阪神(☆7対5★)DeNA =リーグ戦6回戦(2021.04.25)・阪神甲子園球場=
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DeNA
00021020051110
阪神
02002030X7802
勝利投手:岩貞 祐太(1勝0敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝0敗6S))
敗戦投手:砂田 毅樹(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(6号・2回裏2ラン),サンズ(7号・7回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神がシーソーゲームを制した。阪神は2-3で迎えた5回裏、相手の暴投などで2点を挙げ、逆転に成功する。その後は逆転を許すも、7回に大山の犠飛とサンズの2ランで3点を奪い、再び試合をひっくり返した。2番手・岩貞が今季初勝利。敗れたDeNAは、救援陣がリードを守れなかった。

◆毎週日曜日に登板している阪神ガンケル投手(29)は今季4戦4勝。 外国人投手が、登板試合にオール白星の開幕5戦5勝を記録すれば09年ゴンザレス(巨人=6戦6勝)以来、12年ぶり。阪神の外国人投手では初めてになる。

◆前日24日のDeNA戦で途中交代した阪神近本光司外野手(26)が、元気に試合前練習に参加した。 バント練習、走塁練習も問題なくこなし、フリー打撃でものびのびと振り込んでいた。 前日は、1回裏に自打球を右膝付近に受けて負傷交代。打者一巡で回ってきた2打席目に打球が直撃した。肩を借りてベンチ裏に下がったが、井上ヘッドコーチは試合後にも「冗談で『明日、休め』と言ったら『いやいや勘弁してください。明日も行かせてください』と言ってきたので、多分大丈夫でしょう」と話していた。

◆スタメンが発表された。阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)は、前日24日にプロ初の猛打賞で4打点。2回に放った中堅フェンス直撃の打球について「入ってほしかったけど、今日は浜風とは仲良くなれなかった」と話しており、今日こそ8戦ぶりの1発は出るか。 先発投手は阪神がジョー・ガンケル投手(29)、DeNAは阪口皓亮投手(21)。ガンケルはここまで4戦4勝で、阪神の外国人投手では初となる開幕から登板試合でオール白星の5連勝を目指す。 前日24日に自打球が当たり途中交代した阪神近本光司外野手(26)も、これまで通り「1番中堅」で先発する。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が2回に8試合ぶりとなる6号先制2ランを放った。 2回無死一塁、2ボール2ストライクからDeNA先発阪口のカーブをとらえ右中間スタンドへ。「打った感触はよかったですし、今日は風と仲良くなれました。早い回で先制点を取ることができてよかったです」とコメントした。3安打4打点と活躍した前日24日は右翼から左翼へ強い浜風もあり中堅フェンス直撃の適時打を放ったが、この日は緩やかな風をものともせずスタンドへ突き刺した。 ビジョンには弾道追跡システムトラックマンによる測定で打球速度175キロ、飛距離139メートルと表示された。14日広島戦の甲子園1号となった4号はそれぞれ168キロ、125メートル、15日広島戦でバックスクリーンへの5号は173キロ、131メートルだった。甲子園3本目が一番速く、一番飛んだ打球となり、今季甲子園のチーム「最長不倒」となった。 政府の緊急事態宣言発令により、甲子園での次カード30日からの広島3連戦と5月11日の中日戦は無観客での開催が決まった。甲子園の有観客は、この日を最後にしばらくない。ファンを沸かせる1発となった。

◆マルテにアクシデントか? 阪神ジェフリー・マルテ(29)が、試合序盤に途中交代した。「3番一塁」で先発したが、4回の守備からベンチに退き、陽川に交代した。直前の3回の打席では二ゴロに倒れていた。 マルテはここまで3番で全試合に出場。打率2割9分3厘、持ち前の選球眼で13四球も選ぶなど勝利に貢献しており、状況が心配される。

◆DeNA先発の阪口皓亮投手(21)がひやりとするアクシデントに見舞われた。 1点リードの5回1死三塁、糸原への3球目が暴投となり、本塁へベースカバー。生還した阪神ガンケルと接触した後に、左手首付近を押さえてうずくまった。 いったんベンチに引き上げた後、すぐに出てきて投球を再開したが、糸原に中越え二塁打、陽川に四球を献上。1死一、二塁として2番手エスコバーにマウンドを譲った。「ブルペンから調子は悪くなかったのですが、先制点を与えてしまい、点を返してもらったのにもかかわらず、すぐ追加点を与えてしまったことが反省点です。ランナーを残して降板してしまい申し訳ないです。次回登板では冷静に状況を判断して投げられるよう準備したいと思います」と振り返った。

◆開幕から無傷の5連勝を目指す阪神ジョー・ガンケル投手(29)が、バットでも見せ場を作った。 2-3と勝ち越しを許した直後の5回裏、先頭で打席に立つと、阪口の直球を捉えて大きな中越え二塁打を放った。近本の二ゴロの間に三塁へ進むと、1死三塁から阪口の暴投で生還。失った1点を自らの一打で取り返した。さらに敵失で1点を加えて、この回を終えて4-3と再びリードした。 ガンケルは初回から3回まで抜群の安定感で完全投球を見せた。しかし、2点リードの4回に急変。先頭の乙坂から4連打を浴び同点に追いつかれ、5回2死一、二塁から4番佐野に右前へ勝ち越し適時打を許していた。 ガンケルはここまで4戦4勝。外国人投手が登板試合にオール白星の開幕5戦5勝を記録すれば、09年ゴンザレス(巨人)以来、12年ぶり。阪神の外国人投手では初の快挙となる。

◆阪神がジェリー・サンズ外野手(33)の7号2ランで勝ち越した。大山の中犠飛で同点に追いついた7回、なおも2死三塁で、1ボールからDeNA4番手平田の143キロ直球をバックスクリーンにたたき込んだ。 「みんなが必死でつないでくれたチャンスだったから、絶対に打って勝ち越したいと思っていたよ。最高の結果になって本当によかったね」と笑顔で、ベンチに戻りナインと「ハッピーハンズ」パフォーマンスを行った。 打った瞬間、サンズも本塁打と分かる会心の一打は、虎党の歓声の中バックスクリーンへ。ビジョンに飛距離124メートル、打球角度20度、打球速度171キロと表示された。 15日の佐藤輝5号に続き甲子園のバックスクリーンに本塁打を放った阪神選手に贈られる「DAZN バックスクリーン賞」の2本目となり、賞金100万円をゲットすることになる。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(29)の開幕5戦5勝はならなかった。 打撃でも見せ場を作り、リードを持って6回途中6安打3失点で降板したが、2番手の岩貞が7回に逆転を許した。 「今日はイニングによっていい悪いがハッキリしていたなと思う。ランナーを背負う場面も多かったけれど、なんとか粘りのピッチングができたことは良かったと思うね。野手のみんながよく声を掛けてくれたし、よく守ってくれたからすごく感謝しているよ」。降板後のガンケルは、懸命に守ってくれた野手に感謝した。 初回から3回まで抜群の安定感で完全投球を見せた。しかし、2点リードの4回に急変。先頭の乙坂から4連打を浴び同点に追いつかれ、5回2死一、二塁から4番佐野に勝ち越しの右前適時打を許した。 直後の5回裏、先頭で打席に立つと、阪口の直球を捉えて大きな中越え二塁打を放った。近本の二ゴロの間に三塁へ進むと、1死三塁から阪口の暴投で生還。失った1点を自らの一打で取り返した。 ガンケルはここまで4戦4勝。外国人投手が登板試合にオール白星の開幕5戦5勝を記録すれば、09年ゴンザレス(巨人)以来、12年ぶり。達成していれば、阪神の外国人投手では初の快挙だった。

◆阪神が2回に先制。6番佐藤輝が右翼席に139メートルの6号2ランを放った。先発ガンケルは3回を無安打無失点に抑えた。 DeNAが5回佐野の適時打で1点リードも、その裏に暴投と失策で勝ち越しを許した。阪神ガンケルは6回途中3失点で降板。 阪神が7回に大山の犠飛で追いつき、サンズの7号2ランで勝ち越した。チームはカード勝ち越しを決めて貯金11。首位をキープ。阪神岩貞が1勝目。スアレスが6セーブ目。DeNA砂田が1敗。

◆DeNAは守りのミスが響いて二転三転するシーソーゲームを落とし、2連敗となった。 1点リードの5回1死三塁から先発阪口の暴投で同点とされると、なおも2死一、二塁。ソトに代わって守備固めに入った一塁手田中俊が、阪神サンズの高々と上がった飛球を落とし、勝ち越し点を献上した。その後は7回に佐野の犠飛で再び勝ち越したが、その裏に平田がサンズに勝ち越し2ランを浴びた。9回にも一打逆転の好機をつくったが、最後は牧が三ゴロ。カード負け越しとなった。

◆阪神が連勝した。ヒーローとして甲子園のお立ち台に立ったのは、同点の7回に勝ち越し7号2ランを放ったジェリー・サンズ外野手(33)、9回を無失点に抑え6セーブ目を挙げた守護神ロベルト・スアレス投手(30)。 サンズは「(今季は)みんなでひとつになって戦っている」とチームが好調なことを喜んだ。打点については「それが自分の仕事だと思う。得点圏の走者をかえすのは自分にとって一番大事な仕事だと思っています」と話した。 スアレスは「自分もいい投球ができて、勝ててうれしい。どんな展開であれ最後は自分が締めると思って、しっかり準備はできている。本当にやりがいを感じています」と話した。 最後はサンズが「ハイ。ドウモ。オオキニ~」と日本語で締め、スタンドのファンを喜ばせた。

◆DeNAは守りのミスが響いて二転三転するシーソーゲームを落とし、2連敗となった。 1点リードの5回1死三塁から先発阪口の暴投で同点とされると、なおも2死一、二塁。ソトに代わって守備固めに入った一塁手田中俊が、阪神サンズの高々と上がった飛球を落とし、勝ち越し点を献上した。その後は7回に佐野の犠飛で再び勝ち越したが、その裏に平田がサンズに勝ち越し2ランを浴びた。9回にも1発逆転の好機をつくったが、最後は牧が三ゴロ。10連敗をストップしてからの連敗でカード負け越しとなった。三浦監督の主な一問一答は以下の通り -阪口の投球 頑張ってましたけど、点の取られ方というか。最初のホームランも真ん中高め。点の取られ方はよくなかったですね。 -平田がサンズに勝ち越し本塁打を浴びたが、歩かせてもいいから厳しく攻めるという考えだった はい、そうですね。 -結果、本塁打に 結果的に痛いホームランになりました。外にいくところが中に入って。甘いところは見逃してくれなかったですね。 -守りのミスもあった あのへんはしっかりと練習してもらうしかないですね。 -この日登録した乙坂が2安打と機能した ほんとに勢いを付けてくれましたし、攻撃の面では良いところ、つながって粘りもあったかなと。 -オースティンも適時打2本。状態が良くなっている はい、そうですね。上がってきていると思います。 -5回、早めにソトに代えて田中俊。守り固めか、ソトの打席を見ての判断か 両方です。 -阪口は左手をおさえていたが 今、治療中かな? 試合中も、終わってからもまた治療しています。 -病院には 今のところ、予定はないです。 -攻撃面ではエンドランなど積極策も 粘りは出てきましたし、いい面も出てきてはいましたけど、まだミスもあり、隙もある。引き続きやっていかないといけないですね。 -バッテリーのミスが目立つが、投手の問題か、捕手の問題か バッテリーミスなのでね。バッテリーのミス。そういうところをしっかりやっていかないと勝ちがつかないと思います。

◆試合序盤で途中交代した阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)について、矢野監督は試合後に「ちょっと足の張りがあるということなので、無理させてもアレかなと。別に抹消とかそんな感じはない。ちょっと早めに代えたということ」と説明した。 「3番一塁」で先発したマルテは4回の守備からベンチに退き、陽川と交代。直前の3回の打席で二ゴロに倒れていた。「ちょっと張りがあると。ようランナー出てるし、よう走ってるんでね。そういうところではちょっとストップ掛けた」と矢野監督。ケガなどではなく、大事を取っての措置となった。 マルテはここまで3番で全試合に先発出場。打率2割9分3厘、持ち前の選球眼で13四球も選ぶなど勝利に貢献している。

◆阪神守護神ロベルト・スアレス投手が9回を締めて6セーブ目を挙げた。 1週間ぶりの登板で、先頭オースティンから連打を浴びるも、後続3人を打ち取り、無失点。空振り三振を奪った宮崎には2球160キロを計測した。「いい仕事が出来たと思うよ。やっぱりアドレナリンが出たと思う」。首位のチームを支えるブルペン陣に「雰囲気、非常にいいです。野手同様に、ブルペンでもみんな1つになって、後ろに後ろにって形でつなげられているよ」と胸を張った。

◆首位阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がDeNA戦で、エンゼルス大谷もびっくりの飛距離139メートルの6号2ランを放った。2回無死一塁から甲子園の右中間最深部へ。浜風に負けない強い打球で8戦ぶりのアーチで先制した。月間5本目で、球団新人では80年5月の岡田彰布以来41年ぶりの快挙となった。強烈な破壊音を残し、打球は甲子園の浜風に負けず右中間最深部へ消えていった。2回先制の2ラン。虎党がメガホンを打ち鳴らし歓声に包まれ、佐藤輝は8戦ぶりのZポーズ(大好きなアイドルももいろクローバーZの決めポーズ)を決めた。前日24日は浜風に泣かされて中堅フェンス直撃だっただけに「今日は風と仲良くなれました。打席中は風の意識はなかったんですけど」。追い込まれていたが、先発右腕阪口のカーブに体をグッと残してとらえた。 ビジョンには弾道測定器トラックマンによる測定値で打球速度175キロ、打球角度23度、飛距離139メートルと表示された。速度、飛距離とも今季甲子園で阪神の選手が打った10本でトップ。ちなみにエンゼルス大谷が4日ホワイトソックス戦で放った2号がメジャーでの自身最長137・4メートルで、単純比較できないものの数値では大谷を"超えた"格好だ。試合前練習では2日続けてロングティーを行った。「感じが良かったので今日もやりました」。前日はプロ初の猛打賞で、この日も本塁打と状態を上げ、DeNAドラフト2位牧と6号で並んだ。「本塁打だけは負けたくない」とライバル心ものぞかせた。 近大4年だった1年前は1度目の緊急事態宣言で、野球部も活動を休止。兵庫・西宮市の実家でオンライン授業を受ける日々を過ごした。「どう切り替えて、今できることをするか」。自宅では家族が投げて不規則に飛んでくるバドミントンのシャトル打ちを行い、この日の本塁打のように体勢を崩されても捉える対応力を磨いた。6月中旬に練習が再開されるまでは、筋力トレーニングに読書と自分を高めた。 3度目の緊急事態宣言が政府から発令され、甲子園での有観客はこの日でいったん最後。5月11日までの4試合は無観客となる。昨年はステイホームで野球ができなかった。今年はテレビ、ラジオ、動画配信の向こうで応援してくれる虎党、プロ野球ファンを、想像もできないような打球で勇気づける。【石橋隆雄】 ▼佐藤輝が4月に5本塁打。阪神の新人の月間5本塁打以上は、岡田彰布が80年5月に5本塁打して以来41年ぶり4人目、5度目。2リーグ分立後の球団新人ではほかに、田淵幸一が69年5月5本、10月7本、望月充が72年5月6本。なおセ・リーグ新人最多は、村田修一(横浜)が03年9月に放った10本塁打。

◆阪神ジョー・ガンケル投手は球団助っ人初の開幕から5戦5勝はならなかったが、6回途中6安打3失点と試合をつくった。 「今日はイニングによっていい悪いがハッキリしていたなと思う。野手のみんながよく声を掛けてくれたし、よく守ってくれたからすごく感謝しているよ」。3回まで完全投球。5回に一時勝ち越しを許したが、直後の攻撃で中越え二塁打を放つと、暴投で3点目のホームを踏んだ。矢野監督は「いいバッティングをしてくれましたし、しっかり仕事をしてくれた」とたたえた。

◆阪神が12球団最遅となるシーズン25試合目で初の逆転勝ちを収めた。7度目のカード勝ち越しを決めて貯金11。2位ヤクルトと3ゲーム差で首位をがっちりキープした。 ▽阪神矢野燿大監督(今後甲子園での4試合は無観客となり)「外にも出られないとなればテレビを見て応援してくれる機会も増えるかもしれない。苦しい時に、ある意味(ファンに)楽しんでもらう野球をやることでメッセージみたいなものがまた送れたら。オレらの野球から元気づけていきたい」

◆阪神が12球団最遅となるシーズン25試合目で初の逆転勝ちを収めた。1点ビハインドの7回。陽川尚将内野手(29)の絶妙な犠打から好機を作り、ジェリー・サンズ外野手(33)のバックスクリーンに飛び込む決勝2ランが飛び出した。 チームは7度目のカード勝ち越しを決めて貯金11。2位ヤクルトと3ゲーム差で首位をがっちりキープした。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -大変な試合だった バタバタしたところもありましたけど、全員で粘ってやりました。 -佐藤輝の豪快な1発があった 追い込まれてのカーブだったかなと思いますけど、ああいうところでね、ホームランっていうのは佐藤の、テルの魅力。彼らしい、いいホームランでした。 -ガンケルは中盤から揺らいでしまった まあそれでもナイスピッチングじゃないですかね。あの展開で投げていって、ずっといいピッチングをしてくれている。バッティングもいいバッティングをしてくれました。しっかり仕事をしてくれたと思っています。 -5回は代打も考えられる場面 打ってくれと思ってガンケルを立たせているわけではないですけど、ガンケルがしっかり打ってくれたっていうのはプラスアルファのラッキーなところ。ガンケルはもともとバッティングがいいんでね。そういうところはよくやってくれました。 -勝ち越しにつなげたのがサンズの1発 ほんとにね。タイムリーとは思いましたけどね。最高の形でホームランにしてくれた。次にいくピッチャーが多少の余裕をもっていけるような。また、相手にダメージを与えるホームランになったと思います。 -この後は甲子園無観客。最後にいい勝ち方 少ない中でも入ってもらえるっていうのはやっぱりすごく盛り上がるし、パワーになるんで。ただこんな状況でもやらせてもらえるというか、続けさせてもらえるんでね。苦しいときにある意味楽しみっていう野球をやることでメッセージみたいなものが、また送れたらいいなと。早く明けてそういう日が来るまでまず我慢してもらって、自分たちの野球から元気づけていきたいと思います。

◆逆転の虎だ! 阪神が12球団最遅となるシーズン25試合目で初の逆転勝ちを収めた。 1点ビハインドの7回。陽川尚将内野手(29)の絶妙な犠打から好機を作り、ジェリー・サンズ外野手(33)のバックスクリーンに飛び込む決勝2ランが飛び出した。チームは7度目のカード勝ち越しを決めて貯金11。2位ヤクルトと3ゲーム差で首位をがっちりキープだ。終盤の逆転劇は矢野監督のささやきから始まった。4-5の7回。先頭近本が右前打、糸原が四球を奪い無死一、二塁とした場面だ。DeNAの4番手平田がマウンドで投球練習を始めると、ベンチ前に次打者の陽川を呼び寄せた。そして、白木のバットを左脇に抱えた男にひと言、ふた言...。 矢野監督 緊張しているやろ? と言ったら「大丈夫です!」と言っていたんでね。その顔を見て大丈夫かなと。陽川の立場になればむちゃくちゃプレッシャーがかかって「やってやろう」というよりは「イヤだ、イヤだ」って緊張するところなんですけど。 長打力が売りの大砲に命じたのは送りバントだった。2ボールからの3球目直球をコツン。勢いを殺したボールは三塁線をなぞるように転がった。「落ち着いて決めてくれた。よくやってくれた」と矢野監督。プロ8年目で通算3犠打だった陽川が、流れを引き寄せる絶妙バント。1死二、三塁と小技でチャンスを広げた。 必死のパッチの虎は止まらない。続く大山がセンターへ浅いフライを放つと、捕球を確認した三塁走者近本は本塁へGO。左足から突っ込んで1点をもぎ取った。前日24日には右膝に自打球を当てて途中交代していたリードオフマンが魂の激走を見せ、さらに二塁走者の糸原も三塁へ進んだ。同点となって押せ押せムードの中、サンズの決勝2ランが飛び出した。 開幕から先発投手陣の踏ん張りが快進撃の原動力になっていた。これまでは「先行逃げ切り」が目立ったが、この日は点を取り合うシーソーゲーム。最後に笑顔を浮かべたのは、今季初めて逆転勝ちした虎ナインだった。敗れた巨人と入れ替わって2位に浮上したヤクルトとは3ゲーム差。首位、そして貯金は11と2桁をキープしていても、指揮官は首を横に振った。 矢野監督 キープとは思ってないんでね。どんどん積み重ねていくことしか考えていない。目の前の試合を全力で取って、全員で戦う野球をやっていきます。 衝撃的な1発もあれば、流れを引き寄せる小技も走塁もある。セ界のトップを快走する矢野阪神が強さを見せつけた。【桝井聡】 ▽阪神大山(7回に同点の中犠飛)「みんながいい形でつないでくれたので、どんな形でも点を取るという気持ちで打席に立ちました。浅いフライでしたが(近本)光司がよく走ってくれて感謝です」 ▼阪神の逆転勝ちは今季初。今季12球団では最も遅い25試合目。両リーグ最多はヤクルトの8試合。 ▼なお阪神の昨季の逆転勝ちは、リーグ最多の27試合あった。2リーグ分立後の球団最多は03年の42試合。プロ野球最多は16年広島の45試合。

◆逆転の虎だ! 阪神が12球団最遅となるシーズン25試合目で初の逆転勝ちを収めた。1点ビハインドの7回。陽川尚将内野手(29)の絶妙な犠打から好機を作り、ジェリー・サンズ外野手(33)のバックスクリーンに飛び込む決勝2ランが飛び出した。チームは7度目のカード勝ち越しを決めて貯金11。2位ヤクルトと3ゲーム差で首位をがっちりキープだ。 終盤の逆転劇は矢野監督のささやきから始まった。4-5の7回。先頭近本が右前打、糸原が四球を奪い無死一、二塁とした場面だ。DeNAの4番手平田がマウンドで投球練習を始めると、ベンチ前に次打者の陽川を呼び寄せた。そして、白木のバットを左脇に抱えた男にひと言、ふた言...。 矢野監督 緊張しているやろ? と言ったら「大丈夫です!」と言っていたんでね。その顔を見て大丈夫かなと。陽川の立場になればむちゃくちゃプレッシャーがかかって「やってやろう」というよりは「イヤだ、イヤだ」って緊張するところなんですけど。 長打力が売りの大砲に命じたのは送りバントだった。2ボールからの3球目直球をコツン。勢いを殺したボールは三塁線をなぞるように転がった。「落ち着いて決めてくれた。よくやってくれた」と矢野監督。プロ8年目で通算3犠打だった陽川が、流れを引き寄せる絶妙バント。1死二、三塁と小技でチャンスを広げた。 必死のパッチの虎は止まらない。続く大山がセンターへ浅いフライを放つと、捕球を確認した三塁走者近本は本塁へGO。左足から突っ込んで1点をもぎ取った。前日24日には右膝に自打球を当てて途中交代していたリードオフマンが魂の激走を見せ、さらに二塁走者の糸原も三塁へ進んだ。同点となって押せ押せムードの中、サンズの決勝2ランが飛び出した。 開幕から先発投手陣の踏ん張りが快進撃の原動力になっていた。これまでは「先行逃げ切り」が目立ったが、この日は点を取り合うシーソーゲーム。最後に笑顔を浮かべたのは、今季初めて逆転勝ちした虎ナインだった。敗れた巨人と入れ替わって2位に浮上したヤクルトとは3ゲーム差。首位、そして貯金は11と2桁をキープしていても、指揮官は首を横に振った。 矢野監督 キープとは思ってないんでね。どんどん積み重ねていくことしか考えていない。目の前の試合を全力で取って、全員で戦う野球をやっていきます。 衝撃的な1発もあれば、流れを引き寄せる小技も走塁もある。セ界のトップを快走する矢野阪神が強さを見せつけた。【桝井聡】 ▼阪神の逆転勝ちは今季初。今季12球団では最も遅い25試合目。両リーグ最多はヤクルトの8試合。なお阪神の昨季の逆転勝ちは、リーグ最多の27試合だった。

◆首位阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がDeNA戦で、エンゼルス大谷もびっくりの飛距離139メートルの6号2ランを放った。2回無死一塁から甲子園の右中間最深部へ。浜風に負けない強い打球で8戦ぶりのアーチで先制した。月間5本目で、球団新人では80年5月の岡田彰布以来41年ぶりの快挙となった。 強烈な破壊音を残し、打球は甲子園の浜風に負けず右中間最深部へ消えていった。2回先制の2ラン。虎党がメガホンを打ち鳴らし歓声に包まれ、佐藤輝は8戦ぶりのZポーズ(大好きなアイドルももいろクローバーZの決めポーズ)を決めた。前日24日は浜風に泣かされて中堅フェンス直撃だっただけに「今日は風と仲良くなれました。打席中は風の意識はなかったんですけど」。追い込まれていたが、先発右腕阪口のカーブに体をグッと残してとらえた。 ビジョンには弾道測定器トラックマンによる測定値で打球速度175キロ、打球角度23度、飛距離139メートルと表示された。速度、飛距離とも今季甲子園で阪神の選手が打った10本でトップ。ちなみにエンゼルス大谷が4日ホワイトソックス戦で放った2号がメジャーでの自身最長137・4メートルで、単純比較できないものの数値では大谷を"超えた"格好だ。試合前練習では2日続けてロングティーを行った。「感じが良かったので今日もやりました」。前日はプロ初の猛打賞で、この日も本塁打と状態を上げ、DeNAドラフト2位牧と6号で並んだ。「本塁打だけは負けたくない」とライバル心ものぞかせた。 近大4年だった1年前は1度目の緊急事態宣言で、野球部も活動を休止。兵庫・西宮市の実家でオンライン授業を受ける日々を過ごした。「どう切り替えて、今できることをするか」。自宅では家族が投げて不規則に飛んでくるバドミントンのシャトル打ちを行い、この日の本塁打のように体勢を崩されても捉える対応力を磨いた。6月中旬に練習が再開されるまでは、筋力トレーニングに読書と自分を高めた。 3度目の緊急事態宣言が政府から発令され、甲子園での有観客はこの日でいったん最後。5月11日までの4試合は無観客となる。昨年はステイホームで野球ができなかった。今年はテレビ、ラジオ、動画配信の向こうで応援してくれる虎党、プロ野球ファンを、想像もできないような打球で勇気づける。【石橋隆雄】 ◆トラックマン デンマークのトラックマン社が開発した、弾道測定器。ミサイル追尾のレーダー技術を応用しており、球速、回転数、回転角度、打球の角度や飛距離などを正確に計測する。大リーグでは全30球団が使い、阪神は18年から導入。ゴルフのツアーでも公式計測器として採用されている。 ▼佐藤輝が4月に5本塁打。阪神の新人の月間5本塁打以上は、岡田彰布が80年5月に5本塁打して以来41年ぶり4人目、5度目。2リーグ分立後の球団新人ではほかに、田淵幸一が69年5月5本、10月7本、望月充が72年5月6本。なおセ・リーグ新人最多は、村田修一(横浜)が03年9月に放った10本塁打。

◆24日のDeNA戦(甲子園)で右膝付近に自打球を受け、途中交代していた阪神・近本光司外野手(26)が試合前練習に参加し、グラウンドで元気な姿を見せた。  24日の試合後、矢野監督は「あした(25日)はいけるかなと思う。大きな離脱とかそういうことではない」と説明。井上ヘッドも「休めとと冗談で言ったら『勘弁してください、あした(25日)もいかせてください』と言ってたんで大丈夫」と話していた。  近本は中堅で軽快に守備練習を行うなど、問題ない様子だった。

◆DeNAは今季ワーストの13失点で大敗を喫した翌日に1、2軍計9選手の大量入れ替えを敢行した。前日24日に1回6失点KOの上茶谷に加え、同5失点の桜井、2失点の風張、そして捕手の山本、外野手の関根と5選手を一気に登録抹消。代わって国吉、中川両投手、高城捕手、乙坂外野手が1軍に昇格した。  三浦監督は試合前に「状態のいい選手と、ファームからの推薦もあって。こちらにいた選手の状態を上げてもらうためにも入れ替えました」と説明した。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が今季6号となる先制2ランを放った。  「打った感触は良かったですし、今日は風と仲良くなれました。早い回で先制点を取ることができてよかった」  二回無死一塁で打席に立つと、先発の阪口の5球目、甘く入ったカーブを完璧に捉えた。打球はぐんぐんと伸び、右中間席に着弾。バックスクリーンに表示されたトラックマンのデータでは打球速度175キロ、飛距離139メートルだった。  黄金ルーキーは24日もプロ初となる3安打4打点の猛打賞の活躍で勝利に貢献。前日の勢いそのままにこの試合でもいきなり豪快な一発を放った。

◆阪神は2-3の五回、相手のミスから勝ち越しに成功した。 先頭打者のガンケルが中越え二塁打で出塁。近本の二ゴロの間に進塁すると、糸原の打席で相手先発の阪口の暴投で同点に。その後、二塁打と四球などで2死一、二塁とチャンスを広げると、サンズの飛球を一塁手・田中俊が落球し、ラッキーな形で勝ち越しに成功した。  先発のガンケルは、六回2死で高城に死球を与えたところで交代が告げられた。5回2/3を投げ、6安打3失点。今季自身最多の114球を投げて勝ち投手の権利を得てマウンドを降りた。  開幕から4連勝中の助っ人右腕がこの試合で5勝目を挙げれば、球団初の快挙となる。

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が七回にバックスクリーンへ勝ち越し2ランを放った。  「みんなが必死でつないでくれたチャンスだったから、絶対に打って勝ち越したいと思っていた。最高の結果になって本当に良かった」  1死二、三塁で4番・大山が同点犠飛を放った直後に打席へ。4番手・平田の2球目、真ん中に入った146キロ直球を強振し、バックスクリーンへとほうり込んだ。球場に表示されたトラックマンのデータでは打球速度171キロ、飛距離124メートルだった。  今季から甲子園でバックスクリーンに本塁打を放った阪神の選手に贈られる「DAZN バックスクリーンホームラン賞」を獲得し、賞金100万円をゲット。今季は15日の広島戦でD1位・佐藤輝が適用第1号を放って以来、2人目となった。

◆阪神は接戦を制し、DeNAに連勝した。  二回にD1位・佐藤輝(近大)の6号2ランで先制したが、四回に先発のガンケルが4連打を浴びて試合は振り出しに。勝ち越された直後の五回には相手の失策が絡んで4-3と逆転に成功した。  しかし、七回に2番手の岩貞が2失点を喫して再びリードを許したが、その裏に4番・大山が同点犠飛、続くサンズがバックスクリーンへの2ランを放ち、辛勝。カード勝ち越しとなり、これで貯金「11」とした。

◆DeNAはミス連発で連敗。4勝19敗2分けで借金は早くも15となった。1軍昇格し即スタメンマスクをかぶった高城は2つの逸球(記録は暴投と捕逸)、五回には投前の飛球をお見合い(記録は一塁失策)で失点。七回は4番手・平田が10日の対戦でも特大アーチを浴びたサンズに決勝弾を許した。以下、三浦監督の主な一問一答。  --先発の阪口は  「頑張っていましたが、点の取られ方が良くなかった。(佐藤輝の)ツーランも1ボール2ストライクから、高城もボール球要求で真ん中に入ってしまっていた」  --平田がサンズに決勝弾を浴びた場面。2死三塁から敬遠ではなく、歩かせてもいいから厳しく攻める選択だったのか  「そうですね」  --2球目を本塁打にされた  「結果的に本塁打ですから、外の球が中に入ってきて、やっぱりああいうところは見逃してくれないなと」  --五回のお見合いなど、守備でも手痛いミスがあった  「そうですね。あの辺はしっかり練習しないといけないですね」  --昇格即1番起用の乙坂が2安打含む3出塁  「本当に勢いをつけてくれたと思います。攻撃の面では粘りも出てきて、よかったところもあった」  --オースティン、佐野がともに3安打。調子も上がってきた  「そうですね、上がってきていると思います」  --ソトを五回途中で交代。守備のことを考えたのか、ソトの状態を考慮したのか  「両方です」  --阪口が交錯し左手を負傷したが  「トレーナーが試合中も治療していましたが、今も治療しているところです。(病院へ行く予定は)今のところそこまでは聞いていないです」

◆阪神は同点に追いついた七回にジェリー・サンズ外野手(33)が7号2ランを放って、DeNAを下した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  ■本塁打は魅力  (テレビでのインタビュー)  --大変な試合だった  「バタバタしたところもありましたけどね。全員で粘ってやりました」  --佐藤輝の豪快な一発があった  「追い込まれてのね、カーブだったかなと思いますけど。ああいうところでね、ホームランっていうのは魅力なんで。いいホームランでした」  --ガンケルは中盤から揺らいでしまった  「それでもナイスピッチングじゃないですかね。ずっといいピッチングをしてくれているので。いいバッティングをしてくれましたし。しっかり仕事をしてくれたと思っています」  ■最高の一発  --サンズの1発  「タイムリーとは思いましたけどね。最高の形でホームランにしてくれたので。次にいくピッチャーがね、多少の余裕をもっていけるような。相手にダメージを与えるホームランになったと思います」  --2けた貯金維持   「キープとは思ってないんでね。どんどん積み重ねていくことしか考えていないんでね。目の前の試合を全力で取って、全員で戦う野球をやっていきます」  (囲み)  --ガンケルは粘った  「粘ったって。そんな何かあったけ」  --四回は連打を浴びた   「いつも通りというか。あいつらしく投げてくれたしね。悪いピッチングだとは思ってないしね。粘ってくれたと思います」  ■浜風と"お友達"に...  --佐藤輝の1発は風と仲良くできた  「結果的にね。それをわかって打席には入っているだろうけど。やれたかどうかというのは、偶然の部分もあると思うしね。でも、甲子園は風と仲良くなるというのは必要なところだし。センターから逆方向、浜風が吹いてもテル自身は(逆方向に)打てるし」  ■ベンチ前での陽川との会話  --陽川の犠打(1点を追う七回無死一、二塁で三塁前に犠打成功)   「『緊張しているやろ』と言ったら『大丈夫です』と言っていたんでね。その顔を見て大丈夫かなと思いましたけど。陽川の立場になれば、プレッシャーがかかって、"やってやろう"というよりは""イヤだイヤだな"って緊張するところなんですけど、よくやってくれたし、近本の足でも点を取れたし、チーム全体で行けたかなというのはあります。  ■再び静寂に...  --この後は甲子園無観客。最後にいい勝ち方  「そりゃそうやな、またさみしくなるし...少ない中でも入ってもらえるっていうのは、すごく盛り上がるし、パワーになるんで。こんな状況でも、続けさせてもらえるんでね。苦しい時に、メッセージが送れたらいいなと」  --(途中交代の)マルテは  「足の張りがあるということなので、無理させてもアレかなと。別に抹消とかそんな感じはない。ちょっと早めに代えたということ」

◆阪神は攻撃の流れが実にいい。取られたら取り返す反発力は当然だが、その中に小技を絡められる打線になっている。二転三転する試合をもぎとった勝利の中で、一番評価したいのは七回の陽川の送りバントだ。無死一、二塁からのバントはプレッシャーもかかり、決して簡単ではないのだが、最初のストライクを三塁線に絶妙に決めた。もともとバントがうまいタイプではなかったが、キャンプで相当の時間を割いて練習していた。その成果だ。 ■矢野監督の良さ出た勝負所での直接指示  同時に、この場面では打席に入る前の陽川に対してベンチ前で矢野監督が直接、指示を伝えるシーンが見られた。「ここはバントしかない」と明確に伝えることで、陽川は落ち着いてプレーできたはず。勝負どころで迷わない、決断できる、ことしの矢野監督の良さが、この試合でも見られた。  選手として、コーチとして、フロントとして、さまざまな監督を見てきたが、勝負どころで直接出ていって指示を出すのは、意外に難しい。逆に直接、指示できる監督は、間違いなく成績を残している。矢野采配が好調の原動力であることは間違いないだろう。(本紙専属評論家)

◆阪神のマルテが四回守備から陽川と交代した。矢野監督は「足の張りがあるので、無理をさせてもなと思って。(出場選手登録の)抹消とかではない」と説明した。

◆DeNAは、遠征中としては異例といえる計9選手の入れ替えを断行したがミスを連発して2連敗。5カード連続の負け越しで借金は「15」となり、三浦大輔監督(47)は「しっかり練習しないといけない」と顔をしかめた。 ■乙坂が全5得点絡む2安打3出塁も  「1番・中堅」に乙坂、「8番・捕手」に高城と昇格した2人を即スタメン起用。乙坂が2安打を含む3出塁と全5得点に絡み、決断が功を奏すかと思われた。  しかし、2つのバッテリーミス(暴投、捕逸)が起こり、五回には投前への飛球を"お見合い"して失点(記録は一塁手の失策)。七回に追い付かれた後、4番手・平田が二死三塁から10日にも特大の一発を浴びたサンズに決勝弾を許した。  2度逆転するなど打線は粘りを見せただけに、悔やまれる敗戦。三浦監督は「外の球が中に入ってきた。ああいうところは見逃してくれない」と反省を促した。(浜浦日向)

◆強烈な浜風を切り裂き、白球は右中間席最深部に弾んだ。8試合ぶりの一発にスタンドが沸きかえる。佐藤輝が特大の先制パンチで、記録にあと一歩と迫った。  「先制点だったのでよかったと思います。きょうは風と仲良くなれました」  二回無死一塁。阪口の112キロカーブに踏ん張った。打球は虎党の待つ右翼席へ。緊急事態宣言の影響で、この日を境にしばらく無観客となる。一抹の寂しさを吹っ飛ばすアーチとなった。 ■ロングティー練習取り入れ結果  前日24日から試合前練習にロングティーを取り入れている。「(コーチから)『やってみたら』といわれて、感じがよかったので」。足腰の粘りを意識した練習が功を奏した。15日の広島戦(甲子園)以来となる6号2ランは、飛距離139メートルの特大弾。左打者に不向きとされる浜風が吹いていようが、規格外のパワーを持つ佐藤輝には関係ない。4月は残り4試合。2003年に横浜・村田修一(現巨人1軍野手総合コーチ)が記録した4月までの新人最多7本塁打にリーチをかけた。 ■54歳父バースデーに花添える一撃  この日は父・博信さんの54歳の誕生日だった。テレビ観戦した父は「一番うれしい、これ以上ないプレゼントでした」と目を細める。仁川学院高時代、父の誕生日に兄弟全員でタンブラーを贈った。博信さんが今も大切に使っているかけがえのない贈り物。思い出の品に肩を並べる、メモリアルな本塁打となった。  孝行息子をたたえながらも、父は「守備はもう少し頑張ってほしいですね」と注文。23日はプロ初失策で一気に4点を献上。この日も七回、倉本の浅い飛球にスライディングキャッチを挑むも、捕球できず(記録は安打)に一時逆転につながった。 ■「(守備)技術は足りない」反省も忘れず  佐藤輝は「ビビってしまってもどうしようもないというか、ダメだと思う。攻める気持ちを持って」と振り返りつつ「技術はまだまだ足りない。捕れなかったところを捕れるようにもっと練習していきたい」と反省も忘れなかった。  栄光も挫折も、すべてを糧にする。経験を積み、日々強く、たくましくなっていく。(原田遼太郎)

◆3番オースティンが3安打2打点、4番佐野が3安打3打点をマーク。1点を追う七回には1死一、二塁からオースティンが「カウント有利だったので積極的にいった」と右翼フェンス直撃の同点打を放つと、続く佐野も一時勝ち越しとなる犠飛を放った。敗戦の中でも主軸が活躍。三浦監督は「調子は上がってきている」とうなずいた。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(29)が25日のDeNA戦(甲子園)で足の張りを訴え、四回の守備から交代した。  一回2死走者なしで三塁線へはじき返し、全力疾走で三塁内野安打にした。以降もプレーを続けたが、足の張りを訴えて大事を取って途中交代。矢野監督は「足の張りがあるということなので、無理させてもアレかなと。別に抹消とかそんな感じはない。ちょっと早めに代えた」と説明。昨季7月に左ふくらはぎを痛めて離脱しており「(昨年と)同じ(部分)かどうかまだ確認はできていない」と話した。  全25試合に出場して打率・293、6本塁打、14打点と好調なだけに、軽傷であることを祈るばかりだ。

◆三走が近本でよかった。大山が打ち上げたボールは中前へ。浅い-。普通のランナーならGOサインすら出なかったかもしれなかった。だが、走った。ホームベースに飛び込み、勢い余って一回転した。  「近本が浅い犠牲フライでかえってきたり、陽川が送りバントをしっかり決めてくれた。ああいうところは試合の流れのなかでも大きなプレー。そういうところも陰の功労者というか、ヒーローかなと思います」  矢野監督がたたえたのは4-5の七回。先頭の近本が右前打で出塁し、糸原は四球。陽川が三塁線へ絶妙な犠打を決め、1死二、三塁とチャンスを作った。続く大山はカウント1-1からバットを振る。打ち上げた中堅への飛球は定位置よりも浅めだったが、近本は迷わずスタート。左足一本で滑り込み、同点のホームを踏んだ。  執念のスライディングで試合を振り出しに。大山も「浅いフライでしたが、光司(近本)がよく走ってくれて感謝です」と選手会長に頭を下げた。2年連続盗塁王の"アシスト"がサンズの勝ち越し2ランにもつながり、シーソーゲームに機動力と小技、そして一発も絡めた多彩な攻撃で決着をつけた。  指揮官は「(陽川の犠打は)よくやってくれたし、近本の足でも点を取れたし、そういうところはチーム全体で行けた」と何度も陰のヒーローを称賛。24日のDeNA戦(甲子園)は自打球を右膝に当て途中交代したが、心配はいらない。近本がこれからも走攻守で勝利へと導く。(新里公章)

◆やっぱり頼りになるわ! 阪神はDeNAとのシーソーゲームを7-5で制し、今季初の逆転勝ちで2カード連続負け越しを阻止。ジェリー・サンズ外野手(33)が七回にバックスクリーンへ勝ち越しの7号2ランを放ち、試合を決めた。負けていれば、先発・ガンケルの力投もD1位・佐藤輝の6号2ランもフイになっていたところ。サンキュー、サンズ!  バットをほうり投げると、サンズは右手をギュッと握りしめた。打球はバックスクリーンに一直線-。5-5の七回、勝ち越しの7号2ラン。シーソーゲームにケリをつける一発だった。  「甲子園で、あれだけお客さんが盛り上がってくれる中で走るダイヤモンドは、本当に最高の気分だったよ」  二回にD1位・佐藤輝(近大)が先制の6号2ランを放ったが、先発・ガンケルが今ひとつ。点を取り合う展開となった。4-3の七回無死一塁では倉本の浅い飛球を佐藤輝が捕球できず(記録は安打)、ここから4-5と逆転され、嫌なムードが漂った。だが、その直後だった。  「ガンケルが粘り強く投げてくれたし、悠輔(大山)も犠飛を打って、あのイニングはみんながつないでくれた」  大山の犠飛で近本が生還して同点。なおも2死三塁。1ボールからの2球目、平田の直球をとらえた。五回には高々と打ち上げた打球を一塁・田中俊が捕球できず(記録は失策)、ラッキーな形でチーム4点目をつかんでいたが、今度はトドメを刺す一撃。矢野監督も「ダメージを与える本塁打になったと思います」と最敬礼した。 その他の写真(2/5枚)  お立ち台では日本語で「まいど、おおきに」。今季から甲子園での公式戦でバックスクリーンへ本塁打を放った阪神の選手には、DAZNから賞金100万円が出る。4月15日の広島戦での佐藤輝に続く臨時ボーナスに、ゴキゲンだった。  新加入のロハス(前韓国KT)、アルカンタラ(前韓国斗山)らの兄貴分でもある。特にロハスとは韓国時代から家族ぐるみの付き合いで、コロナ禍で来日できないときも電話やLINEで連絡を取り合っていた。  「マンションが一緒なので、ちょっと会って話はした。スケジュールが合わないのでゆっくりとは話せていないが『(2軍で)しっかり打っている』と聞いているよ」  だが、気心が知れた仲でもユニホームを着ればライバルだ。虎の助っ人は8人で、1軍登録枠は5人。ロハスに「頑張ってもらいたい」とエールを送りつつ「野手はマルテも非常にいい仕事をしているし、自分自身も悪くないと思っている」と1軍枠を簡単には譲らないプライドも匂わせた。  「自分の仕事だと思っている」という打点は「20」になってセ・リーグの単独トップに躍り出た。DeNAに2勝1敗と勝ち越し、2位のヤクルトとは3ゲーム差だ。  「本当にみんながひとつになって、いい戦いができていると思います」  助っ人もチーム内で競争して、矢野虎の勢いをさらに加速させる。(三木建次) ★「チームが好き」  サンズのパフォーマンスがバージョンアップ!? ホームランを打った後、ベンチ前でナインに向けて指をヒラヒラさせる「ハッピーハンズ」でおなじみだが、この日は人さし指と親指を交差させてハートマークを作ってみせた。「チームが好きなので。去年もやっています。去年も今年もチームメートが大好き」と説明。さあ、アナタも一緒に"バージョン2"で盛り上がろう!

◆ぎったんばっこん、ぎったんばっこん...。二回に佐藤輝の先制6号2ランで始まった一戦。五回にDeNAが逆転、その裏に阪神が逆転、と思ったら、七回に再度DeNAが逆転に成功! と思いきや、その裏また阪神が逆転のまさに『シーソーゲーム』だったのだ!! ハラハラドキドキ? 否!! だって阪神が勝つのは当たり前でしょう!! だってDeNAの2度の逆転打はともに佐野のタイムリーと犠飛。一方わが阪神の逆転打はこれまたともにサンズの内野の落球を誘う打球(記録は一失)にバックスクリーンへの7号2ラン!! 佐野の体重88キロに対しサンズは102キロ。シーソーゲームだったら、重い方に傾くのはトーゼンなのだ!! とプロ野球ニュースなら絶対に相手にされない解説で猛虎の勝利を祝うのだー!! バンザーイ!!  佐藤輝やサンズのアーチだけでなく、一発のある陽川がキッチリとバントを決めたり、4番の大山が同点犠飛と自分たちのできることを精いっぱいやる矢野野球の強さを見た勝利だったのだ!! 阪神は負けない!! そして、プロ野球はコロナに負けへんでエ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1870 0.720
(↑0.012)
-
(-)
118123
(+7)
71
(+5)
29
(+2)
19
(-)
0.264
(-)
2.710
(↓0.1)
2
(1↑)
ヤクルト
1384 0.619
(↑0.019)
3
(-)
11898
(+4)
91
(+3)
26
(+4)
15
(-)
0.244
(↓0.001)
3.460
(↑0.02)
3
(1↓)
巨人
1494 0.609
(↓0.027)
3
(↓1)
116106
(+8)
84
(+9)
27
(+1)
20
(+1)
0.246
(↑0.002)
3.000
(↓0.24)
4
(-)
広島
12122 0.500
(↑0.022)
5.5
(-)
11780
(+9)
90
(+8)
21
(+1)
13
(+1)
0.254
(↑0.008)
3.090
(↓0.2)
5
(-)
中日
8144 0.364
(↓0.017)
8.5
(↓1)
11767
(+3)
80
(+4)
8
(+2)
13
(-)
0.225
(↑0.001)
2.820
(↓0.06)
6
(-)
DeNA
4194 0.174
(↓0.008)
13
(↓1)
11677
(+5)
135
(+7)
15
(-)
6
(-)
0.223
(↑0.003
4.830
(↓0.07)