広島(1対1)巨人 =リーグ戦8回戦(2021.05.04)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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巨人
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広島
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆巨人は4回表、1死一二塁から炭谷の適時打で先制する。対する広島は5回に1死三塁の好機をつくると、床田の犠飛で同点とした。投げては、巨人・高橋と広島・床田の両先発がともに7回1失点の好投。その後は両軍の救援陣が得点を許さず、試合は規定により9回引き分けに終わった。

◆巨人高橋優貴投手(24)は開幕から5戦5勝。シーズン初登板から6戦6勝となれば18年多和田(西武)以来。巨人では36年秋の沢村、09年ゴンザレスに次いで3人目の球団タイ記録となる。

◆巨人高橋優貴投手(24)が球団日本人では36年秋の沢村栄治以来2人目となる開幕6戦6勝を目指す。18年ドラフト1位の3年目左腕は今季ここまでリーグトップタイの5勝、同トップの防御率1・80をマーク。登板した5戦全てでクオリティースタート(6回以上自責3以下)と抜群の安定感を誇っている。 今季の投球を支えるのは、勝負強さだ。無走者と一塁に走者を置いた状況での被打率が2割2分6厘に対して、得点圏での被打率は0割6分7厘。得点圏では打者35人と対戦し2安打しか許していない。登板前日の3日に「1球1球を丁寧に、粘り強く投げたいです。ランナーを出しても切り替えて次の打者を全力で抑えて、先に点を与えず粘り強く投げたい。頑張ります」と話したように、粘り強さを見せている。 また、今季は内角を強気で攻める投球が目立つ。特に右打者に対しては内角を意識させることで、外角へ逃げていく決め球スクリューがより効果的になる。昨季は右打者の被打率が2割7分3厘だったが、今季ここまでは1割5分2厘と抑え込んでいる。この日もリーグトップの打率3割5分3厘の菊池涼、3日に7号2ランを放った鈴木誠と広島打線の右のキーマンを封じられるかがカギとなる。6戦6勝でルーキーイヤーの5勝を上回ることはできるか。【久永壮真】

◆広島会沢翼捕手(33)が出場選手登録抹消となった。 前日3日の試合前練習に参加せず、ベンチ入りメンバーからも外れていた。前日の試合後、佐々岡監督は「ひどくはないんだけど、もしかしたら抹消することも考えています」と話していた。この日の練習にも姿を見せなかった。会沢はここまで24試合に出場し、打率2割9分6厘、1本塁打、5打点。5連敗中のチームに正捕手の離脱は大きな痛手となりそうだ。 代わって正随優弥外野手(25)が今季初の1軍昇格となった。

◆巨人炭谷銀仁朗捕手(33)が放った今季初安打が先制打となった。「8番捕手」で4月24日の広島戦以来のスタメン出場。今季15打席目となった4回1死一、二塁、広島床田の143キロを中前に運んだ。「先制点が取れて良かったのと、個人的に1本出てほっとしています」と胸をなで下ろした。 4回1死からウィーラーが楽天時代の16年、17年に並ぶ自身最長の出場13試合連続安打となる左前打で出塁。若林も左前打で続き好機をつくっていた。

◆新人新記録更新! 広島ドラフト1位の栗林良吏投手(24)がデビューから14試合連続無失点とし、ソフトバンク甲斐野が19年にマークした13試合連続を上回り、2リーグ制後の新人最多記録を更新した。タイ記録となった前日3日に続き、同点の9回に登板。1死から梶谷の二塁打で得点圏に走者を背負うも、坂本、丸の巨人中軸を打ち取った。 新人ながら開幕から守護神を任され、開幕2戦目の3月27日の中日戦で球団では03年永川以来18年ぶりのプロ初登板初セーブを記録した。試合前時点で、13試合に登板し、打者43人に対して被安打はわずか2本。リーグトップタイ8セーブをマークする。最速154キロの直球と切れ味鋭いフォークを武器に、19奪三振。奪三振率は13・15を残す。 5連敗中と苦しむチームの中、前日3日は1点ビハインドの9回にも登板した。初の劣勢の展開でも3者凡退で連続無失点を継続。新人記録に並んだ。「負けている試合だったので、そういう記録とかも気にせず、本当にチームの勝利のためにマウンドに上がることができました。ゼロに抑えていることはいいことだと思う。継続して、勝ち試合もそうですし、ビハインドの時でもチームに勢いづけられるピッチングをしていければいいと思います」と話していた。守護神ながら状況問わず、マウンドに上がる姿勢を貫く。広島の9回には"ミスターゼロ"の称号を手にした黄金新人がいる。【前原淳】

◆序盤は両先発が無失点投球。広島床田は1回2死一、二塁をしのぎ、巨人高橋は3回2死満塁で鈴木誠を空振り三振で切り抜けた。 巨人は4回に3連打で1点を奪い、先制。広島は5回に二塁打のクロンが三塁進塁後、床田の左犠飛で生還。同点に追いついた。 終盤は中継ぎ陣が踏ん張り、引き分け。巨人先発高橋は開幕6戦6勝ならず。広島栗林はプロ初登板から14試合連続無失点。

◆巨人坂本勇人内野手(32)が今季初の犠打を決めた。同点の7回無死一塁、床田の初球の134キロを一塁側に転がし1球で得点圏に走者を進めた。 続く丸が四球を選び1死一、二塁とし、岡本和が右翼後方に大飛球を放ったが、広島鈴木誠がジャンピングキャッチ。最後は2死二、三塁の好機でスモークがフルカウントから空振り三振に倒れ、勝ち越すことはできなかった。 坂本の犠打は昨年7月15日の広島戦(マツダスタジアム)以来だった。

◆広島栗林良吏投手が初登板の3月27日中日戦から14試合連続無失点。 2リーグ制後、新人のデビューから14試合連続無失点は19年甲斐野(ソフトバンク)の13試合を抜く新記録となった。栗林のイニングは14回。新人のデビューからの連続イニング無失点記録には63年中井(阪神)の31回があるが、こちらの記録にはどこまで迫れるか。 なお、「デビューから」の条件を外した新人の連続試合無失点記録は12年高木京(巨人)の29試合。

◆今季5度目の引き分けに終わった、巨人原辰徳監督(62)の今日のひと言。 ? 「いろいろ想像していただいた方が、いいんじゃないでしょうか」 ? 巨人は4回、7試合ぶりスタメンマスクの炭谷銀仁朗捕手(33)の今季初安打となる中前適時打で先制した。5回以降は3安打に封じられ勝ち越せず。7回には無死一塁から2番坂本勇人内野手(32)に今季初犠打を指示して得点圏に走者を進めたが、後続が凡退した。 先発高橋優貴投手(24)は勝てば巨人では36年秋の沢村栄治、09年ゴンザレス以来の開幕6戦6勝の記録が懸かっていた。5回1死三塁で投手床田に同点犠飛を許したが、以降は勝ち越しを許さず7回1失点。勝敗はつかず、快挙達成とはならなかったが、右打者の内角を強気に攻めるなど、粘り強い投球で広島打線を5安打に封じた。 ? 試合後の原監督の主な一問一答は、以下の通り。 ? -両チームとも守備で良いプレーがあった そうですね。本当に粘り強くね、投手も頑張ったと思いますね。両軍とも、ここ、というところはね。 -高橋はピンチがありながらも好投 ナイスピッチングですね。 -守護神を務めていたビエイラが登録を抹消され、同点で迎えた9回のマウンドは鍵谷だった。今後の9回の投手起用は いろいろ想像していただいた方が、いいんじゃないでしょうか。最善の策の中で、という風に思っています。 -7回無死一塁で、坂本に犠打 やっぱり上回りたいというところでしょうね、勝ち越したいという中で、というところですね。勇人(坂本)は何でもできる人だから、そういう点では、非常に監督としては、なんというか価値の高い選手ですよね。

◆巨人高橋優貴投手が7回を5安打1失点の好投も、球団日本人では1936年秋の沢村栄治以来となる開幕6戦6勝を逃した。 3回2死満塁のピンチで鈴木誠を空振り三振に仕留めるなど粘りの投球。5回に投手床田の犠飛で同点とされたが、最少失点でとどめた。「(記録を)意識した中で、ある程度試合をつくれたのは今後の自信にして、次、勝ちきれるように準備できれば」と次戦を見据えた。

◆巨人が総力戦で引き分けに持ち込んだ。7回無死一塁で、坂本勇人内野手が昨年7月以来の犠打。その裏には岡本和真内野手が三遊間の打球に飛びついてピンチを防ぐなど、攻守で執念を見せた。原監督は「本当に粘り強く、投手も頑張ったと思います。勇人は何でもできるから、監督としては価値の高い選手」と振り返った。登録を抹消されたビエイラに代わる守護神については「最善の策の中で、と思っています」と話し、再昇格した井納を加えたブルペン陣で乗り切っていく考えだ。

◆巨人高橋優貴投手(24)が7回1失点の好投も、球団日本人では1936年秋の沢村栄治以来2人目となる開幕6戦6勝とはならなかった。 「あれだけ(報道で)出ていれば意識はします。その中である程度試合もつくれたというのはまた今後の自信にして、次、しっかり勝ちきれるように準備できればなと思います」と次戦を見据えた。 ピンチを背負っても粘った。3回、先頭のクロンに初安打を許し、2死二塁から連続四球で満塁のピンチを背負った。打席に鈴木誠を迎えたが、フルカウントから145キロの内角直球で空振り三振。「あそこは真っすぐでいくしかないと思っていたので、いい結果につながったので良かったと思います」とうなずいた。 この日は得点圏に走者を置いた状態で打者8人と対戦したが、5回1死三塁、投手床田の犠飛による1失点だけ。安打は許さず得点圏の被打率は0割5分7厘となった。宮本投手チーフコーチは「昔の江川卓さんがよくやっていた、ランナーが出ると『ギューン』といくようなね。何かこう、めりはりのあるピッチングだったと思います」とたたえた。 右打者への攻めの投球も貫いた。右打者20人と対戦したが、うち14人に初球で内角を突いた。外角へ逃げていく決め球スクリューがあるため、初球で内角を意識させれば打者は踏み込みにくくなる。昨季、被打率2割7分3厘だった右打者を、今季は1割6分7厘と抑え込んでいる。 開幕からの6戦6勝こそ逃したが、勝ち負け付かず、連勝は継続中。5勝はリーグトップタイで、防御率1・71もトップのままだ。好調の要因について高橋は「技術的にすごく何が変わったという訳ではないですけど、『絶対に打たれないんだ』という気持ちの中で投げています。去年何もできていないので『今年こそは』という思いが強い。それがいい方向につながっていると思います」と言った。昨季、左肘痛の影響で1勝に終わった左腕は強い気持ちを原動力に今季に臨んでいる。【久永壮真】 ? ▽巨人炭谷(高橋を好リードし、4回1死一、二塁、今季15打席目での初安打が先制打)「よく持ちこたえて、ピンチを作りながらも粘り強く投げてくれた。個人的に1本出てほっとしています」

◆"7回の壁"越えた。広島床田寛樹投手(26)が今季初めて7回を投げ、1失点に抑えた。4回に3連打で1点を失ったが、今季最長の7回は150キロ超の直球を投じるなど、気迫の投球を披露。今季2勝目はならず、チームは引き分けで5位に転落となったが、床田の好投が光になった。球数が100球を超えても、床田の球威は衰えなかった。同点の7回1死一、二塁。4番岡本は鈴木誠の好捕にも助けられ、直球の後の緩いカーブで右飛に打ち取った。スモークには球場のスピードガンが150キロを計測した直球とチェンジアップの緩急でフルカウントとし、最後はスライダーで空振り三振。109球を投げ抜き、流れを相手に渡さなかった。 「最後、思い切り投げようと。次の回は打席が回ってくる。ほぼほぼその回で交代だと思っていたので、何とかゼロで抑えようと思って投げました」 今季は登板6試合目で初の7回マウンドだった。ここまでの最長は6回。昨季も15試合の先発で7回を投げ切った試合は2試合しかなかった。「何とか長いイニングを投げたい」。今季先発左腕の柱と期待される床田にとって、7回はひとつの壁だった。7回は鈴木誠、4回は菊池涼の好捕にも救われた。離脱した会沢に代わってバッテリーを組んだ石原を含め、本調子でない中でも野手陣の援護を受けて"7回の壁"を乗り越えた。 チーム唯一の得点は自分のバットで奪った。1点を追う5回1死三塁。「自信はないですけど、めちゃくちゃ好き」という打撃で「同点タイムリーのイメージで打席に入りました」という。適時打にはならなかったが、左翼へ飛球に三塁走者クロンがタッチアップで本塁に滑り込み、値千金の同点犠飛となった。 連敗を止めることはできなかったが、連敗を伸ばすことは阻止した。佐々岡監督は「余力があったんだろうけど、ギアが入って振り絞った投球だったと思うし、よく粘ったと思います」と終盤の投球をたたえた。チームが5位転落となる中、成長を示した投球は一筋の光を差した。【前原淳】

◆広島ドラフト1位の栗林良吏投手(24)がデビューから14試合連続無失点とし、2リーグ制後の日本新記録を樹立した。タイ記録に並んだ3日から連投で、同点の9回に登板。1死二塁のピンチから坂本を三ゴロ、丸はワンバウンドのフォークで空振り三振で無失点を継続。だが「チームが勝てなかったので、うれしさはあまりないです」と大記録にも笑顔はなかった。 原点回帰できる場所がある。中学時代に所属していた愛知・藤華クラブだ。「有野監督のおかげでここまできているので」。卒団後も、毎年5、6回は練習に顔を出している。恩師の有野伸一総監督(53)は当時を「あのまんまの感じ。ここ一番で強かった」と明かす。主に遊撃手だったが、ある試合で最終回の無死満塁から登板。3者連続三振で切り抜けた。有野氏は「そういうポテンシャルは持ってました」と振り返る。 栗林が座右の銘に掲げる「謙虚」は有野氏から授かった。野球の能力が高かった栗林は先頭でチームを引っ張っていた。だが周囲との「温度差を感じた」という監督から、「もう少し周りを見て、謙虚にやっていこうぜ」と助言を受けた。栗林は「最初は重みも意味もわからなかった」。だが年を重ねるごとに「応援してもらう大切さを学んだ」といい、大学からグラブに「謙虚」の刺しゅうを刻む。今年2月には、SSK社を通じて打撃マシンとノックバット10本を寄贈。有野氏は「断ったんですけど、『どうしても』ということだったので」と感謝した。 栗林は「『謙虚』は人生においてずっと大事にしていきたい」と言う。大記録にも慢心はない。恩師の言葉を支えにプロでも輝きを放ち続ける。【古財稜明】 ▽広島佐々岡監督(栗林について)「全く大したもんというかね。こっちとしては頼もしい。記録をずっと継続してくれればチームの勝利ということになると思う。本当に気持ちの強いものを持っていると思う」

◆広島ケビン・クロン内野手が5度目のマルチ安打で気を吐いた。 3回に左翼線へのチーム初安打を放つと、5回は右中間を破る二塁打。三塁進塁後、床田の左翼への飛球にタッチアップで本塁に滑り込む果敢な走塁で、同点のホームを踏んだ。「今日は正直、タイミングがしっかり取れたという初めてのゲームだったんじゃないかなと思います」。復調に手応えを感じていた。 ▽広島正随(今季初昇格で代打出場も三ゴロ)「結果は欲しいけど、求め過ぎて小さくなるのではなく、しっかり自分の形で打ちにいけたらと思う。何とか出場機会があれば、積極的にいきたい」

◆広島・会沢翼捕手(33)が下半身のコンディション不良で出場選手登録抹消となった。  今季打率・309の"打てる捕手"は3日の巨人戦(マツダ)前の全体練習に参加せず、ベンチ入りメンバーからも外れていた。佐々岡監督は試合後、「そこまでひどくはないけど様子を見て(判断する)。もしかすると抹消する」と示唆していた。  チームでは大瀬良が4月16日に右ふくらはぎの筋挫傷で抹消。3月26日の中日との開幕戦(マツダ)でバッテリーを組んだ2人が離脱する事態となった。

◆両チームとも決め手を欠き、九回で引き分けた。巨人は高橋が7回1失点と好投したが、打線が11残塁と四回の炭谷の適時打による1点に終わった。広島は床田が7回を投げて8安打と3四球を許しながらも1失点と粘った。

◆広島のドラフト1位・栗林良吏投手投手(24)=トヨタ自動車=がデビューから14試合連続無失点とし、プロ野球新人記録を作った。  1-1の九回に2試合連続でマウンドへ上がった。先頭の代打・亀井を2球で追い込み、フォークで三球三振。続く梶谷に左翼線二塁打を浴びたが、坂本を三ゴロ、丸を空振り三振に切って取ると、マウンドで飛び跳ねて拳を握った。  チームは1-1の引き分けに終わったが、自身はデビューから14試合連続無失点とし、2019年のソフトバンク・甲斐野を抜き、66年のドラフト制導入後の新人最長となった。今春の対外試合を含めるとデビューから21イニング連続無失点といまだ1点も取られていない。  球団では2003年の永川(現投手コーチ)以来の「新人守護神」は、開幕2戦目の3月27日の中日戦(マツダ)でプロ野球史上5人目の初登板セーブを記録。ここまで14試合で14回を投げ3安打無失点、21奪三振。ヤクルト・石山と並びリーグトップの8セーブと抜群の安定感を誇る。

◆広島は1点差を追いついたが、引き分けに終わり5位に転落した。ドラフト1位・栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=はデビューから14試合連続無失点とし、プロ野球新記録を樹立。佐々岡真司監督(53)の主な一問一答は以下の通り。--床田が巨人・高橋がともに7回1失点と粘り引き分けた  「床田が粘り強く投げてくれていたので何とかしたかった。打線があと1本出ないというのが続いている」  --鈴木誠が三回2死満塁、五回2死一、三塁の好機で凡退  「チャンスで一本が出ていないので重い展開になる。床田が粘り強く最少失点、菊池(涼)のナイスプレーもありましたけど、よく粘って7回まで投げた」  --D1位・栗林がプロ野球記録のデビューから14試合連続無失点  「大したもの。きのうの1点ビハインド、きょうの同点でもしっかり抑える。頼もしい。助かっている。この記録を続けてくれれば、チームの勝利になる」  --5日が大型連戦の最終戦  「もう一度、全員で勝ちにいく」

◆巨人の炭谷は今季15打席目での初安打が貴重な適時打となった。0-0の四回1死一、二塁で床田の速球を中前に運び「取りあえず併殺にならないように。個人的に一本出てほっとしている」と笑った。  今季5度目の先発マスクで高橋を好リードしたものの、五回に相手投手の床田の犠飛で追い付かれたのが悔やまれる様子。「打撃がいいのは分かっていたけれど、やっぱりそこ(投手)に打点を与えるのはもったいない」と反省の言葉を並べた。

◆広島の床田が今季最長の7回を投げ1失点にまとめた。三者凡退に抑えた二、五回を除いて毎回ピンチを背負ったが、丁寧にコースを突いて踏ん張り「点を取られた後もずるずると行かずに良かったかな」とうなずいた。  同点の七回2死二、三塁ではスモークに低めの変化球を振らせて空振り三振に仕留め、勝ち越しを許さなかった。佐々岡監督は「チャンスであと一本が出ていないので重い展開になる。それでも床田が粘り強く最少失点で七回までよく投げた」と打線の援護に恵まれなかった左腕投手をねぎらった。

◆大記録は逃したが堂々の投球だった。巨人・高橋優貴投手(24)は7回5安打1失点。勝てば、開幕から6戦6勝で球団では2009年のゴンザレス以来、日本選手では1936年秋の沢村栄治以来、85年ぶりの快挙だったが、味方の援護がなく、勝ち星はつかなかった。 ■7回5安打1失点も援護なく...  「(記録が)あれだけ(報道で)出ていれば意識はします。その中である程度、試合を作れたのは今後の自信にして、次にしっかり勝ちきれるように準備したい」  3年目左腕は自信に満ちている。三回2死満塁で4番・鈴木誠に全6球中、5球の直球勝負を挑み、フルカウントから、この日最速となった145キロの内角直球で空振り三振に斬った。満塁では3年間で通算19人の打者を16打数無安打(2犠飛1死球)。ピンチで無類の強さを見せつけた。 ■登板全てクオリティースタート達成  失点は五回の犠飛による1点のみで、今季は全6登板でクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成している。5勝と防御率1・71はいずれもリーグトップだ。  原監督も「両軍とも『ここ』というところは粘り強く投手が頑張った。(高橋は)ナイスピッチング」とたたえた。開幕ローテ6番手の快進撃が続いている。(谷川直之)

◆1万6362人の観客が歴史の瞬間を目の当たりにした。広島のドラフト1位・栗林(トヨタ自動車)がデビューから14戦連続無失点。2019年のソフトバンク・甲斐野の「13」を抜き、66年のドラフト制導入後で新人最長となった。 ■フォークを決め球に  「チームが勝てていないのでうれしさというのはあまりない。めっちゃうれしい感じはない」  1点ビハインドで登板した前日に続き、この日は1-1の九回にマウンドへ。先頭の代打・亀井を3球三振。続く梶谷にプロ初長打となる左翼線二塁打を浴びたが、坂本は遊ゴロ、丸も空振り三振に斬って取り、マウンド上でこぶしを握った。3つのアウトはいずれも、落差の大きなフォークボールを決め球に選択した。  セーブ機会と無縁の状況が続いても力投を続ける右腕を、現役時代に通算138勝&106セーブを挙げた佐々岡監督も「大したもの。頼もしい」と絶賛した。 ■挫折からはい上がり...  3年前の挫折からはい上がった。名城大4年時の2018年秋、プロ志望届を出していたが、ドラフト会議で指名漏れ。会見の準備までしていた中で名前は呼ばれなかった。落胆する学校関係者、撤収する人々を見て「申しわけない」と肩を落とした。  そこでいったんはプロ入りを断念し、トヨタ自動車に入社。中日、楽天で活躍した名城大・山内壮馬コーチ(35)に社会人で骨をうずめる覚悟を伝えると、「本当にそれでいいのか」と熱い説得を受けて翻意した。恩師への感謝の気持ちを込めてマウンドに上がり、すでに8セーブ。計14回を投げて被安打3という安定感だ。  「好きな言葉は謙虚。中学時代の(藤華クラブの有野)監督が言ってくださってずっと大切にしています」  チームは1-1の引き分けで5位に転落した。個人の記録だけで喜ぶことはしない新人守護神が無失点記録を続けて、低迷するカープに闘魂を注入する。(柏村翔)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
2290 0.710
(↑0.01)
-
(-)
112153
(+11)
91
(+5)
36
(+4)
25
(+1)
0.263
(↑0.004)
2.760
(↓0.01)
2
(-)
巨人
17115 0.607
(-)
3.5
(↓0.5)
110139
(+1)
113
(+1)
38
(-)
23
(+1)
0.260
(-)
3.250
(↑0.07)
3
(-)
ヤクルト
14134 0.519
(↓0.019)
6
(↓1)
112130
(+5)
141
(+11)
33
(+1)
19
(-)
0.244
(↑0.001)
4.190
(↓0.17)
4
(1↑)
中日
13164 0.448
(↑0.019)
8
(-)
11098
(+8)
102
(+4)
13
(+1)
15
(-)
0.233
(↑0.004)
2.860
(↓0.03)
5
(1↓)
広島
13173 0.433
(-)
8.5
(↓0.5)
110103
(+1)
124
(+1)
24
(-)
15
(-)
0.257
(↓0.002)
3.420
(↑0.08)
6
(-)
DeNA
9224 0.290
(↓0.01)
13
(↓1)
108120
(+4)
172
(+8)
27
(+2)
6
(-)
0.232
(↑0.001)
4.800
(↓0.12)