巨人(☆3対2★)阪神 =リーグ戦5回戦(2021.04.21)・東京ドーム=
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阪神
2000000002512
巨人
01010100X31202
勝利投手:畠 世周(2勝1敗0S)
(セーブ:ビエイラ(0勝0敗1S))
敗戦投手:青柳 晃洋(2勝1敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(2号・1回表ソロ),マルティネス(6号・1回表ソロ)
【巨人】岡本 和真(2号・2回裏ソロ),岡本 和真(3号・4回裏ソロ)

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◆巨人は1点ビハインドで迎えた4回裏、岡本和の2打席連続となるソロで同点とする。そのまま迎えた6回には、2死一二塁から吉川の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・畠が6回2失点の好投で今季2勝目。敗れた阪神は、打線が2回以降2安打と振るわなかった。

◆巨人の梶谷隆幸外野手(32)は東京ドームでよく打つ。ビジターの12試合では打率1割5分7厘も、本拠地の東京ドームでは10試合で34打数14安打、打率4割1分2厘。15日中日戦が4安打、20日阪神戦が3安打と、本拠地では2試合連続猛打賞中。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、4試合ぶりの本塁打を目指す。 ここまで78打席で5本塁打。平均すると、15・6打席に1本、本塁打が出ている計算になる。15日に5号を放ってから、ここまで14打席ノーアーチ。前日20日は両チーム合わせて6発の空中戦で、佐藤輝にも東京ドーム1号の予感が漂う。 試合前のフリー打撃では33スイングで10本の柵越え。チームは8連勝中。07年に10連勝(8月30日~9月9日)して以来、14年ぶりの9連勝を導けるか。

◆阪神が21日の巨人戦に勝てば、岡田彰布監督時代の07年以来、14年ぶりの9連勝になる。07年の阪神を振り返ると、ジェットコースターのようにアップダウンの激しいシーズンだった。 この年からメジャーに挑戦したエース井川慶の穴は大きく、4月末から9連敗するなど低空飛行が続いた。6月23日時点で借金7の4位、首位巨人に12ゲーム差をつけられた。だが、交流戦後の7月に入って巻き返し、貯金生活に突入。8月30日の広島戦から怒濤(どとう)の10連勝を飾り、9月9日には貯金6で巨人をかわして首位に立った。 12ゲーム差をひっくり返しての首位は、当時のセ・リーグ最大の逆転劇。10連勝の立役者は、守護神の藤川球児だった。僅差の試合の連続で、9回のマウンドは、来る日も来る日も藤川、藤川、藤川。うなりを上げる火の玉ストレートが打者を圧倒した。何と、2リーグ分立後ではセ・リーグタイの10試合連続登板。2勝7セーブを稼ぐ大車輪だった。「10連投でチームも10連勝」は1リーグ時代も含めてNPB初の快挙だった。 だが、残り21試合でマジック点灯も目前だったチームは、9月19日から8連敗と急降下。最終的には74勝66敗4分けの3位で、2年ぶり優勝はならなかった。この年から導入されたクライマックスシリーズでは中日に2連敗で終戦した。07年は上下動の激しいシーズンだったが、今季の阪神はどうか。注目の一戦は午後5時45分プレーボールだ。

◆首位を快走する阪神は、4ゲーム差で2位巨人と対戦する。矢野政権最長で7年ぶり8連勝中の阪神は、青柳晃洋投手(27)が先発する。今季は3試合に先発して2勝を挙げ、防御率1・35と安定感抜群。昨季、巨人戦は3戦3敗で、19年5月14日以来の巨人戦白星を目指す。東京ドームでは昨年2戦2敗の防御率5・40だった。 巨人は畠世周投手(26)が先発。今季は1勝1敗、防御率3・00。阪神とは4月7日に対戦時、4回途中4失点でKO負けしており、雪辱のマウンドになる。 ? 阪神は投打の歯車ががっちりかみ合う。9連勝なら07年8月30日~9月9日に10連勝して以来、14年ぶりになる。

◆8連勝中の首位阪神がいきなり「不敗神話」を発動させた。 1回表、1番近本光司外野手(26)が畠の内角151キロをとらえ、先頭打者弾となる先制2号ソロ。「甘く入ってきたボールをしっかりとらえることができました」と納得だ。 さらに前日2打席連続弾を決めている3番ジェフリー・マルテ内野手(29)が左越え6号ソロを決め、いきなり2点をリード。「近本がいい流れを作ってくれたし、自分も集中して打席に入ったよ。初回から"ラパンパラ"をみんなですることができてうれしいね」と喜んだ。 試合前の時点でチームは今季先制すれば16連勝中。勢いが止まらない。

◆メモリアルの通算100号本塁打まで、あと1! 巨人岡本和真内野手(24)が自身5度目の2打席連続アーチを決めた。2回には阪神青柳の初球、内角低め143キロを左中間席へ2号ソロ。「打ったのはシュートです。すぐに1点を返せて良かったです。打てて良かった」とコメントしたのもつかの間、4回1死では同じく初球、内角低め141キロを左翼席へ運んだ。 2打席連続本塁打は、20年11月7日ヤクルト戦以来。自身初の1試合3発で、節目の大台到達となるか。

◆阪神が競り負け、連勝が8で止まった。1回、近本が今季2号の先頭打者本塁打を右翼に運んで幸先よく先制した。さらにマルテも6号ソロ本塁打を放ち、2点を先制した。 だが、先発青柳が4番岡本に2被弾して追いつかれると、6回、吉川に左前適時打を許して勝ち越された。「スミ2」での逆転負け。先制すれば開幕から16連勝中だったが「神話」は途絶えた。また、8連勝中は先発投手が全勝していたが、青柳が今季初黒星を喫し、こちらの神話も止まった。チームは勝てば岡田監督時代の07年以来、14年ぶりの9連勝だったが宿敵巨人に阻まれた。

◆阪神が競り負け、連勝が8で止まった。1回、近本が今季2号の先頭打者本塁打を右翼に運んで幸先よく先制した。さらにマルテも6号ソロ本塁打を放ち、2点を先制した。 だが、先発青柳が4番岡本に2被弾して追いつかれると、6回、吉川に左前適時打を許して勝ち越された。「スミ2」での逆転負け。先制すれば開幕から16連勝中だったが「神話」は途絶えた。また、8連勝中は先発投手が全勝していたが、青柳が今季初黒星を喫し、こちらの神話も止まった。チームは勝てば岡田監督時代の07年以来、14年ぶりの9連勝だったが宿敵巨人に阻まれた。

◆阪神は1回、近本の先頭打者弾とマルテの2試合連続となる6号ソロで2点を先制。巨人は2回、岡本和の2号ソロで1点返した。 巨人は4回、岡本和の2打席連続となる3号ソロで同点。6回2死一、二塁から吉川が左前適時打を放ち、勝ち越しに成功した。 巨人は7回から継投策に出て逃げ切った。先発畠は6回2失点で2勝目。阪神は2回以降は無得点に抑えられ連勝は8で止まった。青柳が1敗。巨人ビエイラが今季初セーブ。

◆4番のバットが、阪神の無敗神話を粉砕した。巨人岡本和真内野手(24)が2点を追う2回に2号ソロ、1点差の4回は3号同点ソロ。自身5度目の2打席連続アーチで、先制すれば16連勝中だった首位阪神の9連勝阻止に貢献した。 めちゃ×2イケてるッ! 岡本和がバットをぐるぐる回してかっ飛ばした。2点を追う2回無死。阪神青柳の内角低めシュートをバシッと捉えた。左中間席に飛び込む2号ソロに「すぐに1点を返せて良かったです。打てて良かった」。くすりとも笑わず、ぶぜんとダイヤモンドを周回した。 先制逃げ切りで首位を走る虎の尻尾をつかまえた。1点差に迫った4回1死。再び青柳の内角低めシュートをぺろりとのみ込んだ。自身5度目の2打席連続アーチとなる3号同点ソロを左中間席に放り込んだ。試合前時点で18打数4安打、1本塁打、打率2割2分2厘で得意でも不得意でもない青柳から、たった2球、2スイングで2点をゴチになった。 2連発でプロ通算99本塁打に到達した。球団の100号スピード記録は原辰徳の453試合が最速で、次点は松井秀喜の468試合。この試合が462試合目の岡本和はゴジラ超えの可能性を残す。プロ1年目。1軍昇格時に先輩たちを前に「反町隆史です」とあいさつした。プロ7年目。通算本塁打を"ナインティナイン"まで積み上げた岡村ではなく岡本。100本塁打への王手連弾で逆転勝利を呼び込み「(100号は)まあ、正直、意識したことはないんですが、チームを勝ちに貢献できるように1本、1本。積み重ねていきたいなと思います」と真顔で言った。笑いのツボは勝利の中だけにある。【為田聡史】

◆巨人畠世周投手が粘りの6回2失点で2勝目を挙げた。1回に先頭近本、3番マルテに被弾し、2点を先制された。 「正直、テンパった」と脂汗を拭ったが、4回からセットポジションに変えて6回までつないだ。「少しずつイニングを重ねるごとに、改善がうまくできたんじゃないかと思う」と打線の援護を辛抱強く待ち、チームの勝利に貢献した。

◆阪神青柳晃洋投手が6回9安打3失点と粘るも今季初黒星を喫した。 先発投手に黒星が付くのは、8日巨人戦(甲子園)の秋山以来9戦ぶり。「チームに先に点を取ってもらったというのをリードで逃げ切れなかったことが、一番反省かなと思います」。初回に2点のリードをもらいながら、4番岡本和には2打席連続本塁打を浴びた。6回1死一、三塁のピンチでは、大城を投ゴロに打ち取り三塁走者の生還を阻止するも、続く吉川尚に決勝の左前適時打を打たれた。 それでも矢野監督は「1点、1点やからこういうゲームになったと思うし、最後は不運なところもあった。絶好調ではなかった中でもしっかり投げてくれたのは、ヤギの成長の部分」と責めなかった。

◆3戦連続「ラパンパラ」だ。阪神マルテはこの日もアーチをかけた。1回表、1番近本の先頭打者弾が飛び出した後の1死、畠の初球スライダーを引っ張った。左翼ポール際席に6号ソロ。「近本がいい流れを作ってくれたし、自分も集中して打席に入った。初回から"ラパンパラ"(ポーズ)をみんなでやれてうれしい」。1発後はまたもナインと喜びを分かち合った。 18日ヤクルト戦で3号2ラン。前日20日巨人戦は先制4号ソロ、5号2ラン。さらに3戦連続アーチ&マルチ安打を記録し、6本塁打でチーム最多のサンズに並んだ。3回無死三塁では三ゴロに倒れたが、一塁守備でも好守を披露。1点ビハインドの8回1死満塁で一ゴロを突っ込んでバックハンドキャッチし、間一髪で本塁封殺を決めた。 新外国人ロハスが来日初実戦となった2軍戦で快音を響かせた日に、攻守でアピール。井上ヘッドコーチは「ロハスが使える状態になれば、投手の枠、野手の枠がどういう形がベストか考えないといけないけど、あおることはしない。あれだけ頑張っているジェリーとマルに『来るぞ、来るぞ』ということは、まったくもって考えていない」と2人に対する信頼を口にした。

◆巨人吉川尚輝内野手が攻守で貢献した。 6回に佐藤輝の右前に抜けそうな打球に追いついて安打を阻止し「相手に流れが行かずに、あそこで止められたのは良かった」と納得の表情。打撃では6回2死一、二塁で「何とかしようという気持ちだけで打った」と左前に決勝適時打を放った。原監督は「今年は非常に苦しんでいるが一番バットを振っている。そういう中でああいう安打が出たのかな」と喜んだ。

◆阪神糸井嘉男外野手が左腕に死球を受けて、途中交代した。1点を追う7回2死走者なしで代打で登場。 カウント2-1からの4球目は内角へ。打ちにいったが、左腕内側付近を直撃した。直撃した箇所の感触を確かめながら一塁に達したが、代走を送られた。 井上ヘッドコーチは「当たったところはここだから。力が入らないのは当然のこと。抹消ということは多分ないと思うけど、どうだろう。また、明日の練習を見て、そこは判断します」と説明した。今季は代打の切り札としてこの日まで8打数2安打だった。

◆阪神小林慶祐投手が8戦連続無失点に抑えた。 2番手で7回に登板。先頭の松原に中前打を浴びたが、続く坂本を右飛。梶谷は自らの失策で出塁させるも、最後は4番岡本和を148キロ直球で遊ゴロ併殺に打ち取った。「ランナーを出してしまいましたが、なんとか0点で抑えることができて良かったです」。開幕から7回3 1/3を投げ、被安打はわずか4と安定している。

◆阪神井上一樹ヘッドコーチがドラフト1位佐藤輝にゲキを飛ばした。1点を追う9回に剛腕ビエイラと対戦。160キロ外角速球に空振りし、驚いたような表情だった。 最後は159キロの沈む球に空を切った。荒れ気味の投手との対戦だ。同コーチは「負けまいと思って力が入るのか、冷静にそこで球を見極めることができたのか。球を見極めたとしたら、勝負はどうなっていたか分からないことを受け止めてほしい」と話した。 1点を追う最終回の先頭打者だったが代打は出さず。「監督が輝をそのまま出したのはアイツに対して経験であり『お前、レギュラーとして頑張らないといけないんだよ』というメッセージが込められていると輝的には、感じないといけない」と同コーチ。近大の先輩畠に2三振するなど、4打数無安打だった。

◆4番のバットが、阪神の無敗神話を粉砕した。巨人岡本和真内野手(24)が2点を追う2回に2号ソロ、1点差の4回は3号同点ソロ。自身5度目の2打席連続アーチで、先制すれば16連勝中だった首位阪神の9連勝を阻止した。出場462試合目で王手をかけた通算100本塁打の球団のスピード記録は原辰徳監督の453試合で、2位は松井秀喜の468試合。伝統の一戦で覚醒の兆しを漂わせた主砲が、一気に大台に到達する可能性は十分だ。鮮やかなバットの軌道からきれいな放物線を描いた。1点を追う4回1死、岡本和はまるでリプレーかのように内角低めの初球ツーシームを振り上げた。2打席連続で左中間席に放り込む3号アーチで通算100号に王手をかけた。「ヒットでもホームランでもうれしい。相手も勢いに乗ってますし、何とかひっくり返そうと思った。ホームランになって良かった」と試合を振り出しに戻した。 白木のヘッドとともに調子の闇を払った。通常はヘッドが黒で根元が白木のバットを使用するが18日のDeNA戦からヘッドが白木で根元が焦げ茶のバットに変更した。「気分転換です」というように、配色以外は何も変わらない。開幕前から用意していたもので、33・5インチ、890グラムのメープル製だ。 使い出して以降、3試合連続安打で12打数5安打、2本塁打4打点。1号を放って以降32打席1発がなかった中で「みなさんが僕が打ってない時に打ってくれて勝てたのはありがたかった。逆になったときに僕が何とかできるように」とこの時を待っていた。 前日20日には打撃2冠を獲得した昨季、本塁打王を争った大山に目の前で2本塁打を見せつけられた。2位から首位阪神を追う立場として「負けられない3連戦なんで」と闘志を燃やした。この日の入場者数は1万3969人。入場制限があり、満員には程遠いが、伝統の一戦を主砲の1発が盛り上げた。 プロ7年間で積み上げた本塁打は99本。節目の100号に向け「正直意識したことないですけど、チームの勝ちに貢献できるように1本1本積み重ねていきたい」。眠りから覚めた先には、鮮やかな未来が広がっている。【久永壮真】 ▽巨人原監督(岡本和の2発に)「1点目も2点目も目が覚めるというか、自軍に火をつけるというかね。どこか自分で(責任を)背負いながらやっている部分において、これはもう、4番バッターはそういうポジションですから。逆に喜んで楽しんで戦うという気持ちを持ってもらいたい」 ▽巨人ビエイラ(来日2年目で初セーブ)「チャンスをもらったことに感謝しています。これからも与えられた仕事をまっとうしたい。全力で投げ込みます」

◆今季初登板となった阪神馬場皐輔投手がピンチを招くも1回無失点で切り抜けた。 「今季初の登板ですごく気合が入っていました」。8回にマウンドへ上がると、1死から連打と四球で満塁。代打亀井を一ゴロに打ち取ると、松原を空振り三振。「ランナーを出してピンチは背負ってしまいましたが、なんとか0点で抑えることができて良かったです」。前日20日に今季初昇格。昨季32試合に登板したリリーバーは、ここからフル回転する。

◆1回表、阪神1番近本光司外野手(26)が巨人畠世周投手の内角151キロをとらえ、先頭打者弾となる先制2号ソロを放った。 ▼阪神近本が初回先頭打者本塁打。先頭打者弾は4月4日の中日戦(京セラドーム大阪)に次いで今季2本目で通算6本目。球団では和田、マートン、鳥谷に並び歴代6位(1位は真弓の38本)となった。セ・リーグの本拠地球場の中で、東京ドームは通算打率2割2分8厘と最も相性が悪いが、本塁打は本拠地の甲子園と同じ6本を記録。このうち3本が先頭打者弾と本塁打に関しては相性がいい。

◆その瞬間、虎党の誰しもが思った。今日も勝ったで-。快進撃の中で生まれた先制神話。阪神近本光司外野手(26)の放物線が夢を与えた。巨人先発畠の立ち上がり。151キロ直球を捉えると、打球は右翼席中段へ飛び込んだ。「甘く入ってきたボールをしっかりと捉えることができた」。今季2本目、通算6本目の先頭打者本塁打は、和田豊、マートン、鳥谷敬に並び、球団歴代6位タイ。チームの歴史を彩ってきた1番打者の記録に名を連ねた。「いいスイングができた」と納得の表情だった。 チームが首位を走る中、1人苦しんでいた。打率は1割台と2割台を行ったり来たり。ともに低空飛行だった4番大山は、前日20日に2発で完全復調を印象づけた。リーグトップの打率、得点を誇るチームで、1番近本が取り残されていた。 昨季も開幕月は打率1割台。そこから最終2割9分3厘まで修正した地力が、近本にはある。18日ヤクルト戦(甲子園)での4安打から、これで今季2度目の3試合連続安打。昨季8打数3安打で打率3割7分5厘と相性のいい畠を踏み台に上昇モードだ。井上ヘッドコーチも「今日もいけるで、というものを出してくれたのは先頭打者」とたたえた。好調なチームにリードオフマンが復調とくれば、鬼に金棒だ。 チームは先制すれば今季16連勝中、本塁打が出れば13連勝中だったが、逆転負けで「不敗神話」は崩れた。07年以来の9連勝を逃したが、近本の復調気配はプラス材料。「毎日勝ちたいと思っているし、やられたやつに対して何もない気持ちで臨むこともない。プロである以上、やられたらやり返すというのは当たり前のこと」と矢野監督も前を向いた。22日の巨人先発は前回8回途中無失点に抑えられた左腕高橋。敵地でカード勝ち越しを決め、再び連勝街道を走る。【中野椋】

◆阪神矢野燿大監督は好機を逸した3回の場面を悔しがった。 1点リードで迎えた3回。先頭糸原が三塁打を放ち、無死三塁としたが3番マルテ、4番大山が連続で三ゴロ。続く5番サンズは空振り三振を喫した。指揮官は「タラレバを言えば追加点なあ。ケント(糸原)の三塁打のところで1点ほしかったけど」と振り返った。ただ、「それもみんなが積極的にいった結果やからこっちとしても受け止める」とナインを責めることはなかった。

◆2位巨人が首位阪神の無敗神話と連勝をストップさせた。初回に2点を先制されたが、2回と4回に4番岡本和真内野手(24)が2打席連続ソロを放って同点。6回2死一、二塁で吉川尚輝内野手(26)が決勝の左前適時打を放った。 先発の畠世周投手(26)が粘りの投球を見せて6回2失点で2勝目。9回はチアゴ・ビエイラ投手(28)が締めて来日2年目で初セーブを挙げた。 首位攻防戦として迎えた伝統の一戦の21年第2ラウンドは、これで1勝1敗。今日22日の先発は今季3戦3勝の高橋優貴投手(24)。球団では19年山口以来の開幕4戦4勝を成し遂げ、首位阪神とのゲーム差を2に縮められるか。 21日の試合後の原辰徳監督(62)の主な一問一答は以下の通り。 -接戦を制した そうですね。流れがかなり向こうに行ったんですが、何とか全員の力でね。あれ以上点を与えなかったわけですから良かったですね。 -4番岡本和が2打席連続本塁打で流れを引き戻した まさにそうですね。1点目も2点目も目が覚めるというか、自軍に火をつけるというかね。どこか自分で(責任を)背負いながらやっている部分において、これはもう、4番バッターはそういうポジションですから。逆に喜んで楽しんで戦うという気持ちを持ってもらいたい。 -2球とも足元の難しい球だった ねえ。あれで昨年やられてたというところでね。本人も対策というのはあったと思いますね。 -吉川が決勝打 ね! しっかりいい形で詰まってくれて。今年は非常に苦しんでいるが、チームの中でも一番バットを振っている。そういう中でああいうヒットが出たのかなと。勝負強さも出ましたね。 -重信をはじめ、下位打線のつながりもいい そう思います。なかなかいいところが出ないと、今のタイガースを上回ることっていうのは難しいと思いますね。 -先発の畠は初回の2失点以降は立ち直った そうですね。特に(3回無死、2番糸原に)三塁打を打たれてクリーンアップを抑えたというのがね。あれが非常に圧巻だったですね。本人もあの心技体というのを忘れてほしくないよね。この次が楽しみですね。 -好守備でもり立てた いろんなものが集約しないと。タイガースは非常に勢いのあるチームですから。それをみんなで受け止めてね。今日に関しては何とか1点差ではねのけることができたということですね。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が試合前練習でフリー打撃を行い、快音を連発させた。  他球場と比べて、ホームランが出やすいとされる東京ドームで、ルーキーのパワーが炸裂(さくれつ)した。30スイングで柵越えは驚異の10本。東京ドーム初参戦となった20日は内野安打のみに終わっていたが、敵地での初ホームランに期待は高まるばかりだ。巨人先発は畠。近大の先輩でもある右腕から特大アーチを放つ。

◆巨人・岡本和真内野手(24)が8試合ぶりとなる2号ソロを放った。  2点を追う二回先頭、青柳の初球、内角低めのツーシームを捉えた。11日の広島戦(マツダ)以来の本塁打。試合前時点で打率・192、1本塁打、12打点と苦しむ4番が、ライバル球団との一戦で目を覚ました。岡本にとってはこれがプロ通算98本目のアーチとなった。

◆巨人・岡本和真内野手(24)が2打席連続本塁打を放った。2点を追う二回先頭、青柳の初球、内角低めのツーシームを捉え、11日の広島戦(マツダ)以来8試合ぶりとなる2号ソロ。1点差で迎えた四回1死での第2打席では内角低めのツーシームを再び左中間席へ運び、同点の3号ソロ。"デジャヴュ"のような2打席連続アーチだった。プロ通算99本目のアーチとなり、大台到達に王手をかけた。

◆阪神・青柳晃洋投手(27)が先発し、2-2の六回に勝ち越し点を献上した。  一回のソロ2発で援護点をもらうも、二、四回に4番・岡本和に2打席連続ソロを浴び、同点に追いつかれた。  その後は畠との粘り合いだったが、六回にボテボテの二塁内野安打2本などで1死一、三塁のピンチを招く。大城の投前へのゴロを本塁へのグラブトスで三走・岡本和を間一髪でアウト。原監督のリクエスト要求によるリプレー検証の結果、判定は覆らなかったが、8番・吉川には詰まりながら左前に運ばれ、リードを許した。  チームにとってビハインドの展開は8日の巨人戦(甲子園、●0-3)以来、9試合ぶりで、実に78イニングぶりとなった。

◆阪神は逆転負け。一回に近本の初回先頭打者本塁打、マルテの左翼ソロで2点を先制したが、先発した青柳が二、四回に4番・岡本和に2打席連続ソロを浴びて同点とされ、六回には2死一、二塁で吉川に左前への決勝打を許した。  打線も二回以降は相手先発・畠を打ち崩せず、七回からは継投策にかわされた。先制した試合では今季17試合目で初黒星。9日のDeNA戦(横浜)から続いていた連勝も「8」でストップした。

◆オレンジ色のスタンドに強烈な先制パンチが突き刺さった。4差の2位・巨人との伝統の一戦。第2ラウンドは、また空中戦となった。近本光司外野手(26)が今季2度目の先頭打者ホームランで、ゴングを鳴らした。  「甘く入ってきたボールを、しっかりと捉えることができた。いいスイングができましたし、次の打席も打てるように頑張ります」  一回、プレーボールからわずか3球目のひと振りだった。畠の失投を見逃さない。真ん中付近に入った151キロを一閃。打った瞬間の当たりは、右翼席中段で弾んだ。4日の中日戦(京セラ)に続く2号ソロ。通算6度目の先頭打者弾に、白い歯をのぞかせた。  近本の一撃で主導権を奪った打線は、その後、1死からマルテにも6号ソロが飛び出した。「近本がいい流れを作ってくれたし、自分も集中して打席に入ったよ」。このまま一気に波に乗りたいところだったが、追加点が奪えない。  その象徴的なシーンは三回。糸原が無死から三塁打で出塁したものの、マルテ、大山が三ゴロ、サンズが三振に倒れて、追加点が奪えなかった。先発青柳は二、四回に岡本和にソロを浴び、六回に勝ち越しを許してしまった。終わってみれば一回の2点だけで、惜敗。「先制無敗」の連勝は16で止まり、チームの連勝も8でストップ。ほろ苦い敗戦となった。

◆阪神は「先制全勝神話」が崩れて、連勝は8でストップ。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  ■ソロはしゃあない  --青柳は粘っていた  「この球場やからな。ソロホームランしゃあないから。その中で1点、1点やから、こういうゲームになったと思うし、最後は何とか不運なところもあったし。いつも通りというか、丁寧に投げてくれたと思う」  --球場が球場だけに丁寧にという印象があった  「その心理がバッテリーに働いてしまうし。攻めるという気持ちも必要やったと思うけど、全体的にヤギらしさがなかったということはないんでね。絶好調ではなかったかもしれないけど、その中でも、しっかり投げてくれたというのはヤギの成長の部分かな」  ■ポイントは三回  --打線はいい形で先制。いい投手で簡単には  「もちろん、タラレバ言えば追加点なあ。(三回の)ケント(糸原)の三塁打のところで1点欲しかったけど。みんな積極的にいった結果やから受け止めている。馬場も最後、今季初登板のところで粘ってくれたし。全体的にやることやった負けかと受け止めています」  --守備は良かった面が出た  「そうやね。マルちゃんもそうやし、タクム(中野)もいいプレーもあったし。まあでも最後、1人出たらおもろかったんやけど、それもしゃあないけど」  ■リベンジあるのみ  --22日は前回やられた高橋と対戦  「毎日、勝ちたいと思っているし、やられたやつに対して何もない気持ちで臨むということはないんで。プロである以上、やられたらやり返すというのは当たり前のことやし。それはチーム全体でやらないと。そういう野球ができているんで、そこは心配はしていないです」

◆巨人の吉川が勝ち越し適時打を放った。2-2の六回2死一、二塁で、変化球を詰まりながらも左前へ落とし「気持ちで打った」と晴れやかに話した。  二塁の守備では、六回2死一塁で、佐藤輝の一、二塁間を抜けそうな打球を好捕して素早く一塁へ送球しアウトに。先発した同期入団の畠をもり立てた。原監督は「今年は非常に苦しんでいるが、チームの中でも一番バットを振っている。勝負強さも出たね」と目を細めた。

◆巨人の畠が6回2失点で2勝目を挙げた。一回に2本塁打を浴びたが動じなかった。フォークボールを効果的に決めて二回以降は得点を許さず、7日の前回対戦で四回途中4失点とKOされた阪神に雪辱。「何とか粘ることはできた。すごく自信になった」と胸をなで下ろした。  宮本投手チーフコーチから助言を受け、無走者でもセットポジションで投げるようにし始めた四回は3者連続三振。「タイミングを変えたことがいい方向に向かってくれた。良かった」と感謝した。

◆粘って粘って逆転の2勝目だ。巨人・畠世周投手(26)が6回5安打2失点で今季2勝目(1敗)を挙げた。  「今までは点を取られたらズルズルと取られてしまうことが多かったが、粘れたのは自信になる」  一回、近本の先頭弾とマルテにソロを浴び、10失点で大敗した前夜の嫌なムードが再び漂ったが、二回以降は別人に変身した。  桑田投手チーフコーチ補佐から「丁寧に投げていこう」との助言もあり、最速151キロの直球に、フォークボールやチェンジアップを駆使し、好調の阪神打線を手玉に取った。  四回以降は走者なしでもセットポジションに切り替えるなど試行錯誤し、「イニングを重ねるごとに改善できた」。原監督も「クリーンアップを抑えた。非常に圧巻だった」と賛辞を惜しまなかった。プロ5年目。いよいよ才能が開花し始めた。(伊藤昇)

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(27)は6回3失点。四回に巨人・岡本に許した2打席連続本塁打を反省した。  執念の110球で青柳は必死にG打線の攻勢に抵抗した。岡本和の2発を含む9安打を浴びながら6回3失点の粘投も、今季初黒星を喫した。  「詰まった当たりで、落ちたところがよかったなと思ったんですけど。ん~、というよりも、岡本に2打席目に打たれたのがもったいなかった」  六回、吉川に与えた勝ち越し打よりも、四回の岡本和の2発目を反省した。2-0の二回先頭、見逃せばボールという内角低め143キロを左中間席にほうり込まれた。さらに四回1死、クイックで投じた内角低めの141キロを捉えられ、左中間席へ同点ソロ。まるでリプレー映像をみているようだった。  「1打席目も2打席目も、入りのボールを待っていたのかな。違うボールで入れたら良かった。クイックにしたことによって若干、タイミングが狂うかなと思ったんですけど、結果、ホームランだったので...」  2019年5月29日の巨人戦(甲子園)以来となる1試合2被弾。それでも同点ソロの後の1死一、二塁のピンチは後続を断った。六回は岡本和のボテボテの当たりが内野安打になるなど、運もなかった。この回は素早いグラブトスで本塁突入を阻止したものの、2死一、二塁から吉川に勝ち越し打を許した。  矢野監督は「この球場やから。ソロホームランしゃあない。最後は不運なところもあったし」と責めず「絶好調ではなかったかもしれないけど、その中でもしっかり投げてくれたというのはヤギ(青柳)の成長の部分」とむしろねぎらった。  先発投手の連続白星と虎の連勝は「8」でストップ。「チームに先に点を取ってもらったというのを、リードで逃げ切れなかったことが一番の反省」と青柳。やり返す機会はまだまだある。(新里公章)

◆下を向く必要はない! 阪神は巨人に2-3で逆転負けし、連勝が8で止まった。開幕から先制すれば必ず勝っていたが、それも17戦目でストップ。それでも矢野燿大監督(52)は「全体的にやることやった負け」と前向きに受け止めた。  球審の右手が上がった約30秒後、虎のリードオフマンの鋭い打球も、虎の"勝率"もグングン上がった。開幕から前夜まで先制すれば16連勝してきた虎に、近本の2号先頭打者アーチがあっという間にパワーを与えた。やはり神話は続くのか!? と最後まで思わせた戦いぶりに、矢野監督は力強く前を向いた。  「全体的にやることやった負けかと受け止めています」  近本の一発から1死を挟み、今季打点を挙げれば6連勝中だったマルテも6号ソロ。連勝を8まで伸ばしてきたナイン全員で勝てる、勝ちたいという思いは全開だった。  六回に2-3と勝ち越され、連勝中に一度も相手にリードを許さなかった虎は8日の巨人戦(甲子園)以来、実に9試合&78イニングぶりにビハインドに立たされた。ズルズル引き下がってもおかしくないところで、今季の矢野虎は耐えた。  七回には2番手・小林が自身の失策も絡んで1死一、二塁のピンチを背負った。2発3安打の岡本和を迎えたが、中前へ抜けようかという当たりにD6位・中野(三菱自動車岡崎)がグラブを伸ばし、二塁へバックトスして併殺を完成させた。八回には3番手の馬場が1死満塁としたが、高いバウンドの一ゴロをマルテが懸命にさばいて本塁封殺してみせた。  振り返ればもちろん、1点リードしていた三回無死三塁で無得点に終わった場面は口惜しい。1点ビハインドの九回の先頭打者を託したD1位・佐藤輝(近大)も、ビエイラの前にフルカウントから空振り三振に倒れ、神話継続の予感は現実のものとはならなかった。  だが、指揮官は「みんな積極的にいった結果やから、こっちとしても受け止めているし。馬場も今季初登板のところで粘ってくれたし」と評価。貯金は11、ゲーム差は3になったが、22日は八回途中2安打無失点で白星を献上した高橋を打って、勝ち越しを決める。  「プロである以上、やられたらやり返すというのは当たり前のこと。まあでも、そういう野球ができているんで、そこは心配はしていない」  戦い抜けば、神話はまたできる。神話より頼もしいナインを、再確認した負けになった。(長友孝輔)

◆虎を止めた!! セ・リーグ2位の巨人は21日、阪神5回戦(東京ドーム)に3-2で勝ち、首位を走る宿敵の連勝を8で止めた。一回に2点のリードを許したが、4番・岡本和真内野手(24)が二回に8試合ぶりとなる2号ソロ、四回にも同点の3号ソロを放ち、2打席連続本塁打で逆転勝利を呼び込んだ。同じ球を同じ左中間席中段へほうり込む"デジャビュ"のような2発で、自身の通算100本塁打に王手をかけた。  波のように押し寄せる阪神の勢いを、岡本和がバットで押し返した。0-2の二回、1-2の四回。ともに青柳の初球、内角低めのツーシームをすくい上げ、左中間席中段へほうり込んだ。  リプレー映像を見ているかのような"デジャビュ(既視感)"に襲われる2打席連続アーチ。「何とか食らいついて打ちにいこうと思っていた。結果が本塁打になったので良かった」。会心の2発に頬を緩ませた。  20日の第1戦はマルテ(2本)、大山(2本)、サンズ(1本)のクリーンアップに計5本塁打を浴びて屈辱的な5-10の敗戦。この日も先発の畠が一回に近本、マルテにソロを被弾したが、一発攻勢で乗りに乗っていた宿敵を前に、4番がやり返した。  2-2の六回には二塁への緩いゴロで激走し、吉川の勝ち越し打につながる内野安打もマークした。今季初の猛打賞(1試合3安打以上)。この試合前まで打率・192、1本塁打と苦しんでいた主砲が確かな復調気配を示し、チームを勝利に導いた。  祖父は熱烈な阪神ファン。奈良出身の24歳にとって"伝統の一戦"は、一味違うカードだ。「今はお客さんが少ないけど、やっぱり盛り上がりがすごい」と語る戦いで、阪神の8連勝だけでなく、先制した試合では今季16戦全勝というライバルの"不敗神話"も止めた意味は大きい。  プロ7年目で通算100号の節目に、あと1本まで迫った。本人は「正直意識したことはない」とサラリとかわすが、実はその中に忘れられない一本がある。 その他の写真(2/2枚)  高卒1年目、3打席目で初安打にもなったプロ1号ではない。それから3年後の2018年3月31日の開幕2戦目。相手は、この日と同じ阪神。場所は同じ東京ドーム。打ち込んだのも同じ左中間席中段。藤川球児から放った通算2本目だ。  「あれで『今年は頑張れるかも』って思ったんですよね。プロ初本塁打より心に残っています」  そこから打ちまくり、同年6月に第89代4番を"襲名"。昨季は初の本塁打王に輝くなど3年連続30本以上を達成した。大台到達を目前に、プロで戦う上での自信を得た"初心"を思い出させる2発にもなった。  「昨年は、あれ(内角低め)でやられていた。本人も対策はあったと思いますね。目が覚める、自軍に火をつける(本塁打)というかね。4番バッターは非常に責任あるポジションであると」  通算100本塁打を球団生え抜き最速の453試合で達成した原監督も目を細めた。カード3連戦勝ち越しをかけた22日の第3戦。記念すべき100本目を刻むには、これ以上の舞台はない。(谷川直之)

◆4番のバットは何よりもチームを勇気づける。岡本和がこれ以上ない舞台で、目覚めを迎えた。  一回に2点を先行され、またも阪神の勢いに飲み込まれそうな、嫌な空気を吹き払う2本塁打。特に2発目は、きらりと光っていた。  打ったのはどちらも初球で、インローのツーシーム。コースも低さも、ほぼ同じだった。打者は通常、前の打席で本塁打した球を、初球からは狙いにくい。違う球で入ってくるのか、同じ球をボールにしてくるのか...などとあれこれ考え、案外と迷うものだ。  それを見事に、初球で仕留めた。思い切りのいい、大胆な打撃だった。  これまでは、上体で球を追いかけすぎていた。不振の責任を感じ、結果を求める気持ちが強くなっていたように見えた。この2発で、そうした切迫感が消え、本来の打撃を取り戻せるのではないだろうか。  4番の奮起だけではなく、先発・畠も評価したい。一回に2本塁打を浴びたあと、なおも続いた1死二塁のピンチを切り抜けた。三回も無死三塁のピンチを招きながら、無失点。この踏ん張りが、チーム全体の踏ん張りを呼んだといえる。  とにかく、阪神を止めたことは意義深い。しばらくは、この2強のマッチレースになりそうだ。(本紙専属評論家)

◆青柳の状態は決して悪くなかった。岡本和に浴びた2発は、難しい球をうまく打たれたものだったし、決勝点の場面も打ち取った打球ばかりで不運だった。  あえて敗因を挙げるとすれば、三回の攻撃。無死から糸原が三塁打を放って、クリーンアップの打順。ところがマルテ、大山は早いカウントで、勢いだけで打ちにいってしまい、追加点を奪えなかった。投手出身の立場から見ると、すごく雑な打撃をしていたように映った。 ■1点差迫られた中ジックリ攻撃すべき  巨人は二回に岡本和の一発で1点差に迫ったとはいえ、実は必死。糸原の打球に梶谷がダイビングキャッチを試みたのも「もう1点もやれない」という必死さがにじみ出ていた。余裕はない。だからこそ、犠飛でもいいあの場面はジックリと攻撃してもらいたかった。  大ピンチをしのいだ畠は、明らかに立ち直ってしまった。追加点を奪っていれば、流れは阪神のままだったはずだ。  打線が好調な時ほど、陥りがちな落とし穴かもしれない。だからこそ、22日の試合が重要になる。(本紙専属評論家)

◆やっぱり野球の醍醐味はホームランだ。近本の先頭打者に始まり、マルテの2試合連発。敵の4番・岡本和の2打席連発。敗れたとはいえ、アーチ飛び交う連夜の東京ドーム決戦は、見ていても楽しかった。  日本屈指のホームランが出にくい甲子園を本拠地にするタイガース。日本でトップクラスにホームランが出やすい巨人の本拠地にやってくると、去年まではビクビクしたものだ。ことしは胸を張って"ド突き合い"に挑めている。ドッカ~ンが望める打者の多いこと、多いこと。  「でも、一番打ちそうなのは、やっぱり佐藤輝なんですよ。5発飛び出した20日の試合終盤も、そして今夜も、最後に佐藤輝が打ったら、すべて"オイシイとこ"をかっさらっていくんだろうなあと思いながら、右中間の看板を眺めてました」  トラ番・原田遼太郎の視線の先にある、外野スタンドの上部にある看板の数々。ビッグボードと呼ばれる看板に直撃弾を放てば、100万円(または相当の賞品)が頂ける。最近、このビッグボード賞に言及するネット記事が急増しているのは、スーパールーキーの登場が大きい。ハマスタ場外弾の衝撃は、球界を揺るがせ続けている。  そんな「看板弾」を期待できそうな男がまた一人、タテジマに。ロハスが実戦でベールを脱いだ。鳴尾浜球場での2軍戦。詳細は1面の記事を読んでいただくとして、映像で見た印象は「意外にカッコいいやん」-。  東京ドームの記者席でトラ番キャップ・長友孝輔も、同じ思いを抱いたらしい。  「体重100キロ超の発表ですが、体はすごく締まっている印象。あのサングラスも、佐藤輝と一緒のタイプなのかなぁ。最先端のオシャレな一品で、メジャーリーガーって感じがしました」  雰囲気がある。背中の「ROJAS JR」って文字も、日本球界では目新しくってナイスな感じだ。「ジュニア」の響きが、カッコ良さをアップさせているのかも。  サミー・デイビスJr.、ドリー・ファンクJr.、ケン・グリフィーJr.、ブロッケンJr.、千原ジュニアに、ジャニーズJr.も...。いろんなジュニアがいますが、みんなカッコいい。余談はここまで。  ロハスの原稿を担当したのは菊地峻太朗。  「最初なので、ボールをしっかり見ていましたが、すごく頼りになりそうです」  なるほど。菊地にとって、頼りになる助っ人のイメージは?  「そうですねぇ。マルティネス、ローズ、ペタジーニ、ラミレス...」  おいおい。巨人の助っ人ばかりやないか。  「すいません、子供の頃からずっと巨人ファンなので」  まあ、巨人を支えた名助っ人に並ぶ活躍を期待ましょうか。阪神にもいるんだよ、すごい助っ人が。  ちなみに、ロハスはスイッチヒッター。これは貴重。虎の助っ人スイッチヒッターといえば、2019年のソラーテ以来だ。最近、歌手デビューしたという噂もある、あの超お騒がせ男がスイッチだった。「モチベーションが上がらない」と言って辞めてしまった。  ついでに、看板弾は誰以来か。調べたら、2018年のロサリオが最後。史上最大の期待外れ助っ人以来かぁ。なんで、頼りない助っ人ばかりの名前が出てくるのか。ロハスは、期待は裏切りません。きっと。

◆カーン!! 一回、わが阪神の先頭打者・近本が巨人・畠の3球目をライトスタンドへ!! 先制したら今季16戦全勝の虎が時間にしたら、わずか45秒で勝利を決めたー!! さらに、3番・マルテの6号アーチも飛び出した...と、大ハシャギしながらも、俺が虎党になってから55年間巨人に勝てない、阪神の詰めの甘さに一抹の不安を感じていたのだ。  それが悔しいけど、見事に的中するか~!?  巨人の4番・岡本和の一発で1点差に迫られた三回無死で、糸原が三塁打を放ったのだ! さあ、ここから猛虎打線のクリーンアップ。一気に試合を決めたれー!! は、わからないでもないけどマルテ、大山は引っ張って三ゴロ、サンズは三振で無得点。チームの勝敗にこだわるなら、次の1点を奪って、巨人の気勢をそがんでどーすんの!? 甘すぎるー!!  さらに厳しく言えば、六回の岡本和と重信の内野安打は平凡な投ゴロ(結果は二塁内野安打)で、青柳が普通にさばいていれば、負け投手にならなかったからね!!  とにかく、一回の2ホーマーの後、わずか2安打の虎打線が地獄モードに"確変"しないことを、おびえながら願うのだ...。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1650 0.762
(↓0.038)
-
(-)
12299
(+2)
50
(+3)
25
(+2)
19
(+1)
0.261
(↓0.004)
2.400
(↓0.05)
2
(-)
巨人
1274 0.632
(↑0.021)
3
(↑1)
12085
(+3)
65
(+2)
20
(+2)
15
(-)
0.240
(↑0.005
2.690
(↑0.03)
3
(-)
ヤクルト
984 0.529
(-)
5
(↑0.5)
12277
(+1)
77
(+1)
17
(-)
14
(-)
0.241
(↓0.004)
3.550
(↑0.13)
4
(-)
広島
10102 0.500
(-)
5.5
(↑0.5)
12160
(+1)
70
(+1)
17
(-)
10
(+1)
0.245
(↑0.001)
2.810
(↑0.09)
5
(-)
中日
7114 0.389
(↑0.036)
7.5
(↑1)
12156
(+7)
66
(+1)
4
(+1)
11
(-)
0.221
(↑0.002)
2.660
(↑0.08)
6
(-)
DeNA
3164 0.158
(↓0.009)
12
(-)
12064
(+1)
113
(+7)
15
(+1)
6
(-)
0.227
(↓0.003)
4.790
(↓0.1)