楽天(☆8対5★)ロッテ =オープン戦3回戦(2021.03.11)・静岡草薙球場=
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ロッテ
0030020005711
楽天
00001304X81110
勝利投手:渡邊 佑樹(1勝0敗0S)
(セーブ:髙田 萌生(0勝0敗1S))
敗戦投手:河村 説人(0勝1敗0S)

本塁打
【ロッテ】山口 航輝(1号・3回表3ラン)

  DAZN
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◆楽天は、和田が同点打を含む2安打をマーク。開幕一軍入りへ向け、バットで存在感を示した。一方のロッテは、先発・本前が3回1安打無失点。支配下登録を狙う育成サウスポーが、首脳陣の前で好投を披露した。

◆9試合連続で4番打者に起用されるロッテ山口航輝外野手(20)が、お茶どころ静岡で待望の1発をかっ飛ばした。 0-0の3回2死一、二塁。楽天滝中の137キロを豪快にすくい上げ、打った瞬間にそれと分かる先制3ランとなった。 去年まで一度も1軍経験がなく、1軍の実戦ではこれが初アーチ。中学時代には伊藤園が開催した「おーいお茶 新俳句大賞」で佳作特別賞を受賞するなど、意外な一面を持つ。

◆東日本大震災から10年となり、試合前に両チームが1分間の黙とうを行った。 楽天ナインが一塁線、ロッテナインが三塁線に並び、黙とう。8年ぶりに古巣へ復帰した田中将は銀次、則本昂の間に立ち、帽子を持った右手を胸の前に置き、目を閉じた。この試合で半旗が掲げられている。 地震発生時の11年3月11日も同カードが兵庫・明石で行われていた。

◆背番号120の育成左腕、ロッテ本前郁也投手(23)が支配下選手登録へ大きくアピールした。 先発し、楽天打線を3回1安打無失点。直球は140キロ台前半ながら、昨季チームが苦手とした楽天打線を、間合いも工夫しながらしっかりと力で差し込んだ。シーズン開幕2週間前の先発。「まだチャンスがあるのかなと。そこを逃さないように今日に合わせていこうと思いました」と振り返り「結果を求められていると思うので、そこで無失点というのは良かった点だと思います」と安堵(あんど)の表情を見せた。 2月24日のソフトバンクとの練習試合に続き、この日も3回を投げた。チームは先発左腕を欲し、本前にその可能性を見いだしている。「球数を少なく、長いイニングを」と次回を見据えた。井口資仁監督(46)も「またローテーションに1歩前進したんじゃないですかね。当然支配下にならないとローテーションになれないから、そこにも2歩くらい」と高く評価していた。【金子真仁】

◆ロッテには熱く継承されるものがある。10年前の「3・11」に戦った楽天と、ちょうど10年後も対戦。2試合ともマウンドに上がったプロ14年目の唐川侑己投手(31)が証言した。 「投げた後に衝撃的なニュースが入ってきて。鮮明に覚えています」と振り返る。兵庫・明石で行われた10年前は先発し、6回1失点だった。8回表で試合は打ち切り。帰りのバスで映像が流れ、チームはざわめき、やがて絶句に変わった。 ちょうど10年後はセットアッパーとして、魔球カットボールを食い込ませた。「ポジションも違いますし、年もあるのかも分からないですけど、チーム全体が見えるようになりました」と言う。ずっとロッテにいるからこそ。「ぼくが入った時からのロッテカラーとして、みんなが1つ束になってまとまった時は、すごい力を発揮する。それは変わらないのかなと思います」と言い切った。 あの日から10年後は、育成左腕の本前郁也投手(23)が先発した。支配下登録を目指し「とにかくアピールし続ける、という思いしかないです」と奮闘。楽天を3回1安打無失点に抑え、大きくアピールした。入団2年目の今春キャンプで1軍に抜てきされた。 北海道出身で10年前は日本ハムファン。一体感が好きだった。ロッテに入って印象は変わった。「今こうやって2軍も1軍も経験して。去年2位の悔しい思いもあって、一体感が強いなって感じました」とうれしそうに話した。 本前の好投を、左翼を守る荻野貴司外野手(35)が盛り立てた。初回の1番小深田、2回2死一塁での7番小郷。いずれも低く難しいライナーで、後逸したら長打必至。2つともしっかりキャッチした。「キャンプからずっとレフトの練習をしてたので。勝利に向けて全員でやるのは、変わらずやっていきたいです」。プロ2年目の10年前は2番遊撃で出場していた。 荻野と二遊間を組んだのは、10年後の井口資仁監督(46)だ。震災直後のネット裏のざわめきを覚えているという。「あれから10年もたつんだなと。イーグルスもですけれど、我々もいい意味でパワーを届けられたらなと思いながらやっています」。回想しながら、おのおのがチームの輪の強さを言葉に。優勝への思いを強くする10年後の3・11だった。【金子真仁】

◆山形出身の楽天下妻貴寛捕手(26)が攻守に躍動した。 3点を追う5回2死一塁、ロッテ有吉の初球を捉えた。右翼手の頭を越える適時二塁打となった。「打ったのはストレートです。早いカウントで高めに来たところを1球で捉えることができました。点差もあったので、後ろにつなぐことができてよかったです」。3回にも左前打を放っており、2打席連続安打。4回の守備ではロッテ高部の二盗を好返球で阻止した。 東日本大震災からちょうど10年。酒田南時代に12年夏の甲子園で選手宣誓を行った東北出身の26歳が、開幕1軍、正捕手どりへアピールを重ねた。 ▽楽天石井GM兼監督(下妻に) すごく良い仕事をしてくれた。ポンと(試合に)出たりするので、試合勘は非常に難しい。とにかくうまく試合に入ってくれると助かります。

◆あの夏の青空に誓ったように、東北のために戦う。山形出身の楽天下妻貴寛捕手(27)が東日本大震災からちょうど10年の11日、ロッテ戦で攻守に躍動した。5回に俊足高部の二盗を阻止すると、その裏に右翼越え適時二塁打を放つなど2打数2安打1打点。「同じ東北人として皆さんに元気、勇気を与えられるように、東北人という誇りを持って頑張りたい」とプレーに思いを込めた。 11年3月11日、午後2時46分。大きな揺れを、部活動中に感じた。練習は中止となり帰宅。信号は止まり、停電は翌日まで続いた。「両親と一緒にガソリンスタンド、タンクローリーを探しにいきました」。2カ月後の5月。「復興試合」と称される練習試合のため、バスで隣県宮城に向かった。車窓からの光景は鮮明に記憶する。「高速道路の東側は田んぼの真ん中に家があったり車がひっくり返っていたり、家に車が刺さっていた。衝撃を受けたことは今も忘れないです」。 1年後。酒田南の主将として夏の甲子園の選手宣誓を引き当てた。被害の大小は違えど、東北の一員。チームメートと考えた文章に被災地への思いを込めた。監督、コーチの助言も重ね、青空の下で声を張った。「山形からの応援メッセージじゃないですけど、チームみんなもあの文章にはうなずいて、僕が代表して大舞台でしっかりと伝えられた。自分にできることが目いっぱいできました」と、かけがえのない経験をかみしめる。 縁あって仙台に本拠地を置く楽天へ12年ドラフト4位で入団。1年目の13年は1軍が出場なく、日本一に輝くチームの裏で悔しさも抱いた。「あの瞬間を見たファンの皆さんの笑顔、涙は今でも忘れられない風景。今年こそチームの一員としてしっかりと活躍してあの輪に入っていきたい」。入道雲のようにたくましく、浜風のように爽やかに。ひたむきな全力プレーこそが、被災地を勇気づける、何よりのエールだ。【桑原幹久】 ▽楽天石井GM兼監督(下妻に) すごく良い仕事をしてくれた。ポンと(試合に)出たりするので、試合勘は非常に難しい。とにかくうまく試合に入ってくれると助かります。 ▽楽天滝中(開幕ローテ6枚目入りを目指し、先発で5回3失点) 先発として計算できるように、6回3失点を基本に、最低ラインを崩さないようにしていきたい。 ▽楽天鈴木翔(今季1軍初登板で1回を3者連続三振で無失点) 正直、ほっとしています。スライダーをしっかり思ったところに投げ切れました。

◆あの夏の青空に誓ったように、東北のために戦う。山形出身の楽天下妻貴寛捕手(27)が東日本大震災からちょうど10年の11日、ロッテ戦で攻守に躍動した。 東日本大震災からちょうど10年。酒田南時代に12年夏の甲子園で選手宣誓を行った東北出身の26歳が、開幕1軍、正捕手どりへアピールを重ねた。<12年夏の甲子園・下妻の選手宣誓全文> 私が暮らす東北を、そして東日本を未曽有の災害が襲ったあの日から、いま日本は決して忘れることのない悲しい記憶を胸に、それでも復興への道を少しずつ確かな足取りで歩み始め、多くの試練と困難に立ち向かっています。 私たちのひた向きなプレーが、あすへと懸命に生きる人々の希望となることを信じ、私たちの躍動する体と精神が、あすへと進む日本の無限の可能性となることを信じ、そして、私たちの追い続ける夢が、あすの若者の夢へとつながっていることを信じます。 全国の仲間が憧れたこの甲子園で、わき上がる入道雲のようにたくましく、吹き抜ける浜風のように爽やかに、正々堂々と全力でプレーすることを誓います。

◆ロッテ山口航輝外野手(20)が、お茶どころ静岡で待望の1発を放った。 0-0の3回2死一、二塁。楽天滝中の137キロ直球をすくい上げた。「打った瞬間に入ると分かる打球でした。角度も感触も良かったです」。アーチストらしい弾道で、左翼席中段まで運んだ。 2週間後が楽しみだ。ここまで9試合連続で4番で起用される。井口資仁監督(46)も「もちろん今の調子を維持してくれれば(開幕)スタメンもあります」と抜てきの可能性を示唆。プロ1、2年目と1軍経験ゼロの20歳が、安田や藤原と同様、一気にレギュラー奪取へ突き進んでいる。 中学時代、国語の授業で伊藤園主催「おーいお茶 新俳句大賞」に応募。「ラグビーの 選手の体 湯気が立つ」が佳作特別賞を受賞した。ブレークが期待され、キャンプイン前から報道陣に"新作"を求められるケースが増えた。 さて、待ち望んだ本塁打の1発の後はどう詠むか。「考えてきましたよ!」とノリがいい。 「3月だ サクラも咲くぞ オレも咲く」 さくらももこさんの名作漫画「ちびまる子ちゃん」の舞台・清水も徒歩圏内の球場で、久しぶりの句を声に出して無事に披露。漫画でおなじみ「友蔵 心の俳句」のようにならずに済んだ。【金子真仁】

◆東日本大震災から10年を迎えたこの日、両軍は試合前に哀悼の意を示した。楽天が一塁線、ロッテが三塁線に沿って整列し、半旗が掲げられたスコアボード方向に向かって、1分間の黙祷(もくとう)をささげた。  岩手・普代村出身の銀次内野手(33)は「節目の年だから特別ではなく、正直に言って常に思って野球も生活もしている」。東北地方で野球教室などの地域貢献活動を熱心に行っており、「被災地から野球選手を出すことができたら盛り上がるし、そういうことをやっていく」と誓った。

◆楽天の下妻が攻守に躍動した。バットでは五回の右越えへの適時二塁打など2打数2安打で、捕手としては五回に二盗を阻止。「2本とも安打になって内容が良かった。技術が上がっていい球も投げられている」と自信を深めた。  山形・酒田南高から入団して9年目。高校での練習中に東日本大震災が起き、地域一帯が停電した。翌年の2012年に3年生で出場した夏の甲子園大会では選手宣誓を務め、被災地への思いを込めた。「被害は僕のところはそんなに多くなかったけど、東北人の誇りを持って皆さんに元気や勇気を与えられるように頑張る」と気持ちを新たにした。

◆ロッテ・山口航輝外野手(20)が三回2死一、二塁で、楽天先発の瀧中から先制の左越え3点本塁打を放った。山口は、明桜高(秋田)から入団3年目で1軍戦出場なし。11日も含めてオープン戦全7試合に「4番・一塁」でスタメン出場している。左翼席中段まで運ぶオープン戦初本塁打をたたき出した。  7試合中6試合で安打を放っており、この本塁打で通算26打数8安打5打点。打率・308と好調をキープしており、4番での開幕スタメンの可能性を高くした。

◆ロッテの育成選手の本前が先発し3回1安打無失点と好投した。切れのいい直球を軸に三回の下妻の左前打だけに抑えた。支配下登録に向けてアピールし「結果を求められる。そこで無失点は良かった」とうなずいた。  先発陣は石川が下半身に不調を抱えて駒が足りないだけにチャンスはある。「とにかくアピールし続けるしかない。早く支配下になってローテに入れればいい」と意気込んだ。

◆ロッテ・山口航輝外野手(20)が11日、楽天戦(静岡)の三回に左翼席へ3ラン。右の大砲候補はオープン戦1号に一句詠んだ。「三月は 桜も咲くぞ 僕も咲く」。1軍デビューを目指す明桜高(秋田)出身の20歳は、13歳のときに『おーいお茶 新俳句大賞』で応募した俳句が佳作特別賞を受賞。プレーだけでなく、俳人としても売り出し中だ。  オープン戦全7試合に「4番・一塁」で先発出場し、6試合で安打をマーク。28打数9安打の打率・321、1本塁打、5打点と好調をキープしている。  東日本大震災から10年の節目に「野球ができていることに感謝」と謙虚に語った。開幕スタメンはもちろん、開幕4番を射程にとらえた。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(2↑)
阪神
410 0.800
(↑0.1)
-
(-)
25
(-)
12
(-)
7
(-)
2
(-)
0.297
(-)
2.250
(-)
2
(1↓)
西武
420 0.667
(↓0.083)
0.5
(↑0.5)
31
(-)
18
(-)
5
(-)
4
(-)
0.288
(-)
2.420
(-)
2
(-)
ソフトバンク
421 0.667
(↓0.06)
0.5
(↑1)
29
(-)
17
(-)
7
(-)
1
(-)
0.234
(-)
2.290
(-)
2
(9↑)
ORIX
421 0.667
(↑0.394)
0.5
(↓4)
28
(-)
20
(-)
5
(-)
3
(-)
0.274
(-)
2.180
(-)
5
(7↑)
巨人
321 0.600
(↑0.433)
1
(↑5)
19
(-)
17
(-)
1
(-)
6
(-)
0.228
(-)
2.380
(-)
6
(-)
広島
220 0.500
(-)
1.5
(↑0.5)
10
(-)
15
(-)
2
(-)
2
(-)
0.185
(-)
3.710
(-)
6
(4↑)
ロッテ
331 0.500
(↑0.214)
1.5
(↑2)
29
(-)
25
(-)
3
(-)
8
(-)
0.240
(-)
3.540
(-)
8
(4↓)
楽天
230 0.400
(↓0.292)
2
(↓2.5)
18
(-)
20
(-)
0
(-)
2
(-)
0.230
(-)
3.980
(-)
8
(3↓)
DeNA
230 0.400
(↓0.215)
2
(↓1.5)
17
(-)
24
(-)
2
(-)
2
(-)
0.236
(-)
4.800
(-)
10
(4↓)
日本ハム
240 0.333
(↓0.167)
2.5
(↓0.5)
24
(-)
29
(-)
4
(-)
6
(-)
0.234
(-)
3.400
(-)
10
(2↓)
中日
240 0.333
(↓0.129)
2.5
(-)
12
(-)
42
(-)
1
(-)
4
(-)
0.199
(-)
6.580
(-)
12
(3↓)
ヤクルト
150 0.167
(↓0.166)
3.5
(↑0.5)
15
(-)
18
(-)
6
(-)
1
(-)
0.199
(-)
2.760
(-)