中日(★2対7☆)西武 =オープン戦1回戦(2021.03.09)・ナゴヤ球場=
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西武
30040000071101
中日
01010000021001
勝利投手:松本 直晃(1勝1敗0S)
敗戦投手:勝野 昌慶(0勝2敗0S)

本塁打
【西武】木村 文紀(1号・4回表ソロ)
【中日】高橋 周平(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆中日は、先発・勝野が4回10安打7失点と乱調で、首脳陣にアピールできず。対する西武は、先発・松本が5回8安打2失点と粘りの投球。開幕ローテーション入りを目指す両投手で、明暗が分かれる結果となった。

◆西武木村文紀外野手(32)が若手の壁となって立ちはだかった。中日戦の4回1死、高めの直球を左翼席へ運び、この試合2度目の猛攻を演出した。1回には満塁の絶好機で中前へ落とす2点適時打も打っていた。腰の張りから回復しチームに合流し、これでオープン戦3試合で打率4割4分4厘。「僕も若手に負けないように、年はいっていますけど、関係なしに若さ出していきたい」とフレッシュに言い切った。 日本人野手では栗山、中村に次ぐ年長で今年9月に33歳を迎える。毎年のようにレギュラー争いを強いられながら、右翼のメインを張る。この試合でも中日高橋周の右翼フェンス直撃の打球を強肩で一塁にとどめた。辻監督は「あいつには事あるごとに永久の若手だと俺は言ってるんだけど、そういう気持ちを持ってやってもらいたい」とハッパをかける。鈴木、岸、若林ら追い上げる若手から大きく抜けだした木村は「1年間ライトを守り続けたい」と若さと経験を発揮していく。

◆西武松本航投手が先発ローテーション入りに大きく前進した。 中日とのオープン戦に先発し5回8安打2失点の無四球投球。「前回の課題だったボール、ボールになってコースを狙い過ぎていたことに関しては、ある程度ゾーンで勝負できたのでよかった」と振り返った。6四死球と大乱調だった3日の前回登板から大きく改善。 辻発彦監督は「開幕も間近に残り少なくなってきたんだから、そこはしっかり調整して次投げるときにステップアップして、最後投げるときにステップアップしてくれれば」。順調にいけば、開幕2カード目となる日本ハム戦(30日、札幌ドーム)での先発が有力となる。

◆中日勝野昌慶投手(23)が炎上した。オープン戦2度目の先発マウンドに上がったが、初回3失点。一時は立ち直ったかに見えたが、4回1死から木村に左本塁打を許すと3連打などで4点を失った。結局4回10安打7失点で降板した。 登板を終えた勝野は「ストライクが取れなかった。変化球もダメで、真っすぐを投げて打たれた。良くない自分が全部出た。実力不足です」と肩を落とした。前回3日のソフトバンク戦では4回3安打3失点。開幕投手福谷、柳に続く開幕ローテーションの右の3番手を狙っていたが、大きく後退した。

◆中日勝野昌慶投手(23)が炎上した。オープン戦2度目の先発マウンドに上がり初回3失点。一時は立ち直ったかに見えたが、4回1死から木村に左本塁打を許すと3連打などで4点を失った。 結局4回10安打7失点で降板。前回3日のソフトバンク戦と合わせ、8回10失点で、5回からバトンを受けたブルペン陣5人での5回無失点とは対照的な結果になった。 登板を終えた勝野は「ストライクが取れなかった。変化球もダメで、真っすぐを投げて打たれた。良くない自分が全部出た。実力不足です」とがっくり。与田監督は今後の1軍帯同に関しては「そこまで明言できる話ではない」としたが、開幕投手の福谷、柳に次ぐ、開幕ローテ候補の先発右腕3番手から大きく後退した。 ローテ候補だった笠原、山本も結果を残せず2軍落ち。指揮官は「1、2軍と分かれているが大きな差として考えていない。2軍でいい投球をすれば、1軍昇格もある」と話した。松葉、小笠原、清水らが控えているが、福谷、大野雄、柳に続く開幕6本柱の決定にはまだ時間がかかりそうだ。

◆中日各選手のコメントは以下の通り。 ▽藤嶋健人投手(8回5番手登板で1回無安打無失点)「これまで先頭打者を出すことが多かったが、粘って投げられた」 ▽谷元圭介投手(今季1軍初登板で1回3奪三振無失点)「緊張したが、抑えられてホッとしている。球自体は悪くないし、制球もそこそこできている」 ▽鈴木博志投手(6回3番手登板で1回無失点に抑え、対外試合連続無失点を6試合に伸ばす)「(昨年から)フォーム(サイド気味に)を変えてやっているが、バランスも良く、抑え方が確立してきた」 ▽中日木下雄介投手(9回6番手登板で1回無失点でオープン戦3試合無失点を継続)「抑えることができたが、内容的には狙ったところに投げ切れていない。よりコントロールできるようにしたい」 ▽加藤匠馬捕手(2回にオープン戦初安打の左前適時打)「打つ方で結果が出たのは良かったが、勝野をうまくリードできなかった。まずは守備をしっかりしないといけない」 ▽高橋周平内野手(4回にチームオープン戦1号)「追い込まれている中でいい形で打てた」」 ▽ダヤン・ビシエド内野手(初回2死一塁で右翼フェンス直撃の二塁打)「打席での感覚もいいし、いいスイングができている」

◆西武の松本は5回8安打ながら、粘りの投球を見せて2失点でしのいだ。金子、森が各2安打と主力のバットが活発だった。中日の勝野は直球の威力がなく、4回7失点。救援の鈴木はこの日も1回無失点と好調を維持している。

◆西武・松本航投手(24)は5回8安打、2失点で勝ち投手となった。  「前回の反省がコースを狙いすぎたので、(きょうは)ある程度(ストライク)ゾーンで勝負できていたのでよかったと思います」。二回に3安打で1失点、四回には高橋周にソロ本塁打を浴びた。ただ、3日の日本ハム戦では制球に苦しみ6四死球で四回途中での交代となったが、この日は無四球と"前進"した。  辻監督は8安打を打たれたこともあり、「うーん、まだまだかな。いい球もあるけど、もう一つだなというところもある」と物足りなそう。それでも無四球だったことには「反省を生かしたし、そういう意味では段階を踏んでいってくれればいいかなと思います」と期待を寄せた。  順当にいけば開幕2カード目となる30日からの日本ハムとの2連戦(札幌ドーム)で初戦が濃厚。裏カードの頭を任せたいという思いについては「そうだね、もちろん」とうなずいた。

◆西武の木村が硬軟自在の打撃で、右翼の定位置確保をアピールした。一回2死満塁から勝野の変化球を中前に落とす2点適時打。四回1死では速球を豪快に捉えて左越えへのソロとした。オープン戦は9打数4安打と好調で「キャンプ、自主トレと振り込んできた結果が良い形で出ている」とうなずいた。  プロ15年目の32歳。強力打線の一角を担ってきたが、まだ規定打席到達はない。若手外野手の動きも目立つ中で「全試合に出続けることを目標に。1年間右翼を守りたい」と意気込んだ。

◆西武・木村文紀外野手(32)が1号ソロを含む3打数2安打3打点と活躍し、勝利に貢献した。  「しっかりと、うまく打つことができた感じです」  四回1死から勝野の138キロを軽々と左越えに運んだ。一回には2死満塁からスライダーを中前にはじき返す2点打。オープン戦は9打数4安打で存在感を放っている。  主力のスパンジェンバーグの来日が未定で外野の空いた1枠を狙い岸、鈴木、D4位・若林(駒大)らがアピール合戦を繰り広げている。15年目の32歳は「若手に負けないように、年齢はいっちゃっていますけど、関係なしに若さを出していきたいと思います」と危機感をもってプレーする。  辻監督は「あいつには、ことあるごとに"永久若手"と言っている。そういう気持ちを持って、やってもらいたい」とさらなる奮起を期待する。「全試合出続けることを目標に、一年間ライトを守りたい」と自身初の全試合出場を目標に掲げる木村。若手に譲る気はさらさら、ない。(湯浅大)

◆中日・勝野昌慶投手(23)が先発し、4回10安打7失点と炎上した。「ストライクも全然、取れなかったですし、変化球が駄目で真っすぐを打たれるという繰り返しだった。よくない自分が全て出てしまった感じです」。序盤からフォーク、スライダーなどが抜けるシーンが目立ち、制球に苦しんだ。  一回は2安打と四球で1死満塁のピンチを招き、栗山に右前への先制打、2死後には木村に中前にポトリと落ちる不運な2点打を許した。二、三回は無失点に切り抜けたものの、四回は1死後に7番・木村の左越えソロを浴び、この一発を含めた4連打と、2死後に森に許した左中間適時二塁打で4失点。直球を簡単にはじき返されてしまった。試合後は阿波野投手コーチに「7~9番に真っすぐを打たれていたら実力不足」と厳しい言葉もかけられたという。  「カーブが生命線だと思うので、ストライクゾーンに投げて勝負できるカウントを作ることがまず第一。ストレートも全然、スピードも切れもないので、そこを修正していかないといけない」  前回登板した3日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)では4回3安打3失点。本塁打2発による失点のみで、全体的には直球の強さなどに納得できるマウンドだったが、今回は山賊打線を相手にして苦しい結果。開幕ローテ入りを狙う右腕の表情は終始、さえなかった。

◆中日・谷元圭介投手(36)が七回に4番手として今季1軍初登板し、1回3奪三振無失点と好投した。  「緊張しましたけど、抑えられてホッとしています。ボール自体は悪くないし、コントロールもそこそこできていると思います」  試合は終盤も3番・森、4番・山川と続く好打順との対戦。森は2球で追い込みながら、粘ってフルカウントに持ち込まれた。だが、粘り負けせず、10球目に投じた外角へのフォークで見逃し三振に仕留めた。  続く山川も140キロ中盤の直球とカーブのコンビネーションで攻め、内角高めのカーブで空振り三振。最後の代打・熊代も直球で押し、高めの141キロでバットの空を切らせた。  右腕は「ランナーのいない場面で3ボール2ストライクまでいってしまったので、そのあたりを修正していきたい」と課題を口にしたが、与田監督は「初球からボールの勢いがあり、141キロ。素晴らしいボール。1球目からああいうボールが投げられるというのが、1軍経験のある投手だと思いますから、非常に安心した」と評価した。  昨季、守護神を務めたR・マルティネスはキューバ国内リーグに参加していたことで来日が遅れ、8日に練習に合流したばかり。開幕からプレーすることが厳しい状況の中で、ベテラン右腕への期待も高い。上々の滑り出しとなった。

◆中日は先発した勝野が4回7失点と炎上し、西武に敗戦。与田剛監督(55)の主な一問一答は下記の通り。  -高橋周に一発が出た  「だんだん感じがよくなってきていて、シングルヒットも当たりがよかった。力強さがすごく出ている」  -打線は10安打も得点につながらず  「初回の走塁もある程度、危ないと思っても走らせるようにしている。実際はストップをかけてもいいところだが、走塁に関してはどんどん、まずは行ってみよう。その中で少しずつ規制をかけていくようにしたい。そういったことがうまくできていけば得点にも絡めると思う」  -中継ぎでは鈴木が無失点を続けている  「初球の引っかけた球があり、博志の悪いクセが出るかと思った。このところ修正が早い。捕手も変化球を使ってストライクカウントを取ったり、その中で真っすぐを使ってみたりと工夫はできてきている」  -鈴木や藤嶋、木下雄がオープン戦では最後に投げている  「まだまだ競争という部分で見ていきたい。それぞれがキャンプで外国人選手のことは理解している。自分がそのポジションに入りたいという雰囲気は出ていた。これから競争してもらいたい」  -勝野は変化球が入らず真っすぐを打たれた  「その辺は課題。名護でも3回無失点だったが、内容はしっくりこない。ずっと続いているのは間違いない。結果をそういう風に判断しないといけない。なぜそうなっているか、本人から具体的な(修正)策を(考えてほしい)。コーチからもアドバイスはしているが、ゲームの中でやらないと、いつまでも同じようなコメントになる。そこは自分で新しい動きを出さないと何も変わらない」  -勝野は今後も1軍?  「それはここで明言できる話ではないので」  -谷元、山下、渡辺は一時的な合流?  「そうです。きょう、1、2軍で入れ替えというわけではなくて。でもどんどん、いま2軍にいる選手で使ってみたいという選手はこのような形で使えたらいいなと思っていますけど」

◆サイド気味のフォームに変えた中日の鈴木が練習試合から好調だ。オープン戦で3戦連続無失点と中継ぎ陣で存在感を示している。この日も丁寧に低めに集め、1回無失点。「どんどん振ってもらう意識。抑え方が確立できてきた」と明るい表情だった。  最速150キロ超えの右の本格派も期待に応えられずにいた。「前は上から投げて伸びる、空振りを取れるボールが格好いいというのもあった」と言う。だが、与田監督の助言もあり、思い切って腕を下げる決断をした。  守護神R・マルティネスは合流したばかりで開幕は不透明。抑え候補にも挙がる中、「まずは自分がやることがたくさんある。やっていく中で自分のポジションが決まれば良い」と謙虚に話した。

◆中日は初の開幕投手を務める福谷、エース大野雄、柳に次ぐ先発ローテーションが決まらない。与田監督は「2軍でいい投球ができれば1軍昇格というのはある」と底上げに期待した。教育リーグで登板している清水や小笠原、梅津ら若手にもチャンスがありそうだ。  2日のソフトバンク戦では笠原が二回途中まで6失点。この日も勝野が4回7失点と崩れ「(直球が走らない)原因が分からない」とうつむいた。

◆先発した中日・勝野は、4回10安打7失点と炎上。昨季4勝の3年目右腕だが、開幕ローテ入りに黄信号が灯った。  「ストライクも全然、取れなかったですし、変化球がダメで真っすぐを打たれるという繰り返し。よくない自分が全て出てしまった」  変化球の抜け球が多く制球に苦しんだ。一回に3点を失うと、四回は7番・木村の左越えソロを含めた4連打などで4失点。頼った直球も簡単にはじき返され、降板後には阿波野投手コーチから「7~9番に真っすぐを打たれていたら実力不足」と厳しい言葉もかけられたという。  修正能力に苦心する姿に与田監督も「ゲームの中でやらないといつまでも同じようなコメントになる。自分で新しい動きを出さないと何も変わらない」とバッサリ。今後の1軍での登板チャンスを明言しなかった。(須藤佳裕)

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