阪神(★1対7☆)DeNA =リーグ戦4回戦(2021.04.23)・阪神甲子園球場=
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DeNA
0120400007410
阪神
0001000001521
勝利投手:坂本 裕哉(1勝1敗0S)
敗戦投手:藤浪 晋太郎(2勝1敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(4号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAは1-0で迎えた3回表、佐野の適時打などで2点を奪い、リードを広げる。その後2点差とされるも、5回に神里の適時打に相手失策が絡んで4点を加え、試合の大勢を決めた。投げては、先発・坂本が6回1失点の好投で今季初勝利。敗れた阪神は、攻守に精彩を欠いた。

◆前日22日に負傷交代した阪神梅野隆太郎捕手(29)が、23日DeNA戦の試合前練習に参加し、キャッチボール、バント練習、ティー打撃、フリー打撃など通常のメニューを消化した。フリー打撃では鋭い当たりを連発した。 巨人6回戦(東京ドーム)の1回裏の守りで、3番梶谷のファウルチップが左膝付近を直撃。そのままプレーを続行し、治療後の2回の打席では四球を選んだ。だが3回の2打席目に代打を送られて交代した。試合後、井上ヘッドコーチは「当たりどころがあまり良くなかった。シーズンは長いし、2番手3番手も控えているので大事を取った」と説明していた。 ここまで全試合で先発マスクをかぶり、攻守に欠かせない存在。グラウンドで元気な姿を見せ、周囲を安心させた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、本拠地甲子園で完全復活を目指す。 22日までの巨人との3連戦(東京ドーム)は、11打数3安打。3戦目に5試合ぶりのマルチ安打を放ち、復調のきっかけをつかんだ。チームはこの日、東京遠征から帰阪し、試合前フリー打撃では36スイングで6発の柵越え。球場別最多の2本塁打を放っている聖地で、6試合ぶりの1発なるか注目だ。 DeNA先発は、立命大から19年ドラフト2位で入団した左腕坂本。近大出身の佐藤輝の1学年上で、関西学生リーグでしのぎを削ってきた。18年10月2日には、坂本から2ランを放っており、プロ初対戦で再現を狙う。

◆支配下登録が発表されたばかりのDeNAケビン・シャッケルフォード投手(32=レッズ)が、遠征中のチームに合流した。 期待の196センチ右腕は「支配下登録となり非常にワクワクしています。この機会をいただけた事に感謝の気持ちでいっぱいです。自分自身負けず嫌いな性格なので、相手に向かっていく投球をお見せしたい。結果に一喜一憂せず、質の高いパフォーマンスを続けていきたい」と球団を通じてコメント。背番号は49となったが、この日は「049」の練習着で試合前練習に参加。ウオーミングアップの後はスタッフを相手にキャッチボール。オースティンらと笑顔で言葉をかわしていた。 この日まで10連敗中のチームは防御率が12球団最悪の4・59。試合前に取材に応じた三浦監督は「リリーフとして貢献してもらいたいと思います」と期待を込めた。投球映像も当然、確認済みで「力強いストレート。ストライク先行で早めに追い込んでいた。ボールに力があると思って見ていました」と印象を語った。中継ぎ陣の登板がかさむ中での新戦力の合流に「心強いです」とうなずいた。

◆スタメンが発表された。ここまで全22試合でスタメン出場を続けてきた阪神梅野隆太郎捕手(29)とジェリー・サンズ外野手(33)は休養日として、スタメンを外れた。 梅野は前日22日の巨人戦(東京ドーム)で、梶谷のファウルチップが左ひざ付近を直撃し途中交代していたが、けがなどの影響ではなく、先の戦いを見据えた2人の「積極的休養」となった。 先発投手は阪神が藤浪晋太郎投手(27)、DeNAが坂本裕哉投手(23)。ドラフト1位の阪神佐藤輝明内野手(22)は近大時代の18年に、立命大で1学年上だった坂本から2ランを放っている。プロ初対戦で再現し、6試合ぶりの1発なるか。

◆DeNAが泥沼の10連敗から抜け出せるか。今季初の甲子園に乗り込んだ。9日からの阪神3連戦では2-9、0-4、2-3と打線が振るわず3連敗。そこから勝てないままだ。先発の藤浪に関しては、この試合の前の段階で通算3勝14敗と苦戦必至のデータが並ぶ。ただ、三浦監督は現役時代、阪神に強かった。 通算172勝184敗と負け越している三浦投手だが、阪神戦は46勝32敗と勝ち越し。阪神戦の勝利数は金田(巨人)74勝、別所(巨人)71勝、堀内(巨人)と山本昌(中日)48勝に次いで歴代5位だった。監督となって、最初の3連戦で3連敗を喫したが、ソト、オースティンも加わったここからは、現役時代の相性の良さを発揮していきたい。

◆阪神の公式チアダンスチーム「タイガースガールズ」が今季初めて球場でパフォーマンスを披露した。メンバーに3月26日以降、新型コロナウイルス感染者が複数確認されたため、大事を取って、出演を見合わせていた。2日の中日戦とのホーム開幕戦(京セラドーム大阪)も演出の一部が変更され、登場しなかった。 試合前に球場内でアナウンスがあり、当面の間、16人のメンバーを2班に分けて活動する。この日の試合前も8人でパフォーマンスを披露。元気いっぱいのダンスと笑顔で、球場のファンを喜ばせた。 メンバーはオーディションによる入れ替えなどが毎年行われてきたが、新型コロナウイルス感染防止の観点と、コロナ禍での活動制限で不完全燃焼に終わった昨季を総括。原点に立ち返ってもう1度活動したいというメンバーの強い熱意により、継続メンバーで今季もパフォーマンスを行っている。今季もいきなり苦境に立たされた「タイガースガールズ」が、ようやく"開幕戦"を迎えた。

◆阪神藤浪晋太郎投手(27)が、2回に3連続四球を与えるも1点でしのいだ。 初回は3者凡退の完璧な立ち上がり。しかし2回先頭の佐野に四球を与えると暴投で無死2塁とし、ソト、宮崎にも連続四球を与えて無死満塁。続く神里の二ゴロの間に1点を失った。戸柱にもボールが先行したが、フルカウントからスプリットで遊ゴロに打ち取り、三塁走者のソトを本塁でタッチアウト。最後は投手の坂本を遊ゴロに仕留め、大きなピンチを最少失点で切り抜けた。 藤浪はここまで4試合で2勝0敗。この日の立ち上がりは、制球に苦しむ場面が続いた。

◆阪神藤浪晋太郎投手(27)が、7四死球を出すなど今季最短の5回途中2安打4失点(自責3)で降板した。代わった馬場も流れを止められず佐藤輝にも失策が出るなど、5回までに7点を失った。 初回は3者凡退の完璧な立ち上がり。しかし2回先頭の佐野に四球を与えると暴投で無死2塁とし、ソト、宮崎にも連続四球を与えて無死満塁。続く神里の二ゴロの間に1点を失った。後続2人を打ち取り最少失点にとどめたが、苦しい流れは3回も続いた。2死二塁から4番佐野に中越え適時二塁打を浴びて2点目を献上すると、ソトの2球目にこの日2つ目の暴投。さらにソト、宮崎に連続四球を与え、神里にも押し出し四球で3点目を失った。 4回は3者凡退に抑えるも、5回先頭のオースティンに死球を与えたところで降板となった。藤浪はここまで4試合で2勝0敗だったが、この日は制球に苦しむ場面が続いた。 阪神の先発陣は開幕から21試合連続で責任の5回を投げていたが、22日巨人戦で3回6失点で降板となった秋山に続き、2日連続で5回未満での降板となった。

◆阪神の4番大山悠輔内野手(26)にソロ本塁打が飛び出した。3点を追う4回2死走者なしで打席に入った。DeNA坂本のフルカウントからの甘く入ってきた7球目を振り抜くと浜風にも乗って左翼スタンドへ入った。4号ソロで2点差へ詰め寄る1発となった。 DeNA先発の左腕・坂本の前に打線は1安打に抑えられていたが、チーム2本目の安打は打球速度165キロ、角度28度、飛距離129メートルの1発で、反撃ののろしを上げた。大山は今季プロ5年目で最も遅い68打席目で初本塁打を放ったが、これで4戦3発と量産態勢に突入した。 大山は坂本に対して相性がいい。昨年は5打数2安打2本塁打の打率4割。今年も好相性ぶりを発揮した。

◆阪神藤浪晋太郎投手(27)が、7四死球を出すなど今季最短の5回途中2安打4失点(自責3)で降板した。代わった馬場も流れを止められず佐藤輝にも失策が出るなど、5回までに7失点。降板後の藤浪は「序盤から投球のタイミングが合わず、情けないピッチングをしてしまいました。野手の方々に申し訳ないですし、今日の投球をしっかり反省して次の登板は頑張りたいです」と、反省の言葉を並べた。 初回は3者凡退の完璧な立ち上がり。しかし2回先頭の佐野に四球を与えると暴投で無死2塁とし、ソト、宮崎にも連続四球を与えて無死満塁。続く神里の二ゴロの間に1点を失った。後続2人を打ち取り最少失点にとどめたが、苦しい流れは3回も続いた。2死二塁から4番佐野に中越え適時二塁打を浴びて2点目を献上すると、ソトの2球目にこの日2つ目の暴投。さらにソト、宮崎に連続四球を与え、神里にも押し出し四球で3点目を失った。 4回は3者凡退に抑えるも、5回先頭のオースティンに死球を与えたところで降板となった。藤浪はここまで4試合で2勝0敗だったが、この日は制球に苦しむ場面が続いた。 阪神の先発陣は開幕から21試合連続で責任の5回を投げていたが、22日巨人戦で3回6失点で降板となった秋山に続き、2日連続で5回未満での降板となった。

◆阪神が攻守に苦しみ、今季初の3連敗を喫した。2位巨人が勝利したため、首位に座る阪神とのゲーム差は1に縮まった。 先発の藤浪は7四死球を出すなど制球に苦しみ、今季最短の5回途中2安打4失点(自責3)で降板した。5回無死一塁でマウンドに上がった2番手馬場も流れを止められず。自身の失策と安打で1死満塁とすると、神里の右前適時打を右翼手の佐藤輝が後逸。プロ初失策を喫すると、打者の神里まで一気に生還し、この回4点を失った。 4回に大山が4号ソロを放ち一時2点差とするも、この日は打線がつながらなかった。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が痛恨のプロ初失策を喫した。 2点ビハインドで迎えた5回1死満塁、7番神里の右前適時打にチャージするもゴロを後逸。この適時失策で二塁走者、一塁走者、打者走者までホームに生還し、一挙4点を追加された。 直前の5回1死一塁では2番手馬場皐輔投手(25)が併殺打も狙えた投ゴロを二塁に悪送球し、ピンチを広げていた。2連敗中の虎が「守乱」からリードを広げられた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、意地を見せた。9回1死走者なしで、左腕石田を捉え中越え二塁打。前日2安打に続き、2試合連続安打とした。 これ以上ない悔しさを、バットにぶつけた。5回1死満塁の守備で、神里の右前打を後逸。3走者だけでなく、打った神里も生還を許し、4点を献上していた。その後の2打席は空振り三振に終わっていたが、ただでは終わらなかった。

◆DeNAは2回に1点を先制。3回にも佐野の適時二塁打などで2点を追加。阪神先発藤浪は3回までに6四球と制球に苦しむ。 阪神は4回に大山が4号ソロ。DeNAは5回1死満塁から神里の右前適時打を右翼手佐藤輝が後逸し一気に4点を奪った。 阪神は7回2死満塁の好機生かせず。DeNAは7回から継投策で逃げ切り連敗は10でストップした。坂本が今季初勝利。阪神は今季初の3連敗。藤浪が今季初黒星。

◆DeNA大卒2年目左腕の坂本裕哉投手が、佐藤輝封じで今季1勝目を挙げた。 立命大時代にリーグ戦で本塁打を喫している近大出身の注目ルーキーを2打数無安打に抑えてリズムを渡さなかった。味方のリードにも支えられ6回を98球、3安打1失点と好投。 「絶対にチームに勝ちをつけたいという強い気持ちでマウンドに上がりました。1球1球、1人1人、丁寧に全力で投げることを心掛けました。野手の皆さんにも助けてもらってリズム良く投げられました」と喜んだ。

◆DeNAが連敗を10で止めた。首位阪神を相手に先制して流れをつかむと、5回1死満塁から神里和毅外野手(27)の右前打を阪神右翼手の佐藤輝が後逸。一挙に本塁まで生還する「ラングニング満塁弾」(記録は単打と失策で打点1)となり4点を追加。中盤までに流れを引き寄せて逃げ切り、8日中日戦(バンテリンドーム)以来となる久々の白星を挙げた。 長いトンネルをようやく抜け出した。指揮官は試合前に「まずは先制点を取ること。毎回言っていますが、先に点を取れず後手後手に回っている。先制点を取って流れを持ってこれるようにしたい」と先手必勝宣言。今月9日の同カードの敗戦から悪夢が始まっただけに「まずは連敗を止めること」と意気込んでいた。 すると2回、阪神先発藤浪から3者連続四球で無死満塁のチャンス。「7番中堅」の神里の内野ゴロの間に待望の先取点を挙げた。後続が倒れて1点のみに終わったが狙い通りに先手を取った。続く3回2死二塁では、この日まで得点圏打率1割3分6厘と好機で打てなかった4番佐野が中越え適時二塁打を放ち「打ったのはストレート。自分の打席でなんとかしたい気持ちでした。追い込まれていましたがうまく打つことができて良かった」。さらにソト、宮崎の連続四球で2死満塁から神里が押し出し四球を選んで1点を追加。制球難の藤浪から序盤で3点を奪った。 さらに5回1死満塁では、神里の右前打を阪神右翼手の佐藤輝が後逸。一挙に本塁まで生還して4点を追加。「打ったのはストレートだと思います。なんとかランナーをかえしたいと打席に立ちました。1点でも多く追加点を奪いたかったので結果につなげることができて良かったです」と息を切らせながら喜んだ。 投げては先発の大卒2年目左腕、坂本が6回を98球、3安打1失点と好投。7回からの継投で逃げ切り、敵地甲子園で久々の勝利を味わった。【鈴木正章】 ◆三浦監督の現役時代のカード別成績 阪神戦の46勝が最も多く、他のセ・リーグ球団はヤクルト戦34勝、中日戦32勝、広島戦30勝、巨人戦13勝で、交流戦が17勝。通算では172勝184敗と負け越した三浦監督だが、阪神戦は46勝32敗で勝ち越し。阪神戦の勝利数は金田(巨人)74勝、別所(巨人)71勝、堀内(巨人)と山本昌(中日)48勝に次いで歴代5位だった。▽DeNA佐野(3回に中越え適時二塁打) 自分の打席でなんとかしたい気持ちでした。追い込まれていましたがうまく打つことができ、チームに貢献できて良かったです。

◆阪神小野泰己投手が2戦連続2イニングを無失点と好投した。6点ビハインドの7回から登板。 150キロ台の直球で押し込み、佐野や宮崎ら打者6人をぴしゃりと抑えた。「2イニングを3者凡退で抑えることができて良かったです」と納得の表情。福原投手コーチも「本当にストレートが走っていたし、よく腕が振れていた」と連夜の好投を高評価した。

◆開幕から全22試合でスタメン出場を続けてきた阪神梅野隆太郎捕手(29)とジェリー・サンズ外野手(33)がDeNA4回戦(甲子園)で休養日を与えられ、今季初欠場した。 梅野は22日の巨人6回戦(東京ドーム)で、梶谷のファウルチップが左ひざ付近を直撃して途中交代。蓄積疲労プラス、大事を取った措置となった。矢野監督は「梅野も無理したらいけなくはなかったけど、より良い状態で明日行くのが、1年間戦う中では全員の力が重要なんで」と説明。両選手は24日、先発復帰となりそうだ。

◆あれだけ温かい拍手を浴び続けたのだ。悔しくないわけがない。阪神藤浪晋太郎投手(27)は5回無死一塁で降板を告げられると、グッと歯を食いしばった。 制球に苦しみ、4回0/3を2安打7四死球2暴投で4失点(自責3)。最後は3番オースティンへの抜けたスライダーが死球になったところでマウンドを下りた。「序盤から投球のタイミングが合わず、情けないピッチングをしてしまいました。野手の方々に申し訳ないです」。修正しきれないまま今季初黒星。言葉の節々から感情がにじみ出た。 今季はワインドアップ投法を基本としてきたが、5戦目で初めて初回からセットポジション投法を選択した。福原投手コーチは「ブルペンで投げていて、セットの方がバランスよく投げられていたので」と本人の思いを代弁。1回は2奪三振で3者凡退と上々の立ち上がりを見せた。 ただ、2回に突如フォームのバランスを崩した。先頭の4番佐野から3者連続四球を与え、内野ゴロの間に先制点を献上。3回は二塁打2本で2点目を失った後、2死三塁から3者連続四球の3個目が押し出し四球となった。今季は開幕からローテを守る一方、5戦で5四死球以上が4度。直近の課題は明白だ。 押し出し四球の直後、7206人の観客が駆けつけた甲子園に1球1球、声援代わりの拍手が鳴り響いた。降板時も優しい拍手が送られた。「今日の投球をしっかり反省して、次の登板は頑張りたい」。反省だけが残った一戦。必ず糧にする。【佐井陽介】 ? ▼阪神藤浪が5回途中4失点で降板。藤浪はDeNA戦と相性がよく、通算14勝(4敗)と対戦別では最も多くの勝ち星を挙げている。13年4月14日のプロ初勝利も同カードで、15~17年にかけて8連勝したこともある。このカードでは17年5月26日以来の黒星を喫した。

◆入場制限で、この夜の観客は7206人。だがその瞬間、寂しさを感じさせない大きな拍手が起きた。視線の先には阪神大山悠輔内野手(26)がいた。3点ビハインドの4回2死走者なし。DeNA先発坂本の7球目スライダーが高めに浮いた。引っ張り込むと、打球は放物線を描き、左翼スタンドへ着弾。「自分のスイングができて良かったです」。球場表示で打球速度165キロ、飛距離129メートルの3試合ぶりアーチ。だが表情は一切変えず、黙々とダイヤモンドを1周した。 常々「チームの勝利のために」と口にする。その思いを体現するため、こだわるのは打点だ。開幕10試合で3打点。ただ、そこは昨季85打点でリーグ3位だった男だ。15日広島戦(甲子園)で今季初本塁打を放つと、上昇気流に乗った。15日から7試合連続安打で9打点の荒稼ぎ。計18打点はヤクルト村上、DeNA牧と並び、いつの間にかリーグトップタイに並んだ。 4戦3発。今季は5年目で自己最長、開幕から67打席ノーアーチだったが、昨季28本塁打の4番が量産態勢に入ってきた。だが矢野監督は「もちろん、ホームランは悠輔(大山)も高いところを目指していると思う」と前置きした上で、こう注文を付けた。「ランナーを置いたところで、どうかえすかというバッティング。甘い球を仕留めるっていうのも大事。打てるところに投げてくれるのなんてそうそうないんだから。はいどうぞ、というボールが来るわけじゃない。そこはそういう打順なんでね」。指揮官が求めるものも、走者をかえす打撃。虎の柱として、もっともっと暴れて欲しい願いがあった。 22日巨人戦(東京ドーム)の試合前には、三塁エキサイトシートに座る虎党に、キャッチボールで使用したボールをプレゼント。周辺では拍手が起こり、ボールをもらった少年も笑顔だった。勝負には厳しく、子どもには優しく-。そんなプロ野球選手としてが頼もしい。プロ5年目。体も心も大きくし、虎の先頭に立つ。 大山が打点を挙げれば、引き分けを挟んで昨季から19連勝だった「不敗神話」がストップした。「先制すれば16連勝」、「先発21戦連続5回以上」に続く3日連続の神話崩壊で3連敗。ただ、主砲が波に乗ってきたことも事実。仕切り直し、また、「チームの勝利のため」の一打を放つ。【中野椋】

◆"神弾"でトンネル脱出!! DeNAが首位阪神を破り、引き分け2を挟んだ連敗を10でストップした。2点リードの5回1死満塁、神里和毅外野手(27)の右前打を阪神右翼佐藤輝が後逸。一挙に本塁まで生還する"ランニング満塁弾"(記録は単打と失策で打点1)で流れを引き寄せ、9日阪神戦(横浜)から始まった悪夢を甲子園で終わらせた。神里は今季初勝利となった4日広島戦で1号先制弾、2勝目の6日中日戦で2号満塁弾。4勝のうち3勝に絡む"3発"でラッキーボーイとなった。番長に救いの神だ!! 5回1死、この日3度目の満塁機で神里が阪神馬場の5球目をライナーで右前へはじき返した。佐藤輝が後逸する間に、チームトップクラスの俊足を飛ばして本塁へ。「1点でも多く追加点を奪いたかったので結果につなげることができて良かった」と息を切らして喜んだ。2回無死満塁は二ゴロで先制点を挙げ、3回2死満塁の場面では押し出し四球。3打席すべてを得点につなげた。 守備でも「神業」を見せた。3点リードの3回1死一塁。近本の右中間への打球をスライディングキャッチ。二塁を回りかけた一塁走者の坂本が戻れずダブルプレーとし流れを渡さなかった。初勝利の4日広島戦でも左中間の打球をスーパーキャッチ。好守連発に「今年は守備でもどんどん勝負すると決めているので、それが良い形になっている」とうなずいた。 今月8日以来15日ぶりの白星に三浦監督も「うれしかったです。プレーボールからベンチもみんな声も出ていたし集中していた」と納得の表情。ここまで全24試合にスタメン出場していたルーキー牧を外し「1番二塁」で田中俊を起用。「まずは先制点を取ること」という意欲を形に表した。投手が抑えれば得点を奪えず終盤にミスが出る、というちぐはぐだった流れを「7番中堅」の神里が"神あわせ"て、今季最大得点差の快勝。狙い通りの先制点にもきっちり絡んだヒーローを「いいところで応えてくれた。その前の(3回の押し出し)四球も大きかった。守りもよくやってくれています」と評価した。 チーム4勝のうち3勝で"3発"を放ち、好守も連発。ネット上でも「持っている」との声も上がるが満足していない。「まだ全然、結果を残せてないですし、もっともっと結果を出さないといけない」。ようやく長いトンネルを抜け出したDeNA。これからも攻守でチームを「神撃」に導いていく。【鈴木正章】

◆あちゃー。阪神佐藤輝明内野手(22)が痛恨失策で今季初3連敗の要因を作ってしまった。大山のソロで2点差に迫った直後の5回1死満塁。神里の右前打にチャージしたがまさかの後逸。打者走者の神里まで生還させてしまう一挙4失点で勝負は決した。プロ初失策が珍失策とはこれも大物たるゆえん? だが直前には馬場の悪送球もあり、セ最多の16失策。3年連続12球団最多失策した昨季までに似た敗戦シーンに、甲子園はため息に包まれた。プロ初失策は衝撃の後逸だった。2点ビハインドの5回1死満塁。右翼の佐藤輝は7番神里の一、二塁間をゴロで破る右前適時打に猛チャージした。だが強肩で2人目の走者を刺すつもりが、グラブの下を打球がスルリ。まさかの後逸で、白球はフェンスまで転がり、追いかけた佐藤輝が拾って返球した時には神里まで生還していた。一挙4失点で1-7。勝敗はほぼ決してしまった。 直前の5回1死一塁では、2番手馬場が投ゴロで併殺を狙ったが二塁に悪送球。ピンチを広げていた。馬場が併殺を取っていれば佐藤輝のミスもなかった。だが矢野監督は「プロとしては恥ずかしいプレー。どっちも。馬場にしても(佐藤)輝にしても。リズムが悪いとか言い訳にしているようじゃあまりにもレベルが低い」とバッサリだ。 この日の2失策で今季の失策はリーグワーストの16。3年連続12球団最多失策チームが、昨年までと似た姿になってきた。2回には一塁走者の坂本が、近本の中堅へのライナーで飛び出し、戻れず併殺になる走塁ミスも痛かった。10連敗中だったDeNAに完敗し、今季初の3連敗。2位巨人が勝ったためゲーム差は1に迫られた。 矢野監督は「もちろん、若い選手というのはミスがあって...。俺もミスしてきたし。その中からどう成長したり、練習したり、どういう心構えで試合に臨むかというのを学んでいって成長してくれないと」と、佐藤輝にこの経験をプラスにすることを望んだ。 外野席の虎党からは「代われ!」「明日からロハス上げろ!」と佐藤輝に向かって厳しいヤジも飛んだ。5回の打席では珍しく中途半端な空振りをするなど、打撃でもこれまでには見せなかった姿を見せた。それでも9回には中堅フェンス直撃の二塁打を放つなど、最後まで全力プレーを続けた。矢野監督は「プロだからね、やり返せるチャンスはある」と、話すように挽回する機会は十分にある。試合後にはベンチで筒井外野守備走塁コーチが佐藤輝に指導する場面もあった。貯金9の首位。慌ててはいけない。苦い1敗を糧に、まずは連敗ストップといきたい。【石橋隆雄】

◆世紀の落球を経験している元西武GG佐藤氏(42)が、同姓の阪神佐藤輝明内野手に自身のツイッターで励ましのコメントをつぶやいた。「一度の後逸は仕方ない。でも、今のエラーにしっかり向き合って心を整えないとまたエラーするから、落ち着けTT佐藤くん」と、タイガースのTも掛け合わせて励ました。 GG佐藤氏は、左翼で出場した08年北京五輪の準決勝や3位決定戦で落球。メダルなしの敗因を作ってしまい、激しいバッシングを浴びた。だが、現在は14日に行った西武-日本ハム戦の始球式で、わざとボールを落とすなど、落球を持ちネタにしている。

◆スターティングメンバーが発表。阪神は東京からの移動ゲームとあって、メンバーを入れ替えた。陽川尚将内野手(29)が、「5番・左翼」で4日の中日戦(京セラ)以来、今季2度目の先発出場。また、「8番・捕手」には今季初先発の坂本誠志郎捕手(27)が入った。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が「4番・三塁」で出場。0-3の四回2死走者なしで左翼へソロ本塁打を放った。  左腕・坂本との対戦はフルカウントからの7球目、外角から入ってくるスライダーを振り抜き、大きな放物線を描いた。推定129メートルの今季4号にも表情は緩めず。悠然とダイヤモンドを一周した。  昨季も左腕との対戦成績は5打数2安打で2本塁打。得意の相手からの大アーチで仲間に刺激を与えた。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(27)が先発し、五回途中、2安打7四死球4失点(自責3)と崩れた。  一回は三者凡退で切り抜けたものの、二回は先頭・佐野から三者連続四球を与え、神里の2ゴロの間に先制を許した。三回も2死二塁で佐野に中越え適時二塁打を浴びると、続くソトから再び三者連続の与四球で3点目を献上。同学年の大山のソロ本塁打で1点を返してもらった直後の五回に先頭・オースティンに死球を与えたところで交代が告げられた。  四死球だけでなく暴投も2つと、制球に苦しんだ。22日の巨人戦(東京D)で先発した秋山が3回10安打6失点で、今季22試合目にして初めて5回を持たず降板となっており、悪い流れが続いてしまった。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が「6番・右翼」で出場。五回の守備で痛恨の失策を犯した。  1-3の五回1死満塁。マウンド上の馬場が神里に右前打を浴びた。打球は右翼を守る佐藤輝のもとへと転がりチャージをかけたものの、打球がグラブをスルリ...。そのまま右翼フェンスまで転がり、打者走者の神里は一気に生還。スコアボードに悪夢の「4」が刻まれてしまった。

◆阪神・馬場皐輔投手(25)が五回無死一塁で2番手として登板。1回2安打3失点(自責0)だった。  先発・藤浪が五回先頭のオースティンに死球を与えたところで降板。4番・佐野を空振り三振に仕留めたものの、続くソトの投ゴロを二塁へ悪送球し、ピンチを広げてしまった。その後は宮崎(左前打)、神里(右前適時打)の連打に右翼・佐藤輝の失策も重なり、大量失点となってしまった。  今季初登板となった21日の巨人戦(東京ドーム)から3連投。過去2試合はともに得点圏に走者を背負いながら無失点で切り抜けていたが、今回は耐えきれなかった。

◆阪神はDeNAに大敗を喫し、今季初の3連敗。先発した藤浪晋太郎投手(27)は4回0/3を投げて2安打に抑えたが、7四死球の制球難で4失点(自責3)し、今季初黒星を喫した。  二回は三者連続四球から内野ゴロの間に先制点を献上。三回も佐野に中越え適時二塁打を許したあと、3者連続四球で走者を押し出し、追加点を許した。  得点は、四回に大山が放った左越えソロでの1点のみ。七回は2番手・平田に対して安打と2四球で2死満塁を作ったものの、北條が空振り三振に倒れた。

◆阪神は藤浪の乱調、馬場&佐藤輝の守乱で今季初の3連敗。巨人とは1差となった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  ■藤浪は修正できなかった  ーー藤浪は引っかけるボールが多かった  「おんなじボールが続いているからね。修正できてないっていうところでね」  ーー22日は先発が早い回で降りていただけに1イニングでも長くというところだった  「こうやって貯金作れてるのも、先発が頑張ってくれていたからこそやし。きのう(22日)がアキ(秋山)で、今日の晋太郎がこういうふうになったけど。こういう後が大事になってくるんでね。どう立て直すかっていうところだと思っています」  ■馬場&佐藤輝にキツ~イ一言  ーー投手のリズムが悪いと守備の集中力も  「言い訳にしかならないけどね。今日のミスなんてプロとしては恥ずかしいプレーやと思うしね。どっちも。馬場のプレー(五回1死一塁で投ゴロを捕球も、二塁悪送球)にしても(佐藤)輝のプレー(その後、1死満塁から神里の右前打を後逸し、この回だけで4失点)にしても。リズムが悪いとか、そんなのを言い訳にしているようじゃ、あまりにもレベルが低い」  ■みんなが、お前を見ている  ーー佐藤輝は24日以降が肝心  「俺も見ているし。見に来ている人も、その姿を一つ一つ見ていると思うしね。若い選手というのはミスがあって、許すという感じじゃないけど、俺もミスしてきたし。学んでいって成長してくれないと。そういうためのミスであれば、次に繋がっていくと思うけど。俺らも意識付けさせていくし、本人にも、どうやってやっていくかっていうのは、考えていかないと。プロだからね、やり返せるチャンスはあるんだけど」  ■攻撃のリズムが...  ーー相手先発の坂本は昨季からの印象と変わったか  「そんな変わりないけどね。流れがどうしてもね。あんだけランナー出して、攻撃って、なかなかリズム作られへんかったし。それでも打っていかな、あかんっていうのはあるけど。丁寧にというか、色んな変化をつけながら投げられたかなって感じはあったけど。ボール自体が何か特別変わったって感じはしてないけどね」  ーーその中で大山が本塁打  「完璧にはとらえたとは思うんですけど」  ■大山に苦言。独自の4番論  ーーああいう打撃を続けていけば  「ホームランは悠輔も、高いところを目指していると思うし、やっぱりランナーを置いたところで、どうかえすかというバッティング、甘い球を仕留めるっていうのも大事。相手のウイニングショットを打ったり、厳しいところをどう見逃して、どう自分の形に持っていくのか、がバッティングだから」  (さらに続けて)  「打てるところに投げてくれるのなんて、そうそうないんだから。4番というのは自分で相手を引き込んで打つことをしないと駄目だし、自分を殺す状況もないと駄目だし。ああいうことばっかり、はいどうぞというボールが来るわけじゃない。そこはそういう打順なんでね」  ■梅野&サンズは積極的休養  ーー梅野とサンズが欠場  「疲れてきているし。ずっと出ているし、どこかで休ませる方がいいというのはあって。梅野も無理したら、いけなくはなかったんだけど、より良い状態で、明日いくというのが、1年間戦う中では全員の力が重要なんで。いったん休んでリフレッシュ。1日であれだけど、そういうところでは、明日はもちろん梅野もサンズも使うけど、そういう日に当てました」

◆DeNAは快勝で8日の中日戦(バンテリンドーム)以来、15日ぶりの白星で、引き分けを挟んでの連敗を「10」で止めた。以下、三浦大輔監督の主な一問一答  --久々の白星  「うれしいです」  --藤浪と前回対戦で3打数無安打2三振の神里をスタメン起用  「そこは前回悪かったから使わないではなく、総合的に判断して。期待して起用しました」  --起用に応えた  「そうですね、低めのボール球に我慢して、いいところで打ってくれた」  --守備でも  「守りもいいのが神里なので、よくやってくれています」  --佐野にも久々の適時打が出た  「本人が一番苦しい中で、積極的に取り組んでいたのでよかったです」  --坂本が今季初勝利  「丁寧に低めに集め、我慢強く投げて、戸柱もうまく坂本の良さを引き出してくれていた」  --牧をはじめてスタメンから外した  「疲れも出ていて、スイングが鈍っていたので一回外しました」  --柴田が途中交代  「左肩を痛めたので、これから病院にいきます」  --ここから巻き返す  「1つ勝っただけですが、プレーボールのときから声も出ていて、出ている選手もベンチも全員が頑張っていた」

◆DeNAが2分けを挟む連敗を10でストップした。坂本が6回1失点の好投を見せ、「チームが勝てて、すごくうれしい。勝てる投球をしたいと思って試合に入った」。自身も今季初勝利で二重の喜びとなった。  連敗中の重圧に屈することなく、両コーナーを丁寧に突き、三回まで1安打。神里らの好守にも後押しされた。四回に大山にソロ本塁打を浴びても危なげなく「野手の皆さんに助けてもらうプレーが多く、早い段階で点差をつけてもらったので、リズムに乗って投げられた」と笑みを広げた。  立命大から入団して2年目の左投手。大学時代には1学年下で、同じ関西学生リーグの近大に所属していた佐藤輝とも対戦経験があり「割と抑えていた印象がある。穴はある」と自信をにじませていた。投ゴロと空振り三振に封じ、年上の威厳も示した。

◆攻守に精彩を欠いた阪神の完敗を見た現役通算465本塁打で元中日打撃コーチの土井正博氏(77)=本紙専属評論家=は、飛び出して併殺を喫した坂本の走塁、悪送球で併殺を奪えなかった馬場のプレーなどを列挙し「相手を助けてどうする! 慌てる時期ではない!」と一喝。目の前のプレーをひとつひとつ堅実にこなす重要性を説いた。 ■目の前のプレーをひとつひとつ確実に■  長いシーズンでは、勝てない時期、何をやってもうまくいかない時期がある。投手は四球を出そうとして出しているわけでもないし、野手はミスをしようとしているはずもない。  ただ、相手を助ける必要はない。目の前のプレーをひとつひとつ確実にこなしていけば、最悪の展開は防げるはずだ。  そういう意味で、痛かったのは三回1死一塁から近本の中飛で飛び出して併殺を喫した坂本の走塁だ。中堅・神里の好守であったのは事実だが、あの場面はワンバウンドを確認して先の塁を狙うべき。序盤のまだ3点差。確実に点差を縮めていきたいケースで、絶対に許されないのは併殺だった。極論だがひとつずつ塁を進める"各駅停車"でもよかったぐらい。  阪神打線は一時の絶好調とは言えないまでも、極端に落ちているわけでもない。相手投手も力でねじ伏せてくるタイプとは違った。僅差で粘っていけば、決して攻略が難しくない、と思えただけに、あの併殺で一気に流れを手放した。  五回1死一塁から馬場が投ゴロを二塁に悪送球してしまったのも残念なプレー。さらには、藤浪の四球連発による自滅、佐藤輝の後逸。坂本の走塁も含めて、すべてに通じるのは「相手を助けてどうする!」という思いだ。  阪神は幸いにして開幕ダッシュに成功して、貯金を持って戦える立場にいる。慌てる必要はどこにもない。3連戦の初戦を負けたのなら「3連敗だけは防ごう」ぐらいの気持ちで試合に臨めばいい。そのためには、目の前のプレーをひとつひとつを確実に。それがキーワードだ。(本紙専属評論家)

◆DeNAの柴田が左肩付近を痛め、途中交代した。八回の二塁守備で飛球を追った際、大和と交錯。倒れ込み、そのまま退いた。

◆阪神の藤浪は7四死球を与えるなど制球が定まらず、4失点で五回途中に降板。今季初黒星に「序盤からタイミングが合わず、情けない投球をしてしまった。野手の方々に申し訳ない」と肩を落とすしかなかった。  二回は先頭の佐野に四球を与え、暴投で二進。ソトと宮崎に対しても四苦八苦し、3連続四球による満塁から1点を先制された。三回は佐野に適時二塁打を喫した後、3連続四球で押し出し。五回は先頭への死球から大量失点を招いた。「しっかり反省して、次の登板は頑張りたい」と巻き返しを期した。 大山(四回に4号ソロ) 「自分のスイングができて良かった」 阪神・福原投手コーチ(大乱調の藤浪に) 「試合の中で修正できず、なかなか難しかった」

◆ボール、ボール、ボール...。虎党からの応援の拍手が大きなため息に変わっていった。藤浪が7四死球と自滅し、今季初黒星。制御不能の投球にマウンドで天を仰ぎ、悔しさをあらわにした。  「序盤から投球のタイミングが合わず、情けないピッチングをしてしまいました」  言葉通り、立ち上がりから大乱調だった。二回、先頭の4番・佐野から3者連続四球で満塁とされ、神里の内野ゴロの間に先制点を献上した。三回には2死二塁から佐野の中越え適時打でリードを広げられると、再びソトと宮崎に連続四球で満塁に。神里には痛恨の押し出し四球を与えた。  6連戦の半ばで中継ぎはなるべく温存したい。ベンチの思惑が外れたのは五回先頭、オースティンへの死球だった。直前に体付近にすっぽ抜け、不穏な空気が漂った直後に今度は変化球が抜けてぶつけた。前回16日のヤクルト戦(甲子園)も白星こそ挙げたが、塩見にぶつけた後に交代させられていた。この日は立ち上がりからセットポジションでフォームを模索しながら投げていたが、引っかける球も多かった。今季最短となる4回0/3で2安打7四死球4失点(自責3)。2暴投。再び自滅という展開を招いてしまった。  矢野監督は「同じボールが続いているからね。修正できていない」と指摘した上で「もう一回立て直すというか、こういう後が大事になってくる」と次回登板を見守る構えをみせた。今季は自身初の開幕投手を務め、開幕から奮闘する先発陣の進軍ラッパを吹いた。リーグ優勝を目指す上で藤浪の復活は欠かせない。もちろん、右腕はこの日の背信投球の責任を誰よりも感じている。  「野手の方々に申し訳ないですし、今日の投球をしっかり反省して次の登板は頑張りたいです」  この1敗を糧にする。次の登板でやり返すしかない。(織原祥平)

◆15日ぶりに勝ちました!! DeNAは23日、阪神4回戦(甲子園)に7-1で快勝。2分けを挟んだ連敗を10で止めた。「7番・中堅」で先発出場した神里和毅外野手(27)が3打席連続の満塁機でいずれも打点を挙げ、守備でも超美技を披露。まさに"神がかり"な活躍を見せ、逆襲の1勝へと導いた。  15日ぶりに番長が笑った。奈良県出身の三浦監督は地元・関西で、2分けを挟む連敗を10でストップ。今月8日以来の白星に「久々の喜び。うれしいです。まだ1つだけですが、全員で勝てた」と実感を込めた。  タクトがさえた。阪神・藤浪に対し、9日の対戦で3打数無安打2三振を喫した神里を再び先発起用。「前回、悪かったから使わないではなく、総合的に判断して期待して使った」。この決断が"神劇"を呼んだ。  神里は二回無死満塁からの二ゴロでチームに8試合ぶりの先制点をもたらすと、三回2死満塁で押し出し四球を選んだ。そして五回1死、人生で初めて3打席連続で満塁を迎えた。右前へ適時打を運ぶと右翼手・佐藤輝が打球を後逸。3人の走者だけでなく、神里も俊足を飛ばして生還した。記録は1打点と失策だが"4点プレー"で虎を突き放した。  沖縄・糸満高から中大、日本生命を経て入団して4年目。中堅守備でもハッスルした。三回1死一塁。近本の右中間へのライナーを好捕し、すぐさま一塁へ好返球。併殺でピンチの芽をつんだ。勝利に大きく貢献する"神がかり"な活躍にも「いや、まだまだ。もっと結果を出さないと」と謙遜した。  今季4勝目(17敗4分け)を挙げたが、最下位と低迷。19日には三原球団代表が、外国人全10選手(育成5人を含む)の来日が遅れたことを謝罪した。連敗中は全てで3得点以下と貧打が続き、22日の試合前には通算172勝の三浦監督が打撃投手を務め、連敗脱出へ向けて一丸となった。 その他の写真(2/3枚)  神里も気合を入れ直していた。主将・佐野の呼びかけで1カードに2度のミーティングを実施するようになり、現状を変えるために一人一人がやるべきことを宣言。中日に敗れて10連敗を喫した前夜、27歳の左打者は「自分のフォームに迷いがあったので、しっかり自分の形で打つ」と仲間の前で誓った。  シーズンオフに合同練習をともにした中日・大島から言われた言葉がある。「意識はいい。あとは疲れてきたときに、しっかり(自分のフォームで)立てるかどうか」。通算1620安打を放っている球界の先輩から送られた金言を支えに、宣言通りの活躍を見せた。  6日の満塁弾に続き、今季4度の満塁機に全打席で打点(計7)をマーク。チームの白星の半分となる2度、決勝点をたたき出している神里について三浦監督は「いいところで打ってくれた。守りもいいのが神里。よくやってくれています」と目尻を下げた。  甲子園での初戦白星は4年ぶり。4安打で7得点の神がかりな1勝から"快神撃"を演じる。(浜浦日向) ◆4番・佐野10戦ぶり打点  主将も存在感を示した。仲の良さから神里とともにファンから「カミサノ」と親しまれる4番・佐野は、1-0の三回2死二塁で藤浪の直球を捉え、中越えの適時二塁打。チーム31イニングぶりの適時打、自身10試合ぶりの打点をマークし「何とかしたい思いで打席に入った。ほっとしている」と息を弾ませた。試合前の時点で3打点と苦しんでいた。「(不調でも4番は)簡単に動かさない」としてきた三浦監督は「本人が一番苦しい中で、積極的に取り組んでいたので良かった」と目を細めた。

◆もう昔の姿には戻らないと思っていたんだけれどなぁ。心配しながら、祈りながら見守らないといけない藤浪が"復活"してしまった。  ど真ん中に投げろ!  お前の球はそう簡単に打たれないんだから!  そう叫んでみても、球の行き先は、投げている藤浪にも分からないんだから、どうしようもない。ボール球が続き、四球、暴投、四球、暴投...。死球がないことだけが救いか。そう思っていたら、五回にオースティンにぶつけて、矢野監督も我慢の限界、即交代。開幕投手を任され、復活ロードを歩み始めていた矢先の昔の姿。阪神ファンにとってこれは辛い。  「普段は佐藤輝明クンをはじめ野手担当の原田(遼太郎)先輩が大変なんですが、きょうぐらいは藤浪さん登板ですから僕の仕事が多くなることを願っています」  そう意気込んでいた投手担当のトラ番・織原祥平も、藤浪の異変を見せつけられ、まだ肌寒い甲子園の記者席で呆然だ。  破竹の8連勝時は、不動のメンバーで臨んでいたタイガースにも異変が起きた。サンズ、梅野の名前がスタメンから消えた。  東京ドームでの巨人3連戦から一夜明け。帰阪中のトラ番キャップ・長友孝輔の携帯が鳴り響いた。声の主は、本紙専属評論家でもある黒田正宏氏。「梅野の状態はどうなんや? 大丈夫か?」。梅野の入団時はヘッドコーチ。不動の正捕手が「右も左も分からない時に、一番お世話になった」と感謝する恩人も、教え子が心配だった。  「大事には至っていないみたいですよ」  そう返答すると、ようやく安心した黒田氏が、「そういえば、お前の家の近くも大変やぞ」。実は長友と黒田氏は大阪市内の同じ区のご近所さん。長友は異変を知らなかった。22日の午前、近所のマンホール工事中に、地下の水道が猛烈な勢いで数階建てのビル並みに吹き上がっていたことを。すさまじいニュース映像を見た方もおられるのでは。  異変の光景をネット映像で確認した長友が気付いた。「ここって、原田のマンションのほうが近いかも...」。うちの記者たちは、なぜかご近所さんが多いようだ。  「東京から戻って、まだ自宅に戻っていない僕と原田は、マンションが水没していないか、不安一杯で帰宅することになりますね」と長友。まあ、大阪のマンションが水没したニュースは届いていないから、大丈夫と思うが...。  あれほど攻守のバランスが良かったタイガースなのに、藤浪の異変に動揺したのか、守りでもミス続出。これって、去年までのタイガースではないか。一方、連敗街道まっしぐらだったDeNAは、ファインプレーを連発で虎を圧倒した。  阪神にとっては、マイナスの異変ばかり。何か1つぐらい、いい異変、いい話はないのか? 長友キャップが1つ、教えてくれた。  「開幕直後にコロナ感染が判明して、ずっと出演を見合わせていたタイガースガールズが、ついにグラウンドに戻ってきました」  試合前。「ご心配をおかけしました」とあいさつをして、パフォーマンスを披露していたとか。ようやく、虎の乙女たちも開幕を迎えた。白星で歓迎してあげられたら良かったのだが。こういう日もある。

◆もう半世紀も前の話なんだけどねェ...。後楽園球場から父親の芳三がやたらニコニコして帰ってきたのです。(こともあろうにおやじは巨人ファンで阪神ファンの俺と親子けんかをよくしたものです)  その上機嫌ぶりに母親が「お父ちゃん、随分とご機嫌ねえ。長嶋さんが打ったんだ!?」。すると父は一瞬ムッとした表情を見せたものの、すぐに朗らかな顔に戻り、「バカ野郎、逆だよ逆!! 長嶋が空振りの2三振だよ!! めったに見られるもんじゃね~ぞ。長嶋の2三振なんか。いいもの見たね。おっビールだ、ビール!!」  このおやじの教え(?)、長い人生を考えたら悪くないよ!!  阪神が3連敗したのは悔しい~。だけど、今季の虎の開幕投手の藤浪が全くストライクが入らず、三回までに押し出しを含む6四球やらゴールデンルーキーの佐藤輝が満塁で大トンネルなんて、今後は一生見られないでしょう!! そのポジティブで猛虎快進劇の第2幕のはじまりや~!!

◆阪神・藤浪晋太郎投手(27)が24日、出場選手登録を抹消された。23日のDeNA戦(甲子園)で先発するも、五回途中、2安打7四死球4失点(自責3)。暴投も2個記録するなどの乱調で今季初黒星を喫していた。矢野監督は試合後、「もう一回立て直すというか、こういう後が大事になってくる」と話していたが、今後は2軍で調整することになった。  藤浪は9年目の今季、自身初の開幕投手を務めた。ここまで5試合に登板して、2勝1敗、防御率2・60だった。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1670 0.696
(↓0.031)
-
(-)
120103
(+1)
65
(+7)
27
(+1)
19
(-)
0.255
(↓0.004)
2.690
(↓0.02)
2
(-)
巨人
1474 0.667
(↑0.017)
1
(↑1)
11895
(+2)
69
(+1)
25
(+1)
19
(+1)
0.244
(↓0.001)
2.630
(↑0.07)
3
(-)
ヤクルト
1184 0.579
(↑0.023)
3
(↑1)
12090
(+6)
85
(+4)
21
(+2)
15
(-)
0.247
(↑0.006)
3.500
(↓0.02)
4
(-)
広島
10122 0.455
(↓0.021)
5.5
(-)
11965
(+1)
79
(+2)
18
(+1)
11
(-)
0.244
(↓0.004)
2.930
(↑0.03)
5
(-)
中日
8124 0.400
(↓0.021)
6.5
(-)
11961
(+4)
72
(+6)
4
(-)
13
(+1)
0.225
(↑0.006)
2.700
(↓0.16)
6
(-)
DeNA
4174 0.190
(↑0.04)
11
(↑1)
11871
(+7)
115
(+1)
15
(-)
6
(-)
0.220
(↓0.003)
4.440
(↑0.15)