ソフトバンク(☆2対1★)広島 =オープン戦1回戦(2021.03.19)・福岡PayPayドーム=
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広島
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ソフトバンク
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勝利投手:大竹 耕太郎(1勝0敗0S)
(セーブ:森 唯斗(0勝0敗3S))
敗戦投手:塹江 敦哉(0勝1敗1S)
  DAZN
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◆ソフトバンクは、先発・石川が4回無失点6奪三振。前回登板から一転、開幕戦へ向け安定した投球を披露した。一方の広島は、先発・大瀬良が6回2安打無失点の好投。開幕投手に内定している右腕が、オープン戦を上々の結果で締めくくった。

◆ソフトバンクの開幕投手に指名されている石川柊太投手(29)が19日、本番前ラストの実戦で好投した。広島とのオープン戦に先発し、4回を投げて3安打無失点。武器のパワーカーブもさえて、6個の三振を奪った。育成出身のプロ8年目右腕が、初の大役に向けて仕上げてきた。 あえて、自分にプレッシャーをかけてマウンドに立った。「自分に対するプレッシャーだったりをかけていく中で、どういうパフォーマンスを出すか」。オープン戦だがシーズン中同様に、内容よりも結果にこだわった。 初回は2者連続三振の立ち上がり。4回1死一、二塁のピンチにも動じなかった。「打たれても大丈夫という楽観視するような感覚だと、気持ち的には楽になるんですけど、マウンドに向かう意気込みとかヒリヒリ感とかが足りない」。開幕投手という重圧にも逆らわない、逃げない。真正面から立ち向かう意識で快投につなげた。 本番までは残り1週間。「3・26」に向かう心持ちにも、柱としての強い責任感をにじませる。「先が続くというのが一番大きいことですから。日本シリーズのラストみたいな感じではないので、ちゃんとつながりのある意味のあるものにしたいですね。開幕戦を」。あくまで開幕戦は通過点。シーズンを通してチームを引っ張れるように、万全の準備でその日を迎える。【山本大地】

◆開幕ローテーション入りを決めているソフトバンク大竹耕太郎投手(25)は、3番手で投げ2回1失点だった。 最初の6回は3人で斬ったが、続く7回に犠飛で1点を失った。開幕2カード目のオリックス戦に先発予定の左腕は「まだスタートラインに立てたという意識。結果を出していかないと。生き残れるように1試合1試合やっていきたい」と気合十分に話した。

◆ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手が2安打をマークした。 7回無死では右中間に運び二塁打。8回2死では三塁へのゴロで激走し、リクエストで内野安打を勝ち取った。「今日はいいタイミングでいいスイングができた。合流してからコンディションもいいし、いい準備ができていると思う。開幕に向けて最高の状態に仕上げていきたい」。また、この日初実戦だったジュリスベル・グラシアル内野手は2打数無安打だった。

◆広島大瀬良大地投手(29)が、ソフトバンク戦(ペイペイドーム)に先発して6回2安打無失点とオープン戦最終登板で好投した。2月28日の日本ハムとの練習試合から実戦4試合、18回連続無失点で調整登板を締めくくった。コイのエースが万全の仕上がりで、3年連続開幕星を取りに行く。背番号14が敵地のマウンドで躍動した。大瀬良は4年連続日本一の打線に、全80球のうち52球を直球とカットボールで押した。打者21人に対し、18人への勝負球がこの2球種。「相手が直球とカットボールを待っている中でも押し込めたと思う」。降板する6回まで18アウトのうち8つがフライアウト。力強さを示していた。 立ち上がりから今年最速となる149キロを計測し、その後も安定して140台中盤以上を続けた。「これまでの試合よりも意識して(直球を)投げていた。投球の感覚も、打者の反応も良かったし、スピードも出るにこしたことはない。本当に良かったと思います」。2球種で3つずつの三振を奪うなど、力勝負でも勝った。 今年の大瀬良は、直球とカットボールだけではない。その他の球種の向上が2球種を引き立てている。この日は改良したフォークに加え、スライダーが効果的。120キロ台で2球種とは約20キロ差の緩急となり、同じ横曲がりで得意のカットボールを惑わす球種としても有効だった。5回以降はカーブとフォークの割合を増やす配球で、わずか単打2本、最後まで得点圏に走者を進めなかった。 28日の日本ハムとの練習試合とオープン戦3試合、合わせて18回連続無失点で調整登板を締めた。昨年9月に右肘をクリーニング手術。リハビリ中だった昨年末、その順調な回復ぶりから佐々岡監督は開幕投手の内定を伝えた。エースの頼もしい調整に「開幕投手を告げた中で、本当に責任をもってここまでやってくれた」と最敬礼だった。 大瀬良は、リハビリ段階でも3年連続3度目の大役に指名してくれた指揮官の期待を十分に感じてここまできた。「全体的にいい感覚で投げられたので、良かった部分を引き続き伸ばしていきたい。気持ちとしても1段、2段と上げていく」。1週間後の開幕へ、万全の調整を進めていく。【前原淳】

◆広島佐々岡真司監督が、ドラフト1位栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)を開幕守護神に抜てきすると明言した。 ソフトバンク戦で出番はなかったが、リードしていれば9回に登板する予定だった。試合前練習で本人に伝えたといい、「フランスアがいればというのもありますけれど、強い球、空振りを取れる変化球をみた中で、自分としてはふさわしいかなと」と理由を説明した。 セットアッパーの陣容も固まった。7回に登板し、1回2失点の塹江、続く8回を1回無失点のケムナに加え、ドラフト3位大道温貴投手(22=八戸学院大)の3人が、開幕の勝ちパターンの継投を務めることも決定。佐々岡監督は「今日3人には伝えてある。流れを見ながらの起用になるかなと思います」と順番は固定せず3人で回していく。

◆広島鈴木誠也外野手がマルチ安打で順調ぶりをアピールした。 4番右翼で先発出場し、4回1死一塁からは詰まりながらも中前に落とし、チャンスメーク。7回先頭の打席では左前に運び、先制点につなげた。コンディション不良で2試合欠場し、17日ヤクルト戦でスタメン復帰した主砲について、佐々岡監督は「体調も戻ってきていると思う。あと2試合、最後まできっちりと調整して、いい形で開幕を迎えられれば」と話した。

◆広島7回はつなぎの攻撃で1点をもぎ取った。 先頭鈴木誠が左前打で出塁。代走曽根は二盗を決め、松山の二ゴロで三塁へ。1死三塁からクロンの右犠飛で先制。春季キャンプでもケース打撃や実戦で徹底してきた攻撃で、河田ヘッドコーチは「理想通りだね。完璧。ああいう形で点が取れれば最高」とナインをたたえた。 ▽広島クロン(7回1死三塁から先制犠飛)「最低限の仕事としてしっかりとした犠牲フライを打つ、そのことを考えていた。しっかり呼び込んでステイバックして、それをたたいて外野まで運ぶことを考えていた。結果的に打点がついて良かった」

◆プロ野球の開幕までいよいよ1週間となった。ソフトバンクも広島との3連戦でオープン戦も終わる。初戦は7回に2点を挙げて逆転勝ち。残り5試合を「本番モード」と首脳陣は話していたが、これで3連勝。まだまだ打線は本調子とは言えないものの、投手陣の安定感にも支えられ白星を拾っている。 この時期だけの12球団勝敗表を見てみると、8勝2敗(2分け)で「首位」に立っている。オープン戦の結果がそのままシーズンを占うわけでもないから、一喜一憂することはないが、12位に沈むよりは気分も違う。12球団トップのチーム防御率2・17に対してチーム打率は2割2分4厘で下位に低迷してるのが何とも気がかりではある。今季、さらなる飛躍を期待されている栗原の一打は大きな光明になったのではないだろうか。8回2死からデスパイネが三塁への内野安打で出塁。巨漢助っ人は快足? を飛ばして懸命に走った。判定はアウトだったが、リプレー検証の結果は「セーフ」。次打者の栗原に4打席目が回ってきた。16日のDeNA戦(ペイペイドーム)から、前打席まで11打席連続無安打。7回の3打席目は見逃し三振に倒れていた。2球ファウルでカウント0-2と追い込まれたが、3球目の直球を左前にはじき返した。久々の快音に一塁ベース上で栗原は白い歯を見せた。不調も1本のヒットでガラリと変わる。栗原には復調の手がかりとしてもらいたい。「栗原ね。レフト前に打ったね」。勝利のナインをたたえてベンチ裏から引き揚げてきた王球団会長はそう言ってうなずいた。「まあ、今日は大瀬良がよかったからね」。ホークスも本番モードなら広島だって開幕投手の大瀬良が先発登板。エースをそうそう打ち崩せるものではない。ただ、王会長はキッパリと言った。「(チームは)本番になったら打つよ」。何とも頼もしい言葉ではないか!【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・工藤公康監督(57)が試合前に代表取材に応じた。リバン・モイネロ投手(25)について、開幕に間に合わないことを明言した。  「普通にリリーフ投手がやるように、連投もしてもらわないといけない。万全の状態に戻ってほしいのもありますし、なかなか開幕は難しいかなと思いますので」  モイネロは2月に来日。2週間の隔離期間を経てキャンプ中のチームに合流していた。17日にブルペン投球を再開したばかりで「しっかり作ってもらって、合流という形になると思う」と今後の見通しを明かした。昨季は40HPで最優秀中継ぎに輝いたリリーフエースを欠き、2021年のペナントレースをスタートすることになった。  また、緊急事態宣言の解除により、22日から外国人選手の入国が許可されることに言及。入国後14日間の待機期間中の練習も可能になる。「2週間、自宅で何もできないというのはさすがに落ちちゃうので。少しでも動けていたら調整の仕方も変わりますし。すごくありがたいと思います」と喜んだ。

◆広島がスターティングメンバーを発表した。コンディション不良から実戦復帰したばかりの鈴木誠也外野手(26)が「4番・右翼」で4試合ぶりに守備に就く。ケビン・クロン内野手(28)=前ダイヤモンドバックス=がコンディション不良の堂林に代わって「6番・三塁」で、3年連続で開幕投手を務める先発の大瀬良大地投手(29)はDHを使用せず「9番・投手」で出場する。

◆ソフトバンク・石川柊太投手(29)が先発し、4回無失点の好投を見せた。6三振を奪う内容を振り返り、充実の汗をぬぐった。  「自分の中ではやりたいこと、それに対しての打者の反応とか。試合に入っていく感じが、シーズンさながらの感覚で入れたのでよかったです」  まずは一回に田中広、菊池涼を連続三振。二回も1死から松山に中前打を浴びたが、3つのアウトはすべて三振だ。四回は2安打で1死一、二塁とされたが松山は三飛。クロンは左翼・栗原の好プレーに助けられ、スコアボードにゼロを並べ続けた。  オープン戦最後の登板を締めくくった。3月26日のロッテとの開幕戦(ペイペイD)まで残り1週間。「今から新しいことをしたところでいい方向にいくとは思わない。やってきたことを継続する」と意気込んだ。

◆ソフトバンクの柳田が四回、二遊間への当たりに快足を飛ばして内野安打とし、オープン戦初安打をマークした。両アキレス腱の不調でキャンプをリハビリ組で過ごしたが、不安を感じさせない全力疾走。「初安打は出たが、まだまだ体の切れを出し、打撃の状態を上げていきたい」と仕上げの段階を見据えた。  主砲への信頼はオープン戦の成績では変わらない、としていた工藤監督は「選手にとってはひとまずほっとすることにもなるし、出ないより出た方が良い」と歓迎した。

◆1点の曇りもなく3年連続3度目の開幕のマウンドに上がる。ペイペイドームで"ミスター・ゼロ"を継続だ。広島・大瀬良が日本一4連覇のソフトバンク打線をきりきり舞いにさせた。  「全体的にとても良い感覚で良い球を投げることができた。真っすぐは良いところに投げ切れていたので手応えは十分にあった」  今春から実践中の脱力した投球フォームで80球を投げて6回2安打無失点。最速149キロの直球とカットボールで6三振奪った。三者凡退だった一、五回以外は走者を背負い、三、四、六回は先頭打者の出塁を許したが要所でギアを上げ、二塁を踏ませなかった。  半年ぶりの実戦だった2月28日の日本ハムとの練習試合(名護)から対外試合4試合で計18回無失点。昨年9月にメスを入れた右肘の不安を感じさせない投球に佐々岡監督は「真っすぐが本当に力がある。本当にしっかり調整してくれた。開幕投手を告げたなかで本当に責任を持ってここまでやってくれた」と"本当に"を繰り返した。  今季から投手主将に就任した。春季キャンプ序盤は2軍スタートだったが"リモート"でチームを鼓舞した。同じく野手主将に就任した1軍の鈴木誠から「主将としての在り方」の悩みを打ち明けられると「普段からまじめに練習する姿をみんなが知っている。主将だからといって変える必要はないよ」と熱い助言を送った。  「良かった部分を引き続き伸ばしていきたい。気持ちを1段、2段と上げていきたい」  昨季はけがに泣き5勝止まりのエース。球団では北別府以来となる3年連続開幕戦白星へ、26日の中日との開幕戦(マツダ)から本当の逆襲が始まる。(柏村翔)

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