阪神(★3対6☆)中日 =リーグ戦1回戦(2021.04.02)・京セラドーム大阪=
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中日
01000003261240
阪神
0300000003600
勝利投手:鈴木 翔太(2勝0敗0S)
(セーブ:祖父江 大輔(0勝0敗3S))
敗戦投手:加治屋 蓮(1勝2敗0S)
  DAZN
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◆中日が逆転勝利。中日は2点ビハインドの8回表、木下拓と大島の適時打で3点を奪い、逆転に成功する。続く9回には、木下拓の2打席連続適時打で2点を加えて、リードを広げた。投げては、2番手・鈴木が今季2勝目。敗れた阪神は、救援陣がリードを守りきれなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が1日広島戦での負傷交代から一夜明け、元気に試合前練習に参加した。 通常通り三塁守備練習、フリー打撃などで汗を流した。 1日広島戦の8回裏、一塁守備で送球を受けた際に打者走者西川と激突。しばらくは腹部を押さえて立ち上がれず、9回裏の一塁守備は陽川と交代していた。 試合後に矢野監督は「今のところ大丈夫。心配というところまではないと思う」と説明しており、大事には至らなかったもようだ。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、新人史上初の開幕3カード連続本塁打を目指す。 佐藤輝は開幕2戦目の3月27日ヤクルト戦でプロ1号、そして前日1日広島戦で19打席ぶりとなる2号ソロ。開幕2カード連続本塁打は、ドラフト制後に入団した新人では89年中島輝士(日本ハム)以来2人目で、セ・リーグでは初の快挙だった。その中島も3カード目で本塁打は出ておらず、歴史に名を刻めるか注目される。 この日は試合前のフリー打撃で45スイングで6本の柵越え。右翼では入念に動きを確認した。京セラドーム大阪でのホーム試合初戦で虎党を沸かす活躍を見せられるか。

◆阪神のホーム開幕戦の両チームスタメンが発表された。先発は阪神が藤浪晋太郎投手(26)、中日が福谷浩司投手(30)。両投手とも今季初登板で勝敗つかず、2戦目で白星をつかめるか。 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)は前カードの広島戦(マツダスタジアム)で3戦計8三振を喫したが、1日の第3戦で2号ソロを放った。開幕3カード連続本塁打なら、ドラフト制後、新人では球界初。また糸原健斗内野手(28)は1日に3ランを放つなど、開幕から6戦連続安打。打率4割6分2厘と絶好調だ。

◆阪神のホーム開幕戦の試合前に「2021阪神タイガースホーム開幕戦オープニングセレモニー」が行われた。 場内の照明を落とし、バックスクリーンのモニターには大山、岩貞、秋山、梅野、西勇、糸原、近本、岩崎、糸井、矢野監督の順に今シーズンへの思いを語ったビデオが流された。その後、歌舞伎俳優の尾上右近が二塁ベース後方に用意された赤い演台で、衣装を身にまとい口上を述べた。 両チームの選手やコーチ、監督が紹介がされると観客からは温かい拍手が送られた。そして、始球式は尾上右近が務め、ノーバウンド投球。尾上右近は「ちょうちょうちょう楽しかったです。ワクワクしました」と振り返った。

◆不調だった阪神近本光司外野手(26)に、待望の今季初タイムリーが飛び出した。 同点に追いついた直後の2回2死二、三塁、福谷の内角144キロ直球をとらえ、センターへはじき返した。三塁走者の梅野に二塁走者の木浪も生還し、勝ち越しの2点適時打。「早い回に勝ち越しておきたかったので、いいところに落ちてくれてよかったです。ここからもう1本、2本と打てるように頑張ります」。一塁ベース上では笑みがはじけた。 続く糸原の打席では、今季2個目の盗塁にも成功。前日1日広島戦(マツダスタジアム)では20打席ぶりの安打を放っており、虎のリードオフマンが復調気配だ。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が「6番右翼」で先発した。この日はホーム開幕戦。登場曲には大好きなアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の「吼えろ」、打席では事前録音されたヒッティングマーチが流れた。 第1打席は中日先発福谷に二ゴロも、併殺崩れで一塁に残ると、8番木浪で適時打で同点のホームを踏んだ。その後、チームは近本の適時打で勝ち越しに成功した。 第2打席は4回先頭。福谷の変化球を打ち返すも、右翼への飛球に倒れた。 第3打席は6回1死、2番手鈴木と対戦。2-2から外角高め151キロで空振り三振に仕留められた。これで三振数は12球団ワーストの14となった。 第4打席は逆転された直後、1点ビハインドの8回。2死走者なしで3番手又吉と対戦した。1発の期待がかかったが、1-2から内角146キロを打ち上げ、三邪飛に倒れた。

◆中日福留孝介外野手(43)が古巣阪神との直接対決で、今季初の守備についた。 6回2死一塁で、先発福谷の代打で登場。阪神ファンから大声援で打席に立ったが、藤浪の前に見逃しの三振に倒れた。6回の守備を迎えるときに「代打した福留が左翼」とコールされた。阪神ファンからも拍手を受け、レフトの守備位置についた。1軍公式戦で中日のユニホームを着て守備についたのは、07年7月15日阪神戦(甲子園)以来、5010日ぶり。

◆今季2度目の先発マウンドに上がった阪神藤浪晋太郎投手(26)が6回7安打1失点6奪三振の粘投を見せた。勝利投手の権利を持って降板したが、3番手の加治屋が同点の2点適時打を浴び、今季初白星はならなかった。 「苦しい場面が多く、きれいなピッチングとはいきませんでしたが、なんとか粘ることができて良かったです。あと1イニングは投げてリリーフの方へバトンを渡したかったですが、そこを課題点として次も頑張りたいと思います」。この日最後に対戦した打者は、昨季までチームメートだった福留。代打で打席に立ったベテランを相手に、この日最速の158キロ直球を内角低めに決めて見逃し三振を奪った。 初回、先頭の大島への初球は154キロ直球。2球目で156キロを計測し、4球目の157キロ直球で遊ゴロ。続く俊足の高松は148キロスプリットで投ゴロに打ち取り、自ら一塁ベースを踏んだ。最後は高橋周をカットボールで一ゴロに打ち取り、12球で初回を終えた。 2回は4番ビシエドに2球カットボールを続けて右飛。平田は152キロ直球で二ゴロ。京田に右中間を破る三塁打を許すと、続く木下拓への3球目、一瞬振りかぶろうとした動作を止め、ボークの判定を受けた。これで三塁走者の京田が生還。木下拓を空振り三振に仕留めただけに、悔しい失点となった。 逆転に成功した直後の3回は、大阪桐蔭の後輩にあたる根尾と1軍で初対決。フルカウントからカットボールで見逃し三振に仕留めた。投手福谷に左前打を許したが大島、高松をフライに打ち取り無失点に抑えた。 4回は1死から、ビシエドに右中間へ二塁打、平田に右前打と連打を許して1死一、三塁。暴投と京田への四球で1死満塁とピンチを広げたが、木下拓を153キロ直球で空振り三振。最後は根尾を二ゴロに仕留めて得点を与えなかった。 5回は俊足の高松に内野安打、高橋周に中前にはじきかえされ、さらにビシエドに四球を与えて2死満塁。迎えた平田を直球2球で追い込むと、カウント1-2から最後は内角高めの153キロ直球で空振り三振。大きなピンチをしのぐと藤浪も捕手の梅野も力強くこぶしを握り、ベンチでは福原投手コーチが拍手した。 6回は2死から根尾にこの日初安打を許すと、打席には代打福留。昨季までチームメートだった大先輩を直球2球で追い込んだ。最後は5球目、この日最速となる158キロ直球を内角低めに決めて見逃し三振。最高のボールで抑え込んだ。 プロ9年目で初めて開幕投手を務めた3月26日ヤクルト戦(神宮)では、5回2失点と粘投。白星はつかなかったが、チームの勝利につなげていた。

◆中日が大島の適時打などで阪神を下した。阪神藤浪が6回7安打1失点6奪三振の粘投を見せた。勝利投手の権利を持って降板したが、3番手の加治屋が同点の2点適時打を浴び、今季初白星はならなかった。

◆阪神のリリーフ陣が終盤につかまり、中日に逆転負けを喫した。 先発は開幕投手を務めた藤浪。再三ピンチを作るも、要所で三振を奪い試合をつくった。失点は2回にボークで失った1点だけで、6回7安打1失点、6奪三振と勝利投手の権利を持って降板した。 しかし3-1の8回1死二、三塁から、3番手の加治屋が木下拓に同点の適時二塁打を浴び、代わった4番手の小林も流れを止められず、2死一、二塁から大島に勝ち越しの左前適時打。9回も小野が2点を失い、安定感あるリリーフ陣が中日打線に打ち込まれた。 打線は2回に木浪、近本の適時打で3点を入れたが、その後は追加点を奪えなかった。

◆中日は2回2死三塁から藤浪のボークで1点を先制。阪神はその裏、1死一、三塁から木浪、近本の適時打で3点を挙げ逆転した。 中日は阪神先発藤浪から2度満塁の好機をつくるも、一本が出ず無得点。阪神も先発福谷、2番手鈴木の前に追加点を奪えず。 中日は8回、木下拓の適時二塁打と大島の左前適時打で逆転。9回にも2点を奪い突き放した。中日鈴木が2勝目。阪神加治屋は1勝2敗。

◆2番手の阪神岩貞祐太投手が1回を3者凡退と完璧に抑えた。「(藤浪)晋太郎もすごく気合が入っていましたし、そのいい流れに乗って投げることができました」。 7回に登板すると、先頭の大島を143キロ直球で空振り三振。後続2人も危なげなく内野ゴロに仕留めた。「チーム一丸となって勝利を目指すだけですし、その中で0点で抑えることができて良かったです」。前回3月31日の広島戦では、菊池涼にソロ本塁打を浴びたが、この日は仕事を果たした。

◆阪神木浪聖也内野手が藤浪を助ける一時同点の適時打を放った。藤浪がボークで先制を許した直後の2回1死一、三塁、福谷の外角への145キロツーシームを左翼線へ流し打ち、今季初打点となった。 「点を取られてしまった後の攻撃でしたし、チャンスで打席が回ってきたので、絶対にランナーを返すという強い気持ちで打席に入りました」。開幕から打率1割台と苦しむが、2戦連続安打から上昇のきっかけにしたい。

◆先発マウンドに上がった阪神藤浪晋太郎投手(26)は今季初白星はならなかったが、6回7安打1失点6奪三振の粘投を見せた。 見せ場もあった。3-1の6回2死から根尾に左前打を許し、打席に迎えたのは代打福留。昨季までチームメートだった大先輩に151キロ、149キロの直球を連続で投げ込み追い込んだ。最後は5球目、この日最速となる158キロ直球を内角低めに決めて見逃し三振。「やっぱり孝介さんはいいバッターですし、決め打ちされるとちょっとあれだな、結構腕振らないと仕留められるなと思ったので、勝負にいったのもありますし。イニング的にも、勝負どころかなと思ったので。勝負どころで腕振りました」。藤浪も捕手の梅野も、力強くこぶしを握った。 大阪桐蔭の後輩にあたる根尾とは1軍で初対決となった。結果は3打数1安打。「いいスイングしてますし、いいバッターだと思うので。次回以降また対戦あると思いますし、今日対戦していて自分の中で良かったこと悪かったこと反省して。彼だけじゃないですけど。意識できればなと思います」と振り返っていた。

◆ドラフト制後、新人初の開幕3カード連続弾は次戦にお預けとなった。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は、「6番右翼」で先発。2回無死一塁の第1打席。中日先発福谷の144キロを打ち返し二ゴロも、快足を飛ばし併殺崩れで一塁に残った。その後1死一、三塁で木浪が適時打。今季ホーム初得点は、佐藤輝が記録した。 バッターボックスに向かう際には、登場曲に選んだアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の「吼えろ」が響いた。打席で聞こえてきたのは、事前録音されたヒッティングマーチ。「子供の頃から応援歌には憧れがありましたし、期待に応える活躍ができるように頑張ります」と語っていたが、快音は響かず。それでも怪物ルーキーの一挙手一投足に、スタンドからは拍手が響いた。 9回の右翼守備では、木下拓の打球を惜しくも捕球できず、2点を献上。打撃も守備もホロ苦い「ホーム戦デビュー」となったが、スタンドには青と赤の「佐藤輝明タオル」がたくさん掲げられていた。コロナ禍の応援で声は出せなくても、揺れるタオルの数が期待の証し。次こそは、関西の虎党の前で特大の1発を披露する。【中野椋】

◆中日福留孝介外野手が古巣阪神戦で今季初の守備についた。6回2死一塁で先発福谷の代打で登場し、阪神ファンから大声援で打席に立ったが、藤浪の前に見逃し三振。そのまま直後の守りから移籍後初の左翼守備についた。ただ、2打数2三振で初安打は持ち越し。「声援をもらって感謝しかない。(藤浪とは)これからも対戦はあるので、しっかり打てるようにやりたい」。中日で守備についたのは07年7月15日阪神戦(甲子園)以来、5010日ぶり。

◆2点リードを救援陣が守りきれず、阪神が逆転負けでホーム開幕戦を飾れなかった。阪神矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 -先発の藤浪は試合をしっかり作った もちろんもちろん。まあピンチもあったけどね。粘り切れたというのは大きかったと思うし。だからこそ勝たしてやりたかった。 -途中からセットポジションで投げるなど修正した それはマウンドの中でね、いろいろ感じることもあるし、まあそうやってゲームの中でやっていくっていうことはシーズンの中でも、これからも出てくるし。そういうのが引き出しになったり自信になったりすると思うので。本人が感じてやっていることなんで、まあいいんじゃないので。 -チームには藤浪が前回より良かったことと、近本が当たってきたのが大きい そうやね。もちろん、そういういい材料もあるけど、まあだからこそ勝ちたかったなというところはある。 -昨日、矢野監督が近本の流れが来ると言っていた 練習でもすごい悪いとかそういう感じじゃないから、もちろん結果出えへんかったら、もちろん焦りもあるし。そういう中でもすごい悪いっていう感じには見えないから。そういうところでは流れが来れば、落ち着いてくるんじゃないかなと俺は見てるんだけど。 -継投の部分で岩崎は スグル(岩崎)がちょっと今日、使えない感じやったんで、まあまあちょっと、乗り切りたかったなっていうところやけど。 -最初から岩崎は考えない継投だった うんうんうん。 -大事に至る感じではない。 1年長いんで。 -加治屋、小林にとってはチャンス カジ(加治屋)で何とか1イニングいってくれるだろうというか。任したところでね。球数増えて、カウントね、四球出したくないというのが浮いたのかなというのもあるし。これはもう受け止めてやっていくしかないし。そういう競争のところにいる選手は多いんでね。1年間やる中で、こういう試合の中でどうつないでいくかというのはチームにとっても俺にとっても課題なのかなと思います。

◆阪神近本光司外野手が復調の兆しを見せた。同点に追いついた後の2回2死二、三塁。中日先発福谷が内角に投じた144キロに詰まりながらも振り抜き、二塁後方に落とした。走者が2人生還し、勝ち越しに成功。「いい所に落ちてくれてよかったです」とコメント。今季初タイムリーに一塁上では満面の笑みでガッツポーズも飛び出した。 昨年に続き、今年も開幕から不振に苦しんできた。3月27日ヤクルト戦の1打席目に安打を放ってから19打席ヒットから遠ざかった。この間は四死球もなく、1番の役割を果たせていなかったが、1日広島戦の安打から潮目が変わった。 タイムリー直後には今季2つ目の盗塁も決めた。また、7回には2番手鈴木博から三塁線に転がすセーフティーバントで2安打目と今季初のマルチ安打を記録。足でかき回す、本来の姿が戻りつつある。 矢野燿大監督も「練習ではすごい悪い感じじゃない。流れが来れば、落ち着いてくるんじゃないかと見ている」と信頼は厚い。開幕からチームで唯一フルイニング出場を続ける。徐々にではあるが、近本の笑顔の回数も増えてきている。【林亮佑】

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)は今季2度目の登板で粘りの投球を見せたが、初勝利を逃した。初回以外は走者を背負ったが、要所で抑えた。ボークによる失点だけで、6回7安打1失点。昨年までの同僚中日福留孝介外野手(43)との対決も実現し、この日最速158キロで見逃し三振を奪った。リリーフ陣の救援失敗で勝利投手の権利を失ったが、完全復活への道を確実に歩んでいる。99球目。藤浪は力の限り、中日代打福留の内角低めいっぱいに直球を突っ込んだ。2点リードの6回2死一塁、2ボール2ストライク。最後の1球はこの日最速の158キロだ。 「孝介さんはいいバッターですし、決め打ちされるとちょっとあれだなと思ったので。結構腕を振らないと仕留められる。イニング的にも勝負どころかなと思ったので腕を振りました」 渾身(こんしん)の1球は要求通り。梅野のミットは動かない。主審飯塚の手が上がる。大先輩は後輩の1球に納得したかのように、静かに三塁ベンチへ歩を進めた。 今季2戦目はホーム開幕ゲーム。2回2死三塁からボークで先制点を献上した後も大崩れしない。味方打線に逆転してもらうと、勝負どころで粘り続けた。 4回1死満塁。7番木下拓から153キロで空振り三振を奪い、大阪桐蔭の後輩でもある8番根尾もスプリットで二ゴロに仕留めた。5回裏2死満塁。今度は大阪桐蔭の先輩になる平田を153キロボール球で振らせ、右拳を握ってほえた。 「ああいう厳しいところで粘ってこそ。苦しい場面も多かったけど、なんとか粘れたかなと思います」 5回以降は今季再び採用したワインドアップから一時的にセットポジション投球へ変更。「セットの方がタイミングが合っていたので」。臨機応変な修正能力も頼もしい。 最後は昨季まで親身になってアドバイスをくれ続けた福留に、感謝の直球を投げ込んで笑顔。6回で7安打を浴びながら、6奪三振2四球で1失点と耐えた。 京セラドーム大阪は決して得意とは言えない球場だった。15年3月29日中日戦以来白星がなく、直近5戦で4連敗。そんな負のイメージを塗り替える粘り腰を披露すれば当然、首脳陣からの信頼はさらに高まる。 5回2失点と粘った開幕戦に続き、2戦連続でゲームメーク。矢野監督は「粘り切れたのは大きかった。だからこそ勝たしてやりたかった」と高評価した。 8回表、3番手加治屋が同点打を浴びた直後もマスクの下から大声で仲間を鼓舞し続けた。またも今季初勝利は逃したが、完全復活へ、エース道を1歩1歩進んでいることだけは間違いない。【佐井陽介】

◆阪神4番大山悠輔内野手(29)は4打数無安打に終わったが、元気な姿で周囲を安心させた。 前日1日広島戦の8回裏、一塁守備で送球を受けた際に打者走者西川と激突。しばらくは腹部を押さえて立ち上がれず、9回裏の一塁守備は陽川と交代していた。一夜明け、この日は試合前練習からフルメニューを消化し、中日戦にもフル出場した。

◆中日大島洋平外野手が後輩打ちで勝利を届けた。同点に追いついた直後の8回2死一、二塁。マウンドには阪神4番手、小林。自主トレをともにする日本生命の後輩だ。「余計に打たないと、と思った」と、141キロのツーシームを鮮やかにレフト前に運んだ。二走の木下拓哉捕手の足も考えての一打に「あそこしか木下が(ホームに)かえってこれないので狙っていた」と自画自賛の一打だった。 14年ぶりにチームに復帰した福留孝介外野手も日本生命の大先輩。「いろんな経験とか技術とか持っている方。僕自身もアドバイスもらったりする」と、日米通算2407安打の大打者の存在もプラスに働く。大島は開幕から7試合連続安打で絶好調。昨季2割2分4厘だった得点圏打率も4割2分9厘と勝負強さも見せる。「自分が思っていた以上に、いい状態でヒットが続いている。いい滑り出しもできている。このまま続けていきたい」。チームは開幕から2カード連続で1勝1敗1分け。初の勝ち越しへ2年連続最多安打のヒットマンがけん引する。 ▽中日木下拓(8回に同点の2点適時二塁打) (4回1死満塁で三振と)序盤にチャンスをつぶしていたので、取り返そうと思って打席に入りました。適時打を2本打てて良かった。 ▽中日高松(5回にプロ初安打となる一塁内野安打) 追い込まれていて、低目の変化球には手を出さないように、気持ちは左方向という感じでいました。バットが折れて、打球方向が見えた時、セーフになると思い全力で走りました。 ▽中日根尾(6回に大阪桐蔭先輩の藤浪から初安打) (4回2死)満塁のチャンスで打ちたかったです。 ▽中日福谷(5回5安打3失点も自責0) 自分らしいテンポで投げられました。2回は味方のミスを何とかカバーしようと、張り切ったのですがうまくいかなかったです。 ▽中日又吉(3番手で8回に登板し、今季3ホールド目) 大事なイニングだったので3人で抑えられて良かった。 ▽中日祖父江(9回を3人で抑え、3セーブ目) 福谷が試合を作って、中継ぎ皆でつないできた。しっかり抑えられるように投げた。

◆阪神糸原健斗内野手(28)が開幕戦からの連続試合安打を8に伸ばした。 4回1死、柳のカーブを引っ張って二塁内野安打を奪い、チーム初安打をマーク。打率は4割1分2厘と高水準をキープし、頼れる2番打者が打線の潤滑油となっている。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が試合前の打撃練習に参加し、54スイングで5本の柵越えを放つなど鋭い打球を連発した。  1日の広島戦(マツダ)で一塁守備の際、打者走者と交錯して途中交代。試合後、矢野監督は「いまのところ大丈夫。心配というところではないと思うんだけど」と話していた。この日、改めてグラウンドで元気な姿を見せ、状態に問題はなさそうだ。  また、ホーム開幕戦に合わせ、2021年度の選手のテーマソングが発表された。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は、大ファンと公言しているももいろクローバーZの「吼えろ」に決定した。

◆中日・福留孝介外野手(43)は昨季まで所属した阪神との今季公式戦初戦でベンチスタートとなった。試合前はウオーミングアップ中に近本、木浪らからあいさつを受けた。春季キャンプ中の2月20日に行われた阪神との練習試合(北谷)は無観客での開催だったため、虎党の前での竜のウエア姿は今季初披露。打撃練習でも23スイング中柵越えが2本で、ラストスイングで右翼5階席に放り込むなど元気なところを見せた。  昨年12月18日の古巣復帰会見では対戦したい阪神の投手を問われた際に「やっぱり(藤浪)晋太郎ですかね。皆さんが思っている以上にすごく苦しんで、頑張ってやっている姿は見てきている。なかなか同じユニホームを着ていると感じることはないですけど、敵として、本音はあまり対戦はしたくないですけど、打席に立って感じてみたいなという思いはあります」と話していた。今季初対戦で、先発マウンドに上がる元同僚との対戦は実現するか、注目だ。

◆中日・福留孝介外野手(43)が六回2死一塁の場面で代打で登場した。  昨年12月18日の入団会見で、阪神の投手で最も対戦したい選手に挙げた藤浪との対決。昨年まで味方につけていたスタンドの虎党からも,大きな拍手を浴びて打席に入った。初球が151キロ、2球目が149キロを計測した直球に、フルスイングで応えて連続ファウル。そこから2球は低めのスプリットを見極めたが、5球目は内角低めの158キロで見逃し三振に倒れた。  その後、左翼で先発出場した根尾に代わる形で、今季初めて守備に就いた。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(26)がホーム開幕戦に先発し、6回7安打6奪三振1失点で勝ち投手の権利を持って降板した。  「苦しい場面が多く、きれいなピッチングとはいきませんでしたが、何とか粘ることができてよかったです」。0-0の二回2死三塁からボークで先制点を献上したが、直後に木浪の同点打、近本の勝ち越しとなる2点打で逆転に成功した。  その後、2度の満塁機を無失点で切り抜けたあとの六回、2死一塁から昨季まで同じユニホームを着ていた代打・福留と対戦し、内角への158キロで見逃し三振に仕留めて、マウンドを岩貞に譲った。

◆中日が終盤に逆転した。1-3の八回、木下拓の2点二塁打で追い付き、大島の適時打で勝ち越した。九回も木下拓の2点二塁打で突き放した。好救援の鈴木が2勝目。藤浪が6回1失点にまとめた阪神は、3番手の加治屋らが誤算。

◆阪神はホーム開幕戦で逆転負け。自慢のリリーフ陣が失点を重ねた。  3-1の八回から登板した3番手の加治屋が1死から平田に四球を与えるとその後二、三塁とされ、木下拓に143キロを捉えられて2点打を浴びた。この回途中からバトンを受けた4番手の小林も流れを変えられず、2死一、二塁から大島に痛恨の左前適時打を浴びて勝ち越された。九回に登板した小野も2失点と突き放された。  先発した藤浪は二回2死三塁からボークで先制点を献上したものの、直後の二回の攻撃で木浪の同点タイムリー、近本の勝ち越しの2点打で一時逆転に成功。その後も右腕は2度の満塁機を無失点で切り抜け、6回7安打1失点で今季初勝利の権利を持って降板したが、勝利はつかめなかった。D1位・佐藤輝(近大)は4打数無安打だった。

◆阪神は中日に八回からの2回で5点を奪われて逆転負け。本拠地開幕を白星で飾れなかった矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。  ■勝たせてやりたかった  --藤浪はゲームをしっかり作った(6回1失点)  「まあピンチもあったけどね。粘り切れたというのは大きかったと思うし。だからこそ勝たしてやりたかったけどね」  --途中からセットポジションで修正  「マウンドの中でね、いろいろ感じることもあるし、そうやってゲームの中でやっていくっていうことはシーズンの中でも、これからも出てくるし。そういうのが引き出しになったり自信になったりすると思うので。本人が感じてやっていることなんで、まあいいんじゃない?」  ■近本がいい材料  --近本が当たってきたのが大きい(二回に2点タイムリー)  「そうやね、もちろん、いい材料もあるけど、だからこそ勝ちたかったなというところはまああるし、うーん...まあそういう感じかな」  --1日の試合後、矢野監督が近本の流れが来ると言っていた  「練習でもすごい悪いとかそういう感じじゃないから、結果出えへんかったら、焦りもあるし。すごい悪いっていう感じには見えないから。流れが来れば、落ち着いてくるんじゃないかなと俺は見てるんだけど」  ■岩崎が使えない  --継投の部分で岩崎は(八回以降救援陣で5失点)  「スグルがちょっと今日使えない感じやったんで、まあまあちょっと、乗り切りたかったなっていうところやけど」  --最初から岩崎は考えない継投だった  「うんうんうん」  --大事に至る感じではない  「もう1年長いんで」  --そういうところで  「うんうんうん」  --加治屋、小林にとってはチャンス  「カジで何とか1イニングいってくれるだろうというか。任したところでね。球数増えて、カウントね、四球出したくないというのが浮いたのかなというのもあるし。これはもう受け止めてやっていくしかないし」  (さらに続けて)  「そういう競争のところにいる選手は多いんでね。1年間やる中で、こういう試合の中で、どうつないでいくかというのはチームにとっても俺にとっても課題なのかなと思います」

◆中日は八、九回の5得点で逆転勝利。与田剛監督(55)の主な一問一答は下記の通り。--木下拓が八回に同点2点打  「ストライクとボールの見極めも、みんなできたと思うし、そういったところでバッテリーにプレッシャーをかけられたのかなと思う」  --大島もしっかりと勝ち越し打を決めた  「あそこは洋平のしぶとさ。それまでが凡打だったとしても、ここぞというところで決めてくれていると思います」  --計4失策。七回までは重苦しかった  「まあ、こういう試合もあるし、うまくいかないところはいつも言うように、しっかりと反省をして、練習をしていくこと。ミスも出ましたけど、みんなでカバーできた。投手もよく踏ん張ったし、最後まであきらめないでいい勝ち方ができたと思う」  --沈みがちになりそうなところだったが、逆転できる雰囲気はあった?  「ミスが出たあともベンチで、控えの選手がよく声を出してくれていた。レギュラークラスがああいうミスをすると落ち込むところですけど、控え選手が声を出して鼓舞する。それにエラーをした選手も元気づけられる、いい状態だったと思う」  --福谷は粘り強く5回3失点(自責0)  「しっかりとゲームを作ってくれた。ああいう展開で気持ちも落ち着いて、先発投手としてしっかりと投げてくれたと思います」  --2番に高松を抜てき  「相手投手に対して何とか機動力を使えないか、塁に出てかき回せないか、と。あいつもエラーもありましたけど、プロ初ヒットの記念日ですから喜んであげたい」  --福留が代打後、守備に就いた。今後もそういう起用法は  「もう1打席、イニングをまたいだら孝介に回るだろう、と。いい場面で打てませんでしたけどああいうチャンス、もう1打席立たせたいときには就かせようと思います」

◆中日の福留が昨季まで在籍した阪神戦に初めて出場し、タイガースファンからも大声援を浴びた。六回に代打で登場し、藤浪と対戦。158キロの内角直球で見逃し三振に倒れたが「ファンの声援はありがたかった。感謝しかない」と頭を下げた。  阪神時代は打ち込まれた藤浪とベンチで長く話し込むなど気に掛けてきた後輩だ。今季はボールをじっくり見ることが多かったが、直球に積極的にバットを出してファウル。力勝負を展開し「いい投手であることは変わりない。これからも対戦する機会はあるので、その時はしっかり打てれば」と再戦を待ち望んだ。 福谷(5回3失点。自責点は0点) 「自分らしいテンポで投げられた。二回は味方のミスを何とかカバーしようと張り切ったが、うまくいかなかった。また練習します」 根尾(大阪桐蔭高の先輩、藤浪から安打) 「満塁のチャンスで打ちたかった」

◆中日・福留孝介外野手(43)が六回2死一塁の場面に代打で登場。元同僚の藤浪との対決は、見逃し三振に終わった。  「いいピッチャーであることは変わりないし、これからも対戦する機会はあると思うので、その時はしっかりと打てるようにやれたらいいなと思います」  初球の151キロ、続く149キロと連投してきた剛速球にもフルスイングで応える。ともにファウルで追い込まれた形だが、3、4球目に投じられた低めへのスプリットはしっかりと見極めた。最後は内角低めの158キロ直球を見送り、球審の手が上がったが、見る者すべてを魅了する本気の5球勝負だった。  「やっぱり晋太郎ですかね。敵として、本音はあまり対戦はしたくないですけど、打席に立って感じてみたいなという思いはあります」  昨年12月18日の古巣復帰会見の席では、対戦したい元同僚を問われて即答した。あれから105日-。先輩の意地を見せるのは次回に持ち越しだ。  「ファンの声援はすごくありがたかったですし、声援をもらって感謝しかないです」  代打で凡退後は今季初の守備となる左翼にも入った。中日で守備に就くのは2007年7月15日の阪神戦(甲子園)以来、5010日ぶり。八回1死一、二塁の2打席目(結果は空振り三振)が終わるまで、今季からライバルとなる虎党も大きな拍手を送ってくれた。その温かみもまた力に変える。

◆フルスイングの魅力は色あせないが、三振も増えていく。阪神の怪物ルーキー・佐藤輝明内野手(22)の開幕7試合をどう評価したらいいのか? 本紙専属評論家・八木裕氏(55)は「内角攻めの挑発に乗るな」と指摘。オープン戦以来、結果を残してきた狙い球へのタイミングを絶対に変えず、甘い球を待て、とアドバイスを送った。 ■大きくなっているスイング  本塁打を期待される中で、ちょっとスイングが大きくなっているのは事実だろう。ボール球に手を出すことが増えているのを含めて、強引すぎる打ち方になっている。同時に目立つのが、内角の厳しいコースを振りに行っている。おそらく相手の内角攻めを頭に入れて打席に入っているからだろう。インハイ、インロー、すべて打ちにいっているのが現状だ。  この挑発に乗る必要はないし、乗ってはいけない。2ストライクになるまでは、甘めの球を待ち、真っすぐなら左方向へ。変化球なら引っ張る打撃を心掛ければいい。オープン戦の時のように。  この日の2打席目。変化球をうまくすくいあげて右飛だったが、あのアウトのなり方は悪くない。タイミングは合っていたし、ほんの少しの差で本塁打になってもおかしくなかった。 ■タイミングを変えてはダメ  もう1つ気を付けてほしいのは、狙った球を仕留めてきたタイミングを絶対に変えないこと。いくら内角の厳しいコースに来ようが、左方向へ快音を残してきた真っすぐを捉えるタイミングは、変えてはダメ。  この先、佐藤輝に求められるのは「打席でのまとめ方」。どういうプランで打席に入るのかを明確にする。その勉強をしていく必要がある。この相手投手はどういう球種で、どういう配球で攻めてくるか。その中で、どんな打撃をするかを頭に入れて打席に入ること。今は、そのまとめ方が不十分だから三振が多い。  基本的には先ほど指摘した「甘い球を待って、真っすぐは左へ、変化球は右へ」でいいと思う。2ストライクまでは厳しいコースは捨てて、甘い球を待つ。そういう考え方を続けていれば、悪い形にはなりにくい。(本紙専属評論家)

◆新たな古巣となった虎との今季公式戦初戦、その出番は六回2死一塁でやってきた。代打で登場した中日・福留が視線を送るマウンドには、阪神・藤浪。結果は見逃し三振も、真剣勝負を繰り広げた。  「いいピッチャーであることは変わりないし、これからも対戦する機会はあると思うので、その時はしっかりと打てるようにやれたらいいなと思います」  初球の151キロから、フルスイングで応えた。最後は内角低めの158キロにやられたが、見る者すべてを魅了する、本気の5球勝負だった。  昨年12月18日、14年ぶりの古巣復帰会見で対戦したい元同僚を問われると「やっぱり晋太郎ですかね。敵として、本音はあまり対戦はしたくないですけど、打席に立って感じてみたいなという思いはあります」と即答した。  2016年8月30日のナゴヤドームでは1回7失点(自責5)と打ち込まれた藤浪に福留はベンチで説教。苦しんだ投球内容ではなく、一塁ベースカバーなど当たり前のことをしなかったことにカミナリを落とした。あえて対戦相手に名指ししてから、105日-。先輩の意地を見せるのは次回に持ち越しだ。  「ファンの声援はすごくありがたかったですし、声援をもらって感謝しかないです」  代打で凡退後は今季初の守備となる左翼にも入り、八回1死一、二塁の2打席目(結果は空振り三振)が終わるまで、虎党は大きな拍手を送ってくれた。その温かみもまた、力に変える。(須藤佳裕)

◆阪神はホーム開幕戦(京セラ)で中日に3-6と逆転負け。二回に近本光司外野手(26)が一時勝ち越しとなる今季初タイムリーを放ったが、勝利には結びつけられなかった。開幕から低調だった新選手会長は、七回にセーフティーバントも決めて、今季初マルチも記録。もっともっと調子を上げて、チームの勝利に貢献するゾ!  執念のこもった打球が中前で弾んだ。開幕から調子の上がらなかった近本が二回、一時勝ち越しとなる適時打。虎党がメガホンをたたき、歓声を上げる中、一塁上で笑顔が輝いた。  「早い回に勝ち越しておきたかったので、いいところに落ちてくれてよかったです」  木浪の同点二塁打で1-1に追いつき、なおも2死二、三塁。カウント0-1から内角にきた福谷の144キロ直球を振り抜いた。  会心の当たり-とはならなかったが、何とかしたいという気持ちが乗り移ったのか、打球は二塁・高松の頭上を越え、走者2人をかえす適時打。今季7試合目、30打席目で初打点を記録すると、続く糸原の打席では2個目の盗塁も決めた。  さらに七回1死一塁、鈴木の2球目にバットを出すと、三塁線へ絶妙に転がした。一気に一塁を駆け抜け、内野安打。自慢の快足を生かした"らしい"ヒットで、こちらも今季初となるマルチ安打を記録した。  入団3年目で、球団史上最速で選手会長に就任。同学年には主将の大山や開幕投手でこの日、先発の藤浪らがおり、チームの中心を担う立場となった。「27歳になる年。中堅みたいな扱いをされるときもある」。すでに"若手"という考えはない。  リーダーとしての自覚も十分だ。春季キャンプでは新人や年下の選手を「キャンプのペースもわからないと思う」と気遣い、食事の際に近くに座れば「大丈夫?」「あまり無理するなよ」と声をかけた。グラウンド内外でチームをけん引している。  初打点&初マルチと復調の兆しを見せる近本に、矢野監督も「もちろん結果が出なかったら、焦りもある。そういう中でもすごく悪い感じには見えない。そういうところでは流れが来れば、落ち着いてくるんじゃないかな」と信頼を置いた。  リードオフマンが勢いに乗ってきた。まだシーズンは始まったばかり。グングンと調子を上げ、今度はチームに勝利をもたらす。(菊地峻太朗)

◆初星、スルリ-。阪神は2日、京セラでホーム開幕戦の中日戦に臨むも3-6で逆転負けし、4位に後退した。先発した藤浪晋太郎投手(26)は六回、昨季まで同僚だった福留孝介外野手(43)を渾身のストレートで三振に仕留めるなど6回1失点と力投したが、3月26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)に続いて白星ならず。野手のみなさん、次こそ勝ち星、つけてたってや!  藤浪がマウンドで笑みを浮かべた。お世話になった大先輩との真剣勝負に、9981人が詰めかけたスタンドから拍手が巻き起こる。三振に仕留めると、充実の表情でベンチへと歩を進めた。  「(福留)孝介さんはいい打者ですし、決め打ちされるとちょっとアレだなと思ったので。腕を振らないと(福留に)仕留められるなと思ったので勝負にいったのもありますし、イニング的にも勝負どころかなと思ったので、腕を振りました」  両軍ファンが待ち望んだ対決が実現したのは3-1の六回2死一塁。昨季まで8年間、阪神でプレーした福留が代打で登場すると、この日一番の盛り上がりを見せた。  1球目は高めの151キロでファウル。2球目も直球で追い込むと、今度はフォークを連投。2球ともきわどいボールの判定に、思わず苦笑い。最後はこの日最速の158キロを内角低めにズドン! 見逃し三振に斬った。 その他の写真(2/3枚)  昨年末の契約更改で福留との対戦について「勝負どころで回ってくると嫌なバッターなので、しっかり抑えられるように」と話していた。2016年8月にナゴヤドームで先発したときには、一塁へのベースカバーが遅れたことに「やるべきことをしっかりやれ」とベンチで叱責されたこともあった。成長を願い、時に厳しく接してくれた先輩を抑えたことが、何よりの恩返しになった。  今季2度目の登板は序盤から粘りの投球。二回2死三塁でボークを出して、先制点を献上。四回と五回には満塁のピンチを招いたが、無失点でしのいだ。  「ああいう厳しいところで粘ってこそだと思うので、しっかり抑えられたことは良かった」  6回7安打1失点で勝ち投手の権利を得て降板。しかし、八回に登板した加治屋が打たれ、今季初白星は幻と消えた。これで京セラドームでは2015年に勝って以来、勝ちがない。矢野監督は「粘り切れたのは大きかったと思う。だからこそ勝たせてやりたかった」と思いやった。  「あと1回は投げてリリーフへバトンを渡したかった。そこを課題点として、次も頑張りたい」と藤浪。次こそ勝つ。3度目の正直で今度は気持ちよく、笑顔でウイニングボールをつかんでみせる。(織原祥平) ★岩崎は「使えない感じやった」  痛恨の逆転負けの裏側には「八回の男」の"不在"があった。試合後、矢野監督は「優(岩崎)が使えない感じやったんで。乗り切りたかったところやけど」と明かした。前日1日の広島戦(マツダ)で八回に登板した岩崎は、1回無失点に封じたものの2安打を浴びるなど31球を要していた。岩貞-岩崎-スアレスとつなぐ形は、この日は当初から計算できなかった。岩崎の状態を問われた指揮官は「1年、(シーズンは)長いんで」と語り「こういう試合でどうつないでいくか、チームにとっても俺にとっても、課題なのかなと思います」と話した。

◆政府が悪~い!! 七回が終わって、藤浪の粘りの投球もあり、3-1とリードしていたのに八、九回で加治屋、小林、小野があっけなく打ち込まれ、終わってみれば涙の逆転負け...。ビェ~ン!!  コロナの影響から今季のプロ野球は九回で打ち切りだが、『まん延防止等重点措置』が適用される大阪なのだから、野球もいち早く、さらに短いイニングの七回で打ち切りにしておけば、阪神の勝利だったやないか!!...と菅総理さんにお願いしても、それどころじゃないだろうから、矢野監督に九回打ち切りの戦い方でお願いしたーい!!  ストッパー(阪神はスアレス)の解釈を今季は考え直すべきでは?  2点リードで八回1死一、三塁のピンチを迎えた阪神。あの場面でスアレスを投入していれば木下拓の同点打、そして大島の勝ち越し打は生まれなかったと思うのだ!!  ま、それ以前に二回に2つのエラー絡みで、もらった3点だけっていうのは、猛虎打線のバットは巣籠もりでも、しとんのか!?

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(2↑)
広島
421 0.667
(↑0.067)
-
(↓0.5)
13622
(+4)
16
(-)
5
(+1)
0
(-)
0.274
(↑0.005)
1.860
(↑0.31)
2
(1↓)
巨人
322 0.600
(↓0.15)
0.5
(↑0.5)
13628
(-)
24
(+2)
5
(-)
6
(-)
0.220
(↓0.012)
2.900
(↑0.16)
2
(2↑)
中日
322 0.600
(↑0.1)
0.5
(↓0.5)
13623
(+6)
22
(+3)
1
(-)
6
(+1)
0.229
(↑0.016
2.470
(↑0.42)
4
(2↓)
阪神
430 0.571
(↓0.096)
0.5
(↑0.5)
13632
(+3)
24
(+6)
8
(-)
5
(+1)
0.244
(↓0.013)
3.540
(↓0.42)
5
(-)
ヤクルト
331 0.500
(↑0.1)
1
(↑0.5)
13633
(+2)
39
(-)
7
(+1)
6
(+1)
0.247
(↓0.014)
5.290
(↑0.88)
6
(-)
DeNA
052 0.000
(-)
3.5
(↓0.5)
13631
(-)
44
(+4)
2
(-)
0
(-)
0.267
(↓0.025)
6.050
(↑0.35)