広島(★0対9☆)巨人 =リーグ戦3回戦(2021.04.11)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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巨人
20122000291202
広島
0000000000710
勝利投手:今村 信貴(2勝0敗0S)
敗戦投手:野村 祐輔(0勝2敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(1号・1回表2ラン),増田 大輝(1号・5回表2ラン)

  DAZN
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◆巨人は初回、岡本和の1号2ランで先制に成功する。その後は、5回表に増田大のプロ初本塁打となる2ランが飛び出すなど、小刻みに加点して試合を優位に進めた。投げては、先発・今村が9回無失点7奪三振の快投で今季2勝目。敗れた広島は、投打ともに振るわなかった。

◆球団ワーストの不名誉記録更新を阻止すべく、巨人が打線変更に着手した。 前日は3安打2得点で12試合連続3得点以下と、28年ぶりに球団ワースト記録に並んだ。 得点力アップへ、亀井善行外野手(38)が今季初の「3番左翼」で先発出場する。今季ここまで全て代走からの出場だった増田大輝内野手(27)は「8番二塁」。4日の昇格以降、打率3割7分5厘、1本塁打と好調の香月一也内野手(24)は「7番一塁」に入った。 ここまで1番~3番までの上位打線に名を連ねてきた梶谷隆幸外野手(32)は、移籍後初めて6番に座った。

◆昨季のセ・リーグ2冠王がついに目覚めた。 巨人岡本和真内野手(24)が、待望の1号2ランを放った。1回2死一塁での第1打席、広島野村の直球をバックスクリーン右へ運んだ。「まずは先制点をとれて良かったです。打てて良かった」と笑顔を見せた。 試合前の時点で今季は55打席に立ち、打率1割8分、0本塁打。レギュラーシーズン第1号までに56打席もかかったのは、18年のレギュラー定着後では最も遅いものとなった。 岡本和は昨季31本塁打、97打点で、自身初のタイトルを獲得。2年連続のタイトル奪取へ、巨人の4番がここから調子を上げていく。

◆巨人が4得点以上を決め、13試合連続3得点以下の球団ワースト記録の更新を阻止した。4回1死一、三塁、松原の中越え二塁打で4点目を挙げた。 得点力アップへ、この日は打線の組み替えを敢行した。3番に亀井善行外野手(38)を起用し、ここまで上位に座っていた梶谷隆幸外野手(32)を6番に。4日の昇格以降は打率3割7分5厘、1本塁打とアピールを続ける香月一也内野手(24)を7番、増田大輝内野手(27)を8番に据えて臨んでいた。

◆巨人岡本和真内野手(24)が、待望の1号2ランを放った。1回2死一塁からの第1打席、中越えにたたき込んだ。 ▼岡本和が1回に野村から1号2ラン。56打席目での本塁打は19年の19打席を上回る最も遅い1発だった。

◆走塁のスペシャリスト巨人増田大輝内野手(27)が、プロ通算110打席目で初本塁打を放った。 「8番二塁」で先発出場。5点リードの5回2死二塁、広島中田の低めの138キロをすくい上げ、左翼席へ運んだ。二塁を回る際には力強く右拳を握り、ナインに迎えられ笑顔を見せた。「後ろにつなぐ気持ちと、積極的にいった結果がいい方向に出てくれました。ホームランになるとは思いませんでしたがうれしいです」と喜びをかみしめた。試合前の時点で今季は6試合に全て代走から出場。レギュラーシーズンでは、昨年10月28日DeNA戦以来のスタメン起用に応えた。 15年育成1位で四国IL徳島から入団したスピードスターは、17年7月に支配下登録を勝ち取ると昨季はリーグ2位の23盗塁をマーク。今季はリーグ4位タイの3盗塁を記録している。

◆2位広島が4位巨人と対戦し0-9で敗戦。

◆巨人が1回に岡本和の今季1号2ランで先制。3回は大城の右前適時打で1点追加。先発今村は3回まで無安打の立ち上がり。 巨人が4回に松原の二塁打と亀井の左前打で2点追加。広島野村をKOした。さらに5回、増田大の1号2ランでリードを広げた。 巨人が今村の完封勝利で連敗を止め、勝率を5割に戻した。広島は今季初0封負けで連勝ストップ。野村が2敗目を喫した。

◆広島野村祐輔投手(31)が、プロ初登板から188試合連続先発登板の日本新記録を樹立した。プロ初登板は12年4月1日中日戦。前回4日DeNA戦に先発してミンチー(広島、ロッテ)が持つ日本記録に並んでいた。 ただ、節目の登板は1回に巨人岡本和に先制2ランを浴び、3回にも1失点。4回は先頭への死球から失点すると、なお1死満塁で降板となった。3回1/3を投げ8安打5失点で記念登板を勝利で飾ることはできなかった。 ▼野村がプロ初登板の12年4月1日中日戦から188試合連続で先発。連続先発のプロ野球記録は73~84年山内(南海→阪神)の311試合だが、プロ初登板からの連続先発としては98~04年ミンチー(広島→ロッテ)の187試合を抜いて新記録となった。

◆巨人は打線改造が功を奏して9点を奪い、球団ワーストの13試合連続3得点以下の記録更新を回避した。3番亀井が適時打、8番増田大が好守備に1号2ランとスタメンに抜てきされた選手が活性化させた。 原辰徳監督(62)は「今日は全員で行くというところ。先制、中押し、ダメ押しという形で、ピッチャーも見事ですね」と快勝に目を細めた。

◆日本サッカー界に、こんな名言がある。 ? 「ゴールはケチャップのようなもの。出ない時は出ないけど、出る時はドバッと出る。悲観的になりがちだけど、次は取る自信がある」 ? 12年9月11日、W杯アジア最終予選。イラクに1-0で勝利したものの、日本代表のエースMF本田圭佑は代表戦4試合連続無得点に終わった。後半だけで5本のシュートを放ったが、ゴールネットは揺らせなかった。その試合後に「ケチャップ」を持ち出し、得点への考え方を独特の言い回しで表現した。その後2試合はノーゴールだったが、年が変わった13年は12試合で8得点。宣言通りに得点を量産した。 ? 21年のプロ野球界では、巨人が「ケチャップ」が出ずに苦しんでいた。 この試合前まで12試合連続で3得点以下と打線が沈黙。球団ワースト記録に28年ぶりに肩を並べていた。開幕直後に見舞われた"得点力不足"という緊急事態にも、原辰徳監督(62)は「理由をいろいろ考えると出てくる。しかし、何とかこのメンバーで何とかしなきゃいけない。チーム全体で、ジャイアンツとして戦わないとね。明日また総力戦で頑張ります」と悲観することはなかった。冷静かつ前向きに現状を受け止め、この試合では新たな打開策に打って出た。 得点力アップへ、打線の組み替えに着手した。3番に亀井善行外野手(38)を起用し、ここまで上位に座っていた梶谷隆幸外野手(32)を6番に。4日の昇格以降は打率3割7分5厘、1本塁打とアピールを続ける香月一也内野手(24)を7番、8番には増田大輝内野手(27)を今季初スタメンに据えた。 常にポジティブな指揮官の一手により、巨人の「ケチャップ」が、ようやくドバッと出た。初回に4番岡本和真内野手(24)の今季1号2ランで2点を先制すると、3回に大城卓三捕手(28)が右前適時打で3点目。4回1死一、三塁からは1番松原聖弥外野手(26)の中越え適時二塁打で、ついに4点目を挙げた。 1度つっかえが取れた「ジャイアンツ・ケチャップ」は止まらない。4回1死満塁から亀井が左前適時打で5点目を奪い、5回には増田大がプロ初本塁打となる1号2ラン。抜てきされた選手たちが序盤から躍動し、5回までに7得点。あれだけ遠かった本塁を、巨人ナインがドバドバと駆け抜けた。 9回に2点を追加し、終わってみれば今季最多の12安打とヒットを量産した。前日に2年ぶりに突入した借金生活からも1日で脱出し、勝率を5割に戻した。今季1号で目を覚ました4番岡本和を中心に、ここから詰まりが取れた「ジャイアンツ・ケチャップ」が、ドッとあふれ出してくるはずだ。【浜本卓也】

◆巨人の4番が、ついに目を覚ました。岡本和真内野手(24)が1回に1号先制2ランを放った。自身最も遅いシーズン56打席目での1発で活気づいた打線は、今季最多の12安打で9得点。12試合続いていた3得点以下をストップし、球団ワースト記録更新を阻止した。勝率も5割に復帰。9回にも適時打を決めた昨季のセ・リーグ2冠王とともに、巨人が上昇気流に乗る。久々に両手に会心の手応えを感じ、ボールを見上げながらゆっくりと走りだした。1回2死一塁、岡本和はフルカウントから広島野村の136キロ直球を強振。本塁から中堅方向に吹く風に乗せ、バックスクリーン右へ放り込んだ。自身最も遅い、56打席目での1号アーチに「打った瞬間(の感覚)はすごく良くて。何とかつなごうと思ったのがホームランになって良かった」とうなずいた。 4番として元気のない打線の責任を痛感していた。一時は18打席連続無安打に倒れるなど、打率1割5分9厘まで沈んだ。自身の成績と比例するようにチームも勢いを失い、10日には12試合連続3得点以下の球団ワースト記録に肩を並べた。徐々に調子を取り戻しつつあったが、試合前時点での得点圏打率は、1割7分6厘にとどまっており「初回になかなか点を取れていなかった。それは僕が止めていた。結構チャンスがありましたし。何とかしたいなと思ってました」。もどかしい気持ちに耐え続けた。 主砲の先制アーチが流れを呼び込み、眠っていた打線が一気に爆発した。打線の組み替えも実り9得点。元木ヘッドコーチは「実ったというか、初回の和真のホームランが大きい」と4番の働きを評価し「まだまだ本来の姿じゃないから。もっともっと上げていってもらわないと」と、浮上のきっかけにすることを期待した。 1発だけでは終われない。9回にはだめ押しの一打を放った。1死一、二塁から今季チーム最多の11安打目となる左前適時打を放ち、この日3打点目をマーク。代走を送られ、ナインから迎えられると笑みがこぼれた。「何とか今日は結果が出て良かったです」と胸をなで下ろした。昨季のセ2冠王が2年連続のタイトル獲得へようやく一歩を踏み出した。右肩上がりに調子を上げ、チームを勝利へと導いていく。【久永壮真】 ▼4番岡本和が開幕から15試合、56打席目で今季1号。16年に10打席、17年に35打席で本塁打0の岡本和だが、本塁打を打ったシーズンでは19年の19打席目を抜いて最も遅い1号だ。この日の2本を加え、巨人の今季本塁打を打順別に出すと、1番2本、2番2本、3番0本、4番1本、5番0本、6番2本、7番2本、8番1本、9番0本、途中出場1本。岡本和の1発は今季のクリーンアップ初アーチ。開幕15試合目でクリーンアップ1号は、2リーグ制後の巨人では15年の17試合目に次いで2番目に遅かった。

◆広島は巨人今村信貴投手の前に今季初のゼロ封負けを喫し、連勝は2で止まった。 4回から6回までは得点圏に走者を進めるも、いずれも2死からで後が続かず。最大の好機となった5回2死満塁は西川が右飛に倒れた。 佐々岡監督は「策は練っている中でも、思ったより緩急を使い、変化球のキレが良かったのかなと思います。次の対戦までに策を練っていかないといけない」とリベンジを誓った。

◆走塁のスペシャリスト巨人増田大輝内野手(27)が、プロ通算110打席目で初本塁打を放ち、スタメン起用に応えた。 5点リードの5回2死二塁、広島中田の低め138キロをすくい上げ、左翼席へ運んだ。昨季はリーグ2位の23盗塁をマーク。今季は全て代走からの出場だったスピードスターは「こんなに楽に走れる。ホームランバッターはうらやましい」とゆっくりとダイヤモンドを1周した。

◆初登板から188試合連続で先発のプロ野球記録となった広島野村祐輔投手(31)は、3回1/3を投げ8安打5失点で2敗目を喫した。1回に岡本和に先制2ランを浴び、3回にも失点。4回は2失点してなお1死満塁で降板した。記録は「全然気にしてない」とし「それよりも、チームがいい感じにきていたのに、迷惑をかけてしまったのが悔しい」。連勝を止めた責任を背負った。

◆巨人今村信貴投手(27)が3年ぶりの完封勝利で連敗を止め、チームの勝率を5割に戻した。3年間、この瞬間を待っていた。9回2死、巨人今村は矢野の投ゴロを処理すると、左拳を握った。マスク越しでも捕手大城の喜ぶ顔が見える。「3年ぶりだったので懐かしいというか、とにかくうれしかった」。笑顔で女房役と抱き合い、18年8月5日中日戦以来の完封勝利をかみしめた。 「脱力」が142球の快投を引き出した。宮本和知投手チーフコーチと桑田真澄同補佐から、力みが崩れる要因と助言された。菅野と戸郷で連敗して迎えたマウンドだけに気負いすぎる恐れもあったが「力みなく打者の手元で強い球を投げることをイメージした」と余分な力を抜いた。1回2死の西川以外は無四球。唯一のピンチとなった5回2死満塁では、西川への初球にストライクからボールゾーンへのスライダーを選択し、体勢を崩して右飛に。ストライク先行でテンポ良く丁寧にアウトを重ね続けることで、初球に手を出させた。 チームトップタイの2勝目。原辰徳監督から「全てのボールが良かった。何かつかんでくれたのかな」と評されたが、打線に感謝しながら笑顔で首を振った。「今自分にできる、やるべきことをやっている感じ」。一歩ずつ、左のエースへの階段を上り始めた。【浜本卓也】 ▽巨人松原(4回1死一、三塁で初球を中越えの適時二塁打) 打ったのはカーブかスライダー。積極的にいったのが、いい結果につながりましたね。

◆巨人打線が目を覚ました。今季最多の12安打で9得点。 球団ワースト新記録となる13試合連続3得点以下を阻止し、連敗も2で止めて勝率を5割に戻した。4番岡本和真内野手(24)に待望の今季初アーチが出れば、先発の今村信貴投手(27)が18月8月5日中日戦以来の完封勝利を決めた。 試合後の原辰徳監督(62)の主な一問一答は以下の通り。13日からは東京ドームで中日3連戦。本拠地から、一気に上昇気流に乗る。 ? -岡本和の1発から打線が活発に 原監督 そうですね。今日は先制、中押し、ダメ押しという形で、ピッチャーも見事ですね。 -岡本和も待望の1発 原監督 本人も良かったでしょう。 -岡本和は最終回にもタイムリー。次につながる 原監督 そうですね。と思います。 -増田大がプロ初本塁打 原監督 非常に彼らしさというかね、思い切りの良さも出て。守備力も最初の初回の守備(中前に抜けそうな打球を逆シングルで処理)なんかも、非常に良かったですね。 -今日は亀井、増田大を先発で起用 原監督 全員で行くというところですかね。 -今村が好投 原監督 なんとなく力が抜けていたというか、出し所がしっかりしていたというかね。まあ、全てのボールが良かったんじゃないでしょうかね。 -今年の今村の良いと感じる点 原監督 攻められているでしょう。四球も少ないしね、自分の間合いで投げられている。今のところ、非常に何かつかんでくれたのかな、という感じですね。 -最後まで投げさせた理由 原監督 やっぱりまだまだ途上の選手だからね。そういうものを経験してくれればね。(捕手)大城と共にね。チームにとってプラスになるし、本人にとっても非常に良かったと思います。 -後は梶谷の状態が上がれば 原監督 そうですね。そうですね。

◆広島・野村祐輔投手(31)が今季3度目の先発マウンドに上がった。デビューから通算188試合の先発となり、1998年から2004年まで広島とロッテに在籍し、通算74勝を挙げたネイサン・ミンチーの187試合を抜き、プロ野球新記録を樹立した。  プロ10年目の右腕は広陵高(広島)、明大を経て、12年にドラフト1位で広島に入団。デビューから1度も中継ぎでの登板はなく、昨年8月11日の中日戦(マツダ)で涌井(西武、現楽天、2005-12年)の175試合を抜き、日本選手記録を更新。前回4月4日のDeNA戦(横浜)でミンチーに並び、この日の巨人戦で金字塔を打ち立てた。

◆巨人が球団ワースト記録更新阻止のため、打線改造に動いた。11日の先発オーダーが発表され、3番にはこれまで切り札として起用されていた亀井善行外野手(38)が入り、7番には6日の阪神戦(甲子園)で移籍後初アーチを放った香月一也内野手(24)が名を連ねた。  現在は球団ワースト記録に並ぶ12試合連続3得点以下を継続中。1993年6月30日の中日戦-7月14日の広島戦(12試合)以来、28年ぶり2度目で、打線の奮起が待たれる。

◆巨人・岡本和真内野手(24)が一回、中越えへ1号2ランを放った。今季56打席目で待望の一発が出た。  一回2死、右前打で出塁した坂本を一塁に置き、広島の先発、野村がフルカウントから投じた直球を完璧に捉えた。バックスクリーン右へ運び、これでプロ通算97本目のアーチとなった。  岡本は前日10日までの今季14試合で打率・180と低迷。チームも球団ワーストタイとなる12試合連続3得点以下と苦しんでいた中、主砲の一発が打線復調への号砲となるか。

◆巨人は四回に松原聖弥外野手(26)が中越えの適時二塁打を放ち、13試合ぶりとなる4点目を刻んだ。  得点力不足に陥っていた巨人は、1993年6月30日の中日戦-7月14日の広島戦に並ぶ球団ワーストタイの12試合連続3得点以下をマークしていたが、久しぶりに打線に活気が戻った。  一回に4番・岡本が先制の1号2ラン。三回2死一、二塁では大城がチームにとって34イニングぶりの適時打となる右前適時打を運び、3点目。そして、四回は松原に続き、2死満塁で亀井にも左前適時打が出て、広島の先発・野村をKO。四回の攻撃を終えて5-0とリードを広げた。

◆「8番・二塁」で今季初先発した巨人・増田大輝内野手(27)が記念すべきプロ初本塁打を放った。  5-0の五回2死二塁で広島の2番手・中田の速球をとらえ、左越え1号2ラン。育成出身で昨季リーグ2位の23盗塁を成功させた韋駄天が、通算110打席目でうれしい一発をスタンドへほうり込んだ。  一回には安部の中前へ抜けようかという打球を逆シングルで好捕。ジャンピングスローでアウトとし、攻守で躍動した。打線を組み替えて先発に起用した原采配がズバリと当たった。

◆広島・菊池涼介内野手(31)が3打席目に三塁内野安打を放ち、開幕からの連続試合安打を「15」に伸ばした。  0-7の五回2死一塁で今村のスライダーを振って、三塁へ詰まった打球となったが一塁へ全力疾走し迷わず頭から滑り込んだ。三塁・岡本和は素手で捕球して走りながら一塁へ送球したが、スコアボードに「H」ランプが灯った。  この一打で開幕からの連続試合安打を「15」に更新した。"孤高の天才"前田智徳が2004年に打ち立てた球団記録の19試合にまた一歩近づいた。

◆巨人が勝率を5割に戻した。一回に岡本和の1号2ランで先制し三回に大城の適時打、四回に松原の適時二塁打、亀井の適時打で2点を加え差を広げた。今村は7安打で3年ぶりに完封し開幕2連勝。広島は今季初の零敗を喫した。

◆巨人が9得点で大勝。岡本和真内野手(24)が待望の今季1号を放つと、増田大輝内野手(27)のプロ初本塁打も飛び出すなど打線が爆発。3得点以下が球団ワーストに並ぶ12試合連続でストップし、原辰徳監督(62)が試合を振り返った。  --岡本和の一発から打線に火が付いた  「そうですね。きょうは、先制、中押し、ダメ押しという形で。ピッチャーも見事ですね」  --岡本和は待望の一発  「そうですね。(いつかは)出るとはいえね、本人も良かったでしょう」  --増田大もプロ初本塁打  「非常に彼らしさというか、思い切りの良さも出て。初回の守備(安部の打球を好捕&好送球)なんかも非常に良かったですね」  --打線を組み替え、亀井、増田大が先発起用  「今日は全員でいくというところですかね」  --今村が完封  「なんとなく力が抜けていたというか、出し所がしっかりしていたというかね。全てのボールが良かったんじゃないでしょうか」  --好調の要因は  「攻められているでしょう。四球も少ないし、自分の間合いで投げられている。今のところ非常に、何かつかんでくれたのかな、という感じですね」  --最後まで任せた  「やっぱりまだまだ途上の選手だからね。そういうものを経験してくれれば、(捕手の)大城とともに、チームにとってプラスになるし、本人にとっても非常に良かったと思います」  --後は梶谷(先発メンバーでただ一人無安打)が上がってくれば  「そうですね。そうですね」

◆巨人・今村信貴投手(27)が142球の熱投を見せ、7安打7三振で3年ぶりとなるプロ2度目の完封勝利。自身開幕2連勝とし、ヒーローインタビューを受けた。  --今の心境は  「うれしいです」  --ウイニングボールを自身で処理し大城と抱き合った  「3年ぶり(完封勝利)だったので、懐かしいというか、とにかくうれしかった」  --連敗中のマウンド  「菅野さん、戸郷で負けて、連敗を止めたいという気持ちはとても強かったし、チームの流れを変えられるような投球ができるように、という思いでマウンドに立った」  --良かった点と手応えは  「力んでしまうと僕はダメなピッチャーだと思っているので、力みなく、脱力というかバッターの手元で強い球を投げることをイメージして投げた」  --中盤のピンチを乗り切った  「ヒットは打たれるので、そこから粘るのが持ち味なので、そういうピッチングができてよかった」  --打線も序盤から援護  「いっぱい点を取ってくれてすごく投げやすかったし、感謝している」  --最後は142球。志願したのか  「志願というより『行こうよ』という感じで。『分かりました』と」  --好投の要因  「1月からいっぱい練習して、いろいろな方に支えて頂いて。ここ3試合、まだ3試合だが、いいピッチングができていると思うので、(これからも)いいピッチングができるよう頑張りたい」  --来週から東京ドームに戻る。チームを代表してファンへ  「代表というのは恐れ多いが、来週もいっぱい勝ってくれると思うので僕もチームのために全力で頑張りたい」

◆広島は巨人・今村を最後まで攻略できず、今季初の零封負けで連勝が「2」で止まった。佐々岡真司監督(53)の主な一問一答は以下の通り。  --野村は一回に岡本に2ランを浴びるなど3回1/3を8安打5失点で今季2敗目  「らしいピッチングができていないというか、やはりコントロールが甘くなっている。力で押してしまったり、勝負することができていない。切れがなく高めにいけばというところ。真っすぐの力もスピードもないのかなという感じ。だから変化球にも切れがなかった」  --救援陣では三回1死満塁から登板した中田が1回1/32失点、九回から登板したケムナが1回2失点と課題が残った  「こういう展開でも投げるピッチャーはしっかりと役割を果たして抑えてほしいと思っているなかで(中田)廉は(三回1死満塁で岡本を遊ゴロ併殺に)しっかり抑えたので、イニングまたぎをさせたんですけど、もったいないというか、防げた。ケムナにしても同じ球を続けている。修正をマウンドでしないといけない。今の成績では投げられなくなるよ、という感じです」  --チームは7安打を放つも今季初の零封負け  「今村にやられたのかなという風に感じました。策は練っているが、思ったより緩急や変化球の切れが良かったと思います。次の対戦までに策を練っていかないといけない」

◆巨人・坂本勇人内野手(32)が3安打を放ち、通算165度目の猛打賞をマークした。これで石井琢朗(現巨人野手総合コーチ)を抜いてセ・リーグ歴代単独5位に浮上した。  この日は一回に右前打、三回に右中間二塁打、九回にも右翼へ二塁打を放つなど4打数3安打1四球でチームの12安打9得点に貢献。打率は・300に上昇した。  次戦以降で坂本が166度目の猛打賞を達成すれば、同4位の金本知憲(阪神)に並ぶ。

◆広島の野村は四回途中8安打5失点でKOされ、2敗目を喫した。一回に岡本和に甘く入った速球を中堅右へ運ばれ2点を先制された。二回以降も制球を修正できず失点を重ね「捉えられた打球が多くあった。いい感じにきていたのに、チームに迷惑をかけてしまったのが悔しい」とうつむいた。  12試合連続で3得点以下と不振だった巨人打線を活気づけてしまい、今季初の同一カード3連戦3連勝を逃した。佐々岡監督は「真っすぐの力もスピードもないのかなという感じ。だから変化球にも切れがなかった」と落胆した。

◆自己最多の142球を投げ切り、最後は投ゴロを自らさばいてゲームセット。今村はプロ2度目の完封勝利で3年ぶりの余韻に浸った。  「懐かしいというか、とにかくうれしかった」  この日の最速は144キロ。120キロ前後のスラーブ(スライダーとカーブの中間)を軸に、この日の"最遅"93キロのスローカーブも交えて手玉に取った。2018年8月5日の中日戦以来の完封劇。進化した左腕が苦しむチームを救った。  ポイントは「脱力投法」。春季キャンプで桑田投手チーフコーチ補佐と力感のないフォームを追求してきた。無駄のない動きは疲労軽減につながり、球数増も苦にならなくなる。同コーチと掲げたキャンプの目標「1000球」は1020球で完走し、自信を得た。  田中広、堂林らから7個の三振を奪い、今季21個は堂々のリーグトップ。2勝と防御率0・78は同2位につける。  今季からは、師と慕うかつての左腕エース・内海(現西武)がつけた26を背負う。「菅野さん、戸郷で負けて、連敗を止めたいと思っていた」。プロ10年目。セリフにもエースの風格が漂い始めた。(伊藤昇)

◆巨人は11日、広島3回戦(マツダ)に9-0で快勝。連敗を2で止め、勝率5割に復帰した。岡本和真内野手(24)が一回、今季56打席目で先制の1号2ラン。打線爆発を呼び込み、12試合連続3得点以下の球団ワーストタイ記録更新を阻止した。投げては今村信貴投手(27)が9回7安打で3年ぶり2度目の完封勝利を飾った。  手応え十分。岡本和は両手でバットを握ったまま打球を見送った。本塁ベース付近で坂本にハイタッチで迎えられ、久しぶりの笑みを浮かべた。  「何とかつなごうと思っていた。打った瞬間(の感触)はすごく良くて、でも久々だったのでどうかなと思いながら。打てて良かったです」  一回2死一塁で真ん中に入った広島・野村の直球を逃さずに捉え、開幕から15試合、56打席目での1号2ラン。豪快な一発で"歴史的貧打"に陥っていた打線に勇気を与えた。  チームは開幕3戦目、3月28日のDeNA戦から10日の広島戦まで、12試合連続で3得点以下だった。これは1993年6月30日の中日戦-7月14日の広島戦以来2度目となる球団ワーストタイ記録。屈辱的な12試合は岡本和も打率・167、3打点と苦しんだが、待望のアーチで打線に火をつけた。  三回には大城がチームで34イニングぶりの適時打を右前に運び、四回は松原が中越えに適時二塁打を放った。3番に亀井を入れ、香月、増田大を先発に起用する打線改造が的中。九回には岡本和の三塁を強襲する適時内野安打で9点目を挙げ、今季2度目の2桁となる12安打をマーク。2週間分の鬱憤を晴らした。  久々の快勝に原監督は「先制、中押し、駄目押しという形で、投手(完封した今村)も見事。(岡本の本塁打は)本人も良かったでしょう」と、大きな目をさらに見開いた。同一リーグ5球団との対戦カードが1回りし、6勝6敗3分けの勝率5割。打線復調の手応えを得て、ここからギアを上げる。(谷川直之)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1140 0.733
(↑0.019)
-
(-)
12865
(+3)
35
(+2)
12
(-)
13
(+2)
0.254
(↑0.003)
2.400
(↑0.03)
2
(-)
広島
861 0.571
(↓0.044)
2.5
(↓1)
12847
(-)
47
(+9)
15
(-)
6
(-)
0.256
(↓0.004)
2.800
(↓0.46)
3
(1↑)
巨人
663 0.500
(↑0.045)
3.5
(-)
12849
(+9)
46
(-)
11
(+2)
11
(+1)
0.218
(↑0.008
2.860
(↑0.22)
4
(1↑)
中日
563 0.455
(↑0.055)
4
(-)
12936
(+2)
42
(+1)
2
(+1)
9
(+1)
0.224
(↑0.003)
2.400
(↑0.11)
4
(1↓)
ヤクルト
563 0.455
(↓0.045)
4
(↓1)
12953
(+1)
58
(+2)
10
(-)
9
(-)
0.246
(↓0.005)
3.920
(↑0.11)
6
(-)
DeNA
3102 0.231
(↓0.019)
7
(↓1)
12854
(+2)
76
(+3)
9
(+1)
3
(-)
0.252
(↓0.002)
4.770
(↑0.21)