楽天(2対2)西武 =リーグ戦4回戦(2021.04.23)・楽天生命パーク宮城=
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西武
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楽天
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【楽天】ディクソン(1号・4回裏ソロ),小深田 大翔(1号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆楽天は同点とされた直後の6回裏、小深田のソロが飛び出し、勝ち越しに成功する。一方の西武は1点を追う8回に、2死一二塁の好機から代打・中村が適時打を放ち、再び同点とした。その後9回の攻防は両軍無得点に終わり、試合は規定により引き分けに終わった。

◆楽天の新外国人ルズネイ・カスティーヨ外野手(33=レッドソックス)が1打席のみで緊急交代した。 2軍で7試合に出場し、この日から1軍昇格。「3番右翼」でさっそくスタメン出場した。 1回裏2死で第1打席に立ち、西武高橋の2、3球目の変化球に空振り。フルカウントとなり6球目、内角へ抜けたフォークにハーフスイング。止めたバットに当てファウルとなった際に表情をゆがめた。左脇腹付近に手を当て、打席を離れた。通訳、トレーナーらが駆け寄り、1度ベンチ裏へ。ストレッチを挟み打席へ戻ったが、三ゴロを打ち、一塁へ全力疾走できなかった。凡退後再び表情をゆがめ、守備から退いた。 キューバ出身の右投右打の外野手。14年にレッドソックスと7年総額7250万ドル(約76億1000万円)の大型契約を結んだ。だが高額年俸による「ぜいたく税」対策のため、マイナー暮らしが続いた。来日後の2軍戦で7試合で打率3割4分8厘、0本塁打、3打点。この日のフリー打撃では41スイング中、柵越えは3本。試合前の取材対応では「ようやくここに来られて本当にうれしく思っています。パワーもですけど、基本的には走るスピードもいける選手だと思っていますので、スピードとパワーのコンビネーションを見てもらいたい」と話していた。

◆楽天の新外国人選手、ブランドン・ディクソン内野手(29=タイガース)が来日2打席目で初本塁打を放った。 この日に1軍初昇格し「5番DH」でスタメン出場。第1打席は左飛。0-0の4回1死での第2打席。西武高橋の初球115キロをカーブをフルスイング。左翼中段席へ先制ソロを運んだ。打った瞬間に手応えで柵越えを確信。ゆったりとダイヤモンドを1周し、ベンチで祝福を受け笑顔を見せた。球団を通じ「打ったのはカーブかな。低いボールを打たされないように、高めに浮いてきたボールを打とうと思って打席に入ったよ。うまく反応できたね。完璧だったヨ」とコメントした。 内外野ともにこなせるユーティリティープレーヤー。19年にはメジャーで112試合に出場し15本塁打をマークした。2軍では7試合に出場し打率3割5分、2本塁打、5打点を記録。20日のイースタン・リーグのロッテ戦では佐々木朗の151キロをバックスクリーンへ運ぶなど、好調ぶりを示して1軍に合流してきた。 この日の試合前の打撃練習では40スイング中、5本の柵越えを放っていた。

◆前夜の悪い流れを引きずっているのか、西武は敵地楽天戦で先制を許した。 開幕3連勝中の高橋光成投手(24)が先発。3回まで1安打投球を見せたが、4回に新外国人のディクソンに来日1号を浴びた。前日のオリックス戦で、3点リードの9回に守備の送球判断ミスから、逆転サヨナラ負けを喫す悪夢から一夜明け、高橋は「1発もあって強力打線なので、どこも気を抜けない」と臨んだが、警戒していた1発を打たれた。 この試合から、ようやくスパンジェンバーグが1軍合流を果たした。2日に来日し2週間の隔離期間を終え、イースタン・リーグに4試合出場。実戦感覚を養い早期昇格を果たし「まずはここに戻ってこられてすごくうれしい。そして、チームに貢献できるようにやっていきたい」。昇格即7番三塁でスタメン出場し、4回の第2打席に左前安打。1点を追う6回1死二塁では、右中間へ同点適時打を放った。

◆楽天新外国人のブランドン・ディクソン内野手(29=タイガース)とルスネイ・カスティーヨ外野手(33=レッドソックス)が23日、楽天生命パークでの西武4回戦で1軍初昇格し、即先発出場した。 2人は15日、イースタン・リーグ日本ハム戦での来日初実戦から好調を維持し、8日後に1軍登録。新外国人野手コンビが、"ワシンガン打線"に勢いを与えていく。 8年ぶり日本一に向けて役割を全うする。ディクソンは米メジャーのタイガース在籍時の19年に15本塁打した長打力に加え、内外野を守れるユーティリティー性が持ち味だ。来日初実戦の15日からは2軍戦全7試合に出場し、20打数7安打で打率3割5分。2本塁打5打点と好成績を残した。「こうしてチームに合流することができて興奮しています。これからはチームの日本一に向けて最善を尽くしてチームのために頑張りたい」と決意表明した。 カスティーヨは「パワーもですけど、基本的には走るスピードもいける選手だと思っていますので、スピードとパワーのコンビネーションを見てもらいたい」と、アピールポイントを挙げた。14年にレッドソックスと7年総額7250万ドル(約79億8000万円)を結んだが、高額年俸が影響しマイナー暮らしが続いていた。合流後の同7試合は、23打数8安打の打率3割4分8厘、3打点を記録して初昇格を果たした。 この日は「3番右翼」で出場したカスティーヨが2回の守備で途中交代。「5番DH」のディクソンは4回に先制となる"来日初アーチ"を描いた。新たに加わった2つのピースが、打線の起爆剤となる。【相沢孔志】

◆楽天先発の涌井は、3回まで2度、走者を背負うも2安打2奪三振で無失点。西武先発の高橋は3回1安打無失点。 楽天は4回、ディクソンの来日初本塁打となるソロで先制。6回に一時、同点にされるも小深田の今季1号ソロで勝ち越した。 西武が、8回に中村の適時打で同点に追いつく。以降は両軍ともに勝ち越し点は奪えず、引き分けとなった。

◆西武中村剛也内野手が代打では5年ぶりのヒットで引き分けに持ち込んだ。1点を追う8回2死一、二塁で代打出場し、左前へ同点適時打。代打での安打&適時打は16年4月23日楽天戦以来、同じ相手に丸5年ぶり。」4月は全試合4番での先発だったが、スパンジェンバーグが合流したため、休養でベンチスタートだった中村は「特別何も考えず、集中して打席に入りました。ランナーをかえすことだけ考えていました」と集中の1打だった。▽西武高橋(7回5安打2失点で今季最多の132球) やっぱり何とか完投といいますか、長い回を投げたいという気持ち。粘って何とか7回まで投げることができたのは良かった。▽西武辻監督(6試合連続白星なしも、引き分けに持ち込み) ナイスゲームだよ。よく踏ん張ってくれた。(代打中村は)本当によく打ってくれたよ。

◆西武コーリー・スパンジェンバーグ内野手が1軍合流して即座に全4打席で出塁した。 4回に左前へ初安打をマークすると、1点を追う6回1死二塁で一時同点の右中間適時打を放った。2四球含め出塁率10割。2日に来日し2週間の隔離期間後、実戦は2軍戦4試合出場のみの調整だったが「こういう状況ですので文句を言ってもしょうがない。できることを精いっぱいやってきた」と頼もしかった。

◆西武は追う展開に食らいつき、引き分けに持ち込んだ。先発の高橋光成投手が楽天涌井と投手戦を演じた。先手を取られる劣勢も、7回2失点に踏みとどまり、味方の反撃を演出。打線は初合流したコーリー・スパンジェンバーグ内野手が2安打1打点2四球と4打席全出塁。8回には、代打出場の中村剛也内野手が5年ぶりとなる代打での安打で同点に持ち込んだ。9回のマウンドは前夜にサヨナラ負けを喫した増田達至投手が3者凡退で締めた。辻発彦監督は投打の粘りを評価した。

◆楽天の新外国人、ブランドン・ディクソン内野手(29=タイガース)がメモリアルな来日初アーチを描いた。 1軍初昇格し5番DHで先発出場。4回1死、西武高橋の初球カーブを左翼席中段へ運び、先制ソロを放った。来日初出場での初本塁打は15年ウィーラー、16年ペレスに続き球団史上3人目。「うまく反応できたね。完璧だったよ」とあいさつ代わりの1発で、スタンドをわかせた。 19年に米タイガースでチームトップの15本塁打を記録。内外野を守れるユーティリティー性も光る。米国で知り合いから日本野球の良さを聞き「出場機会を求めて来たというのも事実」とハングリーに海を渡った。2軍戦ではロッテ佐々木朗の直球をバックスクリーンへ運んだ。「日本の野球はとてもおもしろい。みんな優しくて通訳も素晴らしい。積極的に話しかけてくれるチームメートもいるので、今のところこの決断は非常に良かったと胸を張って言える」。金色の長髪をなびかせるイケメン助っ人が打線の起爆剤となる。▽楽天涌井(8回途中119球2失点の力投も勝敗つかず) 特に何もないです。それだけです。▽楽天小深田(6回に右翼席へプロ4本塁打目となる1号ソロ) しっかり捉えることができました。まだ序盤ですし、これからもっとチームに貢献できるように頑張ります。

◆楽天の新外国人、ルスネイ・カスティーヨ外野手(33=レッドソックス)が23日、西武4回戦(楽天生命パーク)で来日初打席となる第1打席で左腹斜筋を痛め、途中交代した。 1軍初昇格し3番右翼で先発出場。1回2死、西武高橋の6球目の内角球にハーフスイングしファウルとなった際に表情をゆがめ、左脇腹付近を押さえた。ベンチ裏へ下がり、再び打席へ戻り三ゴロ。一塁へ全力疾走できず、再び表情をゆがめた。2回の守備からベンチへ退き仙台市内の病院で検査を受けた。石井GM兼監督は「大丈夫だと思うんですけど、ちょっとまだ分からない」と話した。

◆楽天田中将大投手(32)が日本復帰後初の本拠地登板に臨み、6回68球3安打1失点で勝利投手の権利を持って、マウンドを降りた。 ももいろクローバーZの「吼えろ」をBGMに、スタンドの「おかえりボード」で仙台のマウンドに背番号18が迎えられた。初回。先頭若林にいきなり強い打球を左中間へ飛ばされたが、中堅手辰己がランニングキャッチ。田中将は帽子をとって、感謝の気持ちを示した。3者凡退で立ち上がった。 すると直後に味方が2点を先制。援護を背に2回は先頭中村に左前打を許したが、続く栗山を一ゴロ併殺。愛斗を空振り三振に仕留めた。 だが3回、西武打線の粘りに得点を許した。先頭スパンジェンバーグをリクエストの末に死球で出し、二盗も許した。無死二塁から呉念庭にスプリットを救われ、1点を返された。それでも簡単には崩れない。2死一、三塁までピンチを広げたが、森を二ゴロに打ち取り、寄せ付けない。 4回以降は8、14、5球と打たせてとる投球で3イニングとも3者凡退に抑えた。6回68球と前回登板よりも少ない球数だったが、ベンチで石井GM兼監督、小山投手コーチから声をかけられ、マウンドを降りた。「粘り強く抑えられて良かったです」と淡々と振り返った。 当初は開幕2戦目、3月27日日本ハム戦で本拠地、今季初登板の予定だったが右ヒラメ筋損傷で直前に回避。本拠地での登板は13年11月3日、巨人との日本シリーズ第7戦以来、2729日ぶりとなった。「楽しみにして、待っていてくれた方々もいらっしゃると思いますし、そこに合わせてチケットを取ってくださった方もいたと思う。やはりその時はものすごく心苦しかった」とファンの思いをくみ取った。「予定より約1カ月遅れて、こうして投げられるということで、もちろん楽しみですけども、こういった状況の中でも変わらずプレーできるということにも感謝しながら、投げたいなと思います」とコロナ禍で制限のある中、観客の前で腕を振れることに特別な思いを持った。 復帰2戦目。まだ完調ではない中でも巧みな投球術を駆使し、力を見せた。

◆楽天田中将大投手(32)が日本復帰後初の本拠地登板に臨み、6回68球3安打1失点で、今季初勝利とNPB通算100勝を達成した。 初勝利は07年4月18日のソフトバンク5回戦(フルキャスト宮城)で、通算100勝はプロ野球139人目。10年岩隈が楽天在籍時に100勝を記録したが、楽天だけで100勝したのは田中将が初めてになる。通算177試合目での100勝到達は、39年スタルヒン(巨人)の165試合目に次ぎ、48年藤本(巨人)に並ぶ歴代2位タイのスピード記録となった。 ももいろクローバーZの「吼えろ」をBGMに、スタンドの「おかえりボード」で仙台のマウンドに背番号18が迎えられた。初回。先頭若林にいきなり強い打球を左中間へ飛ばされたが、中堅手辰己がランニングキャッチ。田中将は帽子をとって、感謝の気持ちを示した。3者凡退で立ち上がった。 すると直後に味方が2点を先制。援護を背に2回は先頭中村に左前打を許したが、続く栗山を一ゴロ併殺。愛斗を空振り三振に仕留めた。 だが3回、西武打線の粘りに得点を許した。先頭スパンジェンバーグをリクエストの末に死球で出し、二盗も許した。無死二塁から呉念庭にスプリットを救われ、1点を返された。それでも簡単には崩れない。2死一、三塁までピンチを広げたが、森を二ゴロに打ち取り、寄せ付けない。 4回以降は8、14、5球と打たせてとる投球で3イニングとも3者凡退に抑えた。6回68球と前回登板よりも少ない球数だったが、ベンチで石井GM兼監督、小山投手コーチから声をかけられ、マウンドを降りた。「粘り強く抑えられて良かったです」と淡々と振り返った。 当初は開幕2戦目、3月27日日本ハム戦で本拠地、今季初登板の予定だったが右ヒラメ筋損傷で直前に回避。「楽しみにして、待っていてくれた方々もいらっしゃると思いますし、そこに合わせてチケットを取ってくださった方もいたと思う。やはりその時はものすごく心苦しかった」とファンの思いをくみ取った。「予定より約1カ月遅れて、こうして投げられるということで、もちろん楽しみですけども、こういった状況の中でも変わらずプレーできるということにも感謝しながら、投げたいなと思います」とコロナ禍で制限のある中、観客の前で腕を振れることに特別な思いを持った。 復帰2戦目。まだ完調ではない中でも巧みな投球術を駆使し、引き分けを挟むチームの連敗を2で止めた。自身の国内公式戦連勝は前回登板の17日日本ハム戦で5回3失点とし、28で止まった。それでも「特にピンと来ない」と意に介さない。13年11月3日、巨人との日本シリーズ第7戦以来、2729日ぶりとなる杜(もり)の都のマウンドで、新たな1歩を踏み出した。【桑原幹久】 ▽楽天石井GM兼監督(6回68球で降板した田中将に)「球数も順調に少なく投げてくれて(5回後のグラウンド整備を挟み)イニングまたぎの6回だったので、あの辺が代わりどころかなと判断して、次のリリーフに託しました」 ▽楽天岡島(13年日本一時のレギュラー。1回に6試合連続安打となる右前適時打)「田中さんにも1つでも多く勝ってもらって、チーム全体として日本一に向かっていきたい」 ▽楽天ディクソン(1回に三塁適時内野安打で来日から2戦連続打点。田中将へ先制点をもたらし)「彼の記念すべき日に後ろで守れて光栄だった。彼の素晴らしい記録に少しでも貢献できて本当よかったよ」

◆西武はマー君を攻略できず、2分け含む5連敗を喫した。追う展開で1点にとどまり、3回途中から10者連続凡打で反撃の糸口を見つけられなかった。 辻監督は田中将の印象について「思ったよりも変化球が多いね」と振り返り、「やっぱり横から見ていて、スライダーなのかチェンジアップなのか、ツーシームなのか分かりづらい投手。そこで低めにコントロールする技術はさすが。しっかり打てる球を打つ、甘い球を打ち損じなく確率よく打たないと、そういう投手は打てない」と言葉を続けた。チームは今季初借金を背負った。 ▽西武本田(仙台出身で学生時代見ていた楽天田中と投げ合い、3回2/3 5安打2失点で今季初黒星)「まさか投げ合えることになるとは思っていませんでした。貴重な経験ですし、いい試合にしたいな、とは思っていました」

◆田中将が今季初勝利を挙げ、日本通算100勝を達成した。初勝利は07年4月18日のソフトバンク5回戦(フルキャスト宮城)で、100勝達成はプロ野球139人目。楽天だけで100勝したのは初めてだ。通算177試合目で到達は39年スタルヒン(巨人)の165試合に次ぎ、48年藤本(巨人)に並ぶ歴代2位タイのスピードとなり、2リーグ制後入団では61年杉浦(南海)の188試合を抜く最速記録だ。まだ36敗の田中将は勝率が7割3分5厘で、100勝達成時の勝率7割以上は5人目。過去4人は最終勝率が6割台に下がり、通算100勝以上で生涯勝率7割以上の投手はいないが、田中将は7割をキープできるか。

◆決意の日本復帰から約3カ月。楽天田中将大投手(32)が杜(もり)の都で、節目の1勝を積み重ねた。13年11月3日、巨人との日本シリーズ第7戦以来8年ぶりの本拠地登板で西武打線を6回68球3安打1失点。故障から復帰2戦目で今季初勝利を挙げ、日本通算100勝を達成した。177試合目での到達は48年藤本(巨人)に並ぶ歴代2位のスピード記録。チームの連敗を2で止め、輝かしい自分史の1ページを刻んだ。 ? 雨は、降っていない。スタンドも、満員ではない。「ただいま!」。日本一に立った"あの日"から2729日。笑顔の田中将が、地元ファンの前でお立ち台に立った。「何か不思議な感じがします。でもものすごくやはりうれしいです」。決意の入団会見から85日。シーズン開幕から約1カ月遅れでの日本復帰1勝に、自然と声を弾ませた。 米国で輝きを増した、柔軟な投球術で封じた。1、2回は全20球中スライダー、スプリットが65%(13球)を占めた。「あまりにも最初は少なすぎた」と3回以降の全48球中直球とカットボール、ツーシームの速球系変化球で41・7%(20球)を割き、幅を広げた。130キロ中盤のスプリットを同前半に落とした「スプリットチェンジ」を5、6回は組み込み、4~6回は3者凡退。「バランスを崩したというのが一番」と軽打が得意な日本球界の打者にも対応した。 17年前。決意を持って津軽海峡を渡った。北海道・駒大苫小牧1年時の5月。香田監督から寮に住む1年生全員に、大型連休中の帰省を許可された。だが「自分はここに野球をしに来ているので。帰りたくないです」と聞かなかった。3年生の函館遠征に同行。自らの野球人生を最優先に鍛錬を積んだ。 時が立った。立場も変わった。1月30日。8年ぶりに楽天のユニホームに袖を通した。「こだわりたいタイトルは日本一」。悩みに悩んだが、腹をくくり、海を渡って帰ってきた。古巣のために-。だからこそ、故障が憎かった。「何で今なんや」。当初予定の開幕2戦目、3月27日日本ハム戦を右ヒラメ筋損傷で直前に回避。自身へ募る不満を晴らせる唯一無二の場所で、目いっぱい腕を振った。 スタンドには、球団が準備した約1万6000の「おかえりボード」が並んだ。「勝ってその景色を見ることができてすごくよかった」。高卒1年目から重ねた日本での白星は節目の100。「7年空いていたので、あまり実感がない。それよりも初勝利挙げられた、チームが勝ったという喜びが大きい」と今を見た。「毎試合自分のベストを尽くす。最後まで戦う。そういうことしか僕にはできない。そういったことで一緒に盛り上がって、東北、日本を盛り上げていけたら」。ファンは自然と「TANAKA 18」に夢を映す。"あの日"味わった歓喜の再現を願って。【桑原幹久】 ▼田中将が今季初勝利を挙げ、日本通算100勝を達成した。初勝利は07年4月18日のソフトバンク5回戦(フルキャスト宮城)で、100勝達成はプロ野球139人目。楽天だけで100勝したのは初めてだ。通算177試合目で到達は39年スタルヒン(巨人)の165試合に次ぎ、48年藤本(巨人)に並ぶ歴代2位タイのスピードとなり、2リーグ制後入団では61年杉浦(南海)の188試合を抜く最速記録だ。まだ36敗の田中将は勝率が7割3分5厘で、100勝達成時の勝率7割以上は5人目。過去4人は最終勝率が6割台に下がり、通算100勝以上で生涯勝率7割以上の投手はいないが、田中将は7割をキープできるか。 ▽楽天石井GM兼監督(日本通算100勝を達成した田中将に)「100勝ぐらいならできますから。彼はもっと特別な選手。2回目の登板でここまで仕上げてくるのはさすが。イニングと試合数を重ねれば完全体になる」

◆楽天の新戦力、ルスネイ・カスティーヨ外野手(33)と、ブランドン・ディクソン内野手(29)が1軍に合流した。試合前の打撃練習で、快音を響かせた。  カスティーヨは、2軍で7試合に出場し、打率・348、本塁打はなく、3打点。報道陣の取材に応じ、「スピードとパワーのコンビネーションを見てもらいたい。しっかり、できる限りの練習をしてきたので、準備は整っている」と明かした。  ディクソンは、同7試合で打率・350、2本塁打、5打点。来日後の新型コロナウイルス対策の隔離期間を振り返り、「ここまでくるプロセスは非常に長かったが、チームに合流することができて興奮しています。これからはチームの日本一に向けて最善を尽くしたい」と力を込めた。

◆西武のコーリー・スパンジェンバーグ内野手(30)が1軍に合流し、「7番・三塁」でスタメン出場する。  「まずはここに戻ってこられてすごくうれしい。チームに貢献できるようにやっていきたい。まだスタジアムに来ることができる人数は制限があると思うけれど、ファンのためにライオンズのために頑張っていきたいね」。2日に来日し、自主隔離期間を終えて18日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦から実戦に復帰していた。

◆楽天のルスネイ・カスティーヨ外野手(33)が、来日初打席で左脇腹付近を痛め、二回の守備から退いた。この日に1軍合流し、「3番・右翼」でスタメン出場。一回2死走者なしの1打席目。高橋の6球目、ハーフスインでファウルになると左脇腹付近を押さえた。ベンチへ下がり、再び打席に立ったが三ゴロに倒れ、小郷と交代した。

◆楽天の新戦力、ブランドン・ディクソン内野手(29)が1軍合流し、「5番・DH」で先発出場。0-0の四回1死走者なし。高橋の初球を捉え、左翼へ来日1号となる先制ソロを放った。球団広報を通じて、「打ったのはカーブかな。低いボールを打たされないように、高めに浮いてきたボールを打とうと思って打席に入った。うまく反応できて、完璧だった」とコメントした。

◆西武は1-2の八回に代打中村の左前への適時打で追い付いた。楽天は四回にディクソンの来日初本塁打で1点を先制。1-1に追い付かれた六回には小深田の今季1号ソロと2度リードを奪いながら逃げ切れなかった。

◆新型コロナウイルス感染拡大の影響で来日が遅れていた西武のスパンジェンバーグが今季初出場して2安打1打点で2四球と全打席で出塁して苦境のチームを救った。  0-1の六回に右中間へ同点二塁打を放ち「何とかしたい一心で打席に入った。甘く入って来た球にアジャストすることができた」と喜んだ。1-2の八回には四球を選んで代打中村の同点打につなげた。  2日に来日し、隔離期間を経て2軍の試合で調整してきた。「こういう状況なので、文句を言っても仕方がない。いいプレーを続けてチームに貢献できるようにベストを尽くしたい」と頼もしかった。 中村(八回に代打で同点打) 「集中して打席に入った。負けなかったのは良かった」

◆楽天の新戦力、ブランドン・ディクソン内野手(29)が今季初出場し、左翼に来日1号ソロを放った。先発した涌井秀章投手(34)は、7回2/3を8安打6三振2失点と力投。試合後の石井一久監督(47)の一問一答は次の通り。  --八回に追いつかれて引き分けた  「少ないチャンスだったので、あのまま逃げ切らないと、きょうは勝てないゲームだったと思います」  --先発した涌井の投球について  「彼に任せていいぐらいの球の力と精度はあった。何とか、あそこ(八回)はしのいでもらいたかったと思います」  --ディクソンが初日から結果を残した  「しっかりとボールを引き付けていたので、そのままのスタンスでいってほしいなと思っています」  --打線全体について  「少し湿り気味なところもあるけど、その中でしっかりと戦っていかないといけない。いろいろな作戦やバッティング・アプローチを継続して、やっていきたいです」  --あすは田中将が本拠地初登板する  「とりあえず、きょうは引き分けたので、あしたはしっかり勝ちたいなと思っている。守備からしっかりとリズムを作れるように頑張っていきます」

◆新型コロナウイルス感染拡大の影響で来日が遅れた楽天の新外国人のカスティーヨは1軍に昇格して即先発出場したが、一回の打席で三ゴロに倒れた後に負傷交代した。  フルカウントからの6球目の変化球にバットを止めながらもファウルとなった際に左腹斜筋を痛めた。石井監督は「どのぐらいのレベル(の症状)なのかを検査している」と説明した。 小深田(六回に1号ソロ) 「しっかりと捉えることができた」

◆西武の増田が33歳の誕生日を好投で飾った。2-2の九回を三者凡退に抑えて引き分けに持ち込んだ。前日22日のオリックス戦では3点差を逆転され、18日のソフトバンク戦でも2点リードを守れなかっただけに「信頼を取り戻せるようにしっかり投げたい」と話した。  30球を投げた翌日に連投。送り出した辻監督は「プロ野球の世界は毎日試合があり、やられても次の日に挽回できるチャンスがある。とにかくやりなさいって話をした」とほっとしていた。 高橋(今季最多の132球を投げ7回2失点) 「変化球でうまくカウントを取れた。粘って何とか投げることができたのは良かった」

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
1473 0.667
(↑0.017)
-
(-)
11995
(+3)
74
(+2)
19
(+1)
7
(+2)
0.253
(↑0.001)
2.960
(↑0.04)
2
(-)
楽天
1194 0.550
(-)
2.5
(↓0.5)
11991
(+2)
85
(+2)
21
(+2)
6
(-)
0.228
(↓0.002)
3.350
(↑0.06)
3
(1↓)
ロッテ
11104 0.524
(↓0.026)
3
(↓1)
118118
(+2)
89
(+3)
22
(-)
20
(+3)
0.241
(↓0.001)
3.390
(↑0.02)
4
(-)
西武
10103 0.500
(-)
3.5
(↓0.5)
12080
(+2)
94
(+2)
14
(-)
25
(+1)
0.230
(↑0.001
4.070
(↑0.09)
5
(-)
ORIX
10123 0.455
(↑0.026)
4.5
(-)
11888
(+6)
84
(+1)
16
(+1)
6
(+2)
0.243
(↑0.002)
3.010
(↑0.09)
6
(-)
日本ハム
6143 0.300
(↓0.016)
7.5
(↓1)
12064
(+1)
110
(+6)
10
(-)
15
(+2)
0.214
(↓0.001)
4.260
(↑0.06)