DeNA(☆12対6★)阪神 =リーグ戦7回戦(2021.05.07)・横浜スタジアム=
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阪神
00110130061212
DeNA
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勝利投手:三上 朋也(1勝1敗0S)
敗戦投手:小林 誠司(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(10号・4回表ソロ),糸井 嘉男(1号・6回表ソロ)
【DeNA】オースティン(5号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAは2点を追う4回裏、ソトの適時打などで4点を挙げ、試合をひっくり返す。その後同点とされて迎えた7回には、オースティンのソロなどで一挙5点を奪い、勝ち越しに成功した。投げては、6番手・三上が今季1勝目。敗れた阪神は、打線が終盤に追いつくも、投手陣が振るわなかった。

◆阪神植田海内野手(25)が、1軍に合流した。「チーム状況もすごくいいですし、自分もチームに貢献できるようにできることを精いっぱいやっていきたいと思います」とコメントした。前日6日には、大山悠輔内野手(26)が背中の張りのため、今季初めて出場選手登録を抹消されていた。 植田は今季開幕前日の3月25日の練習中に左脇腹を痛め、同26日に左脇腹の筋挫傷と診断され帰阪。翌27日に出場選手登録を抹消された。4月27日に実戦復帰してからは、2軍戦6試合に出場。6日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)まで3戦連続安打を放つなど、徐々に状態を上げていた。昨季は9盗塁を決めるなど、足のスペシャリストとして活躍が期待される。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、横浜で記録的アーチを目指す。 今季33試合目となるこの日、10号を打てば、ドラフト制後の新人では03年村田(横浜)の36試合を抜き最速だ。新人左打者では84年小早川(広島)の53試合を大幅に更新する。また球団初の左打者の新人2桁本塁打と、記録ラッシュの1日となるか、注目だ。 横浜といえば...。初見参だった9日に、国吉から右中間場外への超特大弾。先発した藤浪らナインを「どん引き」させた。3試合で打率3割8厘と好相性の舞台で、"どん引き弾"再現への期待が高まる。 前日6日には大山が背中の張りのため、出場選手登録を抹消された。6日の練習を視察した矢野監督は「テル(佐藤輝)でいくよ。今の中でのベストを考えた結果」と明言。すでに2日広島戦で「4番・三塁」を経験済みで、指揮官は「体験入部」と表現したが、8号逆転満塁弾を含む5打点と大活躍していた。守備でも3度の守備機会を無難にこなした。 佐藤輝は「穴を埋めるじゃないですけど、大山さんがいない間もしっかり勝てるように頑張っていきます」と気合を入れていた。4試合連続安打中と状態上向きのバットで、チームの危機を救えるか。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がドラフト制後の新人では最速となる33試合目で10号本塁打を放った。1点リードの4回。第2打席で先発中川の内角高め145キロ直球を捉えた。打球は右翼席最上段の「業務スーパー」看板手前へ着弾。「打ったのはストレート。追い込まれていましたけど、しっかり自分のスイングができたと思います。追加点を取ることができて良かったです」。これまでの最速は03年村田(横浜)の36試合だった。また球団の新人左打者では初の2桁本塁打となった。 前日6日に出場選手登録を外れた主将大山に代わり「4番三塁」で先発。2日広島戦で8号逆転満塁弾を含む5打点の活躍に続き、4番を務めた試合では2試合連続本塁打となった。「テルでいくよ。今の中でのベストを考えた結果」と矢野監督が組んだオーダーで、期待に応えた。佐藤輝は「穴を埋めるじゃないですけど、大山さんがいない間もしっかり勝てるように頑張っていきます」と語っており、有言実行の1発。試合前時点で9本塁打、25打点のチーム2冠となっていた。 横浜初見参だった4月9日に右中間場外へ超特大弾を放っており、再びの特大弾で横浜のファンの度肝を抜いた。

◆移籍後2度目の先発となった阪神チェン・ウェイン投手(35)が、約10年ぶりの安打をマークした。 0-0の3回無死二塁、バントの構えから強く転がした打球は、投手中川の横を抜けて、遊撃への安打となった。続く近本が四球を選び無死満塁とし、糸原の二ゴロの間に三塁走者の中野が生還。先制点に貢献した。 NPBのシーズンで安打を放ったのは、中日時代の11年7月14日ヤクルト戦(神宮)以来、3585日ぶりとなった。 ▼チェンが3回に安打を打ち、NPBでは中日時代の11年7月14日ヤクルト戦以来、10年ぶりのヒット。安打のブランク記録は83年安木(中日)と09年木田(ヤクルト)の13年ぶりが最長で、10年ぶりは5位タイ。外国人選手では62年レインズ(阪急)の8年ぶりを上回る最長ブランク。

◆シンガー・ソングライターMay J.が7日、DeNA-阪神7回戦(横浜)前に「Let It Go~ありのままで~[Heartful ver.]」と君が代を歌った。 「今日は一緒に盛り上がっていただきありがとうございました。横浜育ちで、今日初めて横浜スタジアムで歌うことができて、非常にうれしかったです。今後も横浜DeNAベイスターズ、そしてファンの皆さんを応援していきたいと思います。今日は本当にありがとうございました」と話した。

◆移籍後2度目の先発となった阪神チェン・ウェイン投手(35)が、4回に4連打を浴びるなど逆転を許し、4回途中5安打4失点で降板となった。 3回までは2四球を出しながらも、無安打無失点と上々の立ち上がり。しかし2-0の4回、先頭のオースティンに四球を出すと、4番佐野から4連続安打で3失点。嶺井を空振り三振に仕留めたが、続く代打山下に右前適時打を許して4点目を失った。流れを止められず、ここで降板となった。3回の攻撃では、NPBのシーズンで3585日ぶりの安打を放って先制点に貢献したが、リードを守れなかった。 移籍後初先発となった前回4月29日中日戦(バンテリンドーム)では、6回1失点で初勝利。この日は苦しいマウンドとなった。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が驚きの「足技」を決めた。7回に糸原の犠飛で1点差に迫ってなお1死三塁、左翼線に同点タイムリーを放つと果敢に二塁を狙った。 左翼手佐野からの好返球でアウトのタイミングだったが、二塁手牧がベース前に置いたグラブを確認して、スライディングした右足を1度引っ込める。タイミングをズラしてタッチをかいくぐってベースを踏んだ。 DeNA側がリクエストを要求するも、判定はセーフのまま覆らなかった。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)がプロ初の申告敬遠を受けた。7回1死二塁の第3打席。投手三上の場面で、三浦監督が申告した。 4回の第2打席で特大の10号ソロを放っており、左翼席の虎党からは「え~!」という声も聞こえ、球場が沸いた。ルーキーながらその打棒は相手にとって脅威となっている。

◆今季初スタメンの阪神糸井嘉男外野手(39)が6回に1点差に迫る1号ソロを放った。6番・右翼でスタメン出場し、6回2死走者なしでの第3打席、3番手の左腕エスコバーの初球、153キロ直球をバックスクリーン左へ運んだ。「しっかり振り抜くことができました」。本塁打は昨年9月29日の中日戦(甲子園)以来。08年から14年連続本塁打となった。 前日6日には、異例の休日返上での練習を行い「控えという立場で危機感を持ってやっている。この下はファームという立ち位置なんで。いつでもどこでも暴れたいという気持ちでやっている」と話していたが、チーム最年長が、健在ぶりをアピールし、試合の中でも貴重な1発となった。

◆大谷打てばテルも打つ!? 阪神佐藤輝明内野手(22)が10号本塁打を放った。 ネット上では「大谷とのホームラン連動発動!」「大谷が打つとやっぱり打つんだね笑」「共鳴し合ってるやん!」「佐藤輝の大谷嫉妬打法」など、メジャーで今季10号を放ったエンゼルス大谷翔平投手(26)に関連付けた投稿で沸いた。 大谷は6日(日本時間7日)のレイズ戦で日本人メジャー最速となる30試合目で10号に到達。2人はここまで4度、時差の関係もあって「同日」に本塁打を放っており、海をまたいでの「アベック弾」が注目されている。

◆最下位DeNAが、首位阪神と対戦。DeNA先発は中川、阪神はチェン。阪神は3回、無死満塁から2番糸原のニゴロ併殺打の間に1点を先制した。 4回、阪神は佐藤輝が10号ソロ。その裏、DeNAは5安打4得点で逆転。先発中川は4回2失点で、5回から継投に入った。 7回、阪神はマルテの適時打などで同点に。DeNAはオースティンの5号ソロで勝ち越して2連勝。阪神は連勝が4で止まった。

◆DeNA先発は中川、阪神はチェン。阪神は3回、無死満塁から2番糸原のニゴロ併殺打の間に1点を先制した。 4回、阪神は佐藤輝が10号ソロ。その裏、DeNAは5安打4得点で逆転。先発中川は4回2失点で、5回から継投に入った。 7回、阪神はマルテの適時打などで同点に。DeNAはオースティンの5号ソロで勝ち越して2連勝。阪神は連勝が4で止まった。 DeNA三上は1勝、阪神小林は1敗。

◆阪神の新助っ人、メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)が、初昇格することが決まった。 DeNA戦に先発して4回途中4失点だったチェン・ウェイン投手(35)の今後について問われ、矢野監督が「いったん抹消する。ロハスを上げる」と明言した。 これで外国人野手は、サンズ、マルテ、ロハスの3人態勢となる。「もちろん悠輔(大山)がいればあれやけど、悠輔もいないし、キャンプ、オープン戦とロハスがいない状況で来てるから。ちょっと見てみるっていうタイミングもどうしても枠があるから。ちょっとここで見てみようかなと」と説明した。 ロハスはここまで2軍で実戦10試合に出場して、3本塁打をマーク。外国人枠の関係もあり、状態を上げながら1軍昇格のタイミングを待っていた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が驚きの「足技」を決めた。7回1死三塁、同点タイムリーを放つと果敢に二塁を狙った。 好返球でアウトのタイミングだったが、二塁手がベース前に置いたグラブを確認して、スライディングした右足を1度引っ込める。タイミングをズラしてタッチをかいくぐってベースを踏んだ。DeNA側がリクエストを要求するも、判定はセーフのまま覆らなかった。 まるで忍者のような神走塁を連続写真で振り返ります。

◆阪神は連勝が4で止まった。 矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 -同点に追いついた直後の7回に小林が打たれた もうちょっとこう、慎重にはなる場面やけどね。追いついたところやから。オースティンも、もちろん本塁打もあるしさ、結果的に本塁打を打たれたけど。慎重になるっていうのも、もちろん分かるけど、強気に行っているっていうのがちょっと弱かったかな、という。そこで一気に流れにのまれたかな、という感じやね。 -小林は、ここまで安定感を見せてきただけに責められない いや、別に責めるつもりはまったくないよ。 -チェンは立ち上がりはよかったが、打たれ始めると高めに浮いたりした そうやね。球が高いね。いいコースでもやっぱり球が高いと、打者的には甘く見えちゃうから。球の走りとか、立ち上がりは、この前より逆にいいんじゃないかなというぐらいの球はあったからね。もうちょっと高さが、頑張って低くいけたら、また違ったかなと思うけど。 -今後は  一度、抹消する。 -外国人枠が空くが、昇格は  ロハスを上げる。 -外国人野手3人で打線を強化 う~ん、もちろん悠輔(大山)がいればあれやけど。悠輔もいないし、キャンプ、オープン戦とロハスがいない状況で来てるからさ。ちょっと見てみるっていうタイミングもどうしても枠があるから。ちょっとここで見てみようかなと。 -佐藤輝が10号ソロ コースまではちょっと分からないけど、もちろんあの当たりやし。いい本塁打やったし。2桁というのもね。結果的にこれぐらいのスピードで10本というのは大したもんやなと思うし。でももっともっと打って欲しい状況や場面もまだまだあるんでね。もっともっと上を目指してやってもらえたらな。 -今季初スタメンで本塁打の糸井は気持ちも入っていた ずっとそういう準備は嘉男(糸井)もしていたしさ。本当に完璧な当たりの本塁打も素晴らしかったし。まあまた今後もね、嘉男にはいってもらわないと駄目なところがあるんで。そういうところではいい1本が出たんじゃないかなと思います。 -負けはしたが、粘り強さも出た 打線はよくいけたけど。今日は投手が思うようにいかなかったので。明日いきます。

◆DeNAが2年ぶりの4カード連続勝ち越しにリーチをかけた。2点を追う4回に5安打集中で4点を奪って逆転。同点に追い付かれた7回にも5安打で5得点し、勝負を決めた。マシンガン打線復活のごとく、14安打12得点。2本の適時打を含む3安打3打点の宮崎は「みんな後ろにつないでつないでという気持ちで『打線』になった。いい時も悪い時もずっと、いい雰囲気でやれてます」。8人の継投で苦手阪神との3連戦初戦を取り、三浦監督は「非常に大きい。チーム状態は上がっている」と手応えをつかんだ。 ▽DeNAオースティン(7回に5号決勝アーチ)「後ろにつなぐことを意識していた。大きいのを打とうという気持ちはなかった」 ▽DeNA三上(6番手で登板し3年ぶりの白星)「意識していなかったですが、チームの勝ち試合で投げられてよかったです。これからもチームの勝利に貢献できるよう頑張ります」

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がドラフト制後の新人最速となる33試合目で10号本塁打を放った。 DeNA戦(横浜)の4回に中川から右翼席最上段へソロ。4月に場外弾を放った敵地を再びどよめかせた。大山主将が背中の張りで離脱する中、前回2日は体験入部だった「4番三塁」で頼もしい一撃を披露。投手陣が打ち込まれて4連勝で止まったが、佐藤輝がいれば心配は無用だ!パワーに技を兼ね備えてこそ、アーチストの証明だ。4回先頭の第2打席。佐藤輝は左肘をたたみ、右肘を抜くようにバットの芯をぶつけ、内角高めをさばいた。中川が投じた145キロ直球は約5秒後、右翼席最上段でバウンドして「業務スーパー」の看板にぶち当たった。 「追い込まれていましたけど、しっかり自分のスイングを心がけて強く振り抜けた。うまく反応できたのでよかったです」 直前に2度、内角高めの直球をこすって三塁側へファウルにしていた。「内は頭にあった」と3度目で仕留める対応力が光った。2試合ぶりとなる10号ソロ。33試合目での到達となり、ドラフト制後では03年村田(横浜)の36試合を抜いて新人最速となった。阪神の新人左打者では初の2桁弾と記録ずくめ。本塁打はヤクルト村上、山田に並びトップ。26打点も巨人岡本和に並びトップで、堂々のリーグ2冠だ。 記念の1発を生んだ器用さは、兵庫・甲陵中時代から変わらない。規格外のパワーで、試合前に練習で使用していた公園の防球ネットをたびたび越えた。民家に迷惑がかかるため、本来の左打ちではなく、右で打つことを命じられたという。チームメートだった松本拓さん(23)は「器用に普通の右打者と遜色なく打ち返すんです。テルはパワーだけじゃなかった」と証言。周囲が驚く技術を当時から持っていた。 前回4番だった2日広島戦は大山が休養日。矢野監督が「体験入部」と表現した起用で8号逆転満塁弾を放った。その大山が離脱する中、すんなりと代役を託され「4番佐藤輝」では2戦連発。横浜スタジアムでは4月9日に場外弾を放っており、またもインパクトを残した。矢野監督は「もちろんあの当たりやし、いいホームランやった。2桁というのも、結果的にこれぐらいのスピードで10本はたいしたもん」と称賛。「もっと打ってほしい状況や場面があるんで。上を目指してやっていってくれたら」。大型新人に高いレベルの注文も忘れなかった。 投手陣が打ち込まれ、両チーム計26安打の乱打戦に敗れた。連勝は4でストップしたが、新4番が機能したことは明るい材料だ。「ランナーがいる場面で打点を挙げるのがクリーンアップの仕事だと思う。打点を挙げられるようにやっていきたい」。節目の1本も佐藤輝には通過点。満足せず次を目指す。【中野椋】 ▼佐藤輝が今季10号。新人の2桁本塁打は16年吉田正(オリックス)以来で、阪神では80年に18本の岡田以来、41年ぶり5人目。佐藤輝はチーム33試合目で到達。新人では59年桑田(大洋)の27試合、50年戸倉(毎日)の32試合に次ぎ、49年大岡(大映)に並び3位タイのスピード10号となり、左打者では84年小早川(広島)の53試合を抜いて最速。新人で本塁打王を獲得した58年長嶋(巨人)や新人最多タイの31本打った86年清原(西武)より早い10号だった。この日は満塁弾を放った2日に次いで2度目の4番。4番で2本塁打の新人は72年佐々木恭(近鉄)以来で、初4番試合から4番で2戦連発の新人は2リーグ制後初めて。

◆「寸止めZポーズ」からも喜びがにじみ出た。阪神糸井嘉男外野手(39)が今季初スタメンで自身14年連続アーチを決めた。 2点を追う6回2死。左腕エスコバーの初球、外角153キロを強くミート。「しっかり振り抜くことができました」。今季17打席目での1号ソロをバックスクリーン左の観客席まで届かせた。 1発を放った直後の三塁ベンチ前ではナインにも促され、カメラ目線で手を動かしかけた。ドラフト1位佐藤輝のホームランパフォーマンスでもある「ももいろクローバーZ」の「Zポーズ」を披露するかと誰もが期待した瞬間、動きを止めてニヤリ。まさかのパフォーマンスなしで仲間、虎党を盛り上げた。 昨季は右膝痛に苦しみ、86試合出場で打率2割6分8厘、2本塁打に終わった。歩行するだけで激痛が走る毎日。水を抜いても翌日にはたまる状態が1年間続いた。「年齢的な部分もありますし、いろいろ考えることもあった」。それでも40歳シーズンの挑戦を選んだ。勝つために、優勝するために、数少ないチャンスでひと振りに懸けてきた。 近大の後輩でライバルでもある佐藤輝が4番を任されるほどの活躍を続ける中、出番が限られる日々が続いても心は折れない。黄金ルーキーの1発1発に誰よりも破顔。ようやくスタメンの出番が訪れるとあっさり結果を出すから、さすがだ。 試合後、矢野監督から「今後も嘉男には行ってもらわないとダメなところがある」と信頼を寄せられた39歳。「いつどういう状況でも、僕らは自分にできる最高の準備をするだけ。また明日からチームが勝てるように、しっかりやっていきます」。やはり「超人」は頼りになる。【佐井陽介】

◆阪神中野拓夢内野手(24)がプロ3度目の猛打賞で気を吐いた。 3回先頭で左前打を放つと、初球で盗塁も決め、先制のホームを踏んだ。4回はカーブを捉えて中前打を放ち、8回の最終打席でも中前打。3打数3安打に加え、第3打席でプロ初の死球を受けて、全4打席で出塁した。これで打率は3割7分5厘まで上昇。存在感を示している。

◆阪神2番手の馬場皐輔投手(25)が好リリーフを見せた。 先発チェンが逆転を許し、なおも4回1死一、二塁のピンチで登板。桑原をスプリットで三邪飛に打ち取ると、大和をカーブで空振り三振に仕留め、見事に流れを断ち切った。「イニングの途中からでしたが、しっかり抑えることができてよかったです」。5回は3番オースティンからの中軸を3者凡退。この日は他の投手陣が失点を重ねただけに、安定感が光った。

◆虎自慢のブルペン陣が打ち込まれた。6-6と追いついた直後の7回。4番手でマウンドに上がった小林が苦悶(くもん)の表情を浮かべた。カウント3-1からの5球目149キロをオースティンに左翼席へ運ばれた。この試合まで12試合で自責1と安定感を誇っていた右腕が、その後も1死しか奪えず4失点で降板すると、代わった小野も1点を失った。 終盤に自ら流れを手放す形で連勝は4でストップ。4月29日からの黄金週間負けなしだったチームにとっては5月初黒星だ。矢野監督も一気に逆転ムードがしぼんだ7回の被弾について「慎重になるっていうのはもちろん分かるけど、強気にっていうのがちょっと弱かったかな。一気に流れにのまれた」と唇をかんだ。 振り返れば先発チェンが誤算だった。3回まで無安打無失点だった助っ人左腕が4回、落とし穴にはまった。先頭オースティンへ四球を与えると、そこからまさかの4連打。1死後も代打山下に右前適時打を浴びて3回1/3を4失点KO。「ボールが高いのがやっぱりね」と指摘した指揮官は「1度(出場選手登録を)抹消する。ロハスを上げる」と明かした。 8日から1軍昇格する新助っ人メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)はウエスタン・リーグ9試合で打率2割、2本塁打、6打点。社会人ホンダ鈴鹿戦で3打数2安打、1本塁打と打席を重ねている。外国人枠の兼ね合いもあって昇格の時期を見計らっていた。矢野監督は「キャンプ、オープン戦とロハスがいない状況で来ている。ここで見てみようかなと思う」。昨季韓国で本塁打と打点の2冠に輝いた待望の新助っ人が合流し、再加速を狙う。【桝井聡】

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がドラフト制後の新人最速となる33試合目で10号本塁打を放った。4回に中川から右翼席最上段へソロ。4月に場外弾を放った敵地を再びどよめかせた。主将大山が背中の張りで離脱する中、前回2日は体験入部だった「4番三塁」で頼もしい一撃を披露。投手陣が打ち込まれて4連勝で止まったが、存在感をしっかり示した。 ◆佐藤輝が今季10号。新人の2桁本塁打は16年吉田正(オリックス)以来で、阪神では80年に18本の岡田以来、41年ぶり5人目。佐藤輝はチーム33試合目で到達。新人では59年桑田(大洋)の27試合、50年戸倉(毎日)の32試合に次ぎ、49年大岡(大映)に並び3位タイのスピード10号となり、左打者では84年小早川(広島)の53試合を抜いて最速。新人で本塁打王を獲得した58年長嶋(巨人)や新人最多タイの31本打った86年清原(西武)より早い10号だった。この日は満塁弾を放った2日に次いで2度目の4番。4番で2本塁打の新人は72年佐々木恭(近鉄)以来で、初4番試合から4番で2戦連発の新人は2リーグ制後初めて。

◆マシンガン打線にマシンガン継投で、2年ぶりの4カード連続勝ち越しにリーチをかけた。 打線は2点を追う4回、4番佐野恵太から牧秀悟、ソト、宮崎敏郎と単打ばかり4連打で3点を奪って逆転した。さらに1死後、山下幸輝が2試合連続となる代打適時打で追加点を挙げた。宮崎は「ソトがつないでくれて、僕も後ろにつなぐ気持ちだった」。山下は「打席に入る前に坪井コーチから『高めを狙っていけ』と、アドバイスをもらい落ち着いて打席に向かうことができました」と振り返った。 ちょうど打線が2巡目に入ったところだった。坪井打撃コーチから、打線全体にもチェン攻略の指示が出ていた。三浦監督は「後ろにつなごうつなごうという意識をみんな持っていた。2巡目で対応できた」と評価した。 7回表に同点に追い付かれた際も、その裏にすぐに5安打で5得点をもぎ取った。先頭のオースティンが左翼への5号ソロで口火を切ると、この試合2度目の打者一巡。右越えにこの日2本目となる適時打を放った宮崎は「チャンスだったので思い切りいこうと思っていた。いい結果になってよかった。みんなが後ろにつないでという気持ちで『打線』になった」と振り返った。全員が口にしたのが「つなぐ」。長距離砲のオースティンでさえ「後ろにつなぐことを意識していた。大きいのを打とうという気持ちはなかった」と話した。 投手の起用は8人にも及んだ。先発中川虎大を4回で降板させ、マシンガン継投に入った。4番手シャッケルフォードの調子が悪いとみるや、打者3人で砂田毅樹に交代。さらに砂田もワンポイントとし、三上朋也につないだ。三上はマルテに二塁打を許したが、2死一、二塁からサンズ、糸井を連続見逃し三振で勝ち越しを許さなかった。3年ぶりの勝ち投手となり「意識していなかったですが、チームの勝ち試合で投げられてよかったです。これからもチームの勝利に貢献できるよう頑張ります」と喜んだ。 三浦監督は継投について「予定通り。(中川は)いけるところまで。ボールが上ずってきたので代えた。2点を取られたけど4回を投げきった」と話した。最年長としてブルペンを支える三上には「投げない時も何度も準備してくれた。(この日は)流れを断ち切ってくれた」と感謝した。ブルペンには、いつもより1人多い9人を待機させていた。「(8投手の継投は)結果的にそうなった。みんな抑えればいいが、そうはいかないが、みんなでカバーできている」と目を細めた。 苦手阪神との3連戦の初戦に快勝した。「大事な試合でした。非常に大きいなと思う」と三浦監督。3連敗なら自力V消滅となったが、それを回避どころか4カード連続勝ち越しへあと1勝。「チーム状態は上がっている」と自信をのぞかせた。【斎藤直樹】

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が、2日の広島戦(甲子園)以来の「4番・三塁」で出場。ホームランを放ち2桁に乗せれば、球団の新人左打者では初となる。また、糸井嘉男外野手(39)が「6番・右翼」で今季初スタメン。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が四回の第2打席で右翼席上段へ飛び込む特大の10号ソロを放った。  「追い込まれていましたけど、しっかり自分のスイングができたと思います。追加点を取ることができてよかったです」  1-0で迎えた四回。先頭で打席に向かうと、カウント2-2からの5球目だった。DeNAの先発・中川が内角高めに投じた145キロを一閃。4日のヤクルト戦(神宮)以来の10号ソロで追加点をマークした。  6日に背中の張りで登録を抹消された大山に代わって、この日は自身2度目の「4番・三塁」で出場。阪神の新人が10号に到達するのは1980年の岡田彰布以来、左打者では球団史上初。チームの顔として、虎の第107代4番が輝いた。

◆今季2勝目を目指して先発した阪神のチェン・ウェイン投手(35)が、四回途中で逆転を許し、KOされた。  三回まで無安打投球を続け、2-0で迎えた四回。先頭のオースティンに四球を与えると、続く佐野から4連打を浴び一気に3点を失った。なおも1死一、三塁で代打・山下にも右前適時打を浴びたところで、矢野監督がベンチを立った。2番手の馬場が後続を断ったが、虎は一転して2-4と劣勢に立たされた。  前回4月29日の中日戦(バンテリンドーム)では今季初勝利をつかんだチェンだったが、3回1/3を5安打4失点(自責3)という悔しい結果となった。

◆今季初スタメン出場した阪神の糸井嘉男外野手(39)が2-4の六回に1号ソロを放った。  「しっかり振りぬくことができました。ここから逆転できるように頑張ります」。2死走者なしで打席に立つと、3番手・エスコバーの初球、外角の153キロに反応し、バックスクリーン左へと運んだ。  今季、代打で15試合に出場し、打率・250(12打数3安打、試合前時点)。6日に4番の大山が背中の張りで登録を抹消された影響もあり、糸井に先発出場の機会が巡ってきた。  四回に10号ソロを放ったD1位・佐藤輝とは同じ近大出身。後輩に負けじと豪快な一発を放ち、ベテランの意地を見せた。

◆DeNAが一気加勢に攻め立てた。阪神に2点を先制されたあとの四回に反撃。打線が流れるようにつながり、逆転に成功した。  0-2の四回。先頭オースティンが四球を選ぶと、連打の突破口を開いたのは4番・佐野だ。カウント1-1からの3球目、141キロの外角直球に食らいついて左前へ。自身13試合連続安打で好機を拡大すると、牧も右前打で続いて無死満塁のチャンスを演出した。  おぜん立てに応えたのはソト。右翼フェンス直撃の適時打で、まずは1点を返し「みんながつないで作ってくれたチャンスだったので、とにかくランナーをかえすことを意識して打席に向かいました。ランナーをかえすことができうれしいです」と笑顔。  その後も勢いは加速し、宮崎は中前2点打で逆転に成功した。4連打の猛攻で阪神先発・チェンを攻略した。 その他の写真(2/6枚)  指揮官の必勝タクトも的中した。なおも1死一、三塁で、三浦監督は四回まで6安打2失点と粘投していた先発・中川に代打を送り、山下を起用。その山下も右前適時打を放ち期待に応えた。代打策がピタリとハマった。  中盤以降も打ち合いになった試合は、DeNAが七回、オースティンの勝ち越し5号ソロのほか、3本の二塁打を集めるなど一挙5得点。最終的には14安打12得点で阪神を圧倒した。  首位・阪神との3連戦。3連敗を喫すれば、早くも自力優勝の可能性が消滅するという山場を迎えていた。試合前、三浦監督は「タイガースが(横浜スタジアムで)数字がいいのはわかっている。我慢強くいくしかない」と視線を鋭くしていた。守りで踏ん張り、攻撃は中軸が機能。開幕から2カ月半。今は最下位に沈むが、やられっぱなしで終わるわけにはいかない。(箭内桃子)

◆阪神は昨年9月5日の巨人戦(甲子園、●2-11)以来で、今季初となる2ケタ失点を喫して敗れた。  先発したチェンが三回まで無安打投球を披露するも、四回に四球と4連打で逆転を許すなどし、この回途中で降板。3回1/3で5安打4失点(自責3)と崩れた。  6-6の七回は4番手・小林が先頭のオースティンに勝ち越しとなる左中間席への5号ソロを浴び、その後は1死一、二塁で宮崎にも右翼への適時二塁打を許した。なおも1死二、三塁でバトンを受けた5番手・小野も嶺井に右中間への2点二塁打、桑原に右翼への適時二塁打を浴び、この回5点を献上して、試合を決められた。  打線は、5月2日の広島戦(甲子園)以来、3試合ぶりに「4番・三塁」を任されたD1位・佐藤輝(近大)が1-0の四回に10号ソロを、「6番・右翼」で今季初スタメン出場した糸井が2-4の六回に中堅左への1号ソロを放った。3-6の七回は糸原の中犠飛、マルテの左翼への適時二塁打などで同点に追いつく意地を見せただけに、投手陣の乱調は大きく響いた。

◆阪神はD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=に10号本塁打が飛び出したものの、中継ぎ陣が崩れて完敗。矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ■もう少し勇気を持って投げてほしい  --同点に追いついた直後の七回に小林が打たれた(1/3回投げて4失点)  「慎重になる場面やけどね、追いついたところやから。オースティンもホームランあるしさ、結果的にホームラン打たれちゃったけど。慎重になるのも分かるけど、強気に行っているの、弱かったかな、という。そこで一気に流れに飲まれたかな、という感じやね」  --ここまで安定感を見せてきただけに責められない  「別に責めるつもりはまったくないよ」 ■チェンは低めに投げられれば...  --チェンは立ち上がりは良かったが、打たれ始めると高めに浮いた  「ボールが高いね。いいコースでも高いと、バッター的には甘く見えちゃうから。球の走りとか、立ち上がりは、この前より逆にいいんじゃないかなというぐらいの球はあったからね。頑張って低くいけたら、また違ったかなと思うけど」  --今後は   「一度、抹消する」 ■ついにロハスの出番  --昇格は   「ロハスを上げる」  --外国人野手3人で打線を強化する  「う~ん、悠輔(大山)がいればあれやけど。悠輔もいないし、キャンプ、オープン戦とロハスがいない状況で来てるからさ。ちょっとあの~見てみるっていうタイミングも、どうしても枠があるから。ちょっとここで見てみようかなと」 ■もっと打ってほしい  --佐藤輝のホームラン  「コースまでは分からないけど、もちろんあの当たりやし。いいホームランやったし。2けたというのもね。結果的にこれぐらいのスピードで10本というのは大したもんやなと思うし。でも、もっともっと打って欲しい状況や場面もまだまだあるんでね。上を目指してやってもらえたらな」  --糸井は気持ちも入っていた(六回に1号ソロ)  「ずっと準備は、嘉男もしていたしさ。完璧な当たりの本塁打も素晴らしかったし。今後もね、嘉男にはいってもらわないと駄目なところがあるんで。いい1本が出たんじゃないかなと思います」 ■今日は投手陣  --負けはしましたけど、粘り強さも出た  「うーん。打線はよくいけたけど。今日はピッチャーが思うようにいかなかったので。明日いきます」

◆阪神・矢野燿大監督(52)が試合後、新外国人のメル・ロハス・ジュニア外野手(30)を1軍に招集することを明かした。  「ロハスを(1軍に)上げる。打線強化の意味? 悠輔(大山)もいないし、キャンプ、オープン戦とロハスがいない状況できているから。ちょっと見てみるというタイミングも、どうしても(外国人)枠があるから。ちょっとここで見てみようかな、と」  この日、先発したチェンが四回途中4失点(自責3)と崩れ、登録抹消することも明かした。外国人枠「5」のうち、1枠が空くことに加え、開幕から4番で結果を残してきた大山悠輔内野手(26)が6日に背中の張りで1軍登録を抹消されており、主砲に代わる存在として期待がかかる。

◆長距離打者に見られる典型的な対応力-。ドラフト制後、最速の2桁本塁打を達成した阪神のD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=に、元阪神ヘッドコーチで本紙専属評論家の黒田正宏氏(73)は最大級の賛辞を贈った。インハイを見極める眼力に成長の跡が見え、プロの球速に慣れ始め、甘くなったところを強振する姿を高く評価した。またロハスの昇格に理解を示し、中継ぎ強化として藤浪の昇格などを提言した。 ■長距離打者に見られる典型的な対応力を示した  佐藤輝の本塁打を相手捕手の目線から見ると、「次のステップに上がったな」と今まで以上に警戒心を抱くことは間違いない。四回の打席では1球目、3球目とDeNAバッテリーは内角にストレートを投げ、佐藤輝はファウルでしのいだ。今までなら空振りしてもおかしくないコースだった。  本塁打もインハイの真っすぐ。若干コースは甘くなったが、内角攻めに慣れてきた佐藤輝にとって難しくない球筋だった。また、プロの球速への慣れもあり、スタンドに運んだ。インハイを空振りせず、ファウルでタイミングを合わせながら、甘くなれば強振する。長距離打者に見られる、典型的な対応力を示したことを評価したい。  佐藤輝のような打者と対戦する場合、(1)インハイに思い切って投げる(2)その後にアウトコース-の配球を基本にバッテリーは考える。それが「外角へのカーブやスライダーは甘くなれば一発を浴びる」ことが早々とわかり、内角攻めが集中したが、その部分でも進歩の兆しを見せた。次は外角低めへの、さらに厳しい変化球。例えばフォークやシンカーで落とすような配球を考える可能性があり、次のステップでの「新・佐藤輝」に期待したい。 ■疲れが見える小林 藤浪の昇格を考えるべき  先発・チェンはストレートもチェンジアップも同じ球速で、緩急の差が見られなかった。この試合のように打ち負けないことを考えるなら、ロハスの昇格は納得できる。  心配なのは小林。安定した内容を示しているが、疲れが見え始めているのも事実。岩崎、岩貞の負担を減らす意味でも、藤浪の昇格を考えるべきではないか。投手陣については、さまざまな考えが浮かんだ一戦だった。

◆DeNAの三上が3年ぶりの勝ち星。七回1死三塁で救援してマルテに同点二塁打を浴びたが、後続を抑えた。その裏に味方が5点を勝ち越し「(白星は)意識していなかったが、チームの勝ち試合で投げられて良かった」と喜んだ。  2017、18年と2年続けて60試合以上に登板したが、19年には右肘の手術を経験した。存在感を取り戻す働きに、三浦監督は「流れを断ち切ってくれたのは大きかった」と感謝した。

◆阪神の新外国人、メル・ロハス・ジュニア外野手(30)=前韓国KT=が、8日にも1軍昇格する見通しとなった。7日のDeNA戦(横浜)の後、矢野監督が「ロハスを上げる」と明言した。  この日、先発したチェンが四回途中4失点(自責3)と崩れ「一度、抹消する」と降格することも明かした。外国人枠が1つ空くことで、新助っ人を昇格させる。  開幕から4番を任せてきた大山が6日に背中の張りで離脱。主砲の座を受け継いだ佐藤輝を中心に打線はつながってはいるが、このタイミングで昨季、韓国リーグで47本塁打、135打点を挙げた2冠王を組み込む。  ロハスは4月21日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)で来日初実戦。以降、9試合に出場して25打数5安打、打率・200、2本塁打、6打点。5月1、2日の同・広島戦(由宇)では2試合連続ホームランを放つなど、パンチ力のあるところを証明した。  指揮官は「悠輔(大山)もいないし、キャンプ、オープン戦とロハスがいない状況で来ているから。見てみるタイミングも、どうしても(外国人)枠があるから。ちょっとここで見てみようかなと」と説明。2軍では投手のエドワーズやアルカンタラも昇格の機会をうかがっており、チャンスを生かせるか。

◆球場を真っ二つに貫いて、ひと振りで"超人健在"を見せつけた。待ちに待った今季初スタメンに燃えた糸井が、いきなり中越えの1号ソロ。近大の後輩、佐藤輝に続き初のアベックアーチだ。  「いつ、どういう状況でも、僕らは自分にできる最高の準備をするだけなので」  2-4とひっくり返され、五回は両軍が無得点だった。ゲームは落ち着きかけていたが、こんな日のために来る日も来る日も準備を重ねてきただけに、落ち着いているワケにはいかなかった。六回2死。剛速球左腕のエスコバーにポンポンとアウトを奪われた直後の走者なしで、外寄りの153キロを振り抜き、バックスクリーン左へ。もう5月で、もう33試合目。もがきながら戦うプロ18年目、ようやく架けた自身14年連続アーチだった。  そこからゲームがもつれにもつれたのも、チーム最年長39歳の糸井が、食い下がる姿勢を見せていたからに違いない。6日には大山が背中の張りで出場選手登録を抹消された。シュンとしてしまうのか、勢いを保ち続けるのか-。打線の真価が問われる一戦でもあった。矢野監督も「ずっとそういう(出るつもりの)準備は嘉男(糸井)もしていたしさ。完璧な当たりの本塁打も素晴らしかった。今後も嘉男には行ってもらわないとダメなところがある」と大きくうなずいた。  6日には自主練習に姿を現し「控えという立場で危機感を持ってやっている。この下はファームという立ち位置」と悲壮な覚悟を口にしていた。若手らとともにもがき、たとえ少ない打席でも状態を上げようと日々取り組む。そして、勝利の輪に加わりたい。どんな立場でも常に最高の準備をし続ける糸井の姿が、そのまま今季の虎のチーム一丸を表している。  ナインらに出迎えられてベンチの端までたどり着いた糸井は、ふとテレビカメラを見つめた。もしや佐藤輝の「Zポーズ」を繰り出すのか...と思いきや、何もしなかった! 超人ぶりも、ちゃめっ気も、変わらない。  「またあしたからチームが勝てるように、しっかりやっていきます」  これほど頼もしく、相手にとってこれほど脅威な存在は、他にいない。(長友孝輔)

◆DeNAは7日、阪神7回戦(横浜)に12-6で勝ち、2連勝を飾った。取って取られての激戦となったが、終わってみれば14安打12得点で快勝。三浦大輔監督(47)は3安打3打点をマークした"恐怖の7番"宮崎敏郎内野手(32)をキーマンに挙げた。5月は6戦5勝と勢いに乗るベイが、首位チームも飲み込んだ。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は10号ソロを放ち、33試合目で早くも2桁本塁打に到達した。  シーソーゲームを制した。リーグトップのチーム打率・264を誇る猛虎打線に、ベイ打線が真っ向勝負で完勝。三浦監督は14安打12得点で首位チームに打ち勝ち、満足げな笑みを浮かべた。  「後ろにつなごう、つなごうという意識をみんなが持って。2巡目で対応できたのが良かった」  先制を許しながら、四回に相手先発のチェンから4得点。七回に同点に追いつかれたが、その裏に5安打で5得点し、再び突き放した。4月は9-22日に全試合3得点以下で10連敗を喫するなど低迷していた打線が、ここに来て急上昇。5月の6試合で計40得点を挙げ、5勝1敗と勢いに乗る。  指揮官が「キーマン」に挙げたのは、5日の前戦から「7番」に入る宮崎だ。この日は今季初の1試合3安打で3打点をマーク。1点を追う四回無死満塁で中前へ2点打を放てば、七回はオースティンのソロで1点を勝ち越してなお1死一、二塁から右中間へ適時二塁打。「3連戦の初戦はすごく大事。取れたのは大きい」と声を弾ませた。  2017年の首位打者。開幕から全試合で先発出場を続け、牧に次ぐチーム2位の16打点をたたき出す。好打者をあえて「7番」に置く打線に、指揮官は「下位打線でも得点できる。本当にいい働き」と手応え十分。"恐怖の7番"として存在感を放つ。  7年連続で負け越し中と苦手にする阪神に本拠地で快勝した。三浦監督は「今日勝ったのを明日につなげられるように」と、2年ぶりとなる4カード連続勝ち越しを見据えた。(箭内桃子) ★ガールズフェス♪  9日までの阪神3連戦では、女性ファン向けの恒例イベント「YOKOHAMA GIRLS FESTIVAL」を開催。この日は横浜市で育った歌手、May J.が「Let It Go ~ありのままで~」を歌い、国歌独唱も務めた。女性の来場者全員に特別デザインのユニホームも配布。他に選手のパネルが設置されたフォトスポットなどが用意され、ハマスタが普段とはまたひと味違った雰囲気に包まれた。

◆出た、10発目! 阪神はDeNAに6-12で敗れたが、3試合ぶりに4番に座ったD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が四回に2桁に到達する特大の10号ソロ。本塁打&打点でセ・リーグトップに並んだ。さらに、チーム33試合目での到達は1966年のドラフト制以降では、2003年の村田修一(横浜)の36試合を上回る史上最速。こんな主砲がいる限り、虎の勢いは止まらんでぇ~!!  白球は横浜に降りしきる雨を切り裂き、スタンドへと一直線。佐藤輝の10本目のアーチが右翼席最上段で跳ねて「業務スーパー」の看板を直撃すると、球場はどよめきに包まれた。  「自分のスイングを心がけて強く振り抜けました。内(角)は頭にあったので、うまく反応できてよかったです」  1-0の四回先頭、カウント2-2からの5球目。DeNAの先発・中川が投じた145キロ直球に、右肘を折りたたんで反応。ローボールヒッターの印象が強いが、内角高めを上手にさばいた。  4月9日、横浜で放った場外弾をほうふつさせる特大の一撃は、5月4日のヤクルト戦(神宮)以来となる10号ソロ。村上、山田(ともにヤクルト)と並ぶセ・リーグトップとなり、26打点は引き続き岡本和(巨人)と並びトップ。リーグ2冠となった。  10発到達は阪神の新人では1980年の岡田彰布以来、左打者では球団史上初。チーム33試合目での到達は、2003年の村田修一(横浜)の36試合を更新し、ドラフト制以降(1966年以降)では最速となった。  6日に主砲・大山が背中の張りで登録抹消。2日の広島戦(甲子園)以来3試合ぶりに「4番・三塁」を任された。矢野監督が「体験入部のようなもの、経験」と説明した前回とは違う、正真正銘、猛虎打線の顔として勝敗の命運を託された。  真価が問われる一戦で披露した進化。嫌というほど攻められてきたインハイをスタンドに運んだことに価値がある。  「開幕したときは、投手の攻めに苦しんだんですけど、だんだん慣れてきた」。4月末に語っていた手応えは、確信に変わった。甘い外角球は得意。徹底した内角攻めに苦しんだとき、矢野監督や井上ヘッド、サンズら先輩が手を差し伸べてくれた。多くの助言を胸に、体に刷り込ませてきた内角高めを打つイメージをたぐいまれな対応力で現実に。また一つ階段を上ることができた。  両軍合わせて26安打の乱打戦に敗れ、連勝は4でストップ。それでも"大山離脱"という不安を吹き飛ばす新4番の輝きは、大きな光となった。矢野監督も「これくらいのスピードで10本はたいしたもん。もっと上を目指してやってほしい」とうなずく。2位巨人も敗れたため、ゲーム差は3のまま。首位快走の勢いは止めない。佐藤輝は力を込めた。  「ランナーをかえして打点を挙げるというのが、クリーンアップの仕事。打点を挙げられるようにやっていきたい」  歩き始めた虎の第107代4番としての道。これからは主砲として、数々の伝説を打ち立てる。(原田遼太郎)

◆大谷が打ったから、佐藤輝も打つ?  「きょうは佐藤選手に10号本塁打が出ます」  トラ番の打者担当・原田遼太郎です。なぜ? 4月9日に3号場外本塁打を打っている狭い横浜スタジアムだからか? 相手先発が若い中川虎大(こお)投手だからか?  「いえ、今朝、(エンゼルスの)大谷選手が10号を打ったからです」  太平洋をまたいで、2人の成績はシンクロすることが多いらしい。  「ネットでファンの間でも話題になっています。場外弾のあと、米国時間の9日(日本では翌10日)に大谷選手が3号を打ちました。4月14日には4号本塁打を競演しています。アメリカは13日でしたけど、朝、大谷選手が打って、その夜の広島戦(甲子園)で佐藤選手が打ちました。同じようなペースで打っているんです」  そんなにうまい話が...ありました!! 四回に、もう少しで場外弾という特大の一発。レイズ戦で大谷が打った10号にも負けない飛距離でした。  「実は僕、入社1年目の夏(2017年)に中川投手に会っているんです。箕島高にプロ注目の投手がいるからとデスクの指示を受けて、和歌山大会の1回戦(対和歌山高専、4-2で勝利)を取材しました。球が速かったのと、紀三井寺球場が遠かったことを覚えています。その中川投手がプロ初勝利を目指す試合だったので」  原田は複雑な心境にもなっていました。大の阪神ファンで息子を虎大と名付けたお父さん、和秀さんも複雑だろうと思いますが、あまり落胆されないでください。大丈夫ですよ。4回2失点。切れのいいフォークがある。きっと近いうちに勝ち星をつかめます。  一方、原田とは逆に「嫌な予感」を抱いていたのが、紙面総括の局次長生頼秀基でした。  「きょうは、中日の山本拓実を思い出しています。彼も関西(兵庫・宝塚市)出身で子どものころはファンクラブにも入っていた阪神ファンで、高校(市立西宮)からプロ入りして阪神戦でプロ初勝利(2年目の19年7月31日、6回1失点)を挙げた。阪神はそういうのがよくあるから、きょうも...」  この話には、トラ番キャップの長友孝輔が「その試合、僕、取材してますよ」と反応しました。「たしかに、あの年は山本拓実のあとも若い投手にプロ初勝利を献上しましたね」。巨人・高橋、DeNA・大貫、中日の清水と梅津。1シーズンで計5人もいました。  生頼は「幸せと不幸は平等にやってくる」という考えの持ち主です。  「今年の阪神は、佐藤輝はホームラン王を獲るんじゃないかという勢いだし、うまくいき過ぎている。勝ち過ぎるのもなあ。反動が来るんじゃないかと心配なんです」  待て、待て。『禍福はあざなえる縄の如し』のように幸せと不幸が平等に、交互に来るのなら、阪神ファンは全然「幸せ」が足りてないぞ。2リーグ分立後5回しか優勝していない。日本一は1度しかない。1985年の優勝のあと17年間も勝てない暗黒時代があった。2003年と2005年に優勝したけど、そこからまた15年勝ってないんだぞ。  なんて言ってたら、乱打戦で行ったり来たりしていた『あざなえる縄』が"下"に来ました。打ち負けて5連勝ならず。しかし、まだ貯金12です。「平等に」「交互に」どころか、2勝1敗以上のペースです。佐藤輝も打ちました。きっとまた、縄が"上"ばかりになります。

◆うぇ~ん...。4番の佐藤輝がドラフト制後の新人最速となる10号ホームランをかっ飛ばしたってのに~。  今年もまたカモにしていたはずのDeNAになんで負けるんや!! 『先制の虎』が先制したのに四回からチェン、桑原、小林、小野、守屋の14安打12失点の大炎上って...。誰か火を消せよ~!!  出る投手、出る投手が打ち込まれるシーンを目にしながら、俺はあることを思い出していたのだ...。ニコニコ優しいおじいちゃんの野球評論家・関根潤三さん(故人)をご存じですよね? 関根さんは実は現役時代に投手で65勝、打者で1137安打で、いわば二刀流の草分けだったのです。  でも、その穏やかな表情とは裏腹に監督時代は投手交代の時、マウンドの投手のスパイクを踏んだり、スゲ~怖かったのです。そしてある日、本日のように全ての投手が火だるまとなり「投手と捕手は試合後監督室に集合!!」のお触れが...。  カミナリを覚悟してうなだれていくと「みんな今日はお疲れさま、試合も長くなったし気をつけて帰ってね!」だって...。そんな日もあっていいんじゃないの~!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
22101 0.688
(↓0.022)
-
(-)
110161
(+6)
105
(+12)
38
(+2)
27
(+2)
0.264
(↑0.003
3.000
(↓0.27)
2
(-)
巨人
18125 0.600
(↓0.021)
3
(-)
108147
(+4)
119
(+6)
41
(+3)
25
(-)
0.260
(-)
3.230
(↓0.08)
3
(-)
ヤクルト
15135 0.536
(↑0.017)
5
(↑1)
110138
(+6)
147
(+4)
35
(+2)
21
(+2)
0.245
(↑0.001)
4.110
(↑0.01)
4
(-)
中日
13174 0.433
(-)
8
(↑0.5)
10998
(-)
106
(-)
13
(-)
16
(-)
0.232
(-)
2.900
(-)
5
(-)
広島
13183 0.419
(-)
8.5
(↑0.5)
109103
(-)
128
(-)
24
(-)
16
(-)
0.256
(-)
3.440
(-)
6
(-)
DeNA
11224 0.333
(↑0.02)
11.5
(↑1)
106136
(+12)
178
(+6)
28
(+1)
7
(-)
0.237
(↑0.005
4.700
(↓0.04)