阪神(3対3)西武 =オープン戦1回戦(2021.03.12)・阪神甲子園球場=
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西武
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阪神
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勝利投手:-
敗戦投手:-
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◆阪神は、先発・藤浪が5回を投げて3失点。立ち上がりに課題を残すも、2回以降は相手打線を無安打に抑えた。対する西武は、森が3打席すべてで出塁。高校時代に

◆高卒2年目の阪神及川雅貴投手(19)が1軍に合流した。この日の試合前練習から参加。広報を通じて取材に対応し「数日前に(1軍合流を)伝えられましたが、その時からずっと緊張しています。それと同時にうれしさと頑張らなくてはいけないという気持ちが強くなりました」とコメントした。14日巨人とのオープン戦(甲子園)で、1軍デビューする見込み。 「監督から『逃げるようなピッチングじゃなくて、どんどん力強く投げていけよ』と言っていただいたので、向かっていく気持ちで投げたいと思います」。 及川は横浜から19年ドラフト3位で阪神へ入団。高校時代にはロッテ佐々木朗、ヤクルト奥川、チームメートの西純とともに「高校四天王」と呼ばれた。昨季はウエスタン・リーグで9試合に登板して、2勝4敗、防御率は6・00だった。 同期入団でドラフト1位の西純は、春季キャンプから1軍に帯同。9日広島戦(甲子園)では先発で5回4失点ながらも、開幕ローテーション入りの可能性を示していた。「純矢も1軍で先発していますし、その映像も見ている。自分も緊張すると思いますが、緊張した中で自分のボールを投げられるように、矢野監督から頂いた言葉通りのピッチングができるように頑張りたいと思います」。西純に負けじと、19歳の左腕も1軍入りを目指してアピールしていく。

◆スタメンが発表された。阪神の先発は藤浪晋太郎投手(26)、西武は高橋光成投手(24)。開幕投手対決となり、藤浪はプロ9年目で初の大役に決定してから初めてのマウンドとなる。17年4月27日DeNA戦以来、白星が遠ざかる本拠地甲子園で好投なるか。また、大阪桐蔭時代に甲子園春夏連覇バッテリーを組んだ西武森友哉捕手(25)との対決も注目される。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)がオープン戦2号ソロ本塁打を放った。 「3番DH」でスタメン。1回2死走者なしで、西武の開幕投手に決定している高橋の直球を豪快なスイング。左翼ポール際に放り込んだ。「打ったのはストレート。先制された後に甘いボールを仕留めることができて良かったね。まだ負けているから、ここからも一生懸命頑張るよ」。 マルテは7日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)以来の1発。来日3年目を迎えた助っ人が、開幕スタメンへアピールした。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、2回にオープン戦3号ソロをかっ飛ばし、この時点で12球団トップに並んだ。 1ー3の2回に先頭打者で入り、西武の開幕投手、高橋の初球146キロ直球を左翼方向へ流した。打球は虎党の歓声とともにスタンドへ着弾。2戦連発で存在感を放っている怪物ルーキーは「打ったのはストレート。初球から甘いボールを思い切って打ちにいくことができました。一発で仕留めることができてよかったです」とコメント。 佐藤輝はオープン戦1号をソフトバンクの開幕投手の石川から、2発目を広島スコットからと、3発中2発が今季の開幕投手から。新人とは思えない活躍を見せている。

◆西武森友哉捕手(25)が、大阪桐蔭高の1年先輩となる阪神藤浪晋太郎投手(26)から先制の適時二塁打を放った。 1回1死一塁で迎えた第1打席。カウント1-1からの3球目、低め152キロ直球を左翼へ運んだ。高校時代にバッテリーを組み、甲子園春夏連覇を達成した先輩右腕からの先制打に「うまいこと逆らわず打つことができたと思います。いい形で捉えられた。先制点を取ることができてよかった」と話した。 3回1死の第2打席は、カウント3-1からの5球目、152キロ直球を見極めて四球を選んだ。

◆プロ9年目で初の開幕投手に決まった阪神藤浪晋太郎投手(26)が先発し、初回の3失点から立て直して5回3安打3失点にまとめた。 雨でマウンドがぬかるむ中、イメージしていたイニング、球数を無事に消化。「前回のソフトバンク戦は力任せというか、エイヤーという感じだった。今日に関しては、いい力感で投げられた。初回を除けば、先発らしい投球ができたかなと思います」と振り返った。 1回は先頭の金子から154キロ直球で空振り三振を奪った後、鈴木に四球。1死一塁となり、大阪桐蔭時代にバッテリーを組んだ1学年下の森と対決した。カウント1-1から152キロ直球を捉えられ、左翼への適時二塁打で先制点を献上。その後、連打と犠飛で3失点を与えた。 「初回はちょっと一生懸命に行き過ぎたというか...。しっかり抑えようという気持ちが力みに変わっていた。2回以降はリラックスして投げられた」 2回はすべて直球で内野ゴロに打ち取り、3者凡退。3回は1死から森に四球を与えるも、山川を投ゴロ、栗山を二ゴロで無失点。4回は先頭の外崎を145キロのフォークで空振り三振。木村に四球も、続くブランドンを149キロ直球で二ゴロ併殺。5回は3者凡退に抑え、2回以降は危なげない投球で強力西武打線に追加点を許さなかった。 2月からこの試合前まで実戦4試合に登板し、12イニングで1失点。1勝止まりの昨季から、開幕ローテーションを決めるだけでなく開幕投手に決定。7日に矢野監督から大役を告げられてから、この日は初のマウンドだった。 次回は3月19日オリックス戦(京セラドーム大阪)で開幕前最後のマウンドに上がる予定。「自分の中で納得できる投球ができればなと思います。これなら開幕をいい感じで投げられるなと思って終われるようにしたい」と力を込めた。

◆阪神新外国人のチェン・ウェイン投手(35)が、6回から2番手として移籍後、甲子園初登板した。「オープン戦ではありましたが、甲子園で投げられるということはうれしいことですし、シーズン前に甲子園のマウンドで投げることができてよかったです」。 先頭の森に四球を与えたが、4番山川をチェンジアップで三ゴロ併殺に仕留めた。続く栗山も中飛に抑えた。1イニングを11球で無失点。「天気の悪い中でしたが、自分の修正したい部分というのはしっかりできたかなと思います」。元メジャー左腕は貫禄の投球。先発が予想される開幕2カード目の第2戦、31日広島戦(マツダスタジアム)に向けて順調に調整を続ける。

◆阪神と西武のオープン戦は、7回表終了で降雨コールドとなった。 序盤から雨が振り続け、7回の西武の攻撃が終了した後に阪神園芸がグラウンドにシートを敷いた。数分間の中断後、主審が試合終了の合図を告げた。 阪神は開幕投手に決まっている藤浪が先発で5回3失点と粘りの投球。ドラフト1位の佐藤輝にオープン戦3号アーチが飛び出し、マルテも2号ソロを放った。 試合は3ー3で引き分けで、13日にも同カードが組まれている。

◆プロ9年目で初の開幕投手に決まった阪神藤浪晋太郎投手(26)が、大阪桐蔭時代に甲子園春夏連覇バッテリーを組んだ森をたたえた。 18年6月の交流戦以来となった3番森との対決は2打席あり、左越え適時二塁打、四球の結果に。「初回の初球、いきなり強いスイングでファウルだった。さすが森やなと思いました。打たれた球はまあまあコースは甘いんですけど、高さはそんなに甘くなかった。さすがというか、あらためていいバッターだなと思いました」と振り返った。 初回に3番森からの3連打で3失点したが、2回以降はノーヒット投球で5回3安打3失点。開幕戦に向けて順調に階段を上った。

◆開幕投手に決まっている西武高橋光成が先発し、5回を7安打3失点と課題を残した。 2被弾3四球に「カウントを悪くしてからホームランにされたり、追い込んでから決めきれずヒットを打たれてしまった。投げきるという部分で、もっと精度を上げていかないと」と反省。次回の開幕前最終登板までに修正を図る。

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、2回にオープン戦3号ソロをかっ飛ばし、この時点で12球団トップに並んだ。 1ー3の2回に先頭打者で入り、西武の開幕投手、高橋の初球146キロ直球を左翼方向へ流した。▽西武辻監督(阪神佐藤輝について)「やっぱり振れるし、センターから左中間に強い打球が飛ぶということは、それだけのパワーがある。さらに厳しく攻めてこられるだろうけど、反対方向にあれだけホームランを打てるということは、いい選手だなと思います」 ▽西武高橋(阪神佐藤輝に左越えソロを浴び)「いいバッターだなと感じました。2打席目もしっかり捉えられてレフトライナーだった。また対戦したいです」

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、2回にオープン戦3号ソロをかっ飛ばし、この時点で12球団トップに並んだ。 1ー3の2回に先頭打者で入り、西武の開幕投手、高橋の初球146キロ直球を左翼方向へ流した。▼ルーキー佐藤輝が2回に2戦連発のオープン戦3号。オープン戦で3本塁打した新人は昨年の福田光(ロッテ)がいるが、球団では72年望月以来49年ぶり。新人の2試合連続本塁打は14年井上(ロッテ)以来で、阪神ではドラフト制後初めてとなった。また、佐藤輝は3本塁打のうち2本を甲子園で記録。甲子園で2発打ったのも阪神の新人ではドラフト制後初で、新人以外でも05年桜井以来16年ぶり。

◆計算の立つ投手であってこそ、大役を任せられる。阪神藤浪晋太郎投手(26)は西武戦(甲子園)に先発し、初回3失点から落ち着いて立ち直った。プロ9年目で初の開幕投手が決まってから初マウンド。5回を3奪三振3安打3四球で3失点にまとめ、修正能力の向上も印象づけた。 登板後、右腕は反省していた。「初回はちょっと一生懸命に行き過ぎたというか...。しっかり抑えようという気持ちが力みに変わってしまった」。1回は3番森、4番山川、5番栗山の3連打から3失点。それでも2回以降は必要以上の気負いを排除し、残り4イニングをノーヒット投球だ。 前回登板した5日ソフトバンク戦は4回無失点ながら「力任せというか、エイヤーという感じだった」という。「今日に関しては、いい力感で投げられた。初回を除けば、先発らしい投球ができた」。降雨の中、立ち上がりに失点しても大崩れしない。さらに信頼度が上がる内容だった。 大阪桐蔭時代に甲子園春夏連覇を達成した際の女房役、森には152キロを強振されて左越え適時二塁打を浴びた。「初球(外角低め153キロを)いきなり強いスイングでファウル。さすが森やな、と。あらためていい打者だなと思いました」。1学年下の後輩との対決を楽しむ余裕すらあった。初回には最速157キロも計測。心身ともに頼もしい状態にある。 7日に矢野監督から開幕投手を通達された。「ローテを奪いに行く立場から、しっかり調整しなきゃいけない立場になった」。言葉からも覚悟がにじみ出る。開幕前最後の登板は19日オリックス戦。「納得いかない形でシーズンに入りたくない。これなら開幕でうまく投げられる、いい感じで投げられると思って終われるようにしたい」。3・26ヤクルト戦へ、丁寧に階段を上りきる。【佐井陽介】 ▽福原投手コーチ(藤浪について)「立ち上がりはどんな投手でも力む。ちょっと力み過ぎかなというのはあったけど、2回以降は修正できた。自分で修正できるポイントが、ある程度できているのかなと思います。ナイスボールと言いました」

◆阪神守護神ロベルト・スアレスが甲子園でも安定の投球を見せた。7回に3番手で、7日の敵地ソフトバンク戦以来となる登板。 先頭の外崎に右前打を浴びるも、後続3人をぴしゃり。「しっかりと3個のアウトを取って、ゼロで帰ってくることだけに集中していたよ」。前回はドーム球場で1回1安打無失点。今季実戦2戦目はマウンドが雨でぬかるんでいたが「ファンの皆さんに楽しんでもらえるような投球がしたかったし、自分としても甲子園に帰ってきて投げることができて良かったよ」頼もしかった。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が先発し、初回の3失点から立て直して5回3安打3失点にまとめた。◆阪神矢野燿大監督の一問一答 -藤浪は序盤の連打も浴びたが持ち直した 矢野監督 まあ、すごくいいってわけじゃないけどね。誰しもその調子の幅はある。プラスで言えば3点を取られた後、ゼロで行けたっていうのは1つプラス。あいつ自身もっと高いところを目指していると思う。そういうところでは課題というかね、一生懸命行き過ぎた。まあ力むし、開幕も告げたから。本人も力んで当然やと思う。逆に3点取られたことで力も抜けたと思う。良いところも課題もあった。 -マルテが好調 矢野監督 内容もその他も選球眼ももともといいし、つなぐ、かえすところでマルテがいるのは相手も嫌な存在になる。3点先制された、2アウトなってから。そういうところでも価値ある。相手に嫌なバッターかなっていうのは俺がキャッチャーでも思う。マルテらしさは出してくれてると思う。 -今日の佐藤輝には、監督もびっくりしたか 矢野監督 ほんま右バッターみたいやな、打球やったし、打った瞬間にいったっていう。 -内容は 矢野監督 初球を一発でファウルにせんと仕留めるのはいいバッターの条件になってくる。レベルが上がってくれば、甘い球なんて何球も続かない。手応えはつかんでいると思うし、ああいうところにテルがいるというのは面白い打線になるんじゃないかなと思う。 -3番に置くと左打者が続いてしまう 矢野監督 すぐはないんじゃない? シーズン中はあるかもしれんけど。 -3番打者は 矢野監督 まあ、マルテかサンズかどうかなと思うけど、佐藤が3(番)というのは現状あまり考えてない。やっぱり2番も健斗(糸原)が入って機能する感じがするんで。超理想を言えば、ショートの(木浪)聖也とかショートに入るくらいの選手が、2番くらいに入るくらい技量が上がってくると、(糸原)健斗がかえすところでいるってなれば、より分厚くなるなという理想はあるけど。

◆新加入の阪神チェン・ウェイン投手が甲子園に初登板し、2番手で1回を無安打無失点に抑えた。「甲子園で投げられるということはうれしいことですし、シーズン前に甲子園のマウンドで投げることができて良かった」。 6回に先頭の森に四球を与えたが、山川をチェンジアップで三ゴロ併殺。続く栗山も中飛とわずか11球で片付けた。「天気の悪い中でしたが、自分の修正したい部分というのはしっかりできたかな」。先発が予想される開幕2カード目の第2戦、31日広島戦(マツダスタジアム)に向けて調整を続ける。

◆阪神ドラフト6位中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)が、売りである守備で開幕1軍入りをアピールした。 5回から二塁に就き、7回無死一塁で木村の一、二塁間の一塁寄りのゴロに追いつくと、反転して二塁へ強く正確な送球で一塁走者の外崎を封殺した。雨で足場が悪い中での美技に矢野燿大監督も「ナイスプレー。(投げるのを)あきらめたら確実に内野安打。抜けたら一、三塁や二、三塁になっていた」と絶賛した。 社会人屈指の遊撃手として入団も、慣れない二塁でキャンプ中は実戦でミスを続けた。だが、思い切りのいい打撃が評価され、ここまで1軍に食らいついている。指揮官は「遊撃も機会を見て。二遊間の層もあいつが入ったことで厚くなっているのは間違いない」と語り、今後は遊撃での起用を示唆。即戦力ルーキーが、少ないチャンスを生かす。

◆開幕3番はオレ弾! 阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が豪快なアーチをかっ飛ばした。 「3番DH」でスタメン出場し、1回の第1打席だ。2死走者なしで西武高橋の真ん中直球を強振。「ツーボールだったから甘いボールを狙って、そのボールを一発で仕留めることができて良かったよ」。左翼ポール際に運ぶ2号ソロで、来日3年目助っ人として貫禄を見せた。 オープン戦は出場した全5試合で3番に座り、打率2割5分、2本塁打、4打点。コロナ禍の影響で来日が遅れ、実戦デビューは2下旬だったが好調を維持している。矢野監督は「選球眼も元々いい。つなぐ、(走者を)かえす、そういうところでマルテがいるっていうのは相手も嫌な存在になる」と打線の中軸として評価。3番打者の選定について聞かれると、ドラフト1位の佐藤輝に関しては「すぐはない」とし「マルテかサンズかどうか...」と頭を悩ませた。 そんな悩みを解消してくれそうな1発を放ったマルテは試合後、至って冷静だった。「打順に関係なく、自分の仕事をしっかりするだけ。ランナーがいてもいなくても自分の持ち味を出して頑張っていきたいね」。昨年韓国球界で本塁打と打点の2冠に輝いた新加入のメル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)はいまだ来日できていない。それでも虎打線の中心には頼れるM砲がいる。【只松憲】

◆阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、2戦連発となるオープン戦3号ソロを放った。甲子園での西武戦に「6番左翼」で先発。2回先頭の第1打席で開幕投手を務める高橋から左翼席に運んだ。3本塁打は球団新人ではドラフト制後最多タイで、ここまで日本ハム野村、オリックス頓宮らと並んでキング。13日で22歳になるルーキーがまだまだ記録を伸ばしそうだ。甲子園の雨雲を切り裂くような快音に虎党がどよめいた。視線の先にいたのは、もちろん佐藤輝だ。2回の先頭打者。その初球。開幕投手に内定している高橋の真ん中から外寄りに逃げる146キロを振り切った。小雨が降り、風はいつもの浜風と逆、左から右へ吹いていたが、ものともせず左翼席へ運び去った。 「しっかり初球から振りにいくといつも意識していますし、いい形で打てました。甘いところに来たのを捉えることができたので良かった」 10日広島戦から2戦連発で、これはドラフト入団した阪神の新人では初めて。3本塁打は同最多タイと記録ずくめ。ベンチ前で分厚い胸を両手でたたくゴリラポーズも板についてきた。 3本塁打は全て逆方向。そのうち2発は甲子園と風は無関係に放り込む。矢野監督も「右バッターみたいな打球」とその弾道に驚き、「初球を一発でファウルにせんと仕留めるのはいいバッターの条件になってくると思うし、ホームランにできるのはテルの長所」とドラ1の実力をたたえた。 阪神のレジェンド助っ人も逆方向の鬼だった。同じ左打ちで通算202本塁打のバースは、甲子園での91本塁打のうち、約37%にあたる34発が左方向。「バットを内から出して逆方向に飛ぶ打球はいい打球なので、それが試合でできて良かった」。佐藤輝もそれをほうふつとさせる武器にこだわり、アーチをかけた。 試合前、刺激を受ける出来事があった。フリー打撃後、陽川に仲介してもらい、西武山川に歩み寄ってあいさつ。バットの形状についてなど野球談議を交わし、打撃練習も見た。「ホームランバッターの打球だなと。ホームランというのが一番、野球では面白いと思うので、そこは譲れないです」。18、19年と2年連続で本塁打王となった主砲との時間を肥やしに、自己紹介代わりの1発を放った。 くしくも13日は22歳の誕生日。バースと同じ日という不思議な巡り合わせの"バースデー"になる。佐藤輝は「野球人生の中でも大きな変化があった。22歳も素晴らしい年になるように頑張っていきたい」と決意を新たにした。【中野椋】

◆スターティングメンバーが発表され、阪神は藤浪晋太郎投手(26)が開幕投手に決定後の初登板。大阪桐蔭高時代にバッテリーを組んだ西武・森との対決にも注目が集まる。  ドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=は、「6番・左翼」で出場。試合前練習では37スイングで6本の柵越えを放った。西武の開幕投手に決定している高橋に挑む。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(26)が西武戦に先発し、初回から3連打を許すなど、3失点を喫した。  一回1死から四球を出すと、続く森に低めの直球を左翼へはじき返され、先制点を献上。大阪桐蔭高の一学年下の後輩であり、春夏連覇を達成した2012年にバッテリーを組んだ後輩から痛打された。  直後に4番・山川に適時二塁打を浴びると、栗山にも中前打。外崎の犠飛でリードを広げられた。

◆「「6番・左翼」で出場した阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=がソロを放った。  「初球から甘いボールを思い切って打ちにいくことができました。一発で仕留めることができてよかったです」  1-3の二回。先頭で打席に立つと、高橋の初球、146キロ直球をとらえた。打球は逆方向へと伸びていき、左翼席に飛び込んだ。  これで10日の広島戦(甲子園)に続いて2戦連発。オープン戦3号で、日本ハム・野村に並ぶトップタイとなった。

◆阪神・藤浪晋太郎(26)が開幕投手に決定後、初登板し、5回3安打3失点だった。  立ち上がりは苦しい投球が続いた。一回1死一塁から森に左越え適時二塁打を許すと、続く4番・山川にも甘く入ったフォークを左中間へはじき返されて追加点を献上。その後も外崎の犠飛で3点目を奪われた。  それでも二回以降は落ち着きを取り戻し、走者を出しながらも無安打無失点の投球で今年最長の5回を投げ切った。最速は157キロをマークするなど開幕に向け順調な仕上がりを見せた。

◆阪神は「6番・三塁」で出場したドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=が1-3の二回、2試合連続となる左越えのオープン戦3号アーチを放った。  先発した藤浪は開幕投手決定後、初登板。5回を投げて3安打3失点、3四球だった。一回1死一塁から森に左越えの適時二塁打。続く山川にも左中間に適時二塁打を浴び、さらに犠飛で3点を先制されたが、二回以降は無得点に抑えた。  打線は一回にマルテが左翼ポール際に一発。二回に佐藤輝のソロで1点差とし、四回1死一、三塁で代打・高山の二ゴロ間に追いついた。試合は3-3の七回裏の攻撃前に雨が強くなり、降雨コールドゲームとなった。

◆西武の開幕投手、高橋は一回にマルテ、二回にルーキー佐藤輝にそれぞれ本塁打を許すなど5回を7安打3失点。「投げ切らないといけない場面で投げ切れなかった。もっと精度を上げていかないといけない」と反省点を口にした。  あと1度、調整登板を経て26日の開幕戦に備える。辻監督は「カウントを作って勝負できるようにしないと。ストライク先行で攻めていけるように次は投げてくれれば」と話した。

◆投手コーチとして開幕投手の調整を何人も見守ってきた。開幕2週前の登板で一番大事なのは、抑えることではなく、目標の球数を投げられたか。そういう意味で81球は十分に合格だ。  藤浪自身は開幕投手に指名されて初めて迎える登板。今までと違った緊張もあっただろうし、手探りの部分もあっただろう。一回の森には直球勝負を挑んで、最後は決して悪くはない球を打たれた。山川にもフォークが浮いたところをうまく打たれた。3点を失った。が、結果は気にする必要は全くない。腕もしっかり振れていたし、力のある球を投げ込めていた。  次回が開幕へ向けての最終登板。そこへ向けて微調整は必要だろう。この日もフォークの抜け球が何球かあった。この球をストライクゾーン低めにいかに投げられるか。  フォークがやや甘かった証拠が三振の少なさ。四回に外崎をストライクゾーンからワンバウンドになるようなフォークで空振り三振を奪ったが、あの形が理想。あれだけの速球を投げるのだから、低めのフォークが来たら、打者は間違いなく振る。たとえ見逃されても「2球投げれば1球は必ず振る」ぐらいの気持ちでいればいい。  あとは開幕に指名されたことを意気に感じ、自信を持って「3月26日」を迎えてもらいたい。(本紙専属評論家)

◆阪神はドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)にオープン戦3号アーチが飛び出し、藤浪晋太郎投手(26)が5回3失点にまとめた。矢野燿大監督(52)の主な一問一答は以下の通り。--藤浪は序盤の連打も浴びたが持ち直した  「いやまあ、すごい良いってわけじゃないけどね。まあまあ、誰しもその調子の幅っていうのはあるんで。プラスでいえばその3点取られた後、ゼロで行けたっていうのは1つプラスやし」  --ちょうどいい  「また良かったら、良かったでアレやし。悪かったら、悪かったでアレやし。まあ、ちょうどいいよ」  --佐藤輝には、さすがに監督もびっくりしたか  「ホンマ、右バッターみたいな打球やったし、打った瞬間にいったっていう。まあまあ、おとついもそうやったけど」  --内容は  「一発で仕留めたのもそうやし、初球やったっけ。初球を一発で、ファウルにせんと仕留めるっていうのはいいバッターの条件になってくると思う。そんなにレベルが上がってくれば、甘い球なんて何球も続かないんで。それもしかもホームランにできるっていうのはテル(佐藤輝)の長所の部分。そのあとの打席もしっかりとした内容があったので、手応えはつかんでいると思う。こっちとしてはまあ、ああいうところにテルがいるというのは、面白い打線になるんじゃないかな」

◆何モノにも代えがたい存在感がある。金ピカのネックレスをじゃらじゃらと揺らし、阪神・マルテはのっしのっしとダイヤモンドを回った。西武の開幕投手、高橋を打ち砕くオープン戦2号ソロをブッ飛ばした。  「2ボールだったから甘いボールを狙って、一発で仕留めることができてよかったよ」  0-3とリードされ相手はエース...。シーズンであればがっくり来そうな一回だったが、そんなムードもM砲が振り払った。2死走者なしでカウント2-0となると、続く3球目を一閃。反り返るように振り抜いて、打球はあっという間に左翼ポール際のスタンドの谷間へと消えた。7日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)に続き、オープン戦2号。今春の実戦6試合で打率・333(15打数5安打)、7打点と大暴れだ。  矢野監督も「内容も、選球眼も元々いい。つなぐ、かえす、そういうところでマルテがいるっていうのは相手も嫌な存在になる。嫌なバッターかなというのは俺がキャッチャーでも思う」と好調ぶりに目を見張る。 その他の写真(2/2枚)  5戦続けて3番でスタメン起用し、期待は大きい。1番・近本、2番・糸原という上位が固まってきているだけに、指揮官は3番には右打者を据えたいと考えている。この日も改めて、3番の構想を問われ「マルテかサンズかどうかなと思うけど。佐藤輝が3(番)というのは現状あまり考えていないけど」と明かした。マルテがこんなにも豪快な打球を放ち、存在感を放つのならば、外国人枠の問題もあるものの、十分に3番を託せられる。  マルテ自身に助っ人争いへの気負いはない。「あまりそこは気にせず、自分の仕事をすれば結果はついてくる。自分のやるべき仕事に集中していきたい」と黙々とあと2週間に挑むつもりだ。  いかにして相手にとって最も嫌な打線を組むか-。それを考える際の重要人物が、マルテだ。(長友孝輔)

◆雨にも負けず、寒さにも負けず、大役を務めるという重圧にも押し潰されることはなかった。高い修正力が成長の証し。開幕投手に決定後、初登板した阪神・藤浪は序盤でつまずきながらも、落ち着いた"大人"の投球で虎党を安心させた。  「初回はちょっと一生懸命いき過ぎたというか、しっかり抑えようという気持ちが力みに変わってしまったところがあった。二回以降はリラックスして投げられたかなと思う」  試合開始後すぐにピンチを招いた。一回1死一塁で大阪桐蔭高の1学年下の森に低めの直球をはじき返されてあっさり先制点を献上。4番・山川にも左中間適時二塁打を許すと、その後も外崎の犠飛で3点目を失った。  昨年までなら、このまま嫌な流れをズルズルと引きずってしまっていた右腕だが、今年はやはりひと味もふた味も違う。二回以降はリラックスして投げることで安定感を取り戻し、四球で走者を出しながらも無安打投球。最速157キロの直球で押し込み、外野にすら打球を飛ばさせなかった。  7日に矢野監督から開幕投手を告げられ、心境が一変した。「(先発)ローテを奪いに行く立場から、しっかり調整しなきゃいけない立場になった。そういう意味で考え方というか、この登板の意味は変わってきた」。その緊張感が序盤の力みを生んでしまったが、見事にそれを修正してみせた。  今季最長の5回を投げ、3安打3失点。この内容に矢野監督は「誰しも調子の幅というのはある。(内容が)よかったら、よかったでアレやし。悪かったら、悪かったでアレやし。ちょうどいいよ」と3失点でまとめたところを評価した。  次は19日のオリックス戦(京セラ)で先発する予定で、これが開幕前の最後の登板となる。  「打たれても抑えても自分の中で納得できる投球ができれば。これなら開幕戦でうまく投げられる、いい感じで投げられるなと思って、終われるようにしたい」  開幕までのカウントダウンは始まった。雌伏の時を経て成長した藤浪が、「3・26」に向けて最終調整に入っていく。(織原祥平)

◆キングコング弾や!! 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が12日、西武戦(甲子園)に「6番・左翼」で出場。二回に今季開幕投手を務める高橋から2戦連発となる3号ソロを放った。オープン戦3発は球団新人では49年ぶりの快挙。本塁打数でトップタイに躍り出た黄金ルーキーの勢いは止まらない。 ■ベンチに戻るや笑顔でウッホ  雨の甲子園に乾いた打球音と歓声が響く。打った瞬間、佐藤輝は本塁打を確信し、ゆっくりと走り出した。左翼席中段に飛び込む2試合連続アーチ。ベンチに戻ってくると笑顔でゴリラポーズだ。  「きょうも逆方向にしっかり、甘いところにきたのを捉えることができてよかった。初球から振りにいくといつも意識していますし、それがきょうはいい形で打てました」  1-3で迎えた二回先頭。高橋の初球、146キロを捉えた。完璧な一発に「バットを内から出して、逆方向に飛ぶ打球はいい打球なので、試合でできてよかった」と手応え十分。開幕投手を務める西武のエース右腕を一振りで仕留めた。 ■初球、一発。いいバッターの条件  矢野監督も「初球を一発で仕留めるっていうのはいいバッターの条件になってくる。しかもホームランにできるというのはテル(佐藤輝)の長所」と絶賛。10日の広島戦(甲子園)で逆方向に本塁打を放った際には「別にびっくりもしないし」と話していたが、今度は「右バッターみたいやな」と驚いた様子だった。  これで日本ハム・野村らに並ぶトップタイの3号。阪神の新人選手がオープン戦で3本塁打を放つのは、1972年の望月充以来49年ぶり2人目の快挙だ。6試合目で早くも球団の歴史に名を刻み、「ホームランというのが一番、野球では面白いと思うので、そこは譲れないです」と"キング宣言"も飛び出した。  試合前には本物の"キング"との交流があった。18、19年に2年連続で本塁打王に輝いた西武・山川とバットの形状などについて会話。わずかではあったが、昨年のドラフト会議直後から本塁打王を目標の一つに掲げている黄金ルーキーにとって、"先輩"との貴重な時間になった。 ■西武・山川とホームラン談義  その山川らも見ている中、フリー打撃では37スイングで3連発を含む6本の柵越えを披露。その後、山川の打撃練習を熱心に見つめ、「とにかくホームランバッター。ホームランバッターの打球だなという感じです」と目を見張った。これこそ自身が目指すべき姿。しっかりと目に焼き付けたキング経験者の打撃を刺激にして試合に臨んでいた。  「甘いところをしっかり仕留めることができればいい結果は出ると思うので、そこはずっと続けてやっていきたい」  2リーグ制以降、新人選手がレギュラーシーズンで本塁打王になったのは58年の長嶋茂雄(巨人)、59年の桑田武(大洋)の2人のみ。まだオープン戦の段階だが、今の佐藤輝は可能性を感じさせてくれる。まずはオープン戦キングへ、止まることなくアーチを量産する。(菊地峻太朗)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
411 0.800
(-)
-
(-)
28
(+3)
15
(+3)
9
(+2)
3
(+1)
0.302
(↑0.005
2.470
(↓0.22)
2
(-)
西武
421 0.667
(-)
0.5
(-)
34
(+3)
21
(+3)
5
(-)
4
(-)
0.278
(↓0.01)
2.640
(↓0.22)
2
(-)
ソフトバンク
422 0.667
(-)
0.5
(-)
37
(+8)
25
(+8)
9
(+2)
1
(-)
0.243
(↑0.009)
3.000
(↓0.71)
2
(3↑)
巨人
421 0.667
(↑0.067)
0.5
(↓0.5)
22
(+3)
19
(+2)
2
(+1)
6
(-)
0.218
(↓0.01)
2.320
(↑0.06)
5
(1↑)
ロッテ
431 0.571
(↑0.071)
1
(↑0.5)
32
(+3)
27
(+2)
3
(-)
10
(+2)
0.244
(↑0.004)
3.340
(↑0.2)
5
(3↓)
ORIX
431 0.571
(↓0.096)
1
(↓0.5)
30
(+2)
23
(+3)
6
(+1)
4
(+1)
0.274
(-)
2.280
(↓0.1)
7
(1↓)
広島
220 0.500
(-)
1.5
(-)
10
(-)
15
(-)
2
(-)
2
(-)
0.185
(-)
3.710
(-)
8
(-)
楽天
230 0.400
(-)
2
(-)
18
(-)
20
(-)
0
(-)
2
(-)
0.230
(-)
3.980
(-)
8
(-)
DeNA
230 0.400
(-)
2
(-)
17
(-)
24
(-)
2
(-)
2
(-)
0.236
(-)
4.800
(-)
10
(-)
日本ハム
240 0.333
(-)
2.5
(-)
24
(-)
29
(-)
4
(-)
6
(-)
0.234
(-)
3.400
(-)
11
(1↓)
中日
250 0.286
(↓0.047)
3
(↓0.5)
14
(+2)
45
(+3)
3
(+2)
7
(+3)
0.196
(↓0.003)
6.150
(↑0.43)
12
(-)
ヤクルト
151 0.167
(-)
3.5
(-)
23
(+8)
26
(+8)
9
(+3)
3
(+2)
0.226
(↑0.027)
3.570
(↓0.81)