阪神(☆1対0★)巨人 =オープン戦1回戦(2021.03.14)・阪神甲子園球場=
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巨人
0000000000310
阪神
00010000X1701
勝利投手:及川 雅貴(1勝0敗0S)
(セーブ:桑原 謙太朗(0勝0敗1S))
敗戦投手:髙橋 優貴(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(4号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は、佐藤輝がオープン戦第4号となるソロを放つなど2安打を記録。ドラフト1位ルーキーが、持ち前の打棒を見せつけた。一方の巨人は、先発・高橋が5回1失点。開幕ローテーション入りを狙う左腕が、首脳陣へのアピールに成功した。

◆阪神のドラフト7位ルーキーの高寺望夢内野手(18=上田西)が1軍合流した。 13日の2軍教育リーグの広島戦(鳴尾浜)では実戦初打点を記録するなど成長中。唯一の高卒ルーキーが初めて1軍の舞台に立つ。

◆甲子園は怖くない-。阪神及川雅貴投手(19)が、先発として1軍デビューを果たす。 19年ドラフト3位で横浜(神奈川)から入団。1年目の昨季はウエスタン・リーグ9試合で2勝4敗とステップを踏み、いよいよプロ野球の1軍の試合で聖地のマウンドへ向かう。 高校時代は春夏通算3度、甲子園に出場した。最後の試合は19年センバツの1回戦、明豊(大分)戦だった。3回に下位打線への連続四球から崩れ、そこから5失点でKOされた。 制球の粗さは大会前から指摘され、晴れ舞台でも露呈した。選考委員会の選考理由の中にも「及川投手」と個人名が入るほどで、優勝候補の一角とされた。大船渡・佐々木、星稜・奥川、創志学園・西と並んで「BIG4」と呼ばれた。佐々木も一時期、携帯電話の待ち受け画面を及川の写真にして、強いライバル心を抱いていたほど。それだけに、周囲から逆風も決して小さくなかった。 試合後には「安定感の無さ、制球力の無さ、自分の実力不足。全てにおいて、1からやり直しです」と背筋を伸ばして誠実に答えたが、心は傷んでいた。 5月になって、横浜高長浜グラウンドの一室で、リベンジを期す及川とひざを交えた。 夏の甲子園への思いは。「やり返したいです」と言った。でも、周りに気を配れる心優しい青年である。表情もそこまで強くなかった。「戻ることへの怖さは?」と尋ねた。「いや、正直、やっぱり甲子園には行きたいですけれど、甲子園に戻って投げるのがやっぱりちょっと怖いなっていう気持ちも、少しあります」と苦笑いした。 最後の夏は神奈川大会で敗れ、甲子園には戻れなかった。大船渡・佐々木と同じ日に敗れたが、まさかプロで甲子園に戻るとは。阪神は、5月ごろから急速に及川の練習試合視察を増やしていた。ドラフトの夜、取材先の大船渡市内からお祝いのメールをした。「怖い」の言葉がずっと引っかかっていた。「ありがとうございます! 一生懸命頑張ります!」。朗らかな笑顔が浮かぶ返信が、その夜のうちに戻ってきた。【19年高校野球担当=金子真仁】

◆阪神及川雅貴投手(19)が1軍デビュー登板を前に、リラックスして練習に取り組んだ。 この日21年初の巨人戦に先発。8年目の岩貞祐太投手(29)とともに笑顔で話すなど、終始落ち着いた表情だった。 及川は19年ドラフト3位で入団し、昨季はウエスタン・リーグ登板9試合で2勝4敗。最速153キロを誇る高卒2年目、貴重な左腕が昨季のセ界王者に万全の準備で挑む。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が2年目の及川雅貴投手(19)、巨人が3年目の高橋優貴投手(24)。ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)は、初の「伝統の一戦」で豪快アーチを放てるか、注目だ。

◆阪神のドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手(22=近大)が、初の「伝統の一戦」に挑む。甲子園での今季初の巨人戦に「6番右翼」で先発。試合前のフリー打撃では5本の柵越え。最後は2連発で締める"豪快デモ"だった。巨人ナインが見学する中、怪力を見せつけた。 前日13日は22歳の誕生日。4試合ぶりの無安打に終わったものの、多くのファンが応援タオルを掲げ祝福した。バースデーから一夜明け、22歳1号を放てるか。

◆巨人坂本勇人内野手(32)が腰の張りのため、大事をとって欠場することとなった。試合前練習では、全体練習に入らず、外野で別メニューで調整した。 今季ここまでオープン戦全8試合に先発出場し、打率1割6分、1打点だった。

◆巨人とのオープン戦前に甲子園球場では新入団選手紹介が行われた。名前がコールされるとマウンド付近に整列。詰めかけた地元ファンからは温かい拍手が送られた。 ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)、3位佐藤蓮投手(22=上武大)、4位栄枝裕貴捕手(22=立命大)、5位村上頌樹投手(22=東洋大)、6位中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)、7位高寺望夢内野手(18=上田西)、8位石井大智投手(23=四国IL・高知)、育成ドラフト1位岩田将貴投手(22=九産大)、チェン・ウェイン投手(35)、加治屋蓮投手(29)、鈴木翔太投手(25)、山本泰寛内野手(27)が参加した。 ドラフト2位の伊藤将司投手(24=JR東日本)は2軍教育リーグでの調整、ラウル・アルカンタラ投手(28)、メル・ロハス・ジュニア外野手(30)は来日遅れのため名前のみの紹介だった。

◆阪神矢野燿大監督(52)が試合中にインタビューに応じ、ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)を開幕スタメンで起用することを示唆した。 矢野監督 スタメンで今の状態を見せてくれているんであればもちろん行きますし、将来を考えて使うつもりでいます。 この日佐藤輝は「6番右翼」でスタメン出場し、第2打席で左翼ポール際へ4号ソロ。ドラフト入団の新人がオープン戦で4本塁打を記録したのは、球団初だ。怪物ルーキーが開幕前に早くも虎の歴史を塗り替えた。 佐藤輝は現在5試合連続で6番で起用されており、矢野監督は「これからのことで変わる可能性はありますが、今の打順ぐらいが一番いいのかなと思っています」と、今後も打順を固定していく方向性を示した。

◆阪神が21年初の伝統の一戦を制した。 4回にドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が左翼ポール際へオープン戦4号ソロ。怪物ルーキーの一振りが決勝アーチとなった。先発の19年ドラフト3位及川雅貴投手(19)も4回1安打無失点と好投。昨季8勝16敗と大きく負け越した宿敵に対し、投打の若き力が輝いた。 阪神はこれでオープン戦5勝2敗1分となった。

◆小林慶祐投手(28)のフォークがさえわたった。3番手で登板すると先頭の若林、続く北村を鋭く落ちるフォークで空振り三振に仕留めた。 小林は二ゴロで3者凡退。先発及川、馬場に続き、無失点リレーを演出。前回の10日広島戦でも2イニングを6人で完璧に料理。虎のブルペンは厚みが増してきた。

◆阪神と巨人がオープン戦。先発は阪神が及川雅貴投手(19)、巨人は高橋優貴投手(24)。阪神1位佐藤輝明(22)は「6番右翼」で先発出場。4回の第2打席で決勝の4号ソロを放った。

◆巨人坂本勇人内野手(32)が14日、阪神とのオープン戦を腰の張りのため欠場した。 試合前練習はグラウンドには現れたが、打撃、守備ともに練習は回避した。

◆阪神2番手の馬場皐輔投手(25)が巨人打線を3回2安打無失点に抑えた。2イニング目の6回には2死から梶谷、岡本和に連打を許し、丸には四球。満塁のピンチも中島を空振り三振に仕留めた。「(ピンチも)苦しい感じがまったくなかった。2死でしたし、三振を取りにいくっていう。前に飛ばされるんだったら、三振を取りにいって取れた。今日の収穫」と手応えを得た。これでオープン戦は3試合に登板し、計7イニングで無失点。昨季32試合で防御率2・08の右腕が開幕へ向けて順調だ。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が、早くも猛虎史を塗り替えた。伝統の一戦で左翼ポール際へ4号ソロ。 一度はファウル判定となったが、矢野監督は即リクエストを要求。リプレー検証の結果ファウル判定が覆り、ホームランと判定された。球場に駆け付けたファンも、宿敵への1発に大歓声。「打ったのはストレート。ツーアウトでしたが、甘く入ってきたボールをうまく捉えることができました」。この時点で、オープン戦の本塁打王争い単独トップに躍り出た。 ドラフト入団の新人がオープン戦で4本塁打を記録したのは、球団初。しかも佐藤輝は4本塁打のうち、3本が甲子園だ。4本すべてが中堅から左翼方向と、逆方向への特大アーチを連発している。 試合前のフリー打撃では41スイングで5本の柵越え。最後は2連発で締める「豪快デモ」だった。巨人ナインが見学するなか怪力を見せつけており、試合でも実力通りのアーチ。昨季本塁打と打点2冠の巨人岡本和も、あっけに取られていた。「伝統の一戦と呼ばれる巨人戦で打つことができて良かったですし、これからももっと打つことができるように頑張ります」と宿敵相手に存在感を示した。 7回先頭の第3打席では、巨人戸根の126キロスライダーを右前へ引っ張り、マルチ安打となった。

◆阪神の19年ドラフト3位及川雅貴投手(19)が、1軍デビューを果たした。21年初の巨人戦に先発し、4回1安打無失点。「1軍の登板を告げられてからすごい毎日毎日緊張していて、少し落ち着かない部分もあったんですけど、今投げ終えてすごいほっとしているというのが一番です」と、安堵(あんど)の表情を見せた。 完璧な立ち上がりだった。1回は3者凡退。2回には4番岡本和を右飛に打ち取った。3回には身長2メートルの注目ルーキー、秋広と対戦。四球を与えるも、1番若林の間に二盗を阻止し、結果的に3人で終えた。 4回は先頭の若林にこの試合初めての安打となる二塁打を浴びると、続く北村に四球を与えピンチを迎える。それでも高卒2年目の左腕は冷静だった。梶谷を初球の変化球で遊飛、岡本和を直球で押し込み右飛、最後は丸を左飛に抑え切り抜けた。 及川の投球に矢野監督も「素晴らしかった。緊張したって言っていたけど、どんどん攻めていける姿が見れた」と評価。「今季中にここで登板してほしいと思える登板やったんで。純矢(西純)も頑張っているし、右、左でタイガースを引っ張っていくような投手になってもらいたい」とさらなる期待をかけた。 シーズンでの1軍デビュー、そして甲子園のマウンドへ「内容を見たらストレートが甘く入ったりだとか、変化球でカウントが取れなかったり、結果だけを見ずに内容を見て、次に生かしたいと思っています」と反省点を挙げつつも、梶谷、岡本、丸の中軸を無安打に抑えたことは「自信になりました」と手応えを得た。経験を糧に飛躍を目指す。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が、伝統の一戦で左翼ポール際へ4号ソロを放った。 怪物ルーキーの逆方向弾にSNSも大盛り上がり。午後2時半時点で、ツイッターでは「#佐藤輝明」がトレンド入りを果たした。「ちょっと佐藤輝明すごすぎないか...」「佐藤輝明(神)」など、虎党も驚きを隠せない。 佐藤輝のアーチは、1度はファウル判定となったが、矢野監督は即リクエストを要求。リプレー検証の結果ファウル判定が覆り、ホームランと判定された。ドラフト入団の新人がオープン戦で4本塁打を記録したのは、球団初。オープン戦の本塁打王争い単独トップに躍り出た。

◆阪神2番手の馬場皐輔投手(25)が巨人打線を3回2安打無失点に抑えた。2イニング目の6回には2死から梶谷、岡本和に連打を許し、丸には四球。満塁のピンチも中島を空振り三振に仕留めた。これでオープン戦は3試合に登板し、計7イニングで無失点。昨季32試合で防御率2・08の右腕が開幕へ向けて順調だ。

◆阪神矢野燿大監督(52)が、ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)の決勝ソロを絶賛した。 佐藤輝は「6番右翼」でスタメン出場し、第2打席に左翼ポール際へ4号ソロ。宿敵巨人との伝統の一戦で、怪物ルーキーの一振りが勝敗を分けた。逆方向への1発に指揮官も笑顔だ。 矢野監督 (左方向へのアーチは)アイツの持ち味にしていけばいい。相手もインコースを攻めようとしている中で、ちょっと甘くなったボールというのを(打った)。攻め方としてはそういう攻めになってくると思う。そこをああやって1発で仕留められるというのはアイツの持ち味だし、魅力。 右翼から左翼に吹く浜風を味方につけたアーチ。左打者泣かせとして有名な浜風だが、佐藤輝には関係ない。指揮官も「特にこういう浜風と言われる甲子園であっち(左翼)に打てるというのは、ストレスなく打席に立てるという強みがあるんじゃないかな」と評価した。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)がオープン戦4号本塁打。阪神のドラフト新人では、72年の望月充(大昭和製紙)3本を超え、単独で最多となった。 ▼阪神打者のオープン戦4本塁打は、19年大山4本塁打以来。00年以降の最多は、01年クルーズの7本。

◆阪神投手陣が今季初の「伝統の一戦」で完封勝利を演出した。高卒2年目左腕、先発及川雅貴投手(19)が4回1安打無失点。堂々の1軍デビューを果たすと、後輩に続けとばかりに先輩ブルペン陣が躍動した。5回からは2番手馬場皐輔投手(25)が3イニングをゼロに抑え、3番手小林慶祐投手(28)が8回を3人で片付けると、最後は桑原謙太朗投手(35)も3人斬り。佐藤輝明内野手(22=近大)の4号ソロの1点を守り切った。巨人戦の完封勝利は昨年9月17日(東京ドーム)以来。1-0での勝利は18年5月25日(甲子園)以来だった。

◆巨人原辰徳監督が阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手を警戒した。初対戦後の印象として「非常に堂々とね。いいプレースタイルというか、そういう、手ごわい相手になるだろうね」と話した。 試合前にはTBS系「サンデーモーニング」にリモート出演。昨秋ドラフトの抽選で外し、司会の関口宏から「欲しかったんでしょ?」と聞かれ「欲しかったですねえ」と笑い「ただ、阪神に久々に、大物が入った。負けじと抑えていくというところで、ファンは盛り上がると思う」と続けた。

◆巨人高橋優貴投手(24)が5回1失点の力投をみせたが、開幕ローテ確定は持ち越された。 2回に最速146キロをマークした直球は5回に140キロまで落ち、躍動感を欠いた。4回には2死から、阪神佐藤輝に真ん中低めの直球を左翼ポール際に被弾。「ああいう場面でしっかり投げ切らないといけない」と反省した。 首脳陣からの評価は手厳しかった。宮本投手チーフコーチは「ファームに落としてもう1度、今度は6番目の椅子を奪うことになりました。平内、畠、高橋。あの辺りで、また競うことになる」と説明。原監督も「闘争心というか自信というかね。比べる状況で、秀でていないということでしょうな」とした。 当初は開幕3戦目に照準を合わせて調整してきたが、当確持ち越しを受け、開幕2カード目の中日3連戦3戦目の残り1枠を争う。今後は2軍戦最大2試合の登板機会でのアピールが求められる。高橋は「まだ競争だと思うので、しっかりと結果を求めてやっていければと思う」と引き締めた。

◆阪神小林慶祐投手(28)がオープン戦2試合連続無失点で1軍の中継ぎ争いに加わった。 8回から3番手で登板。若林、北村をフォークで空振り三振に仕留め、小林は148キロ直球で二ゴロに抑えた。10日広島戦の2回無安打無失点3三振に続く好投。矢野監督も「すばらしいね。前回もすごくいいなと思ったけど、今日もそれと同じ投球やった。あれだけ角度あってキレがあると変化球も生きてくる」と絶賛した。昨季オリックスからトレードで加入し、移籍2年目。「自分のすべき役割を全うしてアピールを続けていきたい」と、1軍生き残りへ気を引き締めた。

◆阪神2番手の馬場皐輔投手が3回2安打無失点と好投した。 6回に2死満塁のピンチを招くも「苦しい感じがまったくなかった」と冷静だった。6番中島を外角低めカットボールを振らせて3球三振。「2アウトでしたし、三振を取りに。前に飛ばされるんだったら、三振を取りにいって取れた」。春季キャンプでは先発再挑戦で開幕ローテを争っていたが、オープン戦は3試合とも中継ぎ起用。合計7イニングで無失点と結果を残している。

◆ベテラン35歳の阪神桑原謙太朗投手が完封リレーを締めた。 9回に4番手で登板し、昨季本塁打と打点でリーグ2冠の岡本和を直球で空振り三振。2死では代打亀井を伝家の宝刀スライダーで、バットに空を切らせた。 「前回の試合で四球を2つ出してしまいましたが、今日はそういったことがなく、3人で抑えることができて、いい投球ができた」。矢野監督も「球の勢いもキレも申し分ないボールだった」とほめた。

◆虎の未来は明るいで! 19年ドラフト3位の阪神及川雅貴投手(19)が堂々の1軍デビューを果たした。巨人戦で先発し、4回1安打無失点。4回無死一、二塁のピンチも梶谷、岡本和、丸の主軸を抑えて切り抜けた。「毎日緊張していて、落ち着かない部分もあった。投げ終えてホッとしているというのが一番です」と安堵(あんど)の表情を見せた。 待ちに待った出番だ。同期入団でドラフト1位の西純はキャンプから1軍に同行。「高校四天王」と称された仲間の活躍を刺激に腕を振った。最速145キロの直球で押し、12個中10個がフライアウト。「ストレートをどんどん投げていくのが自分のスタイル。課題のテンポも意識できた」と持ち味を発揮した。 伝統の一戦での先発に抜てきした矢野監督は「素晴らしかった。緊張したって言っていたけど、どんどん攻める姿が見られた」と称賛。「今季中にここで登板してほしいと思える登板。純矢(西純)も頑張っているし、右、左でタイガースを引っ張っていくような投手になってもらいたい」と近い将来に左右の両輪で投手陣の柱となることを期待した。 試合後には"初勝利"の記念球を手に笑顔。19歳の若武者は「自信になりました。反省点に取り組んで、1軍のマウンドで貢献していきたい」と手応えをつかんだ。シーズンでの1軍初勝利、そして未来のエースへ。及川が大きな1歩を踏み出した。【中野椋】 ▽阪神福原投手コーチ(及川について)「球界を代表するバッターと対戦できたし、今日の1アウト1アウト、1イニング1イニングがいい経験になった」

◆これぞタテジマ魂や! 阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)がいきなり決勝のG倒アーチを描いた。4回に左翼ポール際への打球はファウル判定となったが、リクエストで覆った。オープン戦トップの4号ソロ。新人では球団史上最多で89年中日大豊以来32年ぶり。矢野燿大監督(52)が開幕スタメンを明言すれば、昨秋ドラフトでクジを外した巨人原辰徳監督(62)は「ほしかった」と悔しがった。ドラフト制後初となるオープン戦の新人本塁打王も見えてきた。この男にG倒を託したい-。初めて経験する伝統の一戦で、佐藤輝が本領を発揮した。4回。巨人の左腕高橋の143キロ直球をとらえた。左翼ポール際への打球は、無人のアルプス席に飛び込む。ファウルの判定に、矢野監督は即座にリクエストを要求。3分後に判定は覆り、丹波審判員が右手をグルグルと回した。「プロ野球はリクエストがあって助かりました。初めてだったので、ちょっとビックリしました」。戸惑いまじりの4号ソロは、宿敵を撃破する決勝アーチとなった。 オープン戦の4本塁打は、新人では球団最多で、89年中日大豊以来32年ぶり。4発すべてセンターから左の逆方向だ。うち3本は屋外で広い甲子園のもの。好調の要因を問われると「練習ですね。練習しています」とキッパリ。キャンプから振り込み、筋力トレーニングを続けたことで、自分の考えるスイングでボールにパワーをしっかりと伝えられている。オープン戦8試合で打率3割7分、6打点の数字にも「まあ『やるぞ!』という自信はあったので、特別ビックリはしていない」と堂々と答えた。 13日時点で、オープン戦の対左腕は7打数無安打だった。先発高橋を攻略し、7回にも戸根から右前打を放ち、左投手からマルチ安打を記録。「左腕から全然打てていなかったのでよかった」と一安心。開幕前に苦手意識を取り除けたことは大きい。 今季初の巨人戦で勝利を決める1発を放った。昨年はリーグ2位だが、8勝16敗と大きく負け越した相手。佐藤輝は「セ・リーグで優勝するためには絶対に倒さないといけない相手なので、シーズンに入っても打てるように頑張ります」と、頼もしくG倒宣言した。これでオープン戦本塁打は12球団単独トップ。新人本塁打キングも見えてきた。【石橋隆雄】

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)がオープン戦4号本塁打。阪神のドラフト新人では、72年の望月充(大昭和製紙)3本を超え、単独で最多となった。 佐藤輝明の一問一答は以下の通り。 -ホームラン よかったです。際どい打球でしたけど、フェアになってよかったです。 -最初はファウルで、あぜんとした表情をしていたが 途中まで見ていて、入ったかなと思ったんですけど。ファウルと言われたので、プロ野球はリクエストがあって助かりました。 -初のリクエストは長く感じた そうですね。審判の方も迷ってるんかなと思って。でも、ファウルと言われたときの準備はしていました。初めてだったので。ちょっと、ビックリしました。 -左投手から打った本塁打は初めて そうですね、左ピッチャーはオープン戦全然打ってなかったと思うので、今日2本打ててそこは良かったかなと思っています。 -(左投手への)対応面も日に日に良化を実感しているのか まあ、まだまだですけどしっかり、対応していきながらやっていきたいと思います。 -オープン戦トップの本塁打数になった そこまで(意識)はないですね。1試合、1試合集中して頑張ります。 -宿敵相手に打ったホームランだった セ・リーグで優勝するためには絶対に倒さないといけない相手なので、シーズンに入っても打てるように頑張ります。 -伝統の一戦の雰囲気を初体感 まあ、やっぱり一番盛り上がる試合だと思いますし、コロナがおさまってもっと満員になったらファンの方も白熱するのかなと思います。 -昨日より多く観客が入った そうですね、多く感じましたけど、まだ全然コロナで(少ないので)もっと入ると思うので、それが楽しみですね。 -スタンドのタオルの数が日に日に増えている ファンの方も期待してくれているということだと思うので、しっかり喜ばせるようにというか、ファンの期待に応えられるようにやっていきたいと思います。 -ゴリラポーズ、陽川がいなくてもやっていたが、今後自分のモノとして定着させたい いや~どうなんですかね。みんなこうやってくれるんで、それに応えているという形です。 -自分的には まあ、ちょっと考え中です。 -好調の要因は 練習ですね。練習しています。 -昨日、誕生日で結果が出なかったが、後祝いの祝砲になった そうですね、はい、良かったと思います。 -これだけしっかり結果が出ている現状、プロ入り前から想像できたか そうですね、まあでも「やるぞ!」という自信はあったので、特別ビックリはしていないです。 -矢野監督が開幕スタメン明言。監督の期待をどう受け止めている。 うーん...しっかり使ってもらうからには、しっかり結果を出すということを目標に毎日、1試合1試合やっていきたいと思います。

◆阪神は佐藤輝のソロ本塁打で巨人に1-0で勝利。オープン戦でのこのカード1-0勝利は、95年3月12日(藤井寺)以来。7回裏に久慈の犠飛で先制し、そのまま降雨コールドとなった。 ▼公式戦での巨人戦1-0勝利は43試合あり、うち決勝点が本塁打だったのは9試合。直近は18年5月25日(甲子園)で、糸井が菅野から放ったソロを継投で守った。なお公式戦での阪神の「新人の本塁打による巨人戦1-0勝利」は、まだ実現していない。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)がオープン戦4号本塁打。阪神のドラフト新人では、72年の望月充(大昭和製紙)3本を超え、単独で最多となった。 ▼佐藤輝がオープン戦で単独トップに立つ4号。ドラフト制後(66年以降)、オープン戦で4本塁打以上の新人は72年佐々木恭(近鉄)5本、89年大豊(中日)4本に次いで32年ぶり3人目。ただし、72年は松原(大洋)の9本、89年は宇野(中日)ら3人の7本がトップで、佐々木恭と大豊は「本塁打王」ではなかった。ドラフト制後、オープン戦で新人の首位打者は14年井上(ロッテ)がいるものの、新人の本塁打王はまだいない。ちなみに、ドラフト制以前では58年長嶋(巨人)がオープン戦で7本塁打、公式戦で29本塁打を放ち、新人でオープン戦と公式戦の両方で本塁打王に輝いている。

◆19年ドラフト3位の阪神及川雅貴投手(19)が堂々の1軍デビューを果たした。巨人戦で先発し、4回1安打無失点。4回無死一、二塁のピンチも梶谷、岡本和、丸の主軸を抑えて切り抜けた。 及川の1軍デビューに平田2軍監督は「『うわ、丸だ』と思って喜んで投げろとは言ってたけど、上出来や。それで純矢(西純)と2人で張り合ってやらないと、同級生で」と振り返った。

◆阪神ドラフト7位の高寺望夢内野手(18=上田西)が14日、1軍に合流した。この日の巨人戦では出番はなかったが、練習に参加。試合前の円陣では声出し役を担当した 「甲子園は憧れる場所。そこで野球ができてとても楽しかった。少しでも早く戦力として戦っていけるように頑張りたいです」。今季新人唯一の高卒ルーキーは楽しみな存在だ。

◆阪神が21年初の伝統の一戦を制した。4回にドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が左翼ポール際へオープン戦4号ソロ。怪物ルーキーの一振りが決勝アーチとなった。先発の19年ドラフト3位及川雅貴投手(19)も4回1安打無失点と好投。昨季8勝16敗と大きく負け越した宿敵に対し、投打の若き力が輝いた。 阪神はこれでオープン戦5勝2敗1分となった。 矢野監督の一問一答は以下の通り。 ? -先発及川が若々しい投球 矢野監督 素晴らしかったと思います。まあ、オープン戦とはいえね、甲子園で巨人戦となれば緊張もしたって本人も言っていたけど、そのなかでもどんどん攻めていける、攻めていっている姿がみれたんでね。本人にとって自信にもしてもらったらいい。まあ1回の登板やけど、今季中にね、ここで登板してほしいなと思える登板やった。純矢(西)も頑張っているし、いいライバルというか、右、左でタイガースを引っ張っていくようなそういう投手になっていってもらいたい。 -4回、佐藤輝の打球は巻いたように見えた 矢野監督 はっきりじゃないけど巻いたなと思った。そんなに手前で切れた感じはなかったんで。俺は行ったかなと思った。 -また逆方向 矢野監督 アイツの持ち味にしていけばいい。相手もインコースを攻めようとしている中でちょっと甘くなったボールというのを。向こうとしては攻め方としてはそういう攻めになってくると思う。そこをああやって1発で仕留められるというのはアイツの持ち味だし、魅力。 -テレビインタビューでこのままいけば開幕スタメンと 矢野監督 そらもう、こんだけ打ってて使えへんかったらおかしい(笑い) -中継ぎの小林が良かった 矢野監督 すばらしいね。前回も、もちろんすごいいいなと思ったけど、今日もそれと同じ投球やったし、あれだけ角度あってキレがあると変化球も生きてくる。 -巨人戦への意識は 矢野監督 もちろんなくはないけど、別に今はシーズンに向けての準備の段階やし、もちろん勝って気分悪くないんでね。うちとしては意識すべきチームではあるけど、意識過剰になり過ぎても、もちろんそれは違うことになるんでね。他にも5球団、ジャイアンツ以外に4球団あるんでね。そこは過剰にはなったらあかんけど、巨人と戦うことを俺らがプラスに変えていけることが大事。プラスに変えられるものは全部プラスにしてやっていくことは必要だと思っている。

◆巨人高橋が5回1失点の力投をみせたが、開幕ローテ確定は持ち越された。2回に最速146キロをマークした直球は5回に140キロまで落ち、躍動感を欠いた。4回には2死から、阪神佐藤輝に真ん中低めの直球を左翼ポール際に被弾。「ああいう場面でしっかり投げ切らないといけない」と反省した。 首脳陣からの評価は手厳しかった。宮本投手チーフコーチは「ファームに落としてもう1度、今度は6番目の椅子を奪うことになりました。平内、畠、高橋。あの辺りで、また競うことになる」と説明。原監督も「闘争心というか自信というかね。比べる状況で、秀でていないということでしょうな」とした。 当初は開幕3戦目に照準を合わせて調整してきたが、当確持ち越しを受け、開幕2カード目の中日3連戦3戦目の残り1枠を争う。今後は2軍戦最大2試合の登板機会でのアピールが求められる。高橋は「まだ競争だと思うので、しっかりと結果を求めてやっていければと思う」と引き締めた。

◆阪神のドラフト7位・高寺望夢内野手(18)=上田西高=が甲子園の1軍に合流。試合前練習では、初めて立った甲子園のグラウンドではつらつと汗を流した。  「高校時代に目指していた場所で野球ができて、練習してとても楽しかったです」  フリー打撃では鋭い当たりで快音を連発。遊撃のポジションでノックを受け、黒土の感触を確かめた。この日のオープン戦に出場する可能性もある18歳。「打席でならヒットを。それが最高の結果だと思います」と意気込んだ。

◆スターティングメンバーが発表され、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は「6番・右翼」で出場する。今季初の伝統の一戦で、虎の黄金ルーキーが宿敵に力を見せつける

◆巨人・坂本勇人内野手(32)が腰の張りのため、試合前練習で打撃、守備を回避した。阪神戦も欠場する。  主に3番打者としてオープン戦に出場していた主将はここまで25打数4安打の打率・160だった。

◆試合開始に先駆けて、今季の新入団選手紹介が行われた。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=ら12選手が、グラウンドでファンに一礼した。今季初の伝統の一戦。試合前のフリー打撃では、佐藤輝に巨人軍の選手が熱視線を送った。41スイングで柵越えは5本。自慢のフルスイングで宿敵に衝撃を与える。  また、ドラフト7位・高寺望夢内野手(18)=上田西高=も、この日1軍に合流し、甲子園で初練習。「しっかり最高の準備をして、楽しんでプレーして最高の結果になればいいと思います」と力を込めた。

◆ドラ1のバットで甲子園がわいた。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が0-0で迎えた四回の第2打席にオープン戦第4号となる先制ソロを放った。  2死から打席に向かうと、カウント1-1から3球目。快音を残し、白球は左翼ポール際のスタンドへ。歓声に沸く甲子園だが、判定はファウル。たまらず矢野監督がリクエストを要求した。  2分後、グラウンドに戻ってきた球審の判定は、ホームラン! 一瞬、戸惑った表情を浮かべたルーキーだったが、審判に促され、ダイヤモンドを一周。球場は再び大歓声に包まれた。今季初の伝統の一戦。宿敵相手に、虎の黄金ルーキーが驚きのひと振りを見せつけた。

◆高卒2年目の阪神・及川雅貴投手(19)が"伝統の一戦"で1軍デビュー。先発して4回53球を投げて1安打無失点。巨人打線を相手に堂々の投球をみせた。  一回を三者凡退に抑えると二回は主軸の岡本を145キロ直球で右飛。丸を遊ゴロ、続く中島を右飛に。四回無死一、二塁のピンチでも冷静だった。梶谷を遊飛、岡本を右飛、続く丸を切れのある直球で浅い左飛に抑えた。  及川は横浜高から昨季ドラフト3位で入団。同1位の西純とともに、将来のエース候補として期待されている本格派左腕。春季キャンプは安芸(2軍)だったが、教育リーグで結果を残し、新加入した選手のお披露目セレモニーが行われたこの日、1軍デビューとが決定。及川は「(矢野)監督からは『逃げるような投球ではなく、どんどん力強くいけよ』と言っていただいた。その言葉通り、向かっていく気持ちで投げたい」と話していた。

◆阪神はドラフト1位・佐藤輝の一発で巨人に1-0で勝利した。先発は、12日に1軍に初合流した高卒2年目左腕の及川雅貴投手(19)。4回1安打無失点と試合を作ると、降板後に黄金ルーキーが試合の均衡を破った。  佐藤輝明内野手(22)=近大=が0-0の四回2死で左翼ポール際へ大飛球。ファウルの判定だったが、リクエストで覆り、先制のソロ本塁打に。この一発がオープン戦第4号となり、本塁打数で12球団トップに立った。  この1点を2番手の馬場、小林、桑原が守り抜いた。

◆阪神は1軍デビューした2年目の及川が4回無失点と好投。強気に直球主体で押し、1安打に抑えた。新人の佐藤輝は逆方向の左越えへの4号ソロを含む2安打と好調キープ。巨人は高橋が要所を締め、5回を1失点にまとめた。

◆巨人との戦いに勝利した矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。  --及川が若々しい投球をみせた  「素晴らしかったと思います。オープン戦とはいえ甲子園で巨人戦となれば、緊張したって本人も言っていたけど、そのなかでもどんどん攻めていっている姿が見られたんでね。自信にもしてもらったらいいけど、プラスアルファでいえば、1軍で勝つ投球というところでは、まだまだやることがあるんで。そういうことは本人には伝えた。まあ1回の登板やけど、今季中にね、ここで登板してほしいなと思える登板やったんで。(西)純矢も頑張っているし、いいライバルというか右、左でタイガースを引っ張っていくような投手になってもらいたい」  --佐藤輝の打球は巻いたように見えた?  「はっきりじゃないけど『巻いたな』と思った、俺は。そんなに手前で切れた感じはなかったんで。俺は行ったかなと思った」  --TVのインタビューで「このままいけば開幕スタメン」と  「そらもう、こんだけ打ってて使えへんかったらおかしい(笑)」  --巨人戦への意識は  「もちろんなくはないけど、今はシーズンに向けての準備の段階やし。もちろん勝って気分悪くはないんでね。ウチとしては意識すべきチームではあるけど、意識過剰になり過ぎても、違うことになるんでね。ジャイアンツ以外に4球団あるんでね。きょうなんかも及川を先発させたり、いろいろ試しながらのところなんで。特にこだわってはいないんだけど、シーズンに入ってから去年やられた部分もあるし、優勝チームでももちろんあるんでね。そこは意識していくけど、意識し過ぎないのも必要かなと思っています」

◆巨人・高橋優貴投手(24)が5回を3安打1失点に抑えたが、開幕ローテーション入りに当確ランプを灯せなかった。 ■5回1失点も「内容良くなかった」  「(球数は)まとまっていたが、内容としてはさほど良くなかった」  両軍無得点の四回2死。注目のルーキー、佐藤輝に甘く入った143キロの直球を左翼ポール際まで運ばれた。要所を締めて最少失点にとどめたが「(コースに)投げ切らないといけない。突き詰めていかない」と反省。菅野、戸郷、今村、サンチェス、井納に次ぐ開幕ローテの最後の一枠をつかみきれなかった。 ■将「まだ他に適任者がいるのではないか」  原監督は「闘争心というか、自信がね。先発ローテに入るのなら、まだ他に適任者がいるのではないか。まあ、秀でてはいない」と苦言を呈し、3年目左腕は今後2軍戦での"追試"が決定。引き続きD1位・平内(亜大)、畠と6番手を争う。(樋口航)

◆四回2死一、二塁。及川は丸を直球で遊ゴロに打ち取ると、両手をたたき、小躍りしてベンチに戻った。伝統の一戦で1軍デビュー戦。4回1安打無失点の快投だ。 ■「緊張したけど...」4回1安打0封  「緊張したけど、いい投球ができてよかった。投げ終えて、ホッとしています」  高卒2年目左腕は、切れのある直球で、強力打線を押して押して押しまくった。一回はわずか8球で3人を料理。続く二回はこの日最速の145キロ直球で岡本を右飛、丸を遊ゴロ、中島はファウルでバットをへし折り、最後は右飛。昨季、リーグを制したクリーンアップもしっかり抑えた。 ■中島のバットへし折った  「(1軍で)スイングが違うなというところと、オーラというのを感じた」。でも、逃げなかった。四回は二塁打と四球で無死一、二塁のピンチを招くも梶谷、岡本、丸を打ち取り、1点も許さなかった。ただ、計14人と対戦して、三振をひとつも奪えなかったことが悔しかった。 その他の写真(2/2枚)  「結果を見たらいい投球だったと思うけど、内容を見つめていくと、直球が甘く入ったり、空振りや変化球でカウントが取れなかった。反省点は、いろいろある」  横浜高から昨季ドラフト3位で入団し、ウエスタン9試合に登板して2勝4敗、防御率6・00。高校時代は西純や佐々木朗(ロッテ)、奥川(ヤクルト)とともに「四天王」と呼ばれたが、1年目は腰痛や制球難にも苦しみ、1軍の舞台には立てなかった。 ■横浜高先輩・涌井の助言受けて  昨年末にパ・リーグ最多勝3度で横浜高の大先輩、楽天・涌井から「キャッチボールからフォーム作りは始まっている」と金言を受け「基本の大事さ」を再認識した。この日の試合前も同期の西純と1球1球、フォームチェックしながらキャッチボールを行い、1軍デビュー戦に備えた。  矢野監督は「素晴らしかった。『緊張もした』と言っていたが、どんどん(打者に)攻めている姿がみられた」と驚いた。平田2軍監督から「一度、使ってみてくれませんか」と打診され、実現した舞台。「今季中に、ここで登板してほしいと思える登板だった」と機会があれば1軍に呼ぶことも示唆した。  大きな自信を手に甲子園を後にした及川は「三振を狙った投球を、これから取り組んでいきたい」と目を輝かせた。ひと回りもふた回りも大きくなって、また1軍に戻ってくる。(三木建次)

◆187センチの長身が甲子園のマウンドで一層映えた。落差のあるフォークと威力抜群の直球で小林が八回を三者凡退に抑え、中継ぎ陣の競争をさらに激しくさせた。  「前回同様、ゼロで抑えて帰ってくることができてホッとしていますし、これを続けていけるように頑張りたい」  広報を通じたコメントに挑戦者の気概をにじませた。1-0の八回。先頭の若林、続く北村はフォークで2者連続の空振り三振。小林は148キロ直球で二ゴロ。及川、馬場が抑えた後でも、鮮やかさが際立った。  昨季途中にオリックスからトレード移籍し、2試合の登板にとどまった。安芸2軍キャンプで牙を研ぎ、今月上旬に1軍合流。10日の広島戦(甲子園)に続いて2試合連続無失点とし、打者9人で5奪三振とアピールを続けている。  中継ぎ陣のサバイバルはし烈だ。D8位・石井大(四国IL高知)や前ソフトバンクの加治屋ら新戦力が好調。小野や桑原、ロングリリーフも可能な馬場に加えてエドワーズも順調で、左腕では実績のある岩貞、岩崎も控えている。  矢野監督は小林について「素晴らしいね。あれだけ角度があってキレがあると、変化球も生きてくる」と絶賛し、うれしい悲鳴をあげた。  「本当に誰が勝ちパターンにいってもいいように、いろんなバリエーションが作れる。バリエーションが幅広くいけるのは連投であったり、俺がここで行ってやるぞっていう気持ちで待機してもらえるというのも、1年間、戦う上では競争的にはレベルアップできる」  4投手のリレーで完封したこの日のように、守護神・スアレスにつなぐ勝利の方程式の確立は虎の屋台骨になる。小林も「やるべきことは変わらないと思う。自分のすべき役割を全うしてアピールを続けていきたい」と力を込めた。リリーフ陣の競争も佳境。目が離せない。(新里公章)

◆G倒弾! 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が14日、巨人とのオープン戦(甲子園)に「6番・右翼」で出場し、四回にファウル判定からリクエストで覆る4号決勝ソロを放った。これでオープン戦の本塁打は単独トップ。今季初の伝統の一戦で殊勲打を放ったルーキーに、矢野燿大監督(52)も開幕スタメンを明言した。チームは再びオープン戦首位に浮上した。  9991人が詰めかけた甲子園が2分40秒の静寂に包まれた。グラウンドに戻ってきた球審・飯塚の右手が回る。佐藤輝は一瞬戸惑いの表情を浮かべたが、沸きかえる大歓声を背にゆっくりと走り出した。今季初の伝統の一戦。黄金ルーキーがリクエスト弾でG倒だ。  「途中まで見ていて『入ったかな』と思ったんですけど、ファウルといわれたので。プロ野球はリクエストがあって、助かりました」  人生で一番長い!? 劇的弾だった。四回2死。高橋の143キロ直球を振り切ると、白球は左翼ポール際スタンドへ。三塁塁審の判定はファウル。だが、際どい弾道に矢野監督は「『(ポールを)巻いたな』と思った。そんなに手前で切れた感じはなかった」とリプレー検証を要求した。  審判団の判定の結果は一転、決勝の4号ソロ。「(リクエストは)初めてだったので、少しびっくりしました」と佐藤輝。プロ入り後初めて左腕から放った一発に、ベンチ前では恒例の"シン・ゴリラ"ポーズ。その後の守備で右翼へと向かう際、再び巻き起こった歓声に頭を下げた。  「セ・リーグで優勝するために、絶対に倒さないといけない相手。やっぱり一番、盛り上がる試合だと思う」  西宮で生まれ育った男にとって伝統の一戦の重みは身に染みている。昨季、虎は巨人に8勝16敗とまたも負け越した。2008年以降、勝ち越しがない。16年ぶりのリーグ制覇に向けて、是が非でも倒さなければならないライバル。猛虎魂に包まれたルーキーは、七回にも右前打を放ち、初対戦のG戦士らに鮮烈なインパクトを与えた。  13日が誕生日で、これが22歳初アーチ。すべて左方向への4本塁打でオープン戦の本塁打単独トップに躍り出ると、望月充の球団新人記録(3本)を更新した。さらに1989年に中日・大豊が作ったセ・リーグ新人記録(4本)にも並んだ。自身初の巨人戦は、記録づくしとなった。 その他の写真(2/5枚)  止まらない快進撃。現状をプロ入り前から想像できたか? との報道陣の問いに「まあでも『やるぞ!』という自信はあったので、特別びっくりはしていないです」とサラリ。指揮官もついに「こんだけ打ってて、使わへんかったらおかしい」と26日のヤクルト戦(神宮)での開幕スタメン起用を明言した。  「使ってもらうからには、しっかり結果を出すことを目標に、1試合1試合やっていきたい」  1985年(13勝12敗1分け)も2003年(17勝10敗1分け)も05年(14勝8敗)も、巨人に勝ち越して頂点に立った。今年こそ-。佐藤輝が、悲願への道しるべとなる。(原田遼太郎)  ■巨人・原監督「ほしかったです」  巨人・原監督が14日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8・0)にリモート出演した。番組では昨秋のドラフト会議で抽選の末、交渉権を逃した阪神・佐藤輝を紹介。司会の関口宏から「佐藤君ですが、ほしかったんでしょ?」と振られると、笑いながら「ほしかったですね」と本音を漏らし「阪神タイガースに大物が入ったという点ではですね、われわれも負けじと彼を抑えに行くというのがね。ファンは非常に盛り上がると思いますね」と語った。パワーを目の当たりにした試合後には「非常に堂々とね。いいプレースタイルというか、手ごわい相手になるだろうね」と賛辞を贈った。

◆たかがオープン戦ではあるが、されど巨人戦だ。監督も選手も、負けるよりは勝った方が気分がいい。特にことしの場合、優勝の期待が大きい阪神にとって、巨人とどう戦うか、巨人にどう勝ち越すかが、最大のポイント。オープン戦唯一のTG戦に勝った意味はそれなりにある。  この日の打線を見て、巨人はここに坂本、外国人が加わるのだろうが、昨年と大きく変わらない力だと判断した。対する阪神は、やはり佐藤輝の加入が大きなプラスアルファ。1打席目の打球も、風さえ良ければ入っていた。決勝弾だけでなく、トータルの打席での内容が伴っていた。  巨人もまだまだ手探りで、真っすぐ系への対応、変化球への対応を試した感じだったが、この結果に「これはかなりマークしなければ」の印象を持ったはずだ。  投手起用でも、西勇を開幕2カード目の先発に回して、その後の巨人戦先発をにらんだローテを組むなど、対策を着々と進めている。とにかく巨人を倒すこと。そのための大きなコマ(佐藤輝)を得たことが、証明できた試合だった。(本紙専属評論家)

◆エモトが1月の『日本一早い順位予想』で、1位に推した巨人と2位にした阪神。その差はどこにあるのか。手の内を見せ合ったオープン戦で、改めて確認させてもらったよ。  即戦力となる新人の項目でいえば、明らかに阪神が上。佐藤輝には、ソフトバンク・柳田クラスのパワーがある。  逆に巨人は、打たれたことで見えてきたものがあったはず。佐藤輝は疲労からバットの出が鈍くなっていて、現状で打てるポイントは真ん中から外角の球。したがって、インハイ→アウトローなどの対角線投法が効果的になる-とね。  他はそれほど変わっていない。移籍の梶谷も、どういう選手かはわかっている。投手陣も、菅野と西勇の両軍エースを中心として、陣容に大差はない。それでは、1位と2位を分けるものは?  打線の脅威感だよ。阪神にはまだ、「みんなで頑張ろうぜ」といったムードがある。そこへいくと巨人には、クリーンアップを軸に、実力と実績が伴っているからね。  あと、順位を分ける大きなポイントになるのは監督采配だけど...。まあ、この項目は、武士の情けとして、今は比較しないでおく。 (本紙専属評論家)

◆巨人・高橋優貴投手(24)が5回を3安打1失点に抑えたが、開幕ローテーション入りに当確ランプを灯せなかった。四回2死。注目のルーキー、佐藤輝に甘く入った143キロの直球を左翼ポール際まで運ばれた。菅野、戸郷、今村、サンチェス、井納に次ぐ開幕ローテの最後の一枠をつかみきれなかった。  元巨人監督の堀内恒夫氏(73)は15日、自身のブログで高橋が「腕を下げて」投げていたことを指摘。「前回打たれたのは疲れからくるものだと思ったが今回はフォームが変わってしまってビックリした」と驚きを隠せなかった。  「高橋の最大の武器であり魅力はスクリューボールだ。そのボールが1球もバッターにひっかからない。腕を下げたことによってボールは見えるし抜けるしで武器が武器でなくなってしまっている」とした上で、「彼の課題はウィニングショットとストライクゾーンに如何に投げられるかだと思っているが 今の解決方法では高橋の魅力が失われてしまっているよ」と嘆いていた。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ソフトバンク
522 0.714
(↑0.047)
-
(↓0.5)
39
(+2)
25
(-)
10
(+1)
1
(-)
0.231
(↓0.012)
2.670
(↑0.33)
1
(-)
阪神
521 0.714
(↓0.086)
0
(-)
31
(+3)
21
(+6)
12
(+3)
3
(-)
0.285
(↓0.017)
2.480
(↓0.01)
3
(2↑)
ORIX
631 0.667
(↑0.096)
0
(↓1)
38
(+8)
24
(+1)
8
(+2)
4
(-)
0.263
(↓0.011)
1.920
(↑0.36)
4
(2↓)
西武
531 0.625
(↓0.042)
0.5
(-)
40
(+6)
28
(+7)
6
(+1)
5
(+1)
0.256
(↓0.022)
2.880
(↓0.24)
5
(3↑)
楽天
330 0.500
(↑0.1)
1.5
(↑0.5)
21
(+3)
21
(+1)
0
(-)
4
(+2)
0.254
(↑0.024)
3.460
(↑0.52)
5
(2↑)
広島
330 0.500
(-)
1.5
(-)
13
(+3)
18
(+3)
2
(-)
4
(+2)
0.187
(↑0.002)
2.940
(↑0.77)
5
(-)
ロッテ
441 0.500
(↓0.071)
1.5
(↓0.5)
32
(-)
29
(+2)
3
(-)
11
(+1)
0.236
(↓0.008)
3.190
(↑0.15)
5
(3↓)
巨人
441 0.500
(↓0.167)
1.5
(↓1)
23
(+1)
23
(+4)
3
(+1)
6
(-)
0.202
(↓0.016)
2.190
(↑0.13)
9
(1↑)
日本ハム
350 0.375
(↑0.042)
2.5
(-)
27
(+3)
32
(+3)
5
(+1)
6
(-)
0.224
(↓0.01)
2.830
(↑0.57)
10
(2↓)
DeNA
240 0.333
(↓0.067)
2.5
(↓0.5)
18
(+1)
27
(+3)
2
(-)
2
(-)
0.222
(↓0.014)
4.420
(↑0.38)
11
(1↑)
ヤクルト
251 0.286
(↑0.119)
3
(↑0.5)
28
(+5)
30
(+4)
9
(-)
3
(-)
0.234
(↑0.008)
3.630
(↓0.06)
12
(1↓)
中日
260 0.250
(↓0.036)
3.5
(↓0.5)
18
(+4)
50
(+5)
4
(+1)
7
(-)
0.207
(↑0.011)
6.090
(↑0.06)