日本ハム(★2対7☆)巨人 =オープン戦1回戦(2021.03.06)・札幌ドーム=
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巨人
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日本ハム
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勝利投手:戸郷 翔征(1勝0敗0S)
(セーブ:畠 世周(0勝0敗1S))
敗戦投手:吉田 侑樹(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】野村 佑希(1号・6回裏ソロ)

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◆日本ハムは、野村が本塁打を含む2安打の活躍。開幕スタメンを目指す若手が、持ち前のパワーを存分に発揮した。対する巨人は、先発・戸郷が5回無失点5奪三振の好投。開幕ローテーション入りへ、順調な仕上がりを披露した。

◆日本ハム吉田輝星投手(20)が、5回途中で無念の降板となった。 1回、先頭の梶谷、2番松原を連続空振り三振。続く坂本は145キロの直球で中飛とし3者凡退。 2回先頭の岡本和を一飛としたが、連打を許し、1死一、三塁から吉川に中犠飛を打たれ先制点を献上。 3回は1死一、三塁と再びピンチを背負うが、坂本を130キロのフォークで空振り三振、岡本和を右飛に打ち取り無失点。4回は丸、ウィーラー、吉川を3者凡退とした。 5回に崩れた。炭谷、秋広に連打され、梶谷の放った投ゴロを焦って一塁へと悪送球し、無死満塁。松原に押し出し四球を与えたところでマウンドを降りた。 昨季9勝を挙げ、ブレークした巨人戸郷との投げ合いとなったが、5回まで3安打無失点の戸郷に対し、自身は6安打5失点。開幕ローテ入りを狙う右腕にとって後味の悪いマウンドとなった。降板後「立ち上がりは集中してゲームに入ることができたのでよかったです。4回、5回にもっと集中力を高めていかなければいけませんでした。今日の課題を次回登板に生かしていけるようにしたいです」とコメントした。

◆パワーの源は、自主トレで励んだ"縄跳び"にあり-。先輩たちに先駆けて、若い力が爆発した。3番に座った日本ハム野村佑希内野手(20)が、6日巨人とのオープン戦(札幌ドーム)で"チーム1号"となるソロ本塁打。6回、巨人の2番手、畠世周投手(26)の変化球を強振し、左中間席へアーチを架けた。4回にも二塁打を放つなど、魅力の長打をいかんなく発揮。2季連続の開幕スタメンへ、視界良好だ。日本ハム野村はニコリともせず、ダイヤモンドを一周した。6回の第3打席、1死走者なし。巨人のローテーション投手、畠の2球目、変化球を強振した。はじき返された打球は、ピンポン球のように最深部の左中間席へ。「変化球を狙っていたわけじゃないけど、高さで甘いところに来たら、思い切りいこうと。ああいうところに打てるということは、去年よりパワーがついたんじゃないかなと思う」と、無表情で喜びを口にした。 パワーの秘訣(ひけつ)は、オフに先輩の杉谷、清宮、郡と行った合同自主トレにある。重さの違う5種類の縄跳びを使って、1分飛んで30秒休むというのを繰り返した。最後は全員で1分間の大縄跳び。"縄跳びダンス"で昨年ブレークしたアイドル「NiziU」をもじったのか「『NiziUプロジェクト』っていうやつです」と野村。「肩、腕周りや体幹が鍛えられたんじゃないかなと思います」。話しは面白いのに、やっぱり無表情。それがまた、魅力でもある。 まだ、20歳。マウンドで火花を散らした吉田、巨人戸郷と2人の同級生に触発されたかのように、バットであふれる才能を見せつけた。「(戸郷は)同級生だし、活躍している。負けたくない気持ちもあったし、輝星(吉田)が投げていたので。輝星が『勝ちたい』と言っていたので、援護点じゃないけど、何か点が取れたらいいなと思って打席に入った」。先頭の4回にも左翼線へ二塁打を放ち、この日、2安打1打点。「ずっと(状態が)悪かった」という栗山監督の心配を吹き飛ばした。 2季連続、三塁で開幕スタメンを狙う若手の超有望株。それでも「毎打席が勝負。これから、どんどんアピールしていけたら」と慢心は一切なかった。【中島宙恵】

◆楽天からトレードで加入した日本ハム池田隆英投手(26)が、本拠地デビュー戦で2回無失点に抑えた。 6回から3番手でマウンドへ。炭谷を二飛、秋広を遊ゴロ、若林には左中間を破る二塁打を打たれたが、続く松原を二ゴロに抑え無失点。 7回は広岡を見逃し三振、岡本を右飛、陽岱鋼には四球を与えたが、続く代打大城を捕邪飛に封じた。 2回30球、1安打1奪三振無失点の好投だった。

◆巨人岡本和真内野手(24)が、"珍ファウル"を放った。3点リードの5回1死二、三塁。追い込まれてから粘った。 日本ハム福田の6球目の140キロ直球を打ち上げた打球は高々と三塁方向に舞い上がった。三飛と思われた打球は札幌ドームの天井に当たり、ファウルグラウンドにポトリと落ちる"大ファウル"。その後1球のファウルを挟み、8球目の141キロ直球を見送り、四球を選んだ。

◆巨人戸郷翔征投手が世代NO・1投手に成長した貫禄を示した。「同世代の顔」の日本ハム吉田が5回途中で降板したのを横目に、5回3安打5奪三振で無失点。勝ち投手の権利を得るまでマウンドを守り切った。吉田に投げ勝ったとも言えるが、満足感はない。1回の先頭打者に与えた四球を「1つミスをしたら致命的になってしまう」と反省した。 3年前からは想像もできない立ち位置を築いた。開幕2戦目の27日DeNA戦(東京ドーム)の先発を任されている戸郷だが、18年8月31日に行われた高校日本代表のメンバーに名前はなかった。吉田やロッテ藤原ら日本代表の壮行試合の相手を務めた、宮崎県選抜のマウンド。5回1/3を9奪三振と好投し、ドラフト6位でプロの世界に滑り込んだ。この日が、プロ3年目での"再会"。ローテ入りを目指す吉田の前で、調整段階ながら安定した投球を見せた。 オフから取り組むツーシームを駆使し、直球、スライダー、フォークでそれぞれ三振も奪った。ライバル相手の投球で「試合で投げられたので、1ついい段階が踏めた」と手応えを深めた。西武松坂らの「松坂世代」、楽天田中将らの「88年世代」のように好選手の多い「ミレニアム世代」。戸郷が、今季も先頭で引っ張っていく。【久永壮真】

◆日本ハム育成2年目の宮田輝星(ほくと)外野手が、打撃&走塁で猛アピールした。 6回に代走で途中出場すると、初球に二盗を決めた。「初球に走ることにこだわってきた」といきなり体現。9回の第1打席には、左打席で左前打を放った。「去年やってきたことを出そうと思った。(同じ育成2年目の)長谷川さんも頑張っていて、刺激になる。やるしかないです」と気合に満ちていた。

◆日本ハムドラフト6位今川優馬外野手(24=JFE東日本)が本拠地デビュー戦で苦汁をなめた。 7回に代打で途中出場。畠の150キロ直球に詰まり捕邪飛。9回左翼の守備では松原の打球に目測を誤り、二塁打にさせてしまった。「結果は出なかったですけど、前を向くしかないので、明日もまだチャンスがある。思い切ってプレーしたい」と力を込めた。

◆日本ハムのドラフト4位細川凌平内野手(18=智弁和歌山)の本拠地デビュー戦はほろ苦いものとなった。 途中出場して迎えた6回の打席では畠の直球に空振り三振。8回の打席では捕邪飛に打ち取られた。「自分の実力のなさを知れた」と悔しがりながらも「1打席1打席拍手もいただきましたし、温かいというか、もっと大観衆の中でプレーしたいなと気持ちが強くなった」と前を向いた。

◆楽天から日本ハムにトレード移籍した池田隆英投手が「緊張が10割」の本拠地初登板を果たした。 6回に3番手で登板。楽天時代に縁がなく、初の札幌ドームのマウンドで2回を投げ1安打無失点。最速151キロを計測するなど、あいさつ代わりの好投を披露した。「求められているのは(直球と変化球の)コンビネーション。そうやって打者を抑えていかないといけない」と見据えた。

◆巨人が、中盤に打者9人の猛攻で5点を追加した。 1-0の5回、先頭の炭谷から2連打と日本ハム先発吉田の失策で無死満塁とすると、2番に入った松原が押し出し四球を選び、吉田が降板。3番坂本、5番丸が犠飛を決め、6番ゼラス・ウィーラー外野手(34)がセンターへ2点適時二塁打を放った。 ウィーラーは「いい攻撃だね! グッドね! グッドね!! 効果的にチームで点がとれているなかで、いい方向にヒットが出てくれたね! 集中して打席にはいれているよ」と、連続攻撃にコメントも弾んだ。

◆4日に高校を卒業した巨人ドラフト5位の秋広優人内野手(18=二松学舎大付)がオープン戦初安打を放った。 5回無死二塁、日本ハムの吉田の直球を引っ張り右前に運んだ。球団高卒新人のオープン戦の安打は07年の坂本以来。憧れのエンゼルス大谷もプレーした札幌ドームで記録を刻み「1本出て安心しました。持ち味は出せたと思う」と笑顔を見せた。

◆巨人の戸郷は同じ20歳の吉田との投げ合いで貫禄の投球を披露した。昨季9勝を挙げてブレークした右腕。武器のフォークボールがさえて5回無失点と好投し「まだ調整段階だけど、5回まで行けたので一ついい段階を踏めたかな」と涼しい表情で振り返った。  四回には同い年の野村に内角速球を左翼線へ運ばれ二塁打とされた。同期2人との対決に「オープン戦ですけど、リーグが違うので戦えてうれしい」と刺激をもらった様子だった。

◆27日の開幕2戦目(対DeNA)の先発登板が内定している戸郷は5回3安打無失点。新球のツーシームは「あまりいい感触ではなかったが、試合で投げられたのでいい段階が踏めた」と汗を拭った。同じ高卒3年目の吉田との投げ合いに勝ち「(吉田は金足農高時代に)甲子園で準優勝。D1位でやっぱり意識する」。自身は宮崎・聖心ウルスラ学園高3年時は甲子園に出場できずにD6位で入団したが、意地を見せた。

◆3番の丸を5番に下げ、梶谷、坂本、丸、岡本の打順「カジサカマルオカ」を解体。2番には原監督が「一番、信頼できる」と評する松原を起用した。松原は4打数2安打1打点と期待に応え、チームは7得点。指揮官は「外国人(の来日)の計算が立たない。岡本の後ろに丸がいるのは大きい」と狙いを語った。7日は若林が「2番・二塁」で先発出場する予定。開幕まで試行錯誤を続ける。

◆身長2メートルを超える巨人の大型新人、ドラフト5位・秋広優人内野手(18)=二松学舎大付高=が「9番・一塁」で先発出場し、五回の第2打席でオープン戦初安打となる右前打を放った。  「ここ2試合は三振だけで思うような打席はあまりなかったので、1本出てほっとしました」  憧れの大谷(エンゼルス)が日本ハム時代に躍動した札幌ドームで、"本家"そっくりのフォームから快音を響かせた。無死二塁、2学年上の甲子園準V右腕・吉田が内角に投じた141キロの直球を右前へ。第1打席も含めてオープン戦は4打席全て三振だったが、ついに会心の当たりが飛び出した。  春季キャンプ中は、まだ高校生だった。4日に東京都内で行われた卒業式に出席。決意を新たにしてチームに戻った。キャンプイン時にはスーツの仕立てが間に合わず球団職員に借りたが、北海道入りした5日は新調した自前のスリーピースをパリッと着こなした。大人の階段を上った18歳が、グラウンドでも頼もしく輝いた。  「開幕1軍という目標に向けて、頑張って生き残れるようにアピールできれば」と秋広。開幕1軍を狙うが、原監督は先発起用しないなら2軍で実戦経験を積ませる方針だ。開幕スタメンとなれば、球団の高卒新人では1959年の王貞治以来、62年ぶりの快挙。スタメンか、2軍か。秋広が高いハードルに挑む。(谷川直之)

◆先発した日本ハム・吉田輝星投手(20)は、五回途中6安打5失点(自責4)で降板し、開幕ローテ入りへ課題を残した。  幼少期に憧れだった巨人相手に初のマウンド。 4回までは1失点に抑えたが、五回に捕まった。炭谷、秋広に連打を浴び、梶谷の投ゴロを悪送球し無死満塁のピンチを招くと松原に痛恨の押し出し四球を与えたところで、75球で降板。  初の開幕ローテ入りへ向け、同学年・戸郷との初の投げ合いに気合を入れて臨んだマウンドだったが、この日はアピールできなかった。

◆日本ハムの吉田は3年目で初の開幕ローテーション入りへアピールできなかった。先発でオープン戦に初登板し4回0/3を投げて6安打1四球で5失点。「圧倒的な投球を」と意気込んで臨んだが、本拠地のファンの前で踏ん張れず、降板後はベンチでぼうぜんとした表情だった。  一回は先頭打者から2者連続で空振り三振に仕留めるなど三者凡退に抑えた。だが、次第に制球の甘さが出て二回1死から連打を許し、犠飛で1点を先制された。  五回には先頭打者から連打され、暴投と自らの失策で無死満塁のピンチを招き、松原に押し出し四球を与えたところで交代を告げられた。同じ20歳の戸郷との投げ合いに「負けたくない」と話していた気合は空回りした。

◆日本ハムの野村が六回にオープン戦1号ソロを放った。1ボールで畠の高めの速球を豪快に振り抜き中越えへ運び「甘く入ってきたボールを一発で仕留めることができて良かった」とうなずいた。  プロ3年目で2年連続の開幕戦先発出場を狙う。四回には戸郷が初球に投じた低めの速球を捉えて左翼線二塁打。積極性が実り「いい形でバットが振れているので継続していけるようにしたい」と話した。

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