オリックス(★1対3☆)阪神 =オープン戦1回戦(2021.03.19)・京セラドーム大阪=
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阪神
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ORIX
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勝利投手:小林 誠司(1勝0敗0S)
(セーブ:桑原 謙太朗(0勝0敗2S))
敗戦投手:富山 凌雅(0勝1敗1S)
  DAZN
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◆オリックスは、モヤが先制打を含む2安打をマーク。中軸として期待される助っ人が、自慢の打棒を見せつけた。対する阪神は、先発・藤浪が4回1失点。毎回走者を出すも要所を締めるピッチングで、順調な仕上がりを示した。

◆午後6時開始予定の「オリックス-阪神戦」のスタメンが発表された。阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)はオープン戦で初めて5番に座った。

◆阪神佐藤輝明内野手(22=近大)が、ミスターの本塁打記録に挑む。 試合前練習では、フリー打撃で26スイング中3本をスタンドイン。右翼守備を入念に確認するなど、いつもと変わらぬ様子で練習を続けた。ここまで7試合連続で6番起用だったが、この日はオープン戦で初めて5番に座った。 佐藤輝は3戦連発中で、ここまで12球団トップの6本塁打を放っている。残る3試合で58年にルーキー長嶋茂雄(巨人)がマークした7本塁打に並ぶことができるか。「そこ(長嶋さんの記録)への意識はないですけど、1戦1戦打てるようにやっていきたい」と話していたが、大型ルーキーの記録が注目される。

◆阪神のドラフト1位、佐藤輝明外野手(22=近大)とオリックス山本由伸投手との初顔合わせは、右飛だった。 初回2死からマルテが四球を選び、大山が右前打で続いて一、二塁の好機。5番の佐藤輝に打席が回った。山本の1ボールからの2球目、150キロ直球を捉えた打球は高々と上がったが、右翼手のグラブに収まった。だが打球の角度だけで、トラの新人は京セラドーム大阪を沸かせた。 3回の第2打席も山本が佐藤輝を抑えた。無死満塁から、大山の一塁ゴロの間に三塁走者の近本がホームを踏んで同点。なおも1死二、三塁の勝ち越し機で佐藤輝に打席が回るも、カウント2-2からの146キロフォークにバットは空を切った。

◆プロ9年目で初の開幕投手を任される阪神藤浪晋太郎投手(26)が1回裏、先頭打者に四球を与えたところで治療に入り、球場全体がザワついた。 1回裏に入る直前の投球練習途中、右手の親指を気にするそぶりを見せる。1番佐野皓にストレートの四球を与えた直後、福原投手コーチとトレーナーがマウンドに駆け寄った。 ズボンの右腰付近に血がついており、右手親指を負傷していたもよう。そのまま治療に入ったが、続投して阪神ファンを安堵(あんど)させた。

◆プロ9年目で初の開幕投手を任される阪神藤浪晋太郎投手(26)が右手負傷のアクシデントにも動じず、4回を5安打3四球で1失点と粘った。 1回裏に入る直前の投球練習途中、右手の親指を気にするそぶりを見せた。1番佐野皓にストレートの四球を与えた直後、福原投手コーチとトレーナーがマウンドに駆け寄る。右手親指から出血して治療に入ったが、続投して周囲を安心させた。 2回以降も毎イニング走者を背負い、今春の実戦では珍しく直球の抜け球も目立った。4回には2度の暴投もあったが、なんとか追加点を許さなかった。 登板後は「ちょっと人さし指の爪が親指に刺さって、結構肉がえぐれちゃったんですけど。血が止まらなくて。深く行っているので、しっかり治療しないと、という感じ。ただ、1週間あったら大丈夫かなと思います」と状態を説明した。 イメージされていた100球前後には届かなかったが、負傷しながらもなんとか69球。「もうちょっと投げたかったな、と。今日はブルペンでもすごい良かったので、いい感じで入れるかなと思った初回に爪が入ってしまった。正直、長いイニングを投げたかったですけど、こればかりは仕方がない」。 シーズン開幕戦となる3月26日ヤクルト戦(神宮)へ、懸命に最終調整登板を終えた。

◆自身初の開幕投手を務めるオリックス山本由伸投手(22)が5回4安打1失点で、「3・26」の開幕に向けての最終調整を終えた。 オープン戦6本塁打を放ち、球界を沸かせている阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)とは同学年。この日は初回に大きな右飛を浴びたが「(内角に)カットボール(150キロ)を投げたので。パワーのあるバッターなので、あそこまでは飛びますけど、狙い通りかなと思います」と意図を説明した。 3回1死二、三塁では空振り三振に仕留め「ピンチの場面でもう1つギアを上げられる投球ができたらなと。ピンチの場面は三振を狙う配球や心掛けになる。(佐藤とは)ルーキーと思えない素晴らしい選手。対戦できてうれしく思います。初対戦なので、これからの対戦が楽しみ」と笑顔を見せた。 この日の最速は156キロで今季最速を更新。球数87球で調整登板を終えた。 前回登板した12日巨人戦は8回93球で3安打1失点と順調な仕上がりを見せ「いい状態からステップアップできた」と笑顔を見せた。 開幕まで残り1週間。「開幕は絶対に勝ちたい。僕としては、いつも通りをテーマに頑張ります」。チームは12年から開幕戦で9連敗中。若きエースが、負の記録を止める。【真柴健】

◆阪神大山悠輔内野手(26)が同点で迎えた7回、勝ち越し打を放った。 2死から糸原の安打とマルテの4打席連続四球で一、二塁。この好機で三塁の大下を強襲する適時二塁打を放って、2-1と阪神が勝ち越した。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が全4打席を四球で出塁し、同点、勝ち越しに貢献した。 昨年に1試合3四球は2度あったが、4四球は来日後初めて。3回は無死一、三塁からの四球で満塁とし、同点につなげた。7回も2死一塁からの四球で一、二塁に好機を広げ、大山の決勝打につなげた。

◆"関西ダービー"となったオリックスと阪神のオープン戦は同点の6回に大山の適時打で勝ち越しに成功。リリーフ陣も無失点継投をして勝利した。注目を集めた開幕投手のオリックス山本は5回1失点、阪神藤浪は4回1失点だった。

◆開幕投手を務める阪神藤浪晋太郎投手(26)が初の大役を前に、アクシデントに見舞われた。開幕前最終登板のオリックス戦(京セラドーム大阪)の初回に、爪で右手親指を裂傷し、出血した。球場がざわつく中で続投し、4回1失点と粘りを見せた。「肉がえぐれてしまった」と自ら説明したが、「1週間あれば大丈夫」と26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)への先発に意欲を示した。たった4球を投げただけなのに、藤浪の右腰付近には血を拭った跡が目立っていた。1回裏、1番佐野皓にストレートの四球を献上。すぐさま福原投手コーチとトレーナーがマウンドまで駆けつけた。背番号19が三塁ベンチへ歩き始めると、京セラドーム大阪の球場全体がザワついた。 「今日はブルペンですごい良かったので、いい感じで入れるかなと思った初回に...。人さし指の爪が親指に刺さって、結構肉がえぐれてしまった。血が止まらなかった」 1回表が終わった直後、投球練習中に右手親指を負傷していた。「気になったのは確かですけど」。開幕前最後となる貴重なマウンド。治療の後、続投を選択した。2回以降も毎イニング走者を背負った。裂傷の影響もあり、今春の実戦では珍しく直球の抜け球も続いた。4イニング目には2度も暴投。それでも4回を5安打3四球1失点と粘り、追加点は許さなかった。 直球の最速は157キロ、スプリットは150キロ。3番吉田正には外角から曲げる「バックドア」のカットボールで見逃しストライクも奪い、「カウント球でも使える。要所で使えれば」と手応えも得た。当初予定していた100球前後には届かない69球で降板。「正直、長いイニングを投げたかったですけど、こればかりは仕方がない」。大事に至らなかった事実が何よりの朗報となった。 登板後は患部の状態について「(裂傷が)深くいっているので、しっかり治療しないといけない」とした上で「ただ、1週間あれば大丈夫かなと思います」と見通した。矢野監督も「あれ以上投げて悪くなっても、と思って代えた。次の登板に関しては問題ないかな」とイメージ。開幕投手の座は揺るがない。 3月26日、プロ9年目で初めて大役を任される。チームを背負う。「日にちは決まっていますし、開幕は待ってくれない。調整して頑張ろうかなと思っています」。準備期間は残り6日。アクシデントに動揺している暇はない。【佐井陽介】

◆1軍の救援枠入りを狙う阪神加治屋蓮投手が、8回を無失点に抑えた。 2死からオリックスの育成ドラフト5位の佐野如一外野手(22=仙台大)に左翼フェンス直撃の三塁打を浴びたが、代打のT-岡田を左飛に打ち取った。 「状態がよく、いい感覚で投げることができていますし、今日も0点で抑えることができてよかったです」と、オープン戦4試合連続無失点を振り返った。

◆阪神小林慶祐投手が古巣オリックス戦で2度のピンチをしのいだ。 5回1死一、三塁でモヤを二塁ゴロ併殺、6回2死満塁は佐野皓を二塁ゴロに仕留めた。 開幕1軍を目指す右腕は通算3試合で計5回を無失点。「前回、前々回と良い形で抑えられていましたが、今日は思い通りにコントロールできていなかったので球数も多くなりましたし、そこは反省点。ただ0点で抑えられたことはよかったと思うので、今日出た課題を反省して開幕に向けて取り組んで行きたい」と前を向いた。

◆阪神板山祐太郎外野手が攻守でアピールした。1点リードの9回1死満塁で代打で登場。2ボールから漆原の150キロ直球を左犠飛とし、貴重な追加点を生んだ。 「1、2球目はいい形で見逃せたので、3球目は甘い球が来るだろうと思って打っていました」。9回1死一塁の左翼守備では、吉田正の飛球を捕球した後に一塁へストライク送球。飛び出していた一塁走者の山足を刺殺し、ゲームを締めた。

◆ミスターの本塁打記録に挑む阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が、プロ入り初の5番に座った。最終打席で四球を選んだが、4打数無安打3三振とこの日は不発に終わった。 7戦連続で6番起用が続いていたが、「5番右翼」で初先発。見せ場はいきなりやってきた。初回、マルテの四球と大山の右前打で2死一、二塁の好機。オリックス山本の150キロ直球を豪快に振り抜いた。悲鳴にも似た歓声が響く中、打球は高々と舞い上がるも右翼手のグラブに収まった。続く3回1死二、三塁の第2打席は、山本の外低めの146キロフォークに空振り三振。開幕投手を相手に1本は出なかったが、持ち味のフルスイングは貫いた。その後はリリーフ陣を前に2三振。それでも9回1死一、二塁の第5打席、漆原から冷静に四球を選び3点目の好機をつくった。 オープン戦で初の3三振を喫し、4打数無安打も初めて。守備でも6回2死一塁、佐野如の右翼に弾んだ打球を処理するも、三塁ベースから大きくそれる悪送球で失策を記録。2死二、三塁とピンチを広げる場面もあり、ほろ苦い試合となった。 佐藤輝が5番に入ることで、右左右と「ジグザグ打線」を組むことが可能。矢野燿大監督(52)は「あいつの状態も、もちろんいいし。そうなった方がいいかなと。今日もチャンスで回ってきたしね。マルテも選球眼がいいからさ。ああいう出塁の後の流れの中で、トータルしたら5番でもいいのかなと思ったり」と説明した。 前回17日の西武戦(メットライフドーム)では、今井から3戦連発となる6号本塁打を放ち、ドラフト制後(66年以降)の新人のオープン戦最多記録を更新。58年のルーキー長嶋茂雄(巨人)がマークした7本塁打を目指した一戦だった。キャンプから絶好調の怪物ルーキーも、小休止。ミスター超えはお預けとなったが、気持ちを切り替えてオープン戦残り2試合へ向かう。【磯綾乃】

◆阪神桑原謙太朗投手が9回を締めた。1死から太田に安打を許すも、1死一塁で吉田正を左飛。左翼手の好返球で一塁走者も戻りれずにアウトとなり、3人で抑えた。 開幕1軍の中継ぎ枠入りを狙うベテランは、これで3試合連続無失点で14日巨人戦に続く2セーブ目。「まだオープン戦なので。(勝負はシーズンに)入ってからなんで。中継ぎみんなで頑張っていけたら」とシーズンの戦いを見据えた。

◆阪神大山悠輔内野手が決勝の適時二塁打で主砲の貫禄を示した。 1-1の7回2死一、二塁。オリックス富山の135キロフォークを左翼線へ引っ張った。打球は三塁手の大下を強襲した後、ファウルゾーンを転々。二塁走者の糸原が生還し、大山も二塁を陥れた。「(好機で)打点を挙げるのが仕事。2アウトから仕事ができることで信頼も上がってくると思うし、そういった打点を増やしていきたい」。初回には右前打を放った。3回の満塁機では一ゴロで同点の打点を挙げた。「4番三塁」で開幕を迎える男が、2安打2打点でオープン戦4連勝に導いた。 矢野監督も主砲の打点に価値を見出した。「もちろんホームランも打ってほしいけど、打点は4番に1番求めるところ。打点はチームに必要な価値のあるものになる」。猛虎打線の中心には、勝負強い主砲がどっしりと座っている。

◆阪神ドラフト8位の石井大智投手(23=四国IL・高知)が7回2死一塁で登板し、5番の頓宮を空振り三振に打ち取った。 開幕1軍の中継ぎ枠に当確ランプをともしている新人のイニング途中の投入について、矢野監督は「石井もああいう場面で投げさせてなかったから。ちょっとやってみたいなと思っていた」とシーズンを見据えた。 石井大は「ランナーがいる場面からの登板でしたが、打者に集中して投げることができました」と気迫のこもった投球を見せた。

◆阪神ドラフト6位の中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)が矢野監督から絶賛された。 7回にマルテの代走で途中出場。9回の打席で漆原から9球目を中前打にした。 直後の大山は三ゴロだったが、二塁への好走塁で野選を誘い、3点目のホームを踏んだ。指揮官は「今日も中野がいい仕事をした。粘って(塁に)出て、あの走塁でセカンドがセーフ。打撃が本当にいいし、使いたくはなる」と高評価だった。

◆オリックス育成ドラフト5位の佐野如一(ゆきかず)外野手(22=仙台大)が8番左翼で先発し、3安打で支配下選手登録へ猛アピールした。 「1試合1試合が勝負。1球1球、必死にアピールするだけ、がむしゃらに思い切ってやってます」。中嶋監督は「必死さを感じる。他の選手のいい刺激になる」と評価した。

◆あるぞ、49年ぶりルーキー開幕クリーンアップ! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が、プロ入り初の5番に座った。4打数無安打1四球と1発は出なかったが、「5番右翼」で公式戦デビューする可能性が浮上した。 ここまで7戦連続で6番起用が続いていたが、「5番右翼」で初先発。矢野監督は試合後に意図を明かした。「マルテも選球眼がいいからさ。ああいう出塁の後の流れの中で、トータルしたら5番でもいいのかなと思ったり」。佐藤輝を5番に置くことで、4番大山から右左右と「ジグザグ」で組める。「あいつの状態もね、もちろんいいし。そうなった方がいいかなと。今日もチャンスで回ってきたしね」と早くもポイントゲッターとしての働きを期待した。阪神の新人が開幕戦に主軸で先発すれば、72年の望月充以来となる。 佐藤輝はミスター超えのかかった一戦で、4打数無安打、3三振と沈黙。オリックス山本との同学年対決が注目されたが、初回は150キロ直球に押され、右飛に打ち取られた。3回1死二、三塁では、外角低め146キロフォークに空振り三振。開幕投手を相手にフルスイングを貫いたが、快音は響かなかった。守備でも6回2死一塁、佐野如の右翼に弾んだ打球を処理する際に、三塁ベースから大きくそれる悪送球で失策を記録。2死二、三塁とピンチを広げる場面もあった。それでも9回1死一、二塁の最終打席、漆原から冷静に四球を選び、3点目の好機をつくる意地は見せた。 3戦連発でストップ。ドラフト制後のオープン戦では新人最多となる6本塁打を放つ快進撃を見せてきたが、小休止となった。開幕まで残り2試合。58年のルーキー長嶋茂雄(巨人)がマークした7本塁打を超えるチャンスは残されている。【磯綾乃】

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が初の大役を前に、アクシデントに見舞われた。開幕前最終登板のオリックス戦(京セラドーム大阪)の初回に、爪で右手親指を裂傷し、出血した。球場がざわつく中で続投し、4回1失点と粘りを見せた。◆矢野燿大監督語録 -先発藤浪の内容は 矢野監督 まぁまぁ良くはないけどね、粘ったというところかな。 -患部が気になる 矢野監督 あれ以上投げて悪くなってもアレやから代えたんだけど。次の登板に関しては問題ないかな。 -爪とか最悪のものではない 矢野監督 いや爪じゃない、うん、うん。 -1週間後に開幕を控えた中だったが 矢野監督 それは良くてもアレやし悪くてもアレやし、準備として、どこまで行ってもこれでいいってことはないと思うんでね。あとは本番でやるしかないんで。まあいいんじゃない。 -佐藤輝を5番に入れてジグザグに 矢野監督 矢野監督 ある程度、アイツの状態ももちろんいい。そうなった方がいいかなと。今日もチャンスで回ってきたしね。まあそういうところでは、マルテもああいうふうに選球眼がいいから。ああいう出塁の後の、流れの中でというのは、トータルしたら、まぁ5番でもいいのかなと思ったり。思ったことはやってみようってことでやってみた。 -大山はああいう当たりでも打点を 矢野監督 そうやね。もちろんもっといい内容というのは悠輔も思っているかもしれんけど。どんな形であれ、(7回も)一応ヒットになった。その前のボテボテも点が入った。最低限というね。もっとあいつも高いレベルを目指していると思うけど。もちろん、ホームランも打ってほしいけど、打点というのは4番に一番求めるところ。ホームランは場面あまり関係ない。打点というのはチームに直接、ホームランももちろん点が入るんだけど、打点というのは大きくチームに必要な価値のあるものになる。 -新人石井大をイニングの途中で 矢野監督 今日はやりたいことがやれた。石井もああいう回の途中からは投げさせてなかったから。ちょっとやってみたいなと思っていたし。守備も糸原をサードにやって、大山をファーストにやってというのはシーズンで十二分にあるんでね。大きかったし。今日も中野がいい仕事したよね。打撃が本当にいいしね、使いたくはなる。板山も代打でいって、最後の守備ももちろんだけど、結果的にきっちり打つって簡単じゃないんだけど、きっちりかえしてくれたのも大きかった。

◆スターティングメンバーが発表され、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は「5番・右翼」で出場する。ここまでドラフト制以降では、新人選手のオープン戦最多となる6本塁打。さらにアーチを描けば、ドラフト制以前でも58年の巨人・長嶋茂雄のオープン戦7本塁打の記録に並ぶ。

◆開幕投手を務める阪神・藤浪晋太郎投手(26)が開幕前ラスト登板。4回5安打1失点だった。  いきなりヒヤッとするシーンがあった。一回先頭の佐野皓にストレートの四球を出すと、福原投手コーチとトレーナーが藤浪のところへ向かった。右手親指から出血したもようで、ベンチに下がって治療を受けるとマウンドに戻ってきた。  続投となったが、太田に左前打。吉田正は左飛に打ち取り、1死一、二塁となったところで、モヤに中前適時打を浴び1点を失った。  二回以降も毎回得点圏に走者を許したが、粘り強い投球で追加点は許さず。4回69球を投げたところで交代となった。1週間後となった開幕に向けて準備を整える。

◆オリックスのモヤが複数安打を放った。一回は藤浪の速球を中前に打ち返して適時打とし、三回も中前へ。直前のカードの楽天戦でも計6打数3安打。開幕へ向けて調子を上げている。  中日から2019年途中に移ったオリックスで昨季は出場46試合で12本塁打。今年は待機期間を見越して1月3日に来日するなど、「開幕を万全な状態で迎え、素晴らしいシーズンにできるように」という意気込みを随所で体現している。楽天から復帰したロメロが来日できていない中、期待は大きい。

◆阪神はオリックスに逆転勝ち。ソフトバンクと並んでオープン戦首位をキープした。  先発の藤浪晋太郎投手(26)は、一回に右手の親指付近から出血したものの、アクシデントを乗り越えて4回5安打1失点と力投。「正直、長いイニングを投げたかったなと思ったんですけど、こればっかりは仕方ない。1週間調整して開幕を迎えたいです」と振り返った。以降は小林、岩貞、D8位・石井大(四国IL高知)、加治屋、桑原と無失点リレー。盤石のリリーフ陣がつないだ。  打線は4番・大山悠輔内野手(26)が2安打2打点と奮闘。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は4打数無安打3三振に終わった。

◆開幕投手を務める阪神・藤浪晋太郎投手(26)が責任感をにじませ、マウンドに仁王立ちだ。一回に右手の親指付近から出血したものの、アクシデントを乗り越えて4回5安打1失点と力投。オープン戦最後の一戦で準備万端をアピールし、「3・26」へ前進した。  「初回でこう...(親指に)爪入っちゃったんで。正直、長いイニングを投げたかったなと思ったんですけど、こればっかりは仕方ない。1週間調整して開幕を迎えたいです」  異変が起きたのは、プレーボールから約10分後のこと。一回先頭の佐野皓をストレートの四球で歩かせると、ベンチから福原投手コーチとトレーナーが飛び出した。真っ白なズボンの右ポケット付近に右手親指をこすりつけると、そこには鮮血がにじんでいた。  「人さし指の爪が親指に刺さって、結構肉がえぐれちゃったんですけど。血が止まらなくて。気になったのは確かですけど、大丈夫です」  プロ9年目で初の大役に向けた最終調整の場でまさかの負傷。治療のために一度はベンチに退いた。だが、矢野監督から「(西)勇輝に追いつけ、追い越せという投手になってもらいたい。俺らが優勝するというところも含めて、総合的に俺が考えた結果」と厚い期待を託されたばかり。  このままマウンドは降りられない。約2分後、藤浪はさっそうと"戦場"へ戻った。一回1死一、二塁でモヤに148キロ直球を捉えられて中前適時打を浴びたが、後続は断って最少失点で切り抜けた。その後も負傷の影響を感じさせず、150キロ後半の直球に高速フォーク、切れ味鋭いカットボールは健在。初回の1失点のみに抑え、気迫の69球で2番手の小林に後を託した。  「(負傷は)1週間あったら大丈夫かなと。本当は今日すっきり投げて"よし開幕"と迎えたかったですけど。日にちは決まってますし、開幕は待ってくれないので、調整して頑張りたい」  痛みに耐えて背番号19がオープン戦ラスト登板を終えた。やるべきことはやった。あとは26日のヤクルト戦(神宮)にすべてをぶつけるだけだ。(新里公章)

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が「5番・右翼」でスタメン出場した。オリックス・山本との同級生対決に注目は集まった。  「(山本は)球界を代表する投手。同世代などは関係なく、自分のスイングを心がけていきたいです」  この思いが結果に表れることはない。一回2死一、二塁の第1打席。2球目の真ん中に入った150キロ直球を振り切った。乾いた打球音に京セラドームがどよめいたが、球威に負けて結果は右飛。1-1の同点に追いついた三回も1死二、三塁の好機。カウント2-2から外角低めに投じられた146キロフォークにバットが空を切った。  ともに1998年度(佐藤輝は99年3月)生まれ。宮崎・都城高から一足先にプロ入りした右腕は、すでに最優秀防御率(19年)、最多奪三振(20年)のタイトルを獲得。世代ナンバーワン投手が、飛ぶ鳥を落とす勢いで突き進むルーキーの前に立ちはだかった。  2番手以降の投手からも快音は響かず、4打数ノーヒットで3三振。長嶋茂雄(巨人)が持つ新人のオープン戦本塁打記録7本に並ぶことはおあずけに。それでも、22歳が打席に入るたびに、ファンは大きな歓声と拍手で背中を押した。何かやってくれる、そんな期待を抱かせてくれる。  指定席だった「6番」から昇格し、この日はプロ入り後初めて「5番」を任せられた。26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)まで残り1週間。1950年の2リーグ分立以降、球団新人が開幕戦でクリーンアップに座れば、1972年の望月充(3番・左翼)以来49年ぶりとなる。  「いつも通り自分らしく力強いスイングをしていきたいと思います」  こだわり続けるフルスイングは崩さなかった。次こそは-。希望を抱きながら見つめる虎党へ、とびっきりのアーチを届ける。(原田遼太郎)

◆オリックスの育成ドラフト5位新人、佐野如が長打2本を含む3安打と先発起用に応えた。左翼守備でも奮闘し「一日でも早く支配下になるために必死にプレーしている」と力強く話した。  茨城・霞ケ浦高から仙台大を経てプロ入り。藤浪の球を引っ張って右翼線二塁打にするなど、左打ちの打撃はシュアで「一球一球、必死にアピールするだけ。そういう気持ちが結果につながっている」と好調の要因を分析した。

◆勝利へのバトンを"本番モード"でつなぐ男たちに、堂々と加わる。阪神のD8位・石井大(四国IL高知)が、走者を背負ったワンポイントリリーフで見事に結果を残した。1点リードの七回2死一塁でマウンドに上がると、右の強打者・頓宮を空振り三振だ。  「ランナーがいる場面からの登板でしたが、打者に集中して投げることができました」  七回頭から登板した3番手の岩貞が1死から吉田正に左前打を許した。だが、これも虎ベンチには"ちょうどいい"出来事だった。岩貞が左のモヤを二飛に打ち取ると、右打者を迎えたところで矢野監督が動いた。  顔色一つ変えずにマウンドに立った石井大は、直球で押す。外角147キロ真っすぐでズバッと空振り三振に切った。  エドワーズが2軍降格した中、加治屋も小林も無失点でアピールを続ける。そして、支配下では最も下位だったD8位ルーキーまでもが加わって、今季も虎のリリーフの分厚い。そして、バトンをつなぐゴールも、はっきり固まりつつある。  18日に行われた日本野球機構(NPB)と12球団の臨時のプロ野球実行委員会で、今季は延長戦を行わず「九回打ち切り」とする方針が固まった。間違いなく、虎には強みになる。指揮官は「ベンチの駒的なものも、投手も野手も含めて全体のレベルが上がっているというのはウチとしては強みの部分」と前向きに捉える。  勝ち切る、逃げ切る。石井大も思い切って、その顔ぶれに割って入る。「前回は打たれてしまいましたが、きょうは自分の中で切り替えてゲームに入ることができた」。虎が勝ちまくる道筋が、くっきりと見えてきた。(長友孝輔)

◆阪神はオリックスに逆転勝ち。ソフトバンクと並んでオープン戦首位をキープした。以下、矢野燿大監督の試合後の一問一答。  --藤浪の内容は  矢野監督 「まぁまぁ良くはないけどね、まぁまぁ粘ったというところかな」  --患部が気になる  「あれ以上投げてもあんまり、悪くなってもアレやから代えたんだけど。次の登板に関しては問題ないかなと、って感じ」  --爪とか最悪のものではない  「いや、爪じゃない、うんうん」  --1週間後に開幕を控えた中だったが  「いやいや、まぁそれは良くてもアレやし悪くてもアレやし、まぁまぁ、別に準備として、どこまで行ってもこれでいいってことはないと思うんでね。あとは本番でやるしかないんで。まあいいんじゃない?」  --佐藤輝を5番に入れてジグザグに  「ある程度、アイツの状態もね、もちろん良いし。そうなった方がいいかなと。きょうもチャンスで回ってきたしね。そういうところでは、マルテもああいうふうに選球眼が良いからさ。ああいう出塁の後の、流れの中でというのは、トータルしたら5番でもいいのかなと思ったり。思ったことはやってみようってことでやってみたけど」  --石井大をイニング途中で投入  「今日はやりたいことやれたしね。石井もああいう場面で投げさせてなかったから。ちょっとやってみたいなと思っていたし。守備も(糸原)ケントをサードにやって、一塁に(大山を)やってというのもシーズンでやるんで。大きかったし」  --今季は九回打ち切りで継投も積極的に  「そうなるよね。どこの球団もそうなると思うし。決定した中でやるしかないから。そうなった場合にはそうなるし、意識の中でやっぱり早くというのはどこの球団もなってくる。ベンチの駒的なものもピッチャーも野手も含めて全体のレベルが上がっているというのはうちとしては強みの部分として、どんどんいくところはいく。そういうふうにできるかなと思うけどね」

◆ほろ苦いプロ初の5番だった。山本との同世代対決に阪神D1位・佐藤輝(近大)は完敗した。4試合ぶりの無安打、しかも3三振を喫した。それでもフルスイングを貫いた。それがクリーンアップとしての宿命だった。  「状態もいいし、トータルしたら5番でもいいのかなと。思ったことはやってみようってことでやった」  6番から昇格させた矢野監督が、佐藤輝の開幕5番起用もあり得ることを匂わせた。そうすれば大山、サンズの右打者を4、6番で挟み、ジグザグ打線が組める。2リーグ分立以降、球団新人が開幕戦でクリーンアップに座れば1972年の望月充(3番・左翼)以来49年ぶりで、その資格が佐藤輝にあると考えた。  最優秀防御率(19年)、最多奪三振(20年)のタイトルを獲得した世代ナンバーワン投手との対戦で快音こそ、聞かれなかった。しかし、見せ場はあった。  一回2死一、二塁では真ん中付近に入った150キロカットボールを一閃。巨人・長嶋茂雄のオープン戦新人記録7本塁打に並ぶかと京セラドームがどよめきに包まれた。結果的に球威に押され、右翼フェンス手前で失速。でも、相手に恐怖感を与えた。「ルーキーとは思えない素晴らしい打者。きょう対戦できたことをうれしく思います。このあとの対戦が楽しみ」。山本の言葉はすべてのプロ野球ファンの思いを代弁していた。  こだわり続けるフルスイングを崩さない。決して逃げない。山本に対しても佐藤輝は試合前「同世代などは関係なく、自分のスイングを心がけていきたいです」と約束していた。右翼の守備では六回に三塁悪送球で10日の広島戦以来となる2個目の失策を犯したが、堂々たる姿勢にファンは大きな歓声と拍手で背中を押す。何かやってくれる、そんな期待を抱かせてくれる。次こそは-。  26日、ヤクルトとの開幕戦(神宮)で、虎の新人5番の歴史に名が刻まれるかもしれない。希望を抱きながら見つめる虎党へ、とびっきりのアーチを届ける。(原田遼太郎)

◆ド根性や! 開幕任せた! 阪神・藤浪晋太郎投手(26)が19日、オリックス戦に先発登板。自らの爪で親指を負傷するアクシデントに見舞われたが、4回5安打1失点と力投した。次はいよいよ、自身初の大役となる26日の開幕戦(対ヤクルト、神宮)。16年ぶりのリーグ優勝へ、虎の大黒柱となる!  痛みに耐えて、流血にも動じない。これぞ猛虎の開幕投手という気迫の69球。藤浪が親指を負傷するというアクシデントを、4回5安打1失点の力投で吹き飛ばした。26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)へ、準備は万端だ。  「きょうブルペンですごい良かったので、良い感じで入れるかなと思った初回でこう...(親指に)爪が入っちゃったんで。正直、長いイニングを投げたかったな、と思ったんですけど、こればっかりは(負傷で)仕方ない。1週間調整して、開幕を迎えたいです」  登板後に複雑な心境を口にしたが、すぐさま「3・26」へ切り替えた。一回の投球練習中。"あっ"という表情を浮かべて一瞬右手に目をやったが、そのまま投球を続けた。だが、決定的な異変が起きたのは一回先頭の佐野皓をストレートの四球で歩かせてから。  ベンチから慌てて福原投手コーチとトレーナーが飛び出した。スタンドにもどよめきが広がる。背番号19が真っ白なズボンの右ポケット付近に指をこすりつけると、そこには鮮血がにじんだ。  「ちょっと人さし指の爪が親指に刺さって、結構、肉がえぐれちゃったんですけど。そんな感じだったんで、はい。血が止まらなくて」 その他の写真(2/4枚)  右腕は登板後に負傷の詳細を明かした。肉がえぐれた...。並の投手なら自身の指の状態に動揺してもおかしくない。だが、ベンチでの治療を終えてマウンドへ戻ると、その後一回1死一、二塁からモヤに148キロを中前へはじき返されて先制点を献上したが、5番・頓宮は152キロ直球で難なく二ゴロに打ち取った。  「(負傷は)気になったのは確かですけど。まあまあ大丈夫です」  二回以降も150キロ台の直球、高速フォークにカットボールもさえてアウトを積み重ねた。最速157キロを計測し、最少失点で2番手の小林にバトンを渡す。矢野監督は右腕の負傷について「あれ以上投げてもあんまり、悪くなってもアレやから代えたんだけど。次の登板に関しては問題ないかなと、って感じ」と見通しを示し「あとは本番でやるしかない」と変わらぬ信頼を口にした。  オープン戦ラスト登板でまさかの負傷。制球難に苦しんだこれまでであれば、自分を必要以上に追い込んでしまったかもしれない。「3・26」で快投する期待は高まる。  「本当は今日すっきり投げて"よし開幕"と迎えたかったですけど。日にちは決まってますし、開幕待ってくれないので、調整して頑張りたい」と藤浪は気合を入れ直した。降りかかった災いも頼もしさを際立たせるものに変えた。やることはやった。あとは神宮のマウンドですべてをぶつける。(新里公章)

◆指に爪が入ってしまうことは、たまにある。わたしも何度かあった。しかも藤浪は今回、指先ではなく指の外側なので、大丈夫だろう。1週間あれば問題ない。逆に、それだけ強くボールをつぶして投げられていると思えば悪いことではない。  わたしも開幕投手を何度も経験したが、開幕前最後の登板で意識したのは、結果より、自分の頭で考えていることと投げているボールが一致するかどうか。キャンプから合わせる作業を続けてきて、それがしっかりとまとまったかの確認だ。  その点でいうと、少し不安に感じたのは四回。杉本の背中を通してしまった後、抜け球で四球、続く打者には暴投と乱れた。そこの感覚の修正が、大事になる。  ただ、昨年までの置きにいったような抜け球ではなく、しっかり腕を振った上でのボールだったので、必要以上に気にすることはない。あくまで感覚の修正。スライダーでカウントを整えられているのも好材料。もともと好調時も抜け球はある投手だし、四球は承知の上だ。打たせて取るのではなく、三振を取りにいく。そんな意識で強く腕を振っていけばいい。 (本紙専属評論家)

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