阪神(☆10対7★)ヤクルト =リーグ戦5回戦(2021.04.18)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
10520020X101611
勝利投手:ガンケル(4勝0敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝0敗5S))
敗戦投手:小川 泰弘(1勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】山田 大樹(5号・7回表3ラン)
【阪神】マルティネス(3号・4回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は1-0で迎えた3回裏、糸原の適時打などで5点を追加し、序盤から試合を優位に進める。その後も4回にマルテの2ランが飛び出すなど、終わってみれば16安打で10得点を挙げた。投げては、先発・ガンケルが6回1失点で今季4勝目。敗れたヤクルトは、先発・小川が乱調だった。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が2試合ぶりの本塁打となるか、注目だ。 現在5本塁打の佐藤輝は3月27日にプロ初アーチを記録した後、4月に入って4本塁打。2リーグ分立後、球団新人が月間5本塁打以上したのは過去4度あり、69年田淵幸一の5月5本、10月7本。72年望月充の5月6本。80年岡田彰布の5月5本。佐藤が今月5本目を放てば41年ぶり4人目、5度目の記録となる。 この日はプロで7試合目のデーゲーム。ナイトゲームの4本塁打に対し、デーゲームでは1本塁打で打率2割。ヤクルト先発小川は開幕ゲームの3月26日に対戦し、プロ初打点となる左犠飛を放っている。直近2試合は計13回を2失点に抑えている好調右腕を打ち崩せるか。 試合前フリー打撃では45スイングで4本の柵越え。自慢のパワーでチームを7連勝に導く。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神がジョー・ガンケル投手(29)、ヤクルトは前日17日からスライド登板となった小川泰弘投手(30)。ガンケルは開幕3戦3勝中で防御率0・96と抜群の安定感を誇る。阪神の助っ人外国人が開幕から無傷の4戦4勝を挙げると03年のムーア以来。今季初の甲子園のマウンドで快投を目指す。 野手では、阪神ドラフト6位の中野拓夢内野手(24)が「8番遊撃」で6試合連続での先発。出場6試合連続安打中と好調だ。「6番右翼」で先発のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)とのルーキーコンビで勝利を呼び込む。

◆高校あるあるネタで若者から人気のお笑いコンビ「土佐兄弟」が「野球見るならJ:COMデー」でファーストピッチセレモニーを行った。 ともに「103」の背番号で登場。弟有輝(26)が兄卓也(33)のミットにめがけ、大きく振りかぶって投げ込んだ。 投球前には球場のビジョンにYouTube「土佐兄弟の青春チャンネル」からネタ動画が流された。弟有輝はピッチングを「緊張で正直全く覚えていない。それくらいの高揚感と緊張。選手のみなさんもナイスピッチャーと言ってくれた」と振り返った。球を受けた兄卓也は「まずはもう感動でしたね。ここが甲子園かという気持ちの高ぶりと、出ていって迎えてくれたファンの方から温かい感じで『うおー』とか声出してくれたのでうれしかった」と聖地の土を踏んで興奮気味だった。

◆首位阪神は5シーズンぶりの7連勝を飾った。貯金11も就任3年目となる矢野燿大監督(52)政権下で最多。10試合を残して、早くも4月の月間勝ち越しに王手をかけた。 まずは1回、4番大山悠輔内野手(26)の右犠飛で先制。3回には2番糸原健斗内野手(28)、4番大山、5番ジェリー・サンズ外野手(33)、7番梅野隆太郎捕手(29)がタイムリーを決め、一挙6安打5得点を記録した。 4回には3番ジェフリー・マルテ内野手(29)が3号2ラン。大量リードで試合を優位に進めた。3点差に迫られた7回には、8番のドラフト6位中野拓夢内野手(24)が左前2点打で突き放した。 先発のジョー・ガンケル投手(29)は6回1失点で今季4戦4勝目。チーム全体の連続無失点は33イニングで止まったが、しっかりゲームを作った。 これで先制すれば開幕から15連勝。大山が打点を挙げれば引き分けを挟んで18連勝となった。同一シーズンでの7連勝は16年9月19日巨人戦~10月1日巨人戦以来。今季はデーゲームで7戦全勝だ。

◆阪神は1回、大山が先制右犠飛。3回には打者10人で6安打を集中し5点を追加。ヤクルト先発小川は2回0/3、6失点で降板した。 阪神は4回にマルテが左翼へ3号2ランを放つ。ヤクルトは6回2死一、三塁からに青木の右前適時打で1点をかえした。 ヤクルトは7回に山田の5号3ランなどで4点を奪い、8回にも2点をかえすが前半の失点が響いた。阪神は今季初の7連勝。 ガンケルが4勝目、スアレスが5セーブ目。小川が1敗。

◆さあ、必勝の「先制&大山打点神話」発動だ。阪神がヤクルト先発小川の立ち上がりを攻めた。1番近本、2番糸原、3番マルテの3連打であっという間に無死満塁。4番大山悠輔内野手(26)がしぶとく右犠飛を放ち、1点を挙げた。大山は「打ったのはストレート。初回からみんなで作ってくれたチャンスだったので、どんな形でもランナーをかえすという気持ちで打ちました。最低限ですが、仕事をすることができてよかったです」と冷静に振り返った。 チームは今季、先制すれば14戦全勝を記録中。先発はリーグトップタイ3勝で負けなしのガンケル。大山が打点を挙げた試合は昨年から17連勝中。不敗神話継続で、矢野阪神最長を更新する7連勝を狙う。

◆阪神が3回、打者一巡の猛攻で5点を挙げてヤクルトを突き放した。 先頭の9番ガンケルが今季初安打となる中前打で出塁。近本がセーフティーバントを成功させると、糸原が左中間へ適時二塁打を放って1点。マルテは四球を選んで、初回に続く無死満塁で、またも4番大山悠輔内野手(26)が仕事を果たした。右前へ2点適時打。昨季満塁の場面で9打数5安打、打率5割5分6厘の満塁男が大暴れだ。初回は先制犠飛を放っていた。 その後5番サンズも適時打を放って、ここで先発小川をノックアウト。7番梅野も二塁手のグラブをはじく適時打で、この回5点目を奪った。 チームは今季先制すれば14戦全勝で、大山が打点を挙げた試合は昨年から17連勝中。おまけに先発はリーグトップタイ3勝で負けなしのガンケル。不敗神話継続で、矢野阪神最長を更新する7連勝を目指す。

◆阪神梅野隆太郎捕手(29)が負傷交代した。7回無死一塁で、2番手石井大の133キロがワンバウンドして右手親指付け根付近に直撃。 治療のためベンチへ下がり、そのまま坂本と交代した。 梅野はここまで全19試合で先発。不動の正捕手として先発陣をリードし、打撃では3回に中前適時打を放つなど、攻守に欠かせない存在。首位を走るチームにとって梅野は不可欠で状態が心配される。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(29)は6回5安打1失点で勝利投手の権利を手にして降板した。 このまま勝つと開幕から4戦4勝となり、球団の外国人選手では03年ムーア以来となる。 1、2回はともに3者凡退。3回2死一塁で雨脚が強まって一時中断したが、集中力を切らさなかった。4回までに8点の援護を受け、ヤクルトの反撃を6回の1失点だけでしのいだ。 ガンケル 立ち上がりは自分の持っている球種を使って、ストライクゾーンを大きく使って投げることができたし、チームメイトがたくさん点を取ってくれた後はゲームのリズムを作るためにストライク先行で投げることもできたから、1つ四球は出してしまったけれども、全体的に自分のピッチングをすることができたと思うよ。

◆ヤクルト内川聖一内野手(38)が、上半身の張りのため、登録を抹消されることになった。18日阪神戦(甲子園)後に高津監督が明らかにした。 内川は新型コロナの濃厚接触者として、3月31日から4月13日まで自宅待機。14日のイースタン・リーグ巨人戦で試合復帰し、合計2試合に出場。16日阪神戦から1軍に合流し「7番一塁」でフル出場した。17日は降雨のため試合が中止。高津監督は約2週間ぶりの1軍復帰に「結構体が張っていたよう」と話していたが、室内での全体練習終了後も居残りで打撃練習。感覚を取り戻そうとしていた。

◆7連勝を飾った阪神は、今季開幕から無傷の4戦4勝となったガンケルと先制犠飛など2安打3打点の大山がお立ち台に上がった。 ガンケルは「3回に大量得点してくれて、攻撃陣のおかげで気楽に投げられた」と野手陣に感謝。リーグトップの4勝目に「守備のみんなのおかげかなと思います。後ろで守ってくれている選手たちがしっかりプレーすることで思い切って投げれることができたんじゃないかと思います」と再び仲間を持ち上げた。最後は日本語でファンに向けて「オウエン、イツモアリガトウ」と語った。 大山は初回の犠飛に「ヒットを打ちたかったですけど、結果的に犠牲フライになってくれたので良かったかなと思います」と笑顔を見せた。4番として、「打点を挙げることが自分の仕事」と3打点を喜んだ。これでチームは7連勝。「良いチームになってるなと感じる。油断せずに1試合1試合全員で一丸となって戦うだけ」と意気込んだ。【林亮佑】 ▼阪神が9日DeNA戦から7連勝。阪神の7連勝以上は16年9月19日~10月1日に7連勝して以来だが、今回はすべて先制逃げ切りで先発が勝利投手。先発がオール白星の7連勝は06年9月19~29日(杉山→下柳→福原→安藤→井川→杉山→下柳)以来となり、1度もリードを許さないで7連勝したのは00年4月13~23日(8連勝)以来、21年ぶりだった。

◆ヤクルトのルーキー、元山飛優内野手(22)がレギュラー奪取へアピールに成功した。「8番遊撃」で3月31日以来、通算3度目の先発出場。 7回無死二塁で左前に適時打を放った。8回無死二、三塁では、二ゴロで三塁走者を生還させた。開幕1軍スタートも、ベンチを温める時間が多く、「出られない中で本当に悔しかったので、晴らしたろうという思い」。3安打2打点の活躍で、先発起用の期待に応えた。

◆ヤクルトは序盤の失点が響いた。先発したエース小川泰弘投手が2回0/3を8安打6失点と乱調。高津監督は「結果からすると、もうちょっとピリッとしてほしい。うちの開幕を務めた投手だし。体もボールもキレがなかった」と肩を落とした。試合の流れを渡し、投手陣は合計16安打10失点と踏ん張れず。これで阪神戦5戦全敗となった。

◆阪神の正捕手梅野隆太郎が守備で右手を負傷し途中交代した。 7回無死一塁、打者元山の2球目、石井大のワンバウンド投球を体で止めにいき、右手親指付近に球が直撃。ベンチに戻り、そのまま坂本と交代した。 矢野監督は「ちょっとブワッと腫れていたから、あの(試合)展開であれば、腫れをすぐに引かせる方が大事と思った。多分、大丈夫」と大事を取ったと説明。今季19試合すべてスタメンマスクで首位快走を支えている梅野の離脱は避けられそうだ。

◆阪神近本光司外野手(26)が、今季初の猛打賞となる4安打、3得点で1番の役割を果たした。初回はヤクルト小川の初球に逆らわず左前打で出て、大山の犠飛で先制のホームを踏んだ。試合前まで打率1割7分6厘。調子が上がらなくても「打てると思ったらしっかり打ちにいく」と積極性は失わなかった。「チームが勝ったので、ヒットというより僕は3得点の方がうれしいですね」。頼れる切り込み隊長が戻ってきた。 矢野監督も一安心だ。「そんなにメチャクチャ悪くないのに結果が出ないっていうね」と心配していたが「今日はバットにおまじないをした。『打てるぞ』と言って俺がおまじないをしているようにして、打てたから」。詳細は明かさなかったが、指揮官の"念"は近本のバットに伝わったようで「火曜日もおまじないします」と笑わせた。 5点を奪った3回の近本は無死一塁で三塁側へ打球の勢いを殺した絶妙なセーフティーバントを決めた。直前の守備で降雨による一時中断があり「有効かなと思った」とグラウンドコンディションを冷静に分析。「狙ったところに転がせたのはうれしかった」。頭を使い、足でもぎ取った1本に"らしさ"が詰まっていた。「川相さんに教えていただいた左足の使い方がしっかりできた」。春季キャンプで臨時コーチを務めた川相氏が解説に訪れていた一戦で、その指導にも応える一打にもなった。 4回は内野安打、8回は左前へクリーンヒットと勢いは止まらない。「今まで周りに助けてもらって、支えてもらって、足を引っ張ってましたけど。自分が出てかえってくる、しっかり状況をつくることができて、また明日からも頑張っていきたい」。どん底は十分味わった。首位を走るチームの勢いに乗り、ここからはい上がる。【中野椋】 ▼近本の1試合4安打はプロ最多タイで、20年11月1日DeNA戦以来9度目。17日までの打率1割7分6厘から2割1分5厘へ引き上げた。昨年初の4安打となった7月26日中日戦でも、前日25日の1割9分4厘から2割2分4厘へと、1割台を脱出し2割台へ乗せている。昨季はここから調子を上げ、年間最終打率はチーム規定打席到達者最高の2割9分3厘。今年も上昇していきたい。

◆首位阪神が5シーズンぶりの7連勝を飾った。貯金11も就任3年目となる矢野燿大監督(52)政権下で最多。10試合を残して、早くも4月の月間勝ち越しに王手をかけた。どんな展開にも、阪神自慢の勝利の方程式は動じない。最大8点あったリードも、9回には3点差に。相手はクリーンアップから始まる嫌な流れだったが、スアレスが3人で締めて5セーブ目を挙げた。守護神は「中盤からゲーム展開が動いていたから、9回のセーブシチュエーションでしっかり抑えることができて良かった。チームのために続けていけるように頑張るよ」と頼もしい。7回は2番手石井大が4失点も、岩貞が後続を断った。8回は4番手加治屋が2失点して2死一塁で降板した後、岩崎が中村を空振り三振に仕留めた。ともに完璧な火消し。好調な先発陣の後ろには、仲間のピンチをカバーし合えるブルペン陣がいる。

◆首位阪神がともに今季最多の16安打10得点でヤクルトとの乱打戦を制し、5年ぶりの7連勝を飾った。復調気配の4番大山悠輔内野手(26)が先制犠飛、中押し2点打で打線を先導した。先制すれば開幕から15連勝、大山が打点を挙げれば引き分けを挟んで18連勝と「不敗神話」を守り、貯金11は矢野政権最多。虎の勢いが止まらない。20日から2位巨人と東京ドームでぶつかる。代名詞となりつつあるフルスイングではなかった。4番大山はフルカウントからの8球目、ヤクルト小川の外角低め145キロ直球を逆らわずにミートした。 「3連打で回してくれた。自分もヒットを打ちたかったですけど...」。1回裏、1番近本から3安打で無死満塁。押せ押せムードでも冷静にエゴを排除した。 「今年のテーマとして『取れる点数をしっかり取る』というのがある。犠牲フライだったり、内野ゴロ...。そういった1点が試合終了時に絶対大きくなる」 右犠飛で先制。派手さはなくとも確実に1点をもぎ取り、初回から「不敗神話」続編を予感させた。 昨季は構える際、バットを揺らしていた。「今年はハマる時とハマらない時がある。ハマらなかった時が嫌だな、と」。今季は相棒の動きを落ち着かせ、徐々に状態を上げている。 2点リードで迎えた3回無死満塁では初球の内角145キロを詰まりながらも右前2点打。この回一挙6安打5得点を呼び込み「打点を挙げることが自分の仕事」と充実感を漂わせた。 昨季はともに自己最多の28本塁打、85打点でタイトルを争った。今季は不動の「4番三塁」を任されるが、慢心はない。 腰背部の張りで別メニュー調整していた2月下旬、外野に加えて三塁も守り始めたドラフト1位佐藤輝の実力を認めた上で、ポツリと本音もこぼした。 「テルの開幕サード、あるかもしれないですね」 それでも強力ライバルの台頭を大歓迎した。率先して一塁も練習した。そこにはブレない覚悟があった。 「正直、4番というのはどうでもいい気持ちがある。勝てれば何でもいい」 この日は3打点。5年ぶりの7連勝、矢野政権最多貯金11が何よりうれしい。 「投手が打たれたら野手がカバーする。野手が打てなければ投手がカバーする。本当にいいチームになっているなと感じる」 これで先制すれば開幕から15連勝、大山の打点記録で引き分けを挟んで18連勝。矢野監督も「チカが出てユウスケが帰すのがうちのパターン」と納得顔だ。 週明けからは東京ドームで2位巨人と直接対決する。「ちょっとした油断で流れも変わってしまう。油断せず全員で一丸となって戦うだけ」。主将大山の言葉通り、虎は地に足をつけて王者に挑む。【佐井陽介】

◆阪神2番糸原健斗内野手も3回の猛攻で輝いた。 無死一、二塁から小川の直球を左中間へはじき返し、3連打でこの回の1点目をたたき出した。その後、大山の適時打で二塁から生還。1回も逆方向へ流し打って先制機を作り「チカイト」コンビでけん引した。矢野監督は「健斗(糸原)もサンズもマルちゃん(マルテ)もみんな元気」と喜んだ。4打数2安打で、打率は3割7分3厘とリーグ2位をキープしている。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(29)が12球団単独トップの4勝目を手にした。 開幕から無傷の4戦4勝で、阪神の外国人では03年ムーア以来の快挙。3回に雨脚が強まって一時中断もあったが、集中力を切らさなかった。ヤクルトに5回まで連打を許さず、昨季より切れを増したツーシームを軸に6回5安打1失点。右腕は「良いピッチングができたかなと思います。しっかり自分の球種を投げ切れている」と胸を張った。 今季ここまで全19試合で先発が責任の5回以上を投げ、7連勝中の勝ち星は全て先発に付いた。その中でもガンケルはリーグ4位の防御率1・09、同トップの被打率1割5分7厘という安定ぶりで、矢野燿大監督は「本当に安定感抜群。ベース上でも強さというのを感じる」と大絶賛だった。 ガンケルは打者でも3回に先頭で中前打を放ち、打者10人で5点を奪う猛攻の口火を切った。「打線が続いてくれて、大量得点につながったのはうれしい」。高校時代にクリーンアップを担った男が、投打で勝利に導いた。【林亮佑】 ▼ガンケルが開幕から4戦4勝の好発進。阪神外国人先発投手の開幕4連勝は、メッセンジャーが17年3月31日広島戦から5月12日DeNA戦にかけて5連勝して以来。メッセンジャーはこの間、勝敗付かずが2試合。助っ人先発投手の開幕4戦4勝は、ムーアが03年3月30日横浜戦から4月19日横浜戦で4戦4勝して以来、18年ぶり。同年のムーアは10勝を挙げリーグ優勝の立役者となった。

◆阪神の5番ジェリー・サンズ外野手が5試合ぶりに打点をマークした。 3回無死一、三塁で中前適時打。この回4点目を挙げ、ヤクルト先発小川をマウンドから引きずり降ろした。「みんながチャンスの場面を作ってくれるから、良い仕事をすることができたね」。7回は左中間へ打ち返して積極的な走塁で二塁を陥れ、中野の2点適時打につなげた。打って走って、助っ人が存在感を示した。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が3試合ぶりの3号2ランを放った。4回1死一塁で2番手大下の3球目144キロ直球を弾丸ライナーで左翼席へ。 この試合最大の8点差まで広げた。「みんなと一緒に"ラパンパラ"ができて最高の気分だよ」。ベンチ前のパフォーマンスもしっかり決めてご機嫌な様子だった。四球で出た3回は大山の右前打で送球間に三塁を陥れる好走塁も光った。

◆相手に傾いた嫌な流れを取り返す一打を放ったのは、阪神ドラフト6位中野拓夢(24)だった。7回に最大8点差を3点差までされた直後の攻撃。無死二、三塁から佐藤輝と坂本が力ない内野フライに倒れて嫌なムードが漂った中、左腕坂本の高め146キロを左前に運んだ。2者が生還すると、一塁ベース上で右拳を突き上げた。「前の2人が凡退していたので、何とかカバーする意味でも自分が打ってやりたいなという気持ちが強かったので打てて良かったです」。ある意味、3回の一挙5得点よりも重みある2点を生み出した。 派手なアーチで話題をさらう同期のドラフト1位佐藤輝が2戦連続無安打に終わる中、中野は7戦連続安打と好調を保っている。左投手からも打率4割と結果を残しており「手応えは非常に感じている。左の投手を打っていければスタートで出られる確率も上がってくると思う」と自己分析する。 ただ、遊撃の守備では反省もあった。8回2死三塁でゴロをさばいた後、一塁送球が高くなってチーム今季初の適時失策がついた。矢野監督も「大きな2点でしたけど、守備が。アウトにするプレーまでいければもっと最高でしたね」と高いレベルを求めて注文を付けた。6試合連続でスタメン中だが、定位置を固めるためレベルアップを目指していく。【林亮佑】

◆首位阪神がともに今季最多の16安打10得点でヤクルトとの乱打戦を制し、5年ぶりの7連勝を飾った。 ▼阪神が9日DeNA戦から7連勝。矢野監督にとっては過去2度あった6連勝を超え、最長となった。阪神の7連勝以上は16年9月19日~10月1日に7連勝して以来だが、今回はすべて先制逃げ切りで先発が勝利投手。先発がオール白星の7連勝は06年9月19~29日(杉山→下柳→福原→安藤→井川→杉山→下柳)以来となり、1度もリードを許さないで7連勝したのは00年4月13~23日(8連勝)以来、21年ぶりだった。 ▼阪神は4月に入って14試合を戦い、12勝2敗で貯金10。今月は10試合を残し、早くも勝率5割以上が確定した。残り10試合を全敗しない限り、今月の勝ち越しが決まる。なお阪神の月間勝利数最多は19で、64年8月と68年8月の2度。 ▼阪神は今季のデーゲーム7試合で全勝。野手では糸原が28打数14安打で打率5割と好調を維持。抑えのスアレスは1勝3セーブ、打者15人に対し被安打、四死球ともに0。主軸が好結果を残している。

◆首位阪神がともに今季最多の16安打10得点でヤクルトとの乱打戦を制し、5年ぶりの7連勝を飾った。復調気配の4番大山が先制犠飛、中押し2点打で打線を先導した。先制すれば開幕から15連勝、大山が打点を挙げれば引き分けを挟んで18連勝と「不敗神話」を守り、貯金11は矢野政権最多。虎の勢いが止まらない。20日から2位巨人と東京ドームでぶつかる。 矢野燿大監督(52)との一問一答は次の通り。 -終盤は厳しい展開だったが、勝ちをものにした そうですね。ちょっと7回、8回はバタバタしましたけど、全体的には野手もよく点を取ってくれました。ガンケルも素晴らしいピッチングをしてくれたのでね。有利な展開で進められたかなと思います。 -これで7連勝。最近の戦いぶりで最も大きいと感じる部分は 先発ピッチャーがゲームをしっかり作ってくれているのは本当に頼もしいです。その中で、打線もいいところでやれている。かみ合っているかなと思います。 -復調を待っていた近本が当たりを取り戻した チカ(近本)は今日4本出てね。どんな形でもいいからヒット欲しいなと思っていたんですけど、そういうところでチカが出て、ユウスケ(大山)がかえすのはうちのパターンになりますし。ケント(糸原)も、その後のサンズもマルちゃん(マルテ)もみんな元気なんでね。そういうところでは、いいメンバーに今日はいいヒットが出たかなと思います。 -週明けの巨人戦への思いを 良い形でジャイアンツ戦に臨んでいけるような形をみんなで作れたんで。相手が巨人というのは、もちろんどこかで意識はしていますけど、僕たちの野球がやれればいいんだというね、そういう一番強いところだけに(意識して)火曜日からもしっかり目指していきます。 -ガンケルはずっと安定 ずっといいね。球の力というかキレ。ベース上での強さというのを感じるから。それが一番変化も強くなる。もともとコントロールはいい投手なんで。 -ガンケルは打っても走っても全力 バッティングはもともと悪くない。打つ時は打って。バントも川相さんに教えてもらった時にはすごく熱心にやって。それをまた継続してやれるのはガンケルの素晴らしいところ。だからこそ身についてきてるところがあるし、自信を持ってチャレンジしていけるところになってると思う。 -試合途中に梅野が右手を負傷し交代 ちょっとブワッと腫れたから。もともと(試合)展開的にも代えてもいいかなというような、次打席が回ってくるぐらいの時だったんで、そういうところでは、あの展開であれば、その腫れをすぐ引かせることの方が大事やからと思ったので。多分、大丈夫だと思うんだけど。

◆首位阪神がともに今季最多の16安打10得点でヤクルトとの乱打戦を制し、5年ぶりの7連勝を飾った。復調気配の4番大山悠輔内野手(26)が先制犠飛、中押し2点打で打線を先導した。先制すれば開幕から15連勝、大山が打点を挙げれば引き分けを挟んで昨年から18連勝と「不敗神話」を守り、貯金11は矢野政権最多。虎の勢いが止まらない。20日から2位巨人と東京ドームでぶつかる。代名詞となりつつあるフルスイングではなかった。大山はフルカウントからの8球目、ヤクルト小川の外角低め145キロ直球を逆らわずにミートした。 「3連打で回してくれた。自分もヒットを打ちたかったですけど...」。1回、1番近本から3安打で無死満塁。押せ押せムードでも冷静にエゴを排除した。右犠飛で先制。派手さはなくとも確実に1点をもぎ取り、初回から「不敗神話」続編を予感させた。 2点リードで迎えた3回無死満塁では初球の内角145キロを押し返し、詰まりながらも右前に2点適時打。この回一挙6安打5得点を呼び込み、「打点を挙げることが自分の仕事」と充実感を漂わせた。 昨季はともに自己最多の28本塁打、85打点でタイトルを争った。今季は不動の「4番三塁」を任されるが慢心はない。 腰背部の張りで別メニュー調整していた2月下旬、外野に加えて三塁も守り始めたドラフト1位佐藤輝の実力を認めた上で、ポツリと本音もこぼした。 「テルの開幕サード、あるかもしれないですね」 それでも強力ライバルの台頭を大歓迎した。率先して一塁も練習した。そこにはブレない覚悟があった。 「正直、4番というのはどうでもいい気持ちがある。勝てれば何でもいい」 この日は3打点。5年ぶりの7連勝、矢野政権最多貯金11が何よりうれしい。 「投手が打たれたら野手がカバーする。野手が打てなければ投手がカバーする。本当にいいチームになっているなと感じる」 これで先制すれば開幕から15連勝、大山が打点を挙げれば昨年から引き分けを挟んで18連勝。矢野監督も「チカ(近本)が出てユウスケ(大山)がかえすのがうちのパターン」と納得顔だ。 明日20日からは東京ドームで2位巨人と直接対決する。「ちょっとした油断で流れも変わってしまう。油断せずに1試合1試合全員で一丸となって戦うだけ」。主将大山の言葉通り、虎は地に足をつけて王者に挑む。【佐井陽介】

◆阪神は一回、大山悠輔内野手(26)の右犠飛で先制に成功した。「初回からみんなで作ってくれたチャンスだったので、どんな形でもランナーをかえすという気持ちで打ちました。最低限ですが仕事をすることができてよかったです」。先頭の近本から3連打で無死満塁のチャンスを作ると、4番・大山がファウルで粘り、8球目の145キロを右翼へはじき返して、得点を挙げた。  チームは現在、先制すれば負けなしの14連勝中と絶好調。この試合も幸先の良いスタートを切った。

◆ヤクルト・小川泰弘投手(30)が2回0/3を投げ8安打6失点で降板。前日が降雨中止となりスライドでの登板となったが、先発の役目を果たすことができなかった。  一回、いきなり3連打を浴び無死満塁のピンチを背負うと、大山の右犠飛で先制を許す。この回は1失点のみに抑え、二回は三者凡退に仕留めたが、三回だった。  先頭の投手、ガンケルに中前打とされると、近本には投前にセーフティーバントを決められ、無死一、二塁から糸原に左中間適時二塁打。続くマルテは四球、大山に右前2点打、サンズに中前適時打とされたところで大下にマウンドを譲った。 2番手の大下も1死二、三塁から梅野に中前適時打を浴びて、リードは6点差に。三回の攻撃時に18分間の降雨中断を挟むなど、土がぬかるむ難しい状況下だったが、燕のエースは粘ることができなかった。

◆阪神は三回、3連打を含む6安打5得点の猛攻を見せた。まずは糸原健斗内野手(28)が適時打で口火を切った。「高めのボールに対して力負けせずに打ち返すことができた。ガンケルも良い投球をしてくれていますし、援護することができてよかった」。先頭の投手・ガンケルが外角球を中前へ。続く近本がセーフティーバントをしかけて内野安打にすると、糸原が甘く入った直球をとらえ、左中間適時打にした。  猛虎の勢いは止まらない。マルテが四球を選ぶと、4番・大山は初球の145キロを詰まりながらも右前へはじき返して2点打。直後にサンズにもタイムリーが飛び出し、ヤクルト先発・小川をノックアウトした。  その後、梅野も打点を挙げて打者一巡、1イニング5得点を記録し、相手を突き放した。

◆"ラパンパラ"ポーズが飛び出した! 阪神のジェフリー・マルテ内野手(29)が四回に中押しとなる3号2ラン。4月14日の広島戦(甲子園)以来、3試合ぶりの一発で8点差に広げた。  「チーム全体で良い攻撃ができているし、良い流れの中でホームランを打つことができたね。チームメートとのみんなと一緒にラパンパラ(ポーズ)ができて最高の気分だよ」  1死一塁で打席に立つと2番手・大下の3球目、144キロの直球を一閃。ライナー性の打球はそのまま左翼ポール際の席へ着弾した。ベンチに戻ると、お馴染みとなった"ラパンパラ"ポーズをチームメートと決めて満面の笑顔を浮かべた。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(29)が先発し、6回5安打1失点と好投した。四回まで燕打線を1安打に封じる安定感した滑り出し。しかし、六回に1死から中村に左翼線二塁打。続く山田を空振り三振に斬ったが、4番・村上に左前打でつながれて一、三塁とピンチを招くと、青木には外角の変化球を左前へ運ばれて失点した。チームは11日のDeNA戦(横浜)の九回以来、34イニングぶりに失点を喫したが、打線の大量援護もあって勝ち投手の権利を保持したまま、マウンドを降りた。  このまま阪神が勝利すれば、来日2年目の助っ人右腕が今季4勝目でリーグ単独トップに立つ。

◆ヤクルトが阪神に連敗を喫し、勝率5割に逆戻りとなった。先発の小川泰弘投手(30)は2回0/3を投げ8安打6失点で降板。前日が降雨中止となりスライドで登板したが、今季初黒星(1勝)となった。  一回、いきなり3連打を浴び無死満塁のピンチを背負うと、大山の右犠飛で先制を許した。三回はガンケルに中前打とされると、近本には投前にセーフティーバントを決められ、無死一、二塁から糸原に左中間適時二塁打。続くマルテは四球、大山に右前2点打、サンズに中前適時打を浴びたところで大下にマウンドを譲った。  打線は六回に1点を返し、七回には山田の左越え5号3ランなどで一時は3点差に迫ったが、及ばなかった。

◆阪神は打線が奮起し、今季最多の10得点で勝利。チームは7連勝を飾り、ヤクルトには開幕から5連勝とした。  一回に4番・大山の犠飛で先制すると、三回には3連打を含む6安打5得点。四回にはマルテの3号2ランで一時8点差とした。試合前時点で打率・176と不振だった近本光司外野手(26)は5打数4安打で今季初の猛打賞をマークし、復調の気配を見せた。  先発のガンケルは6回5安打1失点の好投でリーグ単独トップに立つ4勝目。しかし、2番手のD8位・石井大(四国IL・高知)が山田に3ランを浴びるなど4失点、4番手・加治屋も味方の失策もあり2失点し、鉄壁のブルペン陣はピリッとせず。それでも九回は守護神・スアレスが無失点で試合を締めた。

◆ヤクルト・高津臣吾監督(52)は試合後、この日スタメンを外れた内川聖一内野手(38)=前ソフトバンク=について出場選手登録から外すことを明かした。「上半身に張りがあって。体の張りがあるので抹消します」と説明した。  内川は移籍1年目の今季、オープン戦中から4番・村上の後を打つ5番打者を任され、2年ぶりに開幕スタメンに名を連ねた。ただ、3月31日に新型コロナウイルスの陽性と判定された西田の濃厚接触者として青木、川端とともに13日まで自宅待機し、14日のイースタン・リーグ、巨人戦(戸田)で実戦復帰。16日の阪神戦(甲子園)から1軍に復帰し、同戦ではフル出場していた。

◆阪神は今季初の2けた得点でヤクルトに快勝。近本に復調の兆しが見えるなど、20日からの巨人戦を前に矢野耀大監督(52)は手ごたえを感じ取っていた。  ■最後はバタバタ  (テレビインタビュー)  --終盤は厳しい展開だった  「そうですね。七回、八回はバタバタしましたけど、野手も点をとってくれましたし。ガンケルも素晴らしいピッチングをしてくれたのでね。有利な展開で進められたかなと思います」  --これで7連勝。最も大きいと感じる部分は  「先発ピッチャーがゲームを作ってくれるのは頼もしいですし。打線もいいところでやれている。かみ合っているかなと思います」  ■中野に苦言  --七回、中野がタイムリー  「大きな2点でしたけども、あそこで(八回の)守備がね、アウトにするっていうプレーまでいければ最高でしたね」  --近本が4安打  「どんな形でもヒット欲しいなと思っていたんですけど、チカが出て、悠輔(大山)がかえすのがパターンになりますし。健斗(糸原)もね、サンズもマルちゃん(マルテ)も元気なんでね。いいメンバーに、いいヒットが出たかなと思います」  --ガンケルはいい投球を続けている  「安定感抜群ですし、ハングリー精神もあるピッチャーなんでね。結果として出ているっていうのはうれしいですね」  ■G戦へ向け、自分たちの野球を  --週明けの巨人戦への思いを  「良い形でジャイアンツ戦に臨んでいけるような形をみんなでつくれたんで。巨人というのは、意識はしていますけど、僕たちの野球がやれればいいんだというね、火曜日からもしっかり目指していきます」  (囲み取材)  --ガンケルで一番いいのは  「球の力というかキレ。ベース上での強さを感じるから。タイミングの変化、ボールをちょっと動かすというのも、打者としては早いタイミングで合わせていくとなれば打ち取れる確率は上がるんで、そこが一番」  ■18年ぶりの開幕4連勝  --開幕4戦4勝は監督がバッテリーを組んだムーア以来(2003年)  「すごいね、月間(MVP)もね、見えてくるところにいるし、勝ち運を持ってくれてるピッチャーっていうのもありがたいし、申し分ないです」  --大山は満塁の場面で確実に  「その確実が難しいんやけどね、最高は満塁ホームランなんだけど、最初の犠牲フライ(一回)でも追い込まれて、コンパクトに打ちにいって、2本目のヒット(三回の適時打)も見た目にはラッキーに見えるかもしれないけど、しぶとくね」  ■火曜日もおまじない?  --近本も4安打  「練習では、悪くないんだけど、もがいているところはあったのでね。今日はバットにおまじないをしていた。打てるぞと言って、俺がおまじないをしているようにして打てたからさ、火曜日もおまじないします」  --梅野が右手を負傷し交代(七回に石井大の投球を受けて交代)  「腫れたから。その腫れをすぐ引かせることのほうが大事やからと思ったので。多分、大丈夫だと思うんだけど」  --石井大は  「どう変化球でカウントを取っていくとか、空振りを取るかっていうのを、やっぱり上げてこないと。気持ちも向かっていく投手なんで。大きな心配はしていません」  --1軍の舞台で使っていく  「それは落とすかもしれんし」

◆阪神は終盤に詰め寄られたが、試合を終始優位に進められたのは一回先頭、近本がヒットで出塁したからだ。ヤクルト・小川は投球に波があるタイプ。フォームの癖を補うようにクイックはできるが、急ぐがあまり上体投げになってしまう。足の速い走者が出ると大崩れしてしまうのがパターン。小川の神経をすり減らせた近本はファインプレーといえる。 ■逆方向3本含む4安打は復調きっかけになる  近本は開幕直後、本調子を欠いていたが、逆方向への3本を含む、この日の4安打は復調のきっかけとなりそうだ。センターを中心に、速球であれば逆方向へ、変化球であれば右方向へ、という意識があった。どんな打者でも調子が悪いときは内角球に詰まることを恐れ、投手寄りの肩が開いてしまう。バットが遠回りすれば打てるものも詰まり、空振りも増える。近本は今の姿勢を保ち続ければ打率も最終的に3割前後までいくはずだ。  打線は好調。ただし、いくらリードがあっても、小さなほころびから暗転するのが野球の怖さ。こういう展開で岩崎、スアレスら勝ちパターンの投手を投げさせてはいけない。チーム全体として集中力を保って試合を進める。それがリーグ優勝への条件になる。(本紙専属評論家)

◆ヤクルトは連敗で勝率は5割に戻り、4位に後退した。天候不良で中止となった17日からスライドで先発した小川泰弘投手(30)が三回途中8安打6失点で今季初黒星。阪神戦は開幕から5連敗となり、高津臣吾監督(52)は険しい表情を浮かべた。  --小川が序盤で崩れた  「結果からすると、もう少しピリッとしてほしいね。うちの開幕を務めたピッチャーだし、相手ピッチャーもいい。そういうことを考えると、ロースコアに持っていかないといけないところで、ちょっと体もボールも切れがなかったかな。いろいろなことを思ってのマウンドだったと思いますけどね」  --阪神戦は開幕から5連敗  「なかなか立ち上がりから、点を取れないというのは大きいと思います。やっぱり先発がゲームを引っ張って、リリーフ勝負というところまで持っていけてないので、先発を打ち崩さないと勝機はなかなか難しい。やはりお互いの先発の出来が(勝敗を)すごく左右するんだろうなと思います」  --8番で起用したD4位・元山(東北福祉大)がプロ初の猛打賞  「あまりスタメンで出るチャンスが最近なかったんですけど、ああやってパッと出て結果を出してくれるのは、こちらとしても判断するいい材料になったと思うし、ずっと言ってきている競争というのは西浦も含めて、いろいろなところで競い合ってほしいなと思いますね」  --7番の松本友も2安打  「7番、8番は思い切ってスイングしてくれる。もちろんいい結果を出してくれた方がいいと思いますけど、ああやって自分のスイングをするとか、思い切り積極的に行くとかというところはすごく大事な部分だと思います」

◆阪神の正捕手、梅野が七回守備で石井大のバウンドした投球を右手親指付近に受け、坂本と交代した。矢野監督は「腫れていたが、多分、大丈夫だと思う」と説明した。

◆ヤクルトのドラフト4位ルーキー元山が七回の適時打を含めて3安打2打点と気を吐いた。先発出場は3月31日以来で「ずっと出られず、悔しかった。高津監督の頭にインパクトを与えられるようにと思ってやった」と気の強さをみせた。  長野・佐久長聖高3年夏に出場した甲子園大会以来の聖地で、「(徳島の鳴門と対戦した)あの時は2安打。それ以上打たないと、高校生の自分に負けていると思って臨んだ。3本打てて良かった」と感慨深げだった。  高津監督は「出てすぐ結果を出すのがいい。(正遊撃手の)西浦といい競争をしてほしい」と褒めた。

◆"不敗神話"は終わらない!! 阪神・大山が2度の満塁の好機で先制犠飛&中押しの2点タイムリー。今季初の2桁となる10得点を演出した。  「みんなが作ってくれたチャンス。どんな形でもランナーを返すという気持ちで打ちました」 ■2度の満塁機できっちり4番の仕事  2本とも会心の当たりではなかったが、結果がすべて。納得の表情だった。まずは一回だ。1番近本から3連打で無死満塁。フルカウントから小川の投じた低めの直球をすくいあげ「犠牲フライとか、内野ゴロの1点が(勝敗に)絶対に大きくなる」と胸を張った。  今季これで先制すれば15戦全勝と、先手をとれば負けない虎に大きな1点をもたらすと、糸原の適時二塁打でリードを2点に広げた三回は、なおも無死満塁で145キロを強振せず、技ありの右前2点打だ。  「打点を挙げることが自分の仕事だし、チームの勝利に一番直結すると思っていますから」  データをみれば一目瞭然。昨年から大山が打点を挙げれば、チームは引き分けを挟んで18連勝だ。矢野監督は「もちろん(打者として)最高なのは満塁ホームランだけど。(状況に応じて)コンパクトに、しぶとく打つことも必要。それができれば打点も増えるし、われわれの信頼度もあがる」と、この日の大山の3打点を高く評価した。打率・254、1本塁打は4番として物足りないが、14打点はリーグ4位。個人記録よりもチームの勝利のため-。今季から主将となって、その意識が強くなった。 ■主将として中野らへアドバイスも  10日のDeNA戦(横浜)の試合前練習。遊撃でプロ初スタメンのD6位・中野(三菱自動車岡崎)に声をかけると、自らキャッチボールの相手を買って出た。「チームが勝つために一人一人、いろんな仕事がありますから」とルーキーに自らハッパをかけた。中野は攻守に活躍を続け、木浪を押しのけて先発出場は6試合連続となった。若手へのアドバイスもチームの勝利のためだ。  貯金を今季最多の11として、20日からは今季初の東京ドームへ。「油断せずに1試合1試合、全員で一丸となって戦うだけ」。自分が打点を挙げれば、チームは負けない-。巨人との伝統の一戦でも、チャンスで打点を挙げることを意識して、打席に立つ。(三木建次)

◆雨にも負けず、淡々とアウトを積み重ねた。阪神・ガンケルが6回5安打1失点で、両リーグ単独トップの4勝目。虎のナイスガイはお立ち台からチームメートに感謝した。  「守備のみんなのおかげかな。僕の後ろで守ってくれる選手がしっかりプレーしてくれることで思い切って投げることができるし、打たせることができていた結果です」  球団では優勝した2003年にムーアが成し遂げて以来の開幕4戦4勝だ。一回からストライク先行の投球を続けた。三回2死一塁。3球投げたところで降雨により18分間中断されたが、リズムは変わらず。「しっかり自分の球種を投げ切れている」と胸を張った。 ■六回に適時打浴びチーム34イニングぶり失点も  8-0の六回2死一、三塁で青木に右前適時打を浴び、チーム34イニングぶりの失点。球団初の4試合連続完封勝利はならなかったが、堂々の投球で、防御率1・09はセ・リーグ4位だ。  バットでも魅せた。三回先頭で小川の外角143キロを中前へ弾き返し、一挙5得点のビッグイニングを演出。「高校ではクリーンアップを打ってました。大学ではピッチャーと野手としてやっていたので」。強打も売りだったムーアのように、"二刀流"で勝利に貢献していく。 ■矢野監督「日本で成功したいという思いがすごくある」  矢野監督も「本当に安定感抜群。ベース上での(球の)強さというのを感じる」とうなずき、7年間で1度も米大リーグのマウンドに上がれなかった苦労人の"強さ"を証言した。「何とか日本で成功したいという思いがすごくあって。本当に頭が下がるような姿勢で去年もそういう姿をずっと見ていた。ハングリー精神はすごい」。  昨季2勝止まりだったが、来日2年目でブレーク。ガンケルは「自分がしっかり投げられているというのもある。今後も好調を続けていきたい」と力を込めた。白星も"タイガースドリーム"もつかみとる。(新里公章)

◆「8番・遊撃」で先発したD4位・元山(東北福祉大)がプロ初の猛打賞を記録した。川端からの助言で頭を動かさないことを意識し、三、五、七回にいずれも左前打。3月31日以来の先発に「出られない中で本当に悔しかったので、晴らしたろうという思いでした」。高津監督は「西浦も含めていろいろなところで競い合ってほしい」と期待した。

◆ヤクルトは終盤の追い上げも及ばず、連敗した。勝率5割に戻り、4位に転落。首位・阪神には開幕から5連敗で高津臣吾監督(52)の表情は曇った。  「野手はあそこまで諦めないで点を取ってくれていることを考えると、やっぱり投手がしっかりしないといけない。余計にそこがクローズアップされる気がします」  エースが崩れた。17日は降雨中止で、小川がスライドで先発。だが、一回に3連打を浴びて大山の右犠飛で先制を許すと、三回は相手打線の猛攻を受け、今季最短の2回0/3を8安打6失点で降板。初黒星を喫した。  指揮官は序盤で大量リードを許した右腕に「少しピリッとしてほしい。うちの開幕を務めた投手だし、相手投手もいい。ロースコアに持っていかないといけないところで、体も球も切れがなかった」と苦言を呈した。  打線は山田の5号3ランなどで反撃したが、敵地で痛い連敗を喫した。高津監督は「先発を打ち崩さないと勝機は難しい。お互いの先発の出来が(勝敗を)左右する」と先発陣に奮起を求めた。(赤尾裕希) 2回0/3を投げ8安打6失点で1敗目(1勝)を喫したヤクルト・小川 「チームに流れを持ってくるピッチングができなくて申し訳ないです」 七回に左中間席へ5号3ランを放ったヤクルト・山田 「1本出れば試合が分からなくなる場面だったので、何とか打ちたかった」

◆選手会長の今季初猛打ショーで、5年ぶり7連勝! セ・リーグ首位の阪神はヤクルトに10-7で勝利。苦しんでいた切り込み隊長、近本光司外野手(26)が4安打の固め打ちで打線に火をつけ、今季最多の16安打で10点を奪った。20日からは3ゲーム差に広げた2位巨人と直接対決。勢いに乗って、東京に乗り込む!!  日曜日の甲子園で猛虎打線が爆発した。今季最多の16安打&10得点に、虎党の拍手も鳴り止まない。猛攻を呼び込んだのは、低空飛行を続けていた近本だ。不動の切り込み隊長が打てば、打線は活発になる-。今季初の猛打賞(1試合3安打以上)となる4安打の乱れ打ちで、改めて、その存在の大きさを示した。  「4安打というよりも3得点の方がすごくうれしい。これでチームの勝ちになったので、ヒットというよりは、3得点の方がうれしいです」  まずは一回先頭。燕の開幕投手、小川の初球142キロを左前へ。「打つべき球、甘い球をしっかり打ちにいけている。それが初球でも、しっかり振りにいけたというのはよかった」。手応え十分の一打で口火を切り、4番・大山の右犠飛で先制ホームを駆け抜けた。  1-0の三回無死一塁では絶妙なセーフティーバント(投手内野安打)を決め、再び大山のバット(2点打)で3点目のホームイン。四回の遊撃内野安打、八回の左前打で、しめて4安打。チームを矢野虎最長、5年ぶりの7連勝へ導いた。  矢野監督の"祈り"も通じた。「練習ではあまり悪くないんだけど、結果が出ないというところでは、もがいているところはあった」。そこで、悩める近本に願いをかけた。「バットにおまじないをした。『打てるぞ』と言って、俺がおまじないをして、打てた」。"念"の効果は予想以上!? 指揮官は「(20日の)火曜日もおまじないします」と笑顔で宣言した。  それだけ、苦しんでいた。試合前時点で打率・176は、セ・リーグの規定に到達している32選手中、30番目。「打てていない分、そういうところでしっかりやっていきたい」と打撃練習では入念にセーフティーバントの練習も。大山ら一、三塁手に聞きながら、タイミングをはかっていた。 その他の写真(2/5枚)  2打席目は、そんな努力の証だ。「川相さんに教えていただいた、左足の使い方がしっかりできたのでよかったです」。この日は、春季キャンプで臨時コーチを務めた川相昌弘氏がテレビの解説で甲子園に。感謝とともに、教わったことを目の前で結果につなげた。  貯金は今季最多の11。好調なチームに乗り遅れていた選手会長がようやく勢いを取り戻し、さあ、20日からは3ゲーム差に広げた2位巨人との東京ドーム3連戦だ。近本が力強く誓った。  「今まで周りに助けてもらって、支えてもらって...。足を引っ張ってましたけど。今日みたいに塁に出て、かえってくる。また頑張っていきたい」  出塁すれば、得点に大きく結びつく。まだ打率は・215。虎の韋駄天が、これまでの悔しさも込めて、暴れまわる。(菊地峻太朗)

◆ガオー!! ほえる虎のウル虎ユニホームの猛虎が7連勝で貯金11や!! 16日にお立ち台で藤浪が「大阪のおばちゃんみたいなユニホーム」と言っていたので、大阪のおばちゃん名物『あめちゃん』を4戦4勝のガンケルにあげたってー!!  先制すれば今季15戦全勝! そして昨年から打点を挙げれば18連勝の神話を一回の犠飛で証明してくれた大山にもご褒美のあめちゃんの山やー!!  打撃不振で心配していた近本も4安打で完全復活したので持ってけ、あめちゃんや~!! 16安打10得点の勝利の中、あめならぬムチもピシ~ンと一振りしておくのだ!!  4タコの佐藤輝よ、新人王の壁は相手投手だけでない。先発6試合連続安打(本日も2打点に好守備)のD6位・中野が3割30盗塁したら新人王は分からんでエ!? とたまには尻をたたいておくのだ!!(このムチで発奮してくれるはず。ムフフ...)  さて、次は最大のライバル巨人戦。前回完封された高橋も沈め、大阪のおばちゃんのコワさを...。いや、虎のコワさを見せつけたろーぜ!!

◆大量8点リードしていたのに、途中からは乱戦になり、さらに警告試合が宣言される荒れ模様。そして最後は「きょうはお休み」と思われていた必勝パターンの切り札たち、岩崎、スアレスがまさかの登板。何とか逃げ切った。この1勝をどう分析したらいいのか?  すんなり勝てよと不満を漏らす方、ドタバタがお気に召さないファンも多いだろう。でも心配なく。「虎のソナタ」的には、改めてことしのタイガースの強さがにじみ出た勝利と位置付けたい。  もう忘れかけているでしょうが、先制したのに三回の守備中に雨が激しくなって中断。マウンドにいたガンケルのペースが乱れないか心配した。が、何事もなかったかのように後続を打ち取ったガンケルの安定感は驚くばかり。  七回には、山田に3ランを浴びて、またまた嫌~な空気が流れた。ところが、その裏にルーキー中野があっさり突き放す2点タイムリー。しかも無死二、三塁から2者が凡退し、重苦しくなってからの快打。たいしたルーキーだ。要するにです。流れが変わりそうな状況でも、誰も全く動じない。それが2021年版のタイガース。マジで強い。  スタメン9人で唯一ヒットが出なかったのが怪物ルーキー佐藤輝だった。投手のガンケルまで打っていたが、佐藤輝のバットからは、最後まで快音は聞こえてこなかった。  実は8-0になった四回裏、当番デスク堀啓介に電話してみた。  --この展開でもし、佐藤輝がホームランを打ったら、1面はどうする?  「そりゃあ、佐藤輝でしょう」  意地悪な質問に、堀は明るく即答した。どんな展開の試合でも佐藤輝なんだなぁ。どこまでもスーパースターだなぁ。まあ、えこひいきされるのがスターの証明でもある。  そんな佐藤輝の存在を意識して、負けるもんかと打点を稼いだ他の打者たちの意地。ここにも、好調の原因がある。相乗効果ってやつだろう。  どんな時でも打てば1面。サンサンと日が当たり続ける佐藤輝に関する、面白い話題を提供してくれたのが、アマ野球担当・宮本圭一郎。昨日は関西学生野球の取材に出向き、佐藤輝の近大時代の恩師・田中秀昌監督と話した中で、やっぱりあの"怪物"の話題になったそうだ。  「ハマスタの場外アーチは、あいつにしか打てないでしょう。遠くへ飛ばすことは、努力だけではできないですから」  そう苦笑いしながらも、田中監督が言及したのは意外にも14日の広島戦だった。遊ゴロのファンブルが起きた時、一走・佐藤輝は全力疾走して二塁セーフ。直後のタイムリーで先制したシーンがあった。  「遠くへ飛ばせなくても、全力疾走は誰にもできる。常に諦めずに次の塁へ。あの姿勢は見習わないといけない。次の日のミーティングで、うちの選手に伝えました」  ホームランにばかり目を奪われるけれど、実は後輩たちのお手本になっていたのは走塁だった-。佐藤輝のタダモノでない部分は、こんなところからもうかがえる。  さあ、明日からは2位巨人との3連戦。盛り上がりは必至。3ゲーム差の首位攻防。3連勝したら6ゲーム差です。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1540 0.789
(↑0.011)
-
(-)
12487
(+10)
42
(+7)
18
(+1)
18
(+1)
0.262
(↑0.011
2.210
(↓0.22)
2
(-)
巨人
1164 0.647
(-)
3
(↓0.5)
12277
(+2)
53
(+2)
17
(-)
14
(-)
0.232
(↓0.003)
2.360
(↑0.02)
3
(1↑)
広島
1091 0.526
(↑0.026)
5
(-)
12358
(+4)
67
(+2)
17
(-)
9
(-)
0.246
(↓0.001)
2.950
(↑0.16)
4
(1↓)
ヤクルト
883 0.500
(↓0.033)
5.5
(↓1)
12474
(+7)
75
(+10)
17
(+1)
13
(-)
0.248
(-)
3.830
(↓0.38)
5
(-)
中日
6113 0.353
(↓0.022)
8
(↓1)
12349
(+2)
65
(+4)
3
(-)
11
(-)
0.220
(↓0.003)
2.890
(↓0.07)
6
(-)
DeNA
3153 0.167
(-)
11.5
(↓0.5)
12263
(+2)
106
(+2)
14
(+1)
5
(+1)
0.235
(↓0.004)
4.920
(↑0.15)