ソフトバンク(☆14対2★)中日 =オープン戦1回戦(2021.03.02)・福岡PayPayドーム=
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中日
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ソフトバンク
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勝利投手:笠谷 俊介(1勝0敗0S)
敗戦投手:笠原 祥太郎(0勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】海野 隆司(1号・8回裏2ラン)

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◆ソフトバンクは、先発・笠谷が4回無失点。2番手・杉山も3回無失点と、それぞれ安定したピッチングを見せた。一方の中日は、3年目の根尾が8番・レフトでスタメン出場。8回表に2点適時打を放ち、バットで結果を残した。

◆中日は3年ぶりにオープン戦で対戦したソフトバンクに13安打14失点を喫して大敗した。 先発笠原、2番手橋本が3回までに12失点。4失策もからみ、4年連続日本一軍団にワンサイドにされた。与田監督は「(ソフトバンクは)野手も投手に的確な指示を出していた。いいものは吸収したい。今日の反省を踏まえて同じことをやらないことが大事」と切り替えていた。

◆打撃好調の中日根尾昂内野手(20)が、ワンサイドで大敗したソフトバンク戦で一際の存在感を放った。 12点ビハインドでも集中力は全く切れない。8回1死二、三塁。3番手川原の初球を見逃さなかった。外角低めの149キロの直球を強振。打球は三遊間を破り、チーム初得点を刻んだ。 「(川原さんは)全然打っていないはず。めっちゃ覚えてますもん。三振しているイメージしかない。僕の前の加藤さんが粘っていたので、僕のときは甘く入るかなと。ラッキーと思いながら打席を待っていました」。昨季まで2軍で川原には4打席4三振。天敵攻略で、成長を見せつけた。 遊撃1本を宣言し、沖縄キャンプで京田に挑戦。OB立浪臨時コーチの打撃指導を吸収し、2月の対外試合は8試合で打率3割4分8厘の好成績を残した。首脳陣は出場機会を増やそうと、2月28日に左翼守備を指令。そしてこの日、今年初の左翼スタメンで2度の守備機会も無難にこなし、攻守で期待に応えた。 「出場機会をもらえているので、アピールするだけ。ダメだったら終わり。あと1カ月開幕まであるが、変えずにやりたい。もっと打ちたい。物足りない」。遊撃との併用でも、貪欲にチャンスに食らいつく。 与田監督も高評価だ。「見事。相手投手の心理も含め、いろいろ考えて打席に入っていた。チャンスで初球で仕留めるのはウチがやりたいこと。すごく良かった。どんどん使う」。プロ2年間で1軍2安打だった根尾はもういない。初の開幕1軍、一気のスタメンも見えてきた。【伊東大介】 ▽中日大島(6回にチーム初安打となる左前打)「まだまだです。しっかりと状態を上げられるように準備します」 ▽中日武田(8回に川原からチーム2本目の中前打)「結果にこだわって、ヒットが打てるように準備していきたい」 ▽中日笠原(2回途中4安打5四死球6失点で降板)「自分の投球をすることができませんでした。(2イニングとも)先頭打者を出して、慌ててしまった」 ▽中日清水(3番手で3者連続三振を含む2回無安打無失点)「目の前の打者を抑えることに集中して投げた。自分のエラーや四球で流れを悪くしたことが反省です」 ▽中日木下雄(4番手で1回を1安打無失点)「0で帰ってくるという結果を求めて投球しました」 ▽中日祖父江(今年の1軍初登板で1回無失点)「緊張したけど、キャンプでやってきたことが少しは出せた。継続して成長したい」

◆ソフトバンク・今宮健太内野手(29)が2日、1軍に合流した。両ふくらはぎのコンディション不良でキャンプは主にリハビリ組での調整だったが、工藤公康監督(57)は期待を込めた。  「B組の方では、特守をしたりとか。アップも入ったり、シート打撃もしていたので。できるということで。『順調なんだね』と。『問題ない、しっかりやります』ということだったので」  チームリーダーが帰ってきた。昨年は左ヒラメ筋損傷の影響で43試合出場に終わり、もう一度遊撃の定位置を取り戻すと自主トレから意気込んできた。開幕に向けて、競争を熱くしていくつもりだ。  またグラシアルもチームに合流。14日に来日し隔離期間を終了した。指揮官は「こちらとしては開幕にという話はしています。本人も合わせられるようにといっていますので」と見通しを明かした。

◆ソフトバンク・笠谷俊介投手(23)が先発して4回無安打無失点と結果を残した。  「結果はよかったですけど。満足せずに、悪いところもあったので」  一回先頭、通算1588安打のヒットマン・大島を148キロ直球で空振り三振。一、二回と打者6人で仕留めた。三回1死から根尾に四球も、後続に安打は許さず。四回はわずか10球で3者凡退だ。力強い直球に加え、変化球の精度も光り「低めに投げて空振りも取れていたので。自信を持って投げられるように頑張ります」と力を込めた。  開幕投手の石川に、和田と高橋礼がすでに開幕ローテ入りを決定的としている。残りの3枠争いに向けて猛アピールした。

◆先発枠入りを目指す3年目の杉山が2番手で投げ、3回1安打無失点と安定感を示した。先発した2月23日の西武との練習試合は3回で4四死球と苦しんだが、今回は無四球とし「アピールがまだまだ足りていなかったので結果としては良かった」とはにかんだ。  1月の自主トレーニングで師事した千賀に教わったカットボールを有効に使い、投球の幅を広げている。五回には自己最速に並ぶ157キロをマークし、剛腕ぶりも健在だが「正直57はもう見飽きた。160キロという目標があるので早くそこに」とこだわりの大台を見据えた。

◆ソフトバンクの今宮が、今季初の対外試合で2安打を放った。両ふくらはぎのコンディション不良でキャンプ3日目に主力のA組を離脱し、若手中心のB組で調整を続けた。それでも結果を出し「今年は結果にこだわっていくと言っていたので、初戦からいい形で入れた」とうなずいた。  二回の第2打席は、高めに入ってきた球を逃さず左前へ。三回は、直球を再び左前へはじき返した。キャンプ中の打撃練習から手応えを感じていたといい「状態が良くいい感じで打てた。(ふくらはぎは)今のところ大丈夫」と話した。

◆1日1000スイングをかけ声に、キャンプで打撃強化に励んだソフトバンク打線が、成果を発揮した。中日投手陣に襲いかかり13安打、14得点。2点三塁打を含む3安打の上林は「キャンプ、練習試合と非常に良い状態が続いている。ドームでも違和感なく試合に入れた」と満足げだった。  二回に一塁への内野安打を放つと、三回には内角球を捉えフェンス直撃の右越え三塁打。六回の第4打席は右前へはじき返した。2月は紅白戦3試合、練習試合5試合全てで安打を放っており「途切れることがないように、これからも自分のバッティングをしていきたい」と力強かった。

◆現状に納得できているから、心からの本音だ。1軍に合流したソフトバンク・今宮健太内野手(29)が2日、オープン戦初戦となった中日戦(ペイペイドーム)でいきなり2安打。ファンに元気な姿を見せ、野球の楽しさを思い出した。 ■2番・遊撃で元気な姿見せた  「ゲーム自体がオフを含めて、半年ぶり。違う緊張もしました。野球は楽しいなと、改めて思った1日でした」  春季キャンプを終え、合流即「2番・遊撃」で出場。二回無死一、二塁では三遊間を破る左前打。三回1死でも左前打を放ち、代走・川瀬を送られて役目を終えた。有観客がスタートし、駆け付けた3895人のファンへ、あいさつ代わりの2安打2得点だ。 ■故障続き...17年が最後の規定打席到達  故障が続き、規定打席に到達したのは2017年が最後。昨年も左ヒラメ筋損傷の影響で43試合出場に終わった。その中で「野球が楽しい」と思えたことこそ、体に不安がない証。遊撃で打球処理がなかったことにも「飛んできたらよかった」と内野ゴロを欲しがるほどだ。 ■9年連続開幕スタメンへ  今春キャンプの第1クールに両ふくらはぎのコンディション不良を訴えてリハビリ組へ。慎重に段階を踏んできた。工藤監督も「あしたの状態を確認して、問題なければイニングを少しずつ伸ばしていく」とうなずく。柳田がまだリハビリ調整中だが、頼れる柱が1本、戻ってきた。  「時間をいただいたので。開幕でショートを守れるように」と今宮。9年連続の開幕スタメンへ。かみしめた楽しさを、ずっとずっと忘れない。(竹村岳)

◆中日・笠原祥太郎投手(25)が先発し、1回1/3を投げて4安打5四死球6失点と崩れた。  一回は1安打と2四球で満塁のピンチを招くと、5番・川島に左前への先制打を浴び、続く松田には押し出し死球と失点を重ねた。 「自分の投球をすることができませんでした。先頭打者を出して慌ててしまった」。立て直したい二回も2安打と1四球で満塁を背負い、1死後に4番・長谷川に四球を与えて3点目を献上。自滅するような内容に耐えかねた与田監督に、ここで交代を告げられた。  先発陣では大野雄、柳、福谷が開幕投手候補に挙がり、4番手以降のイスを争っている状況。その1枠を奪いたい左腕だったが、苦しい投球となってしまった。

◆中日はソフトバンクに大敗。与田剛監督(54)の主な一問一答は下記の通り。--笠原が苦しんだ  「1回1/3で四死球が5つか。もうゲームが壊れてしまった。当然、ストライクが入らないと試合にもならないし、うまく緩急を使ってみるとか球種を試してみて調子を戻すとか、そういう余裕もなかったと思う」  --2番手・橋本も難しい場面から  「こういうゲームになったときでも流れをいい流れにしないといけない。引き継いだ流れが悪いから自分も一緒にダメだということではよくない」  --清水は真っすぐもよかった  「先頭打者はああいう形(投ゴロを悪送球で出塁させる)になりましたけど、得意の落ち球が非常に効果的に使えた。真っすぐがよかったからこそ、あとはほとんどストライクゾーンだったと思いますけど、そういうところに落ち球も制球できたと思います」  --根尾が2点打。初球を仕留めた  「見事でしたね。最初から引っ張ろうという意識がないように感じましたけど、ああいうチャンスで、まして初球をしっかりと仕留めるというのは、ウチがやりたいことなのですごくよかったと思います」  --今後も左翼で起用?  「いろいろ。固定ということはないので。いつも言うように彼は器用だからいろんなポジションで対応してくれるんじゃないかなと。きょうはポジションが変わっても打撃でいいところが出せたのでよかったかなと思います」  --対戦してホークスの印象は  「甘い球を仕留める力も、追い込まれてからしっかりとセンター方向への意識というのも感じましたし、野手も1球1球、的確な指示を投手にも出す。それはウチも、声を出すというのは技術とはちがうので、そういったところからしっかりとやっていかないといけない。それは言い続けていることなので、なんとかそういうところ、いいものはきちんと吸収できるようにしていきたいなと思います」

◆開幕ローテーション入りを目指す中日の清水は、三回までに2投手が計12失点した後を受けての登板。それでも「目の前の打者を抑えることに集中して投げた」と2回を無安打無失点と落ち着いてさばいた。  四回は先頭打者、周東のゴロを捕球しながら悪送球で二塁まで進めてしまう。そこから低めへのスプリットがさえ、3連続三振を奪った。与田監督は「真っすぐがよかったからこそ、落ち球が非常に効果的に使えた」と高く評価した。

◆中日・根尾昂内野手(20)が2日、ソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)に「8番・左翼」で出場し、1安打2打点と気を吐いた。 ■苦手・川原からタイムリー  「全然、打っていないはず。めっちゃ覚えてますもん、三振しているイメージしかないので...」  0-12の大敗ムードで迎えた第3打席は、1死二、三塁のチャンスだった。マウンド上の川原には過去2年間、2軍での対戦で4打席4三振。苦手な左腕だが初球149キロ直球を振り抜き、三遊間を破った。チームで唯一の打点となるオープン戦初安打。打撃力の進化を示し続けるなか、日本一軍団を相手にしての一打はさらに箔がつく。 ■初の左翼、無難にこなした  守備では遊撃での勝負を掲げてきたなか、初めて左翼を守り、無難にこなした。与田監督も「ポジションが変わっても打撃でいいところが出せたのでよかった」と、環境の変化にうまく対応できる点を高く評価した。  「打席、チャンスをくださるという話をしてもらっているので、しっかりとそのチャンスをモノにできるように、ということだけ」と根尾。遊撃への思いも秘めながらも、着実に開幕スタメンへと近づいていく。(須藤佳裕)

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