中日(☆2対1★)楽天 =オープン戦1回戦(2021.03.06)・バンテリンドーム=
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楽天
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中日
00000200X2500
勝利投手:三ツ間 卓也(1勝0敗0S)
(セーブ:木下 雄介(0勝0敗1S))
敗戦投手:田中 将大(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆中日は、開幕ローテーション候補の柳が先発。要所を締める投球で、5回を1失点に抑えた。一方の楽天は、先発・涌井が3回無失点、2番手・田中将は4回2失点6奪三振。それぞれ順調な調整ぶりを披露した。

◆楽天田中将大投手(32)が2番手で今季3度目の実戦登板に臨み、予定の4回を投げ3安打6奪三振1四球、2失点とした。 日本での有観客試合での登板は2013年11月3日、日本シリーズ第7戦の巨人戦以来2680日ぶり。 先発の涌井に代わり「ピッチャー田中」とコールされると場内から拍手が起こった。5、6回には「ももいろクローバーZ」の楽曲が流れるサプライズもあった。

◆中日と楽天のオープン戦。先発は中日が柳、楽天は開幕投手の涌井。田中将が2番手で登板し4回2失点だった。

◆中日先発の柳裕也投手が5回4安打1失点。オフの自主トレでエース道を教わった横浜高の先輩涌井との投げ合いで上々の結果。 「涌井さんに教えていただいたシンカーが有効でした」と新球の手応えも得た様子。候補の1人だった開幕投手は福谷に決まったが「いつか任せてもらえるように、という気持ちが強くなりました」と前を向いた。

◆原点を見つめ直した。楽天田中将大投手(32)が中日とのオープン戦で4回から2番手で今季3度目の登板。宝刀スプリットにとらわれず、スライダーを活用しながら、予定の4回を70球3安打6奪三振2失点とした。 キレが一段と増した。7回無死二塁。カウント1-2から中日根尾の足元に、133キロのスライダーをグッと沈ませ空振り三振。足を滑らせ、土に手をつかせた。続く武田も外角低めのスライダーで空振り三振。「ちょっと修正を加えて(三振を)とりにいった。そこは良かったです」。京田も三たび、内角スライダーで二ゴロに仕留め、好機をつぶした。 固定観念にとらわれない。6回。高橋周にカウント1-2からスプリットを中前適時打にされるなど、3連打で2失点後、捕手の太田とスプリットにこだわらない配球を話し合った。追い込んでから「(序盤は)曲がりがシャープじゃなかった」と力の入れ具合を変え、曲がり幅を小さく調整したスライダーを活用。「ちょっとタイトめに曲げにいったら、食いついてきて空振りがとれた」と打者を狙い通りに反応させた。 昨季、ヤンキースでシーズン初勝利を挙げた9月1日(日本時間2日)のレイズ戦。88球中42球(47・7%)でスライダーを利用した。「僕は元々、スライダー投手。他の球種が効果的になるように工夫しないといけない」。振り返れば、高校時代は代名詞。直球、スプリットに重点を置いた2月27日ヤクルト戦では42球中5球(11・9%)にとどめたスライダーが、この日は70球中23球(32・9%)と割合が増した 沖縄に比べ硬い、バンテリンドームのマウンドに、応援テーマが流れる日本での有観客試合。「まだ調整段階。どういうところであれ、どれだけ自分が適応、アジャストしていけるか」と、確認、修正のルーティンを繰り返す。次回登板は13日DeNA戦(静岡)。自身のシーズン初戦、27日日本ハム戦(楽天生命パーク)まで残り2戦で仕上げる。【桑原幹久】 ▽楽天石井GM兼監督(田中将に) 徐々にステップアップしている。メカニック的にもまだ完成型じゃない。もう少し完成度は高くなると思う。 ▽楽天小山投手コーチ(田中将に) 本人は『アメリカで投げている感じがまだちょっと抜けない。軸足に乗せてベッタリ踏み込みたいのが、若干強めに出てしまうと』。ただ70球も投げられているので、細かい修正だけだと思う。 ▽楽天太田(田中将と3度目のコンビを組み) 真っすぐとスプリットだけだと見極めもしやすいですが、スライダーがあると全然違いますね。 ▽中日与田監督(今季初の本拠地ゲームで田中将を打っての逆転勝ちに) (田中将は)こんなもんじゃない。半分も力を出してないんじゃないかなと思いますが、(本拠地)初戦を飾れてよかったと思います。

◆開幕投手の楽天涌井秀章投手(34)が制球面に課題を残した。 今季2度目の登板で、3回52球無失点も3四球。2回には1死から連続四球でピンチを招いた。「思ったより球数が多かった。思ったところにそんなに投げられなかったので、次に向けてのテーマになる」。石井GM兼監督は「順調には来ている。明日開幕ではないので。上積みはあると思う」と信頼を置いた。

◆中日のダヤン・ビシエド内野手(32)が田中将から左中間を破る二塁打を放った。打者8人が完璧に抑えられていた6回2死無走者の場面で初球146キロのストレートをたたいた。 昨年10月に左肩を脱臼して以来となる「復帰戦」でいきなり結果を出した。代走・岡林が起用され3打席で交代となったが、続く高橋周、平田の連続適時打を誘発。今季初の本拠地ゲームで逆転劇を演出した。 ビシエドは「4番指名打者」で先発出場。2回の第1打席では涌井から中前打を放つなど、不動の4番打者が健在をアピールした。

◆中日ダヤン・ビシエド内野手(31)が今季初の実戦で楽天田中将から二塁打を放ち、いきなり健在ぶりをアピールした。 「高めのストレートだったが、しっかりとらえられた」。6回2死に、初球146キロを振り抜くと打球は左中間を割った。 昨年10月に左肩を脱臼。長いリハビリを経て、キャンプは2軍調整を続けていた。「長い間、実戦から離れていて(打撃の)タイミング的にどうかなと思っていたが、終わってみればいい感じだった」。4番DHでスタメン出場。2回の第1打席では涌井から中前打。上出来すぎる復帰戦に安堵(あんど)の笑みを浮かべた。 しかも田中将から放った一撃は高橋周、平田の連続適時打を誘発。今季初の本拠地ゲームで逆転勝利も呼び込んだ。オープン戦初勝利でもあり「きょう勝ったことが一番良かった」と4番らしいコメントも帰ってきた。 復帰初戦から結果を残した「不動の4番」に与田監督も「ヒットが出たことで本人もよかっただろうけど、試合に違和感なく臨めたことがうれしいですね」と安心した様子だった。 ▽中日高橋周(6回、田中将から中前に同点適時打) スプリットです。打つべきボールではないのですが、追い込まれていたのでなんとか食らいついていきました。 ▽中日平田(田中将から勝ち越しの右二塁打)「ストレートも変化球もキレがすごかったし、安定感もすごかったです。(打ったのは)ストレート。うまく反応することができました。いいアピールになったと思います。 ▽中日三好(6回に代走起用され田中将から二盗敢行。リクエストを経て成功)「走ってみないとわからないので積極的に走りました。いいスタートがきれたと思います。自分ではセーフかなと思っていたので判定が変わってよかったです」 ▽中日根尾(9番左翼で先発も涌井、田中将の前に無安打)「球界でもトップレベルの投手はこういう投手なのだなと思いました。次は打てるように頑張ります」

◆楽天は開幕投手の涌井が制球に苦しみながらも3回無失点。田中将は多彩な球種を低めに集め、4回2失点で6三振を奪った。中日は先発枠入りが確実な柳が5回1失点。肩のけがから復帰のビシエドも2安打と、健在ぶりを示した。

◆楽天の開幕投手を務める涌井は3回無失点だった。一、二回と先頭打者を出塁させ、2安打3四球と苦しい内容になったが「走者を背負った投球もできた。試合で練習できたのは、今日に限ってはよかった」とベテランらしく泰然自若だった。  開幕戦の先発は西武、ロッテ時代を含めて通算10度目になる。直球が140キロ前後にとどまった球速にも「去年もこの時期はこのくらいだった。(調整法として)何をやればいいかは見えている」と自信をのぞかせた。

◆楽天・田中将大投手(32)は6日、オープン戦(バンテリンドーム)に復帰後初登板し、中日を相手に4回3安打2失点にまとめた。日本のファンの前で2680日ぶりにマウンドへ上がった右腕は、3度目の実戦に2番手で臨みスライダーを解禁。マウンドへの適応など課題は残したが、6三振を奪うなどシーズン開幕に向けて、また一つステップを踏んだ。 ■スライダー解禁4回6K2失点  敵も味方も関係なく、球場全体から拍手が湧き起こった。四回に「投手・田中」がコールされると小走りでマウンドへ。田中将が、2680日ぶりに日本のファンの前で腕を振った。  「自分にとっては刺激になり方が全然違う。ファンの方々の前でプレーするというのは、どれだけ幸せなことなのか。改めて感じました」  キャンプ期間中の練習試合は無観客で行われたため、これが楽天を日本一に導いた2013年11月3日以来の有観客試合。田中将自身、昨季はメジャーで無観客の中プレーをしており、観客がいる球場で投げるのは2年ぶりだった。4983人からの拍手に、マウンドで帽子をとって応えた。  2番手で登板。予定通りの4回を3安打2失点にまとめた。最速は149キロを計測。直球、スプリットが主体だった前回登板からスライダーを増やして6三振を奪い「打者の反応がよくなった。食いついてきて空振りが取れたので、そこはよかった」と手応えを得た。 その他の写真(2/2枚) ■開幕へまた一歩!課題はマウンドへの適応  開幕まで残すところ2週間。課題も明確に自覚する。六回には2死からビシエド、高橋周、平田の3連打で2点を失った。小山投手コーチは、7年間プレーしたメジャーの硬いマウンドとの違いにまだ完全には適応できていないことを指摘。「ゆったり踏み込みたいけれど、体が突っ込んでしまったりと感覚のずれもあるだろうと思う」と本人の苦悩を代弁した。  「満点とはいかないですけど、着実にいいステップを踏めている。次の登板までに課題をクリアにして、またさらにいい状態でマウンドに上がれるように調整したい」と田中将。次回は中6日で13日のDeNAとのオープン戦(静岡)に登板する予定。また一つ段階を上げ5イニング、約90球をめどにする。  先発を託されている開幕2戦目、27日の日本ハム戦(楽天生命パーク)へ視界は悪くない。地元仙台のファンを前に"満点"の投球を披露する。照準は、あくまでそこにある。(箭内桃子) ★敵地なのに...ももクロ流れた  中日側の粋な計らいで、敵地にもかかわらず田中将の登板時に"登場曲"が流れた。2イニング目の五回にマウンドへ上がる際には、2012年に使用していたアイドルグループ、ももいろクローバーZの「走れ!」が。六回には「ツヨクツヨク」が場内に響いた。球界でも随一の「モノノフ(ももクロファン)」として知られる田中将は「聞こえていましたよ」と笑顔だった。

◆中日のダヤン・ビシエド内野手(31)が「4番・DH」で実戦復帰する。  昨年10月28日の阪神戦(甲子園)での守備で一、二塁間の打球に飛び込んだ際に負傷。左肩の脱臼で戦線を離脱し、シーズン後もリハビリを行ってきた。患部については「状態はすごくいい。あとは実際に試合をやってみた中で。練習とは違うので、試合でどんな感じかな、というのはあるけど、不安はない」といい「打席に立たせてもらったり試合に出させてもらって、シーズンに向けて自分の打席での感覚、試合の感覚をつかんでいきたい」とテーマも掲げた。  復帰戦は1、2打席の起用となる見込み。試合前は打撃練習でバンテリンドームに快音を響かせたほかシートノックにも加わり、一塁のポジションで打球を受けた。

◆中日・柳裕也投手(26)が先発し、5回4安打1失点と粘投した。  「走者を出したところもありましたけど、うまく自分の粘り強さは出せたと思います」  三回に先頭・辰己に左翼フェンス直撃の二塁打を許し、2死後に浅村に7球粘られたすえに内角のシュートを詰まりながら中前に運ばれた。5回のうち3度、得点圏に走者を背負ったが、力のある直球に多彩な変化球を交えて的を絞らせず、失ったのはこの1点のみ。球数は96球を要したが、最少失点でしのいだ。  楽天の先発は、このオフにともに自主トレを行った横浜高の先輩・涌井。自身も昨季からシンカーを使っているが、昨季の自粛期間中には先輩からも教わった。その「速い。変化も一定じゃない」と驚く"涌井流シンカー"を今回の登板では併用しながら腕を振った。二回の浅村、小郷から奪った空振り三振の決め球としても選択。浅村に許した適時打もこの球種だったが「結果的にはベスト。浅村さんの技術に負けた感じですけど、ベストな選択だった。(全体的に)有効的に投げられたと思うので収穫」と納得の表情を浮かべた。  先輩に向けても「お世話になっていますし、連絡も頻繁にいただけるので、今日はオープン戦でしたけど、シーズンで活躍してまた恩返しできればいいかなと思います」と誓った。

◆中日は今季の"ホーム初戦"で勝利。与田剛監督(55)の主な一問一答は下記の通り。  --柳の投球は  「今日に関してはボールゾーンをうまく使えるか、というのがひとつの課題で見ていましたけど、浅村のところ(中前適時打)はフルカウントまでいって、もったいなかったなと思ったんですが、粘り強さ、しぶとさはすごく出た。死球も2つありましたけど、あそこも果敢にインコースを攻めていき、ピンチを招きましたけど、しのぎましたからね」  --5回で96球  「追い込んでからボールカウントが続いたり、球数が増える傾向はここ2年間あったので、そういうところで苦しまないように。彼も完投を願っている投手ですから、自分の力で何とか抑えていく。ボールカウントを少しずつ減らしていくのは課題。ファウルも打たれやすいところがあるので」  --ビシエドは結果も出た  「去年にケガをしたところ(左肩)を気にせずスイングできているのではないかな、と見ていた。ヒットが出たことは本人もよかったと思いますけど、試合に違和感なく臨めたことが一番、うれしい」  --守備出場のメドは  「きょうもシートノックに入って問題はなかったみたいですし、これから動きを少しずつ見ていきながらやっていきたい」  --機動力野球を掲げるなかで3盗塁  「選手がよく果敢に動いてくれた。成功したことはうれしいこと。キャンプから言ってきたように、たとえアウトになったとしても動きが出せたというのがすごくうれしい。これからもどんどんそういうことをやっていってほしい」  --田中将の投球は  「まだまだ力を持っている投手ですから、いろいろと試しながら投げている感じがしましたし、そのなかでしっかりと抑えてくるところがある。ウチも逆に抑えられないようにしないといけない。彼が本気モードで来たときに点が取れるような打線になっていかないといけないなと思います」

◆昨年10月に左肩を脱臼した中日のビシエドが、離脱後初めて試合に出場した。「4番・指名打者」で先発し、3打数2安打。ブランクを感じさせない活躍に「復帰戦にしてはいい感じで終わることができた」と満足げだった。  六回は高めに浮いた田中将の直球を捉え、二塁打。今後は打席に立って感覚を慣らしていくようで「シーズンに入ってからも、みんなで力を合わせて勝てるようにしたい」と願っていた。 与田監督(相手の田中将に)「半分も力を出していないような感覚で僕は見ていた。まだまだ力を持っている投手。いろいろ試しながら投げているようだった」 高橋周(六回に田中将から適時打)「追い込まれていたが、食らい付いていった。いいところに落ちた」 平田(六回に田中将から適時二塁打)「直球も変化球もすごかったし、安定感がすごかった。(六回は)うまく反応することができた」

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