ヤクルト(★5対9☆)阪神 =リーグ戦2回戦(2021.03.27)・明治神宮野球場=
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阪神
40200100291302
ヤクルト
00002100251012
勝利投手:青柳 晃洋(1勝0敗0S)
敗戦投手:田口 麗斗(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(1号・1回表2ラン),陽川 尚将(1号・9回表ソロ)
【ヤクルト】村上 宗隆(1号・6回裏ソロ),元山 飛優(1号・9回裏2ラン)

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◆阪神は初回、佐藤輝のプロ初安打初本塁打となる2ランなどで一挙4点を先制する。そのまま迎えた3回表には、梅野の2点適時打でリードを広げ、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・青柳が6回途中3失点で今季初勝利。敗れたヤクルトは、投手陣が振るわなかった。

◆ヤクルト田口麗斗投手(25)が移籍後初登板に臨む。阪神戦は通算11勝4敗で、カード別では最高の勝率7割3分3厘。昨年は2勝0敗、19年は1勝2敗だが、この黒星は救援で喫したもの。阪神戦の先発登板は17年10月1日を最後に負けていない。

◆スタメンが発表された。ヤクルトの先発は、巨人から移籍した田口麗斗投手(25)、阪神は青柳晃洋投手(27)。阪神は昨季、巨人時代の田口に0勝2敗を喫しているが、26日の開幕戦で接戦を制した勢いのままに連勝したい。期待のルーキー、ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は2試合続けて「6番右翼」で先発。プロ初アーチは出るか。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が開幕2戦目も「6番・右翼」でスタメン出場する。 プロ初安打、初本塁打に向けて試合前練習では軽快な動きを見せた。練習中に側転を披露するなど、187センチ、94キロの大きな体は柔軟性や俊敏さも備わっていることを改めて示した。フリー打撃では27スイングで、バックスクリーンへの連発も含む8本の柵越えを放った。 前日26日の開幕戦ではプロ初打席で左犠飛を放ち阪神では開幕スタメンのドラフト制後新人でプロ初打席初打点は史上初。だが残り3打席は無安打に終わり「明日(27日)いい日になるようにしっかり準備したい」と話していた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が開幕2戦目の第1打席でプロ初本塁打となる1号2ランを放った。 「6番右翼」でスタメン出場。1回に連続犠飛で2点を先制し、なお2死三塁。1ストライクからヤクルト先発左腕田口の126キロスライダーをとらえると、中堅手も追うのをすぐにやめるほどの特大アーチがバックスクリーンに飛び込んだ。 「打った瞬間にいったと思いました。これでプロ野球選手としての1歩目を踏み出すことができたと思うので、これから1本ずつ積み重ねていけるように頑張ります」と、浮かれることなく落ち着いた佐藤輝らしいコメントを出した。プロ5打席目でついに初本塁打が飛び出した。 試合後はプロ初のヒーローインタビューへ。第一声は「こういった結果を出すことが出来て、とてもうれしく思います」。インタビュアーから自己紹介を促されると「新人の佐藤輝明です! 明日からも皆さんの前でいいプレーが出来るように頑張ります! よろしくお願いします!」と、よく通る声で話した。ダイヤモンドを1周した感想を問われると「最高に気持ちよかったです」と笑顔を見せた。 ▼ルーキー佐藤輝がプロ初アーチ。開幕カードで本塁打を打った新人は16年戸柱(DeNA)以来でドラフト制後15人目。阪神ではドラフト制以前を含めて56年大津、69年田淵、01年沖原に次いで4人目。田淵と沖原はチーム3試合目で、チーム2試合目に1号は56年大津に並ぶ球団新人最速1号だ。新人で29本打って本塁打王に輝いた58年長嶋(巨人)の1号はチーム6試合目の4月10日大洋戦で、新人記録の31本塁打した59年桑田(大洋)と86年清原(西武)の1号はともにチーム2試合目。長嶋より早く、桑田、清原と同じチーム2試合目に1号を放った佐藤輝は何本打つか。

◆阪神がヤクルト田口の立ち上がりを攻め、幸先良く先制した。 初回、先頭の近本がファウルで粘って中前打で出塁。糸原も内野安打で続くとマルテが冷静に四球を選んで無死満塁の絶好機をつくった。4番大山が139キロ直球を右翼へ運び、犠飛で1点を先制すると、前日26日に2本塁打を放ったサンズも中堅への犠飛で2点目。続く佐藤輝はバックスクリーンへ記念すべきプロ初アーチをかけ2ランで4点目。打線がそれぞれの仕事を果たした。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)の5回1死一塁での第3打席は見逃し三振に終わった。 ヤクルト2番手右腕今野の内角攻めで2ボール2ストライクとされ、最後は真ん中低めに144キロ直球に反応できず見逃し三振となった。 1回の第1打席ではバックスクリーンへ特大のプロ初本塁打となる1号2ランを放っている。3回の第2打席では四球を選んだ。

◆ヤクルトのドラフト4位、元山飛優内野手がプロ初安打を放った。 5回1死一塁で外角低めのツーシームをひっかけ、ボテボテのゴロが一塁前へ。快足を飛ばして内野安打とした。「チャンスを頂いたのでどんな形でもいいので結果がほしかった。当たりは良くないですが、1本打てたので少しホッとしています。これからもチームのために1本でも多く打てるように努力していきたい」と喜んだ。 この日はベンチスタートも、3回1死から遊撃の守備につき、プロ初出場。3回無死一塁で迎えたプロ初打席は、内寄りの直球に右飛に倒れたが、2打席目でうれしい1本が出た。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が、今季8打席目で初安打となるソロ本塁打を放った。 2-7で迎えた6回。先頭で打席に立つと、2球目の高めの直球をフルスイングで左翼席へ運んだ。「コースに逆らわず、しっかりと振り抜くことができました。1本打ててホッとしています」と胸をなで下ろした。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が「6番右翼」で先発し、1回に田口からバックスクリーンへプロ1号となる2ランを運んだ。チーム開幕2戦目でプロ1号を放つのは、球団新人では最速(2リーグ分立後)など記録ずくめだった。▼阪神の開幕2試合目で佐藤輝が放った放った本塁打は、2リーグ分立後のチーム新人最速タイ。56年3月21日広島戦で1号を放った大津淳と並んだ。ドラフト入団では開幕3試合目で、田淵幸一が69年4月13日大洋戦、沖原佳典が01年4月1日巨人戦でそれぞれ記録。佐藤輝はドラフト新人の球団最速を更新した。 ▼プロ5打席目での1号は、2リーグ分立後の阪神新人5位タイ。58年戸梶正夫、63年辻佳紀と並んだ。チーム最短は2打席目で、投手の江夏豊が67年4月23日中日戦、八木裕が87年5月13日巨人戦で放っている。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が安定した投球を続けるも、5回2/3を7安打3失点で降板した。「今シーズン初登板だったので少し緊張もありましたが、野手の方々が初回から点を取ってくれたのでいい状態で投げることができました」。初回は3者凡退。2回は村上をツーシームで一ゴロに打ち取り、2死から塩見に捕手前への内野安打を許すも、西浦を遊ゴロ。3、4回と1安打ずつを許したが、要所を押さえた。 5回2死二、三塁から青木に遊撃強襲の左前へ抜ける適時打を浴び2点を返されたが、山田をフルカウントから内角低めのスライダーで見逃し三振を奪った。6回は先頭の村上にソロ本塁打を被弾。2死一塁から中村へ内角へのスライダーが少し抜け、この試合初めての四球を与えたところで岩貞にマウンドを譲った。降板後は「初回以外は常にランナーを背負った状況だったので、そこを次回の課題として取り組んでいきたいと思います」と振り返った。 青柳はオープン戦最終登板となった20日オリックス戦(京セラドーム大阪)で、6回2安打無失点、10奪三振の快投を見せて今季初の公式戦マウンドに臨んでいた。

◆阪神は1回に佐藤輝のプロ初安打初本塁打となる2ランなどで4点先制。3回までに6点を奪い、ヤクルト先発の田口をKOした。 ヤクルトは6点を追う5回に元山のプロ初安打などで好機をつくり、青木の内野安打で2得点。6回に村上が1号ソロを放った。 ヤクルトは9回にルーキー元山の1号2ランで反撃も序盤の失点が響き2連敗。阪神は先発青柳が1勝目を挙げ開幕連勝を決めた。ヤクルト田口が1敗。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)がプロ初本塁打でチームを開幕2連勝に導いた。お立ち台での一問一答は次の通り。 -初めてのヒーローインタビュー。この景色を見て 佐藤輝 こうやって結果を出すことができて、とてもうれしく思います -あらためて自己紹介を 佐藤輝 新人の佐藤輝明です! 明日からもみなさんの前でいいプレーができるように頑張ります! よろしくお願いします! -ホームランの感触は 佐藤輝 芯で打ったんで、入ってくれてよかったです -拍手の中ダイヤモンド1周。どんな気分だったか 佐藤輝 最高に気持ちよかったです -4打席目は左翼へ安打 佐藤輝 しっかり逆方向に強い打球を打つことができたのでよかったかなと思います -初盗塁は 佐藤輝 なんとか次の塁というところで、盗塁を決められてよかったです -開幕カード勝ち越しを決めた。ファンの声援は力に 佐藤輝 ものすごい力になっています -今季の目標とメッセージ 佐藤輝 今年こそ優勝というところを目標に、その戦力に少しでもなれるように頑張っていきます! インタビュー後 佐藤輝 ありがとうございました!

◆阪神がドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手(22)の初アーチも飛び出し、開幕連勝を収めた。敵地での開幕連勝は04年巨人戦(東京ドーム)以来、17年ぶりとなった。 初回無死満塁から大山、サンズの犠飛で幸先良く2点を先制すると、続く佐藤輝がバックスクリーンへ特大の1号本塁打を放った。3回は1死満塁から梅野の二塁打で2点を追加し、9回には陽川にも1号ソロ、梅野が猛打賞となる適時二塁打を放つなど、終始試合をリードした。 先発の青柳は立ち上がりから制球良く安定感ある投球。7-2の6回に村上にソロ本塁打を浴び、なおも四死球で2死一、二塁としたところで降板となったが、要所を抑えて今季初勝利を手にした。

◆阪神矢野燿大監督は迷いなく継投策をとった。6回、先発青柳が8番中村へこの試合初めての四球で2死一、二塁とすると、岩貞にスイッチ。 岩貞は元山を中飛に打ち取り、回をまたいで7回も無失点に抑えた。8回も今季初登板の小林が3者凡退。矢野監督は「総合力はうちの今年の1つのテーマ、セールスポイント。強みだと思う。そういうものは出せた試合が1、2戦と出来た」と納得の表情だった。15年以来、6年ぶりとなる開幕3連勝に向けて「明日も総力戦になると思うんで全員で取りにいきます」と意気込んだ。

◆流れを呼び込めなかった。ヤクルト先発の田口が、1回に阪神ドラフト1位、佐藤輝にプロ初本塁打となる2ランを浴びるなど一挙4失点。高津監督は「なんとかいい形で序盤を、というところ。初回のあの失点は重かった」。先制の重要性を強くチームに訴え続けるが、2戦続けて追う展開となった。 2番青木、5番内川らベテランが好調の一方で、3番山田、4番村上はともに打率1割1分1厘。村上と元山に1発が出たが、つながりを欠いている。指揮官は「ホームランはゲームをガラッと変える雰囲気がある。すごくいい雰囲気にはなったんですけど。なかなかいいつながりができなかった」と肩を落とした。 3戦目は奥川が先発する。昨年2月に死去した野村克也氏の追悼試合でもある。高津監督は「特別なゲーム。ぜひ勝ちたい」と結果に飢えた。高卒2年目の若武者は「緊張すると思うけど」と率直な心境を打ち明けるも「緊張していることを自覚できていれば、これまでうまくいったことがすごく多かった。緊張することはあまり悪くない」と涼しい顔で話した。オープン戦で課題としていた、フォームのバランスも修正。「状態も良くなってきている」と自信を口にした。金の卵のプロ初勝利で、連敗スタートの悪い流れを断ち切りたい。【湯本勝大】

◆阪神陽川尚将内野手は今季初打席初アーチを放ち、本家ゴリラポーズを決めた。 6回裏、早くも一塁守備固めでマルテと交代。4点リードの9回に先頭で打席に立つと、2ボール1ストライクから左腕長谷川の146キロ直球を右中間席に運んだ。「正直、ちょっと(打球が)上がりすぎたと思った。行ってくれて良かった。1スイング目でしっかり打てたので、そこは良かったかなと思います」と納得だ。 右翼レギュラーに定着しつつあるドラフト1位佐藤輝が、プロ初本塁打を決めてゴリラポーズを披露。「自分は自分なので。与えられたところでしっかり結果を出すことだけを考えて今はやっています」。先輩も少ないチャンスで負けじとアーチをかけた。矢野監督も「早めに(マルテを)代えるというところでは、陽川があそこで打ってくれることでそんなに遜色なく行ける」と絶賛。チームに欠かせない存在だ。

◆巨人からトレードで加入した阪神山本泰寛内野手が初スタメンで躍動した。 2回先頭で先発田口から移籍後初安打。巨人で同僚だっただけに「まさか対戦できるとは。楽しみながらいけた」と笑った。遊撃守備では4回に山田の中前へ抜けそうな当たりを好捕し、一塁へ素早く送球してアウトを取った。矢野監督は「対左にも使えるし、良くなっていけば常に出ることもあり得る」と新戦力をたたえた。

◆阪神江越大賀外野手が2盗塁で「スペシャリスト」の本領を発揮した。 8-3の9回1死一塁から代走で出場。二盗、三盗を決め、その後の梅野の適時打で生還した。春季キャンプは2軍スタートでオープン戦も出番はなかったが、2軍で打席数を確保して開幕前に昇格。矢野監督から「足と守備はスペシャリストだから」と期待を寄せられる男が持ち味を出した。

◆阪神大山悠輔内野手は2日連続で4番主将の役割を果たした。まずは1回無死満塁から先制の右犠飛。4点リードの3回無死一塁では左翼線二塁打で好機を広げ、この回2点追加につなげた。 「(1回は)先制点の欲しい場面だったので、最低限の仕事ができて良かったです」。開幕戦はチーム初安打から先制のホームを踏み、適時二塁打も記録。主軸として存在感を発揮している。

◆ヤクルトのドラフト4位の元山飛優内野手が、鮮烈なデビューを飾った。3回1死から遊撃手として途中出場。5回の第2打席で、一塁前へのボテボテのゴロが内野安打に。 9回無死一塁では、138 キロ の直球を右翼ポール際へ運ぶプロ1号とした。「プロ野球選手が(ダイヤモンドを)回っているのをよく見ていたので、不思議な感覚。ベースをちゃんと踏むようにしました」とかみしめた。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が、目標の13勝に向けて幸先良くスタートを切った。ヤクルト戦に先発して6回途中7安打3失点で今季初白星。「昨日(藤浪)晋太郎が頑張って試合を作っていたので、そう簡単に負けるわけにはいかないな、と。連勝して良かったなという感じです」。 3失点の数字より、安定した投球内容が目立った。初回は3者凡退で4回まで二塁も踏ませず。5回に連打で2点を失い、6回先頭の村上にソロを浴びたが、山田は2三振、遊ゴロと快音を許さず。「緊張もあったんですけど、野手の方が4点も取ってくれて、いつもの開幕より楽に入れたかなと」。全てのボールが低めに制球良く決まった。 背中を押された神宮で、見違えた姿を見せた。2年前の5月6日。同じ神宮でのヤクルト戦。青柳は初回にセーフティーバントで揺さぶられ一塁へ"大暴投"した。そこから崩れて4回4失点で降板。ベンチへ戻ると、矢野監督がつかつかと歩み寄ってくる。怒られるかも...。「すみません」。そう口にした青柳に対して、思わぬ言葉が掛けられた。「なんで謝るんや。次につなげればいい。次にどう生かせるかで、失敗と成功が変わる。うまくなるかは、そのあとの練習をするかは自分次第」。 この日もセーフティーバントの構えで仕掛けられたが、動じない。マウンドで笑みをこぼす余裕さえ見せた。頼もしく成長した姿こそが、信じてくれた指揮官への恩返し。矢野監督は「3点というより中身的にはすごく安定していた。ヤギがそういうリズムを作って。抑え方としてすごくレベルの高い、安定感ある投球だった」と手放しにたたえた。 かねて目指してきた数字へ。「純粋に勝ちがつくのはうれしい。目標13勝と言っていますし、それに1つ近づいたということで、うれしいです」。まず1勝を手にした。【磯綾乃】

◆テルの後ろには俺がいる! 阪神梅野隆太郎捕手が効果的な中押し、ダメ押し打を放った。 4-0の3回だ。佐藤輝がプロ初の四球を選んで1死満塁とチャンスを広げると、背番号2は1ボールから右翼へ適時二塁打を運んで2点を加えた。これで、ヤクルト先発田口をマウンドから引きずり下ろした。「神宮で1点でも多くという気持ちが強いんで。取れるときに取るっていう集中力。結果としてよかった」。7回は左前打、9回には適時二塁打で今季初の猛打賞。3打点で開幕2連勝に貢献した。 マスクをかぶっては先発青柳を初白星へとリード。「打たれたというよりホームランぐらい。内容うんぬんが悪くない」。6回途中からは3人のリリーフを導いた。9回打ち切りの今季のルールに対しては「強みじゃないですか。うちはすごいピッチャーばっかりなんで」と自信を見せた。今季も攻守でけん引する。

◆阪神2番糸原健斗内野手が2安打1打点で猛打のつなぎ役となった。 初回は近本を一塁に置き、二塁への内野安打でチャンス拡大。その後の2犠飛、佐藤輝の2ランでこの回は4得点。2点を返された直後の6回は1死一、三塁で寺島から中前適時打。「点を取られた後だったのでよかった」と流れを渡さなかった。2試合で計4発の中軸の前には頼れる男がいる。

◆プロ1号は特大のバックスクリーン弾だった。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がヤクルト戦の1回にプロ初安打、初本塁打となる推定130メートルの1号2ランを放った。 阪神の開幕2戦目での新人本塁打は最速タイで、ドラフト制後では最速。12球団ルーキー一番乗りの放物線で、すべての野球好きを喜ばせた。矢野監督も「想像を超える選手」と驚く怪物ルーキーの活躍で、2年ぶりの開幕2連勝となった。快音とともに白球が神宮の空に高々と上がった。中堅手塩見はすぐに追うのをあきらめ、打球はバックスクリーン最上段にぶち当たった。「打った瞬間にいったと思いました。最高に気持ちよかった。これでプロとしての1歩目を踏み出すことができた」。球場がどよめく中、佐藤輝は堂々とダイヤモンドを1周した。 開幕2戦目、5打席目で飛び出した初安打が初本塁打。91年に同じく初安打を本塁打で刻んだ矢野監督は「俺と比べるなよ。レベルが違う。あいつなんか打ってもビックリしないだろ」とおどけ、「想像を超えるというか、期待に応える魅力がある」と怪物ルーキーのすごさを改めて感じた。 「野球で本塁打が一番面白い」と本塁打にこだわり続け、ここまで来た。2年前、奈良・生駒市の近大グラウンドで右中間場外へ佐藤輝の打球が飛び出し、民家を直撃した。住民に危険が及ぶため、数百メートル奥の山に囲まれたグラウンドにチームごと練習場を移った。だが、昨秋に佐藤輝が引退すると、また元のグラウンドに戻り、右中間ネットを高く増設する「佐藤ネット計画」も消えた。近大・田中秀昌監督(64)は「佐藤以外にあそこまで飛ばすやつはいませんから」と笑う。母校の練習場すら左右する規格外のパワーだった。 ドラフト前の昨年10月、佐藤輝はYouTubeでヤクルト時代のバレンティンが神宮で「大暴れ」する動画を見た。「60本打った時の映像。ボール球だろうが運ぶ感じで、見ていて楽しい」。13年にプロ野球記録の60発を放った助っ人は、バックスクリーン上の看板へ推定135メートル弾をぶち当てていた。それから半年後、当時の大学生が同じような特大アーチを描いた。 田中監督は「プロで下半身の使い方を教えてもらったことで、しっかりボールとの間が取れている」とプロでの進化を説明。もともと変化球を打つのはうまかった佐藤輝が、下半身主導でグッと我慢できる打ち方を身につけた。プロ1号は左腕田口のスライダーを下半身で粘って待って捉えた。ヒーローインタビュー。佐藤輝の言葉はプロの自覚にあふれた。「今年こそ優勝を目標に、その戦力に少しでもなれるように頑張っていきます」。地元・西宮で育った男は「今年こそ」と虎党が優勝を待ちわびていることを知っている。【石橋隆雄】

◆プロ1号を放って阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がベンチ前で決めたのは、大好きなアイドルグループももいろクローバーZのポーズ「Zポーズ」パフォーマンスだった。 推しメンバー高城れにへ届けとばかりに右手を突き出し「やれてよかったです」。今後の本塁打パフォーマンスについては「いろいろ考えてやりたい」と満面の笑みだった。

◆プロ1号は特大のバックスクリーン弾だった。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がヤクルト戦の1回にプロ初安打、初本塁打となる推定130メートルの1号2ランを放った。 阪神の開幕2戦目での新人本塁打は最速タイで、ドラフト制後では最速。12球団ルーキー一番乗りの放物線で、すべての野球好きを喜ばせた。矢野監督も「想像を超える選手」と驚く怪物ルーキーの活躍で、2年ぶりの開幕2連勝となった。佐藤輝のパワーのすごさを表す数字として体成分分析装置「InBody(インボディ)」で筋肉量やバランスなどから算出されるスコアがある。近大時代、筋力トレーニングを重ねチームでただ1人満点の100点を出し「足が速くなったのは筋トレを始めてから、どんどんです。(筋肉の)つけすぎもよくはないと思うが、ある程度のところまで筋肉はいると思う」と語っていた。当時で体脂肪は10~11%ほど。重いものを持ち上げるだけでなく、速く動かすなどバランスよく鍛えた。「第2の佐藤輝」の出現を期待し、母校には最新のインボディや打撃マシンに球を自動供給する機械とリーグ戦の成績などを管理するためiPad(アイパッド)を贈っている。

◆豪快なアーチだけではない。阪神佐藤輝明内野手は7回に左前へ軽打でプロ2安打目を放った。寺島の外角いっぱいの速球に強引にならずバットのヘッドをきれいに返し、左前へ。その後、初盗塁となる二盗も決めた。187センチ、94キロの大きな体の持ち主だが、意外にも手先が器用。兵庫・西宮市の実家に戻ると紙で折り鶴や箱をバランスよくササッと作り上げる。小さい頃からレゴブロックでもよく遊んでいた。 料理も得意。仁川学院の時からベビーカステラを作り、ギョーザの具をこねて丁寧に皮で包むなど3兄弟の長男として、母晶子さん(48)の料理の手伝いを進んでやった。冬に実家に戻った時には韓国風アメリカンドッグ「ハットグ」をレシピ動画を見ながら挑戦。晶子さんは「おいしくできたのか、うれしそうにビヨーンとチーズを伸ばして食べてましたよ」と笑って明かす。 器用さはノック時のグラブさばき、ハンドリングのうまさや、広角へ打てるバットコントロールなど、もちろん野球にも生かされている。この日の練習中は側転を披露。パワフルとしなやかさが同居している。 剛と柔。2つの顔が佐藤輝の魅力なのだ。【阪神担当=石橋隆雄】

◆プロ1号は特大のバックスクリーン弾だった。 阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がヤクルト戦の1回にプロ初安打、初本塁打となる推定130メートルの1号2ランを放った。阪神の開幕2戦目での新人本塁打は最速タイで、ドラフト制後では最速。矢野燿大監督も「想像を超える選手」と驚く怪物ルーキーの活躍で、2年ぶりの開幕2連勝となった。 ○...仁川学院時代のチームメートで親友の高取真祥(まさき)さん(22)は佐藤輝に神宮に招待され、衝撃の一打を目撃した。高校入学時、サッカー部に入ろうとした佐藤輝を野球部へ誘い、2年から一緒にジムに通って屈強なボディーの土台に関わった人物。ドラフト前に「どの球団に指名されても開幕カードに招待する」と約束されていたそうで、「エグい当たりでしたね。あの筋トレがなければ今の輝はなかったのかなとは思います」と自分のことのように喜んだ。

◆阪神がドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手(22)の初アーチも飛び出し、開幕連勝を収めた。敵地での開幕連勝は04年巨人戦(東京ドーム)以来、17年ぶりとなった。◆阪神矢野燿大監督語録 -初回に見事な先制パンチ 矢野監督 そうやね、もう立ち上がりはどのピッチャーでもなかなかリズムに乗るところまで大変やけど。そういうところを昨日の流れの中で行けた。1点取って、2点取って、もう1点欲しいってところでテル(佐藤輝)のホームランっていうのはまた一気に流れをこっちに呼び寄せられた。逆に言うとヤギ(青柳)が、しっかり点取った後、立ち上がってくれたというところで、あの1回の攻撃が、流れが来てるかな。 -佐藤輝はド派手に第1号 矢野監督 いやまあね、楽しみあるね。初ヒットがホームラン、そういうみんなのある意味、想像を超えるというか、期待に応えるとか、そういう魅力がある選手なんでね。初ヒットがホームランというのは本当に素晴らしかったしね。バックスクリーンというのもテルらしい。1本で終わったらなというのもあったけど、もう1本ヒットを打ったというのも価値があると思うんでね。そういうところはテルの良さ、魅力。そういうものがしっかり出た。今日、見に来てくれたファンも、テレビで見てくれたファンも、また期待値が上がってね。楽しみな1本になった。 -矢野監督も初安打が初本塁打 矢野監督 俺と比べるなよ。レベルが違う。 -当時の記憶は 矢野監督 俺なんかビックリだからさ。あいつなんか、打ってもビックリしないだろうけど、俺はビックリしてのホームランだったからね。でも、自分も思い出したけど、俺も7打席目で初ヒットやって、俺もホームランやったなと。でも、違うわなと思いながら。あいつの場合は大きな魅力があるんで。攻めもシーズンに入って厳しくなっていく中で経験しながら成長していってくれたらと思う。楽しみです。 -いい意味の総力戦。出た選手が 矢野監督 そうやねん。最後も陽川のあの1本っていうのは。早めに代えるっていうことでは、陽川があそこで打ってくれることでそんなに遜色なく行ける。あの1点も大きかったし、ケント(糸原)、リュウ(梅野)とか、そういうあたりもつなぐところでしっかり。テルに隠れちゃうけど、これがウチの野球だと思うんでね。そういういい野球ができたかなと思います。 -スタメンで出た山本 矢野監督 もともと守備に安定感あるっていうところで。今日もいいプレーしてくれたし。そういうところで使いやすい選手なんで、まあ対左という時にも使えるし、良くなっていけば常に出るということもあり得ると思うんでね。いてくれるとすごく助かる。ポジションは内野全部できるし、細かい野球もできるんでね。そういうところではヤスの存在はいろんなところにはめやすい選手なんで。スタートからもいける選手、ショート争いというところではセイヤ(木浪)も黙っていられないだろうし、そういうあたりもすごくいい刺激になってくれている選手かなと思います。

◆プロ1号は特大のバックスクリーン弾だった。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がヤクルト戦の1回にプロ初安打、初本塁打となる推定130メートルの1号2ランを放った。阪神の開幕2戦目での新人本塁打は最速タイで、ドラフト制後では最速。12球団ルーキー一番乗りの放物線で、すべての野球好きを喜ばせた。矢野監督も「想像を超える選手」と驚く怪物ルーキーの活躍で、2年ぶりの開幕2連勝となった。 <阪神佐藤輝と一問一答> -初めてのヒーローインタビュー こういった結果を出すことができて、とてもうれしく思います。 -4打席目は左前安打 しっかり逆方向に強い打球を打つことができたんで、それもよかったかなと思います。 -初盗塁も 何とか次の塁ということで盗塁決められて良かったです。 -チームは2連勝。ファンの声援は力になるか ものすごい力になっています。 -オープン戦では6本も公式戦とはやはり違う やっぱり全然違いますね。シーズンで打つということが一番大事なんで。今日1本目が出て良かった。 -今までの本塁打の中でも一生の思い出か そうですね。これを一として積み重ねていきたい。 -甘い球を高い確率で捉えている まさに甘いところをしっかり捉えることができれば、まず大丈夫だと思うんで。そこだけはシーズン通してできるようにやっていきたい。 -開幕カードで緊張は 昨日はちょっと高ぶっていたところはありましたけど、今日は普段通りにできたと思います。 -両親や友人の前で やっぱりいいところを見てもらいたいので。打てて良かった。 -記念のボールは 両親にでもプレゼントしたいと思います。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が試合前練習に参加し、フリー打撃で快音を連発。27スイングで8本の柵越えを放った。  前日26日の開幕戦では、球団史上初となる開幕戦の初打席で初打点をマーク。「H」ランプをともすことはできなかったが、初ヒット&初ホームランへ期待は高まるばかりだ。ヤクルトの先発予定は巨人からトレードで加入した田口。阪神戦は通算16試合に先発し、10勝を誇る。難敵左腕を、虎の黄金ルーキーが撃つ。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は「6番・右翼」で出場。前日26日は初打点を記録したが、3打数無安打に終わった。プロ初安打と初本塁打が期待される。また巨人からトレードで加入した山本が「8番・遊撃」で出場する。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が初本塁打を放った。「打った瞬間にいったと思いました。これでプロ野球選手としての一歩目を踏み出すことができたと思うので、これから1本ずつ積み重ねていけるように頑張ります」。一回、大山、サンズの連続犠飛で2点を先制し、なおも2死三塁という場面で打席に立った。田口の初球のスライダーをファウルにすると、2球目だ。低めの126キロのスライダーをすくい上げた。  打球は高々と舞い上がると、バックスクリーンを直撃する2ラン。大歓声の中、ダイヤモンドを一周し、ベンチに戻ってくるとゴリラポーズも披露した。

◆ヤクルトの先発・田口は2回1/3を投げ、6安打6失点で降板した。一回、大山、サンズの連続犠飛で2点を先制されると、なおも2死三塁で阪神のドラフト1位・佐藤輝にバックスクリーン直撃の1号2ランを浴びるなど、初回で4点を奪われた。三回にも2点を追加され、「自分の投球ができなかった。チームになにもできず迷惑を掛けてしまい申し訳ないです」と肩を落とした。

◆ヤクルト・田口麗斗投手(25)=前巨人=が先発で移籍後初登板したが、2回1/3を6安打6失点(自責点5)で降板した。  本来の投球が影を潜めた。切れのある直球やスライダー、チェンジアップを両コースに投げ分ける高い制球力が武器の左腕。だが、この日は序盤から球が真ん中寄りに集まり、甘くなった球を痛打された。  「自分の投球ができなかった。チームになにもできず、迷惑をかけてしまい申し訳ないです」  一回は連打と四球で無死満塁。大山、サンズに2者連続犠飛とされ、先制を許すと、6番のD1位・佐藤輝(近大)にはバックスクリーンへ飛び込むプロ1号2ランを浴びた。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(21)が「4番・三塁」で先発出場し、5点を追う六回先頭で左翼席への1号ソロを放った。  「コースに逆らわずしっかりと振り抜くことができました。1本打ててホッとしています」  相手の先発右腕・青柳が投じた135キロの直球を捉えた。開幕2戦目、8打席目で出た今季初安打が初アーチ。今季の最低目標に「打率3割、30本塁打、100打点」を掲げる若き4番が、神宮の燕党を沸かせた。

◆阪神・青柳晃洋投手(27)が先発し、5回2/3を投げ、7安打3失点で試合を作った。  四回までは散発3安打で二塁ベースすら踏ませない快調な滑り出しだった。6-0の五回に連打で2死二、三塁とされると、青木に遊撃への2点内野安打。六回には先頭の4番・村上に甘く入った球を左翼席へ運ばれて3点目を献上した。  ヤクルト戦では昨季3試合に登板し、1勝0敗、防御率0・96と好相性。開幕直前の20日のオリックスとのオープン戦(京セラ)では6回2安打無失点、自身プロ最多の10奪三振をマークするなど好投していた。  六回に村上にソロを被弾した後は、四死球などで2死一、二塁とされたところで2番手・岩貞にバトンタッチ。ここは左腕が無失点に抑えて、火消しした。

◆ヤクルトのドラフト4位・元山飛優内野手(22)=東北福祉大=が三回途中の守備から遊撃で出場。五回1死一塁の第2打席で一塁内野安打を放ち、プロ初安打を記録した。  「チャンスをいただいたので、どんな形でも良いので結果がほしかった。当たりは良くないですが、1本打てたので少しホッとしています」  先発右腕・青柳が投じた外角に沈む球にバットを合わせると、打球は弾んで一塁方向へ。全力でベースを駆け抜け、セーフとなった。  「これからも、チームのために1本でも多く打てるように努力していきたいです」  将来は「世界一のショートストップ」を目指す元山。プロの一歩目を踏み出したルーキーが、夢への階段を駆け上がる。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=がプロ初盗塁を記録した。  7-3の七回2死。寺島から左前打を放ってマルチ安打。さらに、続く梅野の打席で初球からスタートを切り、二盗に成功。第1打席で初アーチを放った黄金ルーキーが、足でも結果を残した。

◆ヤクルトが開幕2連敗を喫した。田口麗斗投手(25)=前巨人=が先発で移籍後初登板したが、2回1/3を6安打6失点(自責点5)で降板した。  一回は連打と四球で無死満塁。大山、サンズに2者連続犠飛とされ先制を許すと、ドラフト1位・佐藤輝(近大)にはバックスクリーンへ飛び込むプロ1号2ランを浴びた。三回は2四球を与えるなど1死満塁とされ、梅野に右翼線2点二塁打を浴びたところで降板。交換トレードで加入し、開幕ローテーション入りを果たしたが、結果を残すことができなかった。  打線は五回に連打で2死二、三塁とすると、青木が遊撃への2点内野安打。六回には4番・村上が左翼席への1号ソロを放ったが、阪神の先発・青柳を打ちあぐね、3点を返すのが精いっぱい。九回に元山の右越え1号2ランで4点差に迫るも及ばなかった。

◆阪神はヤクルトに9-5で勝利し、開幕2連勝とした。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は一回、大山、サンズの連続犠飛で2点を先制した後、なおも2死三塁という場面で打席へ。ヤクルトの先発・田口のスライダーを完璧にとらえると、バックスクリーン直撃の2ラン。プロ初安打&本塁打を記録した。さらに七回には左前打を放つと、続く梅野の打席で初盗塁にも成功した。  打線は三回に梅野の2点適時二塁打、六回に糸原の適時打、九回には陽川のソロと梅野の適時二塁打と追加点を奪い、ヤクルト投手陣を攻略した。  先発した青柳晃洋投手(27)は五回に青木に遊撃への2点内野安打、六回には村上にソロを浴びたが、5回2/3を投げ、7安打3失点と試合を作った。

◆開幕2連敗を喫したヤクルトで、ルーキー元山がプロ初安打、さらに初本塁打と気を吐いた。途中から初出場して2打席目の五回に一塁内野安打。九回は右翼席に飛び込む2ラン。「(これまで)テレビで見ていた瞬間に、自分がいるんだと不思議な感覚だった」と右手を小さく掲げてダイヤモンドを回った。  長野・佐久長聖高-東北福祉大から入団した遊撃手は、ドラフト4位ながら宮本慎也氏が背負った6番を与えられるほど期待は大きい。現時点でレギュラーは西浦だが、「焦らず、こつこついきたい」と奪取のチャンスをうかがう。

◆2年ぶりの開幕2連勝に阪神・矢野輝大監督(52)は喜びを隠せず。プロ1号を放ったドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=だけではなく、全員野球に手ごたえを感じていた。一問一答は以下の通り。  ■一回に一気に流れ  --初回に見事な先制パンチ  「そうやね、もう立ち上がりはね。どのピッチャーでも、なかなかリズムに乗るところまで大変やけど。そういうところをね、きのうの流れの中で行けたし。1点取って、2点取って、もう1点欲しいってところでテルのホームランっていうのは、また一気に流れをこっちに呼び寄せられたので」  (さらに続けて)  「1点、2点ぐらいだったら、まだ向こうもちょっとね、行けるかって流れがあるけど、まあそういうところで4点入ったっていうのも大きいし。逆に言うとヤギ(青柳)が、しっかり点取った後、立ち上がってくれたというところで、あの一回の攻撃が、流れが来てるかなっていう」  --佐藤輝はド派手に第1号  「いやまあね、楽しみあるね。初ヒットがホームラン、そういうみんなのある意味、想像を超えるというか、期待に応えるとか、そういう魅力がある選手なんでね。初ヒットがホームランというのは本当に素晴らしかったしね」  (さらに続けて)  「バックスクリーンというのもテルらしいし。1本で終わったらなというのもあったけど、もう1本ヒットを打った(七回の左前打)というのも価値があると思うんでね。そういうところはテルの良さ、魅力。そういうものがしっかり出た。今日、見に来てくれたファンも、テレビで見てくれたファンも、また期待値が上がってね。楽しみな1本になった」  ■俺と比べるな  --矢野監督も初安打が初本塁打(中日時代の1991年8月26日、甲子園での阪神戦で、代打で野田から2ラン)   「俺と比べるなよ。レベルが違う」  --当時の記憶は   「俺なんかビックリだからさ。あいつなんか、打ってもビックリしないだろうけど、俺はビックリしてのホームランだったからね。でも、自分も思い出したけど、俺も7打席目で初ヒットやって、俺もホームランやったなと。でも、違うわなと思いながら(笑)。それは思ったけど。あいつの場合は大きな魅力があるんで。攻めもシーズンに入って厳しくなっていく中で経験しながら成長していってくれたらと思う。楽しみです」  ■ウチの野球  --いい意味の総力戦。出た選手が  「そうやねん。最後も陽川のあの1本(九回の1号ソロ)っていうのは。早めに代えるっていうことでは、陽川があそこで打ってくれることでそんなに遜色なく行けるし。あの1点も大きかったし、ケント(糸原)、リュウ(梅野)とか、そういうあたりもつなぐところでしっかり。テルに隠れちゃうけど、これがウチの野球だと思うんでね。そういういい野球ができたかなと思います」  ー-スタメンで出た山本(8番・遊撃で2安打)  「もともと守備に安定感あるっていうところで。今日もいいプレーしてくれたし。そういうところで使いやすい選手なんで、まあ対左という時にも使えるし、良くなっていけば常に出るということもあり得ると思うんでね。いてくれるとすごく助かる。ポジションは内野全部できるし、細かい野球もできるんでね。そういうところではヤスの存在は色んなところに、はめやすい選手なんで。スタートからもいける選手。ショート争いというところでは聖也(木浪)も黙っていられないだろうし、そういうあたりもすごくいい刺激になってくれている選手かなと思います」  ■総合力がテーマ  --連勝スタートでチームの雰囲気は  「もちろんいいし。ヤギがね。3点というより中身的にはすごく安定していたから。ヤギがそういうリズムを作って。(オープン戦で)最後の京セラもそうやったけど、抑え方としてすごくレベルの高い、安定感ある投球だったんで。先発が安定するというのは大事なとこなので。点取ったけど、バタバタしたとなればあれやし」  (さらに続けて)  「小林も初登板で、しっかりぴしゃっといってくれたのも大きいし(八回に登板し、三者凡退)。本当に総合力というのはうちの今年の一つのテーマというか、セールスポイントというか、強みだと思うんで。そういうものは出せた試合が1、2戦とできたんで。明日も総力戦になると思うんで全員で取りにいきます」  --植田海が抹消になったが、代替選手は  「それはもうちょっと。元々、野手1人多かったんで。そういうところでは誰か上げるのはないし、このままいきます」

◆投手目線で見て、打席での阪神・佐藤輝に「新人」という雰囲気を感じない。まるで「10年選手」のような立ち居振る舞い。本当に落ち着いている。  一回は田口が2球続けたスライダーをホームラン。七回は寺島の外角のカットボールを逆らわずに左前へ。左投手相手にこの打撃内容。本塁打に注目が集まるが、打率も稼げる打者になれる。  普通、新人にはなめてかかるところがあるが、そうはいかない雰囲気がある。それを証明しているのが、ヤクルトの守備だ。新人に対してシフトを敷くなど、見たことがない。それだけ特別ということだし、ヒットならOKというシフトで守られては、逆に投手の方が投げづらいだろう。  もちろん、まだ相手も手探りだ。九回、左腕の長谷川が内角高めに直球を投げ込み、体を起こしてきた。今後も、そこは攻められるだろう。歩かせてもいいくらいの感じで、内角にガンガンこられたとき、どうするか。まだ内角球を怖がっている感じはないが、これが実際に当たると、また意識が変わってくる。  いずれにしても一回りしてからが勝負。各球団は弱点を見つけてくるだろうが、どう対処していくか楽しみだ。足も速いし、いずれは3冠も4冠も狙える選手に成長してほしい。(本紙専属評論家)

◆沸き起こる歓声が、白球を左翼席へと運んだ。ヤクルト・村上宗隆内野手(21)が5点を追う六回先頭で、今季1号ソロ。スタンドでは、色鮮やかなミニ傘が舞った。  「コースに逆らわずしっかりと振り抜くことができました。1本打ててホッとしています」  ベンチでナインに祝福を受けた若き主砲は、少しだけ頬を緩めた。先発右腕・青柳が投じた2球目、135キロの直球を一閃。自身8打席目での初安打が、今季のチーム1号となった。  今年は、青木らと宮崎県内で自主トレーニング中の1月に新型コロナウイルスに感染。約2週間隔離生活を送り、沖縄・浦添キャンプ序盤は別メニュー調整となるなど苦難のスタートだった。それでも、「優勝できるチームの4番になれるように」との強い思いを胸に状態を上げてきた。  だが、村上の一撃も及ばず、5-9で開幕2連敗。28日は野村元監督の追悼試合が行われるだけに、何としても開幕3連敗を阻止したい。まな弟子である高津監督も「すごく特別なゲームだと思います。ぜひ勝ちたい」と誓った。  村上自身も、プロ1年目の宮崎・西都キャンプで評論に訪れた野村さんと会い激励を受けた。昨年2月に死去された後には「野村監督にお会いできたことはとても大きなことでしたし、会えただけで光栄でした」と感謝。厳しくも優しく見守ってくれたノムさんに、必ずや白星を届ける。(赤尾裕希)

◆見る者の想像も、外野フェンスも、ひょいっと軽く越える男だ。打つとは思っていた。だが、いきなりこんな形とは-。最高の笑顔で、ベンチの最前列で佐藤輝を出迎えた阪神・矢野監督は、改めて無限の可能性を見せつけられた思いだった。 ■ベンチの最前列でお出迎え  「楽しみあるね。初ヒットがホームラン、そういうみんなのある意味、想像を超えるというか。期待に応えるとか。そういう魅力がある選手。初ヒットがホームランというのは本当に素晴らしかった。バックスクリーンというのもテルらしい」  遠くない未来に出る、ということは誰よりも信じていた。ただ、26日の開幕戦後には犠飛での打点をたたえつつ「あとはまだヒットも出ていないし」と、気にかけてもいた。どんな形で最初のHランプを灯すのかと期待していたら、そのランプがあるスコアボード方向へ一直線にぶっ飛ばしてしまった。この先、どんな未知の領域へとチームを導いてくれるのか。規格外、想定外のスケールをひと振りで示してくれたことがうれしかった。 ■選手・矢野燿大も初安打は...  プロ初安打での初アーチは、くしくも「選手・矢野燿大」も記録していた。さかのぼること30年。1991年8月26日の阪神戦(甲子園)で野田浩司から響かせた快音が、この世界での産声だった。何とも縁を感じる共通点だが「俺と比べるなよ。レベルが違う」と将は首を振る。  「アイツ(佐藤輝)なんか打ってもビックリしないだろうけど、俺はビックリしてのホームランだった。自分も思い出したけど『俺も7打席目で初ヒットやって、俺もホームランやったな』と。でも、違うわなと思いながら」と笑った。この一本から、周囲がひっくり返るようなアーチを続々と架けてくれると、確信している。  「あいつの場合は大きな魅力があるんで。攻めもシーズンに入って厳しくなっていく中で、経験しながら成長していってくれたらと思う」  まぶしすぎる輝きで周囲が目立たなくなってしまうが、13安打の猛攻で2連勝し、開幕カードの勝ち越しも決めた。楽しみしかない男に引っ張られ、楽しみなシーズンへ力強く踏み出した。(長友孝輔)

◆9971人の観客に存在を示すかのように、ダイヤモンドを一周した。三回途中の守備から遊撃に就き、プロ初出場を果たしたヤクルトのD4位・元山飛優内野手(22)=東北福祉大=が、九回に右翼席へプロ1号2ラン。一塁ベースを回ってから右拳を握った。  「テレビでプロ野球選手がホームランを打って回っているのをよく見ていたので、その瞬間にいま自分がいるというのが不思議な感覚でした」  平成の名曲が、令和のスター誕生を予感させる。登場曲は中島みゆきの『地上の星』。「FNS歌謡祭」を見ていた際、歌手の工藤静香が歌っているのを見て「これええな」と選曲。歌詞には「つばめよ~」という言葉も入っており、燕戦士と相性も抜群だ。  球団の新人がデビュー戦で本塁打を放つのは2018年の村上以来。五回の一塁内野安打で記録したプロ初安打を含め2安打。「世界一のショートになる」という夢への一歩を踏み出した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)=近大=の初アーチを、スタンドから父・博信さん(53)、祖父の勲さん(82)が見守った。堂々とダイヤモンドを一周する息子の姿に父は「夢なんかな...」と夢見心地だった。  グラウンドで輝く息子の姿を万感の思いで見つめた。佐藤輝の父・博信さんは、夢見心地だった最高の瞬間をうれしそうに振り返った。  「なんか現実感がないです。(打球が)入った瞬間も、まわっているときも、『ああ、夢なんかな』って」  今でも後悔していることがある。佐藤輝が小学6年生のとき。タイガースジュニアに選出されながらも右肘のけがで大会ではサードコーチャーを務めていた息子は、ヤフードーム(現ペイペイドーム)での試合でランニングホームランになりそうな打球にも関わらず、走者をストップさせた。  「試合後に『なんで回さなかったんだ、あれは間に合ったやろ』と説教して。後で考えたら、かわいそうじゃないですか、出られなくて、素人のおやじに怒られて。めっちゃつらかったはず。僕もすごく反省した」  ことし3月5日のソフトバンク戦。かつて雷を落とした福岡の地で、佐藤輝はオープン戦初打席初ホームランを放った。「止まっていた僕らの時計の針がまた、動き始めた瞬間ですね」。後悔を忘れさせてくれるほどたくましくなった息子の姿が誇らしかった。  博信さんはこの日、佐藤輝の初ホームランを動画におさめた。「甲子園で撮っていて全然打たなくてやめていたんだけど、きょうはなんか予感がしたから」。これまで撮り続けてきた息子の打席は数知れない。「僕は野球は素人ですけど、佐藤輝明のスペシャリストなので」。誰より佐藤輝の活躍を信じていた父。これからも、その優しいまなざしで伝説を刻む息子の姿を見守り続ける。 ★球宴は祖父・勲さん住む宮城で  佐藤輝の父方の祖父・勲さんは「バックスクリーンへのホームランは初めて見ました」と目を丸くした。今年のオールスター第2戦は、勲さんの住む宮城県にある楽天生命パークで行われる。「地元ですから、そのときはぜひ行きたいですね」。孫の晴れ姿にさらなる夢を膨らませた。

◆はや、1号! 阪神・佐藤輝明内野手(22)=近大=がヤクルト戦に「6番・右翼」で出場し、一回にプロ初安打となる初本塁打をバックスクリーンに放った。球団新人では1956年の大津淳と並ぶ、最速の開幕2戦目での一発。マルチ安打や盗塁を含め、初ものづくし。チームも2連勝発進。どえらいルーキーや!  黄金伝説の1ページを刻む快音が神宮に響く。天高く舞い上がった白球は光り輝く弧となってバックスクリーンに吸い込まれた。佐藤輝の待望の初ヒットは代名詞のホームラン。拍手と歓声を背中に浴び、ゆっくりとダイヤモンドをまわった。  「これでプロ野球選手としての一歩目を踏み出すことができた。シーズンで打つということが一番大事。最高に気持ちよかったです!」  2-0とした一回2死三塁。ついにその瞬間が訪れた。2球目、田口の126キロスライダーを一閃。プロ1号は観衆9971人の度肝を抜く特大2ラン。ベンチに戻るとゴリラポーズにサングラスポーズ、そして最後はカメラに向かって、大ファンと公言している「ももいろクローバーZ」のZポーズ! 「やれてよかったです」と至福の瞬間をかみしめた。  阪神の新人選手が開幕2試合目でプロ初本塁打を放つのは1956年の大津淳以来で球団最速タイ。打席に立てば球団史に名を刻む。七回には左前打を放つと、続く梅野の初球にプロ初盗塁もマーク。記念日を彩った。 その他の写真(2/3枚)  「これを『1』として、もっと積み重ねていきたいと思います」  歩き始めたプロ野球人生。心に刻んだ教えがある。「相手はコントロールできない。だからこそ、自分のやるべきことに集中する」。己に勝つ-。克己の精神を柔道家である父・博信さん(53)にたたき込まれた。多感な思春期、私生活の乱れを指摘され、拳でぶつかり合うこともあった。プロ野球選手という夢に向かって突き進む息子を父は厳しく、そして愛情ある態度で接し、最大限、サポートした。  高校時代から、博信さんは可能な限り試合会場に出向き、打席での動画を撮影して佐藤輝に送った。仕事でいけないときは、代わりに母・晶子さん(48)が懸命にカメラを構えた。父は「自分の映像を見て、研究してもらう。僕にできることはそれしかない」と話す。大事なのは相手ではなく自分。己と向き合う心が佐藤輝を強くした。  春季キャンプではプロの球に対応するため足を上げるフォームに変えた。そして帰阪後、父につぶやいた。「振りが、フォームがよくなっている」。リーグ記録を更新した大学4年間ですら「一度も調子がよかったことはない」と納得しなかった男は克己心で、壁を乗り越えた。プロになっても信念は変わらない。昨日の自分を超えるためにバットを振る。  「今年こそ優勝という目標に、その戦力に少しでもなれるように頑張っていきます」  初のヒーローインタビュー。堂々と成長した姿をスタンドから見守ってくれた父に見せた。受け継いだ大きな身体と信念。頂に向かって、佐藤輝はぶれずに真っすぐと信じた道をいく。(原田遼太郎)

◆スゲ~、新人や! 虎のモンスター、D1位・佐藤輝明が一回に特大のプロ1号2ランで虎キラーの田口を骨抜きにしてくれました!!  豪快なスイングも新人離れしているけど『輝明』という名の通り、チーム全体を明るく輝かせ、勢いに乗せるオーラは恐るべ~し!!  一方、本日の阪神先発・青柳は『雨柳さん』と呼ばれるくらいの雨男なのに、満開の桜にふさわしい晴天の空の下、少々苦しみながらも1勝目。オメデトウ!!  これも♪テル(輝)テル坊主、テル坊主、明日天気にしておくれ~の輝明オーラに間違いなーし! でも、雨柳くんはやっぱり雨模様の方が投げやすいのかなあ?  マルテ、大山、サンズのクリーンアップが大爆発しなくても6番・佐藤輝、7番・梅野の2人で5打点!! まだ2試合とはいえ1985年バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発だけじゃなくて、真弓や平田、木戸らが打ちまくり、日本一になった打線が重なる虎党は俺だけじゃないはず!  おっと、そーなると陽川は日本シリーズ満塁弾の長崎慶一ですか? さあ、第3戦は若き燕、奥川くんにプロの厳しさを教えときましょー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
200 1.000
(-)
-
(-)
14118
(+10)
12
(+5)
3
(+1)
3
(+3)
0.297
(↑0.007)
5.500
(↑1.5)
1
(-)
阪神
200 1.000
(-)
0
(-)
14113
(+9)
8
(+5)
4
(+2)
4
(+3)
0.300
(↑0.058
4.000
(↓1)
3
(2↓)
中日
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
1418
(+1)
10
(+4)
1
(-)
2
(-)
0.197
(↓0.06)
4.760
(↑0.24)
3
(1↑)
広島
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
14110
(+4)
8
(+1)
2
(+1)
0
(-)
0.262
(↓0.032)
3.000
(↑2)
5
(1↓)
DeNA
020 0.000
(-)
2
(↓1)
14112
(+5)
18
(+10)
1
(+1)
0
(-)
0.288
(↓0.036)
9.000
(↓1.12)
5
(1↓)
ヤクルト
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1418
(+5)
13
(+9)
2
(+2)
0
(-)
0.250
(↑0.021
6.000
(↓2)