巨人(☆8対7★)DeNA =リーグ戦1回戦(2021.03.26)・東京ドーム=
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DeNA
02100020271210
巨人
303000011X8912
勝利投手:中川 皓太(1勝0敗0S)
敗戦投手:三嶋 一輝(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】大城 卓三(1号・3回裏3ラン),亀井 善行(1号・9回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人が開幕戦を劇的なサヨナラ勝利で飾った。巨人は3-3で迎えた3回裏、大城が3ランを放ち、勝ち越しに成功する。その後再び同点を許すも、9回に代打・亀井のソロが飛び出し、試合を決めた。投げては、5番手・中川が今季1勝目。敗れたDeNAは、7番手・三嶋が痛恨の一発を浴びた。

◆ヒヤリと肝を冷やすアクシデントが発生した。 巨人戸郷翔征投手(20)が試合前練習中に頭部に打球を受け、ベンチに下がった。外野でのランニングメニュー中に打球が左側頭部付近に直撃。トレーナーに付き添われてベンチ裏に引き揚げた。その後はグラウンドに姿を現すことはなかったが宮本投手チーフコーチは「大丈夫、大丈夫」と大事には至っていないと強調した。 戸郷は開幕2戦目となる27日DeNA戦に先発する予定となっている。

◆DeNAの三浦大輔監督(47)はじめ選手、コーチが、手に青いラインを入れた。 開幕の巨人戦(東京ドーム)を前に、三浦監督によると「みんなで心を1つにして戦おうと」と、佐野恵太主将の呼びかけで手の甲に線を書いた。

◆DeNA三浦大輔監督(47)が、監督として初めて迎える開幕への心境を語った。 「昨日も緊張して高ぶってきたが、当日を迎えてそれ以上。より一層緊張を感じている。監督して初めて迎えるので選手とは違う」。前日は午後11時ごろに就寝し、8時ごろに起床。午前中は自宅で恒例のタイ、赤飯を食べて出陣した。 今季は「横浜一心」のスローガンを掲げて戦う。佐野恵太主将の発案で「みんなで心を1つにして戦おう」(三浦監督)と手の甲に、監督、コーチ、選手全員が青い線を入れた。初陣を前にハマの番長は「思い切ったプレーをしてほしい。1年間、攻め続けてほしい」と選手に求めた。 スタメンについては明言を避けたが、ドラフト2位ルーキー牧秀悟内野手(22=中大)は入る見込みであると明かした。

◆開幕2戦目に先発するDeNA京山将弥投手(22)は、自らの投球に集中して、低め勝負に徹する。 オープン戦3試合に登板し、9イニングで防御率0・00と絶好調の右腕は「いい緊張感を持ちながら過ごすことができています」と充実の表情。強打者がそろう巨人打線に対して「低めにボールを集めていきたい。相手どうこうではなく、自分のピッチングをどれだけできるかにかかっていると思うので、しっかり勝負したいと思います」と話した。

◆巨人から移籍のDeNA田中俊太内野手(27)が、古巣からチームの今季初得点をたたき出した。 3点を追う2回無死満塁、巨人先発菅野の初球をセンターへ。距離十分の犠飛で三走の佐野が生還。 1点を追う3回2死一、三塁では、同じく菅野から中前に同点適時打を放った。移籍初安打に「打ったのはカーブだと思います。攻めていく気持ちで打席に向かいました。結果タイムリーヒットとなり良かったです。まず1本出てホッとしています」と引き締まった表情で話した。 昨オフ、FA移籍の梶谷の人的補償で加入したユーティリティーが、開幕戦でいきなり結果を出した。

◆初の開幕投手を務めたDeNA浜口遥大投手(26)が、3回を4安打6失点で無念の降板となった。 初回の立ち上がりから制球が定まらず3失点。同点に追い付いた3回1死一、二塁には巨人大城に3ランを浴びた。 6三振は奪ったが、5四球を与える内容に「試合が近づくにつれ気持ちは高まり、マウンドに上がってから思っている以上に落ち着くことができませんでした。立ち上がりは自分のボールで勝負することができず、四球でランナーをためてしまい得点を許してしまいました。打線にいい流れを作れず、また同点に追いついてもらったにもかかわらず、四球からの本塁打と一番やってはいけないことをしてしまいました。同じ失敗をしないよう、次回登板までしっかり調整したいです」と悔しそうな表情で振り返った。

◆巨人先発の菅野智之投手(31)が、6回8安打3失点でマウンドを降りた。 1回に3点の援護を受けるも、直後の2回、犠飛と押し出し四球で2点を失った。続く3回2死一、三塁、今オフに巨人から移籍した田中俊太内野手(27)に甘く入ったカーブを中前に運ばれ、同点とされた。 4回に女房役の大城が放った勝ち越し3ランで再び3点の援護をもらうと、4回以降は無失点にまとめて後続に託した。

◆巨人長嶋茂雄終身名誉監督(85)が東京ドームに来場し、開幕戦を観戦した。19年9月27日DeNA戦以来の東京ドームでの試合観戦。「ここ東京ドームで開幕戦を見ることを、本当に楽しみにしていました。選手たちの動きを見ると、キャンプでしっかりと鍛え上げてきたということが、ひしひしと伝わってきました」と感心した。 1回無死一、二塁から坂本が左前打を放ち、相手の守備が乱れる間に先制。続く岡本の左中間フェンス直撃の二塁打で1点を追加した場面に「初回の坂本、岡本の連打は迫力満点」と大喜び。同点に追いつかれた直後の3回1死一、二塁には大城が勝ち越しの3ランを放ち「同点に追いつかれてからの大城の3ランホームランには、興奮して思わず身を乗り出しました」と話した。「今年もジャイアンツらしい戦いを期待しています。やっぱり野球は楽しい!」と声も弾んだ。

◆巨人は1回、3点を先制。DeNAは3回に田中俊の適時打で同点に追い付いたが、巨人はその裏、大城の1号3ランで勝ち越し。 菅野は6回3失点で降板。DeNAは2番手国吉が4、5回と3者凡退に抑え、3番手砂田も6回を3者凡退とした。 DeNAは2点を追う9回、田中俊がこの日6打点目となる2点適時打で同点。巨人はその裏、代打の亀井がサヨナラ本塁打。中川が今季初勝利、DeNA三嶋が1敗。

◆巨人先発菅野智之投手は6回3失点と粘ったが、球団記録を塗り替える開幕戦5勝目を手にすることはできなかった。上原浩治に並ぶ球団最多タイの7度目の開幕マウンド。「独特の雰囲気はありました」と素直な感想を口にし「追いつかれはしましたが、追い越されなかったことが自分の中では唯一、良かった点だと思います」と振り返った。 3点リードの2回、昨季までのチームメートで東海大相模、東海大の後輩でもある田中俊への犠飛と押し出し四球で1点差に詰め寄られた。3回には再び田中俊に同点打を浴びたが、勝ち越しは許さなかった。9回に新守護神の中川が同点に追いつかれ勝ち星を手にすることはできなかったが、チームが勝利を収め「感謝しています」と話した。【久永壮真】

◆巨人から移籍のDeNA田中俊太内野手(27)が、古巣を相手に3安打6打点の大活躍を見せた。 まずは3点を追う2回無死満塁、巨人先発菅野の初球を捉えてセンターへ。距離十分の犠飛で三走の佐野が生還し、チームの今季初得点をもたらした。 1点を追う3回2死一、三塁の第2打席では、同じく菅野から中前に同点適時打を放った。移籍初安打に「打ったのはカーブだと思います。攻めていく気持ちで打席に向かいました。結果タイムリーヒットとなり良かったです。まず1本出てホッとしています」と引き締まった表情で話した。 再び3点差とされた7回2死満塁では、巨人3番手鍵谷から右前に2点適時打を放ち「打ったのはフォークです。積極的に打ちに行きました。うまく捉えることが出来て良かったです」と話した。 さらに1点差の9回2死二、三塁では、巨人中川から左前に同点の2点適時打を放った。 昨オフ、FA移籍した梶谷の人的補償で加入したユーティリティーが、開幕戦でいきなり結果を出した。 ▼DeNA田中俊太内野手が3安打6打点。開幕戦で6打点以上は、82年柏原(日本ハム)と羽田(近鉄)94年トラックスラー(ダイエー=7打点)以来27年ぶり4人目。 セ・リーグでは85年レオン(大洋)86年ポンセ(大洋)94年松井(巨人)11年長野(巨人)19年筒香(DeNA)の5人がマークした5打点を上回る新記録となった。なお開幕戦で6打点しながらチームが負けたのは、82年羽田(近鉄)以来39年ぶり2度目。羽田は阪急戦でチームの全打点を挙げたが、6-7で敗れた。

◆巨人4年目で初の開幕スタメンをつかんだ大城卓三捕手が、菅野を援護する一時勝ち越しの1号3ランを放った。 「7番捕手」で先発出場。連続四球で好機となった同点の3回1死一、二塁。3ボールから浜口の140キロ直球を右翼席へ運んだ。「追いつかれた後だったので、すぐに取り返せて良かったです」と喜んだ。

◆巨人代打亀井義行外野手がサヨナラ本塁打。開幕戦のサヨナラ本塁打は19年中田(日本ハム)以来13本目で、巨人では初めて。これまで打ったのは先発出場した11人と途中からリリーフしていた69年木樽(ロッテ)で、代打サヨナラ本塁打はプロ野球史上初めてだ。また、亀井は38歳7カ月。開幕戦のサヨナラ本塁打では69年山内(広島)の36歳11カ月を抜く最年長記録となった。 ▼亀井のサヨナラ本塁打は17年6月18日ロッテ戦以来7本目。サヨナラ本塁打は清原(オリックス)の12本が最多で、亀井の7本は長嶋(巨人)阿部(巨人)らに並び6位タイ。 ▼セ・リーグで開幕戦のサヨナラ本塁打は05年アレックス(中日)以来だが、その時打たれたのが開幕投手だった三浦監督。投手と監督の両方で開幕戦サヨナラ本塁打を経験したのは杉浦監督(投手69年、監督89年)と三浦監督だけ。

◆DeNA三浦大輔監督(47)が初陣を飾れなかった。 9回に7-7の同点に追い付いた直後、抑えの三嶋がサヨナラ本塁打を浴びた。三浦監督は「悔しいですよ。粘っても勝てなかった。明日はやり返せるようにしたい」とかみしめるように話した。 打線が3点差を2度追いつく、驚異の粘りを見せた。「みんな最後の最後まで集中して戦えていた」。7番に起用した、巨人から梶谷の人的補償で移籍した田中俊が古巣相手に大暴れした。「今まで同じチームで後ろで守っていて、すごい投手だと思っていた」。東海大相模-東海大の先輩、菅野から2回に中犠飛、3回に中前同点打を放った。 勢いは止まらない。7回2死満塁では2点右前適時打、さらに9回2死二、三塁、東海大で同学年だった巨人中川のスライダーに逆らわず、同点の左前2点適時打。「公式戦で立つのは初めて。どういう球がくるのか分からなかった。しっかり打ちにいけた」。開幕戦の1試合6打点はレオン、ポンセ、筒香らの球団記録どころか、セ・リーグ最多を更新。「みんなで走者をためてくれ、結果的に打点になってよかった」。三浦監督も「しっかり仕事をしてくれた。気持ちが1打席1打席入っていた」と目を細めた。 新ルールの9回打ち切りを想定し、ワンポイントも含め7投手を惜しみなくつぎ込む継投で接戦を演出した。3回無死一、二塁では柴田のバスターで好機を拡大するなど、足を絡めた攻撃も見せた。しかし、初回は浜口の連続与四球に、外野からの中継プレーのミスで失点と課題も残った。「全体的に開幕戦の硬さがあって、ミスを突かれた」。全選手とともにスローガン「横浜一心」の「一」を手の甲に書き込んで臨んだが、1点差の惜敗スタートとなった。【斎藤直樹】

◆亀の"コトイチ"代打弾で開幕を高らかに告げた。巨人亀井善行外野手(38)が、9回打ち切りの特別ルール適用直前の9回に代打サヨナラ弾を決めた。DeNA守護神三嶋のスライダーを完璧に捉えた。開幕戦での代打サヨナラ弾はプロ野球史上初。自身通算99本目の1発で大台に王手をかけた。プロ17年目、チーム最年長38歳のベテランが立役者となり、リーグ3連覇、日本一奪回へ劇的なスタートを切った。「完璧でした。今年まだ始まったばかりでしたけど、今年一番の当たりでした」。開幕戦のお立ち台で亀井が照れくさそうに言った。球春の高揚感を主戦場で体現した。同点に追いつかれた直後の9回。先頭で代打をコールされた。「監督の意図を感じながら。そういうものを見ながら準備している」と息がぴったり合った。 百戦錬磨の経験が無数のセンサーを動かした。次打者席からDeNA守護神三嶋の投球練習をチラ見しながら「ストライクが入ってなかった。1ストライクまでは見ようかなと」。初球151 キロ 直球はボール、2球目138 キロ スライダーを見逃してカウント1-1はプラン通りだった。スイッチを入れた3球目は同じ軌道で139 キロ スライダー。ファーストスイングは最高の感触が残った。確信して駆けだすダイヤモンドへの第1歩。周回のゴール地点で後輩たちからのウオーターシャワーを気持ちよさそうに浴びた。 14年間愛用してきた"無敵のチャンピオンベルト"も劇的弾を後押しした。練習、試合、共通でシワだらけのベルトを一途に愛用してきた。5つある穴の3つめがベストコンディション示す指標になる。「今日は3つ目。今年は体は完璧に仕上がっている」とうなずいた。大台まであと1本に迫る通算99号。地道にコツコツと積み上げてきた。「遅いでしょ。恥ずかしいよ。ホームラン打者じゃないからね。節目は記録にはなるけど、得点圏での打撃のほうが大事」と今までと同じように1発よりも1勝を追う。 今季限定で採用されている9回打ち切り特別ルールの適応寸前で開幕白星発進をもぎ取った。ファンとともに21年のプロ野球が開幕した。「緊張感というか、いろいろと経験もしてきた。苦しいことも。こういうところで力を出す。今までの経験が力になっている」と亀井。今年一番の当たりじゃない。もっと、もっとすごい一打、歓喜、感動がこの先の戦いで待ち受けている。【為田聡史】 巨人原監督(亀井について)「最後、決めてくれたのは、いろんな意味で大きい。いろんな人をカバーしたり、チームに明日への活力をさらに与えてくれた。素晴らしいホームランでした。見事ですね」

◆巨人ゼラス・ウィーラー内野手(34)が3打数2安打2打点と活躍した。 1回無死満塁、浜口の直球を右前に運び適時打を放った。塁上で派手にガッツポーズし「強引にならずにつなぐ意識でコンパクトに打ち返せたよ。1打席目に貢献できて、自分にもチームにもいい一打になって良かった」。8回には1死二塁から、右越え適時二塁打でマルチ安打とした。

◆DeNAは三浦大輔監督(47)が恐れていたミスが出てしまった。 番長ベイスターズの初失点は、1回無死一、二塁から喫した。3番坂本に左前打を打たれた。ここまでは仕方ない。左翼手佐野恵太から遊撃手柴田竜拓への返球は、ショートバウンド。柴田が捕球できず、コロコロとマウンドの方向へ転がる間に、1度は三塁で止まった走者の梶谷隆幸が本塁に再び走りだし、生還した。 同じように外野から内野への中継プレーが乱れた場面が、2月28日の練習試合・巨人戦(沖縄セルラースタジアム那覇)でもあった。 無死一、二塁から左翼線への左飛。だが、左翼手の桑原将志からの中途半端なバウンドとなった三塁返球を、中継の遊撃柴田が捕れず、タッチアップで走者2人の進塁を許した。 開幕直前、NHKのテレビ番組でセ・リーグの6監督が対談した。三浦監督は、この場面について「そつのない野球」として巨人の強みに挙げていた。しかし、ミスがなければ簡単に進塁できない場面でもある。キャンプ、練習試合でも、外野から内野への返球が乱れる場面が多かった。 三浦監督は試合後「全体的に開幕戦の硬さがあった」と冷静に分析していた。最後は1点差。こうしたミスを繰り返しては、上位進出が遠くなる。改善の余地がありそうだ。【斎藤直樹】

◆JR水道橋駅の西口改札を抜けて見上げた先に、東京ドームが見える。卒業証書と花束を抱える袴姿の女子大生に、今年は「YG」マークの黒い巨人の帽子をかぶった子どもが軽快な足取りで歩を進めていた。桜が咲き誇る日本の卒業シーズンに、プロ野球の開幕戦が2年ぶりに戻ってきた。 変わった風景もある。ドームの内外で誰もがマスクを着用し、東京ドーム内の売店では接触を避けるべくスマートフォンで事前に注文できるモバイルオーダーがスタートした。時代も人も、例外なく変わる。 原監督が百戦錬磨の名将の名将たるゆえんが、「不変」と「変化」を持ち合わせているところにある。 巨人監督として14年間でリーグ優勝は9回。09年WBCでは日本代表監督として世界も制した。それでもなお「我々は勝つというのが一番重要なミッション」との信念は変わらない。常に実力至上主義を掲げ、競争を勝ち抜いた者を選び抜く。今季は4年目の若林と大城、5年目の松原を初の開幕スタメンで起用。開幕投手を託した菅野に開幕投手を告げたのは、春季キャンプ最終日の2月28日だった。実績だけで判断せずオフにメジャー球団との交渉のため渡米した影響をキャンプでシビアに見極めてから最終決定を下した。勝利への欲求と向上心が、指揮官としての源流にある。 不変を貫くための変化ならいとわない。今年63歳は、西武 辻 監督とともに12球団最年長。年々広がる選手との年齢差はみじんも気にしない。「彼らから見るとおじいちゃんだから」と笑い飛ばしながら、高卒選手にも丁寧に声を掛ける。宮崎キャンプの宿舎の部屋では、日本列島を揺るがせた大人気アニメ「鬼滅の刃」にチャンネルを合わせた。「全集中だね」。固定観念にとらわれず、新しいものにも軽快なフットワークで反応できる。臨機応変なスタンスが、年代を問わずに人を引きつける。 今季も開幕戦から「変化」と「不変」からなるタクトを振った。7回には一塁手ウィーラーの失策で失点し、8回1死一、三塁では一塁走者の代走吉川が初球前のけん制につられ、三塁走者重信が盗塁死。新守護神中川は9回に同点に追いつかれた。攻守で歯車が微妙に狂い、試合の流れはめまぐるしく変化した。その中でも動じることなく手を打ち続け、「代打亀井」の一手で試合を決した。 亀井を笑顔で出迎えた原監督は、昨年の開幕戦には見られなかった観客席のファンに大きく手を振った。声は出せなくとも、全身で感謝を伝えた。「今日は予想もつかないようなゲーム展開でしたね。結果的に勝ち切れたというのは非常に大きい。勝負はどっちに転んでもおかしくないようなペナントレースになると思います」と引き締めた。監督として史上初の3度目のリーグ3連覇の偉業へ、その先の4度目の日本一へ-。「監督・原辰徳」の15年目の戦いがドラマチックに幕を開けた。【浜本卓也】

◆巨人はDeNAとの開幕戦に先立ち、先発オーダーを発表。オフにDeNAからFAで移籍した梶谷隆幸外野手(32)が「1番・右翼」で起用された。また、若林晃弘内野手(27)が「2番・二塁」で起用され、自身初の開幕スタメンを勝ち取った。開幕投手は菅野智之投手(31)が4年連続7度目の大役を務める。勝てば球団記録となる開幕戦5勝目。

◆開幕戦の試合前練習で、巨人・戸郷翔征投手(20)にアクシデントが発生した。外野で調整中、打撃練習の打球が戸郷の頭部を直撃。そのままベンチ裏へ下がった。球団関係者によると、軽傷で大事には至っていないという。昨季9勝の右腕は27日の開幕第2戦で先発予定。その後に発表された予告先発には戸郷が名を連ねた。

◆初の大役は、大きな悔しさの残る結果となった。DeNAの開幕投手・浜口遥大投手(26)は3回79球、4安打5四球、6失点でマウンドを降りた。  「試合が近づくにつれ気持ちは高まり、マウンドに上がってから、思っている以上に落ち着くことができなかった」  一回、先頭・梶谷への初球が大きく抜けたところから一気に歯車が崩れた。制球が定まらず、連続四球で無死一、二塁とされると、3番・坂本に左前打。失策も絡み先制点を許すと、4番・岡本和には追い込んでからのチェンジアップを、中越えフェンス直撃の適時二塁打にされた。  それでも、味方が直後の二回に2得点。浜口もその裏を2奪三振の三者凡退で、復調の兆しを見せたが、同点に追いついてもらった三回に再び乱れた。1死から丸、ウィーラーに連続四球。続く大城にも3ボールとなり4球目、真ん中の直球を狙いすましたかのように右翼席へ運ばれた。  「同点に追いついてもらったにもかかわらず、四球からの本塁打と一番やってはいけないことをしてしまった」  今季は、テンポのいい投球を目標に掲げ、オープン戦では3試合計9イニングを投げて与四球わずか1と安定していた。だが、12人しか上がることのできない特別なマウンドは、甘くはなかった。

◆有観客で幕を開けた2021年シーズン。開幕戦ならではの、独特な緊張感が漂う東京ドームで、菅野は大きく深呼吸してからマウンドに上がった。  「重大な責任があると思いますし、誰もが立てるマウンドではない。そういったところもかみしめながら自分の役割を全うしたい」  前日25日に4年連続7度目の大役に向け、力強く意気込んでいた右腕。一回は三者凡退と好スタートも二回に制球が乱れた。安打と四球が絡み、無死満塁のピンチを招き、田中俊の中犠飛、桑原に押し出し四球を与え2失点。三回にも再び田中俊に中前適時打を許し、1点を追加されるなど苦しい投球が続いた。だが、大崩れしないのがエース。四回以降はカーブ、ツーシーム、スライダーを駆使し、翻弄。終わってみれば6回8安打3失点。本来の投球とはいかなかったものの、先発としての役割をきっちり果たした。  昨季は14勝を挙げながらも、今季も変化を恐れず進化を模索した。春季キャンプは新任の桑田投手チーフコーチ補佐とカーブ、フォークボールなどの縦の変化球、ツーシームに磨きをかけた。プロ9年目を迎え、打者の見え方を変える狙いで、プレートの踏む位置を一塁側に変更。オフにポスティングシステムでの米大リーグ移籍を検討した影響で調整期間は限られた時間の中でも、新投法に挑戦し、開幕にしっかり仕上げた。  3失点ながら女房役の大城の3ランなど、打線が援護。別所毅彦、斎藤雅樹らでも成し遂げられなかった球団新記録の開幕戦5勝目の権利を持ったままマウンドを降りた。(樋口航)

◆巨人の大城が1号3ランを放った。3-3とされた三回1死一、二塁で、制球に苦しむ浜口に対し、3ボールから甘く入った速球を逃さずに右中間席へ運んだ。先発マスクをかぶり「追い付かれた後だったので、すぐに取り返せて良かった」と振り返った。  昨季は93試合に出場して打率2割7分、9本塁打、41打点をマークし、チームのリーグ2連覇に貢献して初のベストナインに輝いた。プロ4年目の今季はキャンプからさらに成長した姿を見せ、初めて捕手として開幕戦に先発出場した。神奈川・東海大相模高の先輩、菅野とバッテリーを組み、攻守に存在感を示した。

◆巨人が開幕戦で劇的な勝利を収めた。同点に追いつかれた九回、亀井が右越えにサヨナラソロ本塁打を放ち、試合を決めた。先発の菅野は6回8安打3失点。  巨人は一回、相手先発の谷口を攻めた。無死一、二塁で坂本が左前打し、敵失の間に1点。続く岡本和の左中間フェンス直撃適時二塁打、ウィーラーの右前適時打でこの回に3点を挙げた。  DeNAは二回無死満塁から田中俊の中犠飛、さらに2死満塁で桑原の押し出し四球で1点差に迫った。三回は田中俊が同点打を放った。  巨人は三回、大城が1号3ランを放ち、勝ち越し。九回に追い付かれたものの、亀井が一振りでルーズベルトゲーム(最も白熱するとされるスコア8-7の試合)を制した。

◆巨人の菅野は4年連続7度目の開幕投手を務め、勝機をつないだ。6回を8安打3失点。救援陣がリードを守れず球団最多を更新する開幕戦5勝目はならなかったが、チームはサヨナラ勝ちし「やはり開幕の独特の雰囲気はあった。追い付かれはしたが、追い越されなかったことが唯一良かった点」とうなずいた。  三回までに押し出しを含む3四球。昨季は20試合に登板し、3四球以上を与えた試合はなかっただけに、苦しんだ。それでも四回以降は得点を許さず意地を見せた。  オフにポスティングシステムを利用した米大リーグ球団との交渉がまとまらずに残留。思いを一時封印し、初の日本一を目指す。今季はプレートを踏む位置を三塁寄りから一塁寄りに変えるなど新たな取り組みを行っている。プロ9年目を迎え、現状維持という考えはない。

◆初の大役は大きな悔しさの残る結果となった。DeNAの開幕投手・浜口は3回4安打、5四球、6失点でマウンドを降りた。  「試合が近づくにつれ気持ちは高まり、マウンドに上がってから、思っている以上に落ち着くことができなかった」  一回、先頭・梶谷への初球が大きく抜けたところから一気に歯車が崩れた。制球が定まらず、連続四球で無死一、二塁とされると、3番・坂本に左前打。失策も絡み先制点を許すと、4番・岡本には追い込んでからのチェンジアップを、中越えフェンス直撃の適時二塁打にされた。  それでも、味方が直後の二回に2得点。浜口もその裏を2奪三振の3者凡退で、復調の兆しを見せたが、同点に追いついてもらった三回に再び乱れた。1死から丸、ウィーラーに連続四球。続く大城にも3ボールとなり4球目、真ん中の直球を狙いすましたかのように右翼席へ運ばれた。  「同点に追いついてもらったにもかかわらず、四球からの本塁打と一番やってはいけないことをしてしまった」  今季はテンポのいい投球を目標に掲げ、オープン戦では3試合計9イニングを投げて与四球わずか1と安定していた。だが、12人しか上がることのできない特別なマウンドは、甘くはなかった。(浜浦日向)

◆巨人は38歳のベテラン、亀井が大仕事をやってのけた。2点リードを追い付かれた直後の九回、先頭打者の代打で打席に立つと、1ボール1ストライクからの3球目を右翼席に運んだ。打った瞬間に本塁打と分かる打球に「めっちゃ、うれしい。始まったばかりですけど、今年一番の当たりだった」と破顔一笑した。  サヨナラ本塁打は2017年6月以来で通算7本目。昨季は無観客で約3カ月遅れての開幕となったが、今季は観客数を制限しながらも予定通りの開幕となった。「こういう形で1打席目を迎えると思っていなかった。ファンの方の歓声が僕たちの力になる」と感謝を口にした。

◆巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(85)が、2年ぶりに東京ドームでの開幕戦を観戦。ホーム後方にある球団関係者専用の席で試合を見守った。ミスターは球団を通じ、「本当に楽しみにしていた。大城の3ランには興奮して思わず、身を乗り出した。今年もジャイアンツらしい戦いを期待しています。やっぱり野球は楽しい!」とコメント。2日に1軍の練習を視察し、22日には東京都内のホテルで「出陣式」に出席。開幕戦を観戦する意向を明かしていた。

◆DeNAの三浦監督は初陣でサヨナラ負けを喫した。三回を終えて3-6とリードされたが粘り強く攻め、九回には田中俊の2点適時打で同点に追い付いた。しかしその裏、三嶋が亀井に一発を浴び「悔しい。勝てなかったのは申し訳ない」と唇をかんだ。  新型コロナウイルス感染拡大の影響で外国人選手に来日のめどが立たず、キャンプから長打に頼らずにつなぐ野球を磨いてきた。勝利は逃したが、12安打で成果を見せ「やってきたことは出せた。みんな集中して戦えていた」と手応えをにじませた。

◆巨人・亀井善行外野手(38)が7-7の九回に代打で出場し、右越えのサヨナラ1号ソロを放った。開幕戦での「代打サヨナラ本塁打」はプロ野球史上初。開幕戦でのサヨナラ本塁打も球団史上初となり、17年目のベテラン仕事人がお立ち台に上がった。亀井の主な一問一答は以下の通り。  --拍手を受けて今の気持ちは  「めっちゃうれしいですよ」  --どんな気持ちで打席に  「みんなが集中してなんとかきょうは勝とういう気持ちで一生懸命やっていましたし、準備だけは怠らずやっていたので、なんとか打ててよかった」  --感触は  「完璧でした。今年はまだ始まったばかりでしたけど、今年一番の当たりでした」  --ファンの前で開幕、拍手を受けて  「本当にね、お客さんに感謝していますし、こういう状況でグラウンドに足を運んでくれていることが、がんばれる気持ちになれる。本当にありがとうございます」  --17年目の開幕。どんな開幕になりましたか  「こういう形で1打席目を迎えると思っていなかったですし、勝ててよかったなと思います」  --今シーズンに向けての意気込みを  「こういう状況が続きますが、ファンの皆さんの歓声が力になります。明日からも一生懸命頑張りますので、熱い応援お願いします」

◆DeNAのドラフト2位ルーキー牧は開幕戦に「3番・一塁」で先発出場しデビューを果たし、無安打に終わった。中軸を託され「気持ちが高ぶるものがあった」と臨んだが、対戦を熱望していた菅野に抑え込まれ、七回に四球を選んだものの、5打席で快音は生まれなかった。  長野・松本第一高から中大を経て入団。大学日本代表では4番打者を務めた。プロでもキャンプから打撃でアピールを重ね、オープン戦では9試合に出場し、楽天の田中将から2安打を放つなど打率2割7分3厘と好調を維持して開幕1軍を勝ち取った。  チームは終盤の追い上げが及ばず、サヨナラ負けを喫した。「次は結果を残せるよう準備したい」と雪辱を期した。

◆巨人は亀井善行外野手(38)の代打サヨナラ本塁打で開幕戦を競り勝ち、白星発進。セ・リーグ3連覇を狙う原辰徳監督(62)が試合を振り返った。主な一問一答は以下の通り。  --最後は劇的な幕切れ  「きょうは予想もつかないようなゲーム展開でしたね。開幕戦にふさわしいと言っていいか分かりませんけど、最後に、亀井が決めてくれたというのは、非常にいろいろな意味で大きいですね」  --ベテランのひと振り。いろいろなものが詰まった最後の一打  「チームに明日への活力を与えてくれたというのは、意味ある、意義ある素晴らしいホームランでしたね」  --九回表に同点に追いつかれた。今年は延長戦がない中で、いろんな選手を使って最後は勝ち切れた  「えっへっへ。もう少しすんなりという形がいいんでしょうけど、結果的に勝ち切れたというのは非常に大きいですね」  --開幕戦にファンの姿がある。見える景色は  「桜も満開ですし、そういう中でペナントレースをスタートするというのは、本来の形に戻りつつある。ファンの方の前でプレーすることができたというのは大きいですね」  --先発菅野は6回3失点 「まあ、本人に聞いてください。えっへっへ、本人に」  --2021年が始まり、明日以降に向けて  「やはりこういうゲーム展開だと、勝負はどっちに転んでもおかしくないようなペナントレースになると思います。そこをですね、辛抱強く戦うんだという部分を、改めて反省する人もいるし、そういう意味では良かったと思います」  --菅野とバッテリーを組んだ大城は3ラン  「ノースリーから打つというのは、やはり心技体が合致しないとなかなか打てないもの。いいものが出たと思いますね」  --中川は苦いクローザーデビュー  「なんとなく急いで投げていたかなという感じはしますね。まあ、これも良薬となるでしょう。それは亀ちゃんがそうしてくれましたね」  --8回一、三塁の走塁は大きな反省点  「あれは絶対やってはいけない。三塁ランナー重視、あと1点という部分ですからね。やはり焼きごてをこう(左手を首の後ろに当てながら)。そんなこと言っても分かんないね」  --警戒すると言っていた田中俊太  「敵ながら大したものですよね。これからもっとマークを強くしないといけない。格上げ人事だね」  --ミスターとは 「お元気でお会いしました。お元気で。『また来る』って言ってました」

◆DeNAは、田中俊がセ・リーグ新記録の6打点を挙げるなど、土壇場九回に追いつく粘りを見せたがサヨナラ負け。三浦大輔監督(47)は前を向いた。  主な一問一答は以下の通り  --サヨナラ負けも、粘りを見せた  「本当にみんなが最後まで集中して戦えていた。もちろん勝てればよかったけど、キャンプからやってきたことができていた。改めて、全員で戦っていかないと」  --田中俊が6打点  「本当にしっかり自分の仕事をしてくれた。1、2打席目も気持ちが入っていた」  --オープン戦では苦しんだが  「信じて使っているので、選手はみんなよくやってくれている」  --浜口は3回6失点  「荒れ模様は彼の特長のひとつでもある。ある程度の四球は覚悟していたが」  --ミスから先制点を許した  「それも開幕戦ゆえ。ああいうミスから初回に先制点を与えてしまう、全体的に立ち上がりに硬さがあった」  --八回は平田をワンポイント。延長がないからつぎ込める  「それもありますし、平田の相手打者とのことも考えてワンポイントで起用しました」  --初陣を終えて  「悔しいですよ。最後、みんなで粘って、勝てなかったことは申し訳なく思う。明日やり返せるようにやっていきます!」

◆菅野は6回3失点。勝利投手の権利を持って降板したが、救援陣が追い付かれ、球団新記録の開幕戦5勝目を逃した。7度目の大役を終えたエースは「(開幕戦は)独特の雰囲気があった。追いつかれたが、追い越されなかったことが自分の中で唯一、良かった点」と振り返った。

◆最高の"恩返し"だ。DeNA・田中俊太内野手(27)が、古巣との開幕戦で3安打、リーグ新記録の開幕戦6打点を挙げ、輝きを放った。  巨人からフリーエージェント(FA)の人的補償で新加入。同制度による移籍選手では初となる前所属チームとの開幕戦先発を果たすと、二回に中犠飛、三、七回に適時打をマークした。極め付きは5-7の九回2死二、三塁。東海大の同級生、中川から同点打を放ち「公式戦で(対戦)は初めて。しっかり打ちにいけてよかった」とうなずいた。  オープン戦では打率・095と苦戦。「それでも多くの打席に立たせていただき、感謝しかない。自分のスイングをする大事さが分かった」と切り替え、公式戦で最高の結果を残した。  チームは昨季、リーグ1位の打率・266、同1位タイの135本塁打を記録しながら4位に終わった。走力も絡めた得点力向上へ、人的補償で白羽の矢を立てたのが走攻守3拍子そろった田中俊。梶谷の移籍決定から4日での"スピード決着"が、必要な人材であることの証しだった。 その他の写真(2/4枚)  サヨナラ負けで、今季から指揮を執る三浦監督の初勝利にはつながらなかったが、新戦力が台頭し、最大3点差を追い付いた。指揮官は「みんなが最後まで集中して戦えていた。明日はやり返すつもりでやっていく」と力強く前を向いた。(浜浦日向) 東海大相模高-東海大の後輩でもある田中俊について巨人・原監督 「敵ながら大したもの。これから、もっとマークを強くしないといけない。格上げ人事だね」

◆プロ野球は26日、全6試合でセ、パ両リーグが開幕した。巨人は、DeNA1回戦(東京ドーム)に8-7で勝利。チーム最年長、亀井善行外野手(38)が九回に代打で1号ソロを放ち、サヨナラ勝ちに導いた。開幕戦の代打サヨナラ弾はプロ野球史上初。記録的な一発で決まった試合を観戦した長嶋茂雄終身名誉監督(85)は、2年ぶりに観客を入れてスタートを切ったシーズンを、こう感慨深げに言い表した。やっぱり野球は楽しい!  これぞ、野球。これが、プロ野球だ。右翼席中段に打球が飛び込むと、東京ドームに集まった9991人の観衆が一斉に飛び上がった。7-7で迎えた九回裏。一振りで主役の座を奪った亀井は、本塁付近でナインに手荒く迎えられ、照れくさそうに笑った。  「完璧でした。めっちゃうれしい。準備だけは怠らずやっていたので何とか打ててよかった。今年、まだ始まったばかりですけど、今年一番の当たりでした」  2点リードの九回に新守護神・中川が昨季まで同僚だった田中俊に同点打を浴び、試合が振り出しに戻った。コロナ下での特別ルールで延長戦が行われない今季。引き分けかと思われた展開で、九回先頭で代打として打席に立つと、三嶋の3球目、スライダーをファーストスイングで仕留め、右翼席に運んだ。  開幕戦のサヨナラ本塁打は球団初、代打ではプロ野球史上初。記録的な一発は、入念な準備が生んだ。この日は一回が終わった時点からバットを握り、打席に入る前には相手守護神・三嶋の投球練習を凝視。「ストライクが入っていなかったから、1ストライクまでは見ようと」と球筋を見極め、巨人では王貞治の8本に次ぐ7本目のサヨナラ弾に結実させた。 その他の写真(2/2枚)  ジャイアンツ一筋17年目。春季キャンプでは、習慣になかったウエートトレーニングを取り入れた。代打稼業が専門になる今季のための決断。「40歳手前になって筋力アップは難しいかもしれないけど。代打で『ここで一発ホームランほしい』という場面があるかもしれない。そういう力も蓄えておかないと」。思い描いたイメージが、通算99本目の本塁打として現実になった。  「やっぱり野球は楽しい!」  そう言い残して球場を後にしたのは、同じくサヨナラ本塁打を通算7本記録する長嶋茂雄終身名誉監督だ。この日はホーム後方の関係者席で2019年9月27日以来の試合観戦に訪れた。コロナ禍で6月に延期されて無観客で始まった1年を経て、2シーズンぶりに観客を入れ、桜咲く春に迎えた開幕戦。ミスターの言葉は、まさに野球ファンの思いを代弁するかのようだった。  「(亀井が)パワフルさを増したのは、私も非常に目を見張るものがあった。いろんな人をカバーし、チームに明日への活力を与えてくれた、意義ある素晴らしい本塁打でしたね」。原監督は、劇的勝利を演出したベテランの進化に手をたたいた。リーグ3連覇、9年ぶりの日本一奪回へ、2年連続の開幕白星で勢いよくスタートを切った。困った時には亀井がいる-。"仕事人"がベンチに控える原巨人は、今季も強い。(谷川直之)

◆よくいえば、ドラマチック。亀井のサヨナラ本塁打は、素晴らしいのひとことだ。厳しくいえば、巨人はもたつく必要のない試合を、もたつかせてしまった。エモトはその予兆を、一回の攻撃から感じ取っていたよ。  いきなり3得点。エース菅野にはこれ以上ない援護だ...と思うかもしれない。しかし、その実体は、打者9人をかけながら、3点だけ...。  おまけに無死満塁と続いたチャンスで、7番・大城と8番・松原が、なんの工夫も方策もなく、連続で空振り三振。目の前で見せつけられた9番・菅野にしたら、これでおしまいかよ?!の心境だったろう。同時に、少しでも失点すると嫌な流れになるかな?!と不安も抱いたろう。  そうした考えが少しでも浮かぶと、投球のリズムを崩すことにもなる。三回で早くも追いつかれる予想外の展開は、それが要因と見るね。  確かに大城は第2打席で3ランを放った。だからといって、菅野の3失点が消えるわけではない。一回に4点目、5点目とたたみかけていれば、菅野もチームも、楽に勝てたはずだよ。  やはり開幕戦は、普通の試合とは違う。そして投手は、微妙な心理状態に影響される。改めて思い知らされたね。(本紙専属評論家)

◆巨人の菅野は4年連続7度目の開幕投手を務め、勝機をつないだ。6回を8安打3失点。三回までに押し出しを含む3四球。昨季は20試合に登板し、3四球以上を与えた試合はなかっただけに、苦しんだ。それでも四回以降は得点を許さず意地を見せた。   元巨人監督の堀内恒夫氏(73)は27日、自身のブログで7度目の大役を終えたエースについて、「どんなにいいピッチャーでも緊張するんだなぁ。菅野が『押し出し』とか考えられないからね」と驚いた様子。「とは言え、緊張を差し引いてもいつもの菅野ではなかった印象が強い。菅野レベルで言うコントロールが悪かったし 変化球の多さが少し気になったね」と心配していた。

◆巨人はチーム最年長、亀井善行外野手(38)が九回に代打で1号ソロを放ち、サヨナラ勝ちに導いた。開幕戦の代打サヨナラ弾はプロ野球史上初。元巨人監督の堀内恒夫氏(73)は27日、自身のブログで「昨日のホームラン見ちゃったら 後2年は生き延びたと思ったよ(笑)頼りになります」とたたえていた。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
100 1.000
(-)
-
(-)
1428
(-)
7
(-)
2
(-)
0
(-)
0.290
(-)
7.000
(-)
1
(-)
阪神
100 1.000
(-)
0
(-)
1424
(-)
3
(-)
2
(-)
1
(-)
0.242
(-)
3.000
(-)
1
(-)
中日
100 1.000
(-)
0
(-)
1427
(-)
6
(-)
1
(-)
2
(-)
0.257
(-)
5.000
(-)
4
(-)
DeNA
010 0.000
(-)
1
(-)
1427
(-)
8
(-)
0
(-)
0
(-)
0.324
(-)
7.880
(-)
4
(-)
広島
010 0.000
(-)
1
(-)
1426
(-)
7
(-)
1
(-)
0
(-)
0.294
(-)
5.000
(-)
4
(-)
ヤクルト
010 0.000
(-)
1
(-)
1423
(-)
4
(-)
0
(-)
0
(-)
0.229
(-)
4.000
(-)