阪神(★2対6☆)西武 =オープン戦2回戦(2021.03.13)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
西武
0001040016911
阪神
0000200002712
勝利投手:浜屋 将太(1勝1敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(1勝1敗0S)

本塁打
【西武】山川 穂高(2号・6回表満塁)
【阪神】近本 光司(1号・5回裏ソロ),マルティネス(3号・5回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 西武戦チケット予約
◆阪神は、近本がオープン戦1号ソロを含む2安打をマーク。不動のリードオフマンが状態の良さを示した。一方の西武は、先発・浜屋が5回3安打2失点。開幕ローテーション入りを目指す2年目左腕が、まずまずの結果を残した。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が青柳晃洋投手(27)、西武が浜屋将太投手(22)。ドラフト1位の佐藤輝明内野手(近大)は、この日が22歳の誕生日。ここまで2試合連続本塁打を放っており、3戦連発のバースデーアーチなるか。

◆出るか、バースデー弾! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手が13日、22歳の誕生日を迎えた。室内で行われた試合前練習では、サンズからサポーターをプレゼントされた。助っ人が使用している黒いゴムの形のもの。通訳を介し3人で会話すると、さっそく左手につけていた。 前日12日にはオープン戦2試合連続本塁打となる3号ソロを放ち自ら"前祝い"。小雨が降り、風は普段の浜風と逆の左から右へ吹いていたが、ものともしない1発で、日本ハム野村、オリックス頓宮、ヤクルト浜田に並びトップタイとしていた。 関西学生リーグ通算14本塁打で最多記録を更新し、ドラフト1位で阪神入団、そしてキャンプからの猛アピール。濃密な1年を「ドラフトで指名されましたし、野球人生の中でも大きな変化があって素晴らしい1年だったと思います」と振り返り「22歳も素晴らしい年になるように頑張っていきたいと思います」と決意を新たにしていた。 阪神伝説の助っ人、バースと同じ誕生日に、3戦連発なるか-。注目が集まる。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)は、22歳の誕生日を迎えたこの日「6番・右翼」でスタメン出場した。 第1打席は2回2死走者なしの場面。スタンドで誕生日を祝うボードが多く掲げられる中、西武先発左腕浜屋を相手に1度もバットを振ることなくストレートの四球を選び出塁した。 この日、佐藤輝は試合前のベンチ前での円陣でも声だしを行った。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)の第2打席はチャンスで3球三振に倒れた。1点を追う4回1死一、二塁で打席へ。西武先発左腕浜屋が外角低めへ2球続けて投げたスライダーをいずれも空振り。3球目は直球に反応できず3球三振となった。 2回2死走者なしでの第1打席は四球だった。

◆阪神の近本光司外野手(26)が「1番中堅」で先発出場。第3打席にオープン戦1号となるソロ本塁打を放った。 5回裏1死走者なしで打席へ。西武先発浜屋の4球目のインコースを引っ張ると右翼ポール際へ弾丸ライナーで運んだ。 「打ったのはストレート。1点負けていましたが、バッティングカウントでしっかりと一発で捉えることができて良かったです」と話した。3回には右前打を放っており、3打数2安打1打点でマルチ安打。オープン戦では15打数8安打の5割3分3厘、4試合連続安打と好調だ。この試合では、6回守備からベンチに退いた。

◆西武山川穂高内野手(29)が、オープン戦2号となる満塁本塁打を放った。 1点を追う6回1死満塁、阪神先発青柳の3球目、内角138キロを捉え、左中間席に運んだ。試合をひっくり返す1発に「どすこいパフォーマンス」も披露。「打ったのはシュートです。詰まっていましたね。あの場面は犠牲フライでもいいという気持ちでいました。(結果的に本塁打になり)良かったです!」と話した。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が5回に2戦連発、オープン戦3号となるソロを放った。 近本のソロで同点に追いついた後の2死走者なし。3ボールからの4球目、外角直球を左翼席へ豪快にたたき込んだ。ベンチ前では弓を引く得意のポーズも決めた。「ゾーンに入ってきたボールは打つ気でいたので。いいスイングができて、いい結果が出てよかった」。 4回の一塁の守りでのミスも取り返した。4回無死二塁から三塁ゴロで三塁手大山からの送球を受け、三塁を狙った二塁走者源田を刺そうと三塁へ投げたが悪送球となり西武に先制を許していた。 「状態としてはいいと思います」と自身でも手応えをつかんでいる。外国人争いが激しさを増している中、来日3年目のマルテが開幕3番へ向け、バットでアピールを続けている。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が最速160キロ右腕平良との力勝負で空振り三振に倒れた。6回無死一塁での第3打席、この回から登板した平良と対戦。150キロ台の直球3球でカウント2-1。チェンジアップをファウルした後の5球目、真ん中高め直球(球速表示なし)で空振り三振を喫した。 22歳の誕生日のこの日は「6番・右翼」でスタメン出場。第1打席は四球、第2打席は見逃し三振、そして6回の空振り三振とまだ快音はない。

◆13日に22歳の誕生日を迎えた阪神のドラフト1位ルーキー、佐藤輝明外野手が「6番右翼」で先発出場。3打数無安打1四球2三振に終わりバースデーアーチはならなかった。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が、オープン戦7試合目で初めて右翼を守り、貪欲に右翼ゴロを狙った。9回1死二塁で、岡田の右前安打を処理した際には、内野手のような素早い送球を一塁へ。岡田も必死に一塁へ駆け込みセーフだったが、球場を沸かせた。 打撃は3打数無安打で4戦ぶり無安打に終わった。前日12日まで2戦連続で本塁打を放っていたが、3戦連続アーチもでなかった。8回の第4打席は左腕佐野に2球で追い込まれ、3球目の高め直球をとらえたが中飛。「6番・右翼」でフル出場も四球、見逃し三振、空振り三振、中飛と3打数無安打だった。 この日は22歳の誕生日。試合前の円陣では声だしを担当し「今日は誕生日です! 22歳、ぞろ目です」とあいさつ。ナインから「何年目や?」と聞かれ「1年目です」と答えると「ほんとかよ!」と周囲から突っ込みを入れられた。佐藤輝は「しっかり勝って、僕の誕生日を祝いましょう」と話していたが、チームも4戦ぶりに敗戦。ちょっぴり苦い22歳のバースデーとなった。

◆阪神の青柳晃洋投手(27)が6回6安打5失点でマウンドを降りた。 5回までは失策が絡んでの1失点のみ。アウト15個のうち8つがゴロアウト。6三振も奪うなど、持ち味を出したピッチングを展開していた。 6回は1安打と2四球で走者を背負うと、西武山川に満塁本塁打を浴びて4失点した。 青柳は「途中からシンカーをストライクに入れようと課題を取り組んでいたが、ボールが多くなって。試合中に修正しながらというのに時間がかかって打たれた。それは反省点だと思います。今日はある程度長く投げられましたし、あとは開幕に向けてやるだけなので。僕の中では悪いイメージはないです。僕の中では順調です」。開幕へ向けて問題はなさそうだ。 青柳は、開幕2戦目の27日ヤクルト戦(神宮)先発が有力視されている。

◆高卒2年目の阪神及川雅貴投手(19)が、14日の巨人とのオープン戦(甲子園)で1軍デビューする。聖地の「伝統の一戦」で先発予定。矢野監督は「絶対結果を残してほしいというよりは、ジャイアンツと甲子園で投げて、そこで何を感じるか。経験積んだ中で、早く1軍の舞台に戻ってくるのが加速すればいいなというところ」と今後の成長に期待した。 19年ドラフト3位で入団し、昨季はウエスタン・リーグ登板9試合で2勝4敗。最速153キロを誇る、伸びしろのある貴重な左腕だ。1軍に初合流した12日には矢野監督から「どんな気持ちで挑むんだ?」と聞かれ「無失点で抑えられるように強い気持ちを持って投げます」と返答。最後に指揮官から「それも大事だけど逃げるようなピッチングじゃなくて、どんどん力強く投げていけよ」と背中を押された。 同期入団の19年ドラフト1位西純は、今春の1軍キャンプに同行し、一足先に1軍デビューを果たした。悔しさも原動力に、2軍キャンプで汗を流してきた。「矢野監督からいただいた言葉通りのピッチングができるように頑張りたい」と19歳は意気込む。昨年のリーグ王者を相手に強気の投球でアピールする。【磯綾乃】

◆阪神は13日、オープン戦で西武と対戦した。先発の青柳晃洋投手(27)は6回6安打5失点でマウンドを降りた。阪神矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 -立ち上がり良かった青柳は6回に失点 それはあいつ自身が一番わかっていると思う。3回り目ってやっぱり一番、まあ先発投手とバッテリーにとっても難しくなるような状況のなかでどうするか。たくさん貯金するっていうピッチャーとか、いいピッチャーって言われるところは、やっぱりそういうところに、よくギアを上げるとか、引き出しがある。それまでの投球というのは本当にヤギらしくできていた。その両方があったんじゃないかな。 -近本は1発もある 1発は結果。ホームラン打者じゃないし。そりゃ、ないよりあった方がいい。でも、4の1、1本塁打というよりは、4の2でも4の3でも、四球でも何でも塁に出るというのがチーム的にもチカの価値を上げることになる。そのうちのプラスアルファだと思う。打てるに越したことはないけど、そっちの方が優先順位は上なのかな。 -マルテが2試合連発 スリーボールから打って1発で仕留めるっていうのは価値がある。マルテ自身は選球眼が結構いいんでね。そういうところでは、その前の打席でも結構際どいボールを見逃したりするっていうところでいうと相手には嫌な存在になってくると思うんでね。マルテらしく。できていたかな。 -守備では4回に悪送球 ちょっと無理したかな。あれ投げてもオレはセーフなんじゃないかなと思った。でもアウトにしにいく。挑戦するってことを今やっているところなんでね。投げてみてどうなるのかというのをオレはやってみていいと思う。ああいうプレーってシーズンでも十分起こりえるプレーなんでね。エラーしたことだけが悪いんじゃなくて。 -甲子園での巨人戦 特別何もない。明日だって及川投げるわけだし、そこで何を感じるか、感じてまた1軍でというところを今すぐ望んでいるところじゃないんでね。そういうところで経験を積んだ中でまたどういうものを持って、早く1軍の舞台に戻ってくるかというのが加速すればいいなというところ。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(29)が2試合連発となるオープン戦3号ソロを放った。 近本の同点本塁打が飛び出した5回2死。3ボールから強振した。捉えた打球は左中間スタンドへ一直線。「風に助けられたけど、いいスイングができたと思うね」と納得の表情。4回には自らの送球エラーで失点していたが、バットで取り返した。前日も本塁打を放ち、好調をキープ。「本当に毎日ね、しっかりと内容のある練習ができていますし、まだまだ上がっていけると思う」と自信をにじませた。 マルテの本塁打もあり、チームのオープン戦本塁打数は00年以降最速で2ケタに到達。シーズンのチーム打率が2割9分と猛打を誇った10年の22本塁打に匹敵するペースで量産している。佐藤輝の加入で、打線は活性化。井上ヘッドコーチは「1発の魅力があるメンバーがそろっている」と手応えを感じている。 マルテ自身も打線の相乗効果を実感している。「いい打者が後ろにいるのは、心強いですね。たとえ何番であれ、言われたところで打つ準備をするだけだと思っている」。来日3年目のマルテが開幕へ向けて万全の準備を整えている。【林亮佑】

◆阪神中継ぎの1軍争いが激化してきた。 7回に2番手の小野泰己投手(26)が1イニングを1安打無失点。キャンプ中は5戦中3戦で失点したが、オープン戦は3試合で無失点。新加入の加治屋蓮投手(29)は8回を1安打無失点。こちらもオープン戦3戦連続無失点で、キャンプ中から含めると実戦6試合でまだ失点を許していない。矢野燿大監督(52)は「誰を勝ちパターンにというのはいい悩み。誰でも入っていけそうな状況はつくれている」と、高いレベルでの競争を歓迎した。

◆西武山川穂高内野手(29)が、甲子園でオープン戦2号となる逆転のグランドスラムを決めた。1点を追う6回1死満塁から、阪神青柳の3球目を左中間席へ。力みのないコンパクトなスイングで新境地を開拓しつつある主砲は、前日12日の同カードでアーチを放った阪神ドラフト1位、佐藤輝明内野手(22=近大)にも興味津々。注目ルーキーの目の前で、山賊打線の不動の4番が存在感を見せつけた。逆転された直後の6回1死満塁。山川は「犠牲フライでもいい」と気負わず打席に入った。変則右腕・青柳の内角高め138キロを腕をたたんで鋭く振り抜いた。詰まったかに見えた打球は左中間席まで伸び、おなじみの「どすこいポーズ」を披露。「多分ホームランを狙いすぎていたら力が入って、もっと詰まっていたと思う。ああいうバッティングは継続していきたい」とうなずいた。 話題の若虎に刺激を受けている。2回に四球で出塁した佐藤輝に、一塁ベース上で声をかけた。 山川 お前は何の悪魔の実を食べたんだ? 人気冒険漫画「ワンピース」に登場する、食べると強力な特殊能力が身に付くという「悪魔の実」。強打を連発するルーキーを「やっぱり彼は悪魔の実の能力者だと思いますね。じゃなきゃ、あんなバッティングはできない。僕が教わりたいぐらい」と"分析"。投げかけた突拍子もない質問には「『何も食べてないです』って言ってました」。 山川もボールを遠くに飛ばす"特殊能力"の持ち主だが「悪魔の実」を食べたわけではない。日々の練習と経験、たゆまぬ研究の結果、たどり着いた境地。4日の日本ハム戦(札幌ドーム)で放った1号も無死二、三塁という好機からで「得点機、大事な場面になればなるほど、ちょっとコンパクトにというか、力加減を考えながらやっていけたら、これから先もいいのかな」と手応えを得た。一方で「これ(コンパクトな打撃)ばかりやり始めると、今度はちっちゃくなり始める。ベースとしては、しっかりバットを振っていくというのは何一つ変わりはない」と、本来のフルスイングは忘れない。 怪物ルーキーに刺激を受けた獅子の主砲。"特殊能力"に磨きをかけ、さらなる進化を遂げていく。【鈴木正章】

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が、バースデー弾を逃したが、「球団新記録」を打ち立てた。西武とのオープン戦に「6番・右翼」でフル出場も、3打数無安打で4戦ぶりに快音はなく、3戦連続アーチは飛び出さなかった。この日の試合前には、ベンチ前での円陣の声だし役に指名された。「しっかり勝って、僕の誕生日を祝いましょう!」。チームを鼓舞したが、4戦ぶりの敗戦。それでも、怪物ルーキーへの注目の高さが「球団新」の爪痕を残した。 打席が巡るたびに、スタンドの虎党は水色生地に赤い文字で「佐藤輝明」と書かれた「応援フェイスタオル」(税込み1100円)を掲げる。この日の観衆は8166人。球団の担当者によると、観衆の10人に1人以上が購入した計算で、1日で800枚以上と爆発的に売れたという。これまで1日の最高売り上げだった19年の甲子園での球宴で史上2人目のサイクル安打を達成した時の近本タオルの販売数を超えた。 この日は6回に最速160キロ右腕平良の高め直球を豪快に空振り三振。力勝負でスタンドを沸かせた。守ってはオープン戦7戦目で初めて右翼に就いた。9回1死二塁で岡田の右前打に対し、猛烈にダッシュ。内野手のようなジャンピングスローで一塁へ送球し、貪欲に右翼ゴロを狙った(結果は右安)。堂々としたプレーとマイペースぶりに、この日の円陣では先輩から「何年目や?」と質問され「1年目です」と答えると「ホントかよ!」と突っ込みが入った。長打力だけでなく、存在感も新人離れしている。 14日には初めて宿敵巨人と対戦する。上限1万人のチケットはすでに完売。水色のタオルで染まった甲子園で、宿敵に強烈な一打を放ち、さらに虎党を熱狂させる。【石橋隆雄】

◆西武浜屋将太投手が、開幕2戦目の27日オリックス戦(メットライフドーム)で先発することが確実となった。阪神戦に先発し5回を3安打2失点。2被弾4四球に「カウントを悪くしてからの配球の部分など反省するところがあった」と猛省したが、辻監督は「普通にいったらそうでしょ。そういう風(毎週土曜日に先発)に投げてるんだから。ない袖は振れないよ」と言及。開幕カード2試合目の起用を明らかにした。 この日は4回1死一、二塁のピンチで阪神佐藤輝を、スライダーを2球続けて空振りを奪い、最後は直球で3球三振。「重点的に練習してきたスライダーで追い込めたのはよかった」とうなずいた。初の開幕ローテ入りをつかんだ2年目左腕。さらに精度を高めていく。

◆西武源田壮亮内野手(28)が"足技"を決めた。 4回無死、二塁打で出塁すると、次打者外崎の三ゴロを大山が一塁に送球した瞬間に三塁へスタート。一塁マルテからの三塁返球が悪送球となり、一挙に先制のホームを踏んだ。辻発彦監督(62)は「うちはその逆をしないようにね。源田の好走塁と、ああいうことをしちゃいけないよという、いい教材だと思います」と振り返った。

◆3年目の進化だ。阪神近本光司外野手(26)が、西武戦の5回に、右翼へ弾丸ライナーでオープン戦1号を放った。3回にも右前打を記録し、マルチ安打で打率は5割3分3厘まで上昇。オープン戦は規定打席未到達も、「隠れ首位打者」だ。昨年の大山に続く、65年以降で虎史上4人目となるオープン戦首位打者は射程圏内。今季から選手会長に就任した若きリーダーが打撃爆発の予感だ。さらなる進化を予感させる弾丸ライナーだった。5回だ。近本はスライダーに狙いを定めていた。西武の左腕浜屋に1ボールから2球続けて外角直球を見せられていた。4球目は内角へのストレート。思わず体が反応した。迷わず振り抜くと、打球は一直線に右翼ポール際に飛び込んだ。「あまり実戦で左ピッチャーと対戦することがなかったので、どういう軌道か確認できた。スライダーを待っていたけど、タイミングが合ったというか、体が勝手に反応した」。昨季の9本塁打中、左腕からは1本だけ。オープン戦1号は価値ある左腕打ちとなった。 3回にも4試合連続となる安打を右前に運び、2安打。7試合を終え15打数8安打、打率5割3分3厘とハイアベレージを誇る。4打席足りず規定打席には未到達ながら、同じ社高出身、楽天辰巳の4割を大きく超える「隠れ首位打者」。「今どうこうじゃなく、開幕に勝てるように調整していきます」と冷静だが、65年以降では、81年北村、05年赤星、20年大山に続く球団4人目のオープン戦首位打者を狙える位置だ。12球団打率トップで開幕を迎えれば、自身初のシーズン打率3割が見えてくる。 ドラフト1位佐藤輝の加入により、打線は確実に厚みを増す。矢野監督は「1発は結果。ホームラン打者じゃないし。4の1、1本塁打というよりは、4の2でも4の3でも、四球でも何でも塁に出るというのがチーム的にもチカの価値を上げることになる。(本塁打は)そのうちのプラスアルファ」と話す。すでに1番起用は決定済み。シーズンでも首位打者争いに加わることができれば、チームは優勝へ加速する。 近本は試合後の取材で「しっかりチームを引っ張っていけるように」「優勝できるように先頭に立って頑張ります」と何度も「フォア・ザ・チーム」の思いを口にした。今季から阪神の選手会長に就任。入団から3年目までに就任するのは球団史上初めて。打順だけでなく、チームの精神的支柱として先頭に立つ使命がある。 オープン戦7試合でチーム打率2割8分8厘、11本塁打はいずれも12球団トップ。1番に近本がどっしり座り、大山と助っ人陣、佐藤輝が並ぶラインアップは破壊力満点だ。期待十分の猛虎打線をけん引するのは、虎のニューリーダーだ。【中野椋】 ◆阪神選手のオープン戦首位打者 65年以降では、81年北村照文、05年赤星憲広、20年大山悠輔の3人。いずれも公式戦で飛躍を遂げている。81年北村は100試合に出場し、抜群の外野守備と強肩でセンターラインを引き締めた。05年赤星は3年連続60盗塁以上に加え、当時の自己最高となる打率3割1分6厘をはじき出した。昨季の大山は、開幕戦ベンチ入りしながら出場なしという屈辱から奮起。28本塁打(セ2位タイ)85打点(同3位)と、リーグを代表する大砲に育った。 ◆阪神はオープン戦7試合目でチーム11本塁打となり、2桁に到達した。00年以降では、20年の5試合目に次いで2番目の速さとなった。阪神が残り6試合を予定通り消化し13試合を行えば、20本塁打となるペース。この大台に乗れば、10年の22本塁打(鳥谷6、桜井4、マートン、新井貴、ブラゼル各2ほか)以来となる。同年は公式戦でもチーム本塁打は173に達し、巨人226本塁打に次ぎセ2位に食い込んだ。

◆阪神近本光司外野手(26)が、西武戦の5回に右翼へ弾丸ライナーでオープン戦1号を放った。 3回にも右前打を記録し、マルチ安打で打率は5割3分3厘まで上昇。オープン戦は規定打席未到達も、「隠れ首位打者」だ。昨年の大山に続く、64年以降で虎史上4人目となるオープン戦首位打者は射程圏内。今季から選手会長に就任した若きリーダーが打撃爆発の予感だ。 ◆阪神選手のオープン戦首位打者 65年以降では、81年北村照文、05年赤星憲広、20年大山悠輔の3人。いずれも公式戦で飛躍を遂げている。81年北村は100試合に出場し、抜群の外野守備と強肩でセンターラインを引き締めた。05年赤星は3年連続60盗塁以上に加え、当時の自己最高となる打率3割1分6厘をはじき出した。昨季の大山は、開幕戦ベンチ入りしながら出場なしという屈辱から奮起。28本塁打(セ2位タイ)85打点(同3位)と、リーグを代表する大砲に育った。

◆スターティングメンバーが発表され、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は、「6番・右翼」で出場する。この日、22歳の誕生日を迎えたルーキー。新たな1年の幕開けを自身のバットで飾る。

◆阪神・近本光司外野手(26)が今季の実戦第1号となるソロを放った。  「1点負けていましたが、バッティングカウントでしっかりと一発で捉えることができてよかったです」  0-1で迎えた五回1死。西武の先発・浜屋の141キロを一閃。弾丸ライナーで飛び出した白球は、右翼ポール際に消えた。さらに2死から、今度はマルテが左中間スタンドへオープン戦第3号。「風に助けられたけれど、いいスイングはできたと思うね。『俺がヤル』という気持ちをずっと持ってこれからも頑張るよ」。好調のM砲に2試合連発弾が飛び出した。

◆阪神は西武に逆転負けを喫した。打線は0-1で迎えた五回。近本光司外野手(26)の今季実戦第1号ソロで同点に追いつくと、さらにジェフリー・マルテ内野手(29)が2試合連続アーチとなるオープン戦第3号を放ち2-1と逆転した。  先発の青柳晃洋投手(27)は味方の失策が絡み1点を失うも、五回までは安定感抜群。しかし六回、2つの四球と安打で無死満塁のピンチを背負うと、西武の4番・山川に逆転のグランドスラムを浴びた。青柳は6回を投げ6安打5失点(自責4)と一発に泣いた。  13日が22歳の誕生日だったドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は、3打数無安打に終わった。

◆阪神は13日、西武とのオープン戦(甲子園)に2-6で敗れた。矢野燿大監督(52)の主な一問一答は以下の通り。--青柳は序盤からうまく変化球を使って球数少なく投げていたが、六回に4失点  矢野監督「あいつ自身が一番わかっていると思うし。3回り目ってやっぱり一番、まあ先発投手とバッテリーにとっても難しくなるような状況のなかで、どうするかっていうのは。たくさん貯金するピッチャーとか、いいピッチャーは、やっぱりそういうところで、よくギアを上げるとか、引き出しがあるとか、っていう部分がやっぱり必要だよね。必要というか、あるよね」  --近本は一発もある  「一発は結果。ホームラン打者じゃないし。そりゃ、ないよりあった方がいいし。でも、4の1(4打数1安打)、1本塁打というよりは、4の2でも4の3でも、四球でも何でも塁に出るというのが、近本の一番、チーム的にもチカ(近本)の価値を上げることになるんで。そのうちのプラスアルファだと思う。打てるにこしたことはないけれど、そっち(出塁)の方が優先順位は上なのかなと」  --マルテが2戦連発  「スリーボールから打って一発で仕留めるっていうのは価値があるし。マルテ自身は選球眼が結構いいんでね。そういうところでは、その前の打席でも結構、どいボールを見逃したりするっていうところでいうと、相手には嫌な存在になってくると思うんでね」  --14日は甲子園での巨人戦  「特別何もないけどね。明日だって及川が投げるわけだし、絶対結果を残してほしいという投手よりは、ジャイアンツと甲子園で投げて、今年のキャンプとかもそうだけれど、広大(井上)とかもそうだけど、そこで何を感じるか。感じて、また1軍で、というところを今すぐ望んでいるところじゃないんでね。経験を積んだ中で、またどういうものを持って、早く1軍の舞台に戻ってくるかというのが加速すればいいなと」

◆阪神の青柳は六回に山川に満塁本塁打を浴びたが、五回までテンポよく投げて凡打の山を築いた投球に目を向け「いい感じで投げられた。悪いイメージはない」と収穫を手にした様子だ。  序盤からツーシームを軸に揺さぶり、打たせて取る持ち味でアウトを重ねた。六回は課題のシンカーを試したことでフォームが乱れたという。2四球と安打でピンチを招き、山川には「フォームのことを考えている間に打たれた」。先発枠入りが確定しているだけに、腰を据えてレベルアップに励めている。「あとは開幕に向けての最終調整をやるだけ」とシーズンを見据えた。

◆西武の浜屋は4四球を与えたが、5回を3安打2失点にまとめ、アピールに成功した。試合後、辻監督が開幕2戦目の27日、オリックス戦での先発起用を明言。2年目サウスポーは「状態は良くなっている。直球は球がいくようになった」と手応えをにじませた。  四回1死一、二塁では注目ルーキー佐藤輝(近大)を迎え、最後は速球で3球三振。「キャンプはスライダーを重点に練習してきた。そのスライダーで追い込めたのが良かった」と収穫を口にした。

◆阪神のマルテが五回に2試合連続本塁打となるソロを左中間席に運んだ。豪快な振りで仕留め「(ストライク)ゾーンに来た球は打つ気でいた。まだまだ上がっていく」と勇ましかった。  昨季は中軸として期待されたが、左ふくらはぎを痛めて長期離脱。「けがのない状態を続けていければいい」と巻き返しを誓った。

◆五回までの青柳の投球を見て「開幕万全」という評論を準備していた。が、予期せぬ六回の大乱調。というより、ツーシームが全く制球できずにボール球を連発。キャンプ以来、順調すぎるぐらい順調だっただけに、いったい何が起こったのか。考えられない変調に正直、困惑している。  原因として五回あたりからツーシームの球威が急激に落ちたことが挙げられる。平均約5キロ遅くなった。それを修正しようとして逆に力み過ぎたのかもしれない。が、推測の域を出ない。  投手コーチ経験がある者として、これが公式戦ならベンチもブルペンも大混乱するので、不安は抱く。本人、投手コーチらで原因が分かっているのなら、心配する必要はないのかもしれないが。  五回までは文句の付けようがない内容。右打者がとんでもないボール球のスライダーを振っていた。それだけ球がキレていた証拠。空振り三振を奪えていたし、低めへ制球できていたから、持ち味のゴロアウトも多かった。この姿"だけ"を披露してくれれば、何の不安もなくシーズンのマウンドへ送り出せる。(本紙専属評論家)

◆俺が3番だ-といわんばかりの一撃だ。近本の一発で追いついた五回2死。3ボールからの4球目。阪神・マルテが左腕・浜屋の直球をパワーで左中間席最深部に放り込んだ。  「(ストライク)ゾーンに来た球は打つ気でいた。いいスイングができて、いい結果が出て良かった」 ■マルテ12球団トップの3号  ベンチ前で、サンズの"ハッピーハンズ"に負けじと、お決まりの弓を引くポーズで喜びを表し「いい打者が後ろにいるのは心強い」と笑った。6試合連続3番に座り、佐藤輝らに並ぶ12球団トップの3本塁打。2発のサンズをリードした。  1軍外国人枠は5人だが、ベンチ入りは4人。アルカンタラ、ロハスの新外国人の来日は未定とはいえ、投手には守護神スアレス、中継ぎのエドワーズ、先発候補のガンケルがおり、マルテも安泰ではない。しかもD1位・佐藤輝(近大)が絶好調。ここまでは中堅は近本、左翼は佐藤輝、一塁をマルテとサンズで争うとみられていたが...。 その他の写真(2/2枚)  この日は主に一塁だったサンズが左翼に入り、佐藤輝がオープン戦初の右翼へ。マルテが一塁で出場。井上ヘッドコーチが意図を明かした。  「マルテ、ジェリー(サンズ)、大山、佐藤輝の4人を(同時に)出すためにどうすればいいか、どのポジションがいいのか(考えているが)ほぼほぼ、決まりつつある」。初めて打順について言及し「3番・一塁」マルテ、「4番・三塁」大山、「5番・左翼」サンズ、「6番・右翼」佐藤輝を基本に描いていることを明かすと、サンズと佐藤輝の左翼、右翼の適性については「矢野監督と話して決めていく」とした。 ■矢野監督「順調に来ている」  すべてはマルテもサンズも好調だからこそだ。矢野監督は「それ(起用法)はこれから」としながらも「チャンスで打つっていうところが2人には期待されている。打撃の方は順調に来ているかな」と目を細めた。  昨季、大山から開幕三塁を奪いながら、左ふくらはぎを痛めて29試合出場にとどまったマルテは「去年との違いは体の状態がいいというか、どこも痛いところがないこと。まだまだ(開幕へ)上がっていけると思う」と力を込めた。今年はコロナ禍で各球団、助っ人野手が揃わない状況だが、虎には経験豊富な頼もしいコンビがいる。(三木建次)

◆痛恨の一発にも前を向いた。先発した青柳は、山川に逆転を許す満塁ホームランを被弾。6回6安打5失点(自責4)の内容を振り返った。  「きょうはある程度、長く投げられましたし、あとは開幕に向けてやるだけ。僕の中では悪いイメージはないです」  五回までは安定感抜群。味方の失策が絡んで1点を失ったものの、ツーシーム、シンカーがさえ渡る。ゴロアウトに加え、五回までで6個の三振を奪い、無四球。球数も67球だった。しかし2-1で迎えた六回。1死から2四球などで満塁のピンチを背負うと、獅子の4番に左中間スタンドへほうり込まれた。  試合をひっくり返された1球に、青柳は「フォームの修正の方を考えた結果。僕が悪い」と反省を忘れない。矢野監督も「3回り目って一番バッテリーにとっても難しい。たくさん貯金する投手って、そういうところでギアを上げるとか、引き出しがある」とさらなる進化を求めた。  「次はシーズンに向けた最終調整。無駄球をなくすよう頑張っていきたい」と青柳。次回は20日のオリックスとのオープン戦(京セラ)が濃厚。開幕投手は藤浪に決まったが、2戦目の27日・ヤクルト戦(神宮)での先発が見込まれる右腕が、総仕上げに入る。

◆祝福ムードの甲子園を大歓声に包むことはできなかった。3月13日、22歳となった佐藤輝は8166人の観衆の前で3打数無安打。それでも、虎党から贈られた"プレゼント"が、黄金ルーキーの誕生日を彩った。  「グラウンド状況をしっかり頭に入れて、内野外野ともプレーしていきましょう。しっかり勝って、僕の誕生日を祝いましょう!」  試合前の円陣では声出しを任され、ナインを鼓舞。しかし、そう簡単にはいかないのが、プロの世界だ。  二回の第1打席は一度もバットを振ることなく四球。続く第2打席は3球で三振に終わった。六回の第3打席は、昨季のパ・リーグ新人王で最速160キロ右腕・平良と対戦。オール直球勝負にフルスイングで応えるも、最後は154キロにバットが空を切る。第4打席も快音は響かなかった。  4試合ぶりのノーヒットと、22歳のスタートはほろ苦い結果。しかし、グラウンドで奮闘するドラ1の背中を、ファンが温かく押してくれた。  この日、佐藤輝の「応援プリントフェイスタオル」の売り上げが1日当たりの最高枚数を達成。2019年、甲子園でのオールスター第2戦で近本の同商品がマークした枚数を抜いた。当時の観衆は4万5217人。この日は8166人。球団から正式枚数の発表はされていないが、担当者によると、観衆の10人に1人以上が購入した計算になるという。早くもチームの顔になりつつある男の記念日に、虎党は水色の「佐藤輝タオル」を掲げて祝福した。  試合前練習ではサンズから手首用のサポーターをプレゼントされた。いつも手首にテーピングを巻いているルーキーを見かねた助っ人の粋な計らい。ファン、チームメートから愛され、期待される黄金ルーキー。22歳はここからが本番。たくさんのエールに、バットで応えていく。(原田遼太郎)

◆12球団最速到達ダーン! 阪神は13日、西武戦(甲子園)に2-6で敗れたが、五回に近本光司外野手(26)が右翼へ1号ソロを放ち、チームのオープン戦本塁打数を2桁にのせた。マルテのソロを合わせ、11本塁打(7試合)は両リーグ最多で143試合なら224発ペース!! 一発もある快足1番打者が、2021年猛虎打線を引っ張っていく。  鋭い体の回転で捉えた白球は弾丸のように右翼ポール際に飛び込んだ。近本が今年初アーチとなる1号ソロ。試合を振り出しに戻す1番打者のアーチで、オープン戦のチーム本塁打数は12球団最速で「10」となった。  「うまく反応して、2打席目の反省を生かしながら打てたんじゃないかなと思います。スライダーを待っていたのですが、それをタイミングが合ったというか、体が勝手に反応しました」  0-1の五回1死。カウント2-1から左腕・浜屋の内角141キロ直球をとらえた。「(試合後に)映像で見て、バットの出し方とかバットの距離だったり角度が2打席目よりはよかった」。納得のオープン戦18打席目での一発。三回に鋭い右前打を放ったが「もう少し体の近くで振りたい」と満足せず、すぐに修正するとは恐れ入る。  オープン戦の打率も・533と絶好調。矢野監督は「塁に出るというのが、チーム的にも、チカ(近本)の価値を上げることになる。(本塁打は)そのうちのプラスアルファ」としながらも「ないより、あった方がいい」とうなずいた。  さらに、五回は2死からマルテにも一発が飛び出し、チーム本塁打数は7試合で「11」。昨季のオープン戦での13本(12試合)に早くも迫り、井上ヘッドコーチは「一発の魅力があるというメンバーがそろってる」と声を弾ませた。  「今年の阪神の魅力として(他球団に対して)シーズンも一発あるからな、このチームは、というのは作っていきたい」  1年目から2年連続盗塁王の近本の最大の武器はスピードだが、2年連続で9本塁打に終わった昨季は井上ヘッド(当時打撃コーチ)から「10本打たんかったら承知せんぞ」と叱咤され続けた。今年も「ホームラン打ったらアカンということはない。いける思うたら"マンブリ"したれ!」と尻を叩かれている。  出塁増と100得点を目指す今季だが、ときにはドカンとあれば相手にはさらに脅威。しかも初の2桁にのせることになれば、猛虎打線は伝説の粋に達するかも!? 7試合で11発はシーズン143試合換算で224発! 日本一に輝いた1985年の219本を超える数字だ。もちろん机上の計算だが、2019年の「94」から、昨季は23試合少ないながら「110」まで本塁打を伸ばした虎の破壊力が増しているのは間違いない。  近本は「開幕にチームが勝てるようにオープン戦、練習でしっかり調整したい。優勝できるように、しっかり先頭で引っ張っていけるように頑張っていきます」と26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)、そしてセ界の頂点を見据えた。切り込み隊長が力強くけん引し、かつてない破壊力を猛虎打線に生み出していく。(新里公章)

DAZN