ヤクルト(☆2対1★)DeNA =リーグ戦6回戦(2021.04.15)・明治神宮野球場=
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DeNA
0001000001900
ヤクルト
20000000X2502
勝利投手:高梨 裕稔(2勝0敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(0勝0敗5S))
敗戦投手:濵口 遥大(0勝3敗0S)

本塁打
【ヤクルト】中村 悠平(1号・1回裏ソロ),村上 宗隆(7号・1回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトが3連勝。ヤクルトは初回、中村と村上のソロで2点を先制する。投げては、先発・高梨が6回途中1失点と試合をつくると、その後は4投手の継投でリードを守り抜いた。敗れたDeNAは、打線が相手を上回る9安打を放つも、1得点とつながりを欠いた。

◆DeNA浜口遥大投手(26)は、今季3試合で0勝2敗といまだ勝ちがない。 開幕投手が3連敗スタートすると、球団では10年ランドルフ(6連敗)以来で、日本人では01年小宮山が最後。連敗を止める今季初勝利となるか。

◆DeNA三浦大輔監督(47)は15日、タイラー・オースティン外野手(29)とネフタリ・ソト内野手(32)をヤクルト6回戦(神宮)でスタメン起用すると明言した。 打順はクリーンアップで、右翼と一塁に入れる。「本人たちと(状態を)確認した。勝利に貢献してほしい。みんなでつないでいくことには変わりはない」と話した。 ルーキー牧秀悟内野手は二塁に回す。

◆ヤクルトは1回に中村の1号ソロと村上の7号ソロで先制。先発高梨は、3回まで2安打無失点3奪三振で上々の立ち上がり。 DeNAは4回2死満塁で、柴田が二塁への適時内野安打。先発浜口は2回以降立ち直り、6回まで4安打2失点10奪三振。 ヤクルトは1回の2点を守り抜き、今季初の同一カード3連勝。貯金を2とした。DeNAはチャンスで1本が出ず、6連敗。高梨は今季2勝目、石山が5セーブ目。浜口は3敗。

◆DeNAはリーグ開幕18試合目で借金10となった。 タイラー・オースティン外野手(29)が3番右翼、ネフタリ・ソト内野手(32)が5番一塁で今季初めてスタメン出場。ここまで3番打者として打線をけん引してきたルーキー牧秀悟内野手を2番二塁に回す攻撃的オーダーで臨んだが、1点差でヤクルトに競り負けた。 ソトは6回に今季初安打となる中前打を放った。オースティンは8回に右前打を放ったが、得点にはつながらなかった。 三浦大輔監督は外国人選手のスタメン入りで「他の打者への影響もよかった。マークが分散された。打線としての形がつくれつつある」と話した。両外国人に挟まれた4番の佐野恵太が2安打2四球と全打席出塁していた。借金10には「現状をしっかり受け止めて、明日しっかり勝てるようにみんなでやっていく」と話した。

◆ヤクルト中村悠平捕手(30)が、1回1死、高めの137キロ直球を左翼席へ運んだ。 今季1号ソロは19年9月4日広島戦以来となる本塁打。2番捕手での1発もチーム史上初めてとなった。青木からは「ムーチョ(中村)がすごい変わった気がする。多分、勝っている原因はムーチョかなと。明らかに変わった。表情に出すようになった」と評価される。気迫を体現させ、結果に結びつけた。「(2年連続最下位の要因に)バッテリーとよく言われるので、なんとかシーズン通して見返してやりたいなという個人的な気持ち」と力を込めた。

◆念願のタイトル獲得へ、打ち続ける。ヤクルト村上宗隆内野手(21)がリーグトップの7号ソロでチームを今季初の同一カード3連勝に導いた。1回2死走者なし。フルカウントから低めの126キロチェンジアップを右翼席へ放り込んだ。「追い込まれていたので、何がきても対応できるように待っていた」。この1発で自己最長タイの11試合連続安打。勝利に貢献するという確固たる決意が、体を反応させた。一番大きな声で、先頭に立って引っ張る若き4番。ベンチで迎えるナインに向かって笑顔をはじけさせた。 「3割30本100打点を最低ラインにしてプレッシャーをかけながら頑張りたい」と臨む今季。個人の目標には打撃タイトル獲得にこだわる。現在、本塁打は2位に2本差をつけて単独トップ。打点も17でトップのDeNA牧に並んだ。それでも6号を放った13日の試合後には「自分の感覚でこうしたほうがいいな、という部分があったので、それが今ちょっとずつうまくはまっていますけど、もっと打てる」と言い切った。理想の打撃はまだ先にある。 チームは開幕3連敗から貯金2の3位。16日からは首位阪神戦に挑む。「そこを倒せないと上にいけない。チーム一丸となって頑張りたい」。ぶっちぎりの打撃で、チームを勝たせる。個人もチームも、狙うのは頂点だけだ。【湯本勝大】

◆2人のハマグチがいる。DeNAの開幕投手、浜口遥大投手(26)は、4試合連続で1回と2回以降でまったく違う投球内容を見せている。今季初めて中5日で先発した15日もまた、別人のような投球で3敗目を喫した。 1回、2番中村と4番村上にソロ本塁打を浴びた。塩見にも安打を許して3安打2失点。中村には直球を、村上にはチェンジアップを打たれた。一転、2回からは立ち直った。6回までの5イニングはわずか1安打。特に4回からは完全投球で、打者9人から7奪三振。終わってみれば、6回106球で4安打2失点。奪三振は10を数えた。 浜口 調子は悪くありませんでした。2イニング目以降、粘り強く投げられただけに、初回の失点が悔やまれます。次回登板ではこれまで以上の責任感を持ってマウンドに上がりたいと思います。 前回も、だった。9日の阪神1回戦(横浜)は初回に適時打、犠飛、押し出しで3失点。1イニング3四球と、救いようがない投球だった。ところが、2回以降は立ち直り、5回まで4イニングは2安打無失点。結果は5回5安打3失点だった。 前々回も、だった。2日の広島1回戦(横浜)は初回、味方守備が乱れもあったが、松山に適時打を浴びて1失点。しかし、2回から5回までは無失点。6回に西川にソロ本塁打を浴びたが、6回7安打2失点は合格点の投球内容だった。降板時には悔し涙を流すなど、三浦監督も「表情に気持ちが入っていた」とした登板だった。 さらに、さかのぼると3月26日の開幕・巨人戦(東京ドーム)も、だ。初回に先頭から6者連続出塁を許すなど3失点した。ところが2回は3者凡退。3回に3ランを浴びたが、最後は2者連続三振と意地は見せた。 初回の失点は3→1→3→3で合計10。通算4イニングで10点を取られている。2回以降の失点は3→1→0→0で合計4。通算16イニングで4失点だ。 三浦監督は15日の試合後、浜口の投球について、こう評した。「立ち上がりにソロ2発で2点取られた。2回以降は腕が振れていた。(立ち上がりは)次回以降の課題となる。いろいろとトライしているが。初回は何かを変えていかないと。投手コーチと相談して、やっていかないと」。 川村投手コーチが12日、浜口の取り組みについて語っていた。(1)ブルペンで球数を増やす(2)試合直前まで投球練習。手をこまねいていたわけではない。浜口自身も(1)自分で自分にプレッシャーをかけすぎない(2)先頭打者をうまく切って好投した上茶谷の投球を参考にする、といった改善方法に取り組んでいた。それでも、またも同じような結果が出てしまった。 通算172勝の三浦監督でも「立ち上がりは先発投手にとって難しい」と認める部分はある。これまでは、開幕投手はペナントレースの序盤、相手エースと当たり続けるため、先制点を与えられないというプレッシャーがかかる部分はあった。実際に過去3戦は巨人菅野、広島大瀬良、阪神藤浪が相手先発だった。だが、この日は今季初の中5日で登板日が木曜にずれたため、これにも当てはまらない。浜口は次回登板までにどうにかして初回の呪縛を解く必要がある。【斎藤直樹】

◆ヤクルトが今季初の同一カード3連勝で、貯金2とした。16日からは首位阪神との3連戦に挑む。 試合後の高津臣吾監督の主な一問一答は以下の通り。 -初の同一カード3連勝 高津 まあ、確かに連勝はうれしいですけどね。そんなに、うーん、なんて言ったらいいのかな。毎日一生懸命戦っているだけでね、その日勝てるかどうかというのを一生懸命にやっているだけなんですけど。まあよかったですね -1回、中村と村上の本塁打で先制 高津 いい打者陣の立ち上がりをして、まさかこの2点で逃げ切れるとは思っていなかったんですけど。結果的には高梨がよく踏ん張って、近藤のところですよね。近藤がよく6回の途中、あそこでよくゲッツーで締めてくれたと思いますね。 -中村はバントもできれば長打も打てる 高津 長打は期待していないです(笑い)。決して期待してはいないです。これは書いてくれてもいいですけど(笑い)。でもああやって思い切りよくスイングされるとピッチャーは嫌ですし、走者がいるときもいろんな作戦をこなしてくれるので、すごくいい働きをしてくれていると思います。 -中村は守備の方でもリズムが良くなっているように見える 高津 ちょっと全体的にいい感じかな、と言っておきます。 -「2番捕手」での本塁打が球団初 高津 ああ、そうなんだ。言っとくよ。まあいい感じでチームもいい流れになっているし、いい形で彼が2番に収まってくれているなと思いますね。 -中村を2番に置く意義は 高津 あそこで何か動かすとか、あそこで何か(山田)哲人とかムネ(村上)につないでいくとか、つなぎの部分ですごく大事な役割だと思う。彼は守備でも大変でしょうけど、打席でもいろいろ考えてやってくれている感じがします。 -先発投手の好投が目立つ 高津 先発陣だけじゃなくて投手陣みんなで少ない点差を、ロースコアを逃げ切れる、勝ち切れる、今はそういう状態かなと思います。先発はもちろんですけど、ピッチャー全体でよく踏ん張っているなと思います。 -4回以降はDeNA浜口が立て直した 高津 ちょっと状態は良くなってきましたね。浜口くんもなかなか芯に当てさせてくれなかったし、打球が上がらないので、ちょっと難しかったですね、中盤は。 -近藤が10試合登板でまだ無失点 高津 まあちょっと連投連投で無理させてしまってはいるんだけど、いろんなことを感じながら一生懸命やっている姿はすごく僕の目にも映りますし、ああやって結果が出てくれると、リリーフって毎日出て、毎日投げるのが仕事ですけど、その疲れもいい結果が出ていると少し和らぐというか、そうなんじゃないですかね。本当にいい状態で毎日いい仕事をしてくれていると思います。 -近藤の起用時に、内野ゴロでの併殺打はイメージして居たのか 高津 もちろんです。彼のいろんなところと、打者宮崎というところで内野ゴロをとってくれるというイメージは持っていました。 -内川、青木、川端の合流は 高津 ちょっと状態を確認してからになりますね。(明日16日の合流は)まだ今は決めていません。

◆ヤクルトの中村が2年ぶりに本塁打を放った。0-0の一回1死無走者で打席に入り、浜口の初球を思い切りよく振り抜いた。快音を残した打球が左中間席に届くとベンチも大盛り上がり。足早にベースを一周し「後ろに良い打者がたくさんいるので、出塁を考えていた。最高の結果になった」と笑顔で応えた。  昨季は開幕戦の先発マスクを託されたが、その試合前練習でぎっくり腰を発症して離脱。約2カ月出遅れたこともあり、1軍に定着した2012年以降では最少となる29試合の出場に終わった悔しさが、今季の原動力だ。  開幕直後から好調で、正捕手として打率3割を超える打率を維持。新型コロナウイルス禍で青木、内川ら主力が抜けてからは2番を任されて打線のスパイスとなっている。

◆チームの勢いそのままに主砲のバットが火を噴いた。1-0の一回2死。ヤクルト・村上が、相手先発の浜口から右翼席へ7号ソロを放った。  「うまくバットに乗ってくれました。中村さんの本塁打からチームに勢いがつけばいいと思います」  2連勝で迎えた一戦。一回1死から中村が左中間席に先制の1号ソロを放つと、2死から村上も続いた。カウント3-2から低めのチェンジアップをすくい上げた。左投手からの一発は今季初めてだった。  開幕17試合で7本塁打。シーズン143試合に換算すると58本塁打ペースだ。開幕から全試合出塁を続けており、連続安打も「11」に伸びた。三回1死一、二塁の第2打席では一ゴロを放ち進塁打で好機を拡大した。  主力を欠くチームを、結果と声で引っ張っている。新型コロナウイルスの影響で離脱した青木、内川、川端らが14日にイースタン・リーグで実戦復帰。21歳は「もちろん心強いです」と話しながらも「かといってそこに甘えるわけでもない。今の状態のまましっかり声を出していきたい」とうなずいた。  投手陣も14日まで4試合連続で相手打線を3得点以内に抑えており、投打でいい状態が続いている。「ベンチもすごくいい雰囲気で野球ができてますし、チーム一丸で試合がしたいなと思っている」。村上がチームを上位浮上へ導く。(横山尚杜)

◆ヤクルトが逃げ切り、同一カード3連勝。一回1死から、中村が相手先発の浜口から左中間席に先制の1号ソロを放つと、2死から村上も右越え7号ソロで続き2点を先行した。先発の高梨は5回1/3を5安打1失点と好投し、2勝目。六回途中から近藤、清水、マクガフ、石山とつないだ。

◆ヤクルトが逃げ切り、同一カード3連勝。一回1死から、中村が相手先発の浜口から左中間席に先制の1号ソロを放つと、2死から村上も右越え7号ソロで続き2点を先行した。先発の高梨は5回1/3を5安打1失点と好投し、2勝目。六回途中から近藤、清水、マクガフ、石山とつないだ。お立ち台には先発・高梨、先制弾の中村、7号ソロを放った村上があがった。 ■2勝目を挙げた高梨  --神宮では初勝利  高梨(以下、高)「中継ぎ、野手、みんなに助けられた試合。ほんとに嬉しい」  --一回から2三振。素晴らしい立ち上がりだった  高「チームのいい流れになるよう心がけて全力で入った」  --ハマスタで打たれた牧を2三振  高「前回ホームラン打たれてたので、なんとか抑えてやろうという気持ちで投げてました」  --2番手・近藤の救援  高「ここ3試合で六回を投げきれてない。近藤にほんとに感謝ですし、僕がもっと長いイニングを投げていければ」  --中村、村上のホームラン  高「初回に点を獲ってくれてもっと頑張ろうという気になった。助かった2点だったので嬉しかった」 ■先制のソロを放った中村  --ホームランの感触は  中村(以下、中)「出塁して3、4番にいい形で、と思っていた。最高の結果になってくれてよかった」  --打撃好調の要因は  中「昨年はけがをして試合に出られなかった。その分、今年やらなきゃいけないと自分に言い聞かせている」  --最近は2番起用されてる  中「特に気にしてはいない。なんとか後ろへつなげられればと思ってる」  --この3連戦で先発3投手に勝ち星がついた。  中「(投手の活躍は)非常に頼もしく思ってる。いつもみなさん叱咤激励していただいて、ありがとうございます。バッテリーとよく言われるので、シーズンを通して見返してやりたい。このまま一年間貫き通したい」 ■7号ソロの村上  --ホームランは狙ってた  村上(以下、村)「追い込まれてたんで、何が来ても対応できるよう待ってた」  --打撃の調子は  村「徐々に上がってきてます」  --ハツラツとしたプレーが多い。チームを引っ張る気持ちのあらわれか  村「必死で引っ張ってるつもりです。守備でも迷惑をかけないよう頑張ります」  --あすから甲子園。チームを代表して意気込みは  村「開幕戦3連敗してる。3連勝して取り返したい。首位を倒さないと上にはいけないですし、チーム一丸となって頑張ります」

◆DeNAの浜口は一回に浴びた2本のソロが命取りとなり、開幕3連敗を喫した。中村に速球を左中間席へ運ばれ、村上には追い込んでからの変化球を捉えられた。その後は追加点を与えず6回で10三振を奪う力投だっただけに「初回の失点が悔やまれる」ともどかしそうだった。  開幕から4試合連続で一回に失点しており、立ち上がりが課題となっている。三浦監督は「いろいろ取り組んでいると思うが、何か変えていかないと」と指摘した。

◆新型コロナウイルス感染拡大の影響で来日が遅れたDeNAのソトとオースティンが、初めて先発出場した。オースティンは3番、ソトは5番で起用され、ともに1安打を放った。  2人が中軸に入ったことで、好調のルーキー牧は2番、宮崎は6番へ移った。好機を生かし切れず1点止まりで借金は10に膨らんだが、三浦監督は「マークが分散され、打線としては形がつくれつつある。外国人選手が入ったことにより徐々に機能し始めている」と手応えを口にした。

◆先発の浜口は6回4安打2失点も今季初勝利はならず、3敗目。10三振を奪うなど力投したが、一回に中村、村上にソロを被弾し、流れを持ってこれなかった。「2イニング目以降は粘り強く投げられただけに、初回の失点が悔やまれます」。次戦へ「これまで以上の責任感を持ってマウンドに上がりたい」と気合を入れた。

◆DeNAはネフタリ・ソト内野手(32)、タイラー・オースティン外野手(29)を今季初めて先発起用し、それぞれ1安打ずつをマーク。打線はヤクルトの5安打を上回る9安打を放ったものの1得点に終わり、今季ワーストタイの6連敗を喫した。  「外国人が入ったことにより(打線が)徐々に機能し始めている。もう一本が出ませんでしたけど、こういう形で我慢強くやるしかない」  三浦監督は懸命に前を向いた。連敗中は、いずれも3得点以下と打線が沈黙。2カード連続の同一カード3連戦3連敗となり、「開幕18試合を終えての借金10」は2014年以来7年ぶり。当時はレギュラーシーズン5位だったが、今季は挽回のチャンスがある。  「現状を受け止めて、明日は勝てるように、しっかりみんなでやっていくしかない」。苦しい戦いが続くが、まずは一つ、目の前の白星をつかむ。(箭内桃子)

◆ヤクルトは15日、DeNA6回戦(神宮)に2-1で競り勝ち、2019年以来2年ぶりに同一カード3連戦3連勝を飾った。村上宗隆内野手(21)が一回に右越え7号ソロを放ち、17打点、出塁率・472を合わせて3冠となった。16日からは、開幕カードで3連敗を喫した阪神と3連戦(甲子園)に臨む。離脱していた青木宣親外野手(39)らが16日に1軍復帰する見込み。首位の阪神に雪辱だ!!  豪打を誇る村上が、技ありの一発だ。一回に中村のソロで先制し、2死走者なしで打席に立つ。左腕・浜口が投じた低めのチェンジアップをすくい、右翼席へ7号ソロを運んだ。  「うまくバットに乗ってくれました。追い込まれたので、何がきても対応できるように待っていました」  理想に掲げる「チームを勝たせる打撃」を実践している。7本塁打はリーグトップで17打点はトップタイ。開幕から17試合連続で出塁(出塁率・472)し、青木や内川らを欠く打線をバットでけん引。ベンチでも得点シーンなどで声を張り上げ、ガッツポーズする姿は今季のヤクルトの象徴となっている。  ナインを力強く鼓舞する-。熊本・九州学院高時代に出合った1冊の本が村上を変えた。朝の読書の時間に、ソフトバンクや米大リーグで活躍した川崎宗則内野手(39)=現BCリーグ栃木=の著書『逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法』(文藝春秋)を読み、心構えに胸を打たれた。  「川崎さんはベンチスタートでも『スターティングベンチ』だ、と。『スタベン』だと思って、試合に出ているつもりで常に準備されていると書かれていた。そう思っている選手がベンチにいるなら、スタメンで出る選手はもっと声を出したり、元気を出してやらないといけない。そう思わせてくれました」  ダイエー、ソフトバンク時代は不動のレギュラーも、2009年のWBC決勝は"スタベン"だった。それでも持ち前の明るさで盛り上げ、日本が2連覇に貢献。その姿勢が、村上に響いた。  21歳の声は常にグラウンドに届く。「自分が打てなくても、チームが勝てば報われる」と自覚十分の4番打者が、2019年8月12-14日のDeNA戦(神宮)以来2年ぶりの同一カード3連戦3連勝を呼んだ。  貯金を2とし、16日からは開幕カードで3連敗を喫した首位・阪神と甲子園で激突する。村上は「倒さないと上には行けない。開幕で3連敗している。3連勝して取り返したい」とキッパリ。青木や内川らが1軍に合流する見込みで、ベテランの復帰を追い風に屈辱を晴らす。(横山尚杜)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1340 0.765
(↑0.015)
-
(-)
12675
(+4)
35
(-)
16
(+2)
16
(+2)
0.255
(↑0.002)
2.110
(↑0.14)
2
(-)
巨人
963 0.600
(↑0.029)
3
(-)
12561
(+5)
49
(+1)
14
(+1)
14
(+2)
0.219
(↑0.004)
2.540
(↑0.09)
3
(-)
ヤクルト
863 0.571
(↑0.033)
3.5
(-)
12667
(+2)
63
(+1)
16
(+2)
13
(-)
0.253
(↓0.004)
3.520
(↑0.16)
4
(-)
広島
881 0.500
(↓0.033)
4.5
(↓1)
12647
(-)
57
(+4)
15
(-)
8
(+1)
0.245
(↓0.006)
3.040
(↓0.08)
5
(-)
中日
593 0.357
(↓0.028)
6.5
(↓1)
12639
(+1)
54
(+5)
3
(-)
10
(-)
0.215
(↑0.002)
2.740
(↓0.16)
6
(-)
DeNA
3132 0.188
(↓0.012)
9.5
(↓1)
12559
(+1)
90
(+2)
11
(-)
4
(-)
0.245
(↑0.001
4.850
(↑0.14)