ヤクルト(★6対9☆)阪神 =オープン戦1回戦(2021.03.16)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:西 勇輝(2勝0敗0S)
敗戦投手:スアレス(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】マルティネス(4号・4回表ソロ),佐藤 輝明(5号・4回表2ラン)
【ヤクルト】濱田 太貴(4号・6回裏2ラン),塩見 泰隆(1号・9回裏ソロ)

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◆ヤクルトは、濱田が本塁打を含む2安打3打点の活躍。一軍定着を目指す3年目外野手が、バットでアピールに成功した。対する阪神は、先発・西勇が5回2失点。シーズン開幕へ向け、順調な仕上がりを披露した。

◆スタメンが発表された。ヤクルトの先発は、アルバート・スアレス投手(31)、阪神は西勇輝投手(30)。阪神のドラ1ルーキー佐藤輝明内野手(22)は、ここまでのオープン戦で4本塁打をマーク。この日も1発が出れば2戦連発となり、新人のオープン戦5本塁打は1972年(昭47)の近鉄佐々木恭介以来、49年ぶりとなる。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)の第1打席は中飛に倒れた。 2回無死一、三塁の先制機に打席がまわってきた。この日からヘルメットにフェースガードを装着。ヤクルト先発はスアレス。初球151キロを空振り。2球目、3球目も150キロ超の直球でファウル。4球目の変化球を見逃し1ボール2ストライク。5球目の151キロを中堅へはじき返すが、浅い中飛に倒れ、先制犠飛とはいかなかった。

◆オープン戦首位の阪神が2回、梅野隆太郎捕手(29)の右越え2点適時打で先制した。 2回1死満塁で梅野はツーシームをとらえ右翼へ。風にも乗り打球はフェンスを直撃した。走者2人が生還した。 「打ったのはツーシーム。先制の場面でバッティングカウントだったので、思い切って打ちにいきました。走者をかえすことができてよかった」とコメントした。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が4回に5号2ランを放ち、新人では72年佐々木恭(近鉄)以来49年ぶりの快挙となった。 4回2死一塁、2番手の左腕寺島も内角を徹底的に攻め3ボール。4球目140キロ内角球を引っ張ると右翼ポール際のスタンド中段まで運んだ。オープン戦では初めて引っ張った右方向の本塁打となった。「ノースリーから打ちにいった中で、打ち損じることなく1発で仕留めることができてよかった」とコメントした。その直前でマルテに4号ソロが飛び出しホームラン王争いで並ばれていたが、すぐさま単独トップを奪った。

◆阪神が打者一巡の攻撃で一気に4点を追加した。 2-0の3回、先頭の糸原が先発スアレスのカーブを捉えると、好走塁を見せ一気に二塁へ。続くマルテが四球を選ぶと無死一、二塁で4番大山が3点目の左前適時打。サンズ、佐藤輝が連続空振り三振に倒れるも、攻撃の手は緩まず。糸井、梅野、木浪と3連続安打でさらに3点を追加した。 14日巨人戦(甲子園)では、佐藤輝の4号本塁打で1-0の勝利を収めたが、この日は打線のつながりでビックイニングをつくった。

◆阪神西勇輝投手(30)が先発し、5回6安打2失点にまとめた。登板後は「開幕まで残り少ないですが、自分のやるべきこと、細かいことをしっかり丁寧にやって開幕に臨んでいきたいです」と頼もしくコメントした。 初回は先頭の坂口、青木をスライダーで外野フライに打ち取り、山田を一ゴロに抑えて3者凡退。2回は先頭の村上に四球を与えるも、2死一塁から、素早いけん制送球で一塁走者の村上を刺した。持ち前のフィールディングも健在。4回2死から四球と連打で2点を失ったが、5回無死一、二塁の場面では坂口を外のスライダーで二ゴロ併殺。最後は代打塩見をチェンジアップで空振り三振に仕留めた。 今年の初実戦は、5日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)で2回1安打無失点。前回10日の2軍教育リーグ・オリックス戦(鳴尾浜)では4回を4安打無失点と安定の投球。先発が見込まれる開幕2カード目の初戦、30日広島戦(マツダスタジアム)に向けて調整は順調そうだ。

◆高卒3年目のヤクルト浜田太貴外野手(20)が、オープン戦4号となる2ランを放った。 7点を追う6回2死一塁、阪神の2番手、石井大の2球目、高め142キロを逆らわずに右中間席へ。「打ったのはストレートです。ストレートに力があるように見えたので振り負けないように早めにタイミングを取って、力強くスイングすることを心掛けました」と振り返った。 4回2死一塁の第2打席では適時三塁打を放つなど、マルチ安打をマーク。キャンプ2軍スタートから結果を積み重ね、開幕スタメン奪取へ大きくアピールした。

◆阪神ドラフト8位の石井大智投手(23=四国IL・高知)が、対外試合6戦目で初失点を喫した。 6回に2番手でマウンドへ。先頭の山田は直球で詰まらせて遊ゴロ。村上に中前打を許した後、太田は二飛に打ち取ったが、浜田に137キロ直球を捉えられ、右中間へ2ランを許した。続く西浦に四球、川端に左前打を浴びて再び走者を背負ったが、最後は元山を143キロ直球で右飛。対外試合では前回10日広島戦(甲子園)まで5戦連続無失点を続けており、6戦目のこの日が初失点。それでも打者に向かっていく力強さは見せた。 キャンプから好投でアピールを続けてきたルーキーに、矢野燿大監督(52)の信頼は揺るがない。「全然心配してない。逆に打たれて良かったんじゃないの。だってずっとゼロで来ていたし。逆にこういうことがあるって、開幕前に出来て全然評価も下がることなく。良かったんじゃないかなと思う」と高評価は変わらなかった。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が、オープン戦4号本塁打を放った。 4回1死、この回から代わった寺島の初球、外角の135キロカットボールを捉えた。打った瞬間に本塁打と確信する打球は、左中間にスタンドイン。来日3年目の助っ人がこの日も存在感を見せた。 この回、6番の佐藤輝も右翼へ本塁打を放ち、5号をマーク。阪神のルーキーと助っ人が"本塁打王争い"を繰り広げている。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が6回の第4打席でも右安を放ち、2打席連続で内角球を攻略した。 6回1死走者なし。ヤクルト3番手右腕高梨の2球目、内角へ食い込む136キロカットボールをとらえ、鋭い打球で一、二塁間を破った。4回には左腕寺島から内角140キロ直球を右翼ポール際スタンド中段へ5号2ラン。これまで真ん中から外の球を反対方向へ本塁打にしていたため、内角が弱点と言われてきたが、内角でも甘くなれば仕留められる対応力を見せている。

◆15日に支配下登録されたばかりのヤクルト近藤弘樹投手(25)が、新背番号「52」で登板し、1回1/3を1安打無失点に抑えた。 8回2死三塁のピンチで5番手でマウンドへ。阪神高山を初球で遊ゴロに仕留めピンチを脱した。9回は先頭の2番中野に安打を許したが、得意のシュートを主体とした攻めの投球で後続を断った。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が第2打席は徹底的に内角を攻められ空振り三振に倒れた。 3回1死一、二塁での第2打席。スアレスは6球すべて内角へ投げ込んできた。2ボール1ストライクから137キロスライダーでハーフスイングの空振りを奪われると、内角へ148キロ直球でファウル。最後は122キロカーブで緩急を使われ空振り三振に倒れた。 2回の第1打席は中飛だった。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が4回に5号2ランを放ち、新人では72年佐々木恭(近鉄)以来49年ぶりの快挙となった ヤクルト高津監督(阪神佐藤輝について)「スイングも大きいし速いしね。この神宮でフォローが吹いたらピッチャーはすごく気を使いますね。内角多めの配球? 収穫かは分からないですが、そこは開幕してからどうやって抑えていくかが一番なので」

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が4回に5号2ランを放ち、新人では72年佐々木恭(近鉄)以来49年ぶりの快挙となった。 ▼佐藤輝が2試合連続の5号。オープン戦で5本塁打した新人は72年佐々木恭(近鉄)以来、49年ぶり。ドラフト制後(66年以降)では佐々木恭に並び最多となった。 ドラフト制以前では58年長嶋(巨人)が7本塁打しているが、長嶋の5号は出場14試合目。佐々木恭の5号は出場18試合目の4月2日広島戦で、9試合目の佐藤輝は2人より早く5号に到達した。また、打率は2人とも2割台に対し、佐藤輝の打率は3割7分5厘。1年目の公式戦で打点と本塁打の2冠に輝いた長嶋を上回る打撃を見せている。

◆ただの「ブンブン丸」じゃない!! 高卒3年目のヤクルト浜田太貴外野手(20)が、チームトップのオープン戦4号2ランを放ち、開幕スタメンへ猛アピールを継続中だ。7点を追う6回2死一塁、阪神石井大の高め直球を逆らわずに右中間席へ。4回にも右越え適時三塁打を放つなど、逆方向へ長打を連発。「開幕も近くなってきたので、スタメン狙えるように頑張ります」と言葉に力を込めた。 「らしさ」を貫いた。6回、風にも乗った4号弾に「点差もついていたので割り切って。自分のスイングが出来ていると思います」と振り返った。昨季33試合出場で3本塁打を放つなど思い切りのいいスイングが持ち味だが、ただ振り回すだけではない。今季の進化について「しっかりタイミングがとれて大振りにならずに打てている。レフトに打とうとすると体が開くので。体が開かずにという意識でいたら、勝手に逆方向に行くという感じです」とうなずいた。 キャンプ2軍スタートから猛アピールを続ける姿に高津監督も「結果を続けて出すということは技術だけじゃなく、気持ち的な部分も強いのかな」と評価。坂口、青木らベテランが支える神宮の外野に、若武者が割って入る。【鈴木正章】 ▽ヤクルト内川(4回に中前適時打)「前の打席で追い込まれて三振したので、大振りせずセンター中心に打ちにいきました」

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が会心のツバメ斬り予行弾をかっ飛ばした、"プレ開幕"の神宮でのヤクルト戦で、推定130メートルの特大5号2ラン。執拗(しつよう)な内角攻めにも負けず、課題とされる内角球を完璧に引っ張り切った。ドラフト制後の新人5本塁打は1972年(昭47)の佐々木恭介(近鉄)以来49年ぶりのタイ記録。26日の開幕戦での1発再現にますます夢が膨らむ。佐藤輝は神宮の青空に描いた白球が、右翼席へ弾むシーンを堂々と見届けた。「打った瞬間入ったかなと」。4回2死一塁の第3打席。2番手左腕寺島に内角直球を3球続けられた。だがひるまない。3ボールからの4球目、またも内角に来た140キロの高め直球を豪快に引っ張った。「しっかり内も打てるんだよというのを見せられたのでよかった。甘いところに来たらしっかり強く振る意識でした」。プレ開幕の神宮でのヤクルト戦。課題とされる内角球を130メートルの特大弾に変え、胸を張った。 相手の高津監督は前日、佐藤輝対策について「ゴジラやイチローに対したようになるだろうね。徹底してやっていかないと」と説明。実際の試合でも、厳しく内角を突いてきた。スアレス相手に第1打席は内角低めの151キロで浅い中飛。第2打席も6球すべて内角で、最後は122キロカーブで空振り三振に斬られた。だが寺島に代わっても続いた3度目の内角攻めで、会心のリベンジを決めた。 本塁打後の6回第4打席は、右腕高梨の内角カットボールを右前へ。矢野監督も「俺が捕手でも内角攻めるしさ。そういうところで(相手が)嫌なものはしっかりと見せられた。たいしたもんやと思います」と、内角を攻略した2安打に意味があると話した。 佐藤輝が打てばベンチも盛り上がる。陽川ばりのゴリラポーズだけでなく、この日は近大の先輩糸井と一緒に、サングラスをかけるしぐさの新ポーズも披露した。佐藤輝は糸井からプレゼントされた米国のブランド「100%(ワンハンドレッド)」のサングラスを甲子園でのオープン戦から装着しており、そのイメージをアレンジした形だ。 ドラフト制後、新人のオープン戦5本塁打は72年佐々木恭以来、49年ぶりのタイ記録。9戦5発はシーズン143試合換算なら79発ペースと、虎党の夢は広がるばかりだ。だが佐藤輝は慢心なく、言った。「言ってもまだオープン戦なので、しっかりシーズンで打てるように頑張りたい」。 内角攻めも想定してか、この日からヘルメットに初めてフェースガードを着用。「(違和感は)特にない」とケロリだ。昨季チームが5勝7敗と負け越した神宮で、18安打9得点の快勝に貢献。会心のツバメ斬り予行で、9日後の26日の開幕戦に弾みをつけたことは間違いない。【石橋隆雄】 ▽阪神木浪(3回2死一、三塁で6点目の右前適時打)「前のみんながいい流れで打っていたので、自分も絶対に打つという気持ちで打席に入りました。チャンスで打つことができてよかったです」

◆開幕3番確定弾だ! 阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)がオープン戦4号本塁打を放った。4回1死、この回から代わった左腕寺島の初球、外角寄りの135キロカットボールを見逃さなかった。バットを寝かせる新打法から崩れ落ちるほどのフルスイングで放った打球は、きれいな弧を描いて左翼席中段にズドン。左翼手青木が1歩も動かない完璧アーチに、マルちゃんスマイルが輝いた。 「ゾーンに来たボールを積極的に打っていくという意識を強くもっているよ。しっかりストライクゾーンのボールを強くスイングすることができているから、それがいい結果につながっていると思うね」 黄金ルーキー佐藤輝と本塁打を争うパワーの持ち主だが、際立つのはオープン戦で3割9分1厘という出塁率の高さだ。3回には無死二塁からストレートの四球を選んで出塁。5安打4得点のビッグイニングのお膳立てをした。矢野監督はこれまでも「選球眼も元々いい。つなぐ、(走者を)かえす、そういうところでマルテがいるっていうのは相手も嫌な存在になる」とコメント。新助っ人メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国KT)の来日メドが立たない中で、マルチなマルテに大きな信頼を寄せている。出塁率の高いマルテを3番に置き、4番大山、5番サンズがかえして、佐藤輝でさらに追加点を奪う。21年猛虎打線の中核が、はっきりと見えてきた。 開幕前哨戦となった神宮の杜で、チームはオープン戦最多18安打の9得点。近年得点力不足が課題だったが、チーム打率も12球団トップの3割3厘と好調だ。打線の中心で猛威を振るう3番マルテ、4番大山、5番サンズのクリーンアップは今後も揺らぎそうにない。マルテは「結果も出ているけれど、キャンプからずっとこの打ち方がしっくりきているから、このまま好調を維持できるように頑張るよ」と充実の表情。もう、いつ開幕してもOKだ。【桝井聡】

◆阪神ロベルト・スアレス投手(30)がオープン戦3戦連続無失点に抑えた。 「先頭バッターに四球を出してしまったけども、真っすぐのコントロールはそこから修正できたと思う」。4番手で8回に登板。先頭の奥村に四球を与えたが、後続3人をわずか8球で抑え、危なげなく仕事を終えた。「バッターも空振りしたり、詰まっていたりしたので、全体的に振り返ると良かったと思う」。昨季セーブ王に輝いた守護神は、今年も健在だ。

◆阪神梅野隆太郎捕手(29)が今季実戦初の3安打をマークした。 0-0の2回1死満塁で、スアレスの内角149キロツーシームを捉え、右翼へ大飛球を飛ばして2点先制の適時打。3回2死二塁でも投手強襲安打で好機を広げ、6回には左翼へ二塁打を放った。「真っすぐにさされたり、捉えられなかったりというのが多かった。ちゃんと結果を出せたのが良かった」。開幕戦の相手から3安打2打点を挙げ、チームも快勝。「いやなイメージを付けられたんじゃないかなと思うので良かったです」と話した。

◆阪神糸井嘉男外野手は激しい外野争いの中で懸命にアピールを続ける。 7番左翼で先発。3回2死一、二塁、3ボールからスアレスの外角高め148キロを強振し、左中間フェンス直撃の2点二塁打を決めた。「見逃すよりは振ろうかな、と。1打席1打席、もう開幕のつもりでやっている」。 近大の後輩、佐藤輝の1発直後には2人で「サングラスポーズ」!? も披露。「いろいろ考え中です」とポーズ名には含みを持たせた。

◆阪神の4番大山悠輔内野手は力強い適時打を決めた。2点リードの3回無死一、二塁。1ボール2ストライクと追い込まれたが、高めに浮いたスアレスの148キロツーシームをたたき、痛烈に三遊間を抜いた。 「早く追加点が欲しかった。追い込まれていましたが、自分のスイングをすることができました」。2回には先頭で右前打を放ち、梅野の適時打で先制のホームも踏んだ。

◆阪神西勇輝投手(30)が今季実戦3試合目の先発で、5回を6安打2失点にまとめた。「開幕まで残り少ないですが、自分のやるべきこと、細かいことをしっかり丁寧にやって開幕に臨んでいきたいです」。キャンプ終盤にぜんそくの症状で離脱したが、もう心配無用。先発が見込まれる開幕2カード目の初戦、30日広島戦(マツダスタジアム)に向けて、しっかりギアを上げてきた。 初回は先頭の坂口から3者凡退。2回2死一塁では一塁走者の村上を素早いけん制送球で刺し、鮮やかなフィールディングも健在だった。4回は四球と連打で2点を失うも、5回無死一、二塁では坂口を外のスライダーで二ゴロ併殺。最後は代打塩見をチェンジアップで空振り三振に仕留め、ピンチを広げなかった。 受けた梅野は「開幕の相手でもあるし、いろんな意味で見せるというか。配球のパターン的には偏らずにいろんな球を投げながら、いい感じでちゃんと抑えられたんじゃないかな」と手応え。開幕戦の相手打者の反応を見られた収穫もあった。矢野監督も「申し分ないというか、まだ今がベストな状態じゃないと思うんで、まだ状態なども上がると思う」と心配はない。 初実戦だった5日のソフトバンクとのオープン戦からイニング、球数ともに順調に消化。次回は2軍練習試合で開幕前最後のマウンドに上がる見込み。いよいよ最終調整だ。【磯綾乃】

◆阪神ドラフト6位の中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)が途中出場で2安打2盗塁をマークし、開幕1軍にまた前進した。 5回2死一塁で代走出場し、二盗に成功。7回に左中間二塁打を放つと、9回は中前打から再び二盗を決めた。「思い切って攻めたプレーをしようという気持ちがいい結果につながった。これをしっかり継続していきたい」と充実感たっぷりだ。

◆阪神5番ジェリー・サンズ外野手(33)はオープン戦打率をちょうど4割に乗せた。 2回は右前、4回は中前にライナーを落として3打数2安打。「ヒットはシーズン用に取っておきたいけど」と冗談めかして笑った後、「自分のスイングができている証拠」と手応えを明かした。3番マルテ、4番大山、6番佐藤輝との並びについて「本当に心強い。シーズンでもお互い高め合って戦っていきたい」と力を込めた。

◆元阪神打撃コーチ、元近鉄監督の佐々木恭介氏(71=大和高田クラブ監督)が16日、佐藤輝の驚異の打撃を分析した。自身が72年にマークしたオープン戦の新人最多5本塁打に肩を並べたスラッガーのたぐいまれな対応力に着目。近大時代から佐藤輝を知るバットマンが、正三塁手としての成長を熱望した。【取材=堀まどか】阪神佐藤君のことを、プロ入り前からずっと気にして見続けてきた。その選手がオープン戦5号...。自分の新人時代を思い出して、感慨深い。 大和高田クラブを率いて近大と練習試合をしたとき。グラウンドに入ったとたん、三塁を守る大型選手が目に飛び込んできた。近大の田中監督に「4年生?」と聞いたら「まだ3年ですよ」と教えられ、驚いた。攻守のスケール感は、最上級生のレベルだった。4年生になり「ドラフトの目玉」になったと聞いて、彼なら、と納得していた。 今の打撃は、当時のレベルをはるかに超えて成長している。近大時代は右の腰の開きが少し早く、左方向に打球を飛ばしたときはこすり気味になっていた。それが今は、左方向に見事に打ち返している。「流す」「おっつける」のではなく「左に引っ張る」という表現がぴったりの打撃だ。春季キャンプを視察した阪神掛布雅之レジェンドテラーが「キャンプの初日と2日目で、全く違う」と対応力に目を見張っていたが、すごく頭がいいのだと思う。 佐藤君の逆方向への打撃を見て思い出したのは、清原和博選手だ。芸術と言われた清原選手の右方向への打撃も、まさに「引っ張る」ものだった。佐藤君にも、その技術が見てとれる。 あとは開幕後に増えるであろう内角攻めをどう克服するか。佐藤君の腕の使い方の巧みさからすれば、ぼくは克服すると予想する。 阪神にはぜひ、三塁で使い続けてほしい。彼は観客を呼べる選手。正三塁手として、阪神の看板に育ててほしい。一塁・大山、三塁・佐藤輝。末永く、夢のふくらむ布陣になると思う。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が、"プレ開幕戦"となった神宮でのヤクルト戦で、推定130メートルの特大5号2ランを放った。 執拗(しつよう)な内角攻めにも負けず、オープン戦5発目で初めて右翼へ引っ張った。ドラフト制後の新人5本塁打は1972年(昭47)の佐々木恭介(近鉄)以来49年ぶりのタイ記録。残り4試合、怪物ルーキーはオープン戦3冠も狙える打棒でプロ野球を盛り上げている。

◆オープン戦打撃好調の阪神打線が、ヤクルトの先発・スアレスから三回までに大量6得点を奪った。  二回1死満塁で、梅野が右翼フェンス直撃の先制2点打を放って、口火を切った。梅野は「先制の場面だったので、思い切って打ちにいきました」と振り返った。  2-0の三回、大山が無死一、二塁から左前適時打。なおも2死一、二塁で、糸井が左翼フェンス直撃の2点二塁打を放つと、さらに木浪の右前適時打で加点し、このイニングで4得点。  初めての関東遠征だったドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)=近大=は二回無死一、三塁で中飛、三回1死一、二塁では空振り三振。序盤好機で、ともに快音は聞かれなかった。

◆また打った! 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が四回に2ランを放ち、オープン戦単独トップとなる第5号を記録した。新人のオープン戦の5本塁打は、1972年の佐々木恭介(近鉄)以来49年ぶり。プロ野球12球団の新人記録に並んだ。  「ノースリーから打ちにいった中で、打ち損じることなく一発で仕留めることができてよかったです。次の打席も頑張ります」  6-0の四回1死でマルテが左中間へのソロ。これがオープン戦第4号となり、12球団の本塁打数で佐藤輝と並んだ。すると、直後に2死一塁で黄金ルーキーが打席へ。2番手・寺島の4球目、内角高めの140キロ直球を一閃。打球は右翼席中段に弾んだ。これで再び本塁打数で単独トップに立った。

◆阪神のエース西勇輝投手(30)は5回86球を投げて6安打2失点に抑え、シーズン開幕に向けて、きっちりと仕上げてきた。  三回まではほぼ完璧だった。四回に2点を奪われたが、2併殺を奪うなど、緩急自在の投球でヤクルト打線に的をしぼらせなかった。  西勇は宜野座キャンプ中に、ぜんそくの症状を訴えて離脱し、帰阪。関西で治療と調整を行っていた。今季初実戦の3月5日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)で2回無失点。26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)は藤浪となったが、前回10日には、2軍の春季教育リーグ・オリックス戦(鳴尾浜)に先発し、4回4安打無失点。完全復調をアピールしていた。

◆阪神が開幕戦で対戦するヤクルトに、今オープン戦最多の18安打で、最多タイの9得点と打線が爆発した。  ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が6-0の四回、右越えの2ラン。本塁打は単独トップの5本目となり、1972年の佐々木恭介(近鉄)が記録したオープン戦のプロ野球12球団の新人記録に並んだ。  打線は二回、梅野の2点タイムリーで先制すると、三回には大山が適時打。ベテラン糸井も2点二塁打で続き、木浪の適時打で計4得点。四回には打撃好調のマルテに4号ソロが飛び出した。  先発したエース西勇は5回を投げて6安打2失点。一時は、ぜんそくによる調整遅れも心配されたが、シーズン開幕に向けて、きっちりと仕上げてきた。

◆ヤクルトの20歳のホープ、浜田が2安打3打点と気を吐いた。四回に適時三塁打を放つと、六回は2ラン。いずれも右打席から逆方向に強い打球を飛ばし「体を開く癖を修正したら勝手に右に飛ぶようになった。集中して自分のスイングができている」と成長の手応えを語った。  大分・明豊高から入団1年目の2019年にデビューし、2年目の昨季は33試合に出場して3本塁打を放った。今春のキャンプは2軍で「実力不足。悔しかったが頑張った」とチャンスを待った。オープン戦から1軍に上がり、ここまで打率3割4分5厘、4本塁打と猛アピール中だ。「開幕スタメンを狙う」と威勢よく言った。

◆阪神のマルテが四回、左翼席へ豪快にオープン戦4発目となるソロ本塁打をたたき込んだ。「ストライクゾーンの球を強くスイングすることができているから、いい結果につながっている」と上機嫌だった。  選球眼も良く、大山の前を打つ3番での先発が続いている。バットを右肩に乗せて構える新フォームに手応えをつかみ「このまま好調を維持できるように頑張る」と開幕を見据えた。

◆阪神の西勇がオープン戦2度目の登板で、5回2失点にまとめた。 6安打を許しながらも、2併殺を奪うなど要所での粘り強さが光った。「自分のやるべきこと、細かいことをしっかり丁寧にやって開幕に臨みたい」と気を引き締めた。  持病のぜんそくのため、キャンプ終盤に離脱。調整の遅れも心配されていたが、状態を上げてきた。矢野監督も「ゴロを打たせるところは打たせて、らしさが出ていた。申し分ない」とたたえた。

◆阪神・矢野燿大監督(52)の試合後の主な一問一答は以下の通り。  --佐藤輝は投手の左右もあまり関係なさそう  「まぁ、そりゃ左の気になるピッチャーと気にならない、きょうのピッチャーはそんな左でもそんな気になるタイプでもないし。でも別に、そりゃ左で横から投げるとか、角度がついているピッチャーはそりゃ嫌だけど、今まで見ていてもむちゃくちゃ気にしているという感じはないから。まぁ、そんなにこう、左だからという感じには思っていないんだけど」  --あれだけ内角を攻められている中で右翼方向へ引っ張ったのも意味がある  「それは俺がキャッチャーでもインコース攻めるしさ。まぁまぁ、そういう中で一発で仕留めたり。嫌な部分、逆にこう甘く入ったらっていうのが逆にコントロール乱す可能性も十分出てくるし、ヒットだけじゃなくてああいうホームランとなれば余計バッテリー的には気をつかうんでね。そういうところは、アイツも、テル自身がプロでやっていく中でインサイドっていうのはどのバッターも攻められるところになるんで。そういうところではまぁ、そこでもある意味嫌なものはしっかり見せられたかなという。大したもんやと思います」  --糸井もノースリーから。好調を維持している  「まぁ、そうやね。意気込みももちろん嘉男もずっと今年に懸ける思いはもちろんあるし、その中で結果が伴うというのは大したもんやし、どの打席でも打ってやろうっていうね、3ボールでもあの状況では打っていって、当然というか、(走者を)かえすバッティングをしてほしいところ。それをこのまま結果別にやるというのも、嘉男自身も手応えというか順調に来ているなというのはある」  --西勇の投球は?  「いや、まあ申し分ないというか、まだ今がベストな状態じゃないと思うんで、まだ状態も上がると思うし、その中でゴロを打たせるところはゴロを打たせて、コントロールもらしさっていうのは出ていたと。まぁ順調に来ているんじゃない?」

◆49年ぶりの快挙や!! 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が「6番・右翼」で出場。四回の第3打席に5号2ランを放ち、1972年に佐々木恭介(近鉄)がマークしたオープン戦の新人最多本塁打記録に並んだ。チームは開幕前哨戦に9-6で勝利。本番でも黄金ルーキーが大暴れする。  ◆72年近鉄・佐々木恭介に並んだ  衝撃の弾道が神宮に架かる。佐藤輝はすぐにスタンドインを確信した。ものすごい勢いで飛び出した白球は青空を切り裂き、右翼席上段で弾む。貫禄たっぷりに走り出した黄金ルーキーが、球界の歴史に並んだ。  「打った瞬間、『入ったかな』と思いました。しっかり一発で仕留められたので、そこはよかったかなと思います」  7-0と大量リードで迎えた四回2死一塁。ドラ1のひと振りが燕にとどめを刺した。カウント3-0から4球目。内角高めに投じられた寺島の140キロ直球を迷わず振り切った。14日の巨人戦(甲子園)に続く2試合連続弾は、12球団単独トップをキープする5号2ラン。オープン戦5本塁打は、ドラフト制導入(1966年)以降、72年の近鉄・佐々木恭介に並ぶ新人最多記録。49年ぶりの快挙となった。 その他の写真(2/3枚)  ◆内角も打てる!プレ開幕戦で証明  「しっかり、『内(角)も打てるんだよ』というのを見せることができたので、よかったと思います」  本塁打を量産する22歳に、ヤクルトバッテリーも第1打席から徹底した内角攻めで抑えにきた。三回の第2打席では内角攻めで追い込まれ、最後はカーブで空振り三振。シーズンを想定し、本気で向かってくる相手にやられるわけにはいかない。これまでのオープン戦4発はすべて左への逆方向だったが、内角球を思い切り引っ張り、初めてライトへぶち込んだ。「シーズンに入ったら内(角)を攻められる。そこをしっかり打てた」。推定130メートルの特大弾は自画自賛の一発だった。  徹底したインコース攻めにも屈しないルーキーに矢野監督も「テル(佐藤輝)がプロでやっていく中でインサイドは攻められるところになる。そこでも、ある意味嫌なものは見せられたかなという。大したもんや」とたたえた。3月26日のヤクルトとの開幕戦。その舞台で結果を残し、佐藤輝は「いいイメージでいけるかなと思います」と自信をつけた。  ◆右翼へ初、推定130メートル特大弾  心も開幕に向けて順調だ。ゆっくりとダイヤモンドを周ると、ネクストバッターズサークルにいた糸井とサングラスをモチーフとした新ポーズを披露。実は数試合前から欠かさず着用しているサングラスは、近大の先輩でもある超人からプレゼントされたもの。大きなレンズが特徴的なお気に入りの品に「いいサングラスなんで、見てもらえればと思います」とニンマリ。超人御用達の秘密兵器が、ルーキーらしからぬ威圧感をさらに際立たせている。  「一喜一憂せずに、明日は明日で切り替えてやるべきことをやっていきたいと思います」  燕に恐怖を刷り込ませた前哨戦は百点満点の内容。3・26-。神宮に、再び規格外の快音を響かせる。(原田遼太郎)

◆これまでの本塁打がすべて左方向だった佐藤輝が、初めて右方向へ放り込んだ。カウント3-0からの一発は、いわゆる決め打ち。真っすぐのストライクだけを待って、狙い打った。狙って打った本塁打だ。これができるということは、今まで違った意味でインパクトがある。  過去4本の本塁打は、相手投手のいろんな球種を頭に入れてアジャストすることを心掛けて打ったもの。この日は、方向も違うし、前述のように打ち方も違う。しかも打ったコースが内角寄り。他球団のスコアラーは「こんな打撃もできるのか」と頭を抱えているのではないか。  開幕の相手であるヤクルトの攻め方も、明らかに違ってきた。徹底した内角攻め。内角をどう打つか。カウントに応じてどんな打撃をするのか。内角を攻めた後の変化球にどう対応するのか。さまざまな探りを入れてきた。内角を意識させることで「前の壁」を早めに開かせることで崩しにかかる意味も持つ。  ただ、通常のルーキーに対して、オープン戦でこんな配球はしない。公式戦に入ってからの攻め方だ。強力な新外国人を迎えたときのような早目の対策といえる。この段階で取り入れてきたのは、佐藤輝の能力を認めている証拠だし、ヤクルトはすでに"本番モード"だった。  そんなプレ開幕戦を制したことは、それなりに意味があるが、改めて感じたのは神宮球場の怖さ。この球場はかなりの確率で乱打戦になる。大量リードしていても、されていても、粘り強く戦うことは必要。9点のリードが終わってみれば3点差。油断は禁物だ。(本紙専属評論家)

◆変幻自在の投球術で燕打線を翻弄した。阪神・西勇は充実の表情でマウンドを降りた。  「開幕まで残り少ないですが、自分のやるべきこと、細かいことをしっかり丁寧にやって開幕に臨んでいきたいです」  四回2死二塁で内川と高卒3年目の浜田に連続で適時打を浴びたが、実りのある投球内容だった。今季最長の5回を投げ、6安打2失点。全86球のうち、直球は1球のみ。スライダーやシュート、チェンジアップなど変化球を中心に組み立て、打者を打たせて取った。  2個の併殺を完成させて持ち味を発揮しただけでなく、二回には一走・村上を牽制死にして投球以外でも魅了。リードした梅野は「開幕の相手でもあるし、いろんな意味で(投球を)見せるというか。偏らずにいろんな球を投げながらいい感じでちゃんと抑えられたんじゃないかな」とうなずいた。  右腕の順調な仕上がりに矢野監督も「申し分ない。ゴロを打たせるところは打たせて、コントロールでも(西勇)らしさというのは出ていた」と評価した。  西勇は、開幕2カード目の初戦となる30日の広島戦(マツダ)に先発予定。2月の春季キャンプ中にぜんそくの症状を訴えて離脱していたが、調整は問題なし。開幕まで2週間を切り、いよいよ"本番モード"に突入する。(織原祥平)

◆序盤に飛び出した一本が、10日後まで効きそうな一打になった。今春最多18安打&9得点の口火を切ったのは、阪神・梅野だ。下位も控えメンバーもつながる虎打線が、束になって燕に襲いかかった。  「こうやって、嫌なイメージを付けられたんじゃないかなという感じで良かったです」  ダメージを与えた。0-0の二回1死満塁。マウンド上には、虎の守護神の兄、アルバート・スアレス。昨季、阪神が2勝(0敗)を献上し防御率0・47と苦手にした難敵だった。今季もまた沈黙するのか、攻略するのか-。その分かれ目を、梅野が制した。  カウント2-1からの強い真っすぐ、149キロをはじき返す。打球は高々と右翼上空に舞い上がり、フェンスに直撃する2点打だ。「真っすぐ系を、やっぱり(ストライクを)取りに来るカウントで、ちゃんと結果出せたっていうのが良かった」と手応えが口をついた。  攻守でチームの中心である梅野に刺激され、打線は勢いづいた。三回には大山、糸井、木浪にも適時打が出て、四回はマルテと佐藤輝に豪快弾が飛び出すなど、早くも2桁安打。途中出場のD6位・中野(三菱自動車岡崎)のマルチ安打など最後まで打ち続け、「3・26」の開幕ゲームの相手に18安打を浴びせた。10日後に開幕で戦う相手にここまで好き放題されては、捕手としてはたまったものではない。「嫌なイメージを付けられた」という梅野の言葉も、捕手目線から正直に漏れ出たものに違いなかった。  6月で30歳となり、順調にいけば今季中に国内フリーエージェント(FA)権も取得する、節目のシーズンとなる。近本や大山、そして藤浪ら下の世代も頼もしくなってきた。だが今季こそが、チームを導く自身の力が問われる年だと自覚している。スタメンマスクを巡る争いが続いていっても、体を張り、頭をフル回転させ続ける。  「あとは、状況とかああいう中でのバッティング内容というのを詰めてやっていけたらというのはあります」  今春初のマルチ安打となる3安打で、オープン戦出場5試合連続安打。勢いをつけて、梅野が開幕から虎を勝たせる。(長友孝輔)

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が16日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)に「6番・右翼」で先発出場。四回に5号2ランを放ち、1972年に佐々木恭介(近鉄)がマークしたオープン戦の新人最多本塁打記録(ドラフト制以降)に並んだ。  開幕戦で対戦するルーキーに活躍を許したヤクルト・高津監督は「ある程度、答えは出たんじゃないですか。あとは投手が投げられるか、投げられないか」と不敵な笑みを浮かべた。投手陣はこの日、佐藤輝に対し内角攻めを徹底。第1打席の中飛、第2、5打席の空振り三振はいずれも内角球だった。1993年5月2日の巨人戦で新人時代の松井秀喜と初対戦し、内角直球で攻めてプロ初本塁打を献上した指揮官は「開幕してから、どう抑えるかが一番」とキッパリ。内角攻めには実力を見極める狙いもあったようだ。

◆開幕スタメンはあきらめん!! 「7番・左翼」で出場した阪神・糸井が意地をみせた。3-0とした三回2死一、二塁、3ボールからの4球目。スアレスの148キロのツーシームに力負けしなかった。左翼フェンス直撃の2点二塁打だ。  「まあ、見逃すよりは(バットを)振ろうかなと思って。はい」  四回には、前を打つ近大の後輩、佐藤輝が一発を放ってスタンドがざわつく中で、きっちりと左前へ。オープン戦は打率・412と絶好調だ。矢野監督は「(糸井)嘉男も今年に懸ける思いがある中で、結果が伴うというのは大したもんや」と称賛したが、現状、外野は左翼がサンズ、中堅は近本、右翼は佐藤輝が基本線。糸井はベンチスタートが濃厚だ。  「1打席、1打席、開幕のつもりでやっているんで。頑張ります」。オープン戦は残り4試合。39歳は、少ないチャンスで結果を残すことしか頭にない。(三木建次)

◆開幕スタメンへ、大きく前進した。「6番・右翼」で先発出場したヤクルト・浜田太貴外野手(20)が、4号2ランを含む2安打3打点の活躍。オープン戦11打点は12球団単独トップ、4本塁打も2位タイで、連続複数安打も4試合に伸ばし、26日の阪神との開幕戦(神宮)での先発出場を視界に捉えた。  「振り負けないように、早めにタイミングをとって力強いスイングをすることを心掛けました。風が吹いていたので入ってくれたと思います」。振り返ったのは、四回に適時三塁打を放ち、迎えた六回2死一塁の場面だ。阪神D8位・石井大(四国IL高知)が投じた137キロの真ん中への直球を逃さず、右中間席へ運んだ。  大分・明豊高からドラフト4位で入団したプロ3年目。坂口、塩見、山崎らと外野の定位置を争う中、高津監督は「今後は出場機会が増えるか」と問われ「その通りです」と明言した。2月のキャンプは2軍スタートだったが、オープン戦で猛アピールを果たし、初の開幕1軍、さらにスタメンを狙える位置まで急浮上してきた。  オフはフォーム固めを徹底。チームの先輩、山田の動画を繰り返し見て研究した。「哲人さんは軸がブレない。反動を使わずに強い打球が打てる」。打席でのタイミングの取り方や、バットのトップの位置について直接、助言ももらった。  オープン戦は残り4試合。池山隆寛(現ヤクルト2軍監督)を思わせるフルスイングから「令和のブンブン丸」とも称される逸材に、ブレークの予感が漂う。(横山尚杜)

◆阪神・佐藤輝の打席で感心したことが2点あった。まず四回の本塁打。内角高めの速球に対応して、引っ張って右翼席へ運んだことだ。  4号までは、変化球を逆方向の中堅から左へはじき返したものだった。ポイント(球を捉える点)が捕手に近いので、内角は低めが強く、高めは対応しづらいと思っていたし、開幕カードであたるヤクルトのバッテリーも公式戦に備えて試したのではないだろうか。  続く六回の打席でも、同じコースに来た球を捉えて、右前打にした。  もう一つは二回の第1打席。無死一、三塁で、スアレスはクイックモーションで投げてきた。右足を上げてタイミングを取るので初球こそ空振りしたが、2球目はタイミングを合わせてファウルにした。最後は浅い中飛に倒れたが、自分のスイングができて、ちゃんとポイントで捉えていた。  この3打席で、私は評価を上げたい。ヤクルトにとって要注意の選手になってしまったな、と思う。 (本紙専属評論家)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
622 0.750
(↑0.036)
-
(-)
40
(+1)
25
(-)
10
(-)
2
(+1)
0.230
(↓0.001)
2.400
(↑0.27)
1
(-)
阪神
621 0.750
(↑0.036)
0
(-)
40
(+9)
27
(+6)
14
(+2)
5
(+2)
0.303
(↑0.018
2.880
(↓0.4)
3
(-)
ORIX
731 0.700
(↑0.033)
0
(-)
43
(+5)
27
(+3)
9
(+1)
7
(+3)
0.273
(↑0.01)
2.020
(↓0.1)
4
(-)
西武
631 0.667
(↑0.042)
0.5
(-)
41
(+1)
28
(-)
6
(-)
5
(-)
0.256
(-)
2.570
(↑0.31)
5
(4↑)
日本ハム
450 0.444
(↑0.069)
2.5
(-)
30
(+3)
34
(+2)
6
(+1)
7
(+1)
0.231
(↑0.007)
2.730
(↑0.1)
5
(-)
ロッテ
451 0.444
(↓0.056)
2.5
(↓1)
34
(+2)
32
(+3)
3
(-)
12
(+1)
0.229
(↓0.007)
3.210
(↓0.02)
5
(-)
巨人
451 0.444
(↓0.056)
2.5
(↓1)
24
(+1)
29
(+6)
3
(-)
6
(-)
0.205
(↑0.003)
2.620
(↓0.43)
8
(3↓)
楽天
340 0.429
(↓0.071)
2.5
(↓1)
24
(+3)
26
(+5)
1
(+1)
4
(-)
0.247
(↓0.007)
3.540
(↓0.08)
8
(3↓)
広島
340 0.429
(↓0.071)
2.5
(↓1)
13
(-)
19
(+1)
2
(-)
6
(+2)
0.191
(↑0.004)
2.550
(↑0.39)
10
(2↑)
中日
360 0.333
(↑0.083)
3.5
(-)
24
(+6)
51
(+1)
5
(+1)
7
(-)
0.214
(↑0.007)
5.490
(↑0.6)
11
(1↓)
DeNA
250 0.286
(↓0.047)
3.5
(↓1)
18
(-)
28
(+1)
2
(-)
2
(-)
0.215
(↓0.007)
3.980
(↑0.44)
12
(1↓)
ヤクルト
261 0.250
(↓0.036)
4
(↓1)
34
(+6)
39
(+9)
11
(+2)
4
(+1)
0.246
(↑0.012
4.260
(↓0.63)