ソフトバンク(☆4対1★)中日 =オープン戦2回戦(2021.03.03)・福岡PayPayドーム=
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中日
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ソフトバンク
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勝利投手:武田 翔太(1勝0敗0S)
(セーブ:泉 圭輔(0勝0敗1S))
敗戦投手:勝野 昌慶(0勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】上林 誠知(1号・2回裏2ラン),今宮 健太(1号・3回裏ソロ),真砂 勇介(1号・8回裏ソロ)

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◆ソフトバンクは、今宮と上林が一発を放つ活躍。開幕スタメンを狙う2人が、昨日に続いてバットで存在感を示した。対する中日は、2番手・岡野が2回無失点3奪三振と好投。2年目右腕が首脳陣へのアピールに成功した。

◆オープン戦から1軍復帰したソフトバンク今宮健太内野手が連日の活躍だ。 合流初戦の前日2日は2安打を放ち、この日は第2打席で勝野の直球を捉えて中堅越えのソロ本塁打を決めた。「インコース高めの真っすぐを体の回転でうまくスイングできました。1日1本をテーマに継続して結果を出していきたい」。 両ふくらはぎのコンディションも良好のようす。「まだまだ若い選手には負けません」と"絶口調"だった。

◆ソフトバンク上林誠知外野手(25)が、オープン戦1号となる決勝2ランを放った。宮崎キャンプからの実戦は全10試合連続安打で、打率は驚異の6割超え。ここ2年続けてシーズン打率1割台と苦しんだ男が、開幕右翼取りへ猛アピールを続けている。 2回2死二塁。中日勝野の内角高め直球に反応し、右翼席まで運んだ。「インコースを打てたのは練習の成果。インコースは悪い癖が出るとファウルになる。うまく肘をたためてスイングできた。しっかり内側から出せていたので、フェアに飛んでくれた。素直にうれしかった」。レベルアップの手応えを感じる一打に笑みがこぼれた。 21年の実戦成績は23打数14安打で、打率6割9厘はチームトップ。紅白戦に続く2本塁打もチーム最多だ。「自分は長打も持ち味だと思う。何かひとつにこだわらずに、すべてで高みを目指している」。外野争いは栗原や佐藤直、柳町ら若手を中心に、熾烈(しれつ)を極める。だが上林は「変な気負いなくできている。雑念が入ったら負け。毎日同じ気持ちでやることが結果につながる」と、自身のプレーに集中している。 かつて自主トレで師事し、ヤクルトに移籍した内川もこの日、巨人戦でオープン戦1号の本塁打を放った。「39歳ですか。負けてられないですね。シーズンが終わって、いい報告ができるようにしたい」と笑った。21年は上林にとってどんな1年になるのか。秋の姿が楽しみだ。【山本大地】 ▽ソフトバンク二保(先発候補は2番手で3回1失点)「いいボールと悪いボールがハッキリしていた。結果を出していくしかないので、悔いのないよう全力でやっていきたい」 ▽ソフトバンク真砂(途中出場で8回に右翼テラス席へ1号ソロ)「打ったのは外角低めの真っすぐ。追い込まれていましたが、逆方向を意識して食らいついていきました。外野争いが熾烈(しれつ)なので、割って入れるように結果を出していきたい」

◆ソフトバンク育成2年目左腕の大関友久投手が、オープン戦初登板で好投した。 3番手で8回に登板し、2三振を含む3人斬り。目指す支配下登録をアピールした。「ホッとしています。これを続けていくことが大事なので、あまり1日の結果に入りすぎないようにしたい」。 工藤監督は「評価していますよ。いいアピールをしてくれることが先につながる。1球1球を大事にしてほしい」と期待を込めた。

◆「桃の節句」なのに、もう桜の開花宣言といっていいソフトバンク投手陣の奮投ぶりである。 エース千賀、東浜の故障に加え新外国人レイ、マルティネスの来日が遅れ開幕ローテが不安視されていた。だが、オープン戦初戦から「候補者」が次々に快投を演じ、そんな不安も杞憂(きゆう)に終わりそうな気配だ。 2日のゲームでは、先発笠谷が4回無安打、続く杉山が3回1安打でともに無失点投球。きっちり結果を残せば、この日は先発武田が自慢のカーブを駆使してこれまた4回1安打無失点の好投。石川、和田、高橋礼に続く残り「3枠」の先発入りに向けて最高の滑り出しを見せた。さらに二保、大竹とまだまだ候補はいる。与田中日との2戦だけで判断するのは早計かもしれないが、やはり投手層の厚さは12球団トップクラスだろう。抑えの森を筆頭にブルペン陣は安定しているだけに、離脱者のリカバリーに大きな光が差した感じだ。ファームでは千賀が柳田とシート打撃で対戦。この時期に実戦形式の調整を行っているだけに、両者の復帰もそう遠くはない。柳田に関しては、関東遠征後にもチーム合流を予定しており、今宮の復帰もあって投打ともにようやく「開幕」の骨格が見えてきた。そうなると、少しばかり不満に感じるのは若手の奮起が足りないことだ。キャンプA組から引き続きオープン戦参加しているリチャード、柳町、佐藤直らにギラつくような闘争心を見せてもらいたいのだが...。1戦1戦、1打席1打席がふるい落としの試験なのだ。「桃栗3年、柿8年...」というが、プロ選手にはそんなに悠長な成育時間はない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆中日岡林勇希外野手(19)が、パンチ力と快足で開幕1軍生き残りをアピールした。 5回2死の第2打席で、二保から右中間を破る会心の長打をマーク。自慢の快足を飛ばし、余裕で三塁に到達した。 「カーブ2球のあと、速い球に差し込まれないようにと、高めをうまくかぶせられた。立浪さんと(腰を)浮かせずに打つことをしっかり練習してきて、低いライナーのヒットにつながった」 キャンプではOBの立浪和義臨時コーチ(51)に徹底指導を受けた。抜群の打撃センスを伸ばすために、連続ティー打撃で連日下半身を強化。実戦で結果につながったことを喜んだ。 2月13日に対外試合初戦のDeNA戦で3打数2安打と大暴れしたが、その後息切れ。8試合、打率2割7厘でキャンプを終えた。「今の立場ならギリギリのライン。キャンプ1軍は完走できたので、次の目標の開幕1軍」と目をぎらつかせた。 1学年上の根尾が打撃好調で、遊撃と左翼で併用されている。「根尾さんの方がアピールできている。尊敬しているが、ライバルという部分もあります」。立浪塾生同士の開幕左翼争いが、名古屋に戻ってヒートアップする。【伊東大介】 ▽中日与田監督「(岡林は)しっかりとはじき返し、打球速度も速い。期待できる。明日から郡司、笠原、伊藤を2軍に行かせる。(現時点では)2軍からは選手は呼ばない」 ▽中日阿部(6回に適時二塁打)「1本出て良かった。(一塁走者の高橋)周平がよく走ってくれた」 ▽中日滝野(7回に対外試合初安打の二塁打)「ラストチャンスのつもりで試合に臨んだ。打てて良かった」 ▽中日勝野(4回を投げ2被弾3失点)「真っすぐの強さが出ていたので良かった。反省は(本塁打を打たれた)2球。交流戦でも戦うので、頭に入れておかないといけない」 ▽中日又吉(1回ピシャリの2奪三振)「直球でファウルを取れたので、強い直球を投げられている。ボールが先行したのが反省です」

◆開幕ローテを狙う2年目の中日岡野祐一郎が5回から2番手登板し、2回をパーフェクトに抑えた。「自分は普通の投手。すごい球は何もないので、(相手の)タイミングを外すために変えた」とキャンプで取り組んだ新フォームを結果につなげた。 「1年間1軍で活躍する」。昨季11試合登板に終わった雪辱を誓った。

◆ソフトバンク・工藤公康監督(57)が試合前に取材に応じ、2日に1軍復帰した今宮健太内野手(29)の状態について説明した。  「問題ないと報告を受けています。きょう(3日)も出ます。2打席、3イニングから4イニングくらいです」  今宮は両ふくらはぎのコンディション不良の影響で、キャンプではリハビリ組での調整を強いられたが、1軍復帰した2日の中日戦で即2安打と躍動。「改めて野球は楽しい」と喜びをかみしめていた。この日も試合前からフリー打撃や守備練習に汗。スピード感あふれる動きが戻ってきた。  今後の注意点について工藤監督は「試合なので、どうしても瞬間的にパッと動いてしまうところがある。基本的にはヘッド(小久保ヘッドコーチ)が本人と話をした上で、打席数やイニングを徐々に増やしていくと聞いています」とした。9年連続の開幕スタメンへ、一歩ずつ段階を踏む。

◆ソフトバンク・今宮健太内野手(29)が「2番・遊撃」で先発出場し、三回2死、バックスクリーン左へオープン戦1号を放った。  「インコース高めの真っすぐを体の回転でうまくスイングできました。キャンプでは、ふくらはぎのコンディション不良で出遅れましたが、昨日から合流し、いい状態でスイングできています。一日一本をテーマに継続して結果を出していきたいです。まだまだ若い選手には負けません」  勝野の直球を、全身を使って強振した。打球はぎりぎりフェンスを越えるソロアーチ。拍手の中でダイヤモンドを回り、笑顔でナインとハイタッチだ。  今宮は今春キャンプの第1クールに両ふくらはぎのコンディション不良を訴えてリハビリ組へ。前日2日に1軍合流したばかりで、この日の試合前に工藤監督は「問題ないと報告を受けています」と話していた。状態に不安がないことを結果で示してみせた。

◆ソフトバンク・武田翔太投手(27)が先発し、4回1安打無失点と好投した。  「カーブがよかったかなと思います。ストライクがほしいときにカウントを取れたり。曲がりもよくなっているので、続けていきたいです」  一回先頭、根尾をカーブで見逃し三振。二回まで打者6人を完璧に斬った。三回2死一塁からは根尾の投ゴロを一塁に悪送球(武田の失策)。2死二、三塁のピンチを迎えるが、最後は京田を投ゴロに仕留めた。4三振の決め球は全てカーブと、4回1安打の貫禄の投球だ。  2月25日のロッテとの練習試合(アイビースタジアム)では「自分の生命線」だと強調したカーブを生かして3回無失点。結果を残してアピールしていた。2試合連続でゼロを並べ続け「(開幕ローテを)狙っていく立場なので、しっかりアピールしていけたら」と意気込んだ。

◆絶好調のソフトバンクの上林が二回に先制2ランを放った。内角高めの速球に「うまく肘をたためてスイングできた」と対応し、右翼席へ高々と運んだ。左膝の無駄な動きを減らす取り組みが功を奏しており「下半身の使い方が変わってきている」と手応えを口にした。  これで紅白戦3試合、練習試合5試合を含め"10試合連続安打"を記録。外野の定位置奪取へ「キャンプでしっかり振り込んできたので、自信を持って一打席一打席集中して結果を出していくだけ」と気を引き締めた。

◆ソフトバンクの育成左腕、大関が八回に登板し、無安打無失点2奪三振と猛アピールした。ペイペイドームで初めての実戦マウンドに緊張したと言うが、桂は高めの速球で、根尾はスライダーでともに空振り三振を奪う。「結果を出し続けることに意味がある」と支配下登録へ意欲を燃やした。  茨城・土浦湖北高-仙台大を経て昨年育成ドラフト2位で入団。キャンプ終盤に主力がいるA組に昇格し、これで対外試合3戦連続無失点と、左の中継ぎ候補に食い込んでいる。工藤監督は「強い気持ちでやってくれれば彼の未来が開けると信じている」と期待した。

◆剛速球は必要ない。力感のないフォームがソフトバンク・武田の新しいスタイルだ。中日戦に先発。2年ぶりの開幕ローテ入りへ、4回無失点の好投を見せた。  「(スピードガンで)ギャップをつけながら、150キロが出ればベストかなと。カーブも生きるので」  三回2死二、三塁でも、最後は京田を投ゴロに仕留めた。最速は145キロだったが4奪三振の決め球は全てカーブと、直球の見せ方が光った。  今オフに球威増を目指して肉体強化に挑んだが春季キャンプでは「うまくいかないなと」と壁にぶつかった。直球を速く見せようと、頼ったのが和田だ。積極的に質問を重ね「フォーム以外も含め、できるだけ力が抜けるように」と、マウンドの上で助言を結果に変えた。  「狙っていかないといけない立場。アピールしていきたいです」  今は結果だけを求めて、武田らしく腕を振る。(竹村岳)

◆中日はソフトバンクに敗戦。与田剛監督(55)の主な一問一答は下記の通り。  --先発の勝野はいいところと悪いところが出た  「全体的には球の暴れ方というのは非常に少なかったと思います。甘いところを仕留める能力がソフトバンク(の打者)は高い。見逃してくれなかったというのはありますけど、課題のコントロールという部分でいえば徐々によくなってきているかなと思います」  --岡野は制球よく、ボールも操れていた  「投球フォームで新しく取り組んでいる部分が、いまのところいい状態になっていると思う。結果を出すためにいろんなものに取り組んでいくというのが大事なので、いい方向にきているかなと思います」  --この2人は次もチャンスがある?  「もちろん、もちろん。橋本もきょうも投げさせましたし、一回ぽっきりでどうこうというわけでもないですけど、全体的なものを見て、いま1軍にいた方がいいのか、2軍でしっかりとやった方がいいのか。まだまだ開幕していないわけで、これでメンバーが決まったわけではないので、いまのうちにファームに行かせておいた方が(いい)という判断もいろいろとある。そういう意味ではこれからもいろいろと入れ替えると思います」  --福岡遠征が開幕メンバー絞り込みのひとつの目安と話していたが  「郡司と笠原と伊藤。この3人はあした(4日)休ませて、あさってから2軍に行く。出場機会が減ってくるので。まだ(開幕メンバーは)確定ではないですけど、現状は向こう(2軍)で」  --根尾、岡林、三好らはさらに競わせる  「今年、取り組んでいる機動力を使うという部分で、そこにたけている選手たちは何とか長めに引っ張って、誰が走れるのか、そういったところは見極めていこうかなと思います」

◆中日・勝野昌慶投手(23)が先発し、4回3安打3失点だった。  「この前、名護で投げたとき(2月21日、日本ハム戦)よりも真っすぐの強さが出ていたので、そこはよかったと思っています」  二回2死二塁で上林に右翼への先制2ラン、三回は2死走者なしで今宮に中越えのソロを浴びた。とらえられたのはどちらも高めに浮いた直球。力みによる制球ミスなどで被弾した2球に悔いが残るものの、直球で差し込み、変化球ではカウントを取れるなど、全体的には手応えが残った。  「自分の中で力の出し方、伝え方が合っていないというか、タイミングが合っていない感じだった」  5回5失点(自責2)だった2月21日の日本ハム戦で直球が走らない課題を感じていた。沖縄・北谷でのキャンプ最終クールでは周囲に助言をもらいながら試行錯誤し、これまでは左足を上げてから少しためをつくる2段モーションだったが、すんなりと足を上げて踏み出すフォームに変更。直球のスピードや強さを取り戻し、今回の登板でも自信を深めた。  「(球の)強さが出てきたな、と思ってからまだ日にちも経っていないので、この感じで投げ続けて、試合で投げさせてもらえればどんどん強さは出てくるんじゃないかなと思います」  開幕ローテ4番手以降の争い真っただ中。与田監督も「全体的には球の暴れ方というのは非常に少なかったと思います。甘いところを仕留める能力がソフトバンクは高い。見逃してくれなかったというのはありますけど、課題のコントロールという部分でいえば徐々に良くなってきているかなと思います」とうなずいた。

◆先発枠を争う中日の岡野は2回無失点。真っすぐの制球が良く、変化球も低めに決まり「カーブでカウントを稼いで、フォークで空振りが取れた。けっこう自分の思っているように進んだ」と喜んだ。  五回は前の打席で本塁打を放っていた上林、続く柳町を連続三振に仕留めた。「まずは開幕ローテーションへ、しっかり結果を残さないと落とされる立場」と口元を引き締める。プロ2年目ながら既に26歳で、今年は左足を伸ばしながらゆっくりと踏み出すフォームに変更。「ボール以外にも変化を持たせないと通用しない。今年はそういうところを求めていきたい」と今季にかける決意がのぞいた。

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