広島(★3対6☆)阪神 =リーグ戦3回戦(2021.04.01)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:秋山 拓巳(1勝0敗0S)
敗戦投手:中村 祐太(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】糸原 健斗(1号・3回表3ラン),佐藤 輝明(2号・6回表ソロ)

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◆阪神は初回、マルテの犠飛で幸先良く1点を先制する。その後は3回表に糸原の3ラン、6回には佐藤輝のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・秋山が7回2失点の好投で今季初勝利。敗れた広島は9回に一打同点の好機をつくるも、あと一歩及ばなかった。

◆阪神は開幕3連勝で乗り込んだ広島で連敗となった。矢野燿大監督(52)との一問一答は次の通り。 -先発伊藤将はもったいないところと、いい面も出た投球 そうやね。落ち着いて投げられていた。初登板で将司の持っている持ち味っていうのは、打たれながらも粘るとか、制球よくというか、そういう風には全体的には投げられていた。2アウトからピッチャーに打たれた、あそこくらいかな。やっぱりもったいないっていうのはね。そういうのも勝つっていうところは簡単じゃない。気を抜いたわけではないと思う。ヒットの数はある程度それなりに打たれたけれど、内容的にはらしいピッチングができたと思います。 -糸原は3安打でチャンスメーク 健斗(糸原)はらしさというか、ずっといい感じで来てるから。チカ(近本)がね、やっぱ上がってくるとうちの攻撃っていうのができるけど。まあまあ我慢やね。 -佐藤輝はプロの壁  振り返れば、そこが壁ということになってくる可能性はあると思うけど。シーズンに入ったら、こういうふうに攻められるというのは十二分に考えられること。俺が早く壁に当たったらと言うのもね。あんまり壁がなく、ここまで来たんでね。そういうところでは、この悔しさを乗り越えて成長していくというのは、みんな通る道。プロというのは、こういう世界なんで、やられたらやり返すしかない。そういう悔しさを持ってやってくれたらいいんじゃないかなと思います。 -遊撃山本が3回に好捕 あれビックプレーだったね。あれはほんまむちゃくちゃ難しいプレーだったと思うし、ヤス(山本)らしく球際でね。ああいうふうに捕ってくれるのはすごく助かった。そういうところは安心して使える選手。こっちとしてはいろんな部分ではめやすい選手かなと思います。

◆ともに好調の「2番・二塁」に注目。広島菊池涼介内野手(31)は打率5割2分4厘で、得点圏でも3打数3安打4打点。一方の阪神糸原健斗内野手(27)も打率4割7分6厘と好調。両選手とも開幕から5試合すべて安打を打っているが、今日も打つか。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神は昨季チームトップタイの11勝を挙げた秋山拓巳投手(29)が先発。昨年は3敗しかせずチームに貯金8をもたらした。制球よく安定感のある投球でチームの連敗ストップを期待される。開幕5試合で12球団ワーストの11三振を喫したドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は変わらず6番右翼で先発出場。 広島は8年目の右腕中村祐太投手(25)が先発する。昨季は9月から1軍に定着し8試合で3勝4敗、防御率2・31をマーク。阪神には11月7日に1試合先発し、6回に大山に28号ソロを許すなど6回6安打2失点で敗戦投手となっている。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が、試合前に井上ヘッドコーチから密着指導された。 練習前に約10分間、身ぶり手ぶりで教えを受けた。フリー打撃中にも、井上ヘッドコーチ、北川打撃コーチからアドバイスを受ける場面も。連発やバックスクリーン右横への打球もあり、29スイング中4本の柵越えを披露した。 佐藤輝は前夜3月31日の試合で、4打数無安打3三振を喫した。30日に右前打を放ったが、2戦で計6三振と苦戦中。3月27日ヤクルト戦(神宮)以来の1発は出るか。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、この日も「6番・右翼」でスタメン出場し、2回の第1打席は空振り三振に終わった。 広島3連戦の1戦目、2戦目とそれぞれ3三振し、試合前の時点で開幕5試合11三振は12球団ワーストだが、この日も積極的にスイングした。 初球の変化球を見逃し1ストライク。2球目の外角低めへ落ちる変化球を空振り。3球目内角へのボール球の直球は見送ったが、4球目内角直球を振りにいったが、空振り三振に終わった。

◆阪神が1回にジェフリー・マルテ内野手(29)の中犠飛で3試合ぶりに先制した。1回1死から2番糸原が左越え三塁打でチャンスをつくり、続く3番マルテが中堅右へ深々と打ち上げた。 マルテは「いつもオレがヤルという気持ちで打席に入っているよ。先制することができて良かったし、今日は勝つ!」と連敗ストップへ強い気持ちでコメントした。

◆阪神糸原健斗内野手(28)が3回に今季1号となる3ランを放った。1点リードした3回1死一、二塁。フルカウントから、広島先発中村祐の甘く真ん中へ入ってきたスライダーを逃さず右翼席へライナーでたたき込んだ。「(先発の)秋山さんもリズムよく投げてくれていますし、早い回に追加点が欲しかったので、仕留めることができて良かったです」とコメントした。 糸原はこの日1回の第1打席でも左越え三塁打を放ちマルテの先制中犠飛につなげた。開幕から好調で6試合すべてで安打をマークしている。広島中村祐とは過去4年の対戦で通算6打数4安打と得意としている。

◆珍しいプレーが起こった。阪神が4-0とリードして迎えた4回無死一塁の場面。 阪神の6番佐藤輝が高々と三飛を打ち上げた。三塁手堂林から中村祐にボールが渡るすきを逃さず、一塁走者のジェリー・サンズが猛ダッシュ。二塁を陥れた。このプレーで野選が記録された。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が4戦ぶりの2号ソロを放った。5点リードの6回2死。広島中村祐のチェンジアップを逃さず、右翼席へ弾丸ライナーでたたき込んだ。「抜けてきたチェンジアップをしっかり仕留めることができました」。この日もカメラに向かって大好きなアイドル「ももいろクローバーZ」の「Zポーズ」を決めた。 「打てない悔しさを持っていましたし、これからもっと打つことができるように頑張ります」と思いを隠さなかった。広島3連戦の1戦目、2戦目は3三振ずつ喫し、この日の試合前までの5試合で11三振は12球団ワーストだった。試合前練習では井上ヘッドコーチから下半身や右足の使い方を指導されていた。結果が出なくても、積極的にフルスイングを続けた。2回の第1打席では内角直球を空振り三振。第2打席も初球からバットを振った。 佐藤輝は守りでチームに貢献していた。5回に松山が右翼へ放ったライナーをスライディングキャッチ。その直後の2号ソロとなった。ドラフト制後の新人が開幕2カード連続で本塁打を放つのは89年の日本ハム中島輝士以来で、セ・リーグでは初。前日3月31日の試合後に矢野監督は「悔しさを乗り越えて成長していくというのは、みんな通る道」と話していたが、自らのバットで乗り越えていく佐藤輝は、やはり並みの新人ではない。【石橋隆雄】 ▼ルーキー佐藤輝が6回に2号ソロ。佐藤輝は開幕カードのヤクルト戦(神宮)でプロ1号。阪神の打者が開幕から2カード連続本塁打は17年糸井以来。ドラフト制後に入団した新人は89年中島(日本ハム)以来2人目で、セ・リーグの新人では初めてとなった。中島は本拠地の開幕カード、敵地の2カード目で1本ずつ打ったが、佐藤輝は2本とも敵地で記録した。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が2打席目に高々と打ち上げた三塁への飛球が珍しいプレーを呼んだ。 4回無死一塁、佐藤輝は初球の内角へ食い込む変化球を打ちにいくも、マウンド付近への飛球となった。三塁手堂林が体勢を崩しながらもキャッチしたが、その後の相手の隙を見て、一塁ベースに戻っていた走者サンズがタッチアップで、誰もいない二塁へ進塁した(記録は三塁手堂林の野選)。 後続が倒れ得点にはつながらなかったが、積極走塁を掲げる阪神らしいプレーだった。

◆広島先発の中村祐太投手が6回6失点で降板した。 1回に犠飛で先制点を奪われると、3回には糸原に3ランを浴びた。6回には佐藤輝のソロなどで2点を失った。「イニングの先頭は切っていきたい」と話していたが、3回と6回は先頭打者の出塁から失点。守備のミスに足を引っ張られ、粘ることもできなかった。広島先発投手が開幕から続けていたクオリティースタート到達は今季6試合目で途切れた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)の2打席連続本塁打はならなかった。6回に2号ソロを放ち、8回の第4打席も注目されたが、広島2番手島内の低めの落ちる球に空振り三振を喫した。この日も2つの三振を記録したが、結果を恐れずスイングし続ける。

◆阪神秋山拓巳投手(29)が今季初登板で7回5安打無四死球2失点と好投した。 5回終了時点まで打者15人を相手に完全投球。6回は先頭クロンから2連打で無死一、二塁とされた後、代打長野を遊ゴロ併殺打、1番田中広を空振り三振に仕留めた。 7回2死二、三塁から堂林に2点打を許したが、きっちり試合を作った。8回も1度マウンドに上がった後、相手打者を確認してから2番手岩崎と交代。4点リードの状況で、今季初勝利の権利を持って降板した。

◆広島西川龍馬内野手(26)が、アクシデントによる負傷で途中交代した。 8回2死一、三塁の打席で三ゴロを放ち、三塁手山本の一塁への送球が上にそれ、跳び上がって捕球した一塁手大山と一塁ベース手前で接触し、その場で2人が倒れ込んだ。西川はグラウンドでうずくまり、トレーナーに両肩を担がれて、ベンチへと下がっていた。

◆阪神は初回、マルテの中犠飛で先制。3回には糸原の右越え1号3ランでリードを広げた。広島は3回まで無安打無得点。 阪神は6回、サンズの中犠飛、佐藤輝の右越え2号ソロで2点を追加。広島は先発秋山を攻略できず、6回まで2安打無得点。 広島は7回に2点、9回に1点を奪うも追い上げ届かず。引き分けを挟んだ連勝は3でストップ。秋山が1勝、中村祐が1敗。

◆阪神がマツダスタジアムで今季初勝利を飾った。 初回に2番糸原が左翼へ三塁打を放つと、3番マルテの犠飛で先制。さらに、3回には1死一、二塁で糸原が右翼スタンドへ3ランを放り込み、突き放した。6回にはサンズの犠飛と佐藤輝の2号ソロでリードを広げた。 援護をもらった先発秋山は、5回まで無安打と完璧な投球。7回に2死二、三塁から堂林に2点打を浴びたが、7回5安打2失点と安定感ある内容だった。8回は岩崎が無失点。9回はスアレスが1点を失ったがリードを守り、敵地での3連敗を阻止した。

◆阪神近本光司外野手は20打席ぶりの安打に笑顔を見せた。 5回1死から右前にライナーを弾ませ、7回1死一塁では四球も選んだ。矢野監督は不動のリードオフマンについて「チカが出ることが一番うちの野球のポイントになる。1本1本のヒットが気持ちの落ち着きとか、そういうものになってくる。もちろんもう1本ほしかったやろうけど、明日以降、近本の流れって絶対来ると思う」と期待した。

◆阪神がマツダスタジアムで今季初勝利を飾った。 初回に2番糸原が左翼へ三塁打を放つと、3番マルテの犠飛で先制。さらに、3回には1死一、二塁で糸原が右翼スタンドへ3ランを放り込み、突き放した。6回にはサンズの犠飛と佐藤輝の2号ソロでリードを広げた。 援護をもらった先発秋山は、5回まで無安打と完璧な投球。7回に2死二、三塁から堂林に2点打を浴びたが、7回5安打2失点と安定感ある内容だった。8回は岩崎が無失点。9回はスアレスが1点を失ったがリードを守り、敵地での3連敗を阻止した。◆阪神矢野燿大監督語録 -先発秋山が好投 矢野監督 チーム的には嫌な流れになっていた。アキがしっかりした投球をしてくれたというのは一番の勝因だとは思う。アキらしく丁寧にね。シーズンの最初の登板ってね。そんなに簡単じゃないと思うんだけど。それをアキらしくやってくれるというのが頼もしいなという感じで見ていました。 -糸原が好調 矢野監督 ランナーはかえしてくれるだろうとは思っていたけど、最高の形でね。ホームランでね。あれで、ムード的に重たいのが楽になった。序盤のあの3点は大きいね。 -佐藤輝は悔しさを持っていたと 矢野監督 もちろん、こんなことの繰り返しだし、今日のホームランというのは何かのきっかけにしてくれたらなと思う。まだ自分で引き込んで打ったホームランではないんで、そういうところでは、こういう風に(厳しく)攻められるんだっていうのがこの広島戦で初めて分かったようなね。今までのオープン戦とはまた違う、ピッチャーのレベルっていうか、もちろん変わってくる。その中でどう対応していくか。ずっと俺が壁に当たったらいいのにっていうのが、もしかしたらこれが最初のそういうものかもしれん。でもこれはずっとくること。でも逆に守備とか頑張ってたから。打つだけじゃないんで。打つのが特長やけど、そういうところからリズムというか、そういうのを大事にしてもらえたらなと。 -苦しんでいた近本も四球と安打が出た 矢野監督 1本1本の積み重ねしかないし、チカが出ることでっていうのが一番うちの野球のポイントになると思うんで。そういうところでは一本一本のヒットが気持ちの中の落ち着きとか、そういうものになってくると思う。もちろんもう1本欲しかったやろうけど、明日以降、近本の流れって絶対来ると思うから。 -サンズが4回に隙をついた好走塁 矢野監督 もともとね。サンズはそういう意識も高いし、チームとしてももちろん大事やし。まあサンズの隙を突いたという走塁も見事やったし、逆にマルちゃんがあそこのタッチアップでかえってきたというのもチームとしても勢いつくし、価値もある。そういうところではあの2人が打つことだけじゃなくて、そういう部分でも勢いとかムードを作ってくれたし。まあ、すごくいい走塁やったかなと思います。 -大山が最後に交錯 矢野監督 あれはちょっとね。今のところ大丈夫。心配というところまではないと思うんだけど。ヤス(山本)のプレーも大きかったし、悪送球もあったけど、最後の9回。

◆阪神守護神ロベルト・スアレスは5試合ぶりのマウンドで最終回を締めた。 開幕戦の3月26日ヤクルト戦でセーブを挙げた後は出番がなく、4点リードの9回に登板。4番鈴木誠の右前打から5番松山に中越え適時二塁打を浴びたが、1失点で切り抜けた。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が驚きの「神走塁」で敵地マツダスタジアムを沸かせた。4点リードの4回無死から四球で出塁。次打者の6番佐藤輝が高々と打ち上げた三飛を堂林が処理した後、内野陣がマウンドに集まったスキを見逃さなかった。ボールが投手中村祐に渡る間にタッチアップ。スルスルと二塁を陥れた。記録は守備陣のスキを突いたという意味合いで野選。得点にはつながらなかったが、「足攻めの虎」を印象づけた。 この日は4試合ぶりの無安打に終わるも、4点リードの6回1死三塁からはきっちり中犠飛をマーク。間一髪でホームインした三塁走者マルテに「本当に良く走ってくれた」と感謝するスタイルが頼もしい。矢野監督も「サンズのスキを突いた走塁も見事やったし、マルちゃんがタッチアップでかえってきたのも勢いがつくし、価値もある」と助っ人2人をたたえた。

◆阪神4番大山悠輔内野手は終盤の負傷で途中交代した。8回表には左前にポトリと落ちる二塁打を放った。 一塁守備に回っていた8回裏2死一、三塁。三ゴロ送球を受けた際に打者走者西川と激突。なんとかタッチしたが、しばらく腹部を押さえて立ち上がれなかった。9回裏の一塁守備は陽川と交代。 矢野監督は「今のところ大丈夫。心配というところまではないと思う」と説明した。

◆広島西川龍馬内野手(26)が1日、阪神3回戦(マツダスタジアム)で途中交代した。8回2死一、三塁の打席で三塁へのゴロを放ち、サードからの送球が上にそれ、飛び上がって捕球した一塁大山とベース手前で激突。その場で2人が倒れ込んだ。 大山と交錯した際に下半身を痛めたもようで、トレーナーに両肩を担がれてベンチへと下がり、9回の守備には就かなかった。蔦木トレーナーは「今日は病院には行きません。明日(2日)の状況を見ての判断になると思います」と説明した。現状では2日からの関東遠征に同行する予定。

◆プロの壁にぶつかった阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が悔しさを胸に、プロ2本目のアーチを描いた。6回に19打席ぶりとなる2号ソロ。新人選手の開幕2カード連続本塁打はドラフト制後、セ・リーグ初。開幕から相手投手の厳しい攻めに三振の山を築いているが、逆襲のひと振りとなった。バットを振らなければ何も始まらない。三振を重ねても佐藤輝は自分のフルスイングを貫いた。6回2死、広島中村祐の真ん中へのチェンジアップを逃さず、右翼席へ弾丸ライナーでたたき込んだ。「抜けてきたチェンジアップをしっかり仕留めることができた。思い切って振った結果、1本出てよかった」。この日もカメラに向かって笑顔で大好きなアイドル「ももいろクローバーZ」の「Zポーズ」を決めた。 「打てない悔しさを持っていました」と思いを隠さなかった。広島3連戦の1戦目、2戦目は3三振ずつ喫した。開幕2戦目ヤクルト戦の1打席目での初本塁打以降の18打席で17打数2安打。うち三振は「11」だった。この日の試合前には井上ヘッドコーチと10分ほど話し込んだ。井上ヘッドはレギュラーとしての心構えを伝え、好調時と不調時の違いをアドバイスした。 試合前の打撃練習では変化球も交え、直球でも変化球でも常に同じタイミングで球に合わせることを体に覚えさせている。佐藤輝は「細かい打撃フォームのことを井上ヘッドや北川さんにも言われて。ちょっと当たっていないので、アドバイスも参考にしながら、しっかり打撃フォームを見つめなおしたい」と、不振脱出へもがいている。 この日も2つ空振り三振し、6試合で13三振は12球団ワースト。振ることにためらいはないのかと問われると「それはあまりない」と答えた。井上ヘッドも「あれだけ振られたら相手も怖い。三振が多いのは、逆に言えばほかの人間が持っていない裏返し」と長所だと見ている。 新人選手の開幕2カード連続本塁打は、ドラフト制後では89年日本ハムの中島以来だ。セ・リーグでは初。2日からは地元関西に戻り、ホーム開幕となる中日3連戦(京セラドーム大阪)。開幕3カード連続ならば、球界初の快挙となる。チームの連敗も2で止まり、2位に浮上した。井上ヘッドは「ポーカーフェースだから、あいつは何を考えているのか分からない」と話す。試練に直面しても打撃スタイルや表情は崩さない。怪物スラッガーが逆襲の時を迎えた。【石橋隆雄】 ▼ルーキー佐藤輝が6回に2号ソロ。佐藤輝は開幕カードのヤクルト戦(神宮)でプロ1号。阪神の打者が開幕から2カード連続本塁打は17年糸井以来。ドラフト制後に入団した新人は89年中島(日本ハム)以来2人目でセ・リーグの新人では初めてとなった。中島は本拠地の開幕カード、敵地の2カード目で1本ずつ打ったが、佐藤輝は2本とも敵地で記録した。 阪神矢野監督(2号ソロの佐藤輝に)「もちろん、こんなことの繰り返しだし、今日のホームランというのは何かのきっかけにしてくれたらなと思う。こういう風に(厳しく)攻められるんだっていうのが、この広島戦で初めて分かったようなね。ずっと俺が壁に当たったらいいのにっていうのが、もしかしたらこれが最初のそういうものかもしれん。でもこれはずっとくること」

◆広島打線が天敵の阪神秋山拓巳投手を攻略できず、単独首位から1日で3位に転落した。 昨季6試合で4勝を献上した相手に5回まで完全投球を許し、試合の主導権を握られた。秋山には昨年から5連敗。佐々岡監督は「去年やられた分、いろいろ策を練っていたんだけど、まだまだ(徹底)できなかった」と悔やみ、「6、7回は意識が見えたので、それを早い段階からみせてほしかった」と奮起を促した。チームは引き分けを挟んだ連勝は3で止まった。

◆広島先発中村祐太投手が6回6失点(自責5)で今季初黒星を喫した。 初回に先制を許すと、3回には糸原に3ランを被弾。6回には佐藤輝に右越えソロを浴びるなどさらに2点を失い、この回で降板した。「打たれている球も高いですし、初回に失点してしまい、リズムを崩してしまった。修正するところは修正して、よかったところは継続していきたい」。広島先発投手が開幕から続けていたクオリティースタート到達は今季6試合目で途切れた。

◆阪神糸原健斗内野手が3ランを含む2安打3打点と勝利をたぐり寄せた。初回1死からフェンス直撃の三塁打でチャンスメークし、直後にマルテの犠飛で先制のホームイン。さらに3回1死一、二塁でフルカウントから甘く入ったスライダーを振り抜いた。右翼スタンドに飛び込む3ランでリードをさらに広げた。 「もらったミスだったので、絶対につけ込もうと」。近本が相手失策でチャンスを広げた直後に、試合の流れを呼んで効果的な1発を放った。ベンチ前では小指と人さし指を立てて両手を前に出す、糸井伝授のポーズも初披露。チームの一体感を生み出した。 マルチ安打で打率4割6分2厘。開幕から6試合連続安打と絶好調だ。矢野監督も「ランナーはかえしてくれるだろうとは思っていたけど、最高の形でね。ムード的に重たいのが楽になった。序盤のあの3点は大きいね」と評価した。 昨年はけがもあり、63試合の出場にとどまった。「去年、めちゃくちゃ悔しい思いをしているので、今年にぶつける。チームに貢献できるように頑張りたいです」。今年から矢野監督に「名誉キャプテン」に指名された背番号33がチームを支える。【林亮佑】

◆広島は守備の乱れから失点を重ね、連勝が止まった。1点ビハインドの3回に今季チーム2つ目の失策から糸原の3ランにつながり、4回1死一塁から一瞬の隙を突かれてサンズに二塁進塁を許した。開幕から投手を中心にリーグ最少1失策で3勝1敗1分けの好スタートを切った広島が、守備からほころびが生じて首位陥落。佐々岡真司監督(53)は敗戦を教訓に、横浜からの巻き返しを誓った。スコアボードに記された1失策だけではない守備のミスが試合を重くした。ガードを固めて白星を積み重ねてきた広島が守備のほころびから失点を重ねた。連勝は止まり、首位から3位へ。河田ヘッドコーチは試合後「ちょっとピリッとさせないといけないかな」と厳しい表情を見せた。 4点ビハインドとなった4回無死一塁。佐藤輝を三飛に打ち取った直後、インプレーのまま二塁ベースのカバーも離れ、投手中村祐がボールを保持。エアポケットのような一瞬の隙を一塁走者サンズに突かれ、スルスルと二塁を奪われた。失点にはつながらなかったものの、河田ヘッドコーチは「そういうところを突かれたというのは、流れ的にそういう感じになってしまったのかなと思う」と連勝ストップの敗戦を象徴するシーンに首をひねった。 開幕戦以来の失策は0-1の3回。1死一塁から近本のヒットエンドランでの打球は遊撃田中広の正面に転がるも、グラブからこぼれた。一、二塁とピンチを広げ、先発中村祐はフルカウントから投じたスライダーが甘くなり、糸原に3ランを浴びた。6回1死三塁からはサンズの中堅定位置よりやや前に飛球で三塁走者マルテにタッチアップを許し、続く佐藤輝のソロでダメ押し点を奪われた。 引き分けを挟んでの連勝は3で止まり、首位から陥落した。それでも4点ビハインドの9回に阪神抑えスアレスから松山の今季初安打で1点を返すなど意地は示した。河田ヘッドコーチは「明日に向けて、いい傾向は見えた」と意味のある敗戦となることを期待した。2日からは今季初遠征となる横浜でのDeNA3連戦。佐々岡監督も「(ミスは)なくしていかないといけない。集中力というところをもう1回引き締めて、またやっていきます」と手綱を締めた。【前原淳】

◆広島ロベルト・コルニエル投手(25)が、プロ初登板で1回1安打無失点と快投デビューを飾った。4点ビハインドの9回に登板。1死から代打中野に左翼線への二塁打を許したものの、最速155キロの直球を軸とした投球で、近本、糸原から連続で空振り三振を奪った。右腕は「緊張はしなかった。リラックスできていた」と振り返った。 コルニエルは育成選手ながら2月春季キャンプは1軍スタート。オープン戦でも存在感を示し、開幕直前に支配下選手登録を勝ち取っていた。

◆カープキラー襲名! 阪神秋山拓巳投手(29)が、今季初マウンドで初勝利をつかんだ。「この広島戦に当てられているという意味を自分なりにしっかり考えて、初回からしっかり投げることは出来たと思います」。すいすいと投げ続けて7回5安打2失点。昨季4勝0敗だった相手を今年も抑え込んだ。 緩いカーブにフォーク、変化球を低めに投げ分け、凡打の山を築いた。5回まで無安打無四球の完全試合ペース。「4回に気づいて、めったにないことだったので、自分から野手には『気にすんなよ』っていう話はしてました」。記録を意識した野手陣が硬くならないよう、気遣う余裕も見せた。 6回に先頭のクロンにこの日初安打を許し、7回は連打から2点を失ったが、流れは渡さなかった。「チームが3連勝して連敗していたんで、そこを一番気を付けた。3連敗するわけにはいかないなというのは強かった」。投球もふるまいも、全てが頼もしかった。 11勝を挙げた昨季からさらに進化した。踏み出す歩幅を6歩から6歩半に。カットボールは曲がりを小さくし、磨きをかけた。球団関係者との会話の中では、後輩を思う言葉も増えた。自分の投球だけでなく、後輩が試行錯誤する様子も陰で見守っている。今春の1軍キャンプには、19歳の西純が最年少で参加。「僕が面倒を見ます」と力強く言い切ったという。今年でプロ12年目の30歳。チームを引っ張る自覚にあふれている。 矢野監督は「アキがしっかりした投球をしてくれたというのは一番の勝因だとは思う。アキらしく丁寧にね」と、連敗を止めた右腕の好投をたたえた。これで昨季から広島戦5連勝。「チームは優勝に向かって必死に頑張っているので、1つでも多く力になれるように、みんなで力を合わせて頑張りたい」。頂点を目指して、白星を積み重ねる。【磯綾乃】

◆阪神サンズが驚きの「神走塁」で敵地マツダスタジアムを沸かせた。4点リードの4回無死から四球で出塁。次打者の6番佐藤輝が高々と打ち上げた三飛を堂林が処理した後、内野陣がマウンドに集まったスキを見逃さなかった。ボールが投手中村祐に渡る間にタッチアップ。スルスルと二塁を陥れた。記録は守備陣のスキを突いたという意味合いで野選。得点にはつながらなかったが、「足攻めの虎」を印象づけた。 この日は4試合ぶりの無安打に終わるも、4点リードの6回1死三塁からはきっちり中犠飛をマーク。間一髪でホームインした三塁走者マルテに「本当に良く走ってくれた」と感謝するスタイルが頼もしい。 矢野監督も「サンズのスキを突いた走塁も見事やったし、マルちゃんがタッチアップでかえってきたのも勢いがつくし、価値もある」と助っ人2人をたたえた。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が練習開始前に井上ヘッドコーチから5分以上にわたって打撃指導を受けた。井上コーチが身ぶり手ぶりを使ってアドバイスを送り、佐藤輝は真剣な表情で耳を傾けた。  前日31日には3打席連続で空振り三振を喫するなど、ここまで12球団ワーストの11三振。5試合の出場で打率・158(19打数3安打)と苦しんでいる黄金ルーキーがコーチ陣からメスを入れられ、不振脱却を目指す。

◆阪神・糸原健斗内野手(28)が1-0の三回、今季1号3ランを放って、リードを4点に広げた。  「秋山さんもリズムよく投げてくれていますし、早い回に追加点がほしかったので、仕留めることができて、最高の結果になってよかった」  三回、先頭の木浪が左前打。1死後、近本が遊ゴロ失で出塁し、1死一、二塁だ。カウント3-2からの7球目。広島の先発・中村祐のスライダーを右翼スタンド最前列に運んだ。  糸原は一回1死からは左越えの三塁打。続くマルテの中犠飛で先制のホームを踏んだ。前日まで打率・476(21打数10安打)と絶好調。この日も序盤に2安打を放って打率は5割を超え、開幕から6試合連続安打と絶好調だ。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が1点を追加し、5-0とした六回2死走者なしで、右翼席中段に、4試合ぶりとなる今季2号ソロを放った。  「抜けてきたチェンジアップをしっかり仕留めることができました。打てない悔しさを持っていましたし、これからもっと打つことができるように頑張ります」  広島の先発・中村祐のチェンジアップをフルスイングすると、打球は右翼席中段に弾丸ライナーで突き刺さった。開幕2戦目の3月27日のヤクルト戦(神宮)の第1打席でプロ初アーチ。それ以来となる19打席ぶりの一発だった。  前日までの2試合は8打数1安打で6三振。この日も第1打席で空振り三振、第2打席で三飛に倒れ、7打席連続無安打だっただけに、ホッとした表情をみせた。

◆阪神は6-3で広島を破り、連敗を2で止めた。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が5-0とした六回、右翼席中段に4試合&19打席ぶりとなる今季2号ソロを放った。  前日までの2試合は計6三振だっただけに「打てない悔しさを持っていましたし、これからもっと打つことができるように頑張ります」と表情を緩めた。  試合は一回にマルテの中犠飛で先制すると、三回1死一、二塁から糸原が1号3ラン。六回にはサンズの中犠飛でリードを5点に広げ、佐藤輝の一発で加点した。  先発した秋山は五回までパーフェクト投球。七回に堂林の2点タイムリーを浴びたが、7回90球で5安打2失点、無四球の好投。今季初登板を白星で飾った。

◆佐藤輝の一発は、捕手が外に構えていたのに内に入ってしまった、完全な失投。しっかり捉えれば、スイングスピードは素晴らしいから簡単にホームランにできる。三振が多いとか言われるが、6試合で2発。十分に合格点だ。 ■積極性を意識しすぎ  自分がローボールヒッターだということを忘れてはいけない。低めに強いのだから、早いカウントでの高めは無理して振る必要がない。なのに積極性を意識しすぎているのか、初球の高めを振って空振りやファウル。2球目の内角の難しい球を振ってファウル。すぐに追い込まれるケースが目立っていた。そして、外の変化球を空振り。抑えられているときは同じようなパターンが多い。 ■甘い球は必ず来ると信じて待てばいい  早いカウントでは高めを見極めて、低めに絞って待つこと。微妙な制球ができる一流投手ばかりではない。1試合に甘い球は必ず何球か来ると信じて待てばいい。  もちろん、これからは四球で塁に出るなど、チームの勝利のための打席も必要になる。学ぶことはまだまだ多いが、今は低めに絞って、失投を待つ姿勢でいい。(元阪神ヘッドコーチ、サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神は広島に6ー3で快勝。阪神・矢野耀大監督(52)は好投した先発・秋山、4試合&19打席ぶりの本塁打を放ったD1位・佐藤輝(近大)らについて言及。一問一答は以下の通り。  ■一番の勝因  --秋山が好投(7回2失点)  「チーム的には嫌な流れになっていた。アキがしっかりした投球をしてくれたというのは一番の勝因だとは思う。アキらしく丁寧にね。シーズンの最初の登板ってね。そんなに簡単じゃないと思うんだけど。それをアキらしくやってくれるというのが頼もしいなという感じで見ていました」  --真っすぐもカーブもいい  「全部やけどね。カットも、フォークも。すべての球種を使いながらね。高さも気をつけて、コースも気をつけてというね。だからベース上でのスピードガンよりも来るよなというピッチャーだから」  --糸原が好調(三回に1号3ラン)  「ランナーはかえしてくれるだろうとは思っていたけど、最高の形でね。ホームランでね。ムード的に重たいのが楽になった。序盤のあの3点は大きいね」  ■何かのきっかけに  --佐藤輝は悔しさを持っていたと  「こんなことの繰り返しだし、今日のホームランというのは何かのきっかけにね、してくれたらなと思うけど、まだ自分で引き込んで打ったホームランではないんで、こういう風に攻められるんだっていうのが、この広島戦で初めて分かったようだね」  (さらに続けて)  「今までのオープン戦とはまた違う、ピッチャーのレベルっていうかね、変わってくるんで、その中で、どう対応していくかっていうのが、ずっと俺が壁に当たったらいいのにっていうのが、もしかしたら、これが最初のそういうものかもしれんし。でもこれはずっとくることなんで。逆に守備とか頑張ってたから。打つだけじゃないんで。打つのが特長やけど、そういうところからリズムというか、大事にしてもらえたらなと」  ■近本に流れ来る  --近本も四球と安打が出た  「一本一本の積み重ねしかないし、チカが出ることでっていうのが一番うちの野球のポイントになると思うんで、一本一本のヒットが気持ちの中の落ち着きとかになってくると思うし。もう一本欲しかったやろうけど、明日以降、近本の流れって絶対来ると思うから」  ■両助っ人が好走塁  --サンズが四回に隙をついた好走塁(無死一塁の一走で佐藤輝の三飛でタッチアップして二進)  「もともとね。サンズはそういう意識も高いし、チームとしても大事やし。サンズの走塁も見事やったし、逆にマルちゃんが、あそこのタッチアップでかえってきた(六回)というのもチームとしても勢いつくし、価値もある。あの2人が打つことだけじゃなくて、勢いとかムードを作ってくれたし、すごくいい走塁やったかなと思います」  --大山が最後に交錯(一塁の守備に就いた八回に打者走者と衝突)  「あれはちょっとね。今のところ大丈夫。心配というところまではないと思うんだけど」

◆広島・西川龍馬外野手(26)が阪神・大山との交錯プレーで下半身を痛め負傷交代した。蔦木トレーナーは「(病院に)行く予定は今のところない。あした移動(ゲーム、DeNA3連戦、横浜)なので移動して状況をみての判断になると思うし、もしかすると、もしかするかもしれない」と説明した。  アクシデントが起こったのは2-6の八回2死一、三塁だった。三ゴロで一塁へ走った際、山本の一塁送球が本塁側に逸れ、飛びながらベース手前で捕球した大山と激しく交錯。その場に倒れ込み、数分後、トレーナーに抱えられ、ダッグアウトに下がった。  昨年11月に右足首の手術を受けた西川は今季は3月26日の中日との開幕戦(マツダ)から3番で全6試合に出場。ここまで打率・318、1本塁打、2打点と存在感を発揮していた。

◆広島の引き分けを挟んだ連勝が3で止まり、1日で首位陥落した。佐々岡真司監督(53)の主な一問一答は以下の通り。  --先発の中村祐は6回6安打6失点で黒星を喫した  「やっぱり打たれた球は高い、甘い。(中村)祐太のようなタイプは切れとコントロールで低めを突いていかないと、なかなかね。球威で勝負する投手ではない。甘く入ると打たれる」  --コルニエルは九回に登板し、1回1安打無失点。上々のデビューだった  「登板機会がなかなかなかったけど、今日の真っすぐは今までの中で一番かかりが良かった。期待しているし、ああいう投球を続けてくれればおもしろい存在になると思う。そうなればまた1枚、2枚増えてくる」  --打線は五回まで阪神・秋山に無安打投球と苦戦した  「去年やられた分、いろいろと策を練っていたんだけど、まだまだできていなかった。ただ、ズルズルといってしまったなかで六、七回は意識が見えたので、それを早い段階から見せてほしかった。良い面が出たので」  --八回に阪神・大山と交錯し負傷交代した西川の状態は  「あしたの様子を見てだけど。トレーナーが話します」  --4点を追う九回には守護神のスアレスから1得点。今後につながる  「そうですね。6-0で一方的にやられるんじゃなく、中盤、後半は粘りや諦めない姿勢を出してくれた。スアレスから1点を取ったのもね。今季は最後まで諦めないと掲げているので、続けていければ」  --守備では記録に表れないミスが複数あった  「そういうところはキャンプからずっといい続けているし、なくしていかないといけない。集中力というところをもう一回引き締めて、またやっていきます」

◆広島の中村祐は6回6安打6失点と打ち込まれ、黒星を喫した。浮き球が目立つなど制球が甘く、2本塁打を含む4長打が大量失点につながった。8年目で初めてつかんだ開幕ローテーション。今季最初の登板は快投とはいかず「早めに修正できればよかったけど、最後まで修正できなかった」と肩を落とした。  この日は拙守で傷口を広げ、堅守を基に伸ばした連勝も3で止まった。佐々岡監督は「キャンプからずっと言い続けているし、なくしていかないといけない。集中力をもう一回引き締めて、またやっていく」と気持ちを切り替えた。

◆今季初登板先発となった阪神の秋山は7回を2失点、無四球の好投だった。「3連敗するわけにはいかなかった。(球種を)満遍なく投げられた」と充実感をにじませた。昨季4勝無敗と抑え込んだ広島戦に「当てられている意味を考えた」と仕事を果たした。  低めへの制球がさえ、変化球も切れた。的を絞らせず、五回までパーフェクト投球。六回に先頭から連打を浴びても、代打の長野を遊ゴロ併殺打とした。七回に2点を返されたが、昨季にエース西勇と並んでチームトップの11勝を挙げた力を示した。先発の柱として「優勝に向かって、一つでも多く力になれるように頑張りたい」と強い自覚を口にした。

◆サンズは2打数無安打ながら、犠飛による1打点と広島守備陣の隙を突いた好走塁で魅せた。  4-0の四回先頭で四球を選び出塁。続く佐藤輝のマウンド付近へ上がった三飛の直後に、タイムがかからないまま定位置へ散っていった広島の内野陣を見逃さず、二塁を陥れた。まさかの内野フライでのタッチアップ(記録は野選)に広島ナインはキョトン。エープリルフールの敵地が"ウソだろ!?"という空気に包まれた。  4-0の六回1死三塁では中犠飛を打ち上げ、三走・マルテが激走して助っ人陣の躍動で見事に加点。矢野監督も「サンズのスキを突いた走塁も見事やったし、マルちゃんがかえってきたというのもチームとしても勢いつくし、価値もある」とうなった。  サンズはこれで開幕から6試合連続出塁。うち5試合で打点を挙げており、今季もどこまでも頼りになる。(長友孝輔)

◆六回2死三塁のピンチを切り抜けると、マウンドで雄たけびを上げ、感情をむき出しにした。阪神・秋山は7回2失点の好投で今季初登板で白星。ヒーローインタビューでは白い歯がこぼれた。  「連敗するわけにはいかなかったので、なんとしても勝てる投球ができればと思っていた。(捕手の)梅野もうまくリードしてくれたし、(変化球を)まんべんなく投げられたのがよかった」  五回までは無安打無四球でパーフェクト投球。六回、先頭のクロンに甘く入った直球を左前に運ばれて初安打を許し、会沢にも右前打でつながれて一、二塁。それでも代打・長野を遊ゴロ併殺、田中広を空振り三振に斬り、危機を脱した。  七回には連打などで2死二、三塁とされ、堂林に2点打を浴び「あの場面をゼロでいくことができていれば、八回も投げられていたと思う」と反省。それでも、7回5安打2失点で試合を作った右腕の投球に矢野監督は「アキがしっかりした投球をしてくれたというのが一番の勝因だとは思う」と称賛した。  昨季は2017年以来、3年ぶりに2桁勝利を達成。2年連続へ、オフは球速アップを図り、投球時の歩幅を広げることに取り組んだ。さらに合同自主トレを行った昨季のパ・リーグのセーブ王・増田(西武)からは上半身の使い方の極意を学んだ。  この日の直球の平均球速は130キロ台ながらも内外の投げ分けと緩急を駆使して鯉打線を翻弄。昨季6試合に登板して4勝負けなし、防御率1・45だった相性の良さを見せた。  「チームは優勝に向かって必死に頑張っているので、その一つでも多く力になれるように頑張りたい」  秋山の活躍なくして優勝はない。次も勝って白星を一つずつ積み重ねる。(織原祥平)

◆打球はグングン伸びて、右翼スタンド最前列に飛び込んだ。1-0の三回1死一、二塁。糸原は広島の先発・中村祐のスライダーをフルスイング。通算7発の男が6試合目で驚きの今季1号だ。  「うまく打てたのが、たまたまホームランになっただけ。きょうは本当に最高の結果になったかなと思います」  キャリア最多の3本塁打を放った昨季の1号は20試合目。自己最速の初アーチでダイヤモンドを一周してベンチに戻ると親指、人さし指、小指を立てた"新ポーズ"を披露した。「糸井さん伝授のポーズです。(意味は)糸井さんが、たぶん知っていると思います。僕はよくわからない(笑)」。打のヒーローは声を弾ませた。  打線に火をつけたのも糸原だ。一回1死から左越えの三塁打。マルテの中犠飛で先制のホームを踏んだ。この一打で、チームではただ一人、開幕から6試合連続安打。2安打3打点で、マルチ安打は早くも4度目。打率・462もチームトップだ。  昨季の悔しさを生かす。打率3割台をキープしながらも、開幕から1カ月後の7月22日に右手有鉤骨の骨折で離脱。63試合出場にとどまった。毎年オフに恒例となっている広島市内のスポーツジムでの自主トレ。昨年までは飛距離を伸ばすためにウエート重視のトレーニングが中心だった。  「このオフは、体の柔軟性を重視した。重い器具を上げることより、けがをしない体と、1年間戦える体を作るために瞬発性のメニューを多く取り入れた」  今オフは、体重も数キロ落として72キロ前後。減量によるパワーダウンを補うべく、春季キャンプではスイングスピードを速くするため、速球マシンでの打ち込みに時間を割いた。  「昨年、めちゃくちゃ悔しい思いをしているので、今年にぶつけるという思い。1試合1試合、けがをせずにチームに貢献できるように頑張りたい」  目標は143試合フル出場と5年目で初の打率3割超え。一発のある「2番打者」として打線を引っ張る。(三木建次)

◆逆襲や!! 阪神は広島に6-3で勝ち、連敗を2で止めた。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が六回に2号ソロを放った。最近2試合連続で3三振を喫していたが、うっ憤を晴らす一発。ドラフト制(1966年)以降、新人の開幕からの2カード連続本塁打はセ・リーグ初だ。  悔しさも屈辱も、すべてをひと振りに込めた。弾丸ライナーで飛び出した白球が、スタンドに突き刺さる。4月の訪れとともに、佐藤輝の反撃が始まった。真っ赤に染まった右翼席へ、逆襲のアーチが架かった。  「抜けてきたチェンジアップをしっかり仕留めることができました。思い切って振った結果、1本出てよかったです」  5-0とした六回2死、ファウルでタイミングを合わせ、4球目。中村祐の128キロチェンジアップを一閃。3月27日のヤクルト戦(神宮)以来、19打席ぶりの一発は鯉にトドメを刺す2号ソロ。ゆっくりとダイヤモンドを周ると、渾身の"Zポーズ"を披露した。新人の開幕から2カード連続アーチはセ・リーグ初。開幕6試合目までに2本塁打以上を放ったのは、球団では1969年の田淵幸一(3本)以来52年ぶりだ。  春季キャンプ、オープン戦の勢いそのままに、開幕戦でプロ初打点をマークした。そして2戦目で初安打を初ホームランとし、順風満帆なスタートとなったプロ野球人生。しかし、広島で初めて壁にぶつかる。2試合連続の3三振に加え、前日31日はバットを3本折られる屈辱を味わった。 その他の写真(2/3枚)  ただ、この男は決してへこたれない。下を向くことはない。どれだけバットが空を切り、粉砕されようが、プロの世界で勝負すると決めたフルスイングを貫いた。この姿勢はこれまでも、これからも変わらない。  右肘のけがで人生初の挫折を味わった小学6年生のとき、「太陽が雲で隠れたような感じだった」と落ち込む家族とは裏腹に、佐藤輝自身はまったく暗くなることなく、いつもと変わらない様子で練習へ向かった。リーグ戦の打率・188とスランプに陥った近大3年の秋は周囲に「練習するしかない」と誓い、ひたすら白球を打ち込んだ。大きな壁に当たろうが、乗り越えるために視線は常に上を向く。全身全霊で、ぶつかる強さがある。  「壁にぶち当たっても、チャンスがある」-。今年1月9日、矢野監督からもらった言葉が胸をうった。そして、指揮官はもがき苦しむ佐藤輝に、チャンスを与え続けた。「何かのきっかけにしてほしいけど、まだ自分で引き込んだホームランではないので」。将は手放しで喜びはしなかった。「俺が『壁に当たったらいいのに』っていうのが、もしかしたら、これが最初のそういうものかもしれん」。佐藤輝ならきっと乗り越えてくれる-。信じているからこそ、打席に立たせた。  2日からホーム開幕となる中日戦(京セラ)が始まる。佐藤輝は「打てない悔しさを持っていましたし、これからもっと打つことができるように頑張ります」と力を込めた。タテジマのユニホームに送られる大応援を力に変えて、このまま一気に壁を乗り越える。(原田遼太郎)

◆よっしゃァ!! わが阪神は広島に連敗したけど今季大当たり男、糸原の3ランやドラフト1位・佐藤輝の弾丸2号ホームランで完全に息を吹き返したでェ!! 今季、宿敵巨人を倒して阪神の胴上げ間違いなし!!  「巨人投手陣は火の車」と開幕前に豪語し「もし、猛虎Vしなければ頭ツルツルにそったるわー!!」と宣言をしましたが、大エース・菅野が抹消の窮地に高橋が好投して勝利...。原巨人はやっぱりスゲー!! 阪神は今季も勝てませーん!! てのは...エープリルフールだよ~ん!!  本日の阪神は、先発の秋山が7回90球の勝利(五回までパーフェクト)。開幕から苦しんでいた1番・近本にもヒットが出て復調の気配あり...。さらにマルテ、サンズの2つの犠飛と、豪快&匠野球は間違いなくVへの道を歩いているのだ!!  これはエープリルフールじゃないでェ!!

◆「先輩、大変です。三木さんが同じことしか言わなくなってます」  トラ番・原田遼太郎が血相を変えて伝えてきた。大阪・難波のサンスポ編集局。コロナ禍による入場制限で球場に入れないトラ番たちは、広島に行くことなく社内でテレビ観戦。そこには、ベテラン三木建次もいた。  同じことしか言わない? どういうこと?  心配になって三木を観察開始。すると、秋山が1つ、アウトを重ねるたびに「完全や...」。また1つアウトを奪うと「はぁ、完全や...」。顔面蒼白。心ここにあらず。昔風なら"壊れたテープレコーダー"。現代ではどう表現したらいいのか。うわごとのように「完全や...」を繰り返し続ける不気味な56歳、という感じか。  「完全や...」  まだ言っている。確かに、ほかの言葉は全く発しない。その前で、秋山は五回まで完全ペース。ひょっとしたら大偉業達成か。  そして、六回。クロンの打球が左前へ弾む。ついに三木が違う言葉を発した。顔色は一気に良くなっていた。  「よし。これで原田が佐藤輝のホームランで1面や。俺は他の選手の原稿を書けばいい! よかった」  おわかりでしょうか? 三木は「秋山の完全試合の原稿」を書くことを極度に恐れていたらしい。大ベテランなんだから、もっと堂々としてほしいところだが、快投に平常心を失い、あろうことか、秋山の完全試合失敗を願っていたのだ。非国民、ならぬ"非虎民"だ。なんてひどいヤツ。  "回避"を喜んでいるヤツもいるが、見てみたかった。日本プロ野球の歴史上、阪神の投手の完全試合は一度もなかったのだから。  1日はエープリルフール。考えてみれば、三木が「完全」「完全」と繰り返すから、ウソになってしまった、ということかもしれない。  「いやぁ、油断してましたね」  原田が苦笑いしながら、スーパールーキーのお目覚め弾の記事の準備にかかっている。こちらのほうが何百倍、落ち着いている。  虎党のみなさま。連敗しただけで、佐藤輝が三振の山を築くだけで、不安いっぱいだったかもしれませんが、うちのトラ番たちはいたって冷静でして。  「黄砂が大量に流れ込んできて、いつもは真っ赤なマツダスタジアムがまっ黄色に染まっています。カープカラーがタイガースカラーに塗り替わったわけですから、これって吉兆です」  試合前。トラ番キャップ・長友孝輔の明るい声がスマホから聞こえてきた。  大量の黄砂? 球場がまっ黄? それは大事件ではないのか?  「ウソです。エープリルフールです」  笑い声の向こうに、余裕が見え隠れ。そこはかとなく心のゆとりが伝わってくる。  トラ番最年少・織原祥平もエープリルフールを意識していた。  「佐藤輝は練習で柵越えが一本もありませんでした。だから、本番でも打たないんじゃないかと...」  佐藤輝の一発を願っているからこそ、ウソを並べてきた。「打たない」というウソをつけば、打つと信じて。そんな願いが通じて、ド派手に連敗脱出。でも、ことしの虎はマジで強いぞ。ウソじゃない。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
312 0.750
(↑0.083)
-
(↓0.5)
13728
(+3)
22
(+1)
5
(-)
6
(+2)
0.232
(↓0.001)
3.060
(↑0.62)
2
(2↑)
阪神
420 0.667
(↑0.067)
0
(↓0.5)
13729
(+6)
18
(+3)
8
(+2)
4
(-)
0.257
(↑0.001
3.120
(↑0.02)
3
(2↓)
広島
321 0.600
(↓0.15)
0.5
(↑0.5)
13718
(+3)
16
(+6)
4
(-)
0
(-)
0.269
(↓0.003)
2.170
(↓0.57)
4
(2↓)
中日
222 0.500
(↓0.167)
1
(↓0.5)
13717
(+1)
19
(+3)
1
(-)
5
(+1)
0.213
(↓0.016)
2.890
(↑0.18)
5
(-)
ヤクルト
231 0.400
(-)
1.5
(-)
13731
(+11)
39
(+11)
6
(+1)
5
(+1)
0.261
(↑0.018)
6.170
(↓0.97)
6
(-)
DeNA
042 0.000
(-)
3
(-)
13731
(+11)
40
(+11)
2
(-)
0
(-)
0.292
(↑0.018)
6.400
(↓0.75)