阪神(☆3対1★)中日 =リーグ戦3回戦(2021.04.04)・京セラドーム大阪=
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中日
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阪神
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勝利投手:ガンケル(2勝0敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝0敗2S))
敗戦投手:小笠原 慎之介(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(1号・1回裏ソロ)

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◆阪神が接戦を制した。阪神は初回、近本の先頭打者本塁打で先制する。その後同点とされるも、6回裏に陽川の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・ガンケルが7回途中1失点の好投で今季2勝目。敗れた中日は、打線が3安打1得点と振るわなかった。

◆中日はここまで先発投手の白星がない。 先発陣は防御率2・91を残すが、先発投手への援護点が少なく、8試合で10点だけ。直近3試合は1→1→0点だが、今日は先発の小笠原慎之介投手(23)を援護できるか。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、偉業へのラストチャンスに挑む。 3月27日ヤクルト戦で1号ソロ、1日広島戦では2号ソロを放っており、現在開幕から2カード連続本塁打中。開幕3カード連続本塁打となれば、2リーグ制以降の新人では史上初で、この日がラストチャンスとなる。 試合前フリー打撃では46スイングで6本の柵越えを放った。6本中5本がセンターから左方向。バックスクリーンをはるかに越え、スコアボード下の2階席に届く超特大弾も放ってみせた。京セラドーム大阪の地元ファンに、ホームゲーム1号を届けられるか。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神がジョー・ガンケル投手(29)、中日が小笠原慎之介投手(23)。 阪神の打線では3日にサヨナラ打を放った山本泰寛内野手(27)が「8番遊撃」でスタメン出場。また、ドラフト制後、新人では初となる開幕から3カード連続本塁打を狙う、ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)は今季初めてスタメンを外れ、陽川尚将内野手(29)が「6番右翼」で今季初スタメンとなった。

◆阪神近本光司外野手(26)が、今季1号となる先頭打者本塁打を放った。中日先発左腕小笠原の3球目を捉え、弾丸ライナーで右翼席へ運んだ。 球団広報を通じ「打ったのはチェンジアップ。チームに勢いをつけるために、先頭バッターとして出塁するという気持ちで打席に立っていますが、ホームランという最高の結果となりました」とコメントした。試合前まで打率1割2分1厘。前日9回には好機で代打を出されていた男が、意地の1発を放った。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、9試合目で初めてスタメンから外れた。 3月27日ヤクルト戦で1号ソロ、1日広島戦では2号ソロを放っており、現在開幕から2カード連続本塁打中。開幕から3カード連続本塁打となれば、2リーグ制以降の新人では史上初で、この日がラストチャンスとなっている。 試合前は軽快に練習をこなしていた。フリー打撃では46スイングで6本の柵越えを放った。6本中5本がセンターから左方向。バックスクリーンをはるかに越え、スコアボード下の2階席に届く超特大弾も放っていた。 「6番右翼」には陽川尚将内野手(29)が先発している。

◆阪神陽川尚将内野手(29)が、三度目の正直で結果を残した。 2打席凡退で迎えた第3打席目は、同点の2死一、二塁。それまで2三振を喫していた中日先発左腕小笠原をようやく捉えた。三遊間にしぶとく破り、二塁走者マルテが一気に生還。本塁タッチプレーはセーフの判定後、中日与田監督のリクエストでリプレー検証も、判定は覆らず。勝ち越しの一打となった。 陽川は球団広報を通じ「打ったのはカーブ。初回と同じチャンスの場面で、初回は打つことができずに悔しい思いをしていたので、絶対に打ち返したいと思っていました。勝ち越すことができて良かったです」とコメントした。 開幕9試合目でドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手(22)がスタメン落ち。巡ってきたチャンスで結果を残した。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、プロ初の代打で登場し、京セラドーム大阪のファンを沸かせた。 6番陽川の適時打で勝ち越した直後の6回2死満塁。8番山本に代わり登場した。中日2番手鈴木の5球目、インコースの直球にバットを折りながら、右翼へ大きな飛球。スタンドはどよめきに包まれたが、ひと伸び足りず、右飛に終わった。 7回表は遊撃に木浪が入り、佐藤輝はそのままベンチへ下がった。 今試合前まで打率1割3分3厘。32打席で16三振を喫し、シーズン9試合目で初めてスタメン落ちを経験した。 試合前フリー打撃では46スイングで6本のアーチ。6本中5本がセンターから左方向。バックスクリーンをはるかに越え、スコアボード下の2階席に届く超特大弾も放っていたが、惜しくもスタンドへは届かなかった。

◆阪神が鮮やかな3連打で貴重な追加点を挙げた。 1点リードの7回、先頭岩貞に代打起用された中野が、中前打で出塁。1番近本が一塁前へセーフティーバントを決め、無死一、三塁とチャンスを拡大させた。 その後、2番糸原が右前へしぶとく運び、3点目を挙げた。糸原は「打ったのはフォーク。中野と近本が良い形でつないでくれたので、何が何でもかえすという気持ちで打ちました。追加点のほしい展開だったので打つことができてよかったです」と振り返った。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(29)が6回1/3を3安打1失点と好投した。6回無失点だった前回登板に続いての好投。 「(4回に)自分のミスから点を取られてしまったけれど、その後は粘ることができたし、野手のみんなが逆転してくれて本当に感謝しているよ。全体的にいいピッチングができたと思うね」とコメントした。1-1で迎えた6回裏に味方打線が勝ち越しに成功し、勝利投手の権利を持って2番手岩貞につないだ。 序盤3回は無失点の立ち上がり。1点リードの4回1死一、二塁から平田のゴロを処理したガンケルは二塁へ送球しセーフ、一塁へ転送されるもセーフとなり、1死満塁のピンチを背負った(記録は投手の野選)。続く京田を遊撃へのゴロに打ち取るも、ショート山本が二塁へのトスを送球エラーし、同点に追いつかれた。だが、なおも1死満塁の場面で木下拓を併殺に仕留め、踏ん張った。 2試合で12回1/3を投げて防御率0・73の安定感をみせている。

◆阪神は1回、近本の先頭打者本塁打となる1号ソロで先制。中日は1回大島が安打、二盗で無死二塁をつくるも生かせず。 中日は4回1死満塁から遊失で同点。阪神は6回2死一、二塁から陽川の左前適時打で1点を勝ち越し、終盤に入った。 阪神は7回に糸原の適時打で1点を加え逃げ切り。先発ガンケルは6回1/3、1失点で2勝目。中日は3安打と打線がつながらず。小笠原は1敗。

◆中日は今季初の連敗を喫し、開幕から守ってきた勝率5割ラインを割り込んだ。 唯一の1点も敵失からで打線は3安打とつながらず。6日から本拠地バンテリンドームに戻って、DeNA、ヤクルトとの5試合で再浮上を目指す。試合後の与田剛監督の一問一答は以下の通り。 -小笠原が粘った。 与田監督 「前回同様に素晴らしいピッチングだった。内容は良かった」 -6回に追加点を許した 与田監督 「追い込んでからヒットが続いた。あの辺は、次の課題。疲れが出てくる中でどれくらい制球できるか。追い込むことができてから、その次というところが課題になる。よく頑張って投げてくれた」 -6回先頭への四球がもったいない 与田監督 「言っても切りがない。(走者を)出したあとにどうするか。すべてうまくいかないが、ああいう疲れたところで何ができるか。もったいなかったけど」 -打線は阪神ガンケルに3安打 与田監督 「これは辛抱でね。選手たちも打てないストレスもある。その中で何をするか、練習の中でどう取り組んでいるかは見ている。我々も根気良く辛抱しないといけない」 -4回の得点は相手のミス 与田監督 「タイムリーが出ない。2試合で1点しか取れていない。反省して、策を練っていく」

◆阪神が単独首位に躍り出た。 今季初のスタメン出場の陽川尚将内野手(29)が、同点の6回2死一、二塁で勝ち越しの左前打。ドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手(22)がスタメン落ちの中、今季初先発で結果を残した。チームは2度目のカード勝ち越しで、単独首位に浮上した。 矢野燿大監督(52)は「重いムードを陽川があそこで返してくれたおかげで、こっちに流れがくる1本になった。ずっとバッティングの状態もよかったですし、使いたいなっていう風には思っていたんですけど。そういうところでは勝負どころでね、1本打ってくれたんでね。いい仕事をしてくれました」と褒めたたえた。

◆阪神近本光司外野手(26)が初回に通算5本目の先頭打者本塁打を放ち、チームを鼓舞した。 初球から2つファウルと積極的に打ち、左腕小笠原の3球目チェンジアップを右翼ポール際へライナーで運んだ。ホームでの今季チーム1号で、ベンチでは矢野監督もガッツポーズ。メガホンの拍手に包まれ、ダイヤモンドを一周した。 「うれしいというよりも、ホッとする。安心というか、気持ち的にやっと出たというか。これは難しい感情ですね」 何としても意地を見せたかった。開幕から1番中堅で全試合出場しているが、打率は1割台。前日の9回、今季初めて代打を送られた。「しょうがないんじゃないですか。打ちたいというのはありましたけど、チームが勝つために必要なことなので」。昨年7月16日のヤクルト戦以来、プロ入り3度目の経験だったが、悔しくないはずがない。思いは一夜明けの初打席にぶつけた。何とか出塁しようという中で「最高の結果」を出した。 7回無死一塁では一塁前にバント安打を転がし、今季2度目のマルチ安打。矢野監督は「本塁打というより安打2、3本の方がチカ(近本)の持ち味だと思う。こういうところから乗っていってほしい」とリードオフマンの巻き返しを期待した。 オープン戦は打率3割2分4厘の好調でシーズンイン。だが9戦を終えた打率は1割6分2厘と低空飛行が続いている。それでも冷静に自分自身を客観視できている。「内容自体は悪くない。悪いのは結果だけ。(相手の)いい球が来て、打てる球が少なかった。それをしっかり仕留められるように」。2番糸原は開幕から打率4割超えと絶好調。近本が安打を量産し始めれば、打線も再び活気づく。会心の先頭弾を復調のきっかけにしたい。【石橋隆雄】

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(29)が、意地の最少失点で今季2勝目をゲットした。4回に自ら招いたミスから1点を失い、同点に追いつかれた。だがここからがクレバー右腕の本領発揮だ。 「自分のミスから1失点があったけど、最少失点で抑えられて良かったよ」 0を並べて迎えた4回1死一、二塁。投ゴロを自らの野選で満塁にピンチが拡大した。さらに続く京田の遊ゴロを山本が悪送球し同点に追いつかれ、なお1死満塁が続いた。だが、落ち着いていた。この3連戦初戦で逆転負けを喫する4打点をマークされた木下拓相手に、自信のある宝刀カットボールを外角低めに配球。注文通りの二ゴロ併殺に仕留め、逆転を許さなかった。7回途中を3安打1失点。堂々のマウンドさばきだった。 1年目の昨季は先発と中継ぎで28試合に登板したが、勝ち星はリリーフで挙げた2つだけ(4敗)。だが今季は開幕3戦目のヤクルト戦で初の先発勝利をつかんでから2戦2勝と、一気の波乗り気配だ。矢野監督も「安定感がある。ゴロを打たせながら丁寧に投げてくれて。最後あと一人というところも行ってくれた」と2年目の進化を高評価した。 「チームが勝ったことが一番大切で、素晴らしいことだと思う」。メジャー経験はないが、伸びしろたっぷりの196センチ右腕は日本に来て急成長中。昨年の経験も糧にしながら、白星を積み重ねる。【林亮佑】

◆男の意地だ。阪神陽川尚将内野手(29)が、泥臭い一撃で2連勝を導いた。 同点の6回2死一、二塁で三遊間を割る決勝タイムリー。佐藤輝明内野手(22)の大フィーバーで控えに甘んじる7学年上の先輩が、この日初めてスタメン落ちしたドラフト1位新人の代役起用に結果で応えた。チームは2度目のカード勝ち越しで貯金を3とし、6日ぶりに単独首位に浮上。6日からは今季初の甲子園で、2年連続セ界王者の巨人を迎え撃つ。陽川の執念が、打球に乗り移った。1-1同点の6回2死一、二塁。中日先発小笠原の119キロカーブに食らいついた。「何とか抜けてくれ-」。思いが通じたかのように、打球はしぶとく三遊間を割った。二塁走者マルテが激走のホームイン。中日ベンチはリクエストを要求したが、陽川はセーフを確信していた。判定は覆らず、値千金の決勝打。「しっかり来た球に対応していこうと。(マルテが)走ってくれてよかったです」。今季初スタメンで大仕事を果たし、二塁ベース上でにっこり笑った。 昨季は37試合にスタメン出場し、8本塁打と存在感を見せた。一気のレギュラー奪取を狙った8年目だったが、佐藤輝の加入とフィーバーで出番が激減。開幕からベンチを温め続けた。だがこの日、打率1割台の怪物ルーキーが9試合目で初めてスタメンを外れ、代役で出番が巡ってきた。「自分の今持っている力を出すしかない。常にいつ出てもいいように、練習から考えてやっていました」。この日も早出特打を行うなど開幕後も徹底準備の毎日。気負いもあってか、初回の好機は見逃し三振に倒れたが、同じ2死一、二塁で同じ轍(てつ)は踏まない。プロで7年やってきた先輩の意地を、ここ一番でさく裂させた。 試合は近本の先頭弾後、ミスが絡んで追いつかれ1-1の膠着(こうちゃく)状態が続いていた。矢野監督は「重いムードを陽川があそこでかえしてくれたおかげで、流れがくる1本になった」と絶賛。「ずっと状態もよかったですし、使いたいと思っていた。勝負どころで1本打ってくれたんで、いい仕事をしてくれました」。開幕2戦目には本塁打もマークした。少ないチャンスをものにする、そんな男が普段ベンチにいることが、層の厚さを物語る。 2連勝で今季2度目のカード勝ち越し。6日ぶりの単独首位にも返り咲いた。6日からは今季初の甲子園で巨人を迎え撃つ。ヒーローは「昨年やられっぱなし(8勝16敗)だったので、今年はやりかえすしかない」と大暴れを約束。佐藤輝にレギュラーを譲ったつもりはない。【中野椋】 <今年の陽川の歩み> ◆4番で発進 21年初実戦の2月4日紅白戦に白組の4番右翼で出場し、4回の第2打席で初安打。沖縄・宜野座キャンプ中の実戦は5試合4番を務めた。 ◆好調を維持 キャンプ中の実戦は出場10試合で打率3割4分5厘、1本塁打。オープン戦でも3割5分7厘で1本塁打。レギュラー取りを猛アピールした。 ◆公式戦初打席で1号 開幕2戦目の3月27日ヤクルト戦に途中出場し、回ってきた9回の今季初打席で長谷川から左中間へ本塁打。ベンチ前で会心のゴリラポーズを披露した。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が開幕9戦目で初めてスタメンを外れた。1点を勝ち越した6回、なお2死満塁の好機に初の代打で出場。カウント2-2から鈴木博の148キロ内角球を強振したが右飛に倒れた。開幕3カード連続弾なら、新人では2リーグ制後初だったが、快挙はならなかった。 矢野監督はベンチスタートについてコンディションが原因かと問われ「それは関係ないです」とコメント。「佐藤輝のことももちろん考えているし、チーム全体のことを考える立場。陽川だって調子いい。全てのことを考えて決めています」と総合的な判断とした。 佐藤輝は開幕から2カード連続本塁打を記録したが、打率は1割2分9厘。31打数で半分以上の16三振と壁にぶち当たった感がある。スタメン落ちは蓄積疲労、陽川の好調、相手投手が左腕小笠原だったことなど、さまざまな理由を考慮したものとみられる。5日のオフをはさんで体調を整えられるか。6日からの巨人戦での起用も注目される。

◆男の意地だ。阪神陽川尚将内野手(29)が、泥臭い一撃で2連勝を導いた。同点の6回2死一、二塁で三遊間を割る決勝タイムリー。佐藤輝明内野手(22)の大フィーバーで控えに甘んじる7学年上の先輩が、この日初めてスタメン落ちしたドラフト1位新人の代役起用に結果で応えた。チームは2度目のカード勝ち越しで貯金を3とし、6日ぶりに単独首位に浮上。6日からは今季初の甲子園で、2年連続セ界王者の巨人を迎え撃つ。6回の決勝打の前に陽川が自慢の怪力でファンを沸かせた。4回1死一塁の第2打席。カウント2-2から小笠原の直球をフルスイングした。打球は木下拓の真上に上がって捕飛かと思われたが、そのまま京セラドーム大阪の天井部分のスーパーリングにすっぽり。結局ボールは落ちてこず、ファウルの判定に中日ナインも阪神ナインも上を見上げて苦笑いだった。パワーがないと打てない珍しい打球だけに、球場で目撃にしたファンはラッキーかも。まさに陽川デーだった。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が開幕9戦目で初めてスタメンを外れた。1点を勝ち越した6回、なお2死満塁の好機に初の代打で出場。カウント2-2から鈴木博の148キロ内角球を強振したが右飛に倒れた。開幕3カード連続弾なら、新人では2リーグ制後初だったが、快挙はならなかった。 矢野監督はベンチスタートについてコンディションが原因かと問われ「それは関係ないです」とコメント。「佐藤輝のことももちろん考えているし、チーム全体のことを考える立場。陽川だって調子いい。全てのことを考えて決めています」と総合的な判断とした。 佐藤輝は開幕から2カード連続本塁打を記録したが、打率は1割2分9厘。31打数で半分以上の16三振と壁にぶち当たった感がある。スタメン落ちは蓄積疲労、陽川の好調、相手投手が左腕小笠原だったことなど、さまざまな理由を考慮したものとみられる。5日のオフをはさんで体調を整えられるか。6日からの巨人戦での起用も注目される。

◆男の意地だ。阪神陽川尚将内野手(29)が、泥臭い一撃で2連勝を導いた。 同点の6回2死一、二塁で三遊間を割る決勝タイムリー。佐藤輝明内野手(22)の大フィーバーで控えに甘んじる7学年上の先輩が、この日初めてスタメン落ちしたドラフト1位新人の代役起用に結果で応えた。チームは2度目のカード勝ち越しで貯金を3とし、6日ぶりに単独首位に浮上。6日からは今季初の甲子園で、2年連続セ界王者の巨人を迎え撃つ。陽川の執念が、打球に乗り移った。1-1同点の6回2死一、二塁。中日先発小笠原の119キロカーブに食らいついた。「何とか抜けてくれ-」。思いが通じたかのように、打球はしぶとく三遊間を割った。二塁走者マルテが激走のホームイン。中日ベンチはリクエストを要求したが、陽川はセーフを確信していた。判定は覆らず、値千金の決勝打。「しっかり来た球に対応していこうと。(マルテが)走ってくれてよかったです」。今季初スタメンで大仕事を果たし、二塁ベース上でにっこり笑った。 昨季は37試合にスタメン出場し、8本塁打と存在感を見せた。一気のレギュラー奪取を狙った8年目だったが、佐藤輝の加入とフィーバーで出番が激減。開幕からベンチを温め続けた。だがこの日、打率1割台の怪物ルーキーが9試合目で初めてスタメンを外れ、代役で出番が巡ってきた。「自分の今持っている力を出すしかない。常にいつ出てもいいように、練習から考えてやっていました」。この日も早出特打を行うなど開幕後も徹底準備の毎日。気負いもあってか、初回の好機は見逃し三振に倒れたが、同じ2死一、二塁で同じ轍(てつ)は踏まない。プロで7年やってきた先輩の意地を、ここ一番でさく裂させた。 試合は近本の先頭弾後、ミスが絡んで追いつかれ1-1の膠着(こうちゃく)状態が続いていた。矢野監督は「重いムードを陽川があそこでかえしてくれたおかげで、流れがくる1本になった」と絶賛。「ずっと状態もよかったですし、使いたいと思っていた。勝負どころで1本打ってくれたんで、いい仕事をしてくれました」。開幕2戦目には本塁打もマークした。少ないチャンスをものにする、そんな男が普段ベンチにいることが、層の厚さを物語る。 2連勝で今季2度目のカード勝ち越し。6日ぶりの単独首位にも返り咲いた。6日からは今季初の甲子園で巨人を迎え撃つ。ヒーローは「昨年やられっぱなし(8勝16敗)だったので、今年はやりかえすしかない」と大暴れを約束。佐藤輝にレギュラーを譲ったつもりはない。【中野椋】 <今年の陽川の歩み> ◆4番で発進 21年初実戦の2月4日紅白戦に白組の4番右翼で出場し、4回の第2打席で初安打。沖縄・宜野座キャンプ中の実戦は5試合4番を務めた。 ◆好調を維持 キャンプ中の実戦は出場10試合で打率3割4分5厘、1本塁打。オープン戦でも3割5分7厘で1本塁打。レギュラー取りを猛アピールした。 ◆公式戦初打席で1号 開幕2戦目の3月27日ヤクルト戦に途中出場し、回ってきた9回の今季初打席で長谷川から左中間へ本塁打。ベンチ前で会心のゴリラポーズを披露した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が4日の中日戦の先発メンバーから外れた。開幕から8試合連続で「6番・右翼」で出場したが、打率・133、2本塁打、4打点。16三振はリーグトップだった。4月1日の広島戦(マツダ)の4打席目から前日まで8打席連続無安打、4三振と精彩をかいていた。

◆阪神・近本光司外野手(26)が一回、今季1号を先頭打者本塁打で飾った。  「チームに勢いをつけるために先頭バッターとして出塁するという気持ちで打席に立っていますが、先頭打者ホームランという最高の結果となりました」  2球続けてファウルとし3球目。先発・小笠原の129キロチェンジアップを振り切った。白球は右翼スタンドへ一直線。大きな拍手がスタンドを包んだ。  3日の中日戦(京セラ)は、0-0の九回1死二塁の場面で昨年7月16日以来の代打を送られた。試合まで打率・121と低調していたが、昨年9月17日の巨人戦(東京ドーム)以来となる、自身5度目の先頭打者弾で復活の兆しをみせた。

◆開幕9試合目にして、スタメンを外れた阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が六回2死満塁の場面で代打で出場した。  カウント2-2から5球目。鈴木の148キロを捉えると、場内はどよめきと歓声に包まれた。しかし、打球は右翼フェンス手前で失速。プロ初の代打出場は右飛に終わった。佐藤輝は開幕から8試合連続で「6番・右翼」で出場していたが、スタメンを外れていた。

◆阪神・陽川尚将内野手(29)が1-1で迎えた六回に勝ち越しの左前打を放った。  「初回と同じチャンスの場面で、初回は打つことができずに悔しい思いをしていたので、絶対に打ち返したいと思っていました。勝ち越すことができてよかったです」  2死一、二塁の場面で打席へ向かうと、4球目。小笠原の118キロカーブにしぶとく食らいつき、打球は三遊間を抜けた。二走・マルテが激走し、ホームへ生還。中日はリプレー検証を要求するも、判定は覆らなかった。陽川のホームでの今季初打点にバックスクリーンのビジョンには、「GORILLA PUNCH(ゴリラパンチ)」と特別仕様の新演出が流れた。  陽川は「6番・右翼」で今季初スタメン。D1位・佐藤輝(近大)の代役としてチャンスをつかんだ男がしっかりと結果を残した。

◆中日・小笠原慎之介投手(23)が先発し、六回途中、5安打2失点で降板した。  「投げきれなかったので、申し訳ない気持ちでいっぱいです」  一回、近本に先頭打者本塁打を浴びるスタートも引きずらなかった。その後の2死一、二塁のピンチは陽川を内角高めへの146キロ直球で見逃し三振に仕留め、二、三回はともに三者凡退。四回も1死からサンズに左前打を浴びたものの、計3奪三振で切り抜けるなど、140キロ後半の直球とチェンジアップのコンビネーションがさえわたった。  1-1の六回2死一、二塁で陽川に左前への勝ち越し打を浴び、続く梅野に四球を与えたところで交代。ガンケルとのしびれる投手戦を演じる見事な114球だった。

◆先発した阪神のジョー・ガンケル投手(29)は七回途中、92球を投げて3安打1失点の好投。直球は最速151キロ。変化球を低めに集めて、中日打線に的を絞らせなかった。  「全体的にいいピッチングができた。自分のミスから点を取られてしまったが、野手のみんなが逆転してくれて本当に感謝しているよ」  1-0の四回、長打と死球。さらに自身の野選で1死満塁のピンチを招いた。その後、味方守備のエラーで同点に追いつかれたが、六回、陽川が勝ち越しのタイムリー。2-1の七回、1死を奪ったところで、2番手の岩貞にマウンドを譲った。  ガンケルは今季初登板だった3月28日のヤクルト戦(神宮)で6回無失点に抑えて、今季初勝利を挙げており、開幕から2試合連続で結果を残した。

◆阪神は3-1で中日に勝利し、カード勝ち越しを決めた。「6番・右翼」で今季初スタメンの陽川尚将内野手(29)が勝ち越しの適時打を放った。  一回に近本の今季1号の先頭打者本塁打で先制。四回に同点に追いつかれたが、六回だ。2死一、二塁で陽川が小笠原からしぶとく左前へ運んだ。二走のマルテがかえり、2-1と勝ち越しに成功。七回には糸原の適時打で1点を追加した。  今季初めてスタメンを外れたドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は六回2死満塁の場面で代打で登場。鈴木からフェンス手前まで運んだが、惜しくも右飛に終わった。  先発したガンケルは6回1/3を投げて、3安打1失点と好投。今季2勝目を挙げた。

◆中日は今季初の連敗で、初の借金1。与田剛監督(55)の主な一問一答は下記の通り。  --小笠原は六回途中2失点と粘った  「前回(3月28日の広島戦=マツダ=)同様、素晴らしいピッチングだったのでね。投球内容はよかったと思います」  --六回に勝ち越しを許したが  「追い込んでからというところワンヒットが続いてしまった。あの辺は次の課題。疲れも出てくる中でどれくらい制球ができるか。追い込むことができて、その次というところがまた一つ、課題にはなりますけど、とにかく頑張って投げてくれました」  --打線は3安打  「選手たちも、打てないストレスがある。その中で何をするか。日ごろの練習の中でどう取り組んでいるかということは見ていますから。われわれも根気よく、辛抱しないといけないとは思っていますけど」  --引っ張っていってほしい存在は  「レギュラーで出ている人間は特にね。いろんな意味でチームを代表して試合に出ているわけですから、うまくいかなくても、そういう時に周平であり京田であり。特に、投手を励ませるのは内野手が多くなりますから、そういうところをね。ベンチでは控え選手が頑張ってくれているので、試合に出ている人間は引っ張っていかないといけない」  --四回は相手のミスが重なったところ。もう少し攻め切りたかった  「結局、相手のミスでしか点が取れなかった。タイムリーヒットが出ない。昨日と今日の2試合で1点しか取れていないわけですから、そういったところは攻撃陣が反省して、われわれも策を練っていきたい」  --選手の入れ替えは 「入れ替えは常に、きちんと発表します。ここでは言わない。決まっていないので」  --ファームでは福田が結果を残している。耳には入っている?  「そりゃあ、内部の話ですから。毎日、仁村2軍監督とは連絡を取っていますし。ただ、一本打ったからとかそういうことではなくて、いろんな状況を考える。いま、なぜ1軍にこの選手を置いているのかということも(ある)。機動力を使うという意味で若い選手を置いているわけですから、この数試合でどうこうということは考えていない。変更があればきちんとお伝えはします」

◆阪神は投手陣が粘って、カード勝ち越しを決めて、開幕9試合で6勝3敗。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  ■陽川を使いたい  ーーカード勝ち越し  「今、打線が点を取れていないのでムード重いですけど、その分投手陣がね、よく粘ってやってくれてるっていう感じですね」  ーー近本に待望の一発  「ホームランっていうよりはね、ヒット2本、3本というのがチカ(近本)の持ち味かなと思いますけど、どんな形であれ、今はヒットがほしい状況だと思うので。もう一本、バントもヒットになりましたし(七回)。こういうところから、乗っていってもらいたいですね。  ーー佐藤輝に代わって出場した陽川が勝ち越し打  「何とかね。重いムードを陽川があそこで返してくれたおかげで、こっちに流れがくる一本になったんでね。バッティングの状態もよかったですし、使いたいなっていう風には思っていたんですけど。そういうところでは勝負所でね、一本打ってくれたんでね。いい仕事をしてくれました」  ■バット折れていた...  ーー佐藤輝は代打で登場し、球場がわいた(六回2死満塁で特大の右飛)  「いい場面だったんでね。楽しみもありますし。一番打席に立っている、今控えにいるなかでは打席に立っている選手なので。大いにチャンスがあるんではないかなというところで佐藤輝でいきましたけどね」  ーー打球も行ったかと  「いやちょっと、バットも折れてましたしね。そんな行ったかなって感じはベンチからはなかったですけど」。  ーー佐藤輝のコンディションは  「それは関係ないです」  ーーガンケルは(6回1/3を投げて1失点。今期2勝目)  「安定感ある、ゴロ打たせながら丁寧に投げてくれて。最後あと一人というところも行ってくれたんで。あとしっかり勝ちパターンにつなげたので」  ■元気な姿届ける  ーー6日から甲子園で巨人戦  「そうですね。久しぶりに甲子園帰りますし。僕たちの元気な姿を、まだまだ規制はありますけど、球場、テレビやラジオで応援してもらえると思うので僕がしっかり元気を届けたい」  (囲み)  ーー中野からの3点目も大きかった(七回の中前打から3点目)  「ああいうのは大きいね。もう1点と言わず、もう2点、3点といきたかったけど。拓夢(中野)が出たのは大きかったし。ほんとにバッティングは非凡なのものがあるんでね」  ーー糸原も連続安打  「頼りになるよね。チャンスメークもできるし、もともと雰囲気のある選手なんでね。ベンチでも守っているときでも、声とかでチームも引っ張っていってくれる」  ーー先発陣が試合をつくっている  「一番はそこかな。ここのところずっと先発陣が頑張ってくれているんで。だからこそ昨日はヤギ(青柳)に勝ちをつけたかったし。今日はガンケルに勝ちがついてよかったんだけど打線がもっとね」  ■チーム全体を考える  ーー佐藤輝は気分転換の意味も  「それは1個のこと(理由)で代えているワケではないしね。佐藤輝のことももちろん考えているし、俺はチーム全体のことを考える立場で。陽川だって調子いいし。すべてのことを考えて決めています」

◆佐藤輝をスタメンから外した矢野監督のさい配は大賛成だ。状態が良くない時に、無理にスタメン起用する必要はない。  代打での1打席で右飛だったが、あの打球は紙一重。本塁打になってもおかしくなかった。低めの球だったから、トップの位置とミートポイントがしっかり距離が取れていたからだろう。ただ、ファウルの内容は悪い。普通なら当たるはずのないバットの根っこに当たっていた。あのファウルを見せられると、スタメン落ちも仕方がない。 ■選手層厚い阪神...当面は相手先発で佐藤輝と陽川の併用を  外してもいい理由に、阪神の選手層の厚さがある。代わりに出た陽川が決勝打を放った。開幕から状態もいい。調子のいい選手を使うという当たり前の考え方。「健全なチーム内競争」が行われている証拠だ。  当面は相手が右投手先発なら佐藤輝、左投手なら陽川の併用でいい。陽川の調子が落ちてきたら、佐藤輝を常時スタメンに戻せばいい。ベンチで戦況を見るのは勉強になるし、リフレッシュにもなる。佐藤輝にはしっかり勉強してスタメンに戻ってきてほしい。(本紙専属評論家)

◆テルに負けん! 阪神は中日に3-1で勝ち、単独首位に浮上した。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が開幕9試合目で初のスタメン落ち。代役の陽川尚将内野手(29)が六回に勝ち越し打を放った。6日は巨人を迎えての甲子園開幕。優勝へ、このまま突っ走る! ■「絶対打つ」初スタメンで執念ゴリラパンチ  一つ欠けても、代わりのピースがはまる。矢野虎の底力を象徴するかのように、今季9試合目で初スタメンの陽川が、いきなり勝利の立役者になった。佐藤輝が初のベンチスタートとなったが、俺も負けないといわんばかりのひと振りで、チームを首位に押し上げた。  「自分の今、持っている力を出すしかないと思って試合に臨みました。ガンケルが抑えてくれていたんで、なんとか追加点と思っていましたし、自分自身も初回(2死一、二塁)と同じ場面で回ってきたんで、『次こそ絶対打つ』という気持ちで打席に立ちました」  普段からシャイで寡黙な男がお立ち台で声を弾ませ、9988人の観衆から祝福の拍手を浴びた。ハイライトは1-1の六回。2死一塁からサンズが中前打でつなぎ、一、二塁で、この日2三振の"虎のゴリラ"に挽回のチャンスがやってきた。「なんとかバットに当てることができた」。追い込まれながら、中日先発・小笠原の119キロカーブに反応して、しぶとく三遊間を破った。  二走・マルテが激走で生還し、中日ベンチのリクエストでもセーフの判定は覆らなかった。四回1死一塁ではドームの天井部分に打球を入れてそのまま落ちてこない(記録はファウル)というパワーも見せつけたが、しぶく仕留めた。勝ち越し打に「どんな形であれ、ヒットはヒット。よかった」とうなずいた。 ■3日の山本劇打に続く日替わりヒーロー  ベンチに何人ものヒーロー候補が控えているのが、何より心強い。佐藤輝らの長打力で勢いづいた試合もあれば、3日の中日戦は矢野監督が3連続代打の勝負手を打ち、最後は伏兵・山本のバットでサヨナラ勝ちを収めた。昨季は開幕からの3カードで2勝7敗。日替わりヒーローも絡んだ今季の6つの白星に、中身の濃さが表れた。  矢野監督は「ずっとバッティングの状態もよかったですし、使いたいなっていう風には思っていたんですけど。いい仕事をしてくれました」と陽川をたたえ、甲子園開幕となる6日の巨人戦に向けて意気込んだ。  「まだまだ(コロナ禍の)規制はありますけど、球場、テレビやラジオで応援してもらえると思うので、僕がしっかり元気を届けたい」 ■6日から甲子園でG倒「今年はやり返す」  この日、丸、ウィーラー、中島、若林に新型コロナウイルスの陽性判定が出た宿敵には9年連続負け越し中。昨季は8勝16敗と大きく水をあけられた。「去年やられっぱなしだったので、今年はやり返すしかないので、頑張ります」と陽川も鼻息は荒い。矢野虎一丸での勝利を重ね、いざG倒へ。本拠地でセ・リーグ王者を迎え撃つ。(新里公章)

◆はや、2勝目だ。防御率0・73はセ・リーグトップに躍り出た。来日2年目のガンケルが、ピンチで踏ん張り、七回途中3安打1失点に抑えた。  「本当によかった。四回は、自分のミスから1失点があったが、最少失点で抑えられてゲームを作れてよかった」  1-0の四回、ヒットと死球で1死一、二塁のピンチを招いた。平田のゴロを処理して二塁に送球するも野選。その後、味方守備のミスで同点とされた。ここからがガンケルの粘り腰。1死満塁。木下拓をカットボールで二ゴロ併殺に仕留めると、六回に陽川の勝ち越し打で白星に恵まれた。  「しっかり守ってくれて、ピンチをしのいだ後に陽川選手が打ってくれた」  昨季は先発で登板した6試合は未勝利。メジャー経験もなく、196センチの高さと、優れた制球力はあるものの、もともとは"第5、6の助っ人"という位置づけだった。年俸7700万円の今季は球速もアップし、開幕ローテの一角として成長。開幕9試合で先発陣全員が5回以上を投げることに、矢野監督は「やっぱり一番はそこかな。ここのところ、ずっと先発陣が頑張ってくれているんで」と目を細めた。  「2勝した事実はうれしいが、チームが勝ったことが一番大切で素晴らしいこと」とガンケル。個人成績は二の次。これからもチームの勝利のために右腕を振る。(三木建次)

◆またしても、快音を響かせた。しかも、それが竜の息の根を止めた。絶好調の糸原が開幕から9戦連続安打を記録した。  「中野と近本が良い形でつないでくれたので、何が何でもかえすという気持ちで打ちました。追加点の欲しい展開だったので、打つことができてよかったです」  2-1で迎えた七回。代打・中野、続く近本の連続安打と敵失で無死一、三塁の好機を作ったところで打席に立つ。谷元の初球、142キロのフォークにしぶとく食らいついた。打球は二塁・阿部の脇を抜け、右前へ。貴重な適時打となり、塁上でガッツポーズだ。  打率・405と勢いが止まらない。2019年から2年間、主将を務め、大山に交代。"名誉主将"が、これからも打線を引っ張る。(菊地峻太朗)

◆復活の光が、鋭い弾道となって右翼スタンドへ飛んでいく。頼もしいリードオフマンが帰ってきた。虎の攻撃開始から、わずか3球。近本の今季1号は、前日の悔しさを込めた先制パンチだ。  「うれしいというよりもホッとしますね。安心というか、気持ち的にやっとでたというか。これは難しい感情ですね」  長いトンネルの終わりは突然、訪れた。一回、カウント0-2から小笠原の129キロチェンジアップを一閃。これまでの不振が嘘のように、近本らしい小力のある当たりだった。昨年9月17日の巨人戦(東京ドーム)以来となる、通算5本目の初回先頭打者弾。久々の手応えに三塁を周った瞬間、笑みがこぼれた。  「来た球を打てた。いいところに目付ができていたというところがあったので、それが結果につながった」  3日の中日戦では0-0の九回1死二塁の好機で、昨年7月16日(対ヤクルト、甲子園)以来となる代打を送られた。  「しようがないんじゃないですか。僕が逆(監督)の立場に立ったときもそうだと思う」  チームも、自身の成績も開幕ダッシュを誓った3年目。気持ちとは裏腹に、なかなか調子が上がらなかった。「内容自体は悪くないんですけど、なんで(結果は)悪いのかな」と自問自答の毎日。それでも、悔しさは胸のうちにしまい「シーズンに入ったら結果が大事」と代打起用も甘んじて受け止め、チームの勝利を第一に考えていた。  苦しんだ先に待っていた一筋の光明。2-1で迎えた七回無死一塁の第4打席は初球を一塁線へ絶妙なバント。自慢の快足が相手のミスを誘い、一、三塁と好機を広げ、糸原の適時打につなげた。会心の一発が、韋駄天の足かせを完全に取り払った。  「打てるボールが自分のなかで少なかった。打てるボールを増やすことが練習なので。それをしっかり仕留められるようにやっていきたい」  近本の2021年はここからが本番。復活したリードオフマンが虎の勢いをさらに加速させる。(原田遼太郎)

◆ウッホ、ウッホ、ウッホッホー!! 元祖ゴリラvs新ゴリラ。本日は元祖ゴリラの陽川が六回に決勝タイムリーでウッホ、ウッホー!!  その直後、満塁の場面で代打で打席に入った新ゴリラ、佐藤輝の打球は「カキーン!!」。ライト後方に高々と舞い上がった。「よっしゃあ!! そのままスタンドに届け~!! 開幕から3カード連続ホームランのプロ野球新記録や!!」と絶叫したけれど...。打球はフェンス手前で失速してライトフライに...。  ただ、その後、虎党は矢野監督のインタビューでバットが折れていたことを知り、改めて新ゴリラのパワーにア然としたのだった...。  元祖も新も、次の巨人戦ではアベックゴリラアーチをほうり込んで、お立ち台でダブルウッホ、ウッホポーズを見せてくれー!!  そして、本日は特別に...。DeNAの番長こと三浦新監督、初勝利オメデトウ!! ここからタイマン張って相手チーム(阪神以外ね)をボコったれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
阪神
630 0.667
(↑0.042)
-
(↓0.5)
13436
(+3)
25
(+1)
9
(+1)
5
(-)
0.232
(↑0.002
2.850
(↑0.24)
2
(1↑)
巨人
423 0.667
(↑0.067)
0.5
(↓0.5)
13432
(+2)
27
(+1)
5
(-)
8
(+1)
0.222
(↓0.005)
2.590
(↑0.2)
3
(2↓)
広島
531 0.625
(↓0.089)
0.5
(↑0.5)
13430
(+1)
22
(+3)
8
(-)
0
(-)
0.266
(↓0.003)
2.140
(↓0.14)
4
(-)
中日
342 0.429
(↓0.071)
2
(↓0.5)
13424
(+1)
26
(+3)
1
(-)
7
(+1)
0.215
(↓0.014)
2.290
(-)
4
(-)
ヤクルト
342 0.429
(↓0.071)
2
(↓0.5)
13436
(+1)
43
(+2)
8
(-)
8
(+2)
0.235
(↓0.001)
4.500
(↑0.38)
6
(-)
DeNA
162 0.143
(↑0.143)
4
(↑0.5)
13437
(+3)
52
(+1)
4
(+2)
1
(+1)
0.266
(↑0.008)
5.580
(↑0.59)