阪神(☆6対2★)巨人 =リーグ戦1回戦(2021.04.06)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:西 勇輝(1勝1敗0S)
敗戦投手:サンチェス(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】香月 一也(1号・5回表2ラン)

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◆阪神が降雨コールド勝ち。阪神は2回裏、梅野の適時打と木浪の犠飛で2点を先制する。続く3回には、3本の適時打などで一挙4点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・西勇が7回2失点の好投で今季初勝利。敗れた巨人は、先発・サンチェスが6失点と誤算だった。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が、今シーズン初の巨人戦で甲子園デビューを果たす。 オープン戦の甲子園での5試合は、3本塁打を含む打率4割3分8厘、5打点と大暴れした。地元西宮市で育ち「今までと違う雰囲気だと思う。しっかり雰囲気を楽しみたい」と意気込みを語っていた。 試合前のフリー打撃では53スイングで6発のアーチを放った。そのうち1発はバックスクリーンへ。今季は甲子園でバックスクリーンへ本塁打を放った選手に対し「DAZN(ダゾーン)」から賞金100万円が贈呈される。本番でも"100万円弾"で、甲子園の虎党を沸かせる。

◆阪神が本拠地・甲子園で今季初戦を迎える。ここ10年の甲子園初戦を見てみると7勝3敗の好成績を残している。3点差以内の決着が8試合と大差はついていない。 記憶に新しいところでは19年に梅野が左足薬指の骨折を抱えながらサイクル安打を達成している。16年は金本阪神1年目で西岡がサヨナラ打を放った。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神はドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が2試合ぶりのスタメン復帰。2リーグ分立後の阪神新人に限れば、巨人戦のチームシーズン初戦での本塁打、甲子園チームシーズン1戦目での本塁打はともになく、初の快挙に期待がかかる。 先発の西勇輝投手(30)は今季初星を狙う。

◆今季初の伝統の一戦は、巨人サンチェス投手(31)と阪神西勇輝投手(30)が先発マウンドに上がる。 巨人は、亀井善行外野手(38)が「5番左翼」でスタメン入り。増田大輝内野手(27)、北村拓己内野手(25)もベンチ入りした。3選手は新型コロナウイルス陽性判定を受けた中島、丸、若林と接触頻度が高かったと球団が独自に判断し、4日ヤクルト戦(東京ドーム)は「特例2021」に基づいて登録を抹消されていた。しかし、5日に実施された保健所の調査の結果、濃厚接触者とは認定されず、1軍に再登録された。 右太もも裏の張りで離脱していた巨人大江竜聖投手(22)は今季初の1軍のメンバー入りを果たした。4日に1軍公式戦で初めてベンチ入りしたドラフト5位の秋広優人内野手(18)は登録抹消となった。

◆甲子園開幕戦で、女子硬式野球クラブチーム「阪神タイガースWomen(ウィメン)」の植村美奈子投手(28)が、始球式を行った。「ピッチャー植村」のアナウンスが流れると、左腕から力強い直球を内角へ投げ込んだ。球場はどよめき、植村はマウンドで笑みをこぼした。 甲子園のマウンドに立った感想を聞かれると、感極まった様子で涙を流した。「そうですね、本当に...。小さい時から大好きだったのでタイガースが。幸せでした」。小さな頃からの夢をかなえ「野球を始めた時から阪神タイガースに入りたいと言っていたので、本当にまだ夢見てるみたいですけど」とすぐには実感がわかない様子。チームでの実戦ももうすぐ。「日本一というのをずっとチーム設立の時から言ってるので、その目標だけはブレないように強く思って1戦1戦みんなと一緒に頑張りたい」と力を込めた。 今日からの巨人3連戦は「阪神タイガースWomenデビューシリーズ」が開催され、Womenの投手による始球式や日替わりの意気込みインタビューなどを連日実施。試合中は、Womenの選手がリリーフカーの運転やボールガールも務める。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が公式戦初の甲子園での一戦に「6番右翼」で先発し、第1打席で聖地初ヒットを打った。 2回無死一塁でサンチェスと対戦。初球は142キロ高めボール、2球目は146キロ直球をファウル。3球目を中前にはじき返した。 3回の第2打席は見逃し三振だった。6失点KOのサンチェスの後を受けて登板した左腕大江と対戦。無死二、三塁から初球の低めボールを見逃し、2球目と3球目は外角スライダーを続けられ、ともに空振り。最後は内寄り直球に手が出ず、見逃した。 第3打席は5回無死か左腕高木と対戦。変化球で追い込まれるとカウント2-2から134キロカットボールに空を切った。 7回の第4打席は2死一塁で本格派右腕のビエイラに、初球から156キロをフルスイング。2球目は159キロボールを見逃した。最後は甘く入った140キロスライダーを振り抜き、右翼へ大飛球。フェンス手前でキャッチされてアウトになったが、あと1歩でフェンスオーバーの当たりに観客からは歓声があがった。 オープン戦では甲子園で5戦3発。巨人戦でも左腕・高橋から左翼ポール際に本塁打を放っていた。試合は7回終了降雨コールドで、公式戦での甲子園1号は次戦以降に持ち越しとなった。

◆阪神が今季初の伝統の一戦で先制した。 2回に先頭の5番サンズが左前打で出塁し、続く6番佐藤輝が甲子園初安打を中前にはじき返し、無死一、二塁。暴投でそれぞれ進塁した後、7番梅野が右前に先制打を運んだ。 なお無死二、三塁から8番木浪がセンターへ犠牲フライを打ち上げ、この回に2点を先制した。

◆兵庫県に新型コロナウイルス感染拡大による「まん延防止等重点措置」が5月5日まで適用されることに伴い、阪神は甲子園球場の入場者数を大幅に制限して巨人戦を開催し、観衆は8609人と発表した。 オープン戦までは1万人だった。制限は5月2日広島戦までの15試合で、発売済みの年間予約席のみ有効。ファンクラブ会員への先行発売、一般発売(車椅子席含む)の実施は行わない。措置が解除され、入場者数の上限が緩和された場合は入場券の発売再開を予定している。

◆巨人香月一也内野手が昨年9月の移籍後初アーチを放った。0-6の5回無死一塁、西勇から中堅左へ1号2ラン。「とにかくがむしゃらです。何とか早めに点を取り返したい中で2点返せたのは良かった」と話した。 中島、丸、若林の新型コロナ感染により1軍に昇格した4日のヤクルト戦では、移籍後初安打となる左翼フェンス最上段直撃の二塁打を放った。2試合連続で先発したこの日は1発と持ち味の長打力をアピールした。

◆阪神は投打がガッチリかみ合って3連勝を飾り、21年初の甲子園ゲーム、「伝統の一戦」で単独首位をキープした。 打線は2回に7番梅野隆太郎捕手(29)の先制打などで2得点。3回には4番大山悠輔内野手(26)に9試合ぶりの適時打が飛び出すなど4点を追加し、試合を優位に進めた。投げては先発の西勇輝投手(30)が7回4安打2四球2失点で今季初勝利。試合は7回裏終了時点で降雨コールドゲームとなった。

◆阪神西勇輝投手(30)が7回4安打2四球2失点と好投し、今季初勝利をゲットした。 雨でマウンドがぬかるむ中、序盤に大量リードをもらって丁寧にゲームメーク。5回は7番香月に2ランを浴びたが、きっちり試合を作った。 今季初先発で黒星を喫した3月30日の広島戦も7回1失点。相性のいい巨人打線に再び好投した。 試合は7回裏終了後に降雨コールドゲームが決定。西勇は完投勝利となった。

◆阪神は2回に梅野の先制打などで2点を挙げると、3回にも4得点。巨人先発のサンチェスは3回途中6失点で降板した。 巨人は5回に香月の移籍後初本塁打となる1号2ランで2点を返した。阪神西勇は6回を4安打2失点と踏ん張った。 7回終了後に降雨コールドで阪神が勝利した。西勇は2失点完投で今季初白星。巨人は反撃及ばず、サンチェスが初黒星を喫した。

◆阪神は投打がガッチリかみ合って3連勝を飾り、21年初の甲子園ゲーム、「伝統の一戦」で単独首位をキープした。 打線は2回に7番梅野隆太郎捕手(29)の先制打などで2得点。3回には4番大山悠輔内野手(26)に9試合ぶりの適時打が飛び出すなど4点を追加し、試合を優位に進めた。投げては先発の西勇輝投手(30)が7回4安打2四球2失点で今季初勝利。試合は7回裏終了時点で降雨コールドゲームとなった。 矢野燿大監督(52)は試合後、「(相手が)ジャイアンツでしたし、いいスタートを切りたいというところで、切れてうれしいです」と納得。大黒柱の西勇については「点数がちょっと多く入って、この雨で、いろんなことで集中しにくいところでしたけど。勇輝らしく丁寧に丁寧に投げてくれた。最後まで行ってくれたというのは本当に、非常に助かりました」とねぎらった。

◆阪神が今季甲子園初戦、「伝統の一戦」で勝利した。3連勝で単独首位もキープ。試合は7回裏終了時点で降雨コールドゲームとなった。 先発の西勇輝投手(30)が7回4安打2四球2失点で今季初勝利。打線もつながり計6得点。2安打2打点の梅野隆太郎捕手(29)と西勇が、今季初の甲子園のお立ち台に上がった。 2人のお立ち台は以下の通り -今シーズン初勝利を手にした 西勇 そうですね、毎年本当に初勝利が一番大事ですし、勝てるか勝てないかっていうのはすごい自分の中では左右するんですけど、本当に無事1勝出来て良かったです。 -甲子園の初戦、伝統の一戦の初戦、どんな気持ちでマウンドに 西勇 本当に今日、天気がすごく悪かったので、足場というかコンディショニングがすごい難しい中だったんですけど、本当に梅野がいいふうにリードで引き出してくれたので、リズム良く行けましたし、本当に序盤でたくさんの得点を取っていただいたので、少ない球数でなんとか長いイニングを投げることが出来たので、良かったです。 -続いて梅野選手、投球を受けていて そうですね、やっぱり下(マウンド)のことで、西さんも一生懸命踏ん張りながら一生懸命投げてたので、本当に粘り強いピッチングで、ゲームをつくってくれて、本当に頼もしいですし、自分自身もすごくうれしいですね。 -打っては2本のタイムリー 梅野 そうですね、キャッチャーというポジションでやっぱり自分自身、ああいう打席で集中するっていうのは今シーズン目標にしていますし、そういうチームの勝利打点、貢献したいなという気持ちがこういう風につながっているんで、続けてやっていけるように頑張っていきたいなと思います。 -西投手、梅野選手の活躍は心強いか 西勇 本当に勝負強いですしここぞという時に頼りにしていますんで、攻守ともにこれからもねチームを引っ張っていってほしいと思います。 -ファンへ 西勇 今日はたくさんの応援ありがとうございました。雨の中ですけど、自分たちに響いていましたし、今日も無事に勝つことができましたし、明日も試合ありますんで、ぜひ、足を運んでいただいて、これからも応援よろしくお願いします! ありがとうございました! 梅野 入場制限でファンのみなさん少なくなりましたけど、自分たちは1試合1試合勝つこと意識して戦っていますんで、テレビの前のみなさんも一生懸命応援してくれてると思うんで、それに応えられるように頑張ります。(続けて)最後に、ファンのみなさんと心の中で、テレビの前のみなさんと一緒に、あしたも勝つばいで締めたいと思います。あしたも勝つば~い!

◆阪神-巨人1回戦(甲子園)は降雨のため、7回終了でコールドゲーム。 このカードがコールドゲームになったのは、87年7月4日(甲子園)以来34年ぶり。前回は巨人が原(現監督)の先制2ランなどで4-1とリードした8回表2死、激しい雨が降り出し終了。巨人先発の水野は7回まで投げ完投が記録された。

◆阪神4番大山悠輔内野手は3・26開幕戦以来、9試合ぶりのタイムリーを決めた。 2点リードの3回無死一、二塁から右腕サンチェスの145キロを中前にはじき返した。13打席ぶりの安打となり、打点自体も8試合ぶり。「とにかくランナーをかえすことだけを意識して打ちました。西さんを援護することができて良かったです」。7回にも中前に落として今季2度目のマルチ安打。矢野監督からは「悠輔自身が引っ張っていってくれるというのをもっと見たい」と期待された。

◆阪神5番ジェリー・サンズ外野手は2戦連続マルチ安打を記録した。 2回は先頭で左前打を放ち、梅野の適時打で先制のホームイン。3点リードで迎えた3回無死一、二塁からは左翼線に適時二塁打を決めた。「ちょっと何日か(安打が)出ていない時期もあった。ちょっとミスショットというか、とらえられていなかった。それが少し減ったというか、しっかりとらえるべきところはとらえられるようになってきた」と充実感を漂わせた。

◆阪神西勇輝投手(30)が7回4安打2失点完投で、今季初勝利を手にした。「毎年初勝利が一番大事ですし、勝てるか勝てないかはすごく自分の中では左右するんですけど、本当に無事1勝出来て良かったです」。雨が降り続き、7回コールドになる悪条件の中でも、安定感は揺らがなかった。 初回を8球で3者凡退に斬ると3回まで完全投球。4回1死から重信に初安打を許して2死一、二塁とされたが、亀井を外角低めのスライダーで見逃し三振に斬った。「打線も点を取ってくれていたので、なるべく最少失点と思いながら、いい結果で終わったので本当によかった」。5回は香月に2ランを浴びるも、追加点は許さなかった。 6連戦の頭でリリーフ陣を休ませた意義ある完投勝利。矢野監督も「条件的に、点数も多く入って、またこの雨で、いろんなことで集中しにくいところ。最後まで行ってくれたというのは本当に、非常に助かりました」と喜んだ。 昨季最初の「伝統の一戦」は6月19日の開幕戦。6回1失点と好投しながら、チームは逆転負けし、開幕3連敗を喫した。「チーム自体がいい流れで来てますし、負けるという雰囲気もない。とにかくいいチームの状態を保ちながら、自分たちが投げる試合でものにできたら」。今年は宿敵相手に、幸先のいい白星となった。【磯綾乃】 ▼西勇は甲子園での巨人戦で、昨年9月4日、10月2日と3試合連続勝利を挙げた。19年の移籍以来このカードは甲子園で6試合に登板し3勝1敗、防御率2・59の好成績だ。

◆今季初の伝統の一戦で、巨人が雨に泣いた。4点ビハインドで8回の攻撃を迎える直前。試合前から降り続いていた雨の影響により、中断で様子を見ることもなく突然、終了を告げられた。球審に説明を求めた原監督は「グラウンド整備をしてもプレーすることは難しいということだね。審判団がゲームは支配してるわけだから従うしかないなというところです」と話した。 天敵退治へ、「特例2021」に基づき再登録された亀井を先発で起用した。4日に中島、丸、若林、ウィーラーが新型コロナウイルス陽性の判定を受けて離脱。接触頻度が高いと球団独自の判断で亀井は、増田大、北村とともに隔離された。5日に保健所から濃厚接触者に認定されないとの通知を受けチームに再合流したばかりだったが、昨季の対戦成績2割8分6厘の相性の良さを買った。結果は3打数無安打で、チームも4安打2得点。昨季5戦1勝3分けの西勇に、打線も泣かされた。

◆阪神矢野燿大監督(52)は新外国人選手との対面を心待ちにした。 メル・ロハス・ジュニア外野手(30)とラウル・アルカンタラ投手(28)が4日に来日。巨人戦後に「ただ単に来てもらうような選手2人じゃないんでね。大きな力になってくれるというところで来てもらった選手。こっちも期待値大きいし、早く見てみたいというのは正直なところ」と期待した。2人は出国前と入国後に新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査を受け、陰性だった。14日間の隔離期間を経てチームに合流する予定だ。

◆阪神は投打がガッチリかみ合って3連勝を飾り、21年初の甲子園ゲーム、「伝統の一戦」で単独首位をキープした。 以下、矢野燿大監督の一問一答。 -今シーズンの甲子園開幕を勝利で飾った 矢野監督 ジャイアンツでしたし、いいスタートを切りたいというところで、切れてうれしいです。 -足元が悪い中で西勇輝は7回2失点 矢野監督 条件的にはね、点数もちょっと多く入って、またこの雨で、いろんなことで集中しにくいところでしたけど。勇輝らしくね、丁寧に丁寧に投げてくれて。最後まで行ってくれたというのは本当に、非常に助かりました。 -勝ちもついた 矢野監督 前回もいいピッチングで負け投手になったのでね、そういうところでは西自身がつかんでくれたところですけど、また打線もね援護してくれました。 -打線は2回、3回に集中打 矢野監督 やっぱりああいう形で1点じゃなく2点、3点と取っていけると流れがこっちにも来ますし、サンズやきょうはリュウ(梅野)や聖也(木浪)も、つながったいい打線、いい攻撃ができた。あしたにつながると思います。 -大山に久々のタイムリーヒット 矢野監督 そうですね。まあタイムリーと言わず、もちろんホームランや、もっともっと打って欲しいですし。そういうところで回ってくる打順なんでね、悠輔自身が引っ張っていってくれるというのをもっと見たいですね。 -佐藤輝は右飛で観衆も喜んでいた 矢野監督 そうですね、甲子園じゃなければホームランかなというようなところですけど。今度はね、もっと完璧に放り込んでもらいたいです。 -伝統の一戦勝利  矢野監督 過去のことはね。今までより大事なのは、これからなんで。これからを大事にしていきます。 -10試合で7勝3敗  矢野監督 これも終わったことなんで。いいことは、どんどんプラスにしてやっていきますし、反省して、前に進んでいきます。

◆阪神木浪聖也内野手は2打席連続犠飛で序盤の大量得点に導いた。 7番梅野の先制打が飛び出した直後の2回無死一、三塁は中犠飛。 「梅野さんが前でタイムリーを打ってくれたので、その勢いで打つことができました。最低限の仕事ができて良かったです」。5点リードの3回1死一、三塁からも左犠飛。渋く勝利に貢献した。

◆阪神梅野隆太郎捕手(29)が2打席連続タイムリーで勝利に貢献した。2回はサンズ、佐藤輝の連打に暴投で無死二、三塁で第1打席を迎えた。 右腕サンチェスの外角球に食らいつき、右前打。先制点を呼んだ。続く3回は2点を加え、なお1死二、三塁で左腕大江の内角121キロスライダーをうまく右前に運んだ。 「チームとしてできることをしていきたい。自分はいやらしいバッティングをするのが役割。打席の中で集中して結果が出ればいいと思っている」 佐藤輝の後を任され、7番打者として、その立ち位置を理解して戦っている。打率は2割2分2厘ながら、得点圏打率はリーグトップの6割6分7厘と大きく跳ね上がる。投手陣にとって脅威の存在として君臨。この日は7番梅野と8番木浪で計4打点と相手の嫌がる攻撃につなげている。 下位打線の重要さを矢野監督も現役時代から感じている。03年には7番矢野、8番藤本から上位へ回して得点につなげたこともリーグ優勝の要因だった。当時を思い起こしながら「03年とか、あそこらへんで活気が出て、上位に回ったり活発になったのでね。そういう打順を自分も打ってたし、そこでチャンスでかえせるっていうのは大きなことやし」と自らにも言い聞かせるように説いた。 梅野はマスクをかぶっても巨人打線を2ランによる失点のみに抑えた。西勇がぬかるんだマウンドに苦戦する中、女房役として「バッティングカウントでいつもと違う攻めをしたり、下の状況も考えながらゴロを打たせたり」と工夫を凝らした。バッテリーで上がったお立ち台では決めぜりふの「明日も勝つバイ」が出た。チーム3連勝の中心に梅野がいた。【林亮佑】

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が甲子園公式戦デビューの第1打席で安打を刻んだ。 巨人との「伝統の一戦」に6番右翼で先発し、2回にサンチェスから中前打を放ち、2点先制に貢献。7回は右翼フェンス際へ本塁打を思わせる大飛球でどよめかせた。チームは7回裏終了降雨コールドゲームで今季2度目の3連勝。首位を守った。さあ次は大型ルーキーの聖地初アーチを待とう。降り注ぐ雨とともに、虎党の拍手を全身で浴びた。佐藤輝が初の巨人戦、それも甲子園デビュー戦で打った。2回の第1打席。無死一塁で打席に入ると、ボルテージが一気に上がった。先発サンチェスが投じた3球目、145キロの内角直球を中前へ運んだ。「内をずっと攻められて、これまで捉えることができていなかったですが、今日は内をしっかり捉えてセンター前に打つことができたので良かった」。一塁ベース上で客席から拍手喝采を聞いても、ルーキーは表情を変えずその瞬間をかみしめた。 「雨の中でしたけど、打席のネクスト(バッタースサークル)や外野を守っていてもファンの方々の熱をすごく感じた。その期待に応えることができるように、これからここ(甲子園)でしっかり頑張っていきたいと思いました」 試合前まで打率1割2分9厘。4日中日戦では9試合目で初めてスタメン落ち。結果が出ず、苦しんでいたが「自分の打ち方をすることができれば、インコースも捉えることができる」と信じた。仁川学院では甲子園に縁のなかった男が、応援を力に10打席ぶりの安打を放った。 聖地で思う存分「佐藤輝明」を表現した。7回の第4打席、2死一塁で5番手ビエイラと対戦。初球156キロ直球を豪快に空振りすると、くぎ付けのファンはさらにのめり込んだ。2球目159キロで内角をえぐられても表情は変わらない。3球目140キロスライダーを振り抜くと、打球は右翼へ上がった。球場に一番のどよめきが起き、矢野監督も「甲子園じゃなければホームラン」という大きな当たりは右飛に終わった。それでも指揮官に「もっといい場面で打って、アイツらしくベースを1周してくれたらいい」と言わしめるのが、佐藤輝が大物たるゆえんだ。7回コールドゲームとなり、佐藤輝がこの試合最後の打者。力と力の勝負で見せ場は作った。 チームは3連勝で貯金4。宿敵をたたき首位固めだ。矢野監督は「今の野球でいくぞとか、チームとして、自分らを押してくれる1勝になると思う。そういう意味では勝ちで、ジャイアンツで、甲子園で、開幕スタートできたというのはいいこと」と手応えを得た。昨季は8勝16敗。9年連続負け越し中のライバルをいきなり打ち砕いた。【中野椋】 ▼阪神がシーズン10試合消化時点で首位は、18年4月11日広島戦に勝って以来、3年ぶり。なおセ・リーグ優勝した5シーズンのうち、10試合時点で首位は64、85、05年と3度ある。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が公式戦で聖地デビューした。12年間過ごした甲東小、甲陵中、仁川学院は甲子園球場から直線距離でいずれも約5キロ圏。そんな地元の幼なじみで小、中学時のチームメート、長尾亮さん(22)が秘話を明かした。【取材・構成=中野椋】甲子園と同じ兵庫・西宮市の甲東園で2人は出会った。長尾さんは甲東小に2年時に転入し、甲東ブルーサンダースで佐藤輝とともに同チーム初の県大会出場。甲陵中軟式野球部で長尾さんは主将を務めた。計8年間の中で忘れられないのが、中学2年秋の新人戦だという。 初戦の先発オーダーに衝撃を受けた。「8番右翼 佐藤輝明」。小学6年でタイガースジュニアに選出され、地元では「甲東の佐藤」として知られた。右肘のけがで1年時は休部扱いだったが、まさかの下位打線。「けがもありましたけど、テルが"ライパチ"(ライトで8番打者)なんて考えたことなかったので。帰り道にみんなで、なんでやねんと(笑い)」。監督からは「1~4番までを2つ作りたい」と説明され、佐藤輝はもう1人の4番扱い。周囲はざわついたが「テルは文句とかは何も言わなかった」。いつも通り黙々と練習していたという。2回戦で佐藤直樹(19年ソフトバンク・ドラフト1位)を擁する報徳学園中に敗れたが、佐藤輝は右越えに特大二塁打を放った。3年最後の大会では周囲も納得の「4番捕手」。報徳学園中に勝利し、市内で準優勝した。 中学では最初からバリバリのレギュラーだったわけではなく、進学した仁川学院でも甲子園出場なし。近くて遠かった甲子園で、佐藤輝はプロ生活を歩む。当時を懐かしみ、長尾さんは「あの時からテルはテルのまんま。ちょっとしゃべるのがうまくなったな、くらいです。裏表なくテレビでも飾ったりしていない」と変わらない人柄を語った。「いい結果を残してくれたらみんなうれしいけど、とにかくけがなく頑張れ!」。"ライパチ"だった少年は、地元の仲間たちの思いも背負って戦っている。

◆ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が、試合前練習に参加した。今季の本拠地開幕戦。今年から「DAZN バックスクリーンホームラン賞」として阪神主催の甲子園で行われるセ・リーグ公式戦で、バックスクリーンへ本塁打を放った阪神の選手にはDAZNから賞金100万円が贈られる。  フリー打撃を行った佐藤輝は7スイング目。バックスクリーンに運び、さっそく100万円弾のデモンストレーション。56スイングで6本の柵越えを放った。4日の中日戦(京セラ)は今季初のスタメン落ちしたドライチ。「(巨人は)一番の敵だと思いますし、上に行くためには勝たなければいけない相手だと思う」と意気込んでいた今季初の伝統の一戦で、特大アーチを描く。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が今季の甲子園開幕ゲームに「6番・右翼」で出場。甲子園初打席となる二回の第1打席で安打を放った。  無死1塁の場面で大歓声に包まれて左打席へ。相手先発の右腕・サンチェスとの対戦は1-1から内寄り高めの145キロ直球をとらえ、中前に運んだ。4月1日の広島戦(マツダ)の第3打席で右翼席への第2号を放って以来、10打席ぶりの安打となった。  サンチェスの暴投で二、三塁となり、続く梅野の右前適時打で先制。佐藤輝は三塁へ進むと、木浪の中犠飛で2点目の生還を果たした。

◆阪神の本拠地開幕カードが、今年始動した女子公式野球クラブチーム「タイガースWomen」のデビューシリーズとして幕を開けた。初戦では植村美奈子投手(28)が始球式に登板し、左腕からの鋭いストライク投球を見せた。  あこがれのマウンドでの投球を終えると、直後の取材対応で「そうですね、本当に...」と言葉を詰まらせ涙をこぼす場面も。「小さいときから大好きだったので、タイガースが。野球を始めたときから阪神タイガースに入りたいと言っていたので、本当にまだ夢を見ているみたいですけど」と感極まった。  投球はさすがのひと言で、巨人の1番打者・梶谷の内角へ向け、切れのある真っすぐを投げ込んだ。一塁側ベンチの矢野監督も思わず身を乗り出すほどだった。  タイガースWomenは、阪神が女子野球の裾野拡大のため2021年に設立した女子硬式野球クラブチームで、5月のラッキートーナメント、6月の全日本女子硬式野球選手権大会関西予選などに出場する予定。監督は元阪神、野原祐也氏が務めている。

◆阪神は今季の甲子園初戦で巨人に6-4で勝利。「6番・右翼」で2試合ぶりにスタメン出場したドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)=近大=は二回の甲子園初打席で中前打を放った。  二回にサンズ、佐藤輝の連打、巨人の先発右腕・サンチェスの暴投で無死二、三塁とし、梅野が右前適時打で先制。木浪も中犠飛で続いた。  三回は糸原の開幕10試合連続安打となる左前打とマルテの死球でチャンスを作り、大山が中前適時打。その後はサンズ、梅野も適時打を放つと、木浪も左犠飛を決め、この回一挙4得点で引き離した。  試合はグラウンドコンディション不良のため、試合続行不可能となり七回コールド。先発した西勇は7回4安打2失点完投で今季初勝利をつかんだ。

◆巨人の香月が、ロッテから昨季途中に移籍後初の本塁打をマークした。0-6の五回無死一塁で、西勇が外角に投じた変化球を中堅左に運んだ。ロッテ時代の2019年7月3日以来、プロ2本目となるアーチに「とにかく、がむしゃら。まだまだ頑張る」と必死さを強調した。  丸や中島ら主力野手が新型コロナウイルスに感染した影響で、4日に昇格した。甲子園球場は大阪桐蔭高時代の14年夏に全国制覇を果たした思い出の地。先発起用に応え、持ち前の豪快な打撃を印象づけた。

◆阪神は巨人との甲子園開幕で快勝。先発・西勇の好投に梅野の2本の適時打などで終始、試合のペースを握った。矢野耀大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。  ■非常に助かった  --甲子園開幕で勝利  「ジャイアンツでしたし、いいスタートを切りたいというところで、切れてうれしいです」  --雨中で西勇は7回2失点  「点数も多く入って、またこの雨で、いろんなことで集中しにくいところでしたけど。最後まで行ってくれたというのは非常に助かりました」  --勝ちもついた  「前回もいいピッチングで負け投手(3月30日、マツダでの広島戦で7回1失点)になったのでね、そういうところでは西自身がつかんでくれたところですけど、また打線もね、援護してくれました」  --打線は二、三回に集中打  「1点じゃなく2点、3点と取っていけると流れがこっちにも来ますし。サンズやリュウ(梅野)や聖也(木浪)もね、つながったいい打線、いい攻撃ができたので。あしたにつながると思います」  ■大山にもっと打って--大山に久々のタイムリーヒット  「タイムリーといわずね、ホームランや、もっともっと打って欲しいですし。悠輔自身が引っ張っていってくれるというのをもっと見たいです」  --佐藤輝は右飛で観衆も喜んでいた(七回)  「そうですね、甲子園じゃなければホームランかなというようなところですけど。今度はね、もっと完璧に放り込んでもらいたいです」  --伝統の一戦で勝利 「過去のことはね。今までより大事なのは、これからなんで。これからを大事にしていきます」  --10試合で7勝3敗 「終わったことなんで。いいことは、どんどんプラスにしてやっていきますし、反省して、前に進んでいきます」  --明日も勝つ   「精いっぱい戦います」   (囲み取材)  --西勇はさすが  「引き出しがあるからこそ投げられる。こういう条件でね。見せてもらえたかなと思います」  --梅野もいいつなぎ(三回の適時打)  「あそこで点入らんとか、ランナー止まってしまうと、勇輝もバッティングはいいけどね、流れ的に点が入りにくい打順になっていくんで。7番、8番で何とか1点でも多く追加点を取っていくというところは、ビッグイニングにもなりやすいし」  ■リーグVの2003年の再来  (続けて)  「自分らのこと言うのなんだけど、俺らも7番、8番で藤本とね、2003年とかあそこらへんで活気が出て、上位に回ったり、活発になったのでね。自分も打ってたし、チャンスで返せるっていうのは大きなことやし。リードももちろん乗っていけるし。聖也もね、犠牲フライになっちゃったけど、行ったかなと思ったけど」  --七回の続投は迷いなく  「もちろん。全然」  ■試合を消化しながら成長  --佐藤輝がスタメン復帰で1本  「これからの選手なんで。また成長していってほしいところが出てくるし。我慢っていうことはないんだけど、使っていく中で色んなこと出てくると思うので。満塁の、満塁じゃないや、左ピッチャーの。(三回無死)二、三塁のところはね、なんとかして欲しかった(三振)。また課題にしてやっていってくれればいいし。あそこで1点入って、なおもっていうところがチームとしては理想だから」  (さらに続けて)  「あの後、リュウがかえしてくれたから、あれだけど。そういうのもあるし。試合をやりながら成長していく選手だと思うので」  ■佐藤輝には夢がある  --最後の歓声を聞くとファンの方も楽しみにしている  「甲子園開幕で1本出れば、すごいニュースになったとは思うけど、もっといい場面で打って、アイツらしくベースを1周してくれたらいいなと思うし。期待を持てる選手っていうのは魅力のある選手。夢があるっていうか、持って生まれた選手だと思うので」  --甲子園初戦をしっかり取った  「自分自身を押してくれる1勝になると思うんで。勝ちでジャイアンツで甲子園で開幕スタートできたというのはいいことやと思うし、今日取れたんで、明日も取りにいきます」  ■俺にとっていい悩み--ロハス&アルカンタラが来日した  「まだ、もうちょっと先なんで。俺もいい悩みになるような状況になってくれたらうれしいし、現状、そんなような働き方をしてくれているんでね。ただ単に来てもらうような選手2人じゃないんでね。大きな力になってくれるというところで来てもらった選手なんで」

◆大山が復調をきっかけをつかんだのではないか。開幕以来、4番としての期待を意識してか、体が早く開いて、オーバースイングになっていた。レフト方向に動いてしまうから、ミスショットが増え、打席で「ボールが消える」ような状態になっていたのでは。  それが三回の中前適時打では、しっかり体はセンター方向に向かっていた。打球がセンター方向へ飛ぶということは、無理に振っていない証拠で、この形で打っていれば、自然とタイミングも取れる。その後の打席も、センター返しが伝わってきた。  悪い時が「1、2、3」のタイミングなら、いい時は「1、2の3」。この「の」があるか、ないかが大きな差になる。開幕以降、「の」がなかった大山の打撃に、ようやく、「の」が入りだしている。  センター返しを意識すると詰まってしまうことがあり、打者が嫌がったりする。でも、詰まることを嫌がらず、「詰まる勇気」を持つこと。「詰まる勇気」を忘れなければ、本塁打が出るのも時間の問題だろう。(本紙専属評論家)

◆巨人・香月一也内野手(24)が移籍後1号を放った。  6点を追う五回無死一塁。阪神先発・西勇の甘く入った変化球を捉え、バックスクリーン左に1号2ランをたたき込んだ。昨年9月に沢村拓一(現レッドソックス)との交換トレードで巨人に移籍。今季1号が移籍後初アーチとなり「打った瞬間、入ると思わなかったですけど、振り切っていい結果になったのでよかった」と笑顔を見せた。  丸、中島、若林、ウィーラーらが新型コロナウイルスに感染。チームの主力が出場選手登録を抹消される緊急事態でめぐってきた1軍の舞台。「このチャンスをしっかりものにして、コロナでチームが厳しい状況ですけど、なんとかチームに貢献できたら」と力を込めた。

◆雨脚は弱まっていたが、阪神-巨人は七回裏終了でコールドゲームとなった。責任審判の真鍋三塁塁審は、試合前から降り続いた雨の影響でグラウンド状態が悪化した点を挙げ「プレーできる状況ではない。七回を終えたところで限界を超えていた」と説明した。  終了が告げられた際、グラウンドに出て、審判員に説明を求めていた巨人の原監督は「審判団がゲームをコントロールしているわけだから」と納得していた。

◆七回裏終了降雨コールドゲーム。阪神が今季2度目の3連勝とした。二回に梅野の適時打と木浪の犠飛で2点を先制。三回は大山の適時打などで4点加えた。西勇が7回2失点で今季初白星。巨人はサンチェスが三回途中6失点と崩れた。  元巨人監督の堀内恒夫氏(73)はこの日、自身のブログで試合終了が告げられた際、巨人の原監督がグラウンドに出て、審判員に説明を求めたことについて、「原監督が審判団に説明を求めに行ったのは当然のことですよ」と理解を示していた。

◆雨でけむる甲子園を、真っすぐに切り裂いた。キャプテンが、4番が、本拠地へ戻っても沈黙し続けるワケにはいかない。大山の4試合&13打席ぶりの安打が、貴重な追加点をもたらした。  「とにかくランナーをかえすことだけを意識して打ちました。西さんを援護することができてよかったです」  2-0の三回無死一、二塁だった。悪天候の中もがくマウンド上のサンチェスを、大山がひと振りで完全に打ち砕いた。カウント1-1から真ん中へ入った145キロを、痛烈なライナーで中堅右へはじき返す。二走の糸原が黒土まみれになって本塁へ転がり込み、大きな3点目が入った。  大山にとっては、開幕戦だった3月26日のヤクルト戦(神宮)での左翼線二塁打以来、9試合ぶりのタイムリーだった。安打も1日の広島戦(マツダ)での左翼への二塁打以来。しかも、その一本は内外野の間へのポテンヒットで、正真正銘の快音は"4月初"といってもいいほどだった。  七回にも中前打が出て開幕戦以来2度目のマルチ安打としたが、昨季28本も架けたアーチはまだゼロ。矢野監督も「もちろんホームランももっと打って欲しい。悠輔自身が引っ張って行ってくれるというのをもっと見たい」と、ここからの爆発を心待ちにする。4、5番さえ打てば、この勢いをさらに加速させられると確信するからだ。  大山の適時打の直後、三回無死一、二塁では、サンズにも左翼線への適時二塁打が出た。S砲にとってもこれが4試合ぶりの打点で、3月28日のヤクルト戦(神宮)での3号3ラン以来、25打席ぶりの長打だった。  「捉えられていなかったのが少し減ったというか、しっかり自分の捉えるべきところは捉えられるようになってきた」  大山&サンズのアベック打点も、開幕2戦目以来だった。宿敵Gを前にして、打つべき男たちが目覚め、虎打線は力強く機能し始めた。(長友孝輔)

◆季節外れの冷たい雨を忘れさせる炎のタイムリーを梅野が2つ並べ、得点圏打率も脅威の6割超え! 伝説の猛虎打線を彷彿とさせる働きで宿敵を粉砕し、今季の甲子園初戦をものにした。  「もちろんテル(佐藤輝)もね。あいつのスタイルで、思い切って振っているし、助けてあげるバッティングができれば。自分はそこで嫌らしいバッティングをするのが役割。打席の中で集中して結果が出ればいい」  1つ前の打順に座る後輩を思いやりつつ、自らの仕事を果たした。まずは二回。サンズ、佐藤輝の連打に暴投も絡んで無死二、三塁から、サンチェスのカットボールを捉え、右前に先制打。そして真骨頂は三回だ。  大山、サンズが連続適時打を放ち、なおも無死二、三塁から佐藤輝が見逃し三振。1死となってから、ルーキーを助ける貴重な追加点を叩き出した。左腕・大江のスライダーをとらえ、再び右前適時打。これで得点圏打率は、リーグトップの・667(9打数6安打)まで上がった。  守っても悪天候のなかで奮闘するエースを懸命にリード。「西(勇)さんも下を気にして、逆球もあったけど、その逆球をどう生かすかも意識した」。攻守で、虎を引っ張る責任感を示した。  矢野監督は「7番、8番で何とか1点でも多く追加点を取っていくというところは、ビッグイニングにもなりやすいし、そこがつながれば上位にもいく」と、8番の木浪も合わせて評価した。  「俺らも7番、8番で藤本とね、2003年とかあそこらへんで活気が出て、上位に回ったり、活発になったのでね。そういう打順を自分も打っていたし、そこでチャンスでかえせるっていうのは大きなこと。リードももちろん乗っていける」  星野仙一監督の下、18年ぶりに優勝した2003年は主に7番・矢野、8番・藤本(現内野守備走塁コーチ)。ともに打率3割超えで打線をつなげ、チーム打率・287を叩き出した。指揮官と同じく7番に座る梅野は「(7番は)大事なところだと自分でも思っている。続けていけるように、落ちないように頑張りたい」と力を込め、さらなるG倒を見据えた。  「積み重ねることが勝ち越しにつながる。相手はまた違う気持ちで来ると思うし、それを超えていけるようにしたい」  星野阪神が生み出した歓喜の瞬間を、チャンスの鬼となった梅野が再現する。(新里公章)

◆球場に響く雨音を「よっしゃー!」という雄たけびがかき消した。先発の西勇が降雨コールドにより、7回4安打2失点で完投。甲子園初戦となった伝統の一戦で今季初白星を手にし、お立ち台で笑顔がはじけた。  「週の頭で相手もすごくいい投手ばかりがくる。雨のゲームをものにできて、ゲームを作ることできてよかった」  降りしきる雨でマウンドがぬかるみ、足元が不安定な状態。投球の合間に何度も乾いた土がまかれ、整備が入るほどの悪条件だったが、打者との勝負に集中した。  三回までは完全投球。最初のピンチは四回だ。1死から重信に右前打。続く坂本に四球を与えて一、二塁とされたが、4番・岡本和を遊飛、亀井には外角低めのスライダーで見逃し三振! 危機を脱するとグラウンドで感情をむき出しにした。  6-0の五回に香月に2ランを浴びたが、その後は踏ん張った。「(投手)1人で(試合が)終わったのは相当でかいと思う」と振り返れば、矢野監督も「雨で集中しにくいところだったけど、(西)勇輝らしく丁寧に丁寧に投げてくれた。いろいろ引き出しがあるからこそ」と称賛した。  昨季8勝16敗など、チームが13年連続で勝ち越せていない巨人戦だが、西勇は違う。昨季は5試合に登板し、3勝1敗、防御率1・77。3年ぶりに巨人とのシーズン初戦を制し、エースは「負ける雰囲気もない。いい流れ」と、好調なチーム状態に声を弾ませた。  「丁寧に丁寧に1試合1試合を投げるだけ。とにかくチームのいい状態を保ちながら、自分たちが投げる試合で、ものにできたら」  頼もしすぎるGキラーが、首位の虎をさらに上昇気流に乗せていく。(織原祥平)

◆突然の幕切れだった。七回終了後、降雨コールドがアナウンスされると、巨人・原辰徳監督(62)は驚いたような表情で三塁ベンチから両手を挙げて飛び出し、雨にぬれるのもいとわず審判に詰め寄った。  「審判の最良の判断なんでしょうね。普通はグラウンド整備をして、中止なら中止。整備をしない状態で中止ということはなかなかないことだったから。やっぱり説明は聞かなきゃなと思って」  甲子園球場には、試合前から雨が降り続けた。マウンドなど部分的に数度にわたって砂がまかれ、4点を追う八回の攻撃を前に無念の"コールド宣告"となった。  事前に中断することなく、いきなり中止が決まるのは極めて珍しい。審判団の説明を受けた指揮官は「要するにグラウンド整備できる状況ではない。整備してもプレーすることは難しいと。審判団がゲームを支配しているわけだから、従うしかない」と努めて冷静に悔しさを押し殺した。  冷たい雨に先発のサンチェスも泣いた。変化球がすっぽ抜けて暴投となり、ぬかるむマウンドに踏み出す左足も終始不安定だった。三回は死球を挟んで3連打され、1死も取れず交代。来日2年目でワーストの6失点KOとなった。カード初戦を託す右腕に原監督は「雨という敵がいたのかな。次は雨が降ろうが、やりが降ろうが味方に変えるでしょう」と巻き返しを求めた。  8試合連続で3得点以下。新型コロナウイルスの陽性判定を受けた丸、ウィーラー、中島、若林が不在の打線にも奮起が求められる。(谷川直之)

◆痛快G倒で"快幕"! 阪神は今季初の甲子園で、巨人に6-2(七回裏終了降雨コールドゲーム)で快勝した。2試合ぶりにスタメンに戻ったドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は二回、甲子園初打席で中前打を放ち、先制点をお膳立て。新たな伝説の幕開けとともに、13年連続で勝ち越せていない宿敵を、最初の対決で叩いた。  雨音を消し去る歓声と拍手が聖地を包む。伝統の一戦となった今季の甲子園開幕戦。佐藤輝のバットから放たれた白球が黒土に弾み、二遊間を抜ける。雨に打たれながら見つめた8609人の表情が晴れ渡り、痛快なG倒劇が幕を開けた。  「内(角)をずっと攻められていて、これまでそこを捉えることができていなかったですが、きょうは内をしっかり捉えて、センター前に打つことができたのでよかったです」  2試合ぶりにスタメン復帰し、0-0の二回無死一塁。甲子園でのプロ初打席へ向かった。カウント1-1から3球目。サンチェスの内角高め145キロ直球を鋭く中前へ。本拠地初打席で4月1日の広島戦(マツダ)の第3打席で2号ソロを放って以来、10打席ぶりの「H」ランプをともし、先制点につなげた。  球団新人が甲子園のシーズン初戦で初打席安打を放つのは、2019年の近本以来。巨人との初対戦で1打席目にヒットを打つのは16年4月5日(東京ドーム)の高山俊以来だ。春季キャンプから"初"に強い男は、今季初の甲子園、そして今季初の伝統の一戦とまたも節目に虎党が願ってやまない快音を響かせた。 その他の写真(2/2枚)  球場全体がいつもとは違う緊張感に包まれるのが伝統の一戦。西宮で生まれ育った男として、タテジマのユニホームに袖を通した瞬間から猛虎の宿命を背負った。これまで何度も口にしてきた打倒・巨人への思い。戦いがついに始まった。そして、大きな力をくれる存在を再認識した。  「雨のなかでしたけど、ネクストや外野を守っていても、ファンの方々の熱をすごく感じました」  七回の第4打席、高々と舞い上がった白球は右翼フェンス手前で失速。悔しそうにベンチへ引き揚げた。球団新人初の甲子園開幕でのアーチはならなかったが、大きな拍手が送られた。虎党の熱い応援が、佐藤輝の猛虎魂をさらに震わせる。矢野監督は「今度は、もっと完璧にほうり込んでもらいたい。もっといい場面で打って、アイツらしくベースを一周してくれたら。そういう夢がある」と目を細めた。  リーグ2連覇中の巨人には昨季、開幕3連敗など8勝16敗。9年連続負け越し中で、13年連続勝ち越せていない。しかし今年は黄金ルーキーが打線を点火。今季最多の貯金4で首位をがっちりキープだ。これから背番号「8」が5年、10年と虎を背負っていく。G倒の中心に立つ-。この日、勝利とともに、新たな伝説がスタートした。  「期待に応えることができるように、これからここ(甲子園)でしっかり頑張っていきたい」と佐藤輝。ファンとともに宿敵を撃つ。甲子園に"快晴"をもたらすドラ1のバットが、これから何度も虎党を笑顔にする。(原田遼太郎)

◆今季はコロナ禍により、試合が九回で打ち切られる。巨人はその条件下にあることを、よく考え直した方がいい。  先発のサンチェスが三回途中6失点で降板。ボールが走っていたからといって、えいや、えいや、と投げ込むばかりでは連打、連打でKOされたのも致し方ないね。  雨が降り続いたため、早めに抑えていきたいという心理も働いたのかもしれないけど、そういうときこそ投手コーチが「1人ずつ、打ち取って」「1球1球、ていねいに」「投げ急ぐな」などと、心構えをアドバイスしないといけない。  打線も頼みの3、4番、坂本と岡本が同じような形で不調が続いている。打撃フォームの軸が定まっていない。エモトの見立てでは、右肩が微妙に早く出てしまうため、内角低めが打てなくなっている。バランスを右側に残して、左腕で振り払うような感覚を取り戻さないと、厳しいよ。実際、西勇のシュートとチェンジアップで、ことごとく打ち取られたわけだから。  重ねて強調すると、試合は九回までしかない。投手が先に失点すると、これまで以上に不利になる。打者はそのうち打てるさ、と悠長に構えていると手遅れになる。この2つを肝に銘じるべきだね。(本紙専属評論家)

◆「ゲーム!」。その瞬間、巨人・原監督が両手をVの字に上げる大阪名物(?)道頓堀のグリコの看板ポーズになったのだ、ウヒヒヒヒヒ...。  その瞬間とは...。もちろん、審判が七回降雨コールドを告げるアクションをしたときだったのだ!!  今シーズン、わが阪神、甲子園初見参でライバル・巨人に6-2のコールド勝ち。「春雨じゃぬれていこう」もまた乙なもんやないの~!!  てかね...。そりゃ虎の先発・西勇が勝ちますわー!! ノムさん(野村克也さん)の言葉に「予感」「予想」「予測」「予防」の『予』が野球は大切や、野球で大事なのは『準備』があるでしょう!! 西勇はそれをキチンと心得ていたのだ!!  その証拠に巨人先発のサンチェスは、阪神打線以前に雨でグジョグジョのマウンドとの戦いに敗れて三回途中でKOを食らったのに対し、西勇は雪国の車がスタッドレスタイヤをはいているように、普段とちょっと違うゴロアウトにこだわらない、7回94球で2失点の雨用投球で勝利したのだ!!  9年連続で負け越している巨人にまず1勝!! 『雨降ってG固まる!!』。こいつは春から縁起いいねー!!

◆6-2。今季の伝統の一戦、初戦は阪神が快勝しました。巨人が飛車角落ちだからとは言わないでください。実は「虎ソナ班」も試合前にそうつぶやいて、トラ番たちから猛反発を食らいました。  「出番を求めてガツガツしている若手は不気味ですよ」  キャップ長友孝輔はそう言って、丸、中島、ウィーラー、若林が新型コロナの陽性判定を受けて戦列を離脱した巨人打線を、だからこそ逆に怖いと警戒していました。  「丸選手は打率が0割台(出場8試合で23打数2安打、0打点。打率・087)じゃないですか。いてくれた方が良かったかもしれないです」  サブキャップ新里公章も同じ意見です。  「3軍まであるチームです。選手層は厚い。阿部2軍監督が鍛えた若手がチャンスだと思って頑張る気がします」  若手の原田遼太郎も「2番にウィーラーが入る打線て何だよ、すごいなと思っていました。でも、巨人ですからね」。  巨人には岡田監督時代の2007年を最後に勝ち越せていないだけに、みんな巨人の強さが染みついています。そうです。何人か抜けても巨人は弱くない。五回に西勇から2ランを放った香月のような選手もいます。丸ら4選手も陰性判定が2度出れば戻ってきます。そして、その強い巨人に阪神が真っ向から挑むからこそ、ファンも盛り上がるのです。  「菅野投手のメジャー移籍交渉がまとまらずに残留が決まったとき、矢野監督も同じように話していました。『面白くなったんちゃう?』と」  長友が今年1月に矢野監督を取材したときの様子をそう報告してきました。今季は現在首位。読者の方々の反応にも熱いものがあります。  「もう完売しました。早かったです」  運動部長大澤謙一郎です。今月25日、サンケイスポーツと甲子園歴史館が、甲子園球場の2F多目的ホールで本紙専属評論家で阪神OBの八木裕、星野伸之両氏によるトークショーを開催します。観覧募集のお知らせを掲載したところ、定員(先着32人)がすぐに完売したのです。  「こういうご時勢ですから、どうかなと思っていたんですが、今年の阪神への期待がみなさん大きいんだと思います」  現地観覧は定員に達しましたが、オンライン配信の方はまだ受付中です。強い阪神を語り合ってみんなで一緒に盛り上がりましょう。  サンスポのお楽しみ企画はまだあります。6日付け紙面で紹介し、この巨人3連戦が第1弾だった「キット勝つねんタイガース」。勝利翌日のサンスポ1面(関西版)をパッケージにデザインした世界にひとつだけの「キットカット」のプレゼント。負けていたら7日以降に持ち越しでしたが、さっそく実現いたしました。この応募要項も2面に載っています。  そんなに浮かれていたら、やり返されるぞ。巨人も選手が戻ってくるぞと言われそうですが、ご安心を。この日、鳴尾浜で中日との2軍戦を取材した織原祥平からの報告です。  「チェン投手が6回無失点です。被安打2です。コントロールも良かったです。危なげない投球でした。いまの先発陣で、誰かが不調になっても大丈夫です」  そう、今年は阪神の戦力も厚い。佐藤輝も打球があがってきた。阪神もまだまだ強くなります。

◆雨脚は弱まっていたが、七回裏終了でコールドゲームとなった。責任審判の真鍋三塁塁審は、試合前から降り続いた雨の影響でグラウンド状態が悪化した点を挙げ「プレーできる状況ではない。七回を終えたところで限界を超えていた」と説明した。  元巨人監督の堀内恒夫氏(73)は同日、自身のブログで「7回終わって目を疑うような光景を見た。審判団が突然のコールドゲームを宣告し試合終了が確定したのだ。一言で言ってしまえばこの終わり方はダメだろう」と私見を述べた。  その理由について「何がダメのか。最初から雨は降っていてこうなることは予想できたはずだ。それでも何度も土を入れてもっと強い雨の中をもやり続けてきたわけだ」と指摘。「通常なら、最後までやる流れ。お客さまも雨の中たくさんいてくだった。それを、7回まできて止めるとするならば まずは、きちんと両軍のベンチに審判団が行ってこれ以上は無理だからと説明しなきゃいかんだろうに。それをせずにいきなり試合を終わらせるこれはおかしいと思うよ」と疑問を呈した。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
730 0.700
(↑0.033)
-
(-)
13342
(+6)
27
(+2)
9
(-)
5
(-)
0.238
(↑0.006
2.830
(↑0.02)
2
(1↑)
広島
631 0.667
(↑0.042)
0.5
(-)
13332
(+2)
22
(-)
9
(+1)
1
(+1)
0.258
(↓0.008)
1.920
(↑0.22)
3
(1↓)
巨人
433 0.571
(↓0.096)
1.5
(↓1)
13334
(+2)
33
(+6)
6
(+1)
8
(-)
0.217
(↓0.005)
3.000
(↓0.41)
4
(-)
中日
352 0.375
(↓0.054)
3
(↓1)
13327
(+3)
33
(+7)
1
(-)
7
(-)
0.218
(↑0.003)
2.770
(↓0.48)
4
(-)
ヤクルト
352 0.375
(↓0.054)
3
(↓1)
13336
(-)
45
(+2)
8
(-)
8
(-)
0.231
(↓0.004)
4.250
(↑0.25)
6
(-)
DeNA
262 0.250
(↑0.107)
4
(-)
13344
(+7)
55
(+3)
6
(+2)
2
(+1)
0.278
(↑0.012)
5.320
(↑0.26)