中日(★2対6☆)阪神 =リーグ戦6回戦(2021.04.29)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
0000011002700
勝利投手:チェン・ウェイン(1勝0敗0S)
敗戦投手:福谷 浩司(1勝2敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(5号・3回表3ラン)

  DAZN
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◆阪神は1点リードの3回表、大山の3ランで追加点を挙げる。その後4-2となって迎えた9回には、梅野と中野の連続適時打で2点を奪い、試合を決めた。投げては、先発・チェンが6回1失点の好投でNPBでは10年ぶりとなる白星。敗れた中日は、打線が4併殺打と拙攻が響いた。

◆ロッテから阪神へ移籍したチェン・ウェイン投手(35)が今季初登板。 昨年9月に日本球界へ復帰したが、ロッテでは0勝3敗。通算18勝7敗と相性の良いバンテリンドームで、中日時代の11年10月2日以来の白星を目指す。

◆阪神は4番主将大山悠輔内野手(26)の4打点に導かれ、連敗を2で止めた。 再び貯金を2ケタに戻し、この日試合がなかった2位巨人とのゲーム差を1・5に広げた。 大山は1回2死三塁で先制の左前適時打。1点リードの3回1死一、二塁では左翼席中段に5号3ランを決めた。 投げてはロッテから移籍1年目のチェン・ウェイン投手(35)が虎デビュー戦で6回1失点と好投し、今季初勝利をゲット。中日在籍時の11年10月2日阪神戦以来、3497日ぶりとなるNPB白星を手にした。

◆阪神は初回に大山の適時打で1点を先制、3回にも大山の5号3ランで加点した。阪神先発チェンは3回まで4安打無失点。 中日は6回に京田の左犠飛で1点を返した。中日先発福谷は6回4失点で降板。チェンは6回5安打1失点と好投した。 阪神は9回に2点を追加、中日の反撃を2点で抑え連敗を止めた。チェンは日本球界復帰後初勝利。福谷は2敗。

◆移籍後初先発する阪神チェン・ウェイン投手(35)が、出場選手登録された。代わって、今季登板3試合で防御率6・00だったジョン・エドワーズ投手(33)が登録抹消された。 開幕2軍スタートとなったチェンは、ウエスタン・リーグで4試合に先発し、防御率1・80。安定した投球を続け、タテジマでの初先発が偶然にも古巣中日戦となった。バンテリンドームでは、通算18勝7敗と好相性を誇る。 チームは中日に連敗し、2カードぶりの負け越しとなった。チェンが白星をつかめば、シーズンでは11年10月2日阪神戦以来3497日ぶりのNPB勝利。メジャー経験豊富な左腕の好投で、連敗をストップする。

◆阪神ドラフト6位の中野拓夢内野手(24)が5試合ぶりにスタメン復帰した。 ここまで20試合出場で打率3割2分6厘を残しているが、直近は15打席連続ノーヒット。23日DeNA戦(甲子園)を最後にスタメンから外れていた。 2連敗中の流れを変えるべく、「8番遊撃」で満を持して先発復帰する。

◆阪神が「タイムリー欠乏症」を脱出した。 初回に大山悠輔内野手(26)が先制の左前適時打を放った。2死走者なしから3番マルテが中越え三塁打を放ち、続く大山が初球を捉え、今季20打点目を挙げた。「打ったのはスライダー。先制点がほしかったですし、マルテもよく走ってくれたので、かえすことができて良かったです」。チームでは24日DeNA戦(甲子園)の6回に、木浪が適時二塁打を放って以来、29イングぶりのタイムリーとなった。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が3回に左越え3点本塁打を放ち、中日を突き放した。 「打ったのはツーシーム。甘く来たボールをしっかり仕留めることができました。いい形で追加点を取ることができてよかったです」。2番糸原が一塁線を破る二塁打、3番マルテが四球でつなぎ1死一、二塁の場面で、初回の適時打に続き4番の仕事を果たした。 1試合4打点は、昨季9月18日中日戦(ナゴヤドーム)で6打点を挙げて以来で、今季最多だ。

◆移籍後初先発した阪神チェン・ウェイン投手(35)が、6回5安打1失点と好投した。4番大山の3ランなど4点の援護を受け、勝利投手の権利を手にして降板した。 初回1死から京田に二塁打を浴びるも、ガーバー、ビシエドの助っ人2人を左飛、二飛に打ち取った。2回も2死から木下拓に二塁打を打たれたが、根尾を139キロ直球で空振り三振と要所をきっちり締めた。この日の最速は144キロ。キレのあるカーブやスライダー、変化球を効果的に組み合わせて、古巣中日打線を次々に打ち取った。 チェンは開幕2軍スタートとなったが、ウエスタン・リーグで4試合に先発し、防御率1・80。安定した投球を続け、タテジマでの初先発が偶然にも古巣中日戦となった。バンテリンドームでは、通算18勝7敗と好相性。チームは中日に2カードぶりの負け越しとなり、連敗ストップの期待がかけられていた。 白星をつかめば、シーズンでは11年10月2日阪神戦以来、3497日ぶりのNPB勝利となる。

◆阪神チェン・ウェイン投手(35)が、古巣相手に移籍後初先発で初勝利をつかんだ。6回5安打1失点と好投し、シーズンでは11年10月2日阪神戦以来3497日ぶりのNPB勝利。 古巣でうれしいお立ち台。インタビュアーから日本語でメッセージを求められると、苦笑いしながらも球場がどよめくほどの流ちょうな日本語を披露した。「えー、久しぶりにナゴヤドームで投げることが出来ましたので、すごいうれしい。名前は変わってるかもしれないんですけど、僕のイメージはナゴヤドーム。ここで阪神ファンが来て応援してくれたのが、自分は幸せ。これからも応援よろしくお願いします」。阪神ファンだけでなく、中日ファンをも和ませた。 久しぶりの日本での白星には「とてもうれしく思います。うれしい以外にはありません」と喜びあふれる様子。「マルテや、大山たちが援護してくれたおかげで、自分の投球に集中することが出来ました。本当にリュウ(梅野)のリードのおかげで自分のピッチングに集中することができたので、本当に感謝しています」。勝利をサポートしてくれた仲間たちに感謝の言葉を並べた。 チームは前夜に連敗を喫し、2カードぶりの負け越し。経験豊富な左腕が、期待通りの投球でチームを救った。 ? ▽中日与田監督(チェンについて)「ある程度、甘い球は来ていたが、タイミングをちょっと外されてうまく打てなかった感じ」 ▽中日根尾(チェンに2打席2三振)「腕の振りが直球も変化球も同じで、(球の)出所が見にくかったです」 ▽中日大島(11年の中日在籍時も知り3打数1安打)「いいピッチングをされてしまいました」 ▽中日ビシエド(メジャーでの対戦成績は11打数3安打も2打席凡退)「アメリカの時の方が球が速くてスピードを感じた。今日はコントロールが良かった」

◆阪神チェンが古巣中日相手に6回1失点好投。大山が4打点と打線も援護し完勝。中日は打線がふるわなかった。

◆阪神7番梅野隆太郎外野手が試合終盤に貴重な適時三塁打を放った。2点リードの9回1死二塁から鈴木の8球目変化球をはじき返し、前進守備の右中間を破った。 得点圏打率5割5分は、リーグ断トツ。「チームのテーマでもある走者を残さず、しっかりかえしていくという最高の仕事を常に心がけて打席に立っている」と胸を張った。

◆阪神3番手岩崎優投手が、中日打線の勢いを止めた。2点差に迫られた直後の8回に登板。 前日本塁打を放った代打福田を遊ゴロに仕留めると、大島、京田の上位打線を封じ、3者凡退に料理した。「0点で抑えることができてよかったです」。これで6試合連続無失点。9回はスアレスが締め、こちらは9試合連続無失点。強固なリリーフ陣に揺るぎはない。

◆阪神糸井嘉男外野手が代打で今季初の長打となる二塁打を放った。 7回2死走者なしで登場し、日本ハム時代の同僚谷元圭介投手のフォークを左翼線へ運んだ。 これで谷元からは18年から4年連続安打と好相性。11日DeNA戦(横浜)以来、自身7打席ぶりの安打だった。

◆阪神2番手小林慶祐投手が粘りの投球を見せた。3点リードの7回に登板。 先頭ビシエドのショートへのゴロを中野が失策し、その後、安打と四球で無死満塁。木下拓の遊ゴロ併殺の間に1点を失ったが、根尾を空振り三振に仕留め、最少失点で切り抜けた。矢野監督も「本当に粘ってくれた」と称賛。10試合目で今季初失点も、流れは渡さなかった。

◆阪神が序盤から主導権を握り、連敗を2で止めた。 再び貯金を10に戻し、試合がなかった2位巨人とのゲーム差は1・5に。4番大山が4打点の活躍。先発したチェンは6回1失点で中日在籍時の11年10月2日以来、10年ぶりのNPB勝利を挙げた。試合後の矢野監督のコメントは以下の通り。 ◆阪神矢野監督語録 -4番大山が早い回から2打席打って流れを持ってきた。4番の仕事を果たした それはもうタイムリーに、3ランで申し分ないでしょう。 -3ランは迷いなく思い切り振った 飛距離もね。完璧やし。今シーズンのなかでも、もちろん一番の当たりやと思う。今まで見たホームランのなかでも、上位に入るくらい完璧やったんじゃないですか。 -4点の援護でチェンは尻上がりに良くなった その4点が逆に難しさの部分があるからね。1点、2点の方がいい緊張感というか。4点入ると、どうしても四球も出したくないし、ボールがどうしても中に集まったりというケースもある。初登板やったし、そこをコントロールして投げてくれたっていうのは今までの経験というのが、しっかり出してくれた投球かなと思う。 -小林が1点に抑えたのも大きかった いやあ、まずはタクム(中野)がやっぱりな。(7回先頭ビシエドの)ショートゴロをそんなに慌てる(必要はない)。もちろん深い位置。でもビシエドやったら、そんなに慌てんでもアウトにできると思うしね。やっぱり先頭バッターをエラーっていうのはやっぱりピッチャーもなかなか勝負していきにくい。そういうところは小林が本当に粘ってくれた。リュウ(梅野)もそこにしっかり意識付けというか、やった結果、ダブルプレーで乗り切ってくれたというのは大きい。 -4月、順調に滑り出し。同一カード3連敗しなかったのは大きい めちゃくちゃでかい。昨日も、ああいう展開の中で、先に先制できて、4点というのが大きかった。結果的には3連敗するとね、戻すのに連勝しかなくなってくるので。そういうところでは、頭2つとられたけど、結局、貯金1個減っただけで帰れるというのは大きい。年間の中でずっといい状態で野球をやれるわけじゃない。そういうところでは調子のいいのと、ちょっと1カ月やって、疲れが出てきているメンバーと、そういうのが出てきている。そういう中で踏ん張れたというのは、シーズンの中で必要なこと。よく踏ん張ってくれたなと思っています。

◆阪神ドラフト6位ルーキー中野拓夢内野手は、5試合ぶりにスタメン出場し2安打1打点だった。 2回の第1打席で自身16打席ぶりの安打を放つと、3点リードの9回1死三塁ではダメ押しの適時二塁打。7回の守備で失策が失点につながっていただけに「なんとか自分で打って返そうと、強い気持ちでいくことができた」。矢野監督は「失敗して成長していくというのはずっと言っていること。積極性とか、拓夢(中野)らしさはある」とミスを挽回したルーキーを評価した。

◆阪神の矢野燿大監督はチェン・ウェイン投手の今後について「保留」とした。3日ヤクルト戦(神宮)が延期になった影響から来週は5試合。先発投手は5人でまわる。 矢野監督は試合後に「ちょっとそこはもう少し考えてからにしようかなというところ。まだ決定はしてない。様子見ながらということになる」と説明した。外国人枠の関係から1軍昇格をうかがう新外国人ロハスとの兼ね合いもある。

◆本拠地無双の中日福谷浩司投手が炎上した。阪神の主砲大山1人に初回の先制適時打、3回の5号3ラン被弾で3打数3安打4打点を献上。19年の先発転向後、バンテリンドームでは7度先発し5勝負けなしだったが、初黒星を喫した。 「大山君にやられました...。6イニングは投げることができましたが、最低でも失点をあと1点は少なくしたかったです」。22日DeNA戦で開幕4試合目で初勝利を挙げたが、本拠地今季初登板で痛恨の2敗目を喫した。 打線も阪神先発チェンらに何度も得点圏に走者を進めながら今季最多の4併殺打で逸機。与田監督も「結果論でしかない。打たせる場面での形は技術的に向上していくしかない」と振り返った。 連勝は止まったが、首位阪神を相手に今季3度目のカード勝ち越し。指揮官は「借金を減らすという意味で何とかいい試合をできたと思っている」と前を向いた。 ▽中日高橋周(2試合ぶりマルチ安打)「いいところはなぜ良かったか考えて続けていきたい」 ▽中日藤嶋(2試合ぶり無失点リリーフ)「チームに流れを持ってこられるようにと思って投げた」

◆阪神は4番主将大山悠輔内野手(26)の4打点に導かれ、連敗を2で止めた。 再び貯金を2ケタに戻し、この日試合がなかった2位巨人とのゲーム差を1・5に広げた。 ▼阪神は今季のデーゲームで10戦全勝。ナイターは9勝9敗の五分だから、シーズン通算19勝9敗の貯金10すべてをデーゲームでまかなっていることになる。とりわけ打線が活発化。夜のチーム打率2割3分4厘に対し、昼は2割9分7厘。ナイターの1試合平均得点3・7点に対し、デーゲームは6・4点へとはね上がる。

◆「名古屋の呪縛」を解いたのは、頼れる4番主将だった。 阪神大山悠輔内野手(26)が敵地中日戦で今季自身最多の4打点をたたき出し、同一カード3連敗を阻止した。 1回に先制打、3回に5号3ランを放つなど3安打。昨季から7連敗中だったバンテリンドームで虎を勢いづかせた。チームは貯金を再び2ケタに戻し、2位巨人とのゲーム差を1・5に拡大。両リーグ最速20勝に王手をかけた。大山は振り抜いた相棒をそのまま、ドーム天井に向けて高く掲げた。文句なしの感触を左手に残したまま、ゆっくりと走りだした。1点リードの3回表1死一、二塁。中日福谷の145キロ内角ツーシームを寸分狂わぬタイミングで強振。左翼席中段まで届かせた。 「3点入ったのが一番大きい。何試合か、点数を取れていなかったので」 5号3ランに虎党が沸く。それは「名古屋の呪縛」からナインが完全に解き放たれた瞬間でもあった。 バンテリンドームでは昨季途中から7連敗中。前日まで2日間も計2得点と苦しんでいた。 「チームに勢いを与えるためにも、先に点を取りたかった」 1回表2死三塁、福谷の初球スライダーを左前へ。チーム29イニングぶりの適時打で先制点をもぎ取っていた。そして、次打席の3回に3ラン。矢野監督が「もちろん今シーズンの中で一番の当たり。今まで見た中でも上位に入るぐらい完璧だった」と絶賛した特大弾で、名古屋8連敗阻止に導いた。 虎の4番。打てば祭り上げられ、負ければ敗戦の責任を一身に背負う。時には各方面から厳しい言葉も浴びせられる立場だからこそ、「芯」を大事にする。 「10人いれば、10人分の考え方がある。でも、自分にしかできないところも、もちろんある。それをブレずに貫けるか貫けないか。自分を信じてやっていければと思っています」 開幕直後は調子が上がらない期間もあった。そんな時も「フォア・ザ・チーム」に徹することで勝利を呼び込んできた。23打点はセ・リーグ1位の巨人岡本に1点差の2位。勝利打点も12球団最多の今季6度目を記録するなど、首位軍団の土台となっている。 チームは「めちゃくちゃデカい」と指揮官も納得の1勝で同一カード3連敗を阻止。両リーグ最速20勝に王手をかけ、2位巨人とのゲーム差を1・5に広げて甲子園に戻る。 「連敗はしていたけど、チームとして落ちてはいない。下を向くことはないし、しっかり前を向いていく。1年間、いい時も悪い時もある。悪い時こそ、全員で一丸となることが大事」 4番主将大山の一言一句が頼もしい。【佐井陽介】 ▼大山が今季6度目のV打点を挙げ、今季12球団単独トップとなった。このうちデーゲームでの勝利打点が5度。昼間の試合で10戦全勝の阪神を、力強くけん引している。また1回のV打点が5度あり、先制パンチでチームを乗せる役割も果たしている。

◆かつての庭で、虎の窮地を新助っ人左腕が救った。阪神チェン・ウェイン投手(35)がロッテから移籍後初登板の中日戦(バンテリンドーム)で6回5安打1失点と好投。古巣相手にシーズンでは11年10月2日阪神戦以来、3497日ぶりのNPB勝利を挙げた。中日時代に同球場で18勝7敗と高勝率を誇った左腕の奮闘で、チームは同一カード3連敗の危機を回避。今季デーゲームで無傷の10連勝と必勝神話も継続した。ユニホームは変わっても、バンテリンドームでチームを勝利に導くことは変わらなかった。懐かしいチェンの姿に、古巣のファンも温かい拍手を送っていた。試合後のお立ち台。「久しぶりにナゴヤドームで投げることが出来ましたので、すごいうれしい。名前は変わってるかもしれないけど、僕のイメージはナゴヤドーム。ここで阪神ファンが来て応援してくれたのが、自分は幸せ」。流ちょうな日本語に、球場にいる誰もが笑顔になった。 3回まで毎回走者を背負ったが、2、3回とも併殺で打ち取るなど要所を締めた。どちらの併殺も変化球でのもの。「自分にとっては最大のピンチだったので、ゲッツーで切り抜けたのは本当に良かった」。3本の二塁打を浴びながら、6回5安打1失点。最速は144キロ。大リーグを経験するなど、多くの舞台を踏んできた左腕は、変化球を効果的に組み合わせ、古巣を打ち取った。 中日からオリオールズ入りが決まった12年1月。ケガから再起を目指す大野雄と吉見の自主トレに、志願して参加した。福岡・八女市を訪れ、プロ2年目の大野雄に「腕を体に巻き付けろ」と助言。「お前はいい投手になるはずだから、頑張れ」と託した。自分を育ててくれたチームに、財産を残したい思いが行動に表れた。阪神復帰後も連絡を取り合う仲。「チェンさん投げるなら、僕は絶対ヒット打ちます」「打たさねー」。かつての後輩は沢村賞左腕に成長し、刺激し合えるライバルに。しかし、頼もしい「先輩」の姿は変わらなかった。 チーム3連敗の危機を救った。チームを助けたウイニングボールは、自分を助けてくれた人へ贈る。「奥さんにこのボールをプレゼントできればなと思っています。コロナで来たくても来られない状態が続いているけど、自分がファームにいた時も、奥さんの励ましがあって、今こうやって自分がある」。中日時代に18勝を積み上げた思い出の球場。古巣相手の10年ぶりNPB勝利から、虎のチェンがスタートを切った。【磯綾乃】 ▼阪神矢野監督(チェンについて)「(援護の)4点が逆に難しさの部分がある。1点、2点の方がいい緊張感というか。そういう難しさもありながら、初登板やったし、コントロールして投げてくれたのは、今までの経験をしっかり出した投球をしてくれたかなと思う」

◆かつての庭で、虎の窮地を新助っ人左腕が救った。阪神チェン・ウェイン投手(35)がロッテから移籍後初登板の中日戦(バンテリンドーム)で6回5安打1失点と好投。古巣相手にシーズンでは11年10月2日阪神戦以来、3497日ぶりのNPB勝利を挙げた。中日時代に同球場で18勝7敗と高勝率を誇った左腕の奮闘で、チームは同一カード3連敗の危機を回避。今季デーゲームで無傷の10連勝と必勝神話も継続した。ヒーローの勇姿は故郷にも届いている。この日チェンが登板することは、台湾のテレビや新聞でも話題になっていたという。元南海の選手で、チェンの母校・高苑工商のリ・ライファ監督(64)も「知っています」と話す。04年のアテネ五輪では台湾代表のコーチとして、ともに戦った。 大リーグでプレーしていた間、毎年チェンは熱烈な歓迎を受けていた。「チェンさんがアメリカにいる頃、台湾に帰る時は、毎年空港で出迎えました」。高苑工商の選手たちは、高雄から台北までバスで約5時間かけて、空港で凱旋(がいせん)を待っていた。 「永」「遠」「支」「持」...。ピンクや黄色、後輩たちが1文字ずつ掲げるハート形の色紙には「チェン先輩、ずっと応援します」のメッセージ。白と緑の「高苑」のユニホームに身を包んだ未来のプロ野球選手たちは、りりしい先輩の姿にあこがれたはず。海を越えて、チェンは今も熱いエールをもらっている。【阪神担当=磯綾乃】

◆阪神は4番主将大山悠輔内野手(26)の4打点に導かれ、連敗を2で止めた。再び貯金を2ケタに戻し、この日試合がなかった2位巨人とのゲーム差を1・5に広げた。▼阪神が29日の中日戦に勝ち、今季19勝目を挙げた。4月までに19勝したのは、08、14年ともに19勝したのに次いで3度目。両年とも到達日は同月最終日の30日。今季は記録更新の20勝に達する可能性を残す。 ▼30日の広島戦に勝つと両リーグ最速で20勝となる。セ・リーグ20勝一番乗りなら、17年5月9日以来4年ぶり(単独で到達)。両リーグ最速では、14年5月4日に広島と並んで到達して以来、7年ぶり。12球団単独での一番乗りとなると、リーグ優勝した03年の5月5日以来18年ぶり。 ▼阪神は4月単独では16勝目(7敗)。2リーグ分立後のチーム月間勝利数上位は、19勝2度(64年8月、68年8月)18勝2度(03年5月、14年4月)17勝3度(72年5月、06年9月、17年8月)。30日も勝って17勝とすれば、球団5位タイとなる。

◆中日福谷浩司投手(30)が阪神の主砲大山に5号3ランを含む3安打4打点を献上した。 19年の先発転向後、本拠地7戦5勝0敗の無敗伝説にも終止符。打線も11年まで中日在籍の阪神先発チェンらの前に4併殺で2点止まりで連勝は止まった。与田監督の試合後の一問一答は以下の通り -福谷の投球内容は 「打たれた球は間違いなく甘いと思います。球自体1つひとつはそんな悪くない。ただ、やっぱり相手のペースになったときにテンポよく投げるのと、相手のペースにはまってしまうのは全然違う。その辺を瞬間、瞬間で把握していかないといけないな。あとはもう少しボール球の使い方。比較的にコントロールのいい投手だが、その辺の見極めも必要かなと思う」 -打線は4併殺打 「それは結果論でしかない。やっぱり打たせる場面での形は技術的に向上していくしかない」 -阪神チェンをどう見たか 「ある程度甘いボールが来ているんでしょうけど、タイミングをちょっと外されてうまく打てなかったな、という感じがする」 -7、8回はリリーフがいい投球をした 「谷元も藤嶋も防御率0点台で安定したピッチングを続けてくれていますし、そこで打線のリズムがうまく取れればよかったが」 -阿部の今後の起用は 「彼の浮上はすごく期待している。ちょっと結果が出せない状況ですけど、我慢をしないといけない時はして、今日みたいに代える時は代える。そういう起用になっていくと思う」 -首位阪神にカード勝ち越しした 「勝ち越しは大きな目安にはなる。借金を減らしていく意味で何とかいい試合ができたな、と思う」

◆かつての庭で、虎の窮地を新助っ人左腕が救った。 阪神チェン・ウェイン投手(35)がロッテから移籍後初登板の中日戦(バンテリンドーム)で6回5安打1失点と好投。 古巣相手にシーズンでは11年10月2日阪神戦以来、3497日ぶりのNPB勝利を挙げた。中日時代に同球場で18勝7敗と高勝率を誇った左腕の奮闘で、チームは同一カード3連敗の危機を回避。今季デーゲームで無傷の10連勝と必勝神話も継続した。▼阪神チェンが今季初登板で勝利。日本プロ野球での勝利は中日時代の11年10月2日阪神戦(甲子園)以来、10年ぶりとなった。勝利ブランクの期間では10年大家(横浜=16年ぶり)18年松坂(中日=12年ぶり)に次ぎ、99年遠山(阪神=10年ぶり)13年阿部(ヤクルト=同)に並ぶ3位。外国人投手では09年ワズディン(西武)の7年ぶりを上回る最長ブランクになる。

◆阪神矢野監督はチェンの今後について「保留」とした。3日ヤクルト戦(神宮)が延期になった影響から来週は5試合。先発投手は5人でまわる。出場選手登録抹消の可能性について矢野監督は「ちょっとそこはもう少し考えてからにしようかなというところ。まだ決定はしてない。様子見ながらということになる」と説明した。外国人枠の関係から1軍昇格をうかがう新外国人ロハスとの兼ね合いがある。ロハスは30日のウエスタン・リーグ広島戦(由宇)に出場する予定だ。

◆2連敗中の阪神は、今季から加入した日米通算95勝左腕、チェン・ウェイン投手(35)が1軍初昇格し、即先発。2004年から8年間在籍した中日時代の本拠地・バンテリンドーム(昨季までナゴヤドーム)では通算35試合に先発して17勝7敗、防御率1・96と相性は抜群だった。この日、チェンに代わって、エドワーズが出場選手登録を外れた。  前日28日は無安打だったドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=にも注目だ。試合前の打撃練習は28スイングでさく越えは3発。7本塁打で、2003年に横浜・村田修一(現巨人1軍野手総合コーチ)が記録した4月までの新人最多本塁打(1966年のドラフト制以降)と69年10月の田淵幸一の球団の新人選手最多の月間本塁打数に並んでおり、2つの記録更新への期待がかかる。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が一回に先制となる左前適時打を放った。  「先制点が欲しかったですし、マルテも良く走ってくれたので、かえすことができて良かった」  2死からマルテが中越え三塁打でチャンスメークすると、先発・福谷の外角のスライダーをとらえて左前へと運んだ。4月18日のヤクルト戦(甲子園)以来、9試合ぶりの適時打をマークした。 バンテリンドーム(2020年シーズン以前はナゴヤドーム)では昨季9月19日から7連敗中(試合前時点)と鬼門の敵地で幸先よく先制した。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が三回の第2打席に5号3ランを放ち、リードを4点に広げた。  「甘く来たボールをしっかり仕留めることができた。良い形で追加点を取ることができてよかった」  1-0の三回、1死から安打と四球で一、二塁とし、打席へ。先発・福谷の3球目、内角の145キロのツーシームを完璧にとらえて左翼席へと運んだ。4月23日のDeNA戦(甲子園)以来、5試合ぶりの一発で連敗ストップへリードを広げた。一回にも適時打を挙げており、早くもこの試合4打点。1試合4打点は自身今季最多となった。

◆ロッテから新加入の阪神のチェン・ウェイン投手(35)が今季初先発し、6回5安打1失点の好投で勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた。  序盤は甘く入った球をとらえられてピンチを招いたが、貫禄の投球術でゼロでしのいで攻撃にリズムを作った。  二回、先頭の高橋周に中前打を許したが、続く阿部を外角のチェンジアップで遊ゴロ併殺に料理。直後にも木下拓にフェンス直撃の左越え二塁打で再び得点圏に走者を背負ったが、根尾を空振り三振に斬った。三回にも併殺を完成させるなど打たせて取った。  4-0の六回に京田の犠飛で1点を返されたが、終始安定した投球で古巣の竜打線を封じ、七回の攻撃で代打が送られて降板した。  この試合で白星を挙げれば、中日時代の2011年の10月2日の阪神戦(甲子園)以来、3497日ぶり。さらにバンテリンドーム(2020年シーズン以前はナゴヤドーム)で勝利となれば、同年の8月31日の同戦以来となる。

◆中日・福谷浩司投手(30)が先発し、6回6安打4失点と崩れた。  「大山くんにやられました...。6イニングは投げることができましたが、最低でも失点をあと1点、少なくしたかったです」  一回2死からマルテに中越え三塁打を浴びると、4番・大山に左前への先制打を許した。三回も1死から二塁打と四球で2人の走者を背負い、再び大山との勝負。カウント1-1から投じた145キロのツーシームを完ぺきに捉えられ、左中間席中段まで運ばれた。四回からの3イニングはわずか1安打と立ち直っただけに、序盤3回で献上した4点が大きく響いた。  前回登板した22日のDeNA戦(横浜)では8回4安打無失点の好投で今季初勝利。勢いのあるなかで今季初の同一カード3連勝を託されたマウンドだったが、悔しい結果となった。

◆阪神が快勝した。昨季から続いていた敵地バンテリンドーム(2020年シーズン以前はナゴヤドーム)での連敗を「7」で止めた。  一回2死三塁で4番・大山が先発・福谷の初球をとらえて左前適時打。自身6試合ぶりのタイムリーで先制に成功すると、三回の第2打席では1死一、二塁で左翼席へ豪快な5号3ランを放ち、4点差に広げた。六回にも中前へはじき返して今季4度目の猛打賞を記録。さらに1試合4打点は今季自己最多となった。  チェンはロッテから移籍後初先発し、古巣を相手に6回5安打無四球1失点と好投。NPBでは中日時代の2011年10月2日の阪神戦(甲子園)以来、3497日ぶりに白星を挙げた。

◆中日の福谷は大山に4打点を許した。一回2死三塁から甘く入った変化球を捉えられて先制点を献上し、三回には3ラン。6回4失点で降板し「大山君にやられた。最低でも失点をあと1点少なくしたかった」と悔しさをにじませた。  22日のDeNA戦は8回無失点。復調の兆しを見せていたが、この日は三回までに5安打を浴び、4点を失った。与田監督は「(課題は)ボール球の使い方。球自体はそんなに悪くない」と改善を求めた。

◆阪神が快勝し、連敗を2で止めた。先発のチェンが6回5安打1失点と好投し、日本球界10年ぶりの白星。4番・大山は三回に5号3ランを放つなど3安打4打点で勝利に貢献した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  ■大山が4番の仕事  --大山が早い回から2打席打って、流れを持ってきた。4番の仕事を果たした  「それはもう、タイムリーにスリーランで申し分ないでしょう」  --スリーランは迷いなく、思い切り振った  「飛距離もね。完璧やし。今シーズンのなかでも、もちろん一番の当たりやと思うし。今までみたホームランのなかでも、上位に入るくらい完璧やったんじゃないですか」  --大山本人もいっていたが、いつもの積極的な姿勢が、きょうはよりみえた  「まあ、それはいつも積極的にいっている感じするけどね。今日が特別積極的に行ったというのではないと思うけど。積極的に行きながらボールを選んだり、どう我慢するということが必要だから。積極的に行くイコールいいというふうにはね。それはちょっとクエスチョンが付くと思うんだけどね。そんなに選んで、選んでというふうに行くタイプじゃからね。それは、もともとそういう気持ちは持っていると思うけど」 その他の写真(2/2枚)  ■チェンが初登板  --4点の援護でチェンは尻上がり  「その4点が逆に難しさの部分があるからね。1点、2点の方がいい緊張感というか。4点入ると、どうしても四球も出したくないし、ボールがどうしてもストライク、ストライク集まったり、中に集まったりというケースも、俺もいろいろ経験してきているから、逆にそれをチェンがどう思ったか俺には分からないけど、そういう難しさもありながら、初登板やったし、そこをコントロールして投げてくれたっていうのは今までの経験というのが、しっかり出してくれた投球を出してくれたかなと思うけど」  ■2番手・小林が粘りの投球  --小林が1点に抑えたのも大きかった  「いやあ、まずは拓夢(中野)がやっぱりなー、ショートゴロをそんなに慌てる、もちろん深い位置やしさ、でもビシエドやったら、そんなに慌てんでもアウトにできると思うしね。やっぱり先頭バッターをエラーっていうのは、やっぱりピッチャーもなかなか勝負していきにくいから、そういうところは小林が本当に粘ってくれたし、リュウ(梅野)もそこにしっかり意識付けというか、やった結果、ダブルプレーで乗り切ってくれたというのは大きいし、最後も根尾のところも嫌な感じがありながらも、あそこで切ってくれたというのも、その次の攻撃につながる部分もあったと思うから、小林は本当に良く投げてくれた」 その他の写真(1/2枚)  --九回は梅野、中野でダメ押し  「まあ、チーム全体としてね。乗っていけるところ、まあ、ああいう展開にしたというところはあると思うけど、まあ、もちろんルーキーやし、失敗して成長していくというのは俺もずっと言ってることやけど、まあ、でもそこからそういうことも減らしていってくれないと駄目だし。逆に言うと、そういう持ち味とか積極性とか、そういうものは拓夢らしさはあるし。ウメ(梅野)も昨日はヒット1本やったけど、いい感じというのがちょっと疲れもあってズレが出ているのかなというところでいいところのタイムリーだったから、本人も気分良く、今日の試合ももちろんやけど、明日もいけるんやないかな」  --来週木曜は試合がないが、チェンは抹消か  「ちょっとそこはもう少し考えてからにしようかなというところで。まあ、まだ決定はしてないんやけど、様子を見ながらということになるかなあ」  --4月、順調に滑り出し。同一カード3連敗しなかったのは大きい  「めちゃくちゃでかいよな。昨日も、ああいう展開の中で、先に先制できて4点というのが大きかったし。結果的には3連敗するとね、戻すのに連勝しかなくなってくるので。そういうところでは頭二つとられたけど、結局、貯金1個減っただけで帰れるというのは大きいし。年間の中で、ずっといい状態で野球をやれるわけじゃないから、そういうところでは。調子のいいのと、ちょっと1カ月やって、疲れが出てきているメンバーと、そういうのが出てきているから、そういう中で踏ん張れたというのは、シーズンの中で必要なことやし、よく踏ん張ってくれたなと思っています」

◆力強い打球音がバンテリンドームに響き渡る。白球は勢いよく右翼フェンスに直撃した。5試合ぶりに「8番・遊撃」で先発出場したD6位・中野(三菱自動車岡崎)はダメ押し打を放ち、塁上でガッツポーズした。 ■5戦ぶりスタメン  「自分のエラーから失点してしまったので、なんとか打って返そうという気持ちがあった。しっかりと強い気持ちでいくことができたので、よかったです」  4-2の九回1死一塁で梅野が適時三塁打を放つと、流れに乗った。4番手・鈴木の甘く入ったカットボールを強振し、フェンス直撃の二塁打で6点目をつかみ、試合を決定づけた。二回の第1打席でも左前打を放ち、15日の広島戦(甲子園)以来となる3度目のマルチ安打で存在を示した。 ■七回にファンブル  一方、守備では七回にファンブルして今季4個目の失策を記録。深い位置への打球に追い付いたが、手につかなかった。このミスがきっかけでチームは1点を失い「まずは守備をしっかりとやっていきたい」と猛省。矢野監督も2安打を評価しつつ「ルーキーやし、失敗して成長していくというのは俺もずっと言っていることやけど、これからそういうこと(ミス)も減らしていってくれないとダメ」と守備での信頼向上を求めた。  プロ1年目の今季は開幕を1軍で迎え、10日のDeNA戦(横浜)でプロ初スタメン。以降10戦連続で先発出場していたが、20日の巨人戦(東京D)から4試合連続無安打で、スタメンの座を木浪らに譲っていた。 ■チャンスをモノに!  「なかなか出場機会もなくて、なんとかきょう(チャンスを)モノにしてやろうという気持ちで試合に臨んだ。その結果が打撃ではいい結果になったのでよかったです」  打率・340、6打点の思い切りのいい打撃は魅力。レギュラーを奪うべく、打撃も守備も、もっとレベルアップしていく。(織原祥平)

◆一人前に育ててくれた古巣のマウンドで丁寧に竜打線に立ち向かった。チェンがNPBで3497日ぶりの白星をあげ、連敗を2で止めた。聞き取りは通訳いらずの左腕が、日本語で価値ある虎1勝に声を弾ませた。 ■かつての本拠地で6回1失点  「久しぶりにナゴヤドームで投げることができました。すごい、うれしい。(球場の)名前は変わっているかもしれないんですけど、僕のイメージはナゴヤドーム。ここで阪神ファンに応援してもらえたのが幸せです」  試合後は阪神、中日の両ファンから拍手で祝ってもらった。かつてのような剛速球は影を潜めたが、多彩な変化球を駆使して的を絞らせず、失点は犠飛による1点だけ。6回を無四球5安打で虎初勝利。国内では中日時代、2011年10月2日の阪神戦(甲子園)以来の白星となった。  勝利の要因は「ゲッツーの場面。本当によかった」。二回無死一塁では阿部を外角へのチェンジアップで遊ゴロ併殺に。三回1死一塁でも、京田をスライダーで一ゴロ併殺に仕留めた。 ■台湾野球界の先輩・王建民氏からもエール  偉大な先輩のエールも力に変えていく。アジア人として米大リーグで初の最多勝(19勝)をあげ、ともに台湾野球界を盛り上げる王建民氏(41)=現台湾・中信兄弟2軍投手コーチ=は本紙の取材に「いいコンディションで、最後まで諦めずに頑張ってください! 新しいシーズンでの活躍を期待します」と背中を押した。今季は阪神主催の公式戦が台湾でも放映される。勝利に貢献し、どんどん故郷に吉報を届けていく。  矢野監督は「経験をしっかり出してくれた」とたたえた。中6日となる5月6日は試合がない。ロハス(前韓国KT)らとの外国人枠の兼ね合いもあり、一度抹消する可能性も考えられるが「もう少し考えてからにしようかな。まだ決定はしてない。様子を見ながら」と話すにとどめた。 ■日米通算96勝目  チェンはウイニングボールについて「奥さんにプレゼントできたら」とニッコリ。2009年に結婚したサイ夫人へと贈ることを明かした。「もっとチームに貢献して勝ちをつけられるようにしていきたい」。日米通算96勝目。豊かなキャリアを生かして、虎を頂点に押し上げる。(新里公章)

◆"得点圏の男"が試合を決めた。梅野が4-2の九回1死二塁で右中間を破る適時三塁打。徹底した右方向への意識が、貴重な追加点をたたき出した。得点圏打率は12球団トップの・550。勝負強い理由を「今年のチームテーマでもある『ランナーを残さずしっかりかえしていく』。最高な仕事ができることを心がけて、常に打席に立っている」と分析。「明日につながるゲームになったし、3タテを食らわなくて本当によかった」と胸をなで下ろしていた。

◆痛~い連敗、さようなら~! 阪神は中日に6-2で勝ち、連敗を2で止めて同一カード3連敗も阻止した。大山悠輔内野手(26)が一回に先制打、三回に中押しの5号3ランと計4打点の大活躍。昨年からのバンテリンドーム(旧ナゴヤドーム)での連敗も7で止めた。頼れる主砲の一撃で鬼門を撃破。さぁ、また波に乗っていくで~!  快音とともに打球は左翼席に突き刺さった。矢野虎のうっぷんを晴らす一撃は、主将&4番・大山のバットから放たれた。昨季からのバンテリンドーム(旧ナゴヤドーム)での連敗を「7」で止める、5号3ランだ。  「何試合か点数を取れていなかったので、一気に3点入ったのは大きかった」  1-0の三回1死一、二塁、先発・福谷のツーシームをとらえた。先制打も大山だ。一回2死でマルテが中堅フェンス直撃の打球を放ち、三塁まで激走。感動した。初球のスライダーを左前へ。「チームに勢いを与えるために先に点を取りたかった。マルテもよく走ってくれたので、かえすことができてよかった」。足に古傷を持つ助っ人の全力疾走をたたえた。  六回には中前打で今季4度目の猛打賞。今季最多の1試合4打点で、23打点は巨人・岡本和に1差のリーグ2位に浮上した。試合前までチーム打率・175と"打てない"竜の本拠地で活路を開いたのは「打点を挙げることが仕事」という主砲のバットだった。 その他の写真(2/3枚)  27日は大野雄の前にD1位・佐藤輝(近大)の一発だけで、前日28日も打線は8安打を放ちながら1得点。連敗で迎えた3戦目の先発は、移籍後1軍初登板のチェン。中日時代の本拠地での凱旋登板を、白星で飾らせることができた。  「外国人選手がやりやすいようにしていくのも僕の仕事と思っている」  春季キャンプ直前の自主トレ中、主将として8人の大所帯となる外国人選手のサポートも宣言していた。この日も試合前の練習中、打撃ケージの後ろでマルテにちょっかいを出し、M砲が"コラ~!"とばかりに大山を追い回す一幕も。笑いを誘い、雰囲気を明るくした。そのコンビで序盤の4得点をゲットした。  このカードは1勝2敗と負け越しはしたが、矢野監督は「3連敗すると、戻すのに連勝しかない。めちゃくちゃでかいよな」と声を弾ませると「今シーズンで一番の当たりやと思う。今まで見たホームランのなかでも、上位に入るくらい完璧やったんじゃないですか」とキャプテンの一発を絶賛した。  ゴールデンウイーク初日に連敗を脱出して貯金も再び2桁に戻すと、30日からは甲子園で広島との3連戦。兵庫県は緊急事態宣言が発令中で、今季初の無観客での開催となる。  「1年間、いいときもあれば悪いときもある。悪いときこそ、全員が一丸となることが大事。そうすれば、いい流れがくる。明日からも一丸となってやっていけたら。自分も、その中でやるべきことをやっていく」  大山は決意を新たにした。声援がなくても、全力プレーは変わらない。ステイホームの虎党に、勝利を届ける。(三木建次)

◆「何? 散髪の虎屋がスゴイ密になってる? そりゃ大変やー!」と3密警察が急行したのだった。  「コラコラ! 散髪屋さん、密はあかんやろ~」「えっ、僕らサンパツじゃなくてセンパツ(先発)やけどー!」「先発でも密は駄目やー。名前を聞いとこうかー!? 西勇に青柳に秋山、それから藤浪にガンケルと若いのが伊藤将、そして最後に座ったのがチェンの計7人ね...。6人でも満席なのに7人もって幸せ~?」  という具合に本日6回1失点と日米で活躍したチェンが、今季初勝利で虎の7人目の先発に名乗りを上げたのだー!!  打っては大山が4番の風格で一回の先制打に、5号3ランで4打点!! こちら、打点王争いも、巨人・岡本和、DeNA・牧、ヤクルト・村上らがひしめき合う密になっているけど、大山く~ん、一気にギアを入れて密から抜け出したれ!!  これで再び貯金を10に戻したのだ。この勢いで次の広島さん、申し訳ないけど、5月5日のこいのぼりの前に、"こい下り"を味わってもらいまっせー、ムフフフ...。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1990 0.679
(↑0.012)
-
(-)
115131
(+6)
81
(+2)
31
(+1)
20
(+1)
0.258
(-)
2.770
(↑0.06)
2
(-)
巨人
1694 0.640
(-)
1.5
(↓0.5)
114127
(-)
98
(-)
34
(-)
22
(-)
0.261
(-)
3.250
(-)
3
(-)
ヤクルト
13104 0.565
(-)
3.5
(↓0.5)
116112
(-)
112
(-)
30
(-)
17
(-)
0.246
(-)
3.920
(-)
4
(-)
広島
13142 0.481
(↓0.019)
5.5
(↓1)
11495
(+3)
109
(+5)
22
(-)
15
(+1)
0.261
(↓0.001)
3.380
(↓0.02)
5
(-)
中日
10154 0.400
(↓0.017)
7.5
(↓1)
11477
(+2)
88
(+6)
10
(-)
13
(-)
0.226
(-)
2.810
(↓0.12)
6
(-)
DeNA
6204 0.231
(↑0.031)
12
(-)
11396
(+5)
150
(+3)
20
(+2)
6
(-)
0.228
(↓0.001)
4.880
(↑0.07)