巨人(☆5対3★)阪神 =リーグ戦8回戦(2021.05.15)・東京ドーム=
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阪神
1020000003900
巨人
11003000X51001
勝利投手:サンチェス(3勝2敗0S)
(セーブ:野上 亮磨(0勝1敗1S))
敗戦投手:伊藤 将司(3勝1敗0S)

本塁打
【巨人】スモーク(3号・5回裏3ラン)

  DAZN
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◆巨人がシーソーゲームを制した。巨人は同点で迎えた2回裏、炭谷の適時打で勝ち越しに成功する。その後逆転を許すも、5回にはスモークの3ランが飛び出し、再びリードを奪った。投げては、先発・サンチェスが7回途中3失点で3勝目。敗れた阪神は、9回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆巨人ゼラス・ウィーラー内野手(34)が絶好調。規定打席に到達していないものの、打率は4割5分1厘を誇り、3月30日中日戦から19試合続けて安打を記録中。 巨人選手が20試合連続安打となれば16年阿部(23試合)以来となるが、ウィーラーは今日も打つか。

◆巨人が阪神との「伝統の一戦」の、通算2000試合目を本拠地で迎える。34年創設の巨人と35年創設の阪神は、日本野球界における「永遠のライバル」として名勝負を繰り広げ、ここまでの通算成績は巨人の1093勝835敗71分け。 1999試合目となった14日の対戦では、4月25日の広島戦以来19日ぶりに観客が駆けつけた中、巨人が今季5度目の逆転負けを喫した。 3回に岡本和真内野手(24)の左犠飛で先制したが、直後の4回にマルテの8号ソロと梅野の適時打で2失点。そのまま逃げ切られ、1-2で敗れた。首位阪神とのゲーム差は今季最大の4・5に拡大。節目の一戦は、2位巨人にとって踏ん張りどころとなる。14日試合後の巨人原辰徳監督(62)の主な一問一答は、以下の通り。 -引き締まった投手戦 そうですね、そうですね。 -先発畠は7回2失点 そうですね。まあまあ。辛抱強くね。あの回(4回)だけちょっと、ねえ。でも2点で抑えたんだもんね。 -打線が1得点 そうですね。まあまあ、その部分でしょうね。2-1(で敗れた)というのはそういう部分だね。 -8回は丸に代打中島を送った 最善の策というところですね。 -僅差であればあるほど、四球も走塁も重要性は増す そうですね。そうですね。まあ、明日いきます。

◆この姿は不可解で不自然に映る。巨人元木大介ヘッドコーチ(49)が「決して調子は良くない。今までとは大違いだからね。本来の姿ではない」と眉間にしわを寄せる。打率2割2分7厘に低迷している丸佳浩外野手(32)の不振を嘆いた。14日の阪神戦も1点を追う8回1死で代打中島を送られてベンチに下がった。 広島から巨人にFA移籍してから3年目のシーズン。広島で3連覇、巨人で2連覇中で"リーグ5連覇中"の背番号8に異変が起こっている。元木ヘッドコーチは代打を送った場面について「そういうベンチの判断で変えました。タイミング全然あってなかったし。1個四球選んだけどね」と説明した。 この日の試合前練習で打撃ケージの後ろで見守りながらアドバイスを送った同コーチは復調への手だては「やってる、やってる。四球を選んだり、この前の横浜スタジアムで右前打を打っている。でも、打ってから波に乗り切れていないかなというのがある。止まってしまうからね」と頭を悩ませている。石井野手総合コーチもティー打撃で手取り足取りの指導。2番ウィーラー、4番岡本和は好調を維持する。間に挟まる丸の打棒が「マル」か「バツ」か。2000回目を迎える「伝統の一戦」の勝敗に直結する。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、巨人戦初の本塁打で、通算2000試合のメモリアルゲームに花を添えられるか、注目だ。 伝統の一戦の、節目の試合では、数々のスタープレーヤーが結果を残してきた。500試合目では王貞治がサイクル安打。1000試合目では2年目だった原辰徳が勝負を決める3ランを放った。1500試合目は松井秀喜が6回に逆転3ラン。2000試合目は、虎の新スターに期待がかかる。 また、エンゼルス大谷とが本塁打を放った日に、佐藤輝も1発を放つ「国際アベック本塁打」も話題となっている。大谷、佐藤輝とも4月14日(4)号、同25日(6)号、5月4日(9)号、同7日(10)号と、同日にそろって計4本塁打。大谷は15日に11号を放っており、佐藤輝にも期待がかかる(大谷本塁打の日付は日本時間)。 試合前フリー打撃では左翼、右翼スタンドへ連発で放り込むなど、予行演習はバッチリだ。前日14日には阪神新人の4番で82年ぶりとなる巨人戦での安打を放っており、勢いがある。「巨人は倒さないといけない相手」と語っていた通り、バットで勝利に導けるか。

◆巨人が阪神との「伝統の一戦」の、通算2000試合目を本拠地で迎える。34年創設の巨人と35年創設の阪神は、日本野球界における「永遠のライバル」として名勝負を繰り広げ、ここまでの通算成績は巨人の1093勝835敗71分け。【巨人戦に燃えた猛虎たち】 ◆村山無念の天覧試合(59年6月25日=4●5、後楽園)天皇皇后両陛下をお迎えしての歴史的な対戦。4-4の同点で迎えた9回裏、先発の小山正明を救援した村山実が、先頭の長嶋茂雄にサヨナラ本塁打を浴びた。両陛下が球場を後にされる直前の一打だった。 ◆村山涙の猛抗議(63年8月11日ダブルヘッダー第2戦=3○2、甲子園)同点の7回、救援に村山が立った。カウント2-2からの内角低めの直球は、判定ボール。村山が国友球審に「何がボールや!」と食ってかかって男泣き。抗議は実らず退場となった。 ◆江夏が王から新記録(68年9月17日=1○0、甲子園)江夏豊は年間奪三振新記録を、宿敵の王貞治から奪おうと決意。4回にタイ記録の353個目を取った後、他の打者を巧みに凡打に仕留める。7回の王との対戦で、単独最多に立つ354奪三振を達成した。 ◆バッキー乱闘(68年9月18日ダブルヘッダー第2戦=2●10、甲子園)先発バッキーは4回、打席に王を迎えた。1、2球目を近めに投じたことを契機に両軍総出の殴り合いに発展。バッキーは右手親指を骨折し、選手生命を縮める遠因となった。 ◆小林意地の8連勝(79年9月5日=13○5、甲子園)江川卓との「空白の一日」トレードで移籍した小林繁は、古巣との対戦で目の色を変えた。4月10日の初対戦(甲子園)を手始めに、巨人戦9試合に先発登板。無傷の8勝を荒稼ぎし、巨人に恩返しした。 ◆バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発(85年4月17日=6○5、甲子園)阪神は7回、槙原寛己からまず3番バースが逆転3ラン。4番掛布雅之、5番岡田彰布もバックスクリーンへ白球を運び、伝説の3連発が完成。阪神は、日本一へ快進撃を始めた。 ◆バース7戦連続本塁打(86年6月26日=6○5、後楽園)巨人王の持つ日本記録にあと1と迫ったバースは、エース江川卓と対戦。8回の最終打席で場外へと消える一撃を放った。一塁側ベンチで苦笑する当事者の王監督を横目に笑顔でベースを1周した。 ◆新庄サヨナラ敬遠打ち(99年6月12日=5○4、甲子園)延長12回裏、阪神は1死一、三塁の絶好機。槙原が投じた外角への敬遠球を、新庄剛志が踏み込み三遊間へサヨナラ安打。熱狂のるつぼと化したスタンドに、お立ち台から「明日も勝つ!」と叫んだ。 ◆金本右手1本で執念の2安打(04年7月30日=1●8、甲子園)前日中日戦で左手首に死球を受けた金本知憲が、インパクトの瞬間に激痛の走る左手を離し、右手だけでバットを振る打撃で2安打。連続フルイニング出場700試合の日本記録に王手をかけた。 ◆鳥谷不屈のフェースガード(17年5月25日=6○1、甲子園)鳥谷敬は前日の巨人戦で死球を受け、鼻を骨折。一夜明け、黒のフェースガードをつけ平然とグラウンドへ。6回に代打に立ち、三塁ゴロに終わった。執念のプレーに球場は感動の拍手に包まれた。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)は長めにキープしていたひげを短くそろえて来日初安打を狙う。 前日14日巨人戦を終えた時点で来日初打席から16打席連続ノーヒット。球団外国人野手のワースト記録となる20年ボーアの18打席連続ノーヒットに近づいている。 この日も「6番右翼」で先発。心機一転、快音を響かせられるか。

◆巨人がトリックプレーで同点に追い付いた。 1点を追う1回2死一、三塁、打者スモークの2球目だった。一塁走者の丸がスタート。阪神の捕手梅野が二塁へ送球すると、丸は二塁ベース付近でスピードを緩めて、挟殺プレーに持ち込んだ。様子をうかがっていた三塁走者の梶谷は、梅野の送球のタイミングを見計らい本塁を陥れた。通算2000試合目の伝統の一戦。1回から百戦錬磨の「マジシャン原」が、華麗なトリックで試合を振り出しに戻した。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)が来日初打席から18打席連続ノーヒットとなり、20年にボーアが記録した球団外国人野手のワースト記録に並んだ。 2回は先頭でサンチェス相手に空振り三振。3回2死三塁では見逃し三振に倒れ、18打席連続ノーヒットとなった。 前日14日巨人戦を終えた時点で16打席連続ノーヒット。この日は長めにキープしていたひげを短くそろえて心機一転、来日初安打を狙っている。

◆阪神新外国人のラウル・アルカンタラ投手(28=韓国・斗山)が、16日巨人戦(東京ドーム)でデビューする。キャッチボールなどで前日調整した右腕は「興奮しています。初めての公式戦での登板ですが、全てがうまくいくように願っています」と闘志を燃やした。雨天中止の影響で登板日は2日ずれたが「準備はしっかりとできました」と問題なし。ウエスタン・リーグでは2試合に先発して計10回を無失点。「伝統の一戦」で初勝利をつかむ。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)が来日初打席から19打席連続ノーヒットとなり、20年にボーアが記録した球団外国人野手のワースト記録を更新した。 2回は先頭でサンチェス相手に空振り三振。3回2死三塁では見逃し三振に倒れ、18打席連続ノーヒットで20年ボーアに並んでいた。3打席目は6回1死から四球で出塁したが、ワースト記録更新となってしまった。 前日14日巨人戦を終えた時点で来日初打席から16打席連続ノーヒット。この日は長めにキープしていたひげを短くそろえて心機一転、来日初安打を狙っている。

◆巨人阪神戦が15日で通算2000試合を迎えた。打者、投手に分けた記録メモを紹介します。 ? ◆打者編◆ このカードの最多出場は王(巨人)の572試合で、阪神は吉田の425試合。王が初めて4番に座ったのが62年4月7日阪神戦で、572試合のうち4番で249試合出場した。王は152本塁打も最多で、64年5月3日には4打席連続本塁打を達成。572試合で152本の王は3・8試合に1本ペースだったが、本塁打ペースで王を上回ったのが田淵(阪神)。通算67本は5位も、出場237試合の田淵は3・5試合に1本ペースで量産。73年4月26日~5月10日には巨人戦で1死球を挟み7打数連続本塁打を記録した。 ◆投手編◆ 登板数は阪神の抑えで活躍した山本和161試合、藤川144試合が1、2位。藤川は両軍最多の46セーブもマークしている。巨人の最多登板は堀内の133試合で、堀内の48勝は両軍トップ。阪神の勝利数1位は村山の39勝だが、村山は白星の3分の1に当たる13勝が完封。このカードで13完封は藤本英雄(巨人)に並び最も多い。両軍で勝利投手になったのが山内新一、小林繁、メイの3人。小林は巨人時代に31試合登板して11勝、阪神時代は38試合で13勝。阪神移籍1年目の79年には巨人戦初登板から8連勝を記録した。

◆阪神先発のドラフト2位伊藤将司投手(25)が、自己最多5失点を喫し、6回98球で降板となった。 2回までに2失点も、味方打線に3点の援護をもあったが、1点リードの5回2死から巨人クリーンアップにつかまった。丸、岡本和に連打を浴び、2死一、三塁とされ、5番スモークに左翼へ逆転3号3ランを運ばれた。この日は9安打を浴びて1四球、奪三振は4だった。 伊藤将は開幕ローテーション入りし、前回8日DeNA戦まで4試合に先発し3勝0敗。阪神の新人が無傷の3連勝をマークしたのは、84年に5連勝した池田以来37年ぶりだった。 2点ビハインドで降板後は、ベンチで逆転を信じて声援を送った。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)が3打数無安打で来日初打席から20打席連続ノーヒットとなった。 2回の1打席目は先頭でサンチェス相手に空振り三振。3回2死三塁では見逃し三振に倒れ、18打席連続ノーヒットで20年ボーアの球団外国人野手のワースト記録に並んだ。3打席目は6回1死から四球で出塁したが、ワースト記録を更新。2点を追う8回2死二塁では左腕中川を相手に右打席で見逃し三振に倒れた。8回裏の守備からベンチに退いた。 前日14日巨人戦を終えた時点で来日初打席から16打席連続ノーヒット。この日は長めにキープしていたひげを短くそろえて心機一転、来日初安打を狙っていた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)のバットが止まらない。2点ビハインドの8回1死。巨人の勝ちパターンを担う左腕中川の変化球を捉え、この日3本目の二塁打とした。二塁ベース上では、チームを鼓舞するかのように両手をたたいた。4月24日DeNA戦(甲子園)以来、15試合ぶり2度目の猛打賞。この時点で打率は2割8分まで上昇した。 1点を勝ち越された直後の3回には、1死一、二塁で一時逆転となる2点適時二塁打。「前の回に勝ち越されてしまっていたので、すぐに取り返すことができて良かったです」と振り返った。初回2死三塁の第1打席でも、サンチェスの141キロの落ちる球を捉え、左中間を破って先制の適時打二塁打を放っており、通算2000試合を迎えた伝統の一戦で、虎の4番の存在感が絶大だ。 伝統の一戦のメモリアルゲームでは、数々のスタープレーヤーが結果を残してきた。500試合目では王貞治がサイクル安打。1000試合目では2年目だった原辰徳が勝負を決める3ランを放った。1500試合目は松井秀喜が6回に逆転3ラン。2000試合目は虎の新スターが、歴史に名を刻む活躍を見せている。 佐藤輝は4月22日巨人戦(東京ドーム)から18試合連続出塁。怪物ルーキーが好調をキープしている。

◆阪神はシーソーゲームに敗れ、引き分けを挟んでの連勝が4で止まった。2位巨人とのゲーム差は3・5に縮まった。 1回表に4番のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が左中間適時二塁打を放って先制。1点を追う3回にも佐藤輝の右中間2点二塁打で逆転。だが、5回に先発のドラフト2位伊藤将司投手(25)が5番スモークに逆転3ランを浴びた。 2点を追う9回は1死満塁の好機をつくったが、得点をあげられなかった。 伊藤将は開幕からの連勝が3でストップ。新外国人のメル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)は3打数無安打で来日初打席から20打席連続ノーヒットとなった。

◆「伝統の一戦」通算2000試合目のメモリアルゲーム。 阪神はシーソーゲームに敗れ、引き分けを挟んでの連勝が4で止まった。2位巨人とのゲーム差は3・5に縮まった。 1回表に、4番のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が左中間適時二塁打を放って先制。1点を追う3回にも、佐藤輝の右中間2点二塁打で逆転。だが5回に、先発のドラフト2位伊藤将司投手(25)が5番スモークに逆転3ランを浴びた。 2点を追う9回は1死満塁の好機をつくったが、得点を奪えず。 伊藤将は開幕からの連勝が3でストップ。新外国人のメル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)は4打数無安打で来日初打席から20打席連続ノーヒットとなった。

◆阪神は1回、佐藤輝が先制適時二塁打。巨人が2回までに2得点。阪神は3回1死一、二塁、佐藤輝の2点適時二塁打で逆転した。 巨人は5回2死から、丸と岡本和が連打で好機をつくり、スモークが3号逆転3ラン。先発サンチェスは6回まで3失点と粘投。 巨人が逆転勝利で通算2000試合目の伝統の一戦を白星で飾った。先発のサンチェスが3勝目、野上が今季初セーブ。阪神は伊藤将が6回5失点でプロ初黒星を喫した。

◆巨人が1人1殺継投でギリギリ逃げ切った。2点リードの9回に鍵谷をマウンドに送った。先頭梅野に二塁打、中野を中飛に打ち取るも、陽川、近本に連続四球...。1死満塁のピンチで大江を投入した。大江は糸原を空振り三振に仕留め、2死満塁で野上に託した。野上はマルテを遊ゴロに封じた。「1Team」を象徴する"1/3回継投"で最終回をしのぎ、通算2000試合目の伝統の一戦を白星で飾った。 勝利投手は6回1/3、3失点でサンチェスが3勝目を挙げた。サンチェスは、この日、右肘の違和感で離脱中のエース菅野からプレゼントされたグラブを使用し「菅野からプレゼントとしていただいた。プレゼントをもらったら使わなければいけないと思う」と喜んだ。高梨、中川、鍵谷、大江にホールドがつき、野上は今季初セーブで、749日ぶりとなる通算4セーブ目をマークした。お立ち台に上がった野上は「1点はしょうがないと思って、コースをしっかりとつけるようにと。2死満塁でしたが、走者なしの気持ちで投げました。マウンドに立てば楽しんで投げることだけを1試合1試合、1球1球、楽しんで野球をやりたい」。大江も「とにかく1人を全力で打ち取るという気持ちでマウンドに上がった。力んで真っすぐを外してしまうこともあった。スライダーが決まった良かった」と胸をなで下ろした。 ◆巨人-阪神戦2000試合 1戦目は36年7月15日に山本球場で行われ、タイガースが8-7で勝利。通算成績は巨人の1094勝835敗71分けで、2000試合を記録したのは阪神-中日戦の2001試合に次いで2カード目。巨人-中日戦はあと4試合で2000試合に到達する。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)は来日初打席から20打席連続無安打となり、球団外国人野手では20年ボーアの18打席連続を更新して最多記録となった。16日は新外国人右腕アルカンタラが1軍初昇格初先発する。1軍ベンチ枠4人が埋まるため、矢野監督はロハスのベンチ外について「そうする」と明言した。 この日は長めにキープしていたひげを短く切りそろえて臨んだが、3打数無安打。3回2死三塁、8回2死二塁で見逃し三振に倒れるなど、左右両打席で3三振と苦しんだ。6回には四球で来日初出塁したが、指揮官は「タイミング的にも合っている感じで振れていることが少ない。なかなか確率良くという感じには現状見えない」と悩ましげだ。

◆阪神小林慶祐投手がリベンジの無失点リリーフを見せた。 岩貞祐太投手の後を受けて2点ビハインドの8回に登板。先頭の岡本和に四球を与えたが、スモークをフォークで空振り三振。代走増田大に盗塁を許したが、若林を一ゴロに打ち取った。続く吉川尚を申告敬遠で歩かせ、最後は2死一、三塁で炭谷を直球で空振り三振。 前回登板の7日DeNA戦(横浜)は1回持たず4失点を喫したが、落ち着いた投球を見せた。

◆阪神はシーソーゲームに敗れ、引き分けを挟んでの連勝が4で止まった。2位巨人とのゲーム差は3・5に縮まった。 ◆矢野監督語録 -2000試合目が最後まで見ごたえのある展開に うん、いい試合はできていると思う。 -節目の試合を終えて いや、だから、それは結果そうなっているということだけで、俺らはね、もちろんそれは感じてはやっているけど。やっているときは目の前の試合に集中してやっている、その結果が2000試合ということだと思うから。ずっと2000試合と思って戦えているわけじゃないんでね。 -伊藤将が5回にフルカウントからスモークに浴びた逆転3ランはどう見たか もちろん四球も出したくないしというところで、甘くなったのはあるけど、2死までいっているしね。きょうはちょっと球も高かったし、コントロール的にもちょっと定まっていない感じはあったけど、2死までいっての3点なんで。ちょっともったいないかなというのはあるけど。 -4番佐藤輝が猛打賞 中身もしっかりある打撃だったと思うしね。状態も上がってきている感じもするし。場面的にも、いい場面で打てているんでね。状態的には上がってきているかなという感じには思うけど。 -佐藤輝はこういう試合で存在感示すのも彼らしい まあまあそりゃ印象に残るというところではね。そういう何っていうのかな。プロとして大事な部分だと思うんで、もっともっとみんなの期待を超えていくような、そういうことをやっていってくれるんじゃないかなというのは思えてくるよね。 -ロハスもまず1本ということで焦っているようにも見える タイミング的にもちょっと合っている感じで振れていることが少ないから。なかなか確率よくという感じには現状見えないけど。 -アルカンタラが先発する明日(16日)はベンチ外か うん、そうする。 -今季の巨人戦は4勝4敗のタイになった いや、勝ち越して帰るよ。

◆阪神ドラフト2位の伊藤将司投手(25)が、先発5試合目でプロ初黒星を喫し、無傷の連勝は3でストップした。「スモーク選手の場面で、一番長打を避けなければならないところでしたが、勝負球が甘く入ってしまい悔やまれる1球となりました」。初回、2回とも先頭から連打を浴び1点ずつ失ったが大崩れしなかった。同期の佐藤輝に2点二塁打で逆転してもらい、3回は3者凡退など徐々にリズムに乗った。しかし5回2死一、三塁で5番スモークにフルカウントから真ん中に入ったカットボールを左翼席へ運ばれた。逆転3ランで、悔いの残る1球となった。 6回を投げ、ともに自己ワーストの9安打5失点。左腕は「しっかり反省して次回の登板につなげていきたいと思います」と受け止めた。改めて1球の怖さを感じたが、シーズンは始まったばかり。悔しさは次戦の白星につなげる。

◆チョーすごい! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が通算2000試合を迎えた「伝統の一戦」であの長嶋を超えた。巨人戦で全て二塁打で2度目の3安打をマーク。初回は先制、3回は一時逆転の肩書付きだった。新人4番が「伝統の一戦」で猛打賞は過去に巨人長嶋だけで、3長打と3打点は史上初めて。逆転負けで連勝は4で止まったが、打率を2割8分まで上昇させたテルでカード勝ち越しを狙う。2000回目の「伝統の一戦」の終わりを佐藤輝はネクストバッタースサークルで迎えた。2点差。9回2死満塁。最後まで分からない熱闘は、3番マルテの遊ゴロで幕を下ろした。 メモリアルゲームにふさわしい一進一退の攻防を演出した。1点を勝ち越された直後の3回1死一、二塁。サンチェスの135キロカーブを右中間へはじき返した。ワンバウンドでフェンスへ到達する間に2走者が生還。「しっかり変化球に対応できた」。一時逆転となる適時打に二塁ベース上で両手を上げた。 初回は左中間へ先制の適時二塁打、8回にも左腕中川のスライダーを右翼線にはじき返す二塁打を放った。全3打点をたたき出し3二塁打でプロ2度目の猛打賞となった。「伝統の一戦」で新人が4番を務めて3安打は58年の巨人長嶋と今回の佐藤輝だけで、3長打と3打点は史上初めて。歴史的な活躍となった。 「4番っていう、ランナーがいる場面で回ってくることが多いので、しっかり準備して、ランナーをかえすのが仕事だと思うので、継続してやっていきたい」 離脱中の大山に代わり、4番に入った8試合で打率3割6分7厘と打ちまくる。矢野監督も「中身もしっかりある。状態も上がってきている感じもするし、場面的にもいい場面で打てているんでね」と評価。18試合連続出塁で、打率を開幕直後を除いて自己最高の2割8分まで押し上げた。 特別な試合で打ってこそ、スターの証明だ。通算500試合目では王貞治がサイクル安打。同1500試合目は松井秀喜が逆転3ランを放っている。節目で活躍したルーキーに指揮官は「プロとして大事な部分。もっともっと、みんなの期待を超えていくようなことをやっていってくれるんじゃないかな」。1441試合を消化した99年3月13日に生まれた22歳が、歴史のバトンをつないだ。 巨人戦1094敗目を、ただの負けでは終わらせない。引き分けを挟んでの連勝は4でストップ。2位巨人とのゲーム差は3・5に縮まったが、緊迫感ある一戦は大きな経験値となったはずだ。すでに宿敵への特別な思いを秘める怪物ルーキーは「絶対勝って、絶対勝ち越して帰ります」と力強い。これから先も語り継がれるだろう、2021年5月15日。新時代の主役は佐藤輝明だと証明し、次の一戦へ前を向いた。【中野椋】 ▼佐藤輝が二塁打を3本放って3打点。佐藤輝の猛打賞は4月24日DeNA戦以来2度目で、1試合3長打は初めて。プロ野球初年度の36年を除き、巨人-阪神戦で新人4番打者の猛打賞は58年長嶋(巨人)が9月6日と同20日に記録して以来2人目となり、阪神では初。新人4番打者の3長打と3打点は長嶋もやっておらず、巨人-阪神戦史上初めてだった。

◆巨人の新外国人ジャスティン・スモーク内野手(34=ジャイアンツ)が決勝の3号逆転3ランで節目の試合に名を刻んだ。 1点を追う5回2死一、三塁、阪神伊藤将の甘い変化球をライナーで左翼席へ運んだ。日米通算199発目は来日後、右打席で初の1発。ベンチでは原監督からグータッチで迎えられた。「全てが初めての中で、記念すべき2000試合目で活躍できてうれしい。アリガト」と初のお立ち台で笑顔を見せた。

◆阪神は最後の最後まで宿敵巨人を追い詰めた。2点を追う9回も1死満塁、一打同点、長打なら逆転の場面をつくった。連勝は4でストップしても、矢野燿大監督(52)は「いい試合はできていると思う」と悲観することはなかった。 1点を先制した後の初回の守りで、1死一、三塁から巨人に重盗を仕掛けられた。二塁を狙った一塁走者丸が挟まれる間に、三塁走者梶谷の生還を許して同点とされた。負けじと矢野監督も2回1死から梅野が安打で出塁すると二盗を成功させ、チャンスを拡大。序盤から積極的に動き合う、通算2000試合目のメモリアルにふさわしい一戦だった。「もちろんそれは感じてやっているけど、やっている時は目の前の試合に集中してやっている。その結果が2000試合だから」。指揮官はこの1試合に全戦力をぶつけた。 開幕から4戦負けなし3連勝だった先発のルーキー伊藤将が1点リードの5回2死一、三塁、フルカウントからスモークに痛恨の逆転3ランを浴びた。矢野監督は「四球も出したくないというところで甘くなったのはあるけど。今日はちょっと球も高かったし、制球的にも定まっていない感じはあった。2死までいっての3点なんで。ちょっともったいなかった」とうなった。2死走者なしから3連打での逆転劇を悔やんだ。 今季巨人にはこれで4勝4敗のタイ。矢野監督は「勝ち越して帰るよ」と、力強く今カードの勝ち越しを誓った。宿敵には08年から13年連続で勝ち越せていない。それでも貯金15で首位を走るチームへ手応えを感じているからこそ、自信を持ってぶつかる。 16日は昨季韓国で20勝を挙げたアルカンタラを来日初登板初先発させる。プロ初の3二塁打の4番佐藤輝を中心に打線が援護し、交流戦前最後のGT戦に勝利し、首位固めをする。【石橋隆雄】 ? ◆巨人-阪神戦2000試合 1戦目は36年7月15日に山本球場で行われ、タイガースが8-7で勝利。通算成績は巨人の1094勝835敗71分けで、2000試合を記録したのは阪神-中日戦の2001試合に次いで2カード目。巨人-中日戦はあと4試合で2000試合に到達する。

◆時の流れに身を任せず、巨人が節目の一戦の勝利をたぐり寄せた。 2000試合目の「伝統の一戦」でも、原辰徳監督(62)が伝統の重みをかみしめながら「静」と「動」を織り交ぜた采配を披露。初回にはダブルスチールを敢行。1点を追う5回には2死から不振に苦しむ丸佳浩外野手(32)の安打で好機をつくり、ジャスティン・スモーク内野手(34)が3号逆転3ラン。最後は執念の継投策で逃げ切った。通算成績は巨人の1094勝835敗71分けとなった。「伝統の一戦」の名にふさわしい攻防だった。2点リードの9回、猛虎の執念に2死満塁まで押し込まれた。だが、巨人もひるまない。野上が試合の幕を引くと、一塁側ベンチから巨人ナインが勢いよく駆けだした。歓声を出せないスタンドからの拍手が鳴りやまない。原監督は何度も何度も手を振った。「ジャイアンツのOBの方もタイガースのOBの方も、2000という数字をどういう思いで見ていらっしゃったか。両軍ともに死力を尽くした良いゲームだったと思います」と声のトーンを上げた。 1936年から85年間、対決を重ねてきた。時の重みをかみしめながら、指揮官はポリシーを貫いた。かつて「時間」というものをどうとらえるかと聞かれた際、笑顔で言った。「時の流れに身を任せられないよ」。成り行きに委ねず、動くと決めれば積極的に動き、耐えると決めれば勇気を持ってとどまり、勝利へとつなげてきた。 節目を託された一戦でもタクトに信念を乗せた。1点を追う1回2死一、三塁でダブルスチールを仕掛けた。一塁走者丸が挟殺される間に三塁走者梶谷が本塁に生還。「たまたま2人の走者がやったんでしょう」と笑いつつ、続けた。「チャレンジャー精神は勝負において非常に重要なポイント。そういうものを持った状態で試合に臨めているということ」。 耐えるべきところは「忍」を貫いた。不安定な先発サンチェスだったが「サンチェスに懸けたというところ。流れは、まだ来る」と7回1死まで続投させ、終盤の継投策につなげた。不振ながら起用し続ける丸も5回2死から安打で出塁し、スモークの逆転弾を生んだ。「目の前の勝利を目指すことに徹してやっております」。勝負師として時を操り、監督としては伝統の一戦での通算182勝目(155敗12分け)をつかんだ。 節目の一戦で迎えた歓喜の時。指揮官はすぐに、胸の奥にしまった。「まだまだ未来永劫(えいごう)続くでしょう。我々が2000回目という現場を預かっていることを幸せに感じて、また明日からの英気にする」。首位に立つライバルの背中を抜き去る時まで、気を緩めずに未来へと進む。【浜本卓也】 ? ◆巨人-阪神戦2000試合 1戦目は36年7月15日に山本球場で行われ、タイガースが8-7で勝利。通算成績は巨人の1094勝835敗71分けで、2000試合を記録したのは阪神-中日戦の2001試合に次いで2カード目。巨人-中日戦はあと4試合で2000試合に到達する。▽巨人サンチェス(6回1/3、7安打3失点の粘投で3勝目をマーク) 悪くなかったが、もちろん簡単ではなかった。全球種を織り交ぜて、ゾーンの中で勝負することを心掛けた。

◆巨人阪神戦が15日で通算2000試合を迎えた。◆幕開けはルーズベルト勝利 記念すべき初対戦は36年7月15日。八事山本球場で行われ、阪神が8-7で競り勝った。「野球で最も面白い」と呼ばれる、ルーズベルトゲーム。永遠のライバル関係を暗示する船出だった。 ◆初の甲子園はノーノー黒星 通算2試合目は36年9月25日、宿敵を初めて聖地に迎えた。阪神若林忠志と巨人沢村栄治が投げ合い、0-1で敗戦。沢村に許したノーヒットノーランは日本プロ野球初となった。第1戦から劇的な戦いが続いた。 ◆両本拠地では負け越し 甲子園では425勝483敗32分けで勝率4割6分8厘。東京ドームでは159勝247敗9分けで勝率3割9分2厘。巨人の旧本拠地、後楽園では202勝320敗27分けで勝率3割8分7厘と、いずれも負け越し。 ◆他球場ではリード 両軍の本拠地以外では96試合を戦い、49勝44敗3分けと5つの勝ち越し。最も多く試合をしたのは西宮32試合(18勝14敗)次いで札幌円山19試合(8勝10敗1分け)大阪11試合(6勝4敗1分け)と続く。なお直近の地方開催は05年9月13日の長崎で、16-1と大勝。 ◆最多得点は17点 74年5月21日(後楽園)に17-7と打ち勝ったのが最多得点。一方ワースト失点は18点で、50年4月16日(甲子園)と83年6月14日(後楽園)の2度。 ◆最多本塁打は6本 過去に2度ある。82年4月29日(甲子園)では、佐野、真弓、アレン、北村、掛布、そして投手の山本和が1本ずつ。03年6月21日(東京ドーム)では、アリアスと桧山が各2、今岡と矢野が各1本塁打。 ◆双方での中心人物 61~68年に監督を務め、62年と64年の2度優勝に導いた藤本定義氏は、36~42年に巨人を指揮。両軍を率いた唯一の監督である。また00~03年に在籍した広沢克実は、95~99年は巨人でプレー。唯一この2球団でスタメン4番で出場した。 ◆助っ人 左腕投手メイは98~99年阪神で、巨人戦に2勝。00年巨人に移ると、翌年01年までに阪神戦で5勝を挙げた。また02~04年の主砲アリアスは、06年日本復帰し巨人入りした。

◆「伝統の一戦」の記念すべき通算2000試合目は、阪神がドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)の適時二塁打で先制に成功した。  試合前には大型ビジョンに過去の熱戦の映像が映し出され、厳かなムードでプレーボール。阪神は一回から攻め立て、先頭から近本、糸原が2者連続で中前打を放った。3番・マルテの三ゴロ併殺で2死三塁となったが、ここで打席に入ったのが7試合連続で「4番・三塁」に座った黄金ルーキーの佐藤輝だ。  サンチェスに対し、カウント2-2と追い込まれたものの、5球目の低めへ落ちる141キロ変化球に巧みにバットを合わせた。打球は快音を残して左中間へ飛んでいき、三走・近本が悠々ホームインだ。  佐藤輝は、巨人戦初長打となる中越え二塁打などで勝利に貢献した14日には「やっぱり巨人は倒さないといけない相手だと思うんで、集中して連勝できるようにやっていきたいと思います」と語り、この日へ向け力を込めていた。数多くの熱戦が刻まれてきた巨人との節目の一戦で、さすがの輝きを放ってみせた。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(30)=前韓国KT=が初打席から18打席連続で無安打となり、球団の新外国人としては2020年のボーアに並んで、ワーストタイとなった。  前日14日まで、16打席連続無安打。この日は、1-1の二回先頭の第1打席で空振り三振、3-2の2死三塁で回ってきた第2打席では見逃し三振に倒れ、負の記録に並ぶことになってしまった。

◆阪神はドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の2打席連続適時打で逆転に成功した。  1-2と逆転を許して迎えた三回1死一、二塁のチャンスだった。カウント1-2から低めの際どい球がボールと判定されると、直後の5球目をとらえた。低め135キロ変化球をかっ飛ばし、右中間を真っ二つ。二走の糸原ばかりか、一走のマルテまでもが長駆ホームインした。  一回にも左中間を破る先制二塁打を放っていたが、2打席連続適時打でチームの全3得点をたたき出した。自身4度目の1試合3打点以上となり、この時点で打点は「31」に。リーグトップの巨人・岡本の「34」にじりじりと迫った。

◆通算2000試合目となった「伝統の一戦」で、メジャー通算196本塁打を誇る巨人のジャスティン・スモーク内野手(34)が逆転の3号3ランを放った。  1点を追う五回2死一、三塁での第3打席。阪神の左腕・伊藤将がフルカウントで投じたカットボールが真ん中付近へ入ったのを見逃さなかった。両打ちの大砲は、右打席では初のアーチを左翼席へ。試合をひっくり返す値千金の一発にスタンドから大きな拍手が起こる中、涼しい表情でゆっくりとダイヤモンドを1周した。

◆先発した阪神のドラフト2位・伊藤将司投手(25)=JR東日本=は6回9安打5失点と踏ん張れなかった。  「スモーク選手の場面で一番長打を避けなければならないところでしたが、勝負球が甘く入ってしまい悔やまれる1球となりました。そこをしっかり反省して次回の登板につなげていきたい」  1点を先制した直後の一回に先頭の梶谷とウィーラーに連打を許すと、丸の内野ゴロで1死一、三塁。4番・岡本和の打席で二盗を試みた一走の丸を挟殺にしたが、その間に三走の梶谷が本塁を狙うダブルスチールを決められて同点とされた。二回にも炭谷の適時打で2点目を失うと、五回には2死走者なしから丸と岡本和に連打でチャンスを作られて、スモークに左翼席への逆転3ランを浴びた。  七回の攻撃で代打が出されて降板。昨年11月の都市対抗野球で登板した思い出の東京ドームのマウンドで好投することはできなかった。

◆阪神は3-5で敗戦し、通算2000試合の伝統の一戦を白星で飾ることができなかった。  一回に4番のD1位・佐藤輝(近大)の適時打で幸先よく先制し、1-2の三回にも黄金ルーキーが一時逆転となる2点打を放った。  しかし、先発のD2位・伊藤将(JR東日本)が五回に2死から連打でピンチを招き、スモークに逆転3ランを浴びてリードを許す展開となった。  九回には梅野の二塁打と2個の四球などで1死満塁の絶好機を作ったが、糸原が空振り三振、マルテも遊ゴロに倒れて試合終了となった。  新外国人のロハス(前韓国KT)は4打席に立ち、1四球3三振。これで1軍昇格後、20打席無安打となり、球団の新外国人ではワースト記録となった。

◆巨人が逆転勝ちした。2-3の五回2死一、三塁でスモークの3号3ランで試合をひっくり返した。サンチェスが七回途中まで3失点で3勝目を挙げ、野上が2年ぶりのセーブ。阪神は連勝が4で止まり、伊藤将がプロ初黒星を喫した。

◆巨人の新外国人スモークが値千金の逆転3ランを放った。2-3の五回2死一、三塁で左投手の伊藤将に対し、追い込まれてから粘り、フルカウントからの7球目が甘く入ったところを逃さず左翼席へ運んだ。悠然とダイヤモンドを一周し「2死からつながってきたチャンスで、いい一打を打ててうれしい」と振り返った。  この3号アーチが本拠地の東京ドーム6試合目の出場で初本塁打。阪神との「伝統の一戦」は、1リーグ時代から通算2000試合の節目を迎えた。阪神戦2試合目の出場で歴史に名を刻み、お立ち台で「全てが初めての中、記念すべき試合に活躍できてうれしい」と喜んだ。  米大リーグ通算196本塁打の実績を誇る強打のスイッチヒッター。新型コロナウイルス感染拡大の影響で来日が大幅に遅れたが、パワフルな右打席で実力を見せつけ「自分の仕事は打点を挙げること。これからもチームの勝利に貢献したい」と力強く話した。

◆阪神のD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が巨人戦2000試合目の節目で3二塁打。矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  --2000試合目が最後まで見ごたえのある展開に  「うん、いい試合はできていると思う」  --節目の試合を終えて  「結果そうなっているだけで、感じてはやっているけど。やっているときは目の前の試合に集中してやっている。その結果が2000試合ということだと思うから。ずっと2000試合と思って戦えているわけじゃないんでね」  --伊藤将がフルカウントからスモークに浴びた一発はどう見たか(五回に浴びた逆転3ラン)  「フォアボールも出したくないところで、甘くなったのはあるけど、ツーアウトまで行っているしね。きょうはちょっと球も高かったし、コントロール的にも定まっていない感じはあったけど、2アウトまで行っての3点なんで。もったいないかなというのはあるけど。  --佐藤輝が猛打賞  「中身もしっかりあるバッティングだったと思うしね。状態も上がってきている感じもするし。いい場面で打てているんでね。状態的には上がってきているかなという感じには思うけど」  --こういう試合で存在感を示すのも彼らしい  「そりゃ印象に残るというところではね。そういう何っていうのかな。プロとして大事な部分だと思うんで、もっともっとみんなの期待を超えていくような、そういうことをやっていってくれるんじゃないかなというのは思えてくるよね」  --ロハスもまず1本ということで焦っているようにも見える(20打席無安打)  「タイミング的にも、ちょっと合っている感じで振れていることが少ないから。なかなか確率良くという感じには現状見えないけど」  --明日はベンチ外か  「うん、そうする」  --巨人戦は4勝4敗のタイになった  「いや、勝ち越して帰るよ」

◆巨人は2点リードの九回を執念の継投で逃げ切った。この回登板した鍵谷が1死満塁のピンチを招くと、左打者の糸原に左腕の大江を投入し空振り三振に仕留め、右打者のマルテには右投手の野上をぶつけて遊ゴロに打ち取った。阪神との通算2000試合目に勝った原監督は「両軍ともに死力を尽くしたいいゲームだった」とうなずいた。  野上は2019年10月の左アキレス腱断裂を乗り越え、同年4月27日以来のセーブを挙げた。今季は救援で好投を続けており、ヒーローインタビューで「野球ができる喜びをかみしめてまた頑張っていきたい」と実感を込めた。 原監督(阪神との通算2000試合目に) 「まだまだ未来永劫、続くでしょうし。2000回目という現場を預かっているのは、どこか幸せに感じて、英気にしたい」 サンチェス(七回途中3失点で3勝目) 「野手陣の援護のおかげで、何とか粘り強く投げることができた」

◆阪神の佐藤輝が3本の二塁打を放ち、18試合連続出塁と気を吐いた。3打点を挙げ、4番打者として打線を活気づけたが、チームは逆転負けし「(結果が出たことを)プラスに捉えてやりたい」と気を引き締めた。  一回2死三塁で低めに沈む変化球を逆方向の左中間へ鋭く運ぶ適時二塁打をマーク。1-2の三回1死一、二塁では外寄りのカーブを豪快に引っ張り、右中間へ2点二塁打を放った。ともに追い込まれてから、サンチェスの変化球を捉え「しっかり対応できたのは良かった」とコメント。八回には左腕中川のスライダーを右翼線にはじき返した。  背中の張りで離脱中の大山に代わり、7日から4番を務める。「走者をかえすことが仕事。継続してやりたい」と頼もしかった。 矢野監督(19打数無安打のロハスを16日はベンチ入りメンバーから外す方針を示し) 「タイミングが合っている感じで振っていることが少ない」

◆「6番・右翼」で出場したロハスは3打数3三振。2点を追う八回2死二塁では中川の前に3球三振に終わった。来日から20打席連続無安打となり、外国人では2020年のボーアを抜いて球団ワースト。矢野監督は「タイミング的にも合っている感じで振れていることが少ない。確率よくという感じには現状見えない」と話し、アルカンタラが先発する16日は、ベンチから外すと明言した。

◆メジャー通算196本塁打を誇る大砲が、勝利をもたらした。スモークが2-3の五回2死一、三塁から阪神ファンが陣取る左翼席へ、逆転の3号3ラン。通算2000試合目の「伝統の一戦」で、阪神戦2試合目の出場となった新助っ人が歴史に名を刻んだ。  「うまい具合にスライダーを打てた。記念すべき2000試合目で活躍できてうれしい」  左腕・伊藤将がフルカウントで投じた真ん中への失投を逃さなかった。強打のスイッチヒッターにとって来日初の右打席でのアーチ。ベンチの原監督は、バンザイポーズで大喜びした。  「伝統の一戦」で助っ人の存在は欠かせないスパイスだ。勝負強い打撃で沸かせたクロマティ、1998年7月31日の阪神戦で審判に剛速球を投げつけたガルベス...。数々の"名場面"に、この日の豪快弾も加わった。  新型コロナウイルスの影響で来日が大幅に遅れながら12試合で打率・357、3本塁打と結果を残すスモーク。「自分の仕事は打点を挙げることだ」。淡々と話す姿が何とも頼もしい。(谷川直之)

◆どうしても、こういう戦いになる。あとひと押しだったが、簡単に勝たせてくれる相手ではないことは、歴史も教えてくれていた。これで今季は4勝4敗。矢野監督の視線はもう"2001試合目"に向いている。  「いや、勝ち越して帰るよ」  3-5の九回まで怒とうの攻めを見せた。先頭の梅野の左翼線二塁打から、途中出場の陽川も必死で四球を選んで、近本も四球でつないで、宿敵を1死満塁まで追い詰めた。これで再び3・5ゲーム差になった。4月20-22日の今季最初の東京ドームでも、初戦白星から2つ落としているだけに、16日が序盤戦において重要な意味合いを持つ。マルテが遊ゴロに倒れて最後の打者になった瞬間からもう、虎将は次戦へ燃えていた。  苦い記憶は、ここで振り払っていく。昨季は東京ドームで開幕から8連敗を喫したことが、シーズンで8勝16敗と大きく負け越す一因となった。次に東京ドームへやってくるのは、交流戦も、東京五輪による中断期間も過ぎた後の9月24日からの3連戦。シーズン最終盤は、ここでの戦いがさらに鍵を握る。だからこそ今カードの東京ドームでは勝ち越しが必須だ。  最初から最後まで、伝統の一戦の通算2000試合目にふさわしい名勝負を刻んだ。「やっているときは目の前の試合に集中してやっていて、その結果が2000試合ということだと思う」とゲームに入り込んでいた指揮官だが、送り出すナインは明らかに、Gに対して昨季までとは違う躍動を見せつけている。  全3打点を挙げて気を吐いた佐藤輝はもちろんのこと、守備でも一回に岡本和のライナーを好捕した糸原を筆頭に、前日から好プレーが連鎖して生まれている。リリーフ陣がピンチを作っても耐えたことが、最後まで勝利のチャンスを残すことにもつながった。  矢野監督も「うん、いい試合はできていると思う」と確かな手応えを感じ取っている。覇権は必ず、虎が奪う。だからこそきょう、2001試合目を取る。(長友孝輔)

◆巨人との通算2000試合目(東京ドーム)は3-5で敗戦。連勝は「4」でストップしたが、阪神のD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が先制、一時逆転の二塁打を放ち、3二塁打3打点でプロ2度目の猛打賞と躍動した。藤村富美男、田淵幸一、掛布雅之ら数々のスターが伝説を刻んできた伝統の一戦。新たな歴史は、佐藤輝が作る!  2000回目の伝統の一戦。数々の伝説を生んだ宿敵との戦いで、球場をもっとも盛り上げたのは、やはり佐藤輝だった。3本の二塁打に、チームの全得点を稼ぎ出す3打点。東京ドームに集まった1万4957人の前で、新時代の担い手であることを証明した。  「(3安打は)プラスにとらえて。4番という打順は走者がいる場面でまわってくることが多いと思う。しっかり走者をかえすような仕事を継続していきたい」  まずは一回2死三塁で左中間へ先制二塁打。1-2の三回1死一、二塁では右中間へ一時逆転となる2点二塁打。八回にも中川から二塁打を放ち、4月24日のDeNA戦(甲子園)以来となる2度目の猛打賞を、すべて二塁打で記録した。  1936年7月15日に山本球場(名古屋市)で始まった伝統の一戦。初の勝利投手は初代ミスタータイガースこと藤村富美男だった。強打者でもあったレジェンドは本塁打王2度、首位打者5度の巨人・川上哲治と何度もタイトルを争った。 その他の写真(2/3枚)  数々のヒーローが歴史をつむいできた。プロ野球が初めて天皇、皇后両陛下を迎えた1959年6月25日(後楽園)では長嶋茂雄が村山実からサヨナラ本塁打を放った。村山は長嶋を終生のライバルと定め、1500奪三振も2000奪三振も長嶋を相手に決めた。  通算474本塁打を放った田淵幸一は、通算868本塁打を記録した巨人・王貞治という高い壁に挑み続けた。掛布雅之は岡田彰布、ランディ・バースとともに85年4月17日(甲子園)で巨人・槙原寛己からバックスクリーンへ3連発。両者がぶつかるところには、常に球史に残るドラマが繰り広げられてきた。  偉大な先人たちによって積み上げられてきた2000という数字。節目の試合で二塁打は2桁の「10」となった。143試合に換算すれば36二塁打で、58年に長嶋が記録したセ・リーグ新人記録(34)を更新する。また一つ、球史に名を残す可能性が浮上。打点も31でトップの巨人・岡本和にまた3差に迫った。歴史を刻む者として、改めてその素質を証明した。  矢野監督もそんな佐藤輝を「印象に残るというところでは、プロとして大事な部分。もっともっとみんなの期待を超えていくような、そういうことをやっていってくれるかなというのは思えてくる」と期待を込めた。  記念すべき試合を白星で飾れなかったが、佐藤輝は「あす(16日)は絶対勝って勝ち越して帰ります」とキッパリ。まずは2007年以来勝ち越していない負の歴史を変える。新たな伝統を、つむいでいく。(菊地峻太朗)

◆セ・リーグ2位の巨人は15日、首位・阪神との8回戦(東京ドーム)に5-3で逆転勝ち。通算2000試合目となった「伝統の一戦」を勝利で飾り、ゲーム差を3・5に縮めた。先制された直後の一回に重盗を仕掛けて同点とし、九回には"一人一殺"の継投で2点差を守り切るなど、原辰徳監督(62)が"勝負師"らしい執念の采配を披露。新外国人のジャスティン・スモーク内野手(34)は五回に逆転3ランを放ち、勝利の立役者となった。  スタンドをぐるりと見まわし、帽子を持った右手を高々と振り続けた。1万4957人が集まった東京ドームでの節目の一戦。原監督は勝利に沸くファンに目一杯、感謝の意を表した。  「両軍ともに死力を尽くした、いいゲームだった。今日に関しては、我が軍にやや軍配が上がったというところじゃないでしょうか」  メモリアルゲームにふさわしい緊迫した展開。勝利の原動力は、数々の名勝負を演じてきた指揮官の采配にあった。 その他の写真(2/2枚)  始まりから、仕掛けた。1点を先制された直後の一回2死一、三塁でダブルスチールを敢行した。一走・丸が挟まれる間に、三走の梶谷が本塁に生還。原監督は「たまたま、あの2人がやったんでしょう」とけむに巻きつつ「チャレンジャー精神は勝負において非常に重要」とうなずいた。  最後も、勝負に出た。5-3の九回、4番手・鍵谷が1死満塁のピンチを招き、22歳左腕の大江にスイッチ。左打ちの糸原を三振に斬ると、2死満塁では右腕・野上を投入して逃げ切った。不安定だった先発のサンチェスを「流れはまだ来る」と我慢し、七回1死まで続投させることで救援陣を温存。まさに"機を見るに敏"な采配だった。  1936年に巨人と阪神の優勝決定戦で沢村栄治と景浦将が投げ合い、熱戦を繰り広げたことから生まれた「伝統の一戦」。地下鉄・東西線の東陽町駅から徒歩5分の場所にある東京・江東区の「洲崎球場跡」には「伝統の一戦(巨人・阪神)誕生の地」と記された碑が残る。 その他の写真(1/2枚)  時を超え、場所が変わっても、その熱気は変わらない。巨人は通算成績を1094勝835敗71分けとし、1400試合から100試合ごとの節目で7連勝とした。2リーグ制(50年)以降、両軍が1、2位を分け合った年は16度あり全て巨人が優勝している。競り合えば必ず勝つ。それが盟主たるゆえんだ。  原監督は「まだまだ、未来永劫続くでしょう。2000回目という現場を預かっていることを幸せに感じて、また明日からの英気にしたい」と伝統の重みをかみしめた。その視線は、歓喜に沸く未来を見据えていた。(伊藤昇)

◆わが阪神、伝統の一戦を勝利で飾れず...。無念!!  対戦成績は巨人の1094勝835敗71分け。この差は九回1死満塁のピンチに一人一殺を狙って糸原に左の大江、右のマルテに右の野上を投入。勝利へのあくなき執念にあるのでは...。勉強になったわー!!  そんな中、4番・佐藤輝の3本の二塁打とチームの全3打点は、40年後の3000試合目では虎が勝ち数をひっくり返している、はじめの一歩と俺は思うのだ!!  さて、伝統の一戦を記念して前日の『虎の巨人戦・涙編』とは逆に、50余年見てきた俺の『虎の巨人戦・歓喜編』、7シーン+1をお送りするのだ(時代順)。  (1)田淵、巨人戦で7打数連続ホームラン。  (2)末次、満塁一掃の落球&ボールを蹴る(末次さん、ごめんなさ~い! でも、本人に言ったら蹴ったのは覚えていないんだって...。それくらい頭が真っ白になったんだろーな)。  (3)江川のデビュー戦で、ラインバックが虎党狂喜乱舞の逆転3ラン!!(後楽園で生観戦)。  (4)江川との電撃トレードで加入した小林繁が、1979年に対巨人で執念の8連勝!!  (5)バース、掛布、岡田が槙原から甲子園でバックスクリーン3連発!!  (6)江川vs掛布のプロのプライドを懸けた昭和の男対決。  (7)新庄、敬遠のボールをサヨナラ打!!  そして『プラス1』は2021年、驚異的な追い上げを見せた巨人が阪神と並び、ついに優勝は10月23日の甲子園、143試合目で勝ったチームの手の中に...(試合日は雨天中止などを考慮して勝手に想定)。  その世紀の大一番で猛虎は牙をむきまくり10-0と大勝。1973年の最終戦で優勝を逃した雪辱を、およそ半世紀ぶりに果たしたのだ!! 阪神タイガースは永久に不滅やでー!!

◆『今日のオレを見てくれ』。そういう意気込みだったのでしょう。  1軍昇格後、まだヒットが出ていないロハスが、ほおからあごにかけて長くびっしりとはやしていたひげを短く剃り整えてグラウンドに現れました。  「練習前に、投手と野手で分かれて円陣をつくります。その日の確認事項をコーチ陣が伝えるんです。周りから冷やかされて、笑いが起きていました」  トラ番キャップ・長友孝輔の報告の声にも笑いがまじっています。  「スッキリしています。いつも、もじゃもじゃの顔を見ているので新鮮です。気合が入っているんだなと思います」  双眼鏡でのぞいていた菊地峻太朗も、精悍な顔つきになったロハスに期待を膨らませていました。  ひげと言えば、バース。彼もばっさりと剃ったことがあります。三冠王に輝き、リーグ優勝と日本一に導いた翌年、1986年のキャンプ中でした。2月10日付けの一般紙の全面広告に『明日のオレを見てくれ』というキャッチコピーとともに登場。その紙面には「Gillette」の会社名だけで、バースは何も持っていないし、いつものひげ面。Tシャツ姿でした。  なんだ、この広告?  翌日、仰天することになります。再び全面広告に登場。今度は同社の商品を右手に『こいつは、カミソリの三冠王だ』。顔はツルツルでバスローブ姿。まるで別人です。その日、当時の1軍キャンプ地・安芸市営球場に現れたバースを思い切り冷やかしました。  「おはよう、マーロン・ブランド」(似ていたんです。ひげのない顔があの米俳優に)  「うるせえ、マーロン・ブラインドだよ」  普段は無愛想なバースが、照れてむちゃくちゃかわいらしかったのを思い出します。バースは、お金稼ぎ(ギャラはテレビCMも含めて1億円と言われました)でしたが、ロハスの場合は心機一転、ゲン担ぎだったのでしょう。しかし、結果は...。  「大丈夫ですよ。好調の糸井さんが、ウズウズしながら出番を待っています」  長友は余裕のコメントです。そうでした。先発起用された2試合で3安打2本塁打の糸井が控えています。ロハスにまだ兆しが見えなくても、阪神は打線が好調。控えも充実している。焦る必要がないのです。  「きのう(第1戦)も畠が初回から153キロを投げていました。アレをずっとやられたら打てないけど、二回り目に入ればつかまえるだろうと思っていました。DeNA戦でロメロ、ピープルズと対戦したときもそうでしたから」  ロメロには今月8日、三回までは零封されましたが、四回に1点、五回に3点取って4-1で勝利。翌9日もピープルズに四回まで零封され、0-1でしたが、同じように五回に3点取って勝って(〇3-2)います。今の阪神打線、そう簡単には長いイニングは抑えられません。  この日は負けました。伝統の一戦通算2000試合の区切りでの敗戦は悔しいけれど、黒星は8日ぶりです。1週間負けていなかったんです。一発出れば逆転のシーンまで追い上げました。佐藤輝も打ちまくっています。第3戦はアルカンタラが先発するので、ロハスが外れて糸井も戻ってくるかもしれません。楽しみがいっぱいです。バースのCMコピーじゃないけど、『明日の阪神を見てくれ』です。

◆巨人-阪神の公式戦が15日の8回戦(東京ドーム)で通算2000試合を迎えた。1リーグ時代から名勝負を繰り広げてきた両チームに在籍したOBたちが語る「伝統の一戦」。最終回では1984年から2004年まで阪神に在籍し、通算126本塁打を放った八木裕氏(55)=本紙専属評論家=が、思い出の3試合を挙げた。 ◆1位  伝統ある阪神巨人戦で何度も戦えたことは誇りだし、思い出の試合を絞り込むのは難しすぎる。でも、あえて一番の試合を挙げるなら、引退試合だ。球団から打診があり、それを巨人軍が快く受けてくださったことは、今でも感謝している。  もともとは10月8日の予定で、チケットは前売りで完売。ところが雨で2日後に順延となり、当日発売になったから「スタンドがスカスカだったらどうしよう」と心配していた。ほぼ満席のあの光景はうれしかった。  当時10歳だった長男・亮介の始球式も思い出深いし、もちろん大歓声の中、八回に代打で出て、右前打を打てたことは最高の記憶。さらに直後の九回、一塁の守備に就くと、内野ゴロ3つで、全ての打球処理に関われたことは不思議な気分になったものだ。  入団した頃、球場が満杯になるのは巨人戦だけだった。ファンは一塁側と三塁側に真っ二つに分かれて、太鼓やトランペットを持ち込んで応援するから、その迫力のすごかったこと。サードの守備をしていると、すぐそばから、あの聞き慣れた巨人のヒッティングマーチが響いてくるので「あぁ、巨人戦なんだ」と思ったものだ。  振り返れば、プロ初出場も巨人戦。1987年5月12日の初打席は三振。そこから始まったプロ野球人生の最後が巨人戦。TG戦への感謝は尽きない。 ◆2位  開幕直後の巨人3連戦全てで本塁打を放っていた私が、G戦4試合連続本塁打を決めた忘れられない試合。実はカウント3-0となり、ベンチは「待て」の指示。でも米留学で「ノースリーは打て」と教わっていたから、サインを無視して打ったことでも記憶は鮮明。試合後、G倒弾の賞金をもらい、采配無視で罰金も払った。 その他の写真(2/3枚) ◆3位  伝統の一戦で、伝統ある巨人の選手が、審判にボールを投げつけるという、ありえないシーンとして忘れられないTG戦だった。一塁側ベンチから見ていたが、ガルベスの行為は前代未聞。ストライクボールの判定でイライラし、打ち込まれての交代後だったが、許されるはずもない。後日、長嶋監督が頭を丸めたことも衝撃的だった。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
26112 0.703
(↓0.019)
-
(-)
104179
(+3)
119
(+5)
41
(-)
33
(+1)
0.260
(-)
2.900
(↓0.06)
2
(-)
巨人
21136 0.618
(↑0.012)
3.5
(↑1)
103169
(+5)
136
(+3)
49
(+1)
28
(+1)
0.260
(↑0.001
3.200
(↑0.01)
3
(-)
ヤクルト
17146 0.548
(↑0.015)
6
(↑1)
106152
(+5)
155
(-)
35
(-)
23
(-)
0.247
(↑0.001)
3.890
(↑0.11)
4
(-)
広島
15194 0.441
(-)
9.5
(↑0.5)
105116
(-)
135
(-)
25
(-)
17
(-)
0.254
(-)
3.260
(-)
5
(-)
中日
14215 0.400
(↓0.012)
11
(-)
103109
(-)
125
(+5)
17
(-)
20
(-)
0.227
(↓0.002)
2.950
(↓0.06)
6
(-)
DeNA
11265 0.297
(-)
15
(↑0.5)
101148
(-)
203
(-)
34
(-)
8
(-)
0.232
(-)
4.670
(-)