1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 4 | 8 | 2 | 2 |
ヤクルト | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 8 | 0 | 0 |
勝利投手:加治屋 蓮(1勝0敗0S) (セーブ:スアレス(0勝0敗1S)) 敗戦投手:清水 昇(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆阪神が接戦を制した。阪神は2-2で迎えた6回表、大山の適時打で1点を勝ち越す。その後同点を許すも、8回にサンズがこの日2本目のホームランを放ち、決勝点を挙げた。投げては、4番手・加治屋が移籍後初勝利。敗れたヤクルトは、再三同点に追いつくも、あと1本が出なかった。
◆2年連続最下位からチームを引き上げる。ヤクルト小川泰弘投手(30)が、2年ぶり5度目の開幕投手を務める。何度も経験したマウンドではあるが、今年は違う。 昨季オフにFA宣言。12年ドラフト2位でヤクルトに入団してから8年間、1軍で投げ続けた。周りから自分がどう評価されているのか。純粋に気になってFA権を行使した。熱心なオファーに「本当にパ・リーグで環境を変えて戦っている自分もイメージしました」と結論を出しかけた。 頭に浮かんだのは、家族やヤクルトの仲間、お世話になった人たち。「今まで苦楽をともにした仲間ともう1度優勝して喜び合いたい」と残留を決めた。 高津監督に決意を伝えた際に、開幕投手の内定を言い渡された。エースとしてチームを引っ張ってほしいという期待の表れ。常に3月26日を意識してきた。 セットポジション時のグラブの位置を、昨年よりも上げる新フォームに取り組んだ。ランナーを一塁に置いたときの被打率改善へ、より力が入る方法を探し求めた。「変化していかないと残っていけない世界だと思う」。30歳として迎える9年目のシーズンも変化を恐れず、貪欲に取り組むエースの背中を見せてきた。 「勝ち切る難しさも知っている。そこをなんとか勝ち切れるように頑張っていきます」。覚悟を神宮のマウンドで体現する。【湯本勝大】
◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)がプロ初の開幕戦に挑む。試合前練習では、アップ後に三塁側ベンチ前で近本とキャッチボール。その後、右翼で守備練習を行った。フリー打撃ではアゲンストの風が吹く中、26スイングで2本の柵越え。いずれも左中間に放り込んだ。 開幕戦で阪神の新人が本塁打を打てば、猛虎史上初の快挙。初本塁打までの球団最少の所要打席は67年江夏豊、87年八木裕の「2」で、開幕戦で初打席初本塁打なら、ダブルで球団史に名を残す1発となる。
◆2021年シーズン開幕戦のスタメンが発表された。 阪神の藤浪晋太郎投手(26)は初めての開幕投手、ヤクルトの小川泰弘投手(30)は2年ぶり5度目の開幕投手となる。ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)は6番右翼でスタメン出場となった。
◆阪神が26日、ヤクルトとの開幕戦(神宮)を前に、都内の宿舎で出陣式を行った。 まずは投手キャプテンの岩貞祐太投手(29)があいさつ。「このチームには前回のタイガースの優勝を経験した選手はいません。なのでまた僕たちの力で、僕たちのスタイルで、優勝し、新たな歴史をつくりましょう」と語りかけた。 続いてあいさつしたのは、キャプテンの大山悠輔内野手(26)。「いい時は勢いそのままに、悪い時はチーム全員助け合って、やっていくことでマイナスもプラスに変わると思っています。最後笑って終われるように、チーム全員一丸となってやっていきましょう。また、タイガースの試合を見て、元気になれた、笑顔になった、そういう人が1人でも増えてもらえるように、1試合1試合を全力で、前を向いて、いい顔をして戦っていきましょう」と熱く話した。 矢野燿大監督(52)を先頭に全員でエアハイタッチを終えると、ジェフリー・マルテ内野手(29)が「イマデショ、サアイコー!」とさけび、大盛り上がり。最高の雰囲気で神宮球場へ出発した。
◆阪神のジェリー・サンズ内野手(33)が今シーズンチーム初本塁打を放った。 1-1で迎えた4回の第2打席。2死走者なしで打席が回ると、2ボール1ストライクからヤクルト先発小川の4球目113キロカーブを捉えると打球はバックスクリーン右に着弾した。ベンチ前ではおなじみのポーズ「ハッピーハンズ」も飛び出し、先発の藤浪も笑顔を見せた。 「低めのカーブをうまく打つことができたね。藤浪も粘って頑張ってくれているし、点を取ることができて良かったよ」と振り返った。
◆ヤクルトの開幕戦始球式に、東京オリンピック(五輪)カヌースラローム男子カナディアンシングルの日本代表に内定している羽根田卓也(33)が登板した。 背番号は「2020」で、背ネームは「HANEDA」のユニホーム姿で登場。ワインドアップからノーバウンドでボールが中村のミットに収まり、スタンドから拍手を浴びた。「野球経験がほとんどない自分を、開幕戦始球式という大役に選んで頂いたことは緊張やプレッシャーもありましたが、投げさせて頂いたことがとてもうれしく、光栄でした」と振り返った。 16年リオデジャネイロ五輪で、同競技ではアジア勢初となる銅メダリストを獲得。東京五輪では2大会連続のメダル獲得に期待がかかる。「自国開催のオリンピックは自分自身とても特別で、それにのぞめることは選手として最高の喜びです。コロナ禍にあってもプロ野球は開催し、野球・スポーツの素晴らしさを皆さんに伝え続けている。そのことに、今日、マウンドに立たせてもらいすごく勇気をもらいました。今日もらった大きなエネルギーを東京オリンピックにぶつけます!!」と刺激を受けていた。
◆阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が26日のヤクルト戦(神宮)で公式戦デビューを果たした。4球団競合の末、矢野監督が引き当てた昨年10月26日のドラフト会議から、ちょうど5カ月。父・博信さん(53)が開幕スタメンに名を連ねるまでの日々を「151日の成長記」として、日刊スポーツに明かした。「ケガだけには気をつけて」と送り出した沖縄・宜野座キャンプで、輝明は実戦11試合、打率3割6分6厘、2本塁打、9打点と数字を残しました。キャンプが終わり、オープン戦に入る前に話をした時でした。「スイングがよくなってんねん」と。そんなことをあまり自分から言う子ではないのですが「構えが変われば、すべて変わる」と話していました。確かに近大時代よりも構えた時のバットの位置が高く、投手寄りになっているとは思います。 元阪神の新庄さんが輝明のスイングを見て「バリー・ボンズに似ている」と言われていたのを見て思い出したんですが、1月の入寮前に自宅で輝明は熱心にボンズの動画を見続けていました。『みんな同じ打ち方やねん。メジャーリーガーは』と。その中でも(MLB最多762本塁打の)ボンズは一番ですから。昔から研究熱心なんです。ボンズをマネするということではなく、プロのスピード、キレに対応するためシンプルに"プロ仕様"の打撃フォームの参考にしていたんだと思います。 キャンプ中にDeNA戦(2月18日・宜野湾)でスコアボードを超える本塁打を打った瞬間の写真もそうだったので「インパクトの時もすごく球を見てるね」と輝明に聞くと「見てないよ。当たる瞬間まで見えない」と返事が返ってきました。「直球でも変化球でも、だいたいこの人の変化球はここに曲がる、直球ならこのぐらいに来るというのを予測して、そこにバットを出しているよ」と説明されました。 前にプロの選手が「ボールをよく見てというのは間違い。感覚です」と言っていてどういうことかな? と思っていたことが、何となく分かりました。「(コースに)素直に出した方が(強引に引っ張るよりも)左翼の方が(フェンスまで)近い」と、外角を逆らわず左翼へ打つことも、再認識したようです。 近大時代よりプロ入り後は三振が減りました。プロの審判のストライクゾーンと輝明のゾーンが一致したのかもしれません。アマチュア時代、際どいコースで見逃し三振に倒れた時、私が「何でバットを出さないの?」と聞くと「だってボールやから」と。高校(仁川学院)の頃から言ってましたね。あいつの中に明確な自分のストライクゾーンがあるんでしょうね。ケガなく開幕戦を迎えてくれたことが、本当によかったです。
◆プロ9年目で初の開幕投手となった阪神藤浪晋太郎投手(26)が、勝利投手の権利を持ち、5回5安打2失点でマウンドを降りた。 「初めての開幕投手でしたが、ボール自体も良く、精神状態もいい状態で臨むことができました。ただ、5回は悔しいイニングとなり先発としてもう少し長いイニングを投げたかったです。次回はそこを課題として取り組んでいきたいと思います」とコメント。球数は103球、5四球を出すなど再三ピンチもあったが、最後まで粘りの投球を続けた。 初回、先頭の坂口には初球、152キロ直球で二ゴロ。続く青木も152キロ直球で遊ゴロに仕留めた。最後は山田も高めの151キロ直球で中飛に打ち取った。 1点を先制した直後の2回、先頭の村上は空振り三振。しかし内川の左前打から1死満塁のピンチを招き、中村の二ゴロの間に三塁走者の内川の生還を許した。なおもピンチは続き、小川にも四球を与え2死満塁としたが、坂口から152キロ直球で空振り三振を奪い、最少失点にとどめた。 3回は先頭の青木に中前打を浴びると、大山の失策もからみ1死一、三塁。ピンチを招くも落ち着いて、内川を133キロカットボールで遊ゴロ併殺に打ち取った。 2-1と勝ち越した直後の4回は、先頭の塩見が木浪の失策で出塁。藤浪にも暴投が出るなど1死一、二塁とされたが、後続3人をフライに打ち取り得点は許さなかった。 5回は2本の安打と四球で1死満塁から、塩見への5球目が外低めに大きくはずれ、暴投で三塁走者の生還を許した。この回は制球が乱れる場面が続き、続く西浦にも四球を与えて再び2死満塁となったが、中村を遊ゴロに打ち取り同点でしのいだ。 6回に大山の適時二塁打で勝ち越し、藤浪は勝利投手の権利を手にして降板した。 オープン戦最終登板となった19日オリックス戦では、右手親指を裂傷。傷の深さもあり状態が心配されたが、24日のブルペンで約80球を投球。開幕前日の25日も神宮のマウンドで約30球を投げ「いい感じでは来られている」と話していた。阪神生え抜き選手の開幕投手デビュー戦は02年井川、08年安藤、11年能見と3人連続勝利中。3人ともシーズンで2ケタ勝利を挙げている。
◆阪神の4番大山悠輔内野手(26)が今季初タイムリーを放った。 同点で迎えた6回2死二塁。先発小川の直球145キロを引っ張り、三塁線を破る勝ち越しの二塁打。同点に追いつかれた直後で嫌な流れを振り払う今季初打点となった。2回には中前打を放っており、開幕戦からマルチ安打を記録した。 「打ったのはシュート。(藤浪)晋太郎が、チームが粘っている状況だったので、どんな形でもランナーをかえすという思いだけでした。自分のするべき仕事をすることができて良かったです」と適時二塁打の場面を振り返った。 今季から主将に就任。試合前の円陣では声出しを担当し、「開幕戦、攻めて、攻めて、勝ちましょう。さあ、いこう!」とナインを鼓舞。チームの大黒柱が、初戦から躍動した。
◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)がプロ初打席で初打点をたたき出した。2回無死一、三塁。ヤクルト先発右腕、小川の6球目を逆らわずに左翼へ打ち返し、先制の犠飛となった。ルーキーが21年の阪神初得点を生んだ。 佐藤輝は球団広報を通じ「打ったのはストレート。初打席でしたが普段通りの気持ちで打席に立つことができました。ランナーのいる場面でしっかりと仕事をすることができてよかったです」とコメントした。 2打席目は5番サンズが本塁打を放った直後の4回2死。小川の141キロを打ち返すも二ゴロ。遊撃手が二塁ベース後方、二塁手が一、二塁間寄りに守る「輝シフト」に阻まれた。 3打席目は3-2と1点リードの6回2死一、二塁。直前に替わった2番手左腕長谷川は全球ストレートを投げ込んできた。3球目の149キロを打ち返すも左飛。好機で追加点とはならなかった。 4打席目はサンズのこの試合2発目となる本塁打の直後。8回2死走者なしで、4番手清水の前に3球三振に倒れた。 ? 第1打席 (投手小川)2回無死一、三塁。3-2から6球目143キロストレートをとらえ、左犠飛 ? 第2打席 (投手小川)4回2死走者なし。初球141キロカットボールを打ち返すも二ゴロ ? 第3打席 (投手長谷川)6回2死一、二塁。3球目149キロストレートを打ち返すも左飛 ? 第4打席 (投手清水)8回2死走者なし。128キロフォークに空を切り3球三振
◆阪神ドラフト8位の石井大智投手(23)が7回に登板するも、同点に追いつかれ、1回もたず1安打1失点で降板となった。 3-2の7回に3番手でマウンドへ。先頭の山田へは全球直球勝負を挑み、7球目の外への144キロ直球で空振り三振を奪った。続く村上には四球。内川には粘られながらも、10球目の直球で投ゴロに打ち取った。しかし2死二塁から、塩見に149キロ直球を捉えられ、右中間へ痛恨の同点適時三塁打を浴びた。 ここで4番手の加治屋へマウンドを渡して降板。春季キャンプ、オープン戦と好投を続けてきたが、プロ初登板はほろ苦いものになった。
◆阪神のジェリー・サンズ内野手(33)が開幕戦で2発目を放った。阪神の選手が開幕戦で2本塁打を放ったのは90年の岡田彰布氏以来。値千金の一発が飛び出した。 同点に追いつかれた直後の8回。2死走者なしで清水の甘く入った127キロスライダーを捉え、左翼スタンドへ放り込んだ。3打数3安打1四球で全打席出塁。4回の2打席目にもソロ本塁打が出ており開幕戦で2発目となった。「清水投手とは昨年も対戦経験があったし、良い投手ということはわかっていたから打つことができて幸運だったよ。チームにとっても非常に効果的な一打になってよかったね」とコメント。この試合2度目の「ハッピーハンズ」にベンチ前では大盛り上がりだった。
◆阪神がチーム一丸で接戦を制し、2年ぶりの開幕戦白星をつかんだ。16年ぶりのリーグ優勝へ向けて上々の出だしとなった。 先発はプロ9年目で初めて開幕投手を務めた藤浪晋太郎投手(26)。初回は3者凡退と上々の立ち上がり。2回以降は毎回三塁まで走者を背負う苦しい展開が続いたが、5回5安打2失点。球数は103球、5四球を出しながらも最後まで粘った。 打線は2回に大山、サンズの安打でつなぎ、無死一、三塁からドラフト1位佐藤輝の左翼への犠飛で先制。1-1と同点の4回にはサンズがバックスクリーン右へソロ本塁打。2-2の6回には、2死二塁から大山の適時二塁打で勝ち越し。3-3の8回には、サンズの左翼中段へ2号ソロで再び勝ち越し、中軸が存在感を見せた。 7回途中から4番手で登板した加治屋が初白星。昨季ソフトバンクを戦力外となり、加入した新戦力が開幕戦で勝利に手にした。5番手岩崎がホールド、守護神スアレスはセーブを記録した。
◆阪神がチーム一丸で接戦を制し、2年ぶりの開幕戦白星をつかんだ。16年ぶりのリーグ優勝へ向けて上々の出だしとなった。 先発はプロ9年目で初めて開幕投手を務めた藤浪晋太郎投手(26)。初回は3者凡退と上々の立ち上がり。2回以降は毎回三塁まで走者を背負う苦しい展開が続いたが、5回5安打2失点。球数は103球、5四球を出しながらも最後まで粘った。 打線は2回に大山、サンズの安打でつなぎ、無死一、三塁からドラフト1位佐藤輝の左翼への犠飛で先制。1-1と同点の4回にはサンズがバックスクリーン右へソロ本塁打。2-2の6回には、2死二塁から大山の適時二塁打で勝ち越し。3-3の8回には、サンズの左翼中段へ2号ソロで再び勝ち越し、中軸が存在感を見せた。 7回途中から4番手で登板した加治屋が初白星。昨季ソフトバンクを戦力外となり、加入した新戦力が開幕戦で勝利に手にした。5番手岩崎がホールド、守護神スアレスはセーブを記録した。
◆阪神が2回、プロ初打席の佐藤輝が左犠飛を放って先制した。ヤクルトはその裏1死満塁とし、中村の二ゴロの間に同点。 阪神は4回、サンズが勝ち越し1号ソロ。5回に藤浪の暴投で再び追いつかれるも、6回に大山の適時二塁打で勝ち越した。 ヤクルトは7回、塩見の適時三塁打で同点。阪神は8回、サンズが2本目のソロで突き放した。加治屋が移籍後初勝利。スアレスが今季初セーブ、ヤクルトは清水が1敗。
◆ソフトバンクから移籍した阪神加治屋蓮投手が開幕戦白星を手にした。石井大が同点打を浴びた直後の7回2死三塁でマウンドへ。西浦を変化球で追い込み、最後は147キロ直球で遊ゴロ。いやな流れを打者1人で断ち切った。 8回は先頭の中村に右前打を許すも、代打古賀にバントをさせず空振り三振。打者3人ながら、大きな仕事を果たした。「自分としてはすごく貴重な経験というか、移籍後初勝利ってなかなか最速で達成することできないと思うんですけど、そこで任せていただいた監督、コーチに感謝してます」。 ソフトバンク時代の18年には中継ぎとして72試合に登板するも、昨オフに戦力外。苦しんだ末に、19年8月8日以来の白星となった。「今シーズン、自分にとって今までで一番大事な年になると思って挑んできた年なので、1試合1試合をしっかりと大事にしながら、ずっとこの場所でやっていきたい」。13年ドラフト1位右腕が再び輝きだした。
◆阪神大山悠輔内野手が2安打1打点で4番の役割を果たした。 4番三塁で先発出場。2回の第1打席で中前打を放つと、その後、佐藤輝の犠飛で先制のホームを踏んだ。同点に追いつかれた直後の6回は、2死二塁からヤクルト先発小川の145キロを引っ張り、三塁線を破る適時二塁打。ヤクルトに傾きかけた流れを再び取り戻す一打だった。 「(藤浪)晋太郎が、チームが粘っている状況だったので、どんな形でもランナーをかえすという思いだけでした。自分のするべき仕事をすることができて良かったです」と今季初打点を振り返った。 今年からは主将に就任し、試合前の出陣式では投手キャプテンの岩貞とともにあいさつ。円陣では声出しを担当し「開幕戦、攻めて、攻めて、勝ちましょう。さあ、いこう!」とナインを鼓舞。勝利への大きなピースとなった。
◆阪神は39歳ベテラン糸井嘉男外野手が代打で出場し、四球を選んだ。 7回1死二塁で「代打糸井」がコールされると神宮の阪神ファンから歓声が上がった。日本ハム時代の08年から13年連続で開幕スタメンだったが、移籍後初めてベンチスタートとなった。 開幕前には、「どういう場面でもしっかりやることしか考えてないんで」と話しており、四球で貢献した。
◆阪神守護神ロベルト・スアレス投手が9回を3人で片付けて今季初セーブを手にした。 「今日は1試合目だったので絶対に勝ちたかった」。先頭山田に内野安打を許すも、4番村上を152キロ直球で空振り三振、最後は内川を投ゴロ併殺に仕留め、10球で仕事を終えた。「すごくうれしいですし、チームが勝つことが優勝に近づいていくと思うので。そこに自分も貢献できるようにやっていきたい」。昨季リーグ最多25セーブの助っ人は今年も安定感抜群だ。
◆阪神矢野燿大監督は自身も2年ぶりとなる開幕戦白星を喜んだ。 試合後、「めちゃくちゃうれしいです」と素直に喜んだ。ドキドキの開幕戦だったことを明かした指揮官は「1年目より2年目、2年目より3年目の方が緊張してる。1年目の方が当たって砕けろじゃないけど、ちょっと開き直れる。(3年目は)勝ちたいという煩悩が出るからかな。その中でもうちの野球をみんなやってくれたし、前のめりでもみんなやってくれた。それがまたうれしい。俺はこういうゲームが強くなる試合だと思う」と笑顔になった。
◆阪神藤浪晋太郎投手(26)は自身初の開幕投手で5回2失点と粘投し、チームの21年初勝利を呼び込んだ。 103球で5安打5四球2暴投。5回はフォームの崩れから制球を乱し、1死満塁から痛恨の暴投で再び同点とされた。試合後は「ああいうところを抑えての長いイニングをカード頭は求められる」と反省。それでも逆転は許さず救援陣につなぎ「それが一番」と勝利に笑顔を見せた。 プロ9年目で初の大役。「もっと緊張したり、入りにくさがあるかと思ったけど、意外とすんなり入れた。去年のリリーフ時の方がもっとテンパっていました」。2回に1失点した後、ともに味方失策から1死一、三塁とされた3、4回は無失点で耐えた。「どれだけ不細工でも、どれだけ四球を出しても、勝ちたい」。開幕直前に語った決意をマウンドで体現した。 矢野監督は「本当にそんな投球で...。言葉通りというか、どんな形であれ、つなぐという気持ちで投げてくれた」と評価した上で「次はあいつ自身が勝たせる投球をしてくれたら、すごくうれしい」と続けた。「若い世代で引っ張っていければ」と自覚たっぷりの背番号19。復活ロードを走り抜いた先に、16年ぶりのV奪回がある。【佐井陽介】
◆「輝伝説」が開幕戦勝利とともに幕を開けた。阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)がヤクルト戦に「6番右翼」で先発出場。2回にドラフト新人では球団初となるプロ初打席初打点を記録し、チームを勢いづけた。ヤクルト守備陣にいきなり「輝シフト」を敷かれるなど新人とは思えない異例の公式戦デビューとなった。さあ、次はプロ初アーチだ!伝説の幕開けだった。2回無死一、三塁で佐藤輝がプロ初打席に立った。するとヤクルト守備陣が動いた。遊撃手が二塁右後方へ、二塁手は一塁よりに位置した。公式戦デビューの新人にいきなり「輝シフト」が敷かれた。敵の警戒は大物助っ人レベル。フルカウントからの6球目、先発小川の外角143キロ直球を逆らわずに、左翼に打った。 「初打席でしたが、普段通りの気持ちで打席に立てました。何とかあそこで1点先制点を取れた。しっかりと仕事をすることができてよかった」 開幕戦に先発出場し、プロ初打席に打点を挙げた虎のルーキーは、ドラフト制後初めて。先制の犠飛で猛虎打線を勢いづけた。 「チームが勝てれば、それが一番です」。ドラフトの目玉だった昨秋の関西学生リーグで、佐藤輝が毎試合後必ずといっていいほど、口にした言葉だった。オープン戦ではドラフト制後新人最多の6本塁打で本塁打王となっても「オープン戦なので」と、浮かれることはなかった。色気を出さず勝利を最優先にする佐藤輝のプレースタイルが初打席に凝縮されていた。 4回の第2打席では、本来なら一、二塁間を破る「輝シフト」で阻まれ、二塁手ほぼ正面の二ゴロに倒れた。それでも「シフトだからそこに打つとかいうことはなく、いつも通りと今のところは考えています」と、動じることはなかった。 7回の守りでは塩見の右中間の打球を追い、フェンス手前で足をすべらせ転倒する場面もあった。8回の打席で空振り三振するとその裏からベンチへ下がった。3打数無安打1打点。「結果は出なかったんですけど、1試合1試合切り替えて、明日(27日)はいい日になるようにしっかり準備したいと思います」。球団史上初の開幕戦初打席初本塁打は逃したが、前を向いた。 矢野監督も「あいつのいいところは、あまり緊張している感じがない。プロでは大事な強さだと思う」と、相手のマークが厳しくなっても平常心で立ち向かう姿勢を評価した。犠飛で渋く2年ぶりの開幕白星に貢献。さあ、次はプロ初アーチだ。【石橋隆雄】 ▼佐藤輝が6番・右翼で開幕戦スタメン出場。阪神のドラフト新人では、19年の木浪、近本以来10人目。 ▼佐藤輝は2回に左犠飛でデビュー。阪神の開幕戦に先発出場したドラフト新人が打点を挙げたのは、近本が19年ヤクルト戦6回の第3打席に右中間三塁打で1打点を記録して以来、2年ぶり2人目。先発した開幕戦でプロ初打席での打点は、佐藤輝がドラフト新人初となった。
◆阪神はここ数年の課題である拙守が開幕戦で見られた。序盤から守備のミスでリズムを乱した。1-1の3回には無死一塁から3番山田の打球を三塁手大山がファンブル。チーム初失策を記録した。4回には先頭塩見のゴロを遊撃手木浪が一塁へ悪送球。先発藤浪の粘りもあっていずれも失点に結びつくことはなかったが、守備面で硬さが目立った。
◆阪神の開幕戦、主役の座を奪ったのは来日2年目の助っ人だ。サンズが試合を決めた。同点で迎えた8回2死。ヤクルト4番手清水の127キロスライダーをはじき返した。打球は左翼席に着弾。しばらく放物線を見つめた後、ゆっくりと一塁へ走りだした。「ピッチャーが粘ってくれていたので打ててよかった」。ベンチでは矢野監督、ナインが昨季からおなじみの「ハッピーハンズ」で祝福。「今年ももっともっとできるように頑張ります」と宣言した。 4回には先発小川から1号ソロ。直前に3番マルテが左翼へ大飛球を放つも、アゲンストの風に阻まれていた。強風の中、バックスクリーン右へ運んだ。開幕戦での2本塁打は67年サンケイ戦での山内一弘、90年広島戦での岡田彰布に続き、2リーグ分立後31年ぶり3度目。記録にも残る2発だ。 矢野監督も「見事やった」と称賛。「(ハッピーハンズは)10対0で負けている試合でもやっていいんじゃないかなと。そこから逆転することが起こり得るんでね」。助っ人のパフォーマンスが、逆境を力に変える武器になる。 6番を打つ怪物ルーキーと強力コンビを形成する。3月13日の佐藤輝の誕生日に黒いサポーターをプレゼント。手首にテーピングを巻いている新人を見て、自らが使用しているものを渡した。相乗効果で、オープン戦は12球団トップの17本塁打、打率2割6分7厘。公式戦でも、爆発の予感たっぷりだ。 2回の第1打席でも安打を放ち、3打数3安打2打点。ヒーローインタビューでは「打率10割はもちろんトップ、2ホーマーは単独トップです」と声をかけられ「維持できるといい」と笑みをこぼした。「タイガースファンのみなさんに優勝旗を届けられるように頑張ります」。佐藤輝の前を打つ頼もしい助っ人にも目が離せない。【中野椋】 ▼開幕戦で2本塁打した阪神の打者は、67年に山内一弘がサンケイ戦で、90年に岡田彰布が広島戦でそれぞれ2本塁打して以来、31年ぶり3人目。外国人では初となった。
◆阪神ドラフト6位中野拓夢内野手(24)がプロ初安打を放った。 7回の守備から出場し、9回2死で初打席が回ってきた。初球から近藤の151キロを振り抜き、中前に弾き返した。「初球からストライクが来たら振ってやろうという強い気持ちで打席に入れた。ヒットになって良かった」と喜んだ。
◆阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が26日のヤクルト戦(神宮)で公式戦デビューを果たした。4球団が競合した昨年10月26日のドラフト会議から、ちょうど5カ月。この日、神宮で観戦した父・博信さん(53)が開幕スタメンに名を連ねるまでの日々を「151日の成長記」として、日刊スポーツに明かした。神宮で妻(晶子さん=48)と開幕戦を見ることができました。初打席初打点は持ってますね。我が子ながら大したものです。寒すぎて涙は出ませんでした。 「ケガだけには気をつけて」と送り出した沖縄・宜野座キャンプで、輝明は実戦11試合、打率3割6分6厘、2本塁打、9打点と数字を残しました。キャンプが終わり、オープン戦に入る前に話をした時でした。「スイングがよくなってんねん」と。そんなことをあまり自分から言う子ではないのですが「構えが変われば、すべて変わる」と話していました。確かに近大時代よりも構えた時のバットの位置が高く、投手寄りになっているとは思います。 元阪神の新庄さんが輝明のスイングを見て「バリー・ボンズに似ている」と言われていたのを見て思い出したんですが、1月の入寮前に自宅で輝明は熱心にボンズの動画を見続けていました。「みんな同じ打ち方やねん。(超一流の)メジャーリーガーは」と。その中でも(MLB最多762本塁打の)ボンズは一番ですから。昔から研究熱心なんです。ボンズをマネするということではなく、プロのスピード、キレに対応するためシンプルに"プロ仕様"の打撃フォームの参考にしていたんだと思います。 キャンプ中にDeNA戦(2月18日・宜野湾)でスコアボードを越える本塁打を打った瞬間の写真もそうだったので「インパクトの時もすごく球を見てるね」と輝明に聞くと「見てないよ。当たる瞬間まで見えない」と返事が返ってきました。「直球でも変化球でも、だいたいこの人の変化球はここに曲がる、直球ならこのぐらいに来るというのを予測して、そこにバットを出しているよ」と説明されました。 前にプロの選手が「ボールをよく見てというのは間違い。感覚です」と言っていてどういうことかな? と思っていたことが、何となく分かりました。「(コースに)素直に出した方が(強引に引っ張るよりも)左翼の方が(フェンスまで)近い」と、外角を逆らわず左翼へ打つことも、再認識したようです。 近大時代よりプロ入り後は三振が減りました。プロの審判のストライクゾーンと輝明のゾーンが一致したのかもしれません。アマチュア時代、際どいコースで見逃し三振に倒れた時、私が「何でバットを出さないの?」と聞くと「だってボールやから」と。高校(仁川学院)の頃から言ってましたね。あいつの中に明確な自分のストライクゾーンがあるんでしょうね。ケガなく開幕戦を迎えてくれたことが、本当によかったです。ケガなく1歩1歩です。
◆ヤクルトは大胆な「佐藤輝シフト」に成功するも、3年連続で開幕黒星スタートとなった。 オープン戦本塁打王の阪神ドラフト1位佐藤輝について、高津監督は「思い切りがいいですからね。スイングも大きいですし、特に神宮で迎えると嫌な感じはします」と警戒する。ルーキーの打撃傾向を分析。第1打席から、遊撃手を二塁後方に、二塁手をより一塁側に置くシフトを実行。4回に二ゴロに打ち取るなど無安打に封じた。 高津監督は「たくさん対戦していく中でいろんなことをやりながら抑えていかないと。そんな簡単なバッターではない」と引き締めていた。 1点を争う試合だったが、4回と8回に送りバントを失敗。「こんなことしてたら勝てないですね。すごく大きな2つのアウトだった」と唇をかんだ。
◆ヤクルト内川聖一内野手が、第1打席で移籍後初安打を放った。 2回1死、カウント2-2からタイミングを外されながらも左前へ。「ヤクルトに移籍して初ヒットを打つことができて、シーズンが始まったという気持ち。これからも勝利のために多くのヒットを打ちたい」と喜んだ。昨季までに通算2171安打を放ったバットマンが、新天地でも量産していく。高津臣吾監督からも「しっかりかえすこともできるし、つなぐこともできるというところでは、すごくキーになる5番バッター」と大きな期待を寄せられた。
◆阪神がチーム一丸で接戦を制し、2年ぶりの開幕戦白星をつかんだ。16年ぶりのリーグ優勝へ向けて上々の出だしとなった。◆阪神矢野燿大監督語録 -白星発進 矢野監督 めちゃくちゃうれしいです。本当にどうなるか分からないゲーム。こういうゲームを取っていくことで、強くなっていけるし、こういうゲームを取らないと上にいけない。本当にみんな前のめりで、チーム一丸でやれた。その中で勝ち切れたというのはすごくうれしいです。 -価値ある勝利 矢野監督 どこもいいスタートを切りたいし、いいゲームだったけれど負けた、というよりはね。今の僕らに大事なのはこういう競ったゲームを勝っていくというところ。開幕でどうしても勝ちたい、緊張感もある、固くなるというところで勝てたというのは単なる1勝ではない。 -サンズは頼りになる 矢野監督 本当にね。2アウトからね。決勝のホームランも見事やった。今日は打つ方ではやってくれたんでね。明日ももちろん打ってほしい。 -先発藤浪は粘りの投球 矢野監督 晋太郎自身泥臭く、なんでもいいから勝ちたいと言っている記事をちょっと見たんですけど、ほんとそんな投球。苦しい場面が何回もありましたけど、その中でも同点で(粘って)。もちろん、あのまま勝ちがつけば良かったんですけど、でもその言葉通りというか。どんな形であれ、つないでいくっていう気持ちで投げてくれた。ほんとに開幕を告げたときからすごく緊張していたんでね。開幕戦、その粘りっていうのはしっかり見せてくれたと思う。次からは落ち着いていけると思います。 -佐藤輝が初打席初打点 矢野監督 あいつのいいところはホントに落ち着いているというか、いつもあんまり緊張している感じがしない。プロでは大事な強さだと思う。犠牲フライになりましたけど、落ち着いて打席に入っていましたんで、テルもまた明日から落ち着いてやっていけるようになると思う。 -佐藤輝が打席に立つと盛り上がる 矢野監督 プロの選手で見たいって思われるのはすごく大事なこと。そういうものを持った選手。毎日毎日もちろん佐藤輝だけでなく、他の選手ももっともっと魅力が出てきてくれたら、もっとそう思ってもらえる。テルはテルで頑張ってもらって、他の選手も頑張ってもらいたいと思います。 -投手をつぎ込む総力戦になった。9回打ち切りが影響した 矢野監督 もちろんそれもありますし、あとはチーム力も上がっているんで、あとからいく選手もそんなに遜色ない。大きく戦力が下がることなく代えられるんでね。そういう意味では思い切って代えていけるっていうのは今のチーム力。9回打ち切りってことと今のチーム力全体が上がっているということと両方あります。 -明日以降の戦いは 矢野監督 僕自身も本当にドキドキして緊張してなんか落ち着かない試合でしたけど、みんなでつないでみんなで勝ってくれた。明日からもうちょっと腰据えて、思い切ってまた僕たちの野球をやっていけると思うので、楽しみにしています。
◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が試合前練習に参加し、強い逆風が吹く中、26スイングで2本の柵越えを放った。午後4時に開門し、ファンも視線を送る中で、快音を響かせた。 オープン戦では6本塁打を放ち、ドラフト制以降では初の"キング"に輝いた。開幕戦で一発を放てば阪神では初めて。黄金ルーキーの快挙達成に期待が高まる。
◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が26日、ヤクルトとの開幕戦(神宮)に「6番・右翼」で出場する。阪神の新人野手の開幕スタメンは、2019年の近本、木浪以来となる。
◆阪神・藤浪晋太郎投手(26)がプロ9年目で初めて開幕投手を務めた。一回は三者凡退に打ち取った。先頭の坂口をスライダーで二ゴロ。青木152キロの直球で遊ゴロに。続く山田は151キロの直球で中飛に仕留めた。打者3人に11球を投げた。
◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は「6番・右翼」でスタメン出場。0-0の二回無死一、三塁で第1打席を迎え、フルカウントから先発・小川の低め143キロを捉え、飛距離十分の左犠飛で先制点をもたらした。2021年の矢野虎初打点も刻んだ。 「打ったのはストレート。初打席でしたが、普段通りの気持ちで打席に立つことができました。ランナーのいる場面でしっかりと仕事することができてよかったです」と広報を通じてコメントした。
◆開幕戦となった26日のヤクルト-阪神戦(神宮)を前にカヌー・スラロームの東京五輪日本代表の羽根田卓也(33)=ミキハウス=が始球式を務めた。投球は捕手・中村のミットにめがけてノーバウンド。観衆から拍手を受け、笑顔も見られた。羽根田は、2016年リオデジャネイロ五輪で日本選手初の銅メダルに輝いたカヌー競技の第一人者。東京五輪でもメダル獲得が期待される。
◆「6番・右翼」でスタメン出場を果たした阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の第2打席は四回2死。前の打者のサンズの1号ソロが飛び出し、2ー1とリードした場面で打席に入り、小川の前に二ゴロに終わった。
◆「5番・左翼」で出場したジェリー・サンズ外野手(33)が今季チーム1号を放ち、勝ち越しに成功した。 「低めのカーブをうまく打つことができた。藤浪も粘って頑張ってくれているし、点を取ることができてよかったよ」 1-1の四回2死。小川のカーブをとらえると、打球はバックスクリーン右に飛び込んだ。ダイヤモンドを一周し、ベンチに戻るとおなじみとなった「ハッピーハンズ」も飛び出した。
◆「6番・右翼」でスタメン出場を果たした阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の第3打席は六回2死一、二塁。この回、4番・大山の適時打で3ー2とし、さらに好機を広げて、打席が回ってきた。ヤクルトはここで先発・小川から左腕・長谷川にスイッチ。佐藤輝は左飛に倒れた。二回の第1打席は先制となる左犠飛、四回は二ゴロだった。
◆阪神・大山悠輔内野手(26)が勝ち越しとなる一打を放った。 「(藤浪)晋太郎が、チームが粘っている状況だったので、どんな形でもランナーをかえすという思いだけでした。自分のするべき仕事をすることができてよかったです」 2-2の六回2死二塁。小川から三塁線を破る適時二塁打を放った。粘り強く投げていた先発の藤浪にも勝利投手の権利をプレゼント。主将が大きな1点をもたらした。
◆プロ9年目で初めて開幕投手を務めた阪神・藤浪晋太郎投手(26)は5回103球を投げて5安打2失点。勝ち投手の権利を残して降板した。 一回は三者凡退と完璧な立ち上がりだった。1-0の二回1死満塁で、中村の二ゴロの間に三塁走者が生還して同点に追いつかれた。2-1の五回には四球と2本の安打で1死満塁から暴投で同点とされたが、直後の六回に、大山の左翼線への適時二塁打で3-2と勝ち越した。藤浪は5四球と制球に苦しんだが、相手の拙攻にも助けられた。 「初めての開幕投手でしたが、ボール自体もよく、精神状態もいい状態で臨むことができました。ただ、(同点とされた)五回は悔しいイニングとなり、先発としてもう少し長いイニングを投げたかったです。次回は、そこを課題として取り組んでいきたいと思います」と広報を通じて、コメントを寄せた。
◆ヤクルトは2-3の七回2死二塁から、塩見がD8位・石井(四国IL・高知)から右中間三塁打を放ち、同点に追いついた。塩見は「打ったのはストレート。投手陣が粘って投げているのでなんとかしたかった。気持ちで負けないように強い気持ちで打席に入りました」と振り返った。
◆「6番・右翼」でスタメン出場を果たした阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の第4打席は八回2死走者なしの場面。サンズが四回に続いて勝ち越しの2号ソロを放った直後の打席で、4番手・清水の前に空振り三振に倒れた。二回の第1打席は先制となる左犠飛、四回は二ゴロ、六回は左飛だった。
◆2年ぶり5度目となる開幕投手を務めたヤクルト・小川泰弘投手(30)は5回2/3を投げ5安打3失点。勝敗はつかなかった。 「開幕投手という特別な試合のマウンドに、いい緊張感で上がることができました。六回の失点が悔やまれますが、この反省を次の試合に生かしていきたい」 一回は落ち着いた投球で三者凡退。二回は連打を浴び、無死一、三塁からD1位・佐藤輝(近大)の左犠飛で先制を許した。悔いた2-2の六回は、2死二塁から大山に左翼線への適時二塁打で失点。続くサンズに四球を与えたところで降板となった。 それでも終始テンポのいい投球で6奪三振1四球。緊張感の高まるマウンドで試合を作った。
◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が八回に2本目となるソロを放ち、勝ち越しに成功。そのまま逃げ切り、開幕白星を手にした。 「清水投手とは昨年も対戦経験があったし、良い投手ということはわかっていたから打つことができて幸運だったよ。チームにとっても非常に効果的な一打になってよかったね」 3-3の同点に追いつかれた直後の八回2死。フルカウントから清水のスライダーを完璧に捉えた。左翼席に着弾する、四回に続く勝ち越しのソロ。ベンチに戻ると、ハッピーハンズで喜びを爆発させた。 プロ9年目で初めて開幕投手を務めた藤浪は5回103球を投げて5安打2失点だった。
◆ヤクルトは阪神に競り負けた。ヤクルトは開幕戦で19年、20年に続き、3年連続で黒星スタートとなった。ヤクルトのエース・小川と阪神・藤浪の投げ合い。先制したのは阪神だった。D1位・佐藤輝(近大)が二回無死一、三塁で第1打席を迎え、左犠飛で先制。その裏、ヤクルトは1死満塁のチャンスをつくると、中村の二ゴロの間に三塁走者が帰還し同点に追いついた。 阪神が四回、サンズのソロで1点を加点。ヤクルトも五回、1死満塁とすると、藤浪が暴投。再び追いついたが、その後が続かず2-2のまま。六回に阪神が1点を加えて迎えた七回、ヤクルト・塩見が2死二塁の場面で右中間への適時三塁打を放ち、同点に。しかし、八回、3番手・清水がサンズにこの日2本目となるソロ本塁打を浴びて、このゲームを落とした。小川は5回2/3を投げ5安打3失点。勝敗はつかなかった。
◆阪神はヤクルトとの開幕戦に4-3で競り勝った。チームにとって2年ぶりの白星発進となった。 3度のリードを追いつかれる展開だったが、ジェリー・サンズ外野手(33)が3-3の八回2死走者なしでこの日2本目となるソロを放って勝ち越しに成功。その後は岩崎、守護神スアレスが無失点に抑えて逃げ切った。 注目のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は「6番・右翼」でスタメン出場し、二回無死一、三塁に先制の左犠飛を放ったが、それ以降は二ゴロ、左飛、空振り三振でプロ初ヒットはお預けとなった。 プロ9年目で初めて開幕投手を務めた阪神・藤浪晋太郎投手(26)は、1-0の二回1死満塁で中村のニゴロの間に三塁走者の生還を許して追いつかれ、その後1点リードの五回1死満塁では暴投で同点とされるなど要所で粘り切れず。5回103球を投げて5安打2失点だった。
◆どんな苦しい状況でも表情は崩さず、虎投の顔として堂々とマウンドに立ち続けた。プロ9年目で初の開幕のマウンドに上がった阪神・藤浪晋太郎投手(26)は、味方の2失策などに苦しみながらも、粘りの投球で5回を2失点にまとめて試合を作った。 「初めての開幕投手でしたが、ボール自体も良く、精神状態もいい状態で臨むことができました。ただ、五回は悔しいイニングとなり先発としてもう少し長いイニングを投げたかったです。次回はそこを課題として取り組んでいきたいと思います」 1点の援護をもらった直後の二回、1死から2本の安打と四球で満塁のピンチを招くと、中村の内野ゴロの間に失点。2-1の五回は先頭の青木に中前打、山田に四球。1死後に内川に内野安打を許して満塁に。続く塩見への5球目、149キロは左に大きくそれて痛恨の暴投となり三走が生還して同点とされた。 その他の写真(2/2枚) ちょうど1年前のこの日には、新型コロナウイルスの感染が判明。その後、遅刻による2軍降格やけがなどを経験し、8月に神宮で692日ぶりに白星...。激動の1年を経て成長し、9年目の今年、ついに開幕投手という大役をつかんだ。 開幕直前の本紙のインタビューでは「開幕投手を投げるということは各チームのエース級の投手と当たるということ。そういう人と渡りあえる投球ができないと、と思っている」と話していた。 満を持して登板した初陣のマウンドで5回103球を投げ、5安打2失点。5四球と制球に苦しみながらも踏ん張った。 2-2の六回に大山の勝ち越しの適時打が飛び出し、勝利投手の権利を得るとベンチでガッツポーズ。六回からマウンドを岩貞に譲り、その後も勝利を信じて、戦況を見守ったが...。七回に3番手のD8位・石井大(四国IL・高知)が同点打を浴び、開幕白星はならなかったが、この悔しさを次にぶつける。(織原祥平)
◆ソフトバンクからヤクルトに加入した38歳のベテラン、内川が「5番・一塁」で2年ぶりの1軍公式戦出場を果たした。二回の第1打席で藤浪の変化球を左前へ巧打。五回にも二塁内野安打し、現役最多の通算安打を2173とした。 昨季はプロ20年目で初めて出場なしを経験。「移籍して初ヒットを打つことができて、シーズンが始まったという気持ち。勝ちにつながるヒットを打つため、これからも練習していきたい」と語った。セ・リーグでは横浜(現DeNA)に所属していた2010年以来の出場となった。
◆2年ぶりの開幕白星を飾った阪神・矢野耀大監督(52)は試合後、喜びを隠せなかった。一問一答は以下の通り。 ■有観客開幕 (まずはテレビインタビューから) -ーサンズは頼りになる 「本当にね。2アウトからね。決勝のホームランも見事やったしね。今日は打つ方ではやってくれたんでね。明日ももちろん打ってほしい」 -ー有観客で開幕できた 「そうですね。去年は本当に無観客という中でスタートしましたけど、やっぱり一緒に喜んだり、悔しがったりしてもらえるというのは、やっぱりファンの人のいるいないというのは僕たちにとっては大きな違いがある。そういう意味でファンの人に来てもらう試合はいいなと感じました」 ■藤浪の成長に期待 (記者による囲み取材) -ー藤浪が粘ったことでミスをした野手も燃える部分もあったのでは 「開幕投手、もう告げたときからすごい緊張して、まあでもこれをね、アイツの成長につながると思って指名しているので。きょうまず粘りのピッチングというのをしてくれたので。次はアイツ自身が勝たせるという、そういう投球をしてくれたらすごくうれしいです」 -ー佐藤輝は簡単なボールではない低めのボールを犠飛にした 「まあちょっとコースは分かれへんけど、あれはうまく打ったし。まあ、あとはまだヒットも出ていないし。うん。結果うんぬんより振っていった結果なんでね、それは良かったんじゃないかなと思います」 ■佐藤輝シフトに... -ー(遊撃手が二塁ベース後方に寄る)シフトを敷かれるのも想定内か 「プロはデータが出るんでね。あっち方向にあんまりゴロが転がっていないというデータがあったのかなと思うけど。それはやっていく中で色々、研究されたり、ポジショニングを変えられたりというのはあるんでね。逆にそれを使うことができるかもしれないし。それはあり得ることなんで。特にビックリはしていないです」 -ー加治屋はいきなり勝ちがついた 「ああいう場面でいってもらえる投手がいるというのは頼もしいし、経験もあるし。そういうところではカジもタイガースに来てくれて本当に助かる投手なんでね。1年通して、中継ぎは左が岩貞とザキ(岩崎)が引っ張ってくれるようなチームになっているけど、そういうところではカジに右の中では引っ張っていくような存在になってくれたと思う」 ■煩悩のかたまり? -ーこれだけ経験しても開幕は緊張するか 「俺? するよ! 1年目より2年目、2年目より3年目の方が緊張してるな。1年目の方が当たって砕けろじゃないけど、ちょっと開き直れるけど。勝ちたいという煩悩が出るからかな。その中でもうちの野球をみんなやってくれたし、前のめりでもみんなやってくれたんで。それがまたうれしい。俺はこういうゲームが強くなる試合だと思うし、本当にいい試合をいい雰囲気でやってくれたらいいと思う」
◆とてもじゃないが、勝った勝ったで喜べない守備の乱れだった。「E」マークが灯ったのは大山のファンブル、木浪の悪送球の2つだけだった。が、糸原が三回に村上の打球で併殺を奪えなかった動きはガチガチだったし、五回の内川の二ゴロ内野安打も、私に言わせれば糸原の失策だ。 全体的に守りのリズムが合っていないというより、合ってなさすぎ。これだけバックが足を引っ張っては、投手もたまったものではない。藤浪が気の毒だった。 阪神の課題はキャンプ以来、守備力の向上であることは誰の目にも明らかだった。そのために川相臨時コーチを呼んで改善に努めてきた。が、開幕戦でこの乱れを見せられると、阪神の優勝を予想した立場としては少々不安になってくる。投攻守が揃って、野球は勝てるもの。 とはいえ、一発の魅力を秘めた得点力のある打線であることは改めて証明された。サンズの2発は見事だし、4番・大山がいい形で滑り出したした。安打こそ出なかったが佐藤輝のフルスイングは相手を十分に怖がらせていた。だからこそ、守備の安定が優勝への大きなポイントになりそうだ。(本紙専属評論家)
◆昨オフにソフトバンクを戦力外となり、今季から阪神に加わった加治屋が好救援で移籍後初勝利を挙げた。「任せてくれた監督、コーチに感謝している。みんなでつかんだ大事な1勝」と感慨を込めた。 七回、3-3と追い付かれた直後の2死三塁で登板し、西浦を遊ゴロに抑えた。八回も続投し、1死後に降板。直球の球威は健在で、中継ぎとしての経験も豊富で矢野監督は信頼を寄せる。29歳の右投手は「今までで一番、大事な年。終盤を任せてもらえるように、結果を出し続けないといけない」と意欲を口にした。
◆ヤクルトは序盤から追いかける展開で、粘り強く戦ったが、惜敗。開幕戦は2019年から3連敗となり、高津臣吾監督(52)は厳しい表情を浮かべた。一問一答は以下の通り。 --良く粘った 「でも、1回も勝ち越せなかったのでね。先制もされたし、ずっと追う展開というのは難しかったですね。当たり前ですけど、先に点を取って優位にゲームを進めたかったんですけど、なかなかうまくいかなかったですね」 --先発の小川(5回2/3を投げて5安打3失点) 「あまり状態は良くは見えなかったんですけど、いろいろな神経を使いながらね、いろいろな重圧があったでしょうけど、よく投げたと思います」 --内川が移籍後初安打(5打数2安打) 「しっかりかえすこともできるし、つなぐこともできるしというところでは、すごくキーになる5番バッターだと思います。普通に彼が健康でゲームに出続ければ、去年の5番以降の得点というのも解消されると思うし、元気にゲームに出てほしいなと思いますね」 --八回に清水が(サンズに)決勝被弾 「一番注意するところですよね、ピッチャーとして。あのイニングに投げているピッチャーなのでね、そういうミスは命取りになると勉強になったと思います」 --2度のバント失敗 「こんなことをしていたら勝てないですね。絶対にね。すごく大きな2つのアウトだったと思います」
◆打球は投手の足元を抜け、中前へ。D6位・中野(三菱自動車岡崎)がうれしいプロ初安打だ。 「初球からストライクがきたら振ってやろうという強い気持ちで打席に入ることができた。その結果、ヒットになってよかったです」 七回から二塁守備に就くと、九回2死だ。「初めての打席で少しワクワクした」というが、近藤の初球を鋭くとらえた。球団では2016年の高山俊以来となる開幕戦のプロ初打席安打。同期のドラ1・佐藤輝よりも早く、12球団新人の最速安打をマークした。 「落ち着いてやれている。一本出たというのはたいしたもの。一生の思い出になる試合になったんじゃないか」と矢野監督。新人は佐藤輝だけじゃない。中野がここからスターへの階段を上がる。(菊地峻太朗)
◆2021年の開幕を祝うかのように、神宮外苑には桜が舞った。2年連続最下位からの逆襲を目指すヤクルトにとって勝負のシーズンが始まったが、19年から開幕戦3連敗。高津臣吾監督(52)の表情に笑顔はなかった。 「1回も勝ち越せなかった。先制もされたし、ずっと追う展開というのは難しかったですね」 コロナ禍で観客の上限が1万人とされる中、9984人が訪れた神宮。燕ナインは粘り強く戦ったが、もう一押しができなかった。二回に先制を許しても裏に追いつき、1点を追う七回は塩見が一時同点の右中間適時二塁打。追いかけ続けたが、2度のバント失敗も響いた。 四回1死一、三塁で小川が試みて一飛。1点を追う八回無死一塁では、代打・古賀が空振りでスリーバント失敗。就任2年目の今季、春季キャンプ中から「1点の重要性」を求めてきた指揮官は「こんなことをしてたら勝てないですね。絶対に。すごく大きな2つのアウトだった」と厳しい表情だった。(赤尾裕希)
◆初陣のマウンドを託された投手として、意地と気迫で粘った。開幕投手の藤浪は白星こそつかめなかったが、味方の失策などでペースを乱しながらも5回2失点と踏ん張った。 「なんとか粘れた。ただ五回に乱れなければ、六回、七回と長いイニングを投げられた。ああいうところを抑えて、なおかつ長いイニングを(投げることが)開幕、カード頭は求められるところかなと思う」 1-0の二回に安打と四球などで満塁とされ、中村の内野ゴロの間に1失点。五回は1死満塁から暴投し、2-2と追いつかれた。それでも、三回は三塁・大山、四回は遊撃・木浪の失策でピンチを招きながら、必死に腕を振ってしのいだ。5回を103球、5安打2失点。5四球と制球を乱したが、9残塁と、大量点は許さなかった。 ちょうど1年前のこの日に、新型コロナウイルスの感染が判明。その後、2軍降格やけがなどを経験し、8月に神宮で692日ぶりに白星。激動の1年を経て、9年目の今年、開幕投手という大役をつかんだ。 「意外と緊張はしなかった」というが「特に五回は自分の(フォームの)タイミングの合わなさというところが修正しきれなかった」と反省。六回、大山の適時二塁打で勝ち投手の権利を手にしたが、3番手のD8位・石井大が同点打を浴び、白星は幻に。それでも矢野監督は「どんな形でも抑えてやる、というようなもの(気迫)も感じられた。内容はもっと良くなると思う。粘りのピッチングをしてくれた」と評価した。 「次はアイツ自身が(チームを)勝たせるという投球をしてくれたらすごくうれしい」 もちろん藤浪も、そのつもりだ。「チームが開幕戦で勝てたというのが(一番)。自分も気分いいし、チームとしてもいいスタートが切れたと思う」。次こそはビシッと抑えて、自らの手で勝利を手繰り寄せる。(織原祥平)
◆バースの再来は佐藤輝だけじゃない! 全国の虎党が"神様"とあがめる男がいるなら、それはこの夜のサンズ以外あり得ない。まさに神業。V弾を含む1試合2本塁打で、いきなり猛打賞の打率10割発進! 頼れる助っ人がベンチもルーキーもまるごと救った。 「うれしいです。ピッチャー陣も粘ってくれましたし、開幕戦に勝てたということでうれしいです!」 3-3の八回2死走者なし。フルカウントから燕のセットアッパー・清水の甘く入ったスライダーを完璧に捉え、どでかいアーチを左翼席へかけた。値千金の勝ち越しソロに、ベンチ前ではおなじみの"ハッピーハンズ"を披露。「清水投手とは昨年も対戦経験があった(3打数1安打1打点)。今年もハッピーハンズ、もっともっとたくさんできるように頑張りたい」と声を弾ませた。 1-1の四回、矢野阪神2021年1号となるソロも、V弾と同じく2死走者なしから。開幕戦の1試合2発は、球団では1990年の岡田彰布以来31年ぶり3人目だ。 ここぞの場面で価値ある結果を残せるのには、訳がある。南国沖縄での1軍キャンプに通常のバットより短い「Cam Wood Bats」なる"新兵器"を初めて持ち込んだ。 その他の写真(2/3枚) 「週に1回、自分のスイングのチェックというか、トレーニングの一貫で使っています。自分のスイングは波打ったりすることがあるんだ。自分のスイングの軌道に合うように修正できる」。米大リーグで通算3141安打のトニー・グウィンもおすすめしていた相棒の効果は、絶大だった。 1点リードの七回には、矢野監督が期待を込めて送り出したD8位・石井大(四国IL高知)が同点に追いつかれた。ベンチの勝負手は裏目となったが、背番号52の直後の一撃が"負の要素"をすべて吹き飛ばし、指揮官も「本当にね。2アウトから。決勝のホームランも見事やったしね。(ハッピーハンズは)どんどんやってくれたらいい」と目を細めた。 「今年はこれ(打率10割)を維持できるといいんですが(笑)。みなさんに優勝旗を届けられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!」とサンズ。他球団は来日メドが立たない助っ人が目立つが、虎にはサンズがいる。自慢のバットで矢野虎を開幕ダッシュへ導く。(新里公章)
◆黄金ルーキーの一打で虎が"快幕"だ! プロ野球が26日、セ、パ両リーグの計6試合で開幕を迎え、阪神は神宮でヤクルトに4-3で勝利した。注目のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は「6番・右翼」で出場し、二回に先制犠飛を放った。新人が開幕戦の1打席目に打点を挙げるのは球団史上初。新たな歴史を刻み、勝利とともに、大きな一歩を踏み出した。 劇的な開幕星は、この男から始まった。佐藤輝明-。敵地・神宮に割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こる。ゆっくりと歩みを進め、たどり着いたプロ初打席。伝説がついに幕を開けた。佐藤輝のバットが、2021年虎の初得点を刻んだ。 「初戦ですし、気持ちも高ぶっていて。結果は出なかったですが、なんとか先制点をとれたので、それはよかったかなと思います」 納得のいく一打ではなかった。それでも記念すべき初打席は、確実に虎の勝利につながった。二回無死一、三塁の先制機。燕のエース・小川の2球目、143キロをフルスイング! バットは空を切ったが、どよめきとともに球場のボルテージは最高潮に高まる。そしてフルカウントから6球目。143キロをたたくと白球は弾丸ライナーで左翼へ。飛距離は十分。期待に応える左犠飛で、神宮が大歓声に包まれた。 球団のルーキーが開幕戦で打点を挙げるのは2019年の近本光司以来だが、開幕戦&プロ初打席で、となると球団史上初の快挙だ。またも歴史に名を刻んだ佐藤輝はベンチに戻ってナインと笑顔で肘タッチ。その裏、右翼守備に向かうと、虎党から再び大きな拍手で祝福。帽子をとってペコリと頭を下げた。 その他の写真(2/2枚) ルーキーの活躍に負けじと、野手も投手も一丸となって踏ん張った。佐藤輝の先制点から3度追いつかれながらも、一度もひっくり返されることなく接戦を制し、白星発進。矢野監督は「本当に落ち着いている。プロでは大事な強さ」と佐藤輝の度胸に感心すると「いまの僕らに大事なのは、こういう競ったゲームを勝っていくというところ。開幕でどうしても勝ちたい、緊張感もある、かたくなるというところで勝った。単なる1勝ではない」と喜んだ。 春季キャンプ、そして新人記録となる6本塁打(ドラフト制以降)を放ったオープン戦と、節目節目で"持っテル"姿を見せつけてきたドラ1。この日のプロ初打席も最高の形で巡ってきた。父・博信さん(53)は「不思議とね、昔からチャンスで回ってくるんですよね。何番であってもチャンスで回ってくる」と懐かしそうに振り返る。言葉では言い表せない。野球の神様に愛される天性の魅力が、佐藤輝にはある。 ヤクルトも、遊撃手が二塁ベース後方を守る"佐藤輝シフト"や左腕・長谷川のワンポイントリリーフなど、新人相手とは思えない徹底マーク。3打数無安打と快音は響かなかったが、チームの勝利が何よりの活力だ。 「しっかり1試合1試合切り替えて、明日いい日になるようにしっかり準備したいと思います」 歴史的な先制犠飛から始まった黄金伝説。次は「H」ランプをともし、新たな1ページを刻む。(原田遼太郎) ★その時 佐藤輝のプロ開幕戦を、神宮のスタンドで父・博信さん(53)、母・晶子さん(48)、さらに宮城と岡山からそれぞれ祖父母らが駆け付けて見守った。愛息の晴れ舞台に博信さんは「寒すぎて涙は出ませんでした」と笑ったが、初打席で期待に応える姿に「持ってますね。わが子ながら大したものです」とたたえた。歩み始めたプロ野球人生。父は「けがなく一歩一歩」と願った。
◆時は2030年。 「阪神クイズー!? さて、今シーズンもタイガースは日本一になり、これでかつての伝説のON(王、長嶋)の頃の巨人の9年連続日本一を抜く10年連続の偉業を達成したわけですが!! さて、ここで問題です? そのV10のスタートとなる2021年虎の初得点をたたき出したのは誰でしょう?」 「ウ~ム...佐藤輝明選手!!」 ピンポン! ピンポン!! 「そーです、その後10年間でトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を2度。さらに世界初の4割40本40盗塁まで達成した例のミスタータイガース・佐藤輝明選手、大正解!!」 ヤクルトとの開幕戦でヒットこそ出なかったけど、先制の犠牲フライはそんな夢を見させてくれたのだ。2試合目は一発頼むよー! 先発の藤浪晋太郎は5回5安打5四球、味方エラーも2つあったにもかかわらず『2失点』と耐えた晋太郎が『辛(晋)太郎』に明らかに変わったので、今季は最多勝いけるでェ!! 2本塁打のサンズ様、サイコー!! このまま打ちまくり、他の5球団の投手をサンズ(三途)の川へおくったれー!! さあ、36年ぶりの日本一の虎ドラマが幕を開けたでェ!!
◆ヤクルト・小川は2年ぶり5度目の開幕投手を務め、5回2/3を3失点。自身に勝敗はつかなかった。「いい緊張感でマウンドに上がることができました。六回の失点が悔やまれます」。それでも、終始テンポのいい投球で6奪三振1四球。高津監督は「いろいろな重圧があったでしょうけど、よく投げた」と右腕をたたえた。
◆ソフトバンクから加入した38歳の内川が「5番・一塁」で2年ぶりの1軍公式戦出場を果たし、5打数2安打。二回は藤浪の変化球を左前へ。五回にも二塁内野安打を放ち、現役最多の通算安打を2173とした。「初安打を打つことができ、シーズンが始まったという気持ちです」。昨季はプロ20年目で初めて出場なしを経験。「これからのチームの勝利のために多くの安打を打ちたい」と誓った。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
1 | 0 | 0 | 1.000 (-) | - (-) |
142 | 8 (-) | 7 (-) | 2 (-) | 0 (-) |
0.290 (-) | 7.000 (-) |
1 (-) |
阪神 |
1 | 0 | 0 | 1.000 (-) | 0 (-) |
142 | 4 (-) | 3 (-) | 2 (-) | 1 (-) |
0.242 (-) | 3.000 (-) |
1 (-) |
中日 |
1 | 0 | 0 | 1.000 (-) | 0 (-) |
142 | 7 (-) | 6 (-) | 1 (-) | 2 (-) |
0.257 (-) | 5.000 (-) |
4 (-) |
DeNA |
0 | 1 | 0 | 0.000 (-) | 1 (-) |
142 | 7 (-) | 8 (-) | 0 (-) | 0 (-) |
0.324 (-) | 7.880 (-) |
4 (-) |
広島 |
0 | 1 | 0 | 0.000 (-) | 1 (-) |
142 | 6 (-) | 7 (-) | 1 (-) | 0 (-) |
0.294 (-) | 5.000 (-) |
4 (-) |
ヤクルト |
0 | 1 | 0 | 0.000 (-) | 1 (-) |
142 | 3 (-) | 4 (-) | 0 (-) | 0 (-) |
0.229 (-) | 4.000 (-) |
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