阪神(★0対3☆)巨人 =リーグ戦3回戦(2021.04.08)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:髙橋 優貴(2勝0敗0S)
(セーブ:デラロサ(0勝0敗3S))
敗戦投手:秋山 拓巳(1勝1敗0S)

本塁打
【巨人】坂本 工宜(1号・1回表ソロ),重信 慎之介(1号・9回表ソロ)

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◆巨人は初回、坂本のソロで先制に成功する。その後1点を加点して迎えた9回表には、重信にソロが飛び出しリードを広げた。投げては、先発・高橋が8回途中2安打無失点の好投。その後は中川、デラロサの継投で完封リレーを展開し、高橋は今季2勝目を挙げた。敗れた阪神は、打線が3安打無得点と沈黙した。

◆阪神秋山拓巳投手(29)は巨人戦通算15試合に登板して4勝8敗。球場別内訳は東京ドーム3勝4敗、甲子園1勝4敗で、甲子園で巨人に勝利したのは新人時代の10年9月20日だけ。今日は巨人打線を抑えて、11年ぶり本拠地勝利なるか。

◆先発する高橋優貴投手(24)が連敗ストップを託された。「攻める気持ちを忘れずに丁寧にいくところと、勝負のところとメリハリをつけて投球したい」と首位を走る猛虎打線に挑む。 先発ローテ6人の6枚目。エースから最も離れて開幕を迎えた。オープン戦の終盤は躍動感の欠如を指摘され、2軍降格。闘争心をあおられ、必死さをマウンドで体現した。1度は失ったローテ枠を奪い返した。1日の中日戦で7回1失点。今季初登板初勝利をマークした。粘って、粘ってペースをつくり、114球で投げ抜いた。 プロ入り前は、甲子園とは無縁の無名左腕だった。補欠でもしがみつき、愚直に歩を進めてきた。超高校級スターたちがきらびやかに歩くエリート街道の脇で辛抱強く腕を振り、甲子園までたどり着いた。19年のプロ入りから公式戦での甲子園マウンドは3試合。いまだ自身の勝利はない。野球少年たちのあこがれの場所。黒土に銀傘、伝統的で歴史を感じるバックスクリーン。帽子を飛ばしながら懸命に腕を振る今の高橋には、聖地がよく似合う。 今季最初の伝統の一戦は2連敗と苦戦を強いられている。いずれも、投手陣が踏ん張れず、打線も湿る。3連敗は許されない。高橋が聖地のマウンドで存分に暴れる。【為田聡史】

◆阪神が今季初の「伝統の一戦」で巨人に2連勝。8日も勝てば、シーズン最初の巨人戦で同一カード3連勝。実に04年以来17年ぶりとなる。 04年の舞台は敵地東京ドーム。前年の03年にリーグ制覇しながらも星野仙一監督が勇退。岡田彰布監督にとって就任1年目のシーズンで、開幕カードの相手が巨人だった。 ◆巨人3-8阪神(04年4月2日) 1点を追う8回に今岡の逆転タイムリーなどで一挙6得点。先発井川が7回5安打3失点の力投で勝利投手に。ルーキー鳥谷がスタメン出場でプロ初安打を記録。最後は守護神ウィリアムスがウイニングボールを岡田監督にプレゼントした。 ◆巨人1-5阪神(同4月3日) 3回に矢野の1号ソロで先制。4回にはアリアスが2戦連発となる満塁弾を放ち、試合の主導権を握った。先発福原は7回1失点の好投。リガン-安藤-ウィリアムスの継投で逃げ切った。 ◆巨人5-8阪神(同4月4日) 初回に4番金本が先制の2点適時二塁打。4回には矢野の2戦連発。キンケード、金本にも1発が飛び出し、1イニング3発で圧倒。先発下柳は6回3失点。リガン-吉野-安藤のリレーで巨人の反撃を封じた。 G倒開幕しながらも、岡田阪神は勢いがつかず、最終的に66勝70敗2分けで4位に終わった。巨人には17勝10敗1分と勝ち越した。シーズンは就任1年目の落合博満監督率いる中日が優勝した。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神の先発は秋山拓巳投手(29)、巨人は高橋優貴投手(24)。 ここまで阪神が連勝しており、シーズン最初の巨人戦で3連勝となれば、04年以来17年ぶり。リーグ優勝した03年は引き分けスタートで巨人に5連勝、日本一となった85年も3連勝スタートを決めている。 ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)は、前夜にプロ初の内野安打をもぎとるなど2戦連続安打。「伝統の一戦」で待望の1発はでるか。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が「6番・右翼」でスタメン出場する。巨人先発は左腕高橋だが、3月14日の甲子園でのオープン戦で、左翼ポール際へ本塁打を放っている。 試合前練習では、右翼守備練習を入念に行った。フリー打撃では54スイングで12本の柵越え。右翼へ引っ張る本塁打やバックスクリーン左への特大弾など快音連発。練習後にはベンチ前で、現在リーグトップタイの4本塁打を記録しているサンズと話し込んでいた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)の第1打席は2回1死一塁でまわってきたが、巨人先発左腕高橋の低め146キロ直球を空振りし三振に倒れた。 初球146キロ直球から積極的に振っていきファウル。2球ボールを見送って2ボール1ストライクから、高めスライダーを空振り、低め直球を空振りした。 高橋とは3月14日のオープン戦で対戦し、左翼ポール際へ本塁打を放っている。

◆女優の佐藤江梨子(39)が試合前のファーストピッチセレモニーを行った。甲子園で投げるのは14年以来7年ぶりだったが、本塁まで届かずバウンドし、最後はコロコロとミットに収まった。 「自分でも悔しくて。15メートルくらいは行くと思っていた。でもすごくうれしくて楽しかった。コロナ禍なので観客も制限されたりしていますが、野球をやっているだけで人生頑張ろうって気になりますよね。見ている人もそうですし、ぜひ阪神に勝ち進んでいただきたいなと思います」と話した。 同姓で応援しているという佐藤輝明については「親目線みたいだけど、日本の宝として育ててほしい」と大きな期待を寄せた。

◆女子硬式野球クラブチーム「阪神タイガースWomen(ウィメン)」の坂東瑞紀投手(27)が、始球式を行った。 和柄が施されたグラブを手に、ダイナミックなワインドアップから豪快に投げ込みストライク投球。甲子園のファンからも大きな拍手が送られた。「甲子園球場で投げるというのがすごく子供の頃からの夢だったので。そのマウンドに立つことができて本当にうれしいです」。 侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」にも選出された右腕。「昨日と一昨日に投げた2人がストライクで、今日もストライクを投げられたので、3連勝して勝ってもらえたらなと思います」とナインへ心強いエールも送った。 この巨人3連戦では「阪神タイガースWomenデビューシリーズ」が開催され、Womenの投手による始球式や日替わりの意気込みインタビューなどを連日実施。試合中は、Womenの選手がリリーフカーの運転やボールガールも務めている。

◆阪神秋山拓巳投手(29)は6回10奪三振2失点と熱投したが、打線の援護に恵まれず自身2連勝を逃した。 1回1死から2番坂本に中越えソロを浴びると、4回1死満塁では8番炭谷に中犠飛を献上。それでも緩急を使った配球で6安打2四球と粘り、きっちり試合を作った。 21年初先発した1日広島戦は7回2失点で白星を手にしていたが、この日は味方打線が無得点の状況で降板した。

◆阪神の連勝は4で止まった。2点ビハインドの8回1死二、三塁の同点機で矢野燿大監督(52)が動く。1番近本に代打の陽川を起用。だが、一ゴロに倒れ、2番糸原も二ゴロに終わり、得点できなかった。指揮官の勝負手は不発で、完封負けを喫した。 シーズン最初の甲子園での巨人3連戦3連勝なら日本一に輝いた85年以来、36年ぶりだったが果たせず。9日からのDeNA3連戦(横浜)で仕切り直す。

◆首位阪神が、3位巨人と対戦する。先発は阪神が秋山拓巳、巨人は高橋優貴。

◆巨人は1回に坂本の中越えソロで先制。先発高橋は3回を終えて無安打無失点。阪神先発の秋山は3回まで3安打1失点。 巨人は4回1死満塁から炭谷の中犠飛でリードを2点に広げた。先発高橋は6回まで阪神打線を1安打無失点に抑えた。 阪神は8回1死二、三塁を生かせず、無得点で連勝は4でストップ。巨人は連敗を2で止め、高橋が2勝目を挙げた。デラロサ3セーブ目。阪神秋山は1勝1敗。

◆阪神の糸原健斗内野手は開幕戦からの連続試合安打が11で止まった。 前日7日巨人戦では3安打2打点と大暴れしたが、4打数無安打。先発高橋の前に3打席凡退した後、8回2死一、三塁の好機では中川にスライダーで二ゴロに仕留められた。

◆阪神小林慶祐投手は前回登板の雪辱を果たした。 2点ビハインドの7回に登板し、1イニングを完全投球。1番松原を150キロで左飛、2番坂本も149キロで空振り三振と直球が光った。「前回の登板では点を取られてしまった。今日は絶対にゼロで抑えるという気持ちでマウンドに上がりました」。前回登板した2日中日戦にはピンチで救援し、決勝打を浴びていた。

◆巨人坂本勇人内野手が1号決勝ソロで連敗を止めた。1回1死、阪神秋山の139キロ直球を捉えた。バックスクリーン左まで運び、チームに7試合ぶりの先制点をもたらした。「先制点を取れたのは良かった」と効果的な先制パンチで優勢を奪った。 低調が続いた打線をガラッと組み替えた。3番に梶谷、5番に大城を配置。坂本は昨季の日本シリーズ第4戦以来の2番に入った。レギュラーシーズンでは昨年8月23日以来の打順だったが「そこはあんまり」と、あえて意識はせず、打席に集中した。 今季12戦目で待望の1発が生まれた。「1本でも大きいのを打てるようにできたらいいんですけどね。とりあえず、1本出て良かったです」と勝利に直結する一打を振り返った。 主将の1発で同一カード3連敗を阻止。上げ潮ムードに転じてきた打線で広島に乗り込む。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手が3試合ぶりの無安打に終わった。 巨人先発高橋の直球とスライダーの組み合わせに苦戦。9回には空振り三振で最終打者となった。井上ヘッドコーチは「三振かホームランかのバッターである以上、当ててサードゴロ、ショートゴロだけはしてほしくない」とフルスイング継続を指令。「あかん時はどうしてか、というのは本人にしか分からない。そこは大人の階段上るじゃないけど、上るために1歩1歩、本人に考えてほしい」と成長を期待した。

◆巨人の大幅な打線改造が実った。4番岡本和以外の野手を今季初打順に据えると、7試合ぶりに先制。 全試合で先発マスクだった大城を一塁で起用し、初先発の炭谷は攻守で貢献した。原辰徳監督は「打線に活を入れるという考え方ですね。今日は3点取りましたからね。いい兆しは出ていると思います」と、うなずいた。

◆阪神秋山拓巳投手は粘りの投球を続けるも、6回6安打2失点で今季初黒星を喫した。「三振が多くていつもと違うピッチングだったので、しんどいところはありましたけど、とにかくもっとリズムを持ってこられるピッチングがしたかった」。 初回1死、2番坂本にバックスクリーン左横へ運ばれ、先制の1号ソロを被弾。そこからは直球で見逃し、変化球で空振り三振と毎回の10三振を奪った。打たせて取る本来の投球とは変わったが、巨人打線のバットには当てさせなかった。 悔やんだのは4回。連打を浴び、味方の失策もからんで1死二、三塁から、吉川尚を申告敬遠。1死満塁から、炭谷に直球を捉えられ2点目の中犠飛を許した。「申告敬遠して、あそこはゴロを打たせないと、というところだった」。それでも、矢野監督は「1点ずつなんでね。やむをえないというか、先発としての投球というのはしっかりしてくれた」と仕事を評価。次は投打がかみ合った試合で2勝目をつかみたい。

◆あぁ85年の再現ならず。阪神打線が巨人先発高橋らの前に沈黙し、散発3安打で今季2度目の完封負けを喫した。甲子園で始まる巨人戦3連勝発進なら日本一の85年以来だったが、甘くはなかった。4番大山は開幕から50打席アーチなしの自己ワーストで、期待のドラフト1位佐藤輝も不発でチームの連勝も4でストップ。 2点を追う8回、甲子園がこの日初めて沸き上がった。先発高橋を引きずり降ろし、なお1死二、三塁。左腕中川に対し矢野監督は近本に代えて陽川を起用した。「あそこは勝負にいった。チカの状態もあるし、9回までというのもある」。だが期待はむなしく、一ゴロで、本塁を突いた三塁走者の梅野が憤死。11試合連続安打中だった頼みの糸原も二ゴロに倒れ、最終的に0を9個並べた。 甲子園で始まる巨人戦3連勝発進なら日本一の85年以来だったが、簡単ではなかった。昨年東京ドームで開幕3連敗のお返しもできなかった。矢野監督は「今日は打線やね。(高橋に)難しいという投球をされているように感じなかった。あまりにも走者も出ないし、安打も出なかったんで」と、今季ワーストタイの3安打にお手上げだった。 6回1死から近本がようやくチーム初安打。9回も無死二塁のチャンスを作ったが、大山、サンズ、佐藤輝と3者連続三振で終わった。4打数無安打の4番大山の開幕ノーアーチは、自己最長だった19年の48打席を超え、50打席に達した。打率も2割1分3厘の低空飛行。2日連続で試合前練習中に助言を送った矢野監督は「悠輔(大山)もしっくりきている感じじゃないんでね。気づいたところは伝えているけど、そんな甘くないんで」と話した。大山だけでなく糸原、サンズ以外は全体に元気がない。 高橋には一昨年も先発5試合で2勝(1敗)を献上し、防御率1・98と苦手としている。井上ヘッドは「対策を練らないと。同じやられ方をしないように」と危機感いっぱい。今後苦手にするわけにはいかない。 開幕4カードを終え8勝4敗で首位を行く。明日から舞台となる横浜は昨季ビジター5球場の中で最高打率の2割7分9厘、打点も最多の65点をたたき出している相性のいい球場だ。大山らの復調で打線が再び活気づき、首位をガッチリキープしたい。【石橋隆雄】 ◆85年の阪神-巨人3連戦 4月16~18日(甲子園)に対戦し、阪神が3連勝。初戦は1点差に迫った4回、2死一塁で佐野の打球を巨人の遊撃・河埜が落球。本塁への悪送球も重なり同点に。続く平田の適時打で勝ち越すと、木戸、真弓の本塁打でこの回だけで7点を挙げ、10-2で勝利。第2戦は1-3の7回にバースが逆転3ランを打つと、掛布、岡田も連続アーチ。今も語りぐさとなっている「バックスクリーン3連発」で6-5と連勝。第3戦は3-4の6回、真弓が逆転3ラン。8回にもバース、岡田の1発で突き放し、11-4で勝利。すべて逆転勝ちで3連勝を飾った。 ▼阪神が巨人に敗れ、同一カード3連勝はできなかった。巨人とのシーズン初対戦が甲子園での3連戦だったケースは過去26回あるが、このうち3連勝したのは日本一となった1985年(昭60)だけだ。同年は第2戦で球史に残るバース、掛布、岡田の「バックスクリーン3連発」もあった。85年に並ぶチャンスを逃した。

◆あぁ85年の再現ならず。阪神打線が巨人先発高橋らの前に沈黙し、散発3安打で今季2度目の完封負けを喫した。甲子園で始まる巨人戦3連勝発進なら日本一の85年以来だったが、甘くはなかった。4番大山は開幕から50打席アーチなしの自己ワーストで、期待のドラフト1位佐藤輝も不発でチームの連勝も4でストップ。◆阪神矢野燿大監督語録 -先発の秋山は粘った投球だった 矢野監督 しっかりした投球をしてくれたと思うし、1点ずつなんでね。先発としての投球っていうのはしっかりしてくれたなと思います。 -オープン戦でもやった相手高橋の前回対戦時との違いは 矢野監督 真っすぐがちょっと多かったかなっていう感じはするけど。横からみててそんなに、すごくいいとかにはみえないんだけど。 -8回の攻撃は仕掛けていった 矢野監督 なかなかね、左では簡単じゃない投手なんで。あそこは勝負にいきました。 -近本への代打 矢野監督 もちろんチカの状態もあるし、まあ9回までというのもあるしね、そういうとこ考えたら。陽川残しても使うとこもなかなかない展開になるかなというのもあるし、負けてる状況なんで、そういう所では勝負にいきました。 -終盤にあと1本 矢野監督 今日は打線やね。打線がまあそんなこれは難しいかというような投球をされているように感じなかったんで。そういう所では打線があまりにも走者も出ないし、安打も出なかったんで。勝負の分かれ目はそこしかないんじゃない? -ここまで打線は良かったが 矢野監督 もっともっと上がってもらわんと困るし、ケントとかジェリーとか、特定の選手がいい状態で、上がってるけど、全体的にいいっていうわけじゃないんで。個々の調子っていうか、やっぱりそれを上げていってもらうっていうのは、必要なことやと思う。 -練習で大山に指導 矢野監督 だから悠輔(大山)もしっくりしっくりきている感じじゃないんでね。まあ、そういうところで気づいたところは伝えていくようにしてるし。それがきっかけになってくれたらなと思って伝えているけど、まあ、そんな甘くないんでシーズンの中で調子がいい時や悪い時もあるし、それを短くしていくのはレギュラーというか、必要なことなので。俺ももちろん現役時代はいろいろ打てない苦しみというのは分かっているし、そういうのを自分で気づいて、ああ、こうやっていい感じになったとか、そんなのを伝えているところです。

◆阪神ドラフト8位の石井大智投手(23)はプロ初の連投に臨み、2戦連続で完全投球した。2点を追う8回に登板。3番梶谷を148キロで空振り三振、4番岡本和を149キロで一邪飛、5番大城はシンカーで遊飛に仕留めた。前日7日巨人戦も1イニングを2奪三振で完全投球。この日はクリーンアップを3人で斬り「昨日に引き続き0点で抑えることができてよかったです」と振り返った。

◆期待の3年目左腕が巨人の借金生活突入を阻止した。高橋優貴投手(24)が7回0/3を2安打無失点で今季2勝目を挙げた。磨きなおした直球を軸に自慢のスクリューを駆使し、好調阪神打線を6回1死まで無安打に抑える快投。中川、デラロサとの無失点リレーを決めた。打線も今季初2番のキャプテン坂本勇人内野手(32)が1号ソロを放つなど組み替えが奏功。投打がかみあい連敗を2で止めた。? 温存したスクリューでバットに空を切らせた。高橋は初安打を許した後の6回2死一塁、カウント1-2から外角のボールゾーンに逃げる121キロでマルテから三振を奪った。「コースにいくところはコース、高さのところは高さで、メリハリを付けて投げられたと思う」。6回1死まで続けた無安打投球を崩されても動じることはなかった。 勝負どころでのスクリューの裏で、直球が輝きを取り戻した。この日投じた110球中、直球は全体の約54パーセントの59球。「初回からいつ交代してもいいように全力でいった」と内角を強気で攻め立てた。オープン戦中の3月は思うように投げられない直球に悩んだ。ジャイアンツ球場でのキャッチボール中に、菅野から「もうブルペンでスクリューとチェンジアップを投げるの禁止ね。手首が死んで球が遅くなるよ」と、助言を受けた。2日後に入ったブルペンでは43球を投げスクリューはなし。得意球を封印し課題の直球と向き合った結果、本来の直球の姿が戻った。 聖地での1勝は格別だ。東海大菅生時代は甲子園出場はなし。プロでも過去公式戦3試合に登板し、勝ち星はなかった。「小さい頃から甲子園は憧れの場所だった。こうやって勝てて、とても気分がいいです」と満面の笑みを浮かべた。開幕前の3月14日の甲子園での同戦では、5回1失点も開幕ローテ入りが白紙になった。1カ月前の悔しさを結果で晴らし、うれしい思い出で上書きしてみせた。【久永壮真】 ? ▽巨人原監督(先発高橋について)「少々の荒れ球というのは彼の特長でもあります。その中で要所要所でいいピッチングをしてくれましたね」 ? ▽巨人中川(8回無死、一、二塁から登板し、1回無安打無失点の好リリーフ)「あまり途中からいくことがないので緊張しました。2点あったので1点はOKという気持ちで、1人ずつ丁寧に投げることを心がけました」 ? ▽巨人炭谷(今季初先発で4回に中犠飛で初打点。チームの完封リレーも演出)「出た時にやれることをやろうと思っている。(高橋に内角を攻めさせたのは)右打者のインコースがナチュラルに滑っていたので早い段階で力があるうちに突っ込んでおけば楽かなと」

◆阪神・山本泰寛内野手(28)が試合前練習に参加。7日の巨人戦で左肩から頭部付近に死球を受け交代していたが一夜明けて、フリー打撃などフルメニューをこなし、元気な姿をみせた。  今季、巨人から金銭トレードで虎に加入した山本は9試合に出場し、打率・333。堅実な守備でチームに貢献するとともに、3日の中日戦(京セラ)では、劇的なサヨナラ打を放つなど勝負強さを見せている。この日の巨人先発予定は左腕の高橋。スタメン起用も考えられる背番号「00」が5連勝に導く。

◆巨人・坂本勇人内野手(32)が一回、中堅左へ先制の1号ソロを放った。秋山の内角低めの138キロの速球を振り抜き、「まず先制点が取れたのは良かったですね」。今季12試合目、45打席目で待望のアーチ。この日は開幕から固定されていた3番ではなく、2番での起用だった。9試合連続で3得点以下と苦しむ打線を、主将がバットで鼓舞した。

◆阪神の本拠地開幕カードは、今年始動した女子公式野球クラブチーム「タイガースWomen」のデビューシリーズとして行われており、巨人に2連勝して3戦目を迎えた。この日は坂東瑞紀投手(27)が始球式に登板し、ど真ん中へのストライク投球で気持ちよく締めくくった。  「甲子園球場で投げるというのが子供のころからの夢だったので、本当にうれしい。たくさんのお客さんの前で投げるっていうのがすごく気持ちよかったです」  着物のような和柄があしらわれた華やかな特製グラブで、マウンドに登り、右腕から真っすぐに本塁上を貫いた。6日の植村、7日の水流(つる)がいずれもストライク投球で阪神を勝利に導いていただけに「きょうもストライクを投げられたので、3連勝してもらえたら」と願いを込めた。  タイガースWomenは、阪神が女子野球の裾野拡大のため2021年に設立した女子硬式野球クラブチームで、5月のラッキートーナメント、6月の全日本女子硬式野球選手権大会関西予選などに出場する予定。監督は元阪神、野原祐也氏(36)が務めている。今月10日には大阪体育大学との練習試合を予定している。

◆阪神は0-3で今季2度目の完封負け。甲子園開幕カードでの巨人戦3連勝を逃した。先発した秋山は一回1死から坂本に今季1号の中越えソロで先制を許し、四回は1死二、三塁から吉川を申告敬遠で塁を埋め、炭谷の中犠飛で追加点をあげられた。秋山は6回6安打10奪三振で2失点と試合を作ったが、打線の援護がなく今季初黒星を喫した。  打線は五回まで先発・高橋の前にノーヒットと沈黙。六回1死から近本がこの日初安打となる右前打を放ったが後が続かず、0-2の八回1死二、三塁の好機は陽川、糸原が凡退した。小野がソロ本塁打を浴びた直後の九回は2死二塁からD1位・佐藤輝(近大)が空振り三振に倒れてゲームセットとなった。

◆阪神の先発・秋山拓巳投手(29)は巨人打線に対し、2失点の粘投。味方の援護を信じて踏ん張り続けたが、チームを勝利に導けなかった。  「防ぐことのできる失点でしたし、取られ方が悪かったので、攻撃に良いリズムを持ってくることができませんでした」  立ち上がりに失投を完璧にとらえられた。一回1死で迎えた坂本への4球目、真ん中に入った直球をバックスクリーン右へと運ばれて先制ソロを被弾。四回には1死から大城と重信に連打され、申告敬遠で満塁から、炭谷の中犠飛で2点目を献上した。  リードこそ許したが、要所で持ち味を発揮した。直球の平均球速は130キロ台ながらカーブ、フォークなどを織り交ぜて毎回三振を奪い、2017年5月16日の中日戦(甲子園)で12三振を奪って以来となる2桁の10奪三振を記録した。  昨季は巨人戦2試合に登板して1勝1敗、防御率2・57。甲子園でのG戦白星となれば、ルーキーイヤーの2010年9月20日以来11年ぶりで、5日の投手指名練習の時には「(巨人は)ずっと負け越しているチームなので、今年は違うぞ、という姿をチーム全体で見せられるような戦いをしたいし、そういった投球ができれば」と意気込んでいたが...。  昨年10月11日のDeNA戦(甲子園)から、今季初登板となった前回1日の広島戦(マツダ、7回5安打2失点)まで6戦全勝と絶好調だった。自身7連勝もかかった伝統の一戦で力投したが、援護に恵まれず。六回の攻撃で代打が送られ、6回6安打2失点で降板。チームの勝利を信じて戦況を見守ったが、報われなかった。(織原祥平)

◆阪神は04年以来となる巨人戦3連勝発進が期待されたが、3安打完封負け。矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  ■先発としての投球はしてくれた  ――秋山は三振も多く、粘った投球だった(6回2失点10三振)  「しっかりした投球をしてくれたと思うし、1点ずつなんでね。やむをえないというか、先発としての投球っていうのはしてくれたなと思います」  ――オープン戦でも対戦した高橋はスクリューが難しかった  「スクリューはそんなに、きょうは少ないんじゃない」  ーー前回対戦時との違いは  「真っすぐがちょっと多かったかなっていう感じはするけど。横からみててそんなにね、すごくいいとか、そんな風にはみえないんだけど」  ――八回の攻撃は仕掛けていった(1死二、三塁で近本に代打・陽川)  「なかなかね、左では簡単じゃないピッチャーなんで。あそこは勝負にいきました」  ■陽川温存は避けたい  ――近本への代打  「チカの状態もあるし、九回までというのもあるしね、そういうとこ考えたら。陽川残しても、使うとこもなかなかない展開になるかなというのもあるし、負けてる状況なんで、そういう所では勝負にいきました」  ――先制されると勝てない  「それは皆さんが出すことであって、俺らが戦っている中で、それが...っていうのはまだ、こんな少ない中で。俺は気にしてることは何も無いけど」  ■全体的に、いい感じではない  ――終盤あと一本  「今日は打線やね.これは難しいかというような投球をされているように感じなかったんで。あまりにもランナーも出ないし、ヒットも出なかったんで。勝負の分かれ目はそこしかないんじゃない?」  ――ここまで打線は良かったが  「いい感じっていう、いい感じではないけどね、もっともっと上がってもらわんと困るし、ケント(糸原)とかジェリー(サンズ)とか、特定の選手がいい状態で、上がってるけど、全体的に、いいっていうわけじゃないんで。個々の調子っていうか、それを上げていってもらうっていうのは、必要なことやと思うんで」  ■大山に連日のゲキ  ――練習で大山に指導  「悠輔も、しっくりきている感じじゃないんでね。気づいたところは伝えていくようにしてるし。きっかけになってくれたらなと思って伝えているけど、そんな甘くないんで。シーズンの中で調子がいい時や悪い時もあるし、それを短くしていくのはレギュラーというか、必要なことなので」  (さらに続けて)  「俺も現役時代は打てない苦しみというのは分かっているし、自分で気づいて、こうやっていい感じになったとか、そんなのを伝えているところです」

◆巨人は先発・高橋が八回途中2安打無失点。打線を組み替えて7試合ぶりに先制した。連敗を阻止した原辰徳監督(62)が振り返った。  --高橋が好投  「そうですね。少々荒れ球というのは彼の特長でもあります。要所、要所いいピッチングをしてくれましたね」  --坂本を2番に入れるなど打線を組み替えた  「今日は3点取りましたからいい兆しは出ていると思いますね。まあ、こんなもんではないのでね。どんなメンバーであっても、4点、5点を取っていくという体勢はみせないといけませんね」  --炭谷が初スタメンで好リード  「配球も含めて非常に流れよくピッチャーを盛り上げた」  --正捕手の大城が一塁  「打線に喝を入れるという考え方ですね。打線がもう少しつながってもらいたいという考え方で、大城という選手はそういう献身性を持っているので。彼が捕手どうとかこうとかではなくてね。攻撃面を含めて、今の状況の中では彼がファースト、5番を守るということの方がいい選択だろうと。まあ、日替わりのように打線が変わるというのも決していいことではない。少なくとも中心バッターくらいまでは、きちっと腰を据えてという風に思いました」  --北村は八回に一塁守備で好判断(1死二、三塁で一ゴロを捕球して、本塁に送球。三走・梅野はアウト)  「ジャッジメントとしては1点をやらないでアウトカウントを取れるというジャッジメントが正しい。まあ、練習通りのプレーができたということですね」  --中川が好救援  「絶体絶命的な場面、1点は覚悟というところではあったけれども、中川らしく0点でバトンを渡したというところに、重信のあの(九回の)ホームランも出たのかなと。どういった形でもいい流れというのはあるね。守りからも、あるいは攻撃からもね」

◆阪神は巨人の先発・高橋に八回途中2安打無失点と好投を許し、今季2度目の零封負け。打線が10奪三振と粘投した先発・秋山拓巳投手(29)を援護できず、連勝は「4」でストップした。3点を追う九回無死二塁でも見逃し三振に倒れるなど4打数無安打、12戦を終えノーアーチの4番・大山悠輔内野手(26)へ、球団OBの八木裕氏(55)=本紙専属評論家=は「タイミングを大きく取り過ぎないこと」と提言した。 ◆バックスイングをコンパクトに完成させた方がいい  ここまで本塁打が出ていないということは、本来の打撃、調子ではないということは確かだ。惜しい内容の凡打もあるとはいえ、今季の大山は全体的に打ち損じも、タイミングが合っていない打席も多い。この日の試合前練習でも矢野監督が直接指導をしていたが、チームが好調な中でも、大きな心配事になってしまっている。当然、4番でもあるし、早く調子を取り戻してもらわないと得点力が上がってこない。  早く用意をしたいという意識があるのだろうが、現状の打撃を見ていると、タイミングを大きく取り過ぎているように思う。そこから慌てて打ちに行くような形になってしまって、バットを早く出さないといけない、ストレートに詰まらないように早くバットを振らないといけない-となってしまっている印象を受ける。そして前の(左)肩が先にパッと動いて、どうしてもドアスイングのようになる。肩のラインが先に回ってしまえば、バットのしなりもつかえない。"タイミングを大きく取る"という1つのもので、2つ悪いものが出てきてしまっている。  「用意を早くする」というのは本来、バックスイングを早く取って、打てるポジションにすぐに入れるような形にすることだ。だから、いつもピッチャーがクイックで投げているくらいのイメージで、バックスイングをコンパクトに完成させた方がいい。「タイミングを大きく」ではなく、その形をまず大事にしてほしい。  4番の4打数無安打が敗戦に直結することは間違いない。だが、この日の高橋は簡単に打てる投球ではなかったこともまた事実だ。巨人が"緊急事態"という中で、いい形で2試合を取ったわけだから、どうしても3つほしかったところはある。だが、悪かったわけじゃなくて、これからも2勝1敗で戦っていくんだというケジメがつけられたらいい。悲観する必要はない。チームはいいスタートを切ることができた。あとはこの間に、大山がいい形を取り戻すことだ。(本紙専属評論家)

◆巨人を圧倒したここ2戦がウソのような完封負け。矢野監督は「きょうは打線やね。そんな難しい投球をされているようには感じなかった。あまりにも走者も出ないし、安打も出なかったんで。勝負の分かれ目はそこしかないんじゃない?」と指摘した。  2試合連続で打点を挙げていた大山は4打数無安打。12試合でいまだに本塁打はなく、打率・213となかなか波に乗れない。試合前には前日に続き矢野監督から打撃指導を受けた。  「悠輔(大山)もしっくりきている感じじゃないんでね。気づいたところは伝えていくようにしている」と指揮官。「シーズンの中で、調子がいい時や悪い時もある。それを短くしていくのはレギュラーには必要なことなので」とひと皮むけることを求めた。

◆夢見たマウンドで輝いた。巨人・高橋優貴投手(24)が八回途中2安打無失点、5奪三振でチームトップの2勝目。プロ3年で初の甲子園での白星に「小さい頃から憧れの場所。こうやって勝てて、とても気分がいいです」とほほ笑んだ。  強気に押した。最速146キロの直球を内角中心に配球し、決め球のスクリューボール、スライダーも決まった。五回まで無安打投球。「一本も打たせないつもりだった」と、3月13日のオープン戦で本塁打を許したD1位・佐藤輝(近大)も3打数無安打に封じた。  東京・東海大菅生高時代、背番号11で臨んだ3年夏に西東京大会決勝で敗れ、甲子園に届かなかった。今春の選抜大会で母校は8強進出。「僕も負けないように」と後輩の活躍に力をもらった。  原監督は八回途中で降板した場面を挙げ「アウト一つでも取って渡してくれれば100点満点だった」としながら「少々の荒れ球は彼の特長。要所でいい投球をしてくれた」とたたえた。  今季初の零封勝ちでチームの連敗は2でストップ。新型コロナウイルス感染で丸ら主力打者を欠く中、左腕が大きな1勝をもたらした。(樋口航)

◆電光掲示板に何度も「K」の文字が映し出されたが、納得のいく表情は見せなかった。秋山は粘りながら10三振を奪ったが、無援のまま今季初黒星。試合後には反省ばかりが口をついた。  「三振が多くて、ちょっといつもと違うピッチングだった。もっとリズムを持ってこられるピッチングがしたかった」  一回1死、坂本に甘く入った直球をバックスクリーン左へ運ばれて先制ソロを被弾。四回は1死から大城、重信に連打を許し、二回に右前打を放っていた吉川を申告敬遠で満塁に。ここで炭谷に直球を捉えられ、中犠飛で2点目を献上した。  「申告敬遠して、あそこはゴロを打たせないといけないところ。防ぐことのできる失点だった。取られ方が悪かった」  制球力と緩急を生かして、打たせて取る投球が本来のスタイル。だが、この日は三振が多く、6回で96球と球数を要した。2017年5月16日の中日戦(甲子園)で12三振を奪って以来となる2桁の10奪三振を記録したが「それ(打たせて取る)が普段の投球」と笑顔はなかった。  それでも6回2失点と2試合連続でクオリティスタート(6回3失点以内)だった内容に、矢野監督は「(失点は)1点ずつなので、やむをえないというか、先発としての投球はしっかりしてくれた」と評価した。  「カットボールの詰まった当たりがヒットゾーンに飛んでいたので、そこを切るというか、そういうところを取り組んでいきたい」  チームの連勝が「4」で止まり、自身の昨年からの連勝も「6」でストップ。ただ、まだ貯金4で首位だ。次は三振ではなく、凡打の山を築く。攻撃へとリズムを作り、気持ちよくチームを勝たせる。(織原祥平)

◆「0」と「o」。スコアブックを付けるとき、各イニングの得点の右下に、小さく安打数も記入していきます。五回まで「0」と「o」。おいおい、まさか、と心配してしまいました。  「大丈夫です。きょうの打撃練習もこれまで以上にポンポンほうり込んでいました。佐藤輝選手はきっと先発で起用されます。試合でも打ってくれると思います」  打者担当のトラ番・原田遼太郎です。巨人の先発は左腕・高橋。陽川が好調だし、佐藤輝はスタメンから外れるんじゃないのかと聞いたのですが、即答。そしてその通りに先発に名前を連ねました。  「オープン戦で1試合だけあった巨人戦(3月14日、甲子園)で、高橋投手からオープン戦4号を打っています」  そうだった。5回3安打と好投された中で、唯一の得点を叩き出し、1-0の勝利に導いたのが佐藤輝のバット。四回2死からの左翼ポールを巻いた当たりは、一度「ファウル」と判定されたものの、矢野監督がすかさずリクエスト。リプレー検証で本塁打と確認されたことで、ファンの方々の印象にも残っていると思います。  原田がその再現を-と願い、力が入っていたのには理由があります。甲子園球場では今季から、阪神の選手が本塁打を打ったときに「トラックマン」で測定した打球速度、打球角度、飛距離がスコアボードに表示されます。  「トラックマン」は迎撃ミサイルの開発に伴ってできたシステムで、対象物(ミサイル)の速度などを追尾(トラッキング)するものです。野球では対象物がミサイルではなくボールになります。前日7日の五回に出たサンズの中越え2ランは、打球速度166キロ、打球角度30度、飛距離129メートルでした。キャンプ、オープン戦から佐藤輝の特大アーチを見続けてきた原田は、甲子園で一発が出たときにどんな数値がはじき出されるか、ワクワクしながら待っているのです。  「見たいですよ。バックスクリーンを軽々と飛び越えていく打球を打つ選手です。たぶん、誰よりもすごい数字が表示されると思います」  出ません。佐藤輝の一発どころか、冒頭に書いたように五回まで「0」と「o」。六回に近本が右前にチーム初安打を打ちましたが、七回までその1安打だけ。八回に梅野のヒットと山本が選んだ四球で無死一、二塁として高橋をマウンドから降ろしたものの、後続が倒れました。  お預けです。佐藤輝も、九回2死二塁で回ってきた第4打席は空振り三振。最後の打者になってしまいました。  9日からのDeNA3連戦が行われる横浜スタジアムにも「トラックマン」は設置されていますが、これも甲子園球場と同じく"追尾"するボールは本拠地の選手の本塁打だけ。阪神の選手は打っても数値は表示されません。  まあ、こういう日もあります。数値が出ないけど、横浜で調子を取り戻して、そのあと戻ってくる甲子園(13日から広島3連戦)を楽しみにしましょう。  ちなみに、日本では導入された歴史が浅く「ランキング」になるほどの参考数値がありませんが、メジャーでは日本時間5日にエンゼルスの大谷がホワイトソックス戦で右中間席に放った2号ソロが、今季のメジャー全本塁打の最速で185・4キロ。佐藤輝がどこまで迫るか。大丈夫、そのうち、甲子園でも打ちますから。

◆しょぼ~ん。コロナ禍の影響もあり、元気のない巨人さんに申し訳ないけど3連勝キッチリと頂戴しま~す! のはずが、終わってみれば3安打零封負け...。投手陣は毎回の14三振を奪ってるっちゅ~に、虎打線は何しとんねん!! 特に6番・佐藤輝のバットが火を噴かないなあ...。  まだ貯金4だけど、こんなことしていたら、あっという間に吐き出してしまうのだ!! こういうときこそ自由に打たせるのではなく、矢野采配の見せどころなのだ!!  先日、米大リーグではレイズが筒香に送りバントをさせていた。マルテや大山にバントをさせろとは言わないけど、長打を捨て、つなぎのバッティングを指示することはできるやろー!! その一本から大砲復活はよくある話...なのだ!!

◆巨人の高橋が八回途中無失点で2勝目。内角を突き、外に変化球を散らすなどして2安打に抑えた。八回は中川が好救援。一回に坂本の1号ソロで先制し、四回は炭谷が犠飛。九回は重信が一発を放った。  元巨人監督の堀内恒夫氏(73)は同日、自身のブログで「今年は違う高橋優貴」と題し絶賛。「コントロールもいいししっかり投げ分けられててね そして、何が良いって自分のボールに自信を持って投げてるところがいいよ」と評価した。  自己最長の7回0/3を投げて2安打無失点の快投に、「8回投げ切れなかったことより7回まで投げ切った、こっちを大事にすること。そうすればどんどん勝てるようになる。期待してますよ! 高橋! ナイスピッチングでした」と今後を楽しみにしていた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
840 0.667
(↓0.06)
-
(-)
13149
(-)
31
(+3)
10
(-)
6
(-)
0.240
(↓0.011)
2.680
(↓0.03)
2
(1↑)
巨人
543 0.556
(↑0.056)
1.5
(↑1)
13138
(+3)
40
(-)
8
(+2)
9
(+1)
0.216
(-)
3.030
(↑0.29)
3
(1↓)
広島
651 0.545
(↓0.055)
1.5
(-)
13141
(+7)
36
(+11)
13
(+2)
2
(-)
0.260
(↑0.01)
2.660
(↓0.62)
4
(-)
ヤクルト
552 0.500
(↑0.056)
2
(↑1)
13150
(+11)
54
(+7)
9
(+1)
9
(+1)
0.251
(↑0.017)
4.290
(↓0.25)
5
(1↓)
中日
462 0.400
(↓0.044)
3
(-)
13132
(+2)
39
(+5)
1
(-)
7
(-)
0.216
(↑0.004)
2.560
(↑0.05)
6
(-)
DeNA
372 0.300
(↑0.078)
4
(↑1)
13150
(+5)
60
(+2)
7
(+1)
3
(-)
0.275
(↓0.003)
4.710
(↑0.26)