DeNA(★2対4☆)巨人 =リーグ戦7回戦(2021.05.11)・横浜スタジアム=
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巨人
1001000024803
DeNA
1000100002601
勝利投手:鍵谷 陽平(2勝0敗0S)
(セーブ:中川 皓太(2勝2敗1S))
敗戦投手:三嶋 一輝(0勝3敗5S)

本塁打
【巨人】スモーク(2号・4回表ソロ),若林 晃弘(1号・9回表ソロ),吉川 尚輝(3号・9回表ソロ)
【DeNA】オースティン(6号・1回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人が接戦を制した。巨人は1-1で迎えた4回表、スモークのソロで1点を勝ち越す。その後同点を許すも、9回に若林と吉川の2者連続本塁打で2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、4番手・中川が今季初セーブ。敗れたDeNAは、守護神・三嶋が誤算だった。

◆今季のDeNAは巨人戦6試合を消化して0勝4敗2分け。このカードで開幕5連敗を喫してしまうと13年以来、8年ぶりの屈辱となってしまう。 チームは5月に入って5勝3敗と上向きだが、巨人戦勝利を挙げられるか。

◆9日のヤクルト戦で右手母指(親指)末節骨の骨折で登録抹消された巨人坂本勇人内野手(32)の穴を埋めるべく、広岡大志内野手(24)と香月一也内野手(25)が1軍に合流する。この日の午前に2軍練習が行われてるジャイアンツ球場で阿部2軍監督らにあいさつしてから、横浜スタジアムへ向かった。 広岡は今季16試合に出場し、打率は2割5分9厘、OPSは0・804をマーク。4月26日に登録を抹消され2軍再調整となってからは、イースタン・リーグ8試合に出場し、うち6試合は遊撃で先発出場。1軍では左腕先発時に起用されることが多いが、対右投手もデータ上は苦にしていない。ここまで、1軍、2軍合わせて対右打率は3割3分9厘をマークしている。 香月は今週の対戦カードとなるDeNA、阪神と好相性を誇る。4月6日、同22日の阪神戦で本塁打をマーク。同17日のDeNAでも1発を放ち、存在感を発揮した。ことあるごとに「がむしゃらに」を繰り返す若武者が大黒柱不在の危機を救う。 ◆坂本負傷 9日のヤクルト7回戦(東京ドーム)で負傷。5回の一塁走者時に捕手中村のけん制でヘッドスライディングで帰塁。直後に右手の手袋を外し、トレーナーに状態を確認する場面があった。6回守備からベンチに退いた。同日に都内病院で精密検査を受け、右手母指末節骨の骨折と診断された。今季は開幕からここまで36試合に出場。打率2割9分9厘、チーム最多タイの7本塁打と、打線をけん引してきた。同箇所の骨折は戦列復帰まで一般的には1カ月程度とみられる。

◆巨人は9日のヤクルト戦で右手母指(親指)末節骨の骨折で登録抹消された坂本勇人内野手(32)を欠く戦いを強いられる。 遊撃には吉川尚輝内野手(26)が起用された。吉川は、DeNA先発の大貫との昨季の対戦成績が12打数5安打、打率4割1分7厘と好相性。2番は今季ここまで打率4割6分5厘、5本塁打と絶好調ウィーラーが配置された。

◆珍プレーがあった。 巨人梶谷隆幸外野手(32)が古巣相手にほっこりシーンを見せた。7回2死、DeNAエスコバーの136キロスライダーをボテボテの投ゴロ。捕球した勢いそのままにタッチをしようとしたエスコバーから逃れようと、梶谷は本塁と一塁の真ん中付近で停止した。しかし、すぐにアウトを悟ったのか自ら右手を差し出し、タッチを求めた。仲よさそうにポンとお尻をたたかれて、タッチアウト。DeNA時代にともにプレーした旧友との"ほっこり"するワンシーンとなった。

◆DeNAは今季、試合前まで巨人戦で0勝4敗2分けと、勝ち星がなかった。 先発大貫晋一投手は、今季初の巨人戦登板。連敗ストッパーとしてマウンドに上がった。大貫自身も4月6日中日戦で今季初勝利を挙げてから、白星に見放された。ここ2試合は2回2/3で7失点、3回8失点と早々に降板。背水の陣で臨んだ。 1回、いきなりピンチを迎えた。先頭の梶谷の2球目、左翼フェンス直撃の二塁打を打たれた。続くウィーラーには初球。右翼フェンス直撃の二塁打を浴びた。2者連続で逆方向へフェンス直撃の二塁打を打たれ、わずか3球で失点した。 最近2試合とは、2回以降が違った。1回裏にオースティンの6号ソロで同点に追い付いてもらい、立ち直った。最速149キロと直球が走り、低めのツーシーム、フォークボールも効いた。4回に新外国人スモークに1発は浴びたが、6回までに5安打2失点と、7回無失点だった4月20日中日戦(横浜)以来となるクオリティースタートをマークした。 大貫は登板前日に「大量得点も考えられるので、自分の投球にしっかり集中したい」と話していた。2-2の6回裏に代打が出されて交代。打線の援護は2点にとどまったが、ゲームをつくる役割は果たした。 ▽DeNA大貫(6回2失点)「立ち上がり簡単に得点を与えてしまったことが一番の反省点です。前回、前々回と悔しい登板が続いていたので、今日は最低限試合を作れたので良かった」

◆坂本不在の巨人が2者連続アーチで勝利をたぐり寄せた。同点の9回1死、若林晃弘内野手(27)がDeNA三嶋から右翼ポール際に1号ソロを放った。さらに直後の吉川尚輝内野手(26)も左中間へ2者連続となる3号ソロで加点。巨人ベンチは笑みがはじけ、大盛り上がりとなった。 9日のヤクルト7回戦で坂本勇人内野手(32)が負傷。右手母指(親指)末節骨の骨折と診断された。打率2割9分9厘、チーム最多タイの7本塁打をマークしている大黒柱の穴を埋めるべく、若き内野手2人が躍動した。

◆1回、巨人は先頭の梶谷とウィーラーが連続二塁打を放って先制。DeNAはオースティンが6号ソロを放って同点に追い付いた。 巨人は4回、スモークの右翼への2号ソロで勝ち越し。DeNAは5回1死二塁、オースティンが同点左前適時打を放った。 巨人は同点の9回1死から若林、吉川に2者連続アーチが飛び出し、このカード2分けを挟んで開幕5連勝を飾った。鍵谷が2勝目、中川が今季初セーブ。DeNA三嶋は3敗目。

◆DeNAが自力V消滅の危機を迎えた。2-2の同点で迎えた9回1死、抑えの三嶋一輝投手が若林と吉川に2者連続本塁打を浴びた。打線は、オースティンの適時打で同点に追い付いた後の5回1死一、二塁で、牧が三振、ソトが三塁ゴロで勝ち越せなかった。 ? 三浦監督は「食らい付いたけどもう1点が遠かった。中盤からもう1点というところで同点どまりだった」と試合展開を振り返った。三嶋の投球については「2本とも変化球の失投を打たれた」と話した。三嶋は今季3敗目となったが「打たれたから配置転換ということはない。やり返してくれるはず」と今後の巻き返しに期待した。 今季4度目の3連敗となった。巨人には今季7試合目で0勝5敗2分けと未勝利のままとなった。明日12日、DeNAが巨人に敗れて、首位阪神が中日に勝つか引き分けると、DeNAは自力Vが消滅してしまう。三浦監督は「また明日、全力でやっていきます」と話した。

◆巨人の戸郷翔征投手(21)が、17日ぶりの1軍マウンドで粘りの投球を見せた。5回まで毎回四球を与えながらも、最速152キロの直球を中心に、6回を5安打2失点にまとめた。5回途中4失点だった4月24日広島戦後、球威を戻すために登録を抹消され、再調整してきた。「ストレートはいい感覚で投げられたのではないかと思います。2度のリードをもらった中で要所を抑えられなかったことが反省です」と次を見据えた。

◆「Gスクラム」でDeNAを押し切った。巨人若林晃弘内野手(27)が同点の9回1死に相手守護神の三嶋から1号決勝ソロ。続く吉川尚輝内野手(26)も2者連続となる3号ソロでとどめを刺した。9日ヤクルト戦での右手親指の骨折で坂本が離脱。主将、打線の軸、守備の要を担う大黒柱の大きな穴を「1Team」で埋める。胸を張ることなく平身低頭のまま地に足を付けた。同点の9回1死。「5球の速攻」で競り合いから白星をもぎとった。若林が、カウント1-1からの3球目、落ちきらない145キロフォークを捉えた。法大時代の3学年先輩のDeNA三嶋から勝ち越しの1号決勝ソロ。「先輩から打てたのは良かったかなと思います」と遠慮がちに振り返った。 勢い、姿勢に吉川も乗った。1ボールからの2球目、外角から入ってきた142キロスライダーに反応した。「若林さんの勝ち越しのホームランで、思い切って積極的に行けたかなと思う」と、左中間席に3号ソロを運んだ。離脱中の坂本に代わり今季初の遊撃でのスタメン。「いつぶりかちょっと分からないけど、坂本さんや菅野さんがケガでいない中で全員で戦っていかないといけない」と、腰を低く構えた低姿勢の二遊間コンビで敵を押し込んだ。 プレーボールから「3球の超速攻」も仕掛けた。1番梶谷が2球目を左越え二塁打。無死二塁から坂本に代わって2番に入ったウィーラーが初球を右越え適時二塁打で先手を奪った。勝負の潮目での"速攻"で接戦から白星を拾い上げた。原監督も「3番、4番が不発でも勝てるんだから大したもんだよ。これはやっぱりサポーターたちが頑張ったということでしょうな」と"1Team"での勝利をたたえた。 坂本不在はしばらくの間は続く。この日、存在感を発揮した若林、吉川を筆頭に2軍から昇格した広岡らが代役を担う。若林は「勇人さんがいなくなってチームとしては痛いですけど、全員でカバーしようという話はしていた。僕とか(吉川)尚輝がこうして結果を出せたことは次につながるのかなと思っています」。胸を張らずにあごを引く。肩を寄せ合い、低姿勢のまま1歩ずつ、前へと押し込む。大黒柱不在の窮地はチーム一丸の「Gスクラム」で乗り切る。【為田聡史】 ▽巨人ウィーラー(1回無死二塁から先制の適時二塁打。17試合連続安打とし自身最長を更新)「つなぐ意識だったよ。いい流れで先制点が取れて良かった」 ▽巨人スモーク(4回1死、右翼席上段へ8試合ぶりの2号ソロ)「打ったのはフォークかな。来た球に対してしっかりと自分のスイングができたね!」

◆DeNAが今季4度目の3連敗を喫した。抑えの三嶋一輝が9回1死から若林と吉川に連続本塁打を浴びた。三浦監督は「2球とも変化球の失投を打たれた。(今季3敗目だが)打たれたから配置転換はない。やり返してくれるはず」と信頼は揺らがなかった。今季の巨人戦は5敗2分けと未勝利だが「また明日全力でやっていくだけ」と話した。12日に敗れ、首位阪神が中日に勝つか引き分けると、自力Vが消滅する。

◆11日の巨人戦(横浜)に先発予定のDeNA・大貫晋一投手(27)が、ハマの番長の"金言"を胸に自身約1カ月ぶりの白星を狙う。  「ボールを浮かさないことが大事。三浦監督から教わった中に『蓋をする』というのがあって、(ストライクゾーンの中で)そこから上に行かないようにというイメージで投げています」と、通算172勝を挙げた指揮官からの言葉を胸に雪辱を誓った。  3年目の今季は開幕ローテーション入りし、開幕投手の浜口とともに2本柱と期待されたが1勝どまり。4月6日の中日戦(バンテリンドーム)の初白星以降は3連敗と苦戦する。特に「自分の持ち味を見失っていた」という直近2試合は、いずれも3イニング以下でKO。ブルペンでは最初にワンバウンドの投球を続け、「蓋をする」意識を徹底してきた。  この日は12日に先発予定の浜口、13日の中川と横浜スタジアムでの投手指名練習に参加。見守った木塚投手コーチは「このままじゃないというところを見せてほしい」と活を入れた。今季初対戦となる巨人を相手に、昨季チームトップの10勝を挙げた右腕が浮上のきっかけをつかむ。(箭内桃子)

◆巨人のドラフト1位・平内龍太投手(22)=亜大=、香月一也内野手(25)、広岡大志内野手(24)、戸郷翔征投手(21)が出場選手登録された。  10日に右手母指(親指)末節骨の骨折と診断され、出場選手登録を抹消された坂本勇人選手(32)、桜井俊貴投手(27)、エスタミー・ウレーニャ内野手(21)に代わって昇格した。

◆巨人が競り勝った。2-2の九回に若林と吉川の2者連続本塁打で2点を勝ち越した。3番手の鍵谷が1回無失点で2勝目を挙げ、中川が今季初セーブ。DeNAは2度追い付く粘りを見せたが、三嶋が2発を浴びて3連敗を喫した。

◆DeNAの大貫は2勝目こそならなかったが、6回2失点と好投した。一回に梶谷、ウィーラーの連続二塁打でわずか3球で先制を許したが、すぐに立ち直った。低めに球が集まるようになり、その後は四回にスモークに浴びたソロ本塁打だけでしのいだ。  制球の甘さから2試合続けて序盤で大量失点を喫していた。球を浮かさないようにするため、三浦監督から「ふたをするイメージで投げる」との助言を受けて修正。「しっかり低めに集められるよう練習してきた」との言葉通り、7三振を奪って復調の気配を示した。  先発陣はけがや不調により、開幕からローテーションを守っているのは大貫と浜口だけ。昨季チームトップの10勝を挙げた大貫の力投はチームの巻き返しへ好材料となった。

◆巨人・若林晃弘内野手(27)が同点の九回1死で右翼席へ決勝の1号ソロを放った。二塁の守備でも好プレーで貢献した。スタメン起用が続く4年目のスイッチヒッターが試合を振り返った。  --1号ソロが決勝弾  「何とか勝ちたいという気持ちでチーム一丸でやっていたので、打ててよかったです」  --打席に入った心境は  「それまで内容が良くなかったので、割り切って、思い切っていこうと思って打席に立っていました。いい角度で、いいところに飛んでくれたので、よかったと思います」  --打った感触はよかったか  「そうですね。入ったと思いました」  -横浜スタジアムでの本塁打は  「初めてです  -父・憲一さんは元大洋戦士。そこで打った境は  「昨年は1本も安打を打てていなかったので、嫌な思い出ばかりなんですけど、きょうは打ててよかったです」  --父は川崎球場では本塁打を打ったけど、横浜スタジアムではなかった  「ちょっと知らないですね...」  --父にはなんと報告したいか  「いつもいろいろアドバイスもいただいているので、また打てるようにしっかりと頑張りたいと思います」  -坂本が不在での戦い  『勇人さんがいないのはチームにとっても痛いですけど、きょうもミーティングで『ワンチームとうことで、全員で戦おう』という気持ちを持ってやっていたので、まず初戦を勝てたのでよかったと思います」

◆巨人が同点の九回に若林、吉川の2者連続ソロで勝ち越し、2連勝。先発した戸郷は白星はつかなかったが、6回5安打2失点と好投した。原辰徳監督(62)が振り返った。  --若林、吉川が最終回の攻撃で勝負強さを見せた  「ねえ。なんというか、久々に彼(若林)の長打というのが見れたよね」  --吉川も  「3番、4番が不発でも勝てるんだから大したもんだよ。これはやっぱりサポーターたちが頑張ったということでしょうな」  --坂本が故障で離脱した中、吉川が活躍  「吉川にしても若林にしても、ウィーラーが勇人の後に2番を埋めたという部分も、非常にいいスタートが切れていると思いますね」  --戸郷は久しぶりに先発した  「粘り強くは放るんだろうけど、やっぱり四球が多いね。コントロールに難を残しているというところはある。しかし、チームが勝ったという部分で、いい肥やしになる、してほしいですね」  --フォームを調整して戻ってきたが  「まだちょっと微調整が必要でしょうね」  --3番に丸を上げた。苦しんでいた中、6番で少し復調を待っていたところだったが  「そうですね。なかなか今年はやっぱり、うーん、そうだねえ、まあ、ちょっとなんとも言えないよね、へっへっへ」  --本来の彼の姿ではない  「まあ、だって、何試合あってさ、何打点? 5打点くらいじゃない? ホームランが3本でそれはやっぱり、本人もストレスがたまっているでしょう。これも栄養に変えないといけませんね」  --最終回に岡本が好守  「ナイスプレーですね。今日はいいプレーがたくさんありましたね」

◆不振で出場選手登録を外れていた巨人の戸郷が1軍に復帰して4月24日以来の登板を果たした。勝ち負けは付かなかったが、6回を5安打2失点にまとめた。  要所で力を入れた。2-1の五回、オースティンに同点打を浴びた後に粘り、1死一、二塁から牧を高めの直球で空振り三振を奪うと、続くソトには変化球で三ゴロに打ち取った。  狙ったコースとは逆の球が目立ち、五回まで毎回四球を出すなど制球に苦しんだ。球数も116球とかさんだ。ただ、前回までなら、ずるずると崩れていたピンチで踏ん張りを見せた。自身にとっても、チームにとっても好材料となった。

◆DeNAは粘りを見せたが、一度もリードを奪えず3連敗となった。1-2の五回にオースティンの適時打で追い付き、さらに1死一、二塁としたが牧が空振り三振、ソトが三ゴロで逆転に失敗。七回2死二、三塁でも牧が右飛に倒れた。三浦監督は「もう1点が遠かった」と悔しがった。  九回は三嶋が2本塁打を浴びて接戦を落とした。巨人とは今季7試合でまだ勝利がない。早ければ12日にも自力優勝の可能性が消滅する。三浦監督は「またみんなで全力でやっていくだけ」と表情を引き締めた。

◆巨人は11日、DeNA7回戦(横浜)に4-2で快勝。今季20勝目を挙げ、貯金を今季最多の8とした。2-2の九回に若林晃弘内野手(27)が決勝の1号ソロ、吉川尚輝内野手(26)が3号ソロと2者連続本塁打で試合を決めた。9日のヤクルト戦(東京ドーム)で右手母指(親指)末節骨を骨折し、出場選手登録を抹消された主将・坂本勇人内野手(32)の穴をヤングG戦士が見事にカバーした。  ドラマは最終回に待っていた。2-2で迎えた九回1死。14試合連続で自責点ゼロと好調のDeNA守護神・三嶋から若林、吉川の新二遊間コンビが2者連続本塁打を放ち、接戦を制した。  「何とか勝ちたいという気持ちでチーム一丸でやっていた。(坂本)勇人さんがいないのはチームにとって痛いですけど、まず初戦を勝てたので良かった」  ヒーローインタビューに登場した若林はクールに笑った。3打席連続で凡退して迎えた第4打席。法大の3学年先輩、三嶋の浮いたフォークボールを右翼席に突き刺した。4月上旬に新型コロナウイルスに感染した27歳の今季1号は、値千金の決勝弾となった。  さらに、続く吉川が3号ソロを左中間席へ。「思い切って積極的に行けた。最高の結果になった」と笑った5年目は、骨折でチームを離れた坂本の代役として「7番・遊撃」で先発し、2安打1打点。二塁手の座を争うライバルだった若林とともに、2人でヒーローになった。  大きな意味を持つ1勝だ。7日のヤクルト戦(東京ドーム)でエース菅野が右肘の違和感を訴えて戦線離脱。さらに9日の同戦では、主将の坂本が右手母指(親指)末節骨を骨折。投打の柱を欠く苦しい状況に、若林が「何とか全員でカバーしようという話は(ミーティングで)していた」と話せば、吉川も「2人でいい場面で打てたのがうれしかった」と胸を張った。3番・丸、4番・岡本和が4打数無安打だった中、急造の二遊間コンビが難局を打破した。 その他の写真(2/3枚)  父の思いを託されている。若林の父・憲一さん(68)は1972~81年に大洋(現DeNA)でプレーした両打ちの外野手。小学1年で野球を始めた頃は右打ちだったが、父の勧めで両打ちになった。社会人時代に父から手渡されたベーブ・ルースの姿が描かれた盾は宝物だ。「基礎から教えてくれたのは父だった。感謝したい」と話してきた若林。父譲りの左打席で、昨季14打数無安打、通算26打数2安打と苦手にしてきた球場で決勝弾を放った。  原監督は「3、4番が不発でも勝てるんだから大したもんだよ。これはやっぱりサポーターたちが頑張った」と脇を固める選手の活躍を手放しでたたえた。主将が抜けた穴を全員でカバーし、貯金は今季最多の8。投打の主役が不在の今こそ、ヤングGの見せ場。ニューヒーローが誕生すれば、チームの危機も乗り越えられる。(樋口航) ◆法大の先輩撃ち  法大時代の3つ上の先輩、三嶋から決勝弾を放った若林は「優しくしてくれた先輩から打てたのは良かった」と喜んだ。法大時代の三嶋の印象については「向上心が常にあって、軽いボールとかでスピンをかける練習とかをしていた」と懐かしそうに振り返った。そんな法大時代の"神"のような存在から放った今季1号は、格別の一本となった。

◆なんという決着のしかただろう。九回の6番・若林と7番・吉川の連続本塁打。下位打線で、大物打ちではない2人とはいえ、状況的に相手バッテリーは長打を警戒し、引っ張られないような組み立てを基本としてくる。そこをかいくぐり、やや甘くきたとはいえ、フォークボールとスライダーをともに、ひと振りで仕留めた。成長を感じさせる働きだった。  象徴的なのは、離脱した坂本の代わりに二遊間を守った若林と吉川だけでなく、坂本に代わり2番に座ったウィーラーも、先制二塁打など2安打と気を吐いたことだ。下位、控え、伏兵...。主力以外の活躍なくして優勝もないだけに、頼もしさを感じさせる。  これは原監督の、用意周到な用兵のおかげといっていい。若手や控えを絶え間なく、細かく起用し続け、いつでも試合に入っていけるコンディションをキープさせてきたからだ。  菅野に続き坂本も離脱という、チーム最大のピンチ。試合前は不安視していた。さらに八回までは、主軸に元気なし。もし負けるようなら、ズルズルと阪神に引き離されていく...。そう考えた矢先、最後はしっかり突き放した。したたかな底力をみると、今後も2勝1敗ペースでいきそうな気がしてくる。 (本紙専属評論家)

◆不振で出場選手登録を外れていた巨人の戸郷が1軍に復帰して4月24日以来の登板を果たした。勝ち負けは付かなかったが、6回を5安打2失点にまとめた。  狙ったコースとは逆の球が目立ち、五回まで毎回四球を出すなど制球に苦しんだ。球数も116球とかさんだ。元巨人監督の堀内恒夫氏(73)は12日、自身のブログで「まっすぐにスピードがあったけど逆球が多かったね」と指摘。「5安打に5四球イコール10安打打たれたと思って欲しい。それでも2点で抑えたのは良く言えば粘り強い。とも言えるけど野手も守っててリズムが悪くなるから気をつけていかないと。まだ、ちょっと心配だな」と奮起を促していた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
24102 0.706
(-)
-
(-)
107172
(+4)
112
(+4)
39
(-)
31
(+3)
0.261
(↓0.001)
2.940
(↓0.03)
2
(-)
巨人
20125 0.625
(↑0.012)
3
(↑0.5)
106158
(+4)
126
(+2)
47
(+3)
26
(-)
0.260
(↓0.001)
3.190
(↑0.04)
3
(-)
ヤクルト
15145 0.517
(-)
6.5
(-)
109143
(-)
154
(-)
35
(-)
21
(-)
0.246
(-)
4.210
(-)
4
(-)
中日
14185 0.438
(-)
9
(-)
106107
(+4)
114
(+4)
16
(+2)
20
(-)
0.229
(↓0.001)
2.880
(↓0.03)
5
(-)
広島
14193 0.424
(-)
9.5
(-)
107107
(-)
133
(-)
25
(-)
16
(-)
0.254
(-)
3.390
(-)
6
(-)
DeNA
11254 0.306
(↓0.008)
14
(↓0.5)
103141
(+2)
189
(+4)
31
(+1)
8
(-)
0.235
(↓0.001)
4.620
(↑0.01)