◆ヤクルトは1-1で迎えた3回表、元山の2ランが飛び出し勝ち越しに成功する。その後同点とされるも、8回に山崎の適時三塁打などで3点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、4番手・マクガフが今季2勝目。敗れた広島は、3度追いつく粘りを見せるも及ばなかった。

◆今季初昇格即初先発の広島小園海斗内野手（20）がさっそく結果を残した。8番遊撃で先発出場。2回の1打席目に同点の右前適時打を放った。 1点を追う2回2死一、二塁の好機で今季初打席を迎えた。ヤクルト金久保の内寄りの真っすぐを引っ張り、一、二塁間を破った。「チャンスだったので初球から積極的に打ちにいった結果、打てて良かったです」。二里走者を本塁に迎える同点打となった。 小園は春季キャンプから2軍スタートとなり、オープン戦などの実戦に入っても1軍に呼ばれることはなかった。ようやく20日に1軍練習に参加するも、翌21日は2軍逆戻り。ウエスタン・リーグのオリックス戦に出場し「結果も内容も求めていきたい。昨日も練習参加のチャンスをもらっているので、またチャンスをもらえるようにやっていきたい」と1安打を記録した。 2軍再合流からわずか1日で1軍から招集がかかった。念願の初昇格、初出場で1軍首脳陣に存在感を示した。

◆ヤクルトは2回に塩見が先制ソロ。その裏、広島に小園の右前適時打で同点に追いつかれるも、3回に元山の2ランで勝ち越した。 広島は4回に小園の二ゴロの間に1点、5回には鈴木誠の犠飛で同点に。ヤクルトは6回に広島安部の適時失策で再び勝ち越した。 ヤクルトが7回に追いつかれながら8回に勝ち越し、引き分けを挟み連勝。4番手マクガフが2勝目。広島は開幕戦以来の借金1。 ヤクルト石山が7セーブ目、広島塹江が今季初黒星。

◆3度追いつかれたシーソーゲームを、ヤクルト山崎晃大朗外野手が決めた。 同点の8回1死一、二塁で左中間を破る2点適時三塁打。気迫のヘッドスライディングを見せた後は、元山のスクイズで7点目のホームを踏んだ。「何とかここで勝ち越せたらなと思っていた。普段やっぱり（山田）哲人さんとか（村上）ムネに助けられているところが多いので、何とか僕たちで」。チームは広島に2勝1分けで勝ち越し、貯金2とした。

◆今季1軍に初昇格した広島小園海斗内野手（20）が、1安打2打点といきなり躍動した。打撃不振の田中広に代わり、ヤクルト戦に8番遊撃で先発出場。2回の第1打席で一時同点のタイムリーを放つと、4回には内野ゴロの間に2打点目を稼いだ。チームはカード負け越しで引き分けを挟んで2連敗。開幕戦以来の借金生活に突入したが、小園が得点力不足のチームに勢いをもたらす存在になる。小園が水を得た魚のごとく、グラウンドを駆け回った。1点を追う2回2死一、二塁で迎えた今季初打席。「絶対にやってやろうという強い気持ちだった」と、カウント1－1から金久保の内寄り145キロ直球を引っ張った。打球は一、二塁間を破り、二塁から一時同点の走者が本塁へ生還した。 「初球から振れたので、気持ちが楽になった。チャンスだったので、楽しめたと思います」 再びチャンスで迎えた2点を追う4回の第2打席。1死一、三塁から小園が放ったゴロは二塁へ。全力疾走で一塁を駆け抜け、併殺を免れた。その間に2打点目を記録。6回には犠打を1発で成功。守っては4度の守備機会を無難にこなした。佐々岡監督は「しっかりと打ってくれたし、守る方もしっかりしてくれた。ハツラツと元気よく、失敗を恐れずにやってほしい」と評価した。 待望の1軍の舞台で躍動した。19年は新人ながら58試合に出場し、4本塁打をマークするなど将来性を感じさせるシーズンになった。しかし昨季は打撃不振などに苦しみ、1軍出場はわずか3試合で無安打に終わった。今年2月の春季キャンプは2軍スタートで開幕1軍入りも逃したが、ウエスタン・リーグで打率3割と結果を残し、20日に1軍に合流。しかしチーム事情で昇格が見送られ、翌21日は2軍に逆戻り。そして再び1軍に招集された。昇格即スタメンでの起用に、しっかり結果で応えた。 今年1月には結婚し、夫人もこの日球場に応援に駆けつけていた。「結婚もしたので、より一層強い気持ちで絶対に負けない、ポジションを取りにいく気持ちできた。その気持ちを忘れずにやっていきたい」。得点力不足で停滞していたチームに、若手のホープが一筋の明るい光をもたらした。【古財稜明】

◆広島は投打がかみ合わず、引き分けを挟んで連敗。開幕戦で敗れて以来の借金生活となった。 3回降板の遠藤ら投手陣が8安打8四球。同点の8回にセットアッパー塹江が3連打を浴びるなど3失点して勝負が決まった。野手陣は11安打も2桁10残塁。守っては失策が失点に絡んだ。佐々岡監督は「1点は取れるけど、2点目、3点目が取れない。つながりが出なかったからこういう試合になった」と3試合続けて1イニング複数得点のない攻撃陣を嘆いた。 ▽広島塹江（同点の8回に3失点で今季初黒星）「内（角）要求の球を投げ切れていなかったので（決勝三塁打の山崎に）踏み込まれてしまった」

◆広島安部友裕内野手が6回の適時失策を悔やんだ。同点の6回2死二塁。古賀の正面の打球をトンネル。勝ち越し点を許した。 7回にバットで同点に追いつく適時打を放つなど2安打1打点も「エラーがすべてだったので、今日は。あの1点がなければ、展開もまた変わっていたかもしれない。（適時打は）その後で取り返してやろうって切り替えはしたんですけど、あのエラーがすべてですね」と厳しい表情を崩さなかった。

◆広島先発遠藤淳志が2本塁打を浴びるなど3回3失点で降板した。2試合続けて責任投球回未満での降板で、2軍降格が決まった。 「単純に力不足だと思います。スピードも出ていなかったですし、真っすぐがうまく投げきれない。だから変化球も投げきれなかったんじゃないかと思います」。大瀬良の負傷離脱で巡ってきた先発のチャンスを生かすことができなかった。

◆ヤクルトのドラフト4位元山飛優内野手が大技、小技で3打点を挙げた。 まず3回に右越えの2号2ラン。1回の第1打席で、同じ無死一塁の場面で遊飛に倒れており「同じことをしないように食らい付いた。右方向を狙いました」と内角球をうまくさばいた。8回には小学生以来というスクイズを初球で決めた。「体のどこに当ててもバントしてやろうと思った。今は結果が出ていてホッとしている」とレギュラー定着へアピール。2番起用は初で、攻撃面の作戦に絡む打順で経験を積んでほしいという首脳陣の期待に全力で応えた。 ▽ヤクルト高津監督（2勝1分けでカード勝ち越し）「（無安打だった）クリーンアップ以外でどう点を取るかというと、足を絡めたりバントしたり進塁、出塁が大事になる。それが終盤によくできた」 ▽ヤクルト金久保（5回途中3失点で2勝目ならず）「回の先頭や走者が出てから少し力みがあり、大事な場面でコントロールできませんでした」

◆広島・小園海斗内野手（２０）が「８番・遊撃」で今季初めてスタメンに名を連ねた。１９打席無安打の田中広輔内野手（３１）の代役として期待がかかる。 　報徳学園高から２０１９年にドラフト１位で入団した有望株は今季ウエスタン・リーグ１８試合に出場し、３位の打率・３００、１本塁打、４打点とアピールしていた。２０日に１軍の試合前練習に合流したが、出場選手登録されず、２１日に２軍に戻り、この日再び１軍に合流し、初昇格となった。

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手（２７）が、二回に右中間席へ先制の３号ソロを放った。フルカウントから先発・遠藤が投じた１４６キロ直球を捉えた。「先頭打者だったので、出塁することを心がけて打席に入りました。強い打球を打つことを意識した結果が、いい結果につながりました」。ダイヤモンドを一周し、笑顔で仲間と喜んだ。

◆ヤクルトのドラフト４位・元山飛優内野手（２２）＝東北福祉大＝が「２番・二塁」で先発し、１－１の三回無死一塁、遠藤から右越えの２号２ランを放った。 　「１打席目と同じような場面だったので、何とかしたかったです。右方向に強い打球を心がけた結果、いい角度で上がってくれました」 　一回は無死一塁の場面で遊飛に倒れていた悔しさを胸に、三回の同じ場面で最高の結果を残した。

◆４年目のヤクルト・金久保優斗投手（２１）は先発で４回２／３を投げて７安打３失点。力投を見せたが、プロ２勝目はお預けとなった。 　「調子自体は悪くなかったですが、回の先頭だったり、走者が出てから少し力みがあり、大事な場面で制球できなかった。野手の方にリズムをつくってもらったのに試合をつくることができず申し訳ないです」 　一回は直球を軸に３者凡退。１－０の二回は２死一、二塁から小園に右前適時打を浴びた。三、四、五回は先頭打者に出塁を許す苦しい展開。四、五回に１点ずつを失ったが、勝ち越しは許さなかった。

◆広島・小園海斗内野手（２０）が１９打席無安打の田中広輔内野手（３１）に代わって、「８番・遊撃」で今季初めてスタメンに名を連ね、０－１の二回２死一、二塁、あいさつ代わりのタイムリーを放った。 　「チャンスだったので初球から積極的に打ちにいった結果、打ててよかったです」 　金久保の内角１４５キロ直球をコンパクトにはじき返した。１軍での安打は２０１９年９月２３日の中日戦（マツダ）以来５７７日ぶり。一塁上でこぶしを握った。 　２０日に１度１軍の試合前練習に合流したが、出場選手登録されず、２１日に２軍に戻り、この日再び１軍に合流し、初昇格となった。高卒３年目の今季はウエスタンで１８試合に出場し、リーグ３位の打率・３００、１本塁打、４打点とアピールに成功した。 　２点を追う四回１死一、三塁ではフォークを引っかけ二ゴロだったが、一塁への全力疾走で併殺を免れ、三走・会沢が本塁生還。泥臭く２打点目をもぎ取った。 　２３日からは東京ドームで巨人３連戦。試合には敗れたが、フレッシュな小園が元気いっぱいのプレーで、チームに新しい風を吹かせる。（柏村翔）

◆ヤクルトの山崎が４－４の八回に勝ち越しの２点三塁打を放った。同点とされた直後の攻撃。１死から８、９番の連打で一、二塁となって打席に入り「いい形で回ってきたので自分も後ろにつなぎたかった」と、塹江の外角球に食らい付いた。左中間を破って俊足を生かし、三塁まで到達すると喜びを表した。 　新外国人のサンタナが間もなく１軍に合流する見込み。外野手には不動の青木がいるだけに、山崎は塩見とポジションを争うことになる。その意味でも、価値ある一打となった。

◆ヤクルトが競り勝った。４－４の八回に山崎の２点三塁打、元山のスクイズで３点を勝ち越した。４番手のマクガフが２勝目、石山がリーグトップの７セーブ目を挙げた。広島は３度追い付いたものの、塹江が誤算で勝率５割を切った。

◆広島は３度追い付く粘りは見せたが畳み掛けられず、勝率５割を切った。佐々岡監督は「負ければ悔しい。こういう状態の中で借金１というのをプラスに考えて、また明日、ジャイアンツとしっかり戦っていきたい」と切り替えに努めた。 　八回に塹江がつかまった。１死から連打で一、二塁を招き、山崎に甘くなった速球を左中間深くに運ばれる三塁打を浴びて勝ち越しを許した。続く元山には初球にスクイズを決められて失点を重ねた。勝ち継投の一角を担う左投手は、痛恨の長打の場面を「内の要求を投げきれなかった」と悔やんだ。

◆ヤクルトのドラフト４位新人の元山が３打点を挙げた。三回は２号２ラン。無死一塁で遠藤の直球を引っ張り、右翼席へ運んだ。３月２７日の阪神戦以来の一発に「右方向に強い打球を心掛けた結果、いい角度で上がってくれた」と話した。 　一回の第１打席も四球で出た先頭の山崎を一塁に置いて迎えていたが、遊飛に倒れて好機を広げられなかっただけに「同じミスをしてはいけない」と集中した。 　八回は山崎の三塁打で２点を勝ち越した直後、「小学生の時以来」というスクイズを初球できっちり投前に決めた。正遊撃手の西浦が打率２割と苦しむ中で得た先発の機会で、アピールに成功した。「レギュラーになるためにプロに入った」と強気に話すルーキーが、定位置争いで存在感を増している。

◆ヤクルトは若手野手陣の奮闘で引き分けを挟んで２連勝。八回１死一、二塁で山崎晃大朗外野手（２７）が左中間への決勝２点三塁打を放った。ドラフト４位・元山飛優内野手（２２）＝東北福祉大＝も２号２ランを含む３打点。九回は石山が３連投でセ・リーグトップの７セーブ目を挙げた。高津監督の主な一問一答は以下の通り 　－－若手野手陣が奮闘 　「本塁打で点は取れたけど、その後はなかなか安打で点を取ることができなかったので、ストレスのたまる途中のイニングだった。山崎と元山がしっかり一発で決めてくれたというのは大きかったです」 　－－元山を２番に起用 　「いろいろ作戦がある打順。勉強もさせないといけないし、まだ理解していない部分であったり、できないことであったりというのがたくさんある。経験を積ませたいなと思って２番に置いています。結果が出れば、もちろんいいんですけど、今のままでは、まだまだという感じはします。勉強することだったり経験することはたくさんあると思うので」 　－－３－５番が無安打 　「クリーンアップが打てば点は入るんだろうけど、それ以外のところでどうやって点を取るか。足を絡めたりとか、犠打を使ったり進塁打、出塁...。そこが終盤によくできたのかなと思います」 　－－石山が３連投で７セーブ目 　「信頼？　もちろん、もちろん。彼は放っておけばいいんだよ。体のケアをして１年間持たせるようにこちらが気を使ってあげればいい。あとはもう、ちゃんとやってくれると思うので」

◆広島がヤクルトに競り負け、２カードぶりの負け越しで借金「１」に転落した。佐々岡真司監督（５３）の主な一問一答は以下の通り。 　－－先発の遠藤が２被弾含む３回２安打３失点 　「高いのは高いが、それよりも勝負できる球ではない。球自体も、いいときの球じゃない。生きた球じゃない、腕も振れていない。全てがよくない。自信なさそうに投げているし、ストライクが取れるような、気持ちで向かっていっているのか」 　－－次回、１軍登板は 　「ないですね。この状態なら１軍では投げられる球ではない」 　－－打線は１１安打を放ちながらもビッグイニングがなく４得点どまり 　「１点は取れるけど、２、３点目が取れない。つながりがでなかったから、こういう試合になった。何試合かそういう展開になっている。ランナーがたまって長打なりが出れば、違った展開になると思うんだけど...」 　－－今季初スタメンの小園が１安打２打点 　「しっかりと打ってくれたし、守る方もしっかりしてくれた。ハツラツと、元気よくを求めている。失敗を恐れずやってほしい」 　－－六回には三塁・安部がゴロをトンネル 　「正面だからね。ああいうところをしっかりやってほしい。でもそのあと自分で返したのは意地があったと思う。でもまずは守り。流れが悪いときは守りを大事にしておかないといけない」 　－－勝率５割を切った 　「こういう状態のなかで借金１というのをプラスに考えてね。またあした、ジャイアンツとしっかり戦っていきたい」

◆守護神の石山が３連投で１回を無失点に抑え、セ・リーグ単独トップの７セーブ目を挙げた。２０日、２１日はいずれも３者連続三振。この日の羽月、西川まで８者連続三振をマークした。高津監督は「体を１年間持たせられるようにこちらが気を使ってあげれば、あとはちゃんとやってくれると思う」と全幅の信頼を寄せた。防御率は０・８７と難攻不落だ。

◆ヤクルトは２２日、広島６回戦（マツダ）に７－４で競り勝ち、２連勝（１分け挟む）を飾った。プロ初の「２番・遊撃」で先発出場したドラフト４位・元山飛優内野手（２２）＝東北福祉大＝が２号２ランを含む３打点の活躍。１番・山崎晃大朗外野手（２７）が八回に決勝の２点三塁打を放つなど"若燕"の奮闘で３位をキープした。 　直球の勢いを殺して、投前に転がした。６－４の八回１死三塁。元山が駄目押しのスクイズを成功させた。 　「体のどこに当ててでもバントしてやろうという思いだった。いいところに転がってくれて良かったです」 　初の２番に抜擢（ばってき）され、三回無死一塁では右越えに２号２ラン。「１打席目も無死一塁で、遊飛だった。次は同じことをしないようにと思って必死に食らいつきました」と気持ちを前面に出して、自身最多の３打点をマークした。 　東北福祉大出身。仙台六大学リーグでは２年春に打率・４８６で首位打者、打点王に２度輝いた左の好打者だ。男子ゴルフでマスターズを初制覇した松山英樹（２９）は母校の大先輩。面識はないが、アジア人初の快挙に「ゴルフ部と野球部は寮が近いので、あそこにいた人が、と思ったらすごいなと。松山さんみたいになれるように頑張りたい」と大きな刺激を受けた。 　この日は山田、村上、青木の中軸が無安打だったが、チームは８安打で７得点。八回に山崎が決勝の２点三塁打を放つなど、若手の奮起で白星をつかんだ。２月のキャンプから競争を促してきた高津監督は「クリーンアップが打てば点は入るだろうけど、それ以外でどうやって点を取るか。足を絡めたり、犠打を使ったりとか進塁打、出塁...。そこが終盤によくできたのかなと思う」とナインをたたえた。 　新外国人のサンタナ、オスナが早ければ２３日から１軍に合流する可能性もある。若手、中堅、ベテラン、助っ人が融合する新・燕打線の完成は間近だ。（横山尚杜）