ソフトバンク(☆6対4★)楽天 =リーグ戦4回戦(2021.04.20)・北九州市民球場=
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楽天
1030000004701
ソフトバンク
03010200X61111
勝利投手:嘉弥真 新也(1勝0敗0S)
(セーブ:森 唯斗(1勝0敗5S))
敗戦投手:岸 孝之(2勝2敗0S)

本塁打
【楽天】島内 宏明(3号・3回表3ラン)
【ソフトバンク】甲斐 拓也(3号・2回裏3ラン)

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◆ソフトバンクは1点を追う2回裏、甲斐の3ランで逆転する。直後に逆転を許すも、4回にデスパイネの適時打で同点とすると、6回には甲斐の2点適時打で勝ち越しに成功した。投げては、4番手・嘉弥真が今季初勝利。敗れた楽天は、先発・岸が試合をつくれなかった。

◆リーグ1位同士の対戦は、北九州での一戦。ソフトバンクは同球場では3連敗中で、最後に勝ったのは17年7月19日西武戦。この試合では甲斐拓也捕手(28)が2本塁打を含む3安打4打点で勝利に貢献したが、今日も打撃で活躍するか。

◆ソフトバンクが楽天4回戦を北九州市民球場で行う。2年ぶりに地方球場で公式戦を開催。昨年は新型コロナウイルスの影響で、地方開催の試合は本拠地に会場が変更された。同球場はダイエー時代から通算109試合で57勝51敗(引き分け1)。勝率は5割2分8厘と勝ち越しているが、ここ10年は5勝11敗1分け。17年7月19日の西武戦を最後に3連敗中と鬼門になっている。北九州のファンに4年ぶりの勝利を届けられるか。 ? <工藤監督が就任した15年以降の試合アラカルト> ◆15年5月19日オリックス戦(5-8で敗戦) 先発の大隣憲司が5回2/3を11安打6失点でKO。7回裏の攻撃前に黄色のジェット風船と一緒に三塁側から花火が打ち上げられ、視界不良で試合が中断する珍事件も起こった。 ◆16年5月17日の日本ハム戦(2-7で敗戦) バンデンハーク(現ヤクルト)が5回7失点で敗戦投手。来日1年目の15年から続いていた連勝記録が14でストップした。無敗男が大谷(現エンゼルス)に特大2ランを許し、北九州では11年から引き分けを挟んで8連敗を喫した。 ◆16年7月20日オリックス戦(2ー1で勝利) 松田宣浩のV打で北九州の連敗は8でストップ。「鷹の祭典」で青いユニホームを身にまとった。柳田悠岐にも11号ソロが飛び出した。また、この日は内川聖一(現ヤクルト)に第2子となる長男が誕生していた。 ◆17年4月25日の日本ハム戦(7-5で勝利) 4番の内川が試合前練習で左手を打撲する緊急事態が発生したが、強行出場。2安打を放つなど逆転勝利を呼んだ。北九州での連勝は08年の3連勝以来9年ぶりだった。 ◆17年7月19日西武戦(10-6で勝利) 両軍合計28安打が飛び出した乱打戦を制した。甲斐拓也が2打席連発を含む3安打4打点の活躍。シーソーゲームに終止符を打ったのは上林誠知の右前打だった。 ◆18年7月18日西武戦(5-12で敗戦) 先発の武田翔太が当時プロ最短の2回7失点KOを食らった。この日最高気温34度を記録した北九州市で炎上。武田は2軍降格した。 ◆19年5月14日西武戦(7-11で敗戦) 「ブルペンデー」で大敗。プロ先発だった椎野は3被弾で3回途中5失点だった。九州移転30周年を記念する「WE=KYUSHUデー」としての開催だったが、北九州のファンを喜ばせることはできなかった。 ◆19年7月17日の日本ハム戦(0-4で敗戦) 現在チームの主軸を任されている栗原陵矢が、捕手以外でスタメン出場した最初の試合。「6番DH」で出場し、2打数無安打1四球だった。内川やデスパイネが負傷のため欠場し、明石を3番に置くなどやりくりに苦しんでいた。

◆えっ? 入ったの? 楽天島内宏明外野手(31)が自身も驚く、推定95メートルの逆転3ランを放った。 2点を追う3回1死一、二塁。2ボールからソフトバンク先発左腕の笠谷の外角スライダーに泳がされた。上半身を突っ込まされながらも、粘りきりバットを残した。高く舞い上がった打球は右飛...かと思われたが、両翼92メートルと小ぶりな北九州市民球場の右翼ポール際の高さ5・2メートルのフェンスを越え、3号3ランとなった。島内は二塁手前で審判の動きを見て状況を把握。球場内もまさかの1発にざわついた。島内は「打ったのはスライダーです。ボールをなすったらスタンドまで届いたので、名付けて『なすり打法』です。現場からは以上です。(淡々と)」とコメントした。 試合中に球団から配信されるコメントで小山投手コーチは「球場の広さも含めて、何が起こるか分からない」と話した。その直後に摩訶(まか)不思議な1発が出た。

◆ソフトバンク甲斐拓也捕手(28)が、自己最多の1試合5打点を挙げた。まずは1点を追う2回2死二、三塁。楽天岸から、一時逆転となる3ランを放った。「チャンスだったので、何とかランナーをかえそうと打席に入りました。最高の形になり、良かった」。チームトップタイの3本目のアーチで、北九州に駆け付けたファンを笑顔にした。 同点の6回1死満塁では左翼線へ二塁打。2点の追加点を呼び、勝ち越しに成功した。 甲斐は試合前の時点で、同球場では14打数6安打、2本塁打、5打点。打率は4割2分9厘で得意にしていた。

◆11年前の2010年4月21日。北九州市民球場は大雨だった。西武先発の石井一は初回、ソフトバンク松田に2ランを浴びた。「負けましたね。大雨でスパイクが泥だらけになった。もうドロドロで。投げ捨てて帰った思い出しかないです」。6回2失点と試合を作ったが、1-7で敗戦。1発に泣いた。JR小倉駅からタクシーで10分ほど。昭和の薫りを残す同球場は中堅119メートル、両翼92メートルと本拠地球場に比べ、やや小ぶりな造りをしている。14年から従来3・2メートルの外野フェンスが5・2メートルに増設された。本紙過去記事には"北九州版グリーンモンスター"との表現もある。柳田、デスパイネ、グラシアル...。昨季リーグトップの126本塁打を放ったソフトバンクの打者陣は打撃練習から"北九州版-"を軽々と越えていく。もちろん松田も、左翼席上段へ放り込んでいた。 経験を糧に、楽天石井GM兼監督は同球場の"1発対策"に持論を展開した。「うちはどちらかというとフライボールピッチャーが多い。ただそこばっかり気にしてもしょうがない。インコースもアウトコースでも、やっぱりかわしにいくとこういう球場だと狭いので入っちゃう。いい風吹いている。攻撃的にいってほしいなと思います」。 楽天先発の岸は、試合前時点で今季奪った63アウト中、フライが28、ゴロが17。救援陣では抑えの松井をはじめ、ブセニッツ、酒居、安楽、宋家豪など150キロを超える力強い直球を武器にする投手が多く名を連ねる。柵越えを怖がり消極的なボールを投じれば、パワー自慢がそろう相手打線に容赦なく持っていかれる。現役時代は剛球で鳴らした指揮官。「ソフトバンクを倒さないと上にはいけない」と名指しで意識する天敵撃破へ、イメージはふくらんでいる。【桑原幹久】

◆「地方の鬼」楽天岸孝之投手(36)が7年ぶりの北九州での登板を5回1/3、9安打6安打6失点で降板した。 1点リードの2回2死二、三塁、ソフトバンク甲斐に左翼場外へ逆転3ランを許した。その後島内の3ランで逆転。だが1点リードの4回にデスパイネに同点打、6回には再び甲斐に左翼線への勝ち越し2点適時二塁打を打たれ、マウンドを降りた。「変なフォアボールは出さなかったんですけどね。普通に打たれました」と淡々と振り返った。 北九州では西武時代の14年5月9日ソフトバンク戦で1度登板があり、7回4失点で勝敗なし。地方球場では通算11試合に登板し7勝2敗、防御率2・57と好成績を残していたが、悔しい登板となった。

◆1点を先制されたソフトバンクは2回、甲斐の3号3ランで逆転。しかし、楽天は3回、島内の3号3ランで再逆転した。 ソフトバンクは4回に同点に追いつくと、6回1死満塁から甲斐の2点二塁打で勝ち越し。楽天は5回1死満塁の好機を生かせず。 ソフトバンクが2点差を守り切り接戦を制した。チームは単独首位に立った。嘉弥真が今季初勝利、森が5セーブ目を挙げた。楽天は岸が2敗目。

◆「北九州の鬼」が、当地4年ぶりの勝利をファンに届けた。ソフトバンク甲斐拓也捕手(28)が、プロ初の5打点と大当たり。 北九州での連敗を3で止め、17年以来の白星を呼んだ。同率首位で並んでいた楽天を破り、単独首位に立った。 甲斐は、1点を追う2回2死二、三塁で左翼場外へ消える逆転の3号3ラン。同点の6回は1死満塁で、決勝の2点適時打を放った。「投手も頑張っていたし、なんとか先に点を取りたかった。何よりチームが勝てたことが良かった」。8回にも中前打を打ち、今季初の3安打。2年ぶりの地方球場、2年ぶりの北九州開催で、プロ野球を待っていたファンを喜ばせた。 昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、地方球場で予定していた主催試合がすべてペイペイドームに振り替えられた。球団が89年に福岡移転してから、毎年試合を行ってきた準本拠地の北九州でも昨年は初めて開催ゼロに。甲斐は「去年できなかった分、ここでできたことがありがたい。北九州だから球場に来られるという方も、たくさんいると思う。ホークスが勝った試合を見せられて良かった」と笑った。 黒星続きで「鬼門」となっていた北九州で、17年に直近の勝利を演出したのも甲斐だった。7月の西武戦で、2打席連続本塁打を含む3安打4打点の大暴れ。「あまり考えてはいないんですけど、北九州はぼく自身は好きです。ありがとうございます!」。すっかり暗くなった小倉の空に、女房役の笑顔が映えた。【山本大地】

◆ソフトバンクとの同率首位から陥落した。 両翼92メートルと小ぶりな北九州市民球場での一戦。初回に敵失で先制も、2回に先発岸がソフトバンク甲斐に左翼への特大3ランを打たれ逆転を許す。 直後の3回に島内が右翼ポール際へ3号3ランを放ち逆転。推定95メートル弾に球場もざわめいた。だが4回に追いつかれ、シーソーゲームの様相を呈する。 同点の5回、1死二、三塁と好機をつくる。しかしソフトバンク2番手津森の前に浅村、茂木が凡退。6回にも1死二塁のチャンスに下妻、辰己が抑えられた。 すると6回、岸が1死満塁とピンチを招き、甲斐に左翼線へ決勝の2点適時二塁打を許した。打線は7回以降、モイネロ、岩崎、森の前に無安打と沈黙した。 石井GM兼監督は「6回は岸もコントロールが甘くなったかな。ストライク、ボールがはっきりしすぎて、打者にも的を絞られた感じがあった。慎重には投げてほしいけど、大胆に攻撃的に。慎重に行き過ぎるとこういう球場はダメなので。攻撃的にいってほしいという試合だった」と振り返った。 打線については「全体的には上向きにはなってきたけど、なかなかまだ上がってこないところもある。つながりがもう一つ悪いかなと。辰己にしてもそうだし、上向きなところはあるけど、ちょっとまだ茂木が元気がないのはあるけど、必ず浮き沈みはあるので。みんなでカバーしていくものだと思う。逆に言えば茂木がカバーしてくれている試合もあるので」と考えを示した。 今季ソフトバンクには4戦2分け2敗。「明日勝てば1勝2敗なのでそんなに変わらない。ディフェンスがいいチームなので、得点を取った中で、しっかりゲームメークしていかないといけない。(相手救援陣が出てくる)そういう試合展開にしないようにしないといけない中で6回の2失点。さあ締めにかかるという相手の展開になってしまうので、ああいう試合展開は避けていかないといけない」と引き締めた。

◆ソフトバンクが楽天との首位攻防戦を制した。甲斐拓也捕手(28)が3安打1本塁打5打点の活躍。北九州での勝利は17年以来4年ぶりとなった。工藤公康監督(57)の一問一答は以下の通り。 -北九州で4年ぶりの勝利 工藤監督 良かったですね。北九州のみなさんに、また(甲斐)拓也君が北九州で打ったことをお伝えできるのはすごくうれしいです(笑い)。 -甲斐は北九州で本当によく打つ 工藤監督 強いですね。なんだろう、なんかあるのかな。素晴らしかったですね。(安打が)3本と5打点? すごい。 -中継ぎ陣が踏ん張った 工藤監督 そうですね。頑張ったと思います。 -モイネロを7回にマウンドへ送ったのは打順の関係か 工藤監督 そうです。一番あそこ(2番小深田から始まる打順)がチャンスになって、点を取っていることもあったので、そうならないようにと。左打者も多かったですし。右の代打も考えにくかったので、モイネロにしました。 -今後もモイネロを7回に投入するケースは出てくるのか 工藤監督 モイネロは今、元気な状態なので、それができるのかなと思います。それをずっと続けるのかどうかは考えます。チームによっても違う。試合によっても、チャンスになったり点に絡んでる(打順)ということがあれば、モイネロでいくこともある。そこが8回にはまれば、8回モイネロでいきますし。ちょっとその辺はピッチングコーチと話をしながらシミュレーションをしています。 -今日なら、3打点の島内が7回に回ってきたから 工藤監督 島内君というよりは、島内君につなぐまでのところですね。今日はチャンスができて、島内君に打たれてっていうところだったので。絶対打たれるなっていうのは無理だと思うので、なるべく傷口を大きくしないような処置として。今日は(モイネロに)7回にいってもらった。 -単独首位に立った 工藤監督 まぁまぁまぁ、首位うんぬんというのは、それはみなさん(報道陣)が書いていただければいいです。それよりは、いい試合をして勝つことができるようにしていかないと、と思っています。ピッチャーもそうですし、打つ人もそうでしょうけど。今はまだ先発が、そこまで安定してないので。これが本当に常に勝ちゲームの中で(先発に)勝ちがつくようになると、本当の意味で落ち着いてくるのかなと思う。今はどうしてもリリーフに勝ちがつくケースが多い。先発にはしっかりやってほしいなと思うところもありますけど、僕らにも我慢が必要。千賀君も東浜君も外国人も含めてそうですけど、みんながそろっているというわけではない。そこはリリーフ陣に負担がかかるかもしれないですけど、そこはうまく使いながらやっていけたらなと。今日のような使い方は6連戦なら難しいですけど、5連戦であればそれもできるところもある。そこらへんは、うまくメリハリを使ってやっていければ。

◆ソフトバンクは小刻み継投で、勝利をつかんだ。4-4の5回1死二、三塁で先発笠谷を諦め、津森にスイッチ。満塁を招いたが、後続を断った。6回は泉が2死二塁のピンチを作ったあと、嘉弥真が辰己を左飛に。その後はモイネロ、岩崎、森の盤石リレーで逃げ切った。工藤監督は「点に絡んでくる(打順)なら(7回は)モイネロでいくこともある」と勝利の方程式を臨機応変に変えていく。 ▽ソフトバンク森(9回を3人で抑え、リーグ2位タイの5セーブ目)「コロナ禍で厳しい日々が続いていますが、2年ぶりに北九州で試合をして登板することができてよかったです」

◆ソフトバンクの嘉弥真新也投手が今季初勝利を挙げた。同点の6回2死二塁で登板し、辰巳を左飛に仕留めた。「自分らしい投球ができたと思います。中継ぎ陣全員がそれぞれしっかりと仕事ができていると思う」。直後に2点を奪い、勝ち越し。5球で白星を手にした。「明日からも全員で頑張りたい。チームが勝ててよかった」と声を弾ませた。

◆ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手が、今季初の猛打賞で復調の手応えをつかんだ。 2回の1打席目に自身16打席ぶりの安打を放つと、4回には適時二塁打。「得点圏に走者がいて、絶対にかえそうと打席に入った。自分らしい強いスイング、強い打球で同点にできてよかった」。自身6試合ぶりの打点も挙げ、6回にも左前打。開幕から不振に悩んできたが、快音連発に「チームのためにガンバルよ」と久々に笑顔を見せた。

◆ソフトバンクは小刻み継投で勝利をつかんだ。同率首位で並んでいた楽天を破り、単独首位に立った。 4-4の5回1死二、三塁で先発笠谷を諦め、津森にスイッチ。満塁を招いたが、後続を断った。6回は泉が2死二塁のピンチを作ったあと、嘉弥真が辰己を左飛に。その後はモイネロ、岩崎、森の盤石リレーで逃げ切った。 ソフトバンク笠谷(5回途中6安打4失点で勝敗つかず)「追い込むまでのピッチングは良くても、そこから打ち取るのに苦労した。先頭バッターを出したり、点を取ってもらった直後に失点してしまったりと、最後までリズムに乗ることができませんでした」

◆ソフトバンク・小久保裕紀ヘッドコーチ(49)が試合前に代表取材に応じた。通算413本塁打を放った鷹のレジェンドにとって、プロ初アーチを記録したのがここ、北九州。思いをはせながら、試合への意気込みを明かした。主な一問一答は以下の通り。  --北九州の思い出は  「ここは初ホームランやから。思い出の球場です。俺がプレーするわけじゃないけどね」  --狭くてホームランも出やすい印象があるが意識するべきことは  「俺は個人的には大チャンス球場だったので、わくわくしてきていましたけど。実際、レフトライナーで、まだフェンスの低い時代だったので。絶対にペイペイ(ドーム)ならレフト線のツーベースくらいのヒットがホームランになったりという記憶はありますけど。野手は、ホームランバッターは特に稼げるチャンスだと思ってきますよね。『大振りになるな』とよくいわれますけど、なります。そんなものですよ、欲が出ますから」  --プレーしてみると、やっぱり狭く感じる  「今までも乱打戦が多いし。笠谷が最少失点で抑えてくれるのが一番いいですけど。打ち合いになることもある程度は覚悟しながら、じゃないですか」  --柳田に当たりが戻ってきた  「本来のね。やっと打率らしい打率(・268)になってきたので。自分でも修正ポイントがハマったんじゃないですか。これで普通に戻れると思いますけど」  --アドバイスもしたのか  「していないです。トップの選手は自分でするんです。人に言われてするものじゃないんです」  --よくなった部分は  「練習を見ている限りでは、(体が)開くのが早かったので。それを抑えながら練習しているのかなと。彼の持ち味は左中間(への打球)なので。反対方向に打球が飛ぶのが一番の長所なので。それを練習のときから意識しているんじゃないですか」

◆ソフトバンク・甲斐拓也捕手(28)が「8番・捕手」で出場。1点を追いかける二回2死二、三塁に左翼場外に消える逆転の3号3ランで試合をひっくり返した。  「チャンスだったので、何とかランナーをかえそうと打席に入りました。結果、3ランホームランと最高の形になりよかった。同率首位のイーグルス相手に、2連戦の頭が非常に大事になってくるのでチーム一丸となって勝ちにいきたい」  二回1死からデスパイネが中前打。中村晃の二塁打などで2死二、三塁として甲斐だ。内角直球を振り抜くと、飛距離は十分。打球がポールを巻くのかだけを見つめ、審判が腕を回した後にダイヤモンドを歩き出した。3月30日のオリックス戦(京セラ)以来の本塁打となった。  甲斐は2017年7月19日の西武戦(北九州)でも2本塁打を含む3安打4打点の活躍でチームを勝たせた。試合前の時点で北九州では通算で15打数6安打だった。得意の球場で、またしてもフルスイングを見せつけた。

◆楽天の島内が技ありの一発を放った。1-3の三回1死一、二塁だった。笠谷の外角スライダーに体勢を崩しながら何とか手を伸ばし、右翼へ引っ張る。これが両翼92メートルとせまい北九州市民球場のポール際まで届いた。  ぼうぜんとする相手バッテリーの前でダイヤモンドを一周し「ボールをなすったらスタンドまで届いた。名付けて"なすり打法"です」と喜んだ。  結果は幸運だが、強引な右打ちは最低でも走者を進めようとする意識がうかがえる。二回に岸が逆転を許した流れをすぐに引き戻し、目前でバントに失敗した小深田のミスも帳消しにした。打率2割5分前後と本調子ではなくても、開幕から全試合で打順を固定されているのは3番島内と4番の浅村だけ。石井新監督が信頼するだけの、頼もしさがある。

◆ソフトバンクの甲斐が4-4の六回に2点二塁打を放った。1死満塁の好機で打席へ入る。2ボールからの速球をたたき、左翼線を痛烈に破った。二回の3ランと合わせ、1人で岸から5打点をたたき出し、マウンドから引きずり下ろす。「思い切って打ちにいった結果、一振りではじき返せた」と胸を張った。  二回の3ランは2死二、三塁だった。内角の速球を振り抜き、飛距離十分の打球の行方を見詰める。ポール際のスタンド上段へと届く3月30日以来、18試合ぶりの一発に「最高の形になり良かった」と声を弾ませた。  今季は正捕手としてここまで全試合に先発出場している。追う展開で代打を送られることも多かったが、首位を争う楽天との一戦で、打撃面でも存在感を示した。

◆ソフトバンクが打ち勝った。1点を追う二回に甲斐が3ラン、3-4の四回はデスパイネが同点二塁打。六回に甲斐の2点二塁打で勝ち越した。甲斐は5打点。救援6投手が無失点でつなぎ、嘉弥真が今季初勝利。楽天は岸が崩れた。

◆ソフトバンクのデスパイネが今季初の1試合3安打をマークして、1割台に低迷していた打率を2割台に乗せた。3-4の四回は、先頭の栗原が二塁打した直後、岸の初球のカーブを左翼線へ運び「自分らしい強いスイング、強い打球で同点にできて良かった」と満足そうだった。  二回に中前打、六回は左前打で好機を広げ、チームの勝利に貢献した。

◆本州と九州をつなぐ関門海峡にまで届きそうな、豪快な放物線だった。熱い北九州市民球場でのナイター。ソフトバンクが首位攻防第1ラウンドを制した。主役は自己最多の1試合5打点をたたき出した甲斐だ。  「チームが勝てたことがなによりよかったです。(場外弾は記憶に)ないですね」  楽天と同率首位で迎えたこの日。昨年は開催できなかった北九州に、ホークスがやってきた。二回2死二、三塁で甲斐だ。岸が投じた内角直球を強振すると、飛距離は十分。打球はそのまま左翼場外へと消えていった。3号3ランで試合をひっくり返した。  4-4の六回1死満塁では左翼線に決勝の2点二塁打。北九州で通算3本塁打10打点となった。工藤監督も「何だろう、何かあるのかな? 素晴らしかった」とうなるしかない。本人は「あまり考えていないですけど。北九州は好きです」とニッコリ笑った。リード面でも7投手を操り、白星に導いた。北九州での連敗も3で止め、単独首位に立った。  プロ野球も新型コロナウイルスの影響を受け続けている。大分市に生まれ、ホークスの柱に成長した甲斐も「北九州だから球場に来られるという方もたくさんいる」と思いを語った。この日、足を運んだのは9801人。少しずつ前に進んでいるのは確か。本拠地・福岡だけでなく、どこでも変わらない強さを見せることが、九州に根付くホークスの使命だ。  「去年できなかった分、今年ここで野球ができるのはありがたいこと。本当にありがとうございます」  次の北九州開催は6月30日の西武戦。感謝を忘れず、ファンのためにも全力で戦うと、甲斐は約束した。(竹村岳)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
1273 0.632
(↑0.021)
-
(-)
12188
(+6)
71
(+4)
18
(+1)
5
(-)
0.249
(↑0.004
3.090
(↑0.01)
2
(1↓)
楽天
1183 0.579
(↓0.032)
1
(↓1)
12188
(+4)
79
(+6)
18
(+1)
6
(-)
0.234
(↓0.001)
3.370
(↓0.15)
3
(1↑)
ロッテ
1084 0.556
(↑0.027)
1.5
(-)
121109
(+8)
78
(+4)
20
(+1)
15
(+4)
0.242
(↑0.006)
3.350
(↓0.03)
3
(-)
西武
1082 0.556
(↓0.032)
1.5
(↓1)
12370
(+3)
81
(+11)
14
(-)
24
(+2)
0.226
(↑0.003)
4.040
(↓0.39)
5
(-)
ORIX
7123 0.368
(↑0.035)
5
(-)
12171
(+11)
75
(+3)
12
(+1)
4
(-)
0.237
(↑0.011)
3.020
(-)
6
(-)
日本ハム
5123 0.294
(↓0.019)
6
(↓1)
12355
(+4)
97
(+8)
8
(+2)
11
(+1)
0.214
(↑0.005)
4.400
(↓0.22)