ヤクルト(☆11対7★)広島 =リーグ戦3回戦(2021.04.08)・明治神宮野球場=
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広島
40100000271412
ヤクルト
40213001X111501
勝利投手:奥川 恭伸(1勝1敗0S)
敗戦投手:中村 祐太(0勝2敗0S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(1号・3回表ソロ),鈴木 誠也(2号・9回表2ラン)
【ヤクルト】山崎 晃大朗(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトは1点を追う3回裏、西浦の適時打で同点とする。なおも続く好機で松本友が適時打を放ち勝ち越しに成功すると、その後は4回に山崎がソロを放つなど、終わってみれば15安打で11得点を挙げた。投げては、先発・奥川が5回5失点でプロ初勝利。敗れた広島は、投手陣が精彩を欠いた。

◆広島鈴木誠也外野手(26)に待望の今季1号が飛び出した。 同点の3回、ヤクルト奥川の甘く入った真っすぐを捉えて左翼席に勝ち越し弾を運んだ。「しっかり捉えることができました。先に追加点を取ることができて良かったです」。46打席目でのシーズン1号は、プロ初本塁打を放った14年に並ぶ遅さだった。

◆ヤクルト松本友内野手(26)が、プロ初打点をマークした。 5-5で迎えた3回2死一、三塁で、低めのチェンジアップを左前へ運ぶ適時打。「チャンスを頂いているので、何とか結果を出したかった。タイムリーが出てホッとしています」とコメントした。 明学大からBC・福井を経て、18年育成2位でヤクルトに入団。昨季7月に支配下登録を勝ち取った。3年目の苦労人が、先発奥川を援護した。

◆ヤクルト奥川恭伸投手(19)が、5回10安打5失点ながらも、勝利投手の権利を持って降板した。 1回2死から5連打を許し、いきなり4失点。直後に打線が4得点を挙げ追いついてもらったが、同点の3回には、先頭の鈴木誠に138キロの直球を左翼席中段に運ばれた。 それでも打線は3回に2点を奪い逆転。4回に1点、5回に3点を加点しリードを広げてもらうと、奥川は4、5回は無失点に抑えた。最速は148キロを計測。「立ち上がりから自分のボールを操ることができず、甘く入ったり、追い込んでからも、なかなか決めきれず、苦しい立ち上がりでしたが、先輩たちが何度も追いついてくれて勝ち越してくれて、その気持ちに乗せられて、4、5回はしっかりと腕を振ることができた」と振り返った。

◆広島は1回に4点先制も直後に4失点。同点の3回に鈴木誠の1号ソロで勝ち越し。ヤクルトはその裏、西浦の適時打などで逆転。 ヤクルトは4回に山崎が1号ソロ、5回に西浦の適時打などで3点を加点。先発奥川は5回5失点も勝ち投手の権利を持って降板。 ヤクルトは8回に村上の適時二塁打でダメ押し。乱打戦を制した。先発奥川がプロ初勝利。広島は3カード連続勝ち越しを逃した。先発中村祐が2敗目。

◆広島主砲鈴木誠也外野手の2発も空砲に終わった。 3回にヤクルト奥川から左翼席中段へ今季1号を運ぶと、9回には長谷川から2号2ランを中堅にたたき込んだ。 打撃フォーム改造に取り組み、オープン戦は本塁打なし。46打席目でのシーズン1号はプロ初本塁打を放った14年に並ぶ遅さも「そこは全然気にせずにやっていました」と打撃の追求に集中。今季初の猛打賞で打率を3割5分に上げた。

◆ヤクルト奥川恭伸投手(19)が、苦しみながらもプロ初勝利を飾った。 5回を10安打5失点。1回に2死走者なしから5連打を浴び、いきなり4失点。 打線が追いついた直後の3回も、広島鈴木誠に1発を浴びて勝ち越しを許した。それでも打線が奮起し、5回までに10点の援護に助けられた。降雨による54分の中断もあったが、全力で腕を振り、同期のロッテ佐々木朗希投手(19)より早く、プロ1勝をつかんだ。苦しんだ先に、プロ初勝利が待っていた。奥川は5回を10安打5失点で降板。好投とは言えなかったが、打線が助けてくれた。1回2死から5連打を許し、いきなり4失点。直後に打線が4得点で同点。3回には、先頭の鈴木誠に138キロの直球を左翼席中段に運ばれ、天を仰いだ。 それでも打線は3回に2点を奪い逆転。4回に1点、5回に3点を加点しリードを広げてもらうと、奥川は4、5回は無失点に抑えた。「苦しい立ち上がりでしたが、先輩たちが何度も追いついてくれて勝ち越してくれた。その気持ちに乗せられて、腕を振ることができた」とかみしめた。 星稜(石川)で夏の甲子園準優勝に輝いてから3年。神宮で記念すべき第1歩を踏み出した。星稜・林和成監督は、教え子に対し「無口なままですよ」と話す。高校時代は「はい」「大丈夫です」と口数は少なめ。ヤクルトに入団し、高校生から社会人になった。他の投手陣と今年から変わった神宮のマウンドについて、フィードバックし合うなど、積極的にコミュニケーションを取ることが増えた。恩師は「自分の主張、自分の言葉で話せるようになったかな。彼なりに大人になったんでしょうね。プロの選手になっていったんだなと思う感じはありますね」と成長を感じている。 高校時代はやらなかった遠投も、自らの考えで調整に取り入れた。今季開幕前に課題としていたフォームのバランスや、タイミングの確認がしやすくなる方法。奥川は「今は自分の中ですごくしっくりきています」とうなずいた。黙々と練習をこなしていた高校時代から、少しずつ成長を積み重ねてきた。19日が20歳の誕生日。「ステップアップをこれからしていきたい」。入団会見では沢村賞獲得を目標に掲げた。夢を現実にするために。1歩1歩着実に成長していく。【湯本勝大】 ◆今季の高卒2年目投手 支配下登録13人、育成6人の合計19人おり、堀田(巨人)西純(阪神)奥川(ヤクルト)佐々木朗(ロッテ)宮城(オリックス)がドラフト1位で入団した。1軍デビューは3人で、宮城は昨年10月4日楽天戦、奥川は昨年11月10日広島戦、井上(西武)が今年の4月3日ソフトバンク戦で初登板。宮城はすでに3勝し、白星を挙げたのは奥川が2人目。 星稜・林和成監督(奥川の初勝利に)「感動しました。初回には鈴木誠也選手に真っ向勝負で本塁打を打たれたり、5回は三振で締めたり。彼にとって勉強になることが凝縮された試合。一生忘れられない試合になったでしょう」

◆開幕から好調の広島投手陣が炎上した。先発中村祐は4点の援護をもらいながら、1回無死満塁から押し出し四球などで4失点。さらに1点を勝ち越した3回もあっさり逆転を許した。 中継ぎ陣も失点を重ね、計5投手で15安打5四球で今季初の2桁11失点。さらに1失策1暴投1捕逸と守備も乱れた。佐々岡監督は「投手陣が足を引っ張った守備もあった。もう1回気を引き締めてやらないといけない」と手綱を締めた。

◆広島松山竜平外野手(35)が8日のヤクルト3回戦(神宮)で負傷交代した。 5回1死三塁で山崎の左翼への打球に目測を誤り、慌ててジャンプ。着地した際に足を痛めたとみられ、直後にベンチに引き揚げた。試合中にアイシング処置を施され、蔦木トレーナーは「下半身のコンディション不良です。明日以降は状態を見て判断します」と話すにとどめた。

◆ヤクルト奥川恭伸投手(19)が、苦しみながらもプロ初勝利を飾った。 5回を10安打5失点。1回に2死走者なしから5連打を浴び、いきなり4失点。 打線が追いついた直後の3回も、広島鈴木誠に1発を浴びて勝ち越しを許した。それでも打線が奮起し、5回までに10点の援護に助けられた。降雨による54分の中断もあったが、全力で腕を振り、同期のロッテ佐々木朗希投手(19)より早く、プロ1勝をつかんだ。奥川は、真面目で素朴な好青年だ。星稜で、2学年上の亜大・清水力斗投手(4年)は、今でも連絡をよく取り合う仲。コロナ禍が収束したら、どこに行こうか。清水は「(奥川が)魚を釣ってすぐに食べられるのが好きみたいで、2人で電話をしながら調べて」と話す。テレビや動画など、たわいのない会話ばかり。グラウンドの外では、上京してきた普通の19歳だ。 ルーキーイヤーは、右肘痛の影響で2度のノースローを経験。満足に投げられず、もどかしい期間が続いた。清水は「『どこかに出かけたら』と聞いても、治療に行くくらいと。高校の時から遊びに行くとか、そういう子ではなかった」と振り返る。地道に体作りに励み、体重は1年で6キロ増。オープン戦では3試合で防御率6・00。耐えて、少しずつ成長し、今季2試合目でプロ初勝利をつかんだ。清水は「やっぱり奥川は野球をやっている時が一番楽しそう。どんな時でも楽しんでもらえたら」。先輩からのエールを受け、ひたむきに前へと進み続ける。【湯本勝大】

◆ヤクルト奥川恭伸投手(19)が、苦しみながらもプロ初勝利を飾った。5回を10安打5失点。1回に2死走者なしから5連打を浴び、いきなり4失点。打線が追いついた後の3回も、広島鈴木誠に1発を浴びて勝ち越しを許した。それでも打線が奮起し、5回までに10点の援護に助けられた。降雨による54分の中断もあったが、全力で腕を振り、同期のロッテ佐々木朗希投手(19)より早く、プロ1勝をつかんだ。試合中に変わった。奥川は、1回に5安打を浴び4失点。2回表無死からの54分間の中断が、冷静に見つめ直す時間になった。「立ち上がりは丁寧にいこうという気持ちが強すぎて、腕が振れなかった」。気持ちと一緒に、フォームも変えた。投球のテンポを変え、より腕を振るため。顔付近の高さでグラブを構えていたが、中断後からはベルト付近に下げた。 3回までに5失点も、4回からは体が開かなくなり、躍動感あるフォームが戻った。130キロ台後半から140キロ台前半に落ちていた球速が復活。5回には鈴木誠を147キロの直球で空振り三振に仕留めた。高卒2年目の19歳が試合中に大胆な決断。なんとか粘った。「5回みたいな投球をこれから出していけるように頑張りたい」と苦しんでつかんだ初勝利の収穫を口にした。 星稜(石川)で夏の甲子園準優勝してから2年。林和成監督は、教え子に対し「無口なままですよ」と話す。高校時代は「はい」「大丈夫です」と口数は少なめ。ヤクルトに入り、社会人になり、大人と接することが増えた。今年から硬く変わった神宮のマウンドについて、投手陣とフィードバックし合うなど、積極的な主張が増えた。恩師は「自分の主張、自分の言葉で話せるようになったかな。彼なりに大人になったんでしょうね。プロの選手になっていったんだなと思う感じはありますね」と成長を感じている。 16日が20歳の誕生日。課題を出しながらも、周りに助けられ、節目の1勝をつかんだ。「バッターのみなさんに感謝しかない。今日は勝たせてもらったので、今度は自分の力でチームを勝たせたい」と笑顔を見せた。入団会見では沢村賞獲得を目標に掲げた"甲子園のスター"。球界のスターへとなるために。1歩1歩着実に前へと突き進んでいく。【湯本勝大】▼ヤクルト高津監督(奥川について)「間違いなくエースに育てないといけない。間違いなくエースになってもらわないと困るのが奥川。そのために1歩踏み出した。また次の1歩を楽しみに期待しています」▼ ヤクルト山崎(4安打2打点。4回の1号ソロに)「先頭打者だったので、塁に出ることを心がけて打席に入りました。いい角度で上がっていい結果になりました」▼ヤクルト西浦(3安打3打点)「今日は奥川さんが投げるということで、何とか勝たせてあげようという思いがみんなあった」▼ヤクルト松本友(3回2死一、三塁で左前適時打を放ちプロ初打点)「チャンスを頂いているので結果を出したかった。ホッとしています」▼星稜・林和成監督(奥川の初勝利に)「感動しました。3回には鈴木誠也選手に真っ向勝負で本塁打を打たれたり、5回は三振で締めたり。彼にとって勉強になることが凝縮された試合。一生忘れられない試合になったでしょう」◆奥川は、真面目で素朴な好青年だ。星稜で、2学年上の亜大・清水力斗投手(4年)は、今でも連絡をよく取り合う仲。コロナ禍が収束したら、どこに行こうか。清水は「(奥川が)魚を釣ってすぐに食べられるのが好きみたいで、2人で電話をしながら調べて」と話す。テレビや動画など、たわいのない会話ばかり。グラウンドの外では、上京してきた普通の19歳だ。ルーキーイヤーは、右肘痛の影響で2度のノースローを経験。満足に投げられず、もどかしい期間が続いた。清水は「『どこかに出かけたら』と聞いても、治療に行くくらいと。高校の時から遊びに行くとか、そういう子ではなかった」と振り返る。地道に体作りに励み、体重は1年で6キロ増。オープン戦では3試合で防御率6・00。耐えて、少しずつ成長し、今季2試合目でプロ初勝利をつかんだ。清水は「やっぱり奥川は野球をやっている時が一番楽しそう。どんな時でも楽しんでもらえたら」。先輩からのエールを受け、ひたむきに前へと進み続ける◆今季の高卒2年目投手 支配下登録13人、育成6人の合計19人おり、堀田(巨人)西純(阪神)奥川(ヤクルト)佐々木朗(ロッテ)宮城(オリックス)がドラフト1位で入団した。1軍デビューは3人で、宮城は昨年10月4日楽天戦、奥川は昨年11月10日広島戦、井上(西武)が今年の4月3日ソフトバンク戦で初登板。宮城はすでに3勝し、白星を挙げたのは奥川が2人目。

◆広島の鈴木誠が今季1号ソロを放った。4-4の三回に先頭打者で奥川の真ん中に入った速球を逃さず左翼席へ運んだ。開幕から12試合目、46打席目での待望の一発に「しっかり捉えることができた」とうなずいた。  一回2死一塁では左翼線二塁打を放ち、得点につなげた。奥川からは昨年11月10日にプロ初登板した試合でも2安打を放っており、またプロの洗礼を浴びせた。昨季は5年連続で打率3割と25本塁打をクリアしたが、「良かった月はほぼなかった」と納得せず、今季は広角に強い打球を飛ばすために打撃フォームの改良に取り組み、ようやく一発が出た。  プロ9年目でエース大瀬良とともに主将を務める。「選手会長もいるし、そっちのサポートができればいいかな」と気負いはない。「若い選手がたくさん出ている。みんなでしっかりやっていきたい」と大黒柱としてチームを引っ張る。

◆ヤクルトの先発、奥川が待望のプロ初勝利を挙げた。チームは連勝で勝率を5割に戻した。  奥川は一回、2死から5連打を浴びて4失点。昨季、プロ初黒星を喫した広島打線につかまったが、その裏に打線が大量援護した。3者連続安打で無死満塁とし村上が押し出し四球を選ぶと、荒木と太田が連続犠飛。2死二塁から西浦が左前適時打を放ち、4-4の同点に追いついた。  奥川は三回、鈴木誠に左越え1号ソロを被弾したが、その裏に打線が再び奮起した。2死一、二塁から西浦の右前適時打で同点とすると、松本友のプロ初打点となる左前適時打で6-5と勝ち越しに成功。四回には山崎が右越え1号ソロを放ちリードを広げた。奥川は5回まで投げ切り10安打5失点と苦しみながら、プロ初白星を手にした。

◆ヤクルトの先発、奥川が5回10安打5失点と苦しみながら待望のプロ初勝利を挙げた。「初勝利を挙げることができて、うれしい気持ちでいっぱい。ずっと(お立ち台に)立ちたいと思っていた。(ウイニングボールは)両親に届けたい」と笑顔。「初回は悔しかったけど、点数を取ってもらって、何とか集中を切らさずに投げられた。五回みたいな投球をこれから、しっかり出していけるように一生懸命がんばりたい」と今後を見据えた。

◆ヤクルトの先発、奥川が5回10安打5失点と苦しみながら待望のプロ初勝利を挙げた。3安打3打点と奥川を援護した西浦は、「奥川さんが投げるということで、何とか打線で援護しようという気持ちでいった」と先輩の貫録を示した。その後も「奥川さんを何とか勝たせようという気持ちがみんなにあった」「ここで打てば、奥川さんに勝ちがつくと思って必死に打った」と後輩をいじり倒していた。

◆ヤクルトの松本友がプロ初打点をマークした。三回、5-5に追い付いてなおも2死一、三塁。追い込まれながらも外角へのチェンジアップを引き付けて、巧みに左前へ適時打をはじき返した。  東福岡高から明学大、独立リーグのルートインBCリーグ福井を経て2019年に育成ドラフト2位で入団。昨年7月に支配下契約を勝ち取った。チーム内に新型コロナウイルスによる離脱者がいる中、輝きを放ち「チャンスをいただいているので、何とか結果を出したかった。タイムリーが出て、ほっとしている」と表情を緩めた。

◆ヤクルト・奥川恭伸投手(19)が、5回84球を投げ10安打5失点でプロ初勝利を挙げた。「打」の主役、西浦直亨内野手(29)とお立ち台に上がった2年目右腕は、多くの燕党の前で白い歯をのぞかせた。 ■ずっと立ちたいと思っていた  --プロ初勝利  奥川(以下、奥) 「ありがとうございます」  --いまの心境は  奥 「初回打たれはしましたけど、野手の皆さんにたくさん点を取っていただいて、こうやって初勝利を挙げることができて、うれしい気持ちでいっぱいです」  --初のお立ち台  奥 「ずっと立ちたいなと思っていたので、本当にうれしいです」  --ウイニングボールは  奥「はい。持ってます」  --誰に渡す  奥 「両親に届けたいと思います」 ■集中を切らさないように  --中断のハプニングもあった  奥 「初回はちょっと悔しかったですけど、点数を取ってもらって、中断後、何とか集中を切らさずにしっかり投げられたので良かったのかなと思います」  --ギアが上がった。五回は気迫がこもっていた  奥 「もう一度気持ちを入れ直して投げようと思っていたので、五回みたいな投球をこれからも出していけるように一生懸命頑張っていきたいと思います」 その他の写真(2/2枚) ■西浦さんに感謝  --西浦が活躍  奥 「はい。本当に感謝しかないです。ありがとうございます」  --西浦は3安打3打点  西浦(以下、西) 「ありがとうございます」  --初回の適時打  西 「感触はあまりよくなかったんですけど、『抜けてくれ!』と思いました」 ■奥川さんが投げる?  --そのときの気持ちは  西 「きょうは奥川さんが投げるということで、なんとか打線で援護しようと思って、そういう気持ちでいきました」  --奥川さんを勝たせたい  西 「そうですね。奥川さんをきょうはなんとか勝たせようという気持ちがみんなあったと思います」 ■奥川さん連発  --三回の適時打  西 「ここで打てば、奥川さんに勝ちが付くんじゃないかなと思って必死になって打ちました」  --チーム一丸で勝利。雰囲気は  西 「いろいろあるんですけど、みんな一試合一試合必死になって勝利目指して頑張っています」  --カード勝ち越し。借金なし。今後に向けて  西 「本当に一試合一試合全力で勝ちを積み重ねて生きたいと思います。また応援よろしくお願いします」 ■今度はチームを助けたい  --奥川さん。今季の目標。今後どうなりたいか  奥 「とにかく一試合一試合自分の全力を出し切って、きょうは助けてもらったので、チームを助けられるような投球をたくさんできるように頑張っていきたいと思います」

◆広島の松山が五回の左翼守備で、山崎の左越え二塁打を処理した際に下半身を痛めて交代した。蔦木トレーナーは「下半身のコンディション不良。明日以降は状態を見て判断する」と話すにとどめた。

◆広島の中村祐は制球がままならず3回6失点で2敗目を喫した。一回に4点を先制してもらいながらその裏に簡単に追い付かれ、打線が1点を勝ち越した三回にも2点を失った。1日の阪神戦での6回6失点に続き先発の役目を果たせず「力不足を痛感している」とうなだれた。  拙守に足を引っ張られたこともあり、投手陣が今季ワーストの15安打11失点と崩れた。佐々岡監督は「もう一度、気を引き締めてやらないといけない」と険しい表情だった。

◆星稜高で奥川の1学年下だったD3位・内山壮が、七回に代打でプロ初出場。右飛に倒れたが、高卒ながらルーキーイヤーの4月にデビューを果たし「早い時期に1軍を経験させていただいて、生かせる部分がたくさんあると思う」と目を輝かせた。先輩については「能力も高いと思うんですけど練習に対する意識も高かった。見習わないと」。サッカーグラウンドでの遠投では100メートル以上先の防球ネットまで遠投が届いていた"奥川伝説"も明かした。

◆山崎が6-5の四回に右翼席へ1号ソロを放ち、貴重な追加点を挙げた。「先頭打者だったので、塁に出ることを心がけて打席に入りました。いい角度で上がって、いい結果になりました」とうなずいた。五回にも左翼越えの適時二塁打を放つなど4安打2打点と大暴れ。前夜も決勝打を放ったリードオフマンが打線を活性化させた。

◆ヤクルト・奥川がプロ初勝利をマーク。石川県内の自宅で投球を見守った父・隆さん(54)はあえて、辛口のメッセージを送った。  「手放しでは喜べないですね。一回にいきなり4点ですから。勝てそうな投球ができるようになったら球場に見に行きます」  金沢市立工高時代に野球部に所属し、内野手だった隆さんは、息子の幼少期に基本的なプレーを指導。当時は投球より打撃が好きで毎日、自宅でスポンジボールを打たせた。  プロ1年目のシーズンを終えた奥川が昨年末に帰省すると、数年後を見据えた助言を送った。  「大事なのは1、2年目じゃなくて、大卒や社会人の選手が入ってくる4、5年目だよ。(同学年の選手が即戦力の評価でプロ入りするまでに)しっかりやらないといけないよ」  この日は5失点したが、節目の初勝利。「今日はみんなに勝たせてもらった。この恩を忘れずに、今後の投球で返していってほしい。これからも球団の方針や任された登板機会をしっかり全うしてほしい」。優しい声でエールを送った。

◆プロ初勝利を挙げたヤクルト・奥川恭伸投手(19)を二人三脚で指導した小野寺力2軍投手コーチ(40)が、ここまでの育成過程の一端を披露。昨季はフォームの修正や下半身の強化などに時間を割き、投球数なども管理した。  昨年2月、宮崎・西都での2軍キャンプ。右肘の炎症から復活を期す奥川に、小野寺2軍投手コーチが寄り添った。「焦らないように」と日々の状態をチェック。7月に奥川が軽い上半身のコンディション不良を訴えた際も、すぐにストップをかけた。  小野寺コーチは1年を通じて(1)右肘の負担を減らすため、投球時にフォロースルーを止めない(2)ウエートトレーニングなどで下半身を強化し、上体への負荷を減らす、の2点を徹底させた。投球数やイニング数なども育成プログラムに沿って管理。慎重に育てた。  今春のキャンプ。1軍に同行した奥川の練習メニューの作成を、高津監督から委ねられた。  「『焦らなくていい』という言葉をいただいていた。1軍の雰囲気に慣れながら状態を上げられるようにメニューを組みました」  初のブルペン入りはキャンプ2日目。2クール目まではスローペースで調整させた。主力投手が実戦登板を重ねる中、奥川の目標はキャンプ中に打撃投手を務めること。小野寺コーチが明かす。  「本来ならキャンプで球数を増やして、(試合に)投げられるという準備が必要だが、まずは投げられなくならないようにという部分が最初にあった。ちょっと優しめではあったけど、そのキャンプを乗り越えたのが大きかったと思う」  奥川は修正法も身につけていた。3月の中日戦で神宮のマウンドの硬さに適応できず、フォームを崩しかけた。「寮で会って少し話をしたけど、本人が分かっている。自分の中で解決できるようになった」と小野寺コーチ。この日も序盤に乱れたが、五回は三者凡退に封じた。成長途中の右腕は、あらゆる経験を糧にする。(横山尚杜)

◆星稜高から入団2年目のヤクルト・奥川恭伸投手(19)が8日、広島3回戦(神宮)に先発登板し、5回5失点でプロ初勝利をマーク。10安打を浴び、雷雨で試合が中断する悪条件も重なったが、3度目の登板で節目の白星を飾った。2桁安打を喫しての初勝利は、球団では1991年の高津臣吾(現監督)以来30年ぶり。チームは11-7で勝ち、勝率を5割に戻した。  ウイニングボールを受け取ると、ホッとした表情を浮かべた。困難を乗り越え、奥川が3度目の先発登板でプロ初勝利。初のお立ち台で声を張り上げた。  「野手の皆さんにたくさん点を取っていただいて、初勝利を挙げることができた。うれしい気持ちでいっぱいです」  一回は3番・西川から5安打を浴び、いきなり4失点。その裏に味方打線が追いつく。だが二回先頭、中村祐の2球目を投げ終えた後に雷雨が激しくなり、54分間の中断を余儀なくされた。  「一回の4失点で大敗してもおかしくない状況から、4点を取ってもらった。再開からもう一度先発するつもりで、気持ちを入れ直しました」  7-5の五回には、本塁打を含む2安打を許していた4番・鈴木誠を147キロの直球で空振り三振に仕留めた。最速148キロで、5回10安打5失点。2桁安打を喫して初勝利を挙げた球団の投手は1991年の高津臣吾(現監督)以来だった。  昨年11月10日のプロ初登板(対広島)は三回途中5失点。友人、知人から励ましのメールが多く届く一方で、投球に関する厳しい指摘もあり「誰とも会いたくなくなりました」と塞ぎこんだ。それでも「この先で抑えれば評価は変わるし、結果を出さないと。今は何を言っても負け惜しみになる」と必死に切り替え、初白星にこぎつけた。  最速154キロを誇る快速球の原点は、幼少期に母・真由美さんと羽根を打ち合ったバドミントンだ。奥川は社会人チームの選手だった母に連れられ、近所の体育館で夢中でラケットを振った。 その他の写真(2/2枚)  右肘をしなやかに振り下ろす動作は野球に通じる。「振る右腕を柔らかく使えるようになりましたし、踏み込む左足もスマッシュの形から来ています」。小学2年生で野球を本格的に始めてからは「野球だけではなく、勉強もしっかりやりなさい」と母に言われ、高校球児だった父・隆さんとも特訓。記念のウイニングボールは「両親に届けたい」とハッキリと答えた。  「今日は助けてもらった。チームを助けられるような投球をたくさんできるように頑張っていきたい」。座右の銘は星稜高の部訓『耐えて勝つ』。さまざまな重圧、とどろく雷鳴にも耐えてつかんだ初白星。未来のエースが最初の一歩を踏み出した。(横山尚杜) ◆高津監督「僕もうれしい」  2019年秋のドラフト会議で3球団競合の末に、奥川の交渉権を引き当てた高津監督は「喉から手が出るほどほしかった1勝。僕自身もちょっとうれしいです」と目尻を下げた。一回に4失点したが「奥川に勝たせたいという雰囲気があった。間違いなくエースに育てないといけない、間違いなくエースになってもらわないと困るのが奥川」。今後、中10日前後の間隔を空けて登板させる方針だ。

◆5回10安打5失点は決してほめられた結果ではないし、奥川自身も満足はしていないだろう。  一回に4点を失い、二回が始まったところで試合が中断。これでうまく頭の中を整理できたのかなと思う。勝ち投手の権利がかかった五回も球はばらついたが、強く腕を振って、気持ちの入った投球ができたことは評価したい。  問題は84球のうち、どれだけ狙ったところに投げられたかだ。カウントを取る球も、追い込んでからの決め球も、逆球や抜けた球が多かった。4奪三振は結果的に三振になっただけで、取るべきところで狙って取れたわけではない。  真っすぐ、フォークボール、スライダーと持ち球の一つ一つはどれも一級品。だが、高校時代の一番良かった状態にまだ戻っていない。球速、制球力、スタミナのいずれも、さらに1ランクも2ランクも上げていく必要がある。  2度先行されながらも追いつき、勝ち越してくれた打線に感謝だ。先発投手にとって、勝ち星が一番の良薬。自信にして次の登板につなげてほしい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
840 0.667
(↓0.06)
-
(-)
13149
(-)
31
(+3)
10
(-)
6
(-)
0.240
(↓0.011)
2.680
(↓0.03)
2
(1↑)
巨人
543 0.556
(↑0.056)
1.5
(↑1)
13138
(+3)
40
(-)
8
(+2)
9
(+1)
0.216
(-)
3.030
(↑0.29)
3
(1↓)
広島
651 0.545
(↓0.055)
1.5
(-)
13141
(+7)
36
(+11)
13
(+2)
2
(-)
0.260
(↑0.01
2.660
(↓0.62)
4
(-)
ヤクルト
552 0.500
(↑0.056)
2
(↑1)
13150
(+11)
54
(+7)
9
(+1)
9
(+1)
0.251
(↑0.017
4.290
(↓0.25)
5
(1↓)
中日
462 0.400
(↓0.044)
3
(-)
13132
(+2)
39
(+5)
1
(-)
7
(-)
0.216
(↑0.004)
2.560
(↑0.05)
6
(-)
DeNA
372 0.300
(↑0.078)
4
(↑1)
13150
(+5)
60
(+2)
7
(+1)
3
(-)
0.275
(↓0.003)
4.710
(↑0.26)