた。 荻野は2回にも4点目となる適時打を放った。

◆ロッテが、連続でリクエストに成功した。 2点リードの6回1死一塁、西武金子の遊撃へのゴロで併殺を狙ったが、一塁はセーフの判定。井口監督がリクエストし、リプレー検証の結果、アウトが宣告され、併殺が完成した。 7回には、無死一塁から一塁走者の若林がスタートを切った。セーフと判定されたが、井口監督がリクエスト。リプレー検証の結果、アウトとされ、この日二盗を2個決められた若林から「三度目の正直」で二盗を阻止した。 プロ初登板だった佐々木朗希が、5回4失点で勝利投手の権利を持ったまま、マウンドを降りた。「令和の怪物」のプロ初勝利に向け、2点のリードを懸命に守った。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が、プロデビューマウンドの西武戦で5回を6安打4失点で降板した。5回に同点に追いつかれたが、打線が勝ち越し、勝利投手の権利を持ったまま、プロ初登板を終えた。 登板後、佐々木朗は「緊張はあまりなかったです。真っすぐはある程度はコントロールできたんですけど、変化球が抜けてしまう球が多くて、そこでカウントも不利になってしまった。そこを修正していきたいです」とコメントした。 1回、注目のプロ第1球は151キロの速球を投じた。左前にはじき返され、1死一、三塁のピンチを背負ったが、4番山川、5番栗山をねじ伏せ、無失点に抑えた。 若き右腕をプロ初勝利へと導くべく、打線は1回に荻野、マーティンの連続アーチで2点を先制。2回にも佐藤都の適時二塁打、荻野の適時打で2点を援護した。 4点のリードで迎えた4回、レアードの失策をきっかけにリズムが乱れた。無死二塁から、若林の中前適時打でプロ初失点。源田には右中間への適時三塁打を浴び、さらに栗山の犠飛で3点目を失った。 4回を終え、プロ最多の86球に達したが、5回も続投した。2死三塁から暴投で同点とされたが、勝ち越し点は許さず。その裏、マーティンが勝ち越しの2ランを放った。 最速は154キロをマークし、山川から2三振を奪うなど、計5奪三振。5つの盗塁を決められ、セットポジションでの投球に課題を残したが、プロ入り最多の107球を投じた。

◆西武十亀剣投手(33)がフライング気味にグラウンドに現れ、球場が微妙な雰囲気に包まれた。 2点ビハインドの7回2死一、二塁。西武辻監督が球審に交代を告げる前にレフトファウルゾーンのフェンスが開き、十亀がリリーフカーで登場。いったん、止まった後、小川から十亀への交代が告げられ、マウンドに向かった。 少しバタバタした中でマウンドに向かったが、代打のロッテ井上に対し、フルカウントからの大きなカーブで空を切らせ、好リリーフした。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)のプロ初勝利が消滅した。2点リードの8回、4番手でセットアッパーの唐川が登板。1死から連続四球で2死一、三塁のピンチを招き、スパンジェンバーグの右中間への2点適時打で同点に追いつかれた。一塁走者の呉念庭がスタートを切ったため、一塁から一気に本塁に生還した。 同日に先発した高校の同期生、ヤクルト奥川恭伸投手(20)も6回1失点で勝利投手の権利を持って降板したが、1点リードの9回にクローザー石山が失点。 U18日本代表でともに戦ったロッテ佐々木と奥川のダブル白星とはならなかった。

◆ロッテのレオニス・マーティン外野手(33)が、フェンス激突のファインプレーでチームを救った。 2点リードで迎えた8回、スパンジェンバーグの2点適時打で同点に追いつかれ、なおも2死二、三塁から、若林が放った右翼後方への飛球をフェンスに激突しながら、好捕した。 直前の2死一塁では、金子の右翼線への二塁打でクッションボールに素早く対応し、一塁走者のスパンジェンバーグは三塁でストップ。好判断と守備力の高さが光った。

◆ロッテ佐々木朗希投手が、西武戦で1軍デビューを飾った。

◆ロッテは初回先頭から荻野2号とマーティン11号の2者連続ソロ。2回も2点を追加した。西武は3回に若林の適時打などで3点。 5回に西武が同点としたが、直後にロッテがマーティンの12号2ランで勝ち越し。初登板の佐々木朗が勝利投手の権利を持って降板。 西武は8回にスパンジェンバーグが2点適時打を放ち、引き分けた。ロッテ佐々木朗は5回6安打4失点(自責2)だった。

◆ロッテは1回に1番荻野、2番マーティンが平井から連続本塁打。ロッテの初回先頭から2者連続本塁打は69年6月13日近鉄戦(1番山崎→2番石黒)以来52年ぶり6度目。この日は6-6の引き分けだったが、69年の試合も4-5と敗れ、勝利には結びつかなかった。また、西武の投手が初回先頭から2者連続で本塁打を打たれたのは、68年9月15日東京戦(1番八田→2番西田)の稲尾以来53年ぶり3度目。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が、プロデビューマウンドになった西武戦で5回を6安打4失点で降板した。 最速は154キロをマークし、5奪三振だった。5回に同点に追いつかれたが、打線が勝ち越し、勝利投手の権利を持ったまま、プロ初登板を終えたが、8回に追いつかれ、プロ初勝利は次戦に持ち越された。 試合後の主な一問一答は以下の通り。-1軍初登板の率直な感想は 佐々木朗 疲れました。 -内容に関しては、どう受け止めてるか 佐々木朗 良かったところも悪かったところもあったので、いろいろな収穫があったと思います。 -どのような収穫が 佐々木朗 全体的に自分から崩れることはなかったので、ピンチでも少しは粘れたかなと思います。 -西武打線の足は脅威だったか 佐々木朗 とてもいい経験ができたと思うので、修正していきたいなと思います。 -初球は速球。事前に決めていたことなのか 佐々木朗 いやぁ、まぁ決めてはないですけど...。はい。 -拍手がすごく大きかった。ファンの応援はどうだったか 佐々木朗 すごく力になりましたし、次から、もうちょっと期待に応えられるように頑張りたいなと思いました。 -次回登板に向けて、目標などは 佐々木朗 どうなるか分からないですけど、まずはしっかり回復させて、投げる準備をしたいなと思います。 -1軍のマウンドに立ってみての景色にいつもとの違いはあったか 佐々木朗 球場が違うのでありますけど、1軍の独特な雰囲気があったなと思います。 -100球は久しぶり。全体的な疲労感は 佐々木朗 疲れました。 -1軍のバッターは反応を含め、どんな印象 佐々木朗 自分の思うような球を全て投げられたわけじゃないので、自分の失投をしっかりとらえたりされたので、そこを厳しく投げないとなと思いました。 -この技術がすごいなと感じたものは 佐々木朗 そんな余裕はなかったですね。 -高校時代はギアを上げたが、ピンチでもスピードは一定だった。理由は 佐々木朗 別にないです。 -あまり力を入れずにということか 佐々木朗 いやぁ、力はしっかり伝えてるんですけど。 -クイックなどの面は 佐々木朗 クイックの速さだけじゃないと思うので、タイミングとか、間合いというものを修正すればいいかなと思います。 -一番の収穫は 佐々木朗 ストレート、変化球含めて、ある程度しっかりゾーンというか、いいところには投げられていたのも多かったと思うので、そこかなと思います。 -逆に一番の課題は 佐々木朗 変化球がちょっと抜けてしまったので、そこですかね。 -2年目の春に1軍デビューできたことは 佐々木朗 うれしいですし、たくさんの人たちに去年からサポートしてもらっていたので、1軍の舞台で投げられて、良かったかなと思います。 -これからどういう投手になりたいか 佐々木朗 しっかり相手を圧倒できるように、いろんなところの精度を上げていきたいなと思います。

◆ロッテ井口資仁監督(46)が、先発デビュー戦で5回4失点の佐々木朗希投手(19)について「いろいろ課題はあると思いますけれど、その中でもしっかり投げられたと思います」と振り返った。 2軍戦ではこれまで1試合85球が最多だったが、この日は5回107球。「5イニングというの一応考えていたところで、そこまではいけると思いました」とした。 吉井理人投手コーチ(56)は「堂々と投げていた」とし「結果はつかなかったけれど、予定よりは10球くらい多くなったけど頑張ってくれたのでね。よくやったと思います。今度ばっちし投げて勝ってもらいましょう」とたたえた。 今後は一度登録抹消し、リカバリー具合も確かめながら、5月末以降に次の登板を設定していくことになりそうだ。 ? ▽西武栗山(ロッテ佐々木朗から犠飛と中前打を放ち、2打数1安打1打点)「評判通り、いいピッチャーでした。また対戦することがあると思うので、その時はまた頑張ります」 ▽西武若林(ロッテ佐々木朗から2安打1打点。1回は先頭で初球真っすぐを左前に運び)「球種は張らずに、うまく打つことができました。常に初球から狙っていますので。あれくらいファンの歓声をもらえるような選手に自分もなれたらと思います」

◆西武が機動力でロッテ佐々木朗希投手を揺さぶった。初回、左前打で出た1番若林楽人外野手(23)が早々と二盗に成功。3回には敵失で出た先頭金子侑司外野手(31)と、続く若林の盗塁成功を3得点につなげた。辻監督は「走らなくても走るっていう、そぶりで向こうも気を使う。そういうことをしないと簡単に点を取れないと思っていたからね」。4点目も源田壮亮内野手(28)の二盗が効いた。モーションが大きい佐々木朗希から、5盗塁を決めた。 執念でドローに持ち込んだ。8回2死一、三塁はランエンドヒットの形になり、スパンジェンバーグの右前打で一塁走者の呉念庭内野手(27)も生還。「走らせたんだけど、走ってなかったら1点止まりだったんだから。いい時に走った」。盗塁死も2つあったが攻めの姿勢は崩さない。 足で佐々木朗から得点し、足で佐々木朗の白星を消した。1軍の洗礼を浴びせた辻監督は「まあでも、まだ19歳でしょ? すごいなと思います、先はね。球速いし、角度あるし」とのびしろを感じ取っていた。 ▽西武平井(ロッテ佐々木朗より先に降板しないと話していたが、4回4失点で交代)「いいところが1つもなかった。立ち上がりにガンガンと(2被弾)いかれてしまって、気持ちを切り替えなければいけなかったのですが、うまくいきませんでした」 ▽西武スパンジェンバーグ(8回ロッテ唐川からの2点右前打で引き分けに持ち込み)「最近ヒットも出ていなかったし、守備でエラーもあったりしたので、何とか取り返してやろうと必死だったよ」

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)のデビューには、岩手・大船渡高野球部時代の仲間たちも応援に駆けつけた。 朗希と同じ陸前高田市出身で外野手を務めた村上泰宗さん(19)は「みんなで朗希のユニホームを買って、着て、応援して、すごい友達が近くにいたんだなとゾクゾクしました」と興奮。「ヒーローインタビューを受ける姿も見たいので、これからも応援に行きたいです。いろいろな声を跳ね返す活躍をしてほしいです」と願った。 同じ投手として高め合った大和田健人さん(19)は「試合が始まり、朗希の名前がコールされてマウンドに向かう姿を見て、すごく感動しました。あんなにたくさんのファンの方々の前で、周りにはプロの選手たちが守っている中で投げる朗希を、とても誇らしく思いました」と回想。「記念すべきデビュー戦を球場で観戦することができて、とても幸せでした」と感無量で振り返った。 20人を超える同学年のチームメートは今、東北を中心に関東、関西など全国に散らばって、学生生活を送っている。この日も全員が集まることはできなかったが、エースのデビューは久しぶりの同窓会にもなった。【金子真仁】

◆大投手への1歩目を踏み出した。ロッテ佐々木朗希投手(19)が16日、西武戦(ZOZOマリン)でプロ初登板初先発を果たした。5回4失点、最速は154キロ。勝ち負けはつかなかった。6安打5盗塁を許しながら、5三振を奪った。ドラフト会議から1年7カ月後のデビュー。全71球投げた直球の平均球速は約151・2キロ。高校時代の163キロには及ばずも、制球を崩さない新たなスタイルで圧倒的な投手を目指す。鳴り響く拍手に内なるチカラが湧いてきた。2年目の春、ついにデビュー。佐々木朗は「疲れました」と少し笑った。「うれしいですし、たくさんの人たちに去年からサポートしてもらっていたので、1軍の舞台で投げられて良かったかなと思います」とあふれる感謝を口にした。 佐々木朗希は"今の佐々木朗希"を投げた。163キロの再来はまだ先の話。直球71球のうち、64球が150~154キロに収まった。緊張の舞台ながらストライク率は65・4%。「ある程度しっかりゾーンというか、いいところには投げられていたのも多かったと思うので」と最大の収穫を挙げた。 昔から負けず嫌い。打たれると魂に火がついた。高3時の練習試合で2年生打者に本塁打を浴びた。直後、球速ベースを一気に5キロ上げた。プロ入り後もシート打撃で157キロを本塁打にされた直後、160キロを投げ込んだ。「本塁打でさらに集中力が増したと思います」と明かした。 今は違う。ピンチを迎えても球速帯は一定だ。「力はしっかり伝えているんですけど」としながら、球速表示に大きな変化はない。大船渡高で青春を共有した仲間たちもスタンドで見守る中、球威と制球で制するスタイルでデビューした。スパンジェンバーグには2打席で5度、直球で空振りを奪った。 左足を高く上げるフォームが代名詞だ。高校時代、過酷な真夏の試合でも左足つま先は鼻近くまで高く上がった。中学でケガをし、柔軟性を追求したことで生まれたフォーム。足の高さは球速への推進力を生む。今はあごの位置まで。キャンプ時はもっと低かった。試行錯誤を重ねた石垣島で「もちろん初めて見た人には特徴的で印象的かもしれないですけど」と前置きしながら、言った。 「それよりも大事なのは、やっぱりボールだと思うので。僕もあの足の上げ方は、何となく全体的な動きがしっくりきて好きなんですけど、ボールが良くなるなら。どんどんいいものを求めていくには、どんどん変わっていくと思います。やっていく中で一番いい投げ方でいきたいです」 希代の投手になるため、変化を恐れず進化する。許した5盗塁は勝ちを重ねるための宿題だ。「とてもいい経験ができたと思うので、どんどん修正していきたい」と前向きに捉える。「しっかり相手を圧倒できるように、いろんなところの精度を上げていきたいと思います」。白星はつかなくても希望につながる107球。物語のページが1枚、めくられた。【金子真仁】

◆大投手への1歩目を踏み出した。ロッテ佐々木朗希投手(19)が16日、西武戦(ZOZOマリン)でプロ初登板初先発を果たした。 5回4失点、最速154キロ。勝ち負けはつかなかった。6安打5盗塁を許しながら5三振を奪った。ドラフト会議から1年7カ月後のデビュー。全71球投げた直球の平均球速は約151・2キロ。高校時代の163キロには及ばずも、制球を崩さない新たなスタイルで圧倒的な投手を目指す。

◆大投手への1歩目を踏み出した。ロッテ佐々木朗希投手(19)が16日、西武戦(ZOZOマリン)でプロ初登板初先発を果たした。 5回4失点、最速154キロ。勝ち負けはつかなかった。6安打5盗塁を許しながら5三振を奪った。ドラフト会議から1年7カ月後のデビュー。全71球投げた直球の平均球速は約151・2キロ。高校時代の163キロには及ばずも、制球を崩さない新たなスタイルで圧倒的な投手を目指す。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が16日、西武戦で1軍デビューを果たした。ZOZOマリンのフロア4(2階席)にある記者席から取材した。 日刊スポーツに割り振られた取材席は、マウンドと本塁を結ぶ直線の延長線上にある。グラウンドより約25メートル高い場所にあるため、投球がストライクかボールか、少なくとも左右での見極めはかなりしやすい。 佐々木朗が投げた107球のうち、強く印象に残る球が2球あった。初回、西武山川を空振りさせた3球目のスライダーと、4回に愛斗を空振りさせた初球のスライダーだ。 同じスライダーでも、後方25メートルの高さから見ると、違いは一目瞭然だった。山川へのスライダーは、リリースの直後は直球だと思った。本塁寸前で回転軸が急に90度変わるような、カットボールのごとき1球。球速は141キロだった。 一方、愛斗へのスライダーは135キロで大きく曲がり、空振りさせる意図を強く感じた。昨年11月8日、CS進出がかかる大一番の西武戦(ZOZOマリン)で、大きなスライダーが特徴的な東條大樹投手(29)が愛斗に対して3球連続スライダーを空振りさせた。バッテリーがそれを意識したかは未取材のため不明ながら、想起させるような攻めだった。 佐々木朗は高校3年時のベストピッチに作新学院(栃木)との練習試合を挙げ「思うようにボールを操れたので」と話している。その試合は、愛斗に投げたような130キロ中盤のスライダーで面白いようにストライクを取っていった。 肉体強化の成果か、現在はスライダーもフォークも最速で140キロ台中盤に迫っている。今後、この130キロ台の変化球をどう使っていくか注目したい。 もう1つ、高さ25メートルでの取材ならではの出来事があった。4回、スパンジェンバーグへの2-2からの5球目が、ネット裏へのファウルになった。記者席よりさらに上の天井にぶつかった。この記事に添えられた写真の左上に見える突端の上に当たった。 ロッテ担当記者になり、ZOZOマリンでの試合取材も100試合に迫る。ネット裏後方の2階席最上段の記者席まで届くファウルは、記憶の限り1球もなかった。佐々木朗の150キロとスパンジェンバーグの強振が生んだファウルは、記者席どころかさらに約5メートル高い場所までいった。快速球と強振の衝突で、いかに強いスピンがかかったかの証しともいえる。 ソフトバンク柳田にオリックス吉田正...今後パが誇る強打者たちと対決していく中で、どんな強烈なファウルが飛んでくるのだろう。警戒を強めたい。【金子真仁】

◆西武・平井克典投手(29)が16日のロッテ戦に先発する。相手は佐々木朗希投手(19)が初先発を果たすとあって、注目の一戦となるが、平井は「まあ、関係ないっすね。僕はロッテのバッターと戦うので、そこは意識せずやっていければ」と"無関心"でマウンドに立つ。  今季から先発に転向したが、2019年にはパ・リーグ記録のシーズン81試合登板を樹立するなど、プロでの実績があるだけに負けられない。「相手の投手より先にマウンド降りることはないように、そこは自信をもって投げたいです」。チームの勝利のためにロッテ打線を封じ込める。

◆プロ初登板初先発のロッテ・佐々木朗希投手(19)が三回にプロ初失点を喫した。4-0で迎えた三回無死二塁で、1打席目に左前打を浴びた1番の若林に、中前適時打を打たれた。

◆七回のロッテの攻撃時にハプニングが発生した。  1死一、二塁から登板した西武の5番手左腕、小川が安田を左飛に打ち取ると、ロッテは角中のに代打に右打者の井上を投入。場内アナウンスも流れ、井上も打席に入ろうとしていたが、左翼ポール際のフェンス扉が開いていたためか球審はいつまでもプレーを告げなかった。スタンドがざわつきはじめるなか、予告もなく右腕の十亀を乗せた黒のリリーフカーが登場。車は"異変"に気づいたのか、ファウルゾーンでピタリと止まり、バックで扉の中へ戻っていった。  直後に辻監督がベンチから出てきて球審に右腕、十亀への投手交代を申告。これを受けて場内アナウンスが流れ、リリーフカーも改めて登場。十亀がマウンドにあがり、代打・井上を三振に仕留めた。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)が先発で1軍初登板。5回を投げ5三振を奪うなど6安打4失点(自責2)で勝ち投手の権利を持って降板したが、チームは八回に同点に追いつかれた。球数は107、2四球で最速は154キロを計測した。試合は引き分けた。  2年目で1軍のマウンドに上がった佐々木朗。一回、先頭の若林に対してプロ1球目の151キロの直球を投じたが、左前打を浴びた。その後、1死一、三塁のピンチを招いたが山川をスプリットで空振り三振。続く栗山を左飛に打ち取り、無失点で切り抜けた。二回は三者凡退。三回に試練が訪れる。  無死二塁とされた後、若林に中前適時打、続く源田に右中間適時三塁打を浴びた。なおも1死一、三塁から栗山に中犠飛を許し、この回3失点した。四回は2死二塁のピンチで、若林をスプリットで空振り三振に仕留めた。五回は1死三塁のピンチで、山川をスプリットで見逃し三振。しかし栗山の打席で暴投し、同点に追いつかれた。  ロッテ打線は一回、荻野が左越えに初回先頭打者本塁打、2番・マーティンが右中間に11号ソロを放ち2点を先行。二回にも2点を追加し、佐々木朗を援護した。さらに同点に追いつかれた後の五回にマーティンが右越え12号2ランを放ったが、八回に唐川が崩れた。 ロッテ・佐々木朗の話 「緊張はあまりなかったです。真っすぐはある程度はコントロールできたんですけど、変化球が抜けてしまう球が多くて、そこでカウントも不利になってしまった。そこを修正していきたいです」

◆西武が4-6の八回、スパンジェンバーグの2点適時打で追い付いた。ロッテは佐々木朗が味方の拙守もあり5回4失点。五回にマーティンの2打数連発となる2ランで勝ち越したが、八回に唐川が崩れて逃げ切れなかった。

◆西武は足を使った攻撃で序盤から劣勢だった試合を引き分けに持ち込んだ。2点を追う八回2死一、三塁、スパンジェンバーグの右前打で、スタートを切っていた一塁走者の呉念庭も一気にホームイン。2点を奪って追い付き、辻監督は「うまいこといった。当たったね。走ってなかったら1点止まりだったから」とにんまりだった。  プロ初登板で先発した佐々木朗からも5盗塁を決めるなど小技で揺さぶって4点を奪った。0-4の三回、失策で出塁した金子が二盗。若林の適時打を呼び込むと、その若林も盗塁を決めて源田の適時三塁打につなげた。五回も源田の二盗で好機をつくって暴投で生還。辻監督は「そういうことをしないと、簡単に点は取れないとこっちも思っていた」と計算通りの攻略に納得の表情だった。

◆西武の平井は序盤から乱れて4回4失点だった。一回、荻野とマーティンの1、2番に連続で本塁打を浴び「立ち上がりにがんがんといかれてしまって、そこから気持ちを切り替えなければいけなかったがうまくいかなかった」とうなだれた。  二回にも佐藤都に適時二塁打と荻野に適時打を許して2点を奪われた。「いいところが一つもなかった。反省しかありません」と話した。

◆ロッテのマーティンが2発を放ち、両リーグトップの本塁打数を12に伸ばした。一回、1番荻野に続いて、失投を逃さず2者連続となる一発をマーク。五回にも右翼席へ2ランをたたき込んだ。  七回には二塁打を放って今季2度目の1試合3安打をマーク。本塁打は4月29日以来で安打も3試合ぶりと復調の兆しを見せ「しっかり自分のスイングができた」と笑顔だった。

◆岩手・大船渡高から入団2年目のロッテ・佐々木朗希投手(19)が16日、西武9回戦(ZOZOマリン)に先発でプロ初登板を果たした。目安の85球を上回る107球を投じ、5回6安打4失点(自責点2)の5奪三振。チームが八回に追い付かれて6-6で引き分け、白星は付かなかった。"令和の怪物"がデビュー戦を迎えた日に、プロ野球は史上初めて4試合が引き分けとなった。  ZOZOマリンスタジアムに場内アナウンスが響き渡る。「先発ピッチャー、佐々木朗希」。この瞬間、1万2918人の観衆から大きな拍手が降り注いだ。"令和の怪物"こと佐々木朗がプロ2年目に1軍デビューを果たした。  「1軍の独特の雰囲気はあったと思います。疲れました。去年から(周囲に)サポートしてもらっていたので、1軍で投げられて良かったです」  岩手・大船渡高時代に球速163キロをマークした剛腕。一回1死一、三塁のピンチを脱したが、三回に味方の失策や盗塁で揺さぶられて3失点。五回は1死三塁で山川を見逃し三振に仕留めた後、栗山に投じた初球のフォークボールが暴投に。同点とされた。  その直後にマーティンの勝ち越し2ランが飛び出し、勝利投手の権利を持って5回6安打4失点(自責点2)で降板。85球が目安だった球数はプロ入り後最多の107球に達していた。  最速154キロを計測するなど5奪三振。「直球は内角に決まったし、ある程度、いいところに投げられた」と収穫を口にしたが、八回に唐川が追いつかれて試合はドロー。19歳にとって節目の日に、プロ野球は1日では最多の4試合が引き分けた。 その他の写真(2/4枚)  「全体的に自分から崩れることはなかった。ピンチでも少しは粘れた」  4球団競合の末にドラフト1位で入団した昨季は、体づくりに専念して実戦登板はなかった。今季の開幕後は2軍で5試合に登板し、防御率0・45と好成績を残して1軍に昇格した。注目の一戦をBS朝日が緊急生中継し、球団は「朗希のほうじ茶ラテ」と「マルゲリータ風 汁無し坦々麺」を急きょ販売。右腕を後押しした。  小学3年時の2011年、3月11日の東日本大震災で父・功太さん(当時37歳)と祖父母を津波で亡くしてから10年の節目でデビュー。陸前高田市は津波に襲われ、佐々木朗の自宅も流された。小学4年時に母・陽子さんの親族がいる同県大船渡市に転居。母からは「頑張って」と激励されて1軍のマウンドへ。勝敗は付かなかったが、晴れ姿を見せた。  井口監督は「いい球を投げていたと思う。次回もまたどこかでチャンスを見つけられたら」と評価。その一方、5つの二盗を許したことで「走者を置いてからのクイックだったり、いろいろな課題はある」と一度、出場選手登録を外して"宿題"を課す方針を示した。  「(許した5盗塁は)いい経験。修正していきたい。もっと相手を圧倒できるように精度を上げていきたい」と佐々木朗。初登板は、期待感を抱かせるのに十分な投球だった。(山口泰弘) その他の写真(3/4枚) ◆柳沼担当スカウト 修正力に期待  大船渡高時代の佐々木朗を担当したロッテ・柳沼強スカウト(46)は「(昨季の)1年間は体力作りをしてきた。本人はもどかしさがあっただろう」と思いやった。自身は神奈川大学から1997年にロッテ入り。引退後はブルペン捕手を経て2019年、スカウトに就任した。佐々木朗とは1カ月に2度ほど電話し「1時間、話すことはよくある。人の話がしっかりと聞けて修正できる力がある」という。「初めての1軍での投球を次にどう生かせるか」と成長に期待した。 ◆恩師エール「野球界の宝」に  2019年8月下旬から約2週間、高校日本代表監督として佐々木朗を預かった永田裕治氏(57)=当時報徳学園高監督、現日大三島高監督=は「今でも春のキャンプ前に『頑張ってきます』とメールは来る。『日本の宝だと思っている選手だから、けがだけには気をつけるように』と返している」と気遣った。1軍初登板を終えた19歳に「野球界の宝。期待しています」とエールを送った。

◆佐々木朗の実戦初登板となった3月22日の練習試合(対DeNA、2回2失点)も見た。約2カ月前は2イニング目に明らかにフォームも球もばらついたが、この日はその心配がなかった。2軍で実戦を重ね、球数をこなしたことで、順調に階段を上がっている。  最速154キロに物足りなさを感じる人もいるだろうが、目いっぱいの力ではなく、体のバランスを考えながら投げて154キロが出たということ。投げ込んでいけば、球速はまだまだ上がる。  驚いたのは、7割近くがストレートだったことだ。現在、日本球界を代表する投手として名前が挙がる菅野(巨人)、山本(オリックス)にしても、これだけ多くの割合で真っすぐを投げることはない。しっかりと真っすぐで勝負できているのは立派だった。  課題は5盗塁を許したことだ。クイックモーションは普通にできているのに、足に自信がある若林、金子らは出塁すると躊躇(ちゅうちょ)もなく走ってきた。これだけ盗塁を企てられるのは、投手の責任。もっと球を長く持つなり、簡単に走らせない工夫が必要だ。  投手の仕事は投げることだけではない。今後は120-130球を投げても大丈夫な体を作りながら、フィールディングなどを含めた"投手力"を上げていってほしい。(本紙専属評論家)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
楽天
19158 0.559
(↑0.014)
-
(↓0.5)
101161
(+1)
149
(-)
32
(+1)
19
(+1)
0.232
(↓0.001)
3.390
(↑0.09)
2
(1↓)
ソフトバンク
20167 0.556
(-)
0
(-)
100180
(+2)
155
(+2)
37
(-)
33
(+2)
0.262
(↓0.003)
3.430
(↑0.04)
3
(-)
ロッテ
18167 0.529
(-)
1
(-)
102190
(+6)
163
(+6)
40
(+3)
29
(-)
0.244
(↑0.002
3.770
(↓0.01)
4
(1↑)
西武
16178 0.485
(-)
2.5
(-)
102141
(+6)
154
(+6)
24
(-)
42
(+5)
0.234
(↑0.001
3.740
(↓0.06)
5
(1↓)
ORIX
17197 0.472
(↓0.014)
3
(↓0.5)
100161
(-)
161
(+1)
40
(-)
13
(-)
0.247
(↓0.003)
3.410
(↑0.06)
6
(-)
日本ハム
13205 0.394
(-)
5.5
(-)
105114
(+2)
165
(+2)
22
(-)
21
(+1)
0.219
(-)
3.930
(↑0.05)