ソフトバンク(☆6対4★)ロッテ =クライマックスシリーズ2回戦(2020.11.15)・福岡PayPayドーム=
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ロッテ
30000010041200
ソフトバンク
02030010X61003
勝利投手:モイネロ(2勝0敗0S)
(セーブ:森 唯斗(0勝0敗2S))
敗戦投手:チェン・ウェイン(0勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】中村 晃(1号・2回裏2ラン),中村 晃(2号・4回裏2ラン),松田 宣浩(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆ソフトバンクが4年連続の日本シリーズ進出を決めた。ソフトバンクは2-3で迎えた4回裏、中村晃の2ランと松田宣のソロで試合をひっくり返す。1点差とされた直後の7回には、周東が適時三塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。敗れたロッテは、最終回に満塁の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆第1戦で痛恨の落球で同点を許した井上晴哉内野手(31)がスタメンから外れた。攻撃面でも、4打数無安打と振るわなかった。 井上に代わり、一塁には菅野が入り、福田秀が「7番左翼」でスタメン。第1戦で千賀から先制2ランを放った安田が4番に返り咲いた。

◆4番に返り咲いたロッテ安田尚憲内野手(21)が2戦連続の先制打を放った。 1回1死二、三塁、ソフトバンク東浜の外角寄りの変化球を逆らうことなく左中間へ。先制の2点適時二塁打となった。 第1戦では、千賀から先制2ランを放っており、井口監督の4番起用に見事に応えた。

◆ロッテ安田尚憲内野手(21)が2戦連続で2点先制打を放った。 1回1死二、三塁。1ボールからソフトバンク東浜の外角低めを左中間二塁打とした。「打ったのはツーシームです。チャンスだったので何とかランナーをかえしたいと思っていました。コースに逆らわずに打つことができて良かったです。次の打席も頑張ります」。 初戦でも1打席目に2ラン。前日の7番から4番に打順が上がり、またも第1打席で応えた。

◆ロッテ藤原恭大外野手(20)がCS初安打と初盗塁を決めた。 2回2死走者なし、追い込まれてから外角低めの変化球をうまくバットに乗せる技ありの中前打。続く清田の打席内では、二盗を成功。ソフトバンク甲斐の強肩をかいくぐった。 第1戦ではソフトバンク千賀の前に4打数無安打に抑えられていたため、記念すべきポストシーズン初安打となった。しかし、後続の安田が空振り三振に倒れ、点にはつながらなかった。

◆ロッテは初回、安田の2点適時二塁打など3点を先制した。ソフトバンクも2回に中村晃の1号2ランで1点差とした。 ソフトバンクは4回1死二塁から、中村晃が2打席連続の2号2ランで逆転に成功。続く松田宣も1号ソロを放ち2点差とした。 ソフトバンクが逆転勝ちで連勝。4年連続の日本シリーズ進出を決めた。ロッテは12安打を放ちながら決め手を欠いた。

◆ソフトバンク中村晃外野手(31)が、2回に1号2ランを放ち1点差に追い上げた。 0-3の2回1死一塁、7番に入った中村晃は初球144キロの直球を右翼席に運んだ。「初球から思い切って打ちにいこうと思っていました。まだリードされているので、早いイニングで追いつけるようにしたいです」とコメントした。 中村晃は今季レギュラーシーズンでは100試合に出場し6本塁打を放っている。

◆ソフトバンク甲斐拓也捕手が自慢の甲斐キャノンで苦しむ先発東浜を救った。4回1死一、三塁で、打者清田の2ボール2ストライクからの5球目に一塁走者藤原が二盗を試みたが、ストライク返球で藤原が滑り込む前に二塁手のグラブへ。 ピンチ拡大を阻止し、その後、後続を打ち取り無失点に切り抜けた。藤原には2回に二盗を決められたが2度目は許さなかった。

◆ソフトバンク中村晃外野手(31)が2打席連続2ランを放ち、逆転した。 1点を追う4回1死二塁、ロッテ先発チェン・ウェインの133キロカーブに体を泳がせられながらも右翼席へ逆転2号2ランをたたき込んだ。「巨(東浜)も何とか粘って投げていたし、巨に助けてもらった試合もたくさんあったので、負けをつけさすわけにはいかないと思っていました。しっかり捉えられたしあのチャンスで打てて良かったです」と選手会長らしくコメントした。 続く松田宣も初球を左翼席へ2者連続本塁打となる1号ソロを運びチェン・ウェインをKOした。松田宣は「晃(中村)の勢いにのせてもらいました。良いスイングで打つ事ができたし、とても大きい追加点になってくれた」とコメント。お決まりの「熱男ポーズ」でペイペイドームの鷹党を沸かせた。

◆ロッテ先発のチェン・ウェイン投手が、ソフトバンクの本塁打攻勢に沈み、4回途中で降板した。 初回に3点の援護をもらってのスタートとなったが、2回、ソフトバンク中村晃に2ランを浴び1点差に。さらに4回1死二塁、またもや中村晃に2打席連続の逆転2ランを許した。そして続く松田宣にも初球を左翼スタンドに運ばれ2者連続本塁打。3回3分の1を5失点でKOされた。

◆ソフトバンク先発の東浜巨投手(30)が4回7安打3失点で降板したことを反省した。 初回、2安打と3四死球で3点を先制された。2回以降も毎回安打を浴びたが追加点は許さず、4回で3四球、1死球で79球を費やした。打線は中村晃の2打席連続本塁打など3発で5点を奪って逆転。東浜は「先発としての役割は果たせませんでしたが、野手のみなさんが逆転してくれて本当に嬉しかったし、感謝しかありません。早い回で降板してしまったので、中継ぎの方にもとても申し訳ない気持ちです」と野手に感謝した。

◆ロッテの先発左腕チェン・ウェイン投手(35)が3被弾し、4回途中でKOされた。 2回1死からソフトバンク・デスパイネに安打され、中村晃に右越え2ラン。4回も1死からデスパイネに二塁打され、またも中村晃に右越え2ランと同じパターンで失点を重ねた。4回は続く松田宣にもソロを許し、3回3分の1を7安打5失点だった。 失点3以上はロッテ加入後5試合目で初めて。「調子は良くなかったが、粘らないといけないところで粘ることができなかった。チームの状況を悪くしてしまった。いつもの自分の仕事ができたらと思っていましたが、今日はそれができなかった」とうつむいた。

◆ロッテは15日、本拠地ZOZOマリンで開催した「パーソル クライマックスシリーズ パ」対ソフトバンク第2戦のパブリック・ビューイング観衆が2166人だったと発表した。

◆ソフトバンク周東佑京内野手(24)が7回に貴重な適時三塁打を放った。1点差に詰め寄られた直後の7回1死一塁。ロッテ5番手ハーマンの151キロ直球をとらえ右中間を深々と破った。 スタメン起用はこのCSが初めて。第1戦は4打数無安打に守りのミスもあり途中交代していた。「何もできなかったので、何とか取り返したかった」。この日は2打席目でも左翼へ二塁打を放ち2安打とバットで貢献した。

◆ロッテ藤原恭大外野手(20)が単打3本で猛打賞の活躍を見せた。 2回、変化球を中前打しCS初安打。4回にも右前打を放つと、2点を追う9回先頭でもソフトバンクの守護神・森の外角低めを巧みに捉えた。打球は森の足元へ。右足にわずかに触れ、内野を転々としている間に快足を飛ばして内野安打となった。

◆ロッテ安田尚憲内野手(21)が猛打賞で4番の役割を果たした。 1回1死二、三塁から左中間へ先制の2点適時二塁打を放つと、7回先頭、中越えへ2本目の二塁打。そして、9回1死一塁、ソフトバンク守護神・森から中前打を放ち猛打賞を達成した。 第1戦では「7番三塁」で先発し、千賀から先制2ランを放っており、チームは敗退したが、連日の活躍で井口監督の起用に応えた。

◆ソフトバンクが2試合連続の逆転勝ちで、1位のアドバンテージ1勝を含め、無傷の3連勝でCSを突破した。 初回にロッテに3点を先制されたが、4回までに中村晃外野手(31)の2打席連続2ラン、松田宣浩内野手(37)のソロの3発で5点を奪い逆転。先発東浜を4回で諦め、5回から継投策に入った。その後、両チーム1点ずつ重ねたが、7人の投手で継投し逃げ切った。 ソフトバンクはポストシーズン12連勝で21日からの日本シリーズへ進出。18、19年は2位からの日本一だったが今年はリーグ王者として4年連続の日本一を狙う。 ◆日本シリーズ 21日開幕。コロナ禍の影響で開幕が2週間遅れ、22日開幕の都市対抗野球(東京ドーム)と重なったため、巨人はホームゲームの第1、2、6、7戦を京セラドーム大阪で開催する。本拠地球場以外での日本シリーズは、80年に近鉄が広島との対戦で大阪球場を使用して以来40年ぶり。

◆ロッテはソフトバンクとのCSで連敗し、シーズンを終えた。 井口資仁監督(45)は「選手全員が頑張ってくれたと思いますし、こういう経験をできたのが良かったと思います。来年にしっかりとつながるシーズン、CSだったんじゃないかなと思います」と振り返った。 レアードが8月上旬に、マーティンが10月下旬に故障し、得点力に苦しんだ1年でもあった。「終盤以降で打線がなかなか機能しなかった。長打を打てる選手が全員抜けてしまったのでね、その辺かなと思います」と悔やんだ。 4番に若い安田を起用しながら、打線全体として粘って四球も多く選んだ。「チーム打率もなかなか上がってこない中で、つないでくれた。今年はそういう野球でしか勝てない状況だったので、そこを徹底しながらやってくれていました。来年またメンバーが変われば、戦い方も変わってくると思います」と来季のリベンジを見据えていた。

◆ソフトバンク中村晃外野手(31)が2打席連続2ランを放ち、逆転した。▼中村晃が2打席連続本塁打。プレーオフ、CSで1試合2本以上の本塁打は16人、18度目。中村晃は2本とも2ランで、走者を置いて2発は73年<2>戦住友(阪急)08年2S<2>戦小笠原(巨人)19年ファイナルS<4>戦今宮(ソフトバンク)に次いで4人目だ。これで中村晃はCS通算8本塁打となり、プレーオフ、CSの通算本塁打が歴代3位タイ。過去に通算8本以上の6人は公式戦でも通算150本以上打っているのに対し、中村晃は公式戦で46本だけ。公式戦では22・3試合に1本の打者が、CSは4・8試合に1本の長距離砲に変身する。 ▼4回は中村晃→松田宣が連続本塁打。プレーオフ、CSの2者連続本塁打は15度目。17年ファイナルS<4>戦では内川→中村晃、18年1S<3>ではデスパイネ→中村晃があり、連続本塁打に3度もかかわっている打者は中村晃だけ。

◆ロッテのチェン・ウェイン投手(35)が本塁打に泣いた。 2回、ソフトバンク中村晃に右翼への2ランを浴びると、4回にも中村晃に2ラン。「全体的にあまり良くなかった。特に直球が全然走っていなかったです」とし「あの2本が今日のポイントでした。いい状況で投げたいなと思ったんですけど、打たれて悔しかったです」と声を落とした。 メジャーでの経験も豊富な左腕は、10月上旬にロッテに入団。「来日1カ月で、チームで優勝を目指したいなと思ったので、なかなか勝てなくて、そういう悔しさもある」とコメント。来季については「まだ全然決まっていない。エージェントとゆっくり話したい」とし、ロッテ残留については「ロッテからもチャンスをもらって、それも十分考えられると思う」と話した。

◆クライマックスシリーズ第2戦。日本シリーズ進出に王手をかけたソフトバンクがロッテと対戦。 ソフトバンクは3点を追う2回に中村晃の1号2ランで1点差とし、4回にも中村晃の2打席連続の本塁打で逆転に成功。7回に1点を返されるが、継投策で逃げ切り勝利した。 ロッテは1回に安田の2点適時二塁打など3点を先制したが、先発チェン・ウェインがリードを守れず敗れた。 ソフトバンクは2試合連続の逆転勝ちで、1位のアドバンテージ1勝を含め、無傷の3連勝でCSを突破した。ソフトバンクはポストシーズン12連勝で21日からの日本シリーズへ進出。18、19年は2位からの日本一だったが今年はリーグ王者として4年連続の日本一を狙う。

◆ソフトバンクがロッテに連勝。ポストシーズンは昨年から12連勝となり、4年連続の日本シリーズ出場を決めた。シリーズに4年以上続けて出場は90~94年西武以来6チーム目。ソフトバンクは南海時代の51~53年、64~66年に3年連続出場していたが、4年連続は球団史上初めてだ。 ソフトバンクは昨年まで3年連続日本一。4年以上連続出場した過去5チームのうち4年連続日本一はV9巨人だけ。ソフトバンクがパ・リーグのチームでは初の4年連続日本一を狙う。 ▼就任6年目の工藤監督は5度目の日本シリーズ出場。監督就任1年目から6年間で5度出場は森監督(西武)に次いで2人目だ。シリーズは今年も巨人と対戦。シリーズが2年連続同じ顔合わせは06、07年の中日-日本ハム戦以来。ソフトバンクと巨人が連続対戦は51~53年、65、66年に次いで3度目。

◆ソフトバンクが2試合連続の逆転勝ちで、1位のアドバンテージ1勝を含め、無傷の3連勝でCSを突破したソフトバンク孫正義オーナー(CS2戦とも観戦)「本当にうれしい。勝ち方を知っている。本当に強い、すばらしいチームになった。このままの勢いで突き抜けてほしい。何としても勝って気持ちのいい4連覇をしてもらいたい」

◆ソフトバンク松田宣が4回に2者連続本塁打となる1号ソロを放った。直前に中村晃が逆転2号2ラン。スタンドが興奮に包まれる中、チェン・ウェインの初球、高めチェンジアップを左翼席へ突き刺した。「晃の勢いに乗せてもらいました。いいスイングで打つことができたし、とても大きい追加点になってくれた」。ファンに向かって熱男ポーズも決めた。本塁打はポストシーズン10本目(CS7本、日本シリーズ3本)。2試合で6打数3安打とお祭り男の本領を発揮した。

◆ソフトバンクが2試合連続の逆転勝ちで、1位のアドバンテージ1勝を含め、無傷の3連勝でCSを突破した。初回にロッテに3点を先制されたが、4回までに中村晃外野手(31)の2打席連続2ラン、松田宣浩内野手(37)のソロの3発で5点を奪い逆転。先発東浜を4回で諦め、5回から継投策に入った。その後、両チーム1点ずつ重ねたが、7人の投手で継投し逃げ切った。甲斐キャノンがロッテの勢いを止めた。 1点リードされた4回1死一、三塁で、打者ロッテ清田の5球目に一塁走者藤原が二盗を試みた。ソフトバンク甲斐はストライク返球で藤原が滑り込む前に二塁手のグラブへ。ピンチ拡大を阻止し、その後、後続を打ち取り無失点に切り抜けた。藤原には2回に二盗を決められたが、2度目は許さなかった。 第1戦で決勝打を放ち「明日決めます」とお立ち台で誓った通りの働きだった。

◆ソフトバンクのリバン・モイネロ投手が2戦連続の白星を挙げた。1点差に迫られた直後、7回2死から登板。元同僚の福田秀を空振り三振に斬ると、今季1度しかなかったイニングまたぎで8回もマウンドへ。 1回1/3を完全投球で抑え、森にバトンを渡した。「普段通り投げられました。チームが勝ったことが何よりうれしい」。前日に続く勝ち投手で、MVP級の働きだった。

◆14年ドラフト1位のソフトバンク松本裕樹投手が、5回に2番手としてポストシーズン初登板。1イニングを無失点に切り抜けた。逆転し、2点リードした直後のマウンドを任された。 いきなり四球と安打で無死一、二塁のピンチをつくったが「最初は力んだが、その後はしっかり自分の球が投げられた」と丁寧に1人ずつ打ち取った。今季は中継ぎとして自己最多の25試合に登板。日本シリーズでも出番を待つ。

◆ソフトバンクが2試合連続の逆転勝ちで、1位のアドバンテージ1勝を含め、無傷の3連勝でCSを突破した。日本シリーズでセ・リーグ1位の巨人と対戦する。◆日本シリーズ 21日開幕。コロナ禍の影響で開幕が2週間遅れ、22日開幕の都市対抗野球(東京ドーム)と重なったため、巨人はホームゲームの第1、2、6、7戦を京セラドーム大阪で開催する。本拠地球場以外での日本シリーズは、80年に近鉄が広島との対戦で大阪球場を使用して以来40年ぶり。

◆ソフトバンクの選手会長、中村晃外野手(31)が4年連続クライマックスシリーズ(CS)突破に導いた。 3点を先制されたが、2回に反撃ののろしを上げる2ランを放つと、4回にはプロ初の2打席連続となる逆転の2ランを放って最優秀選手賞を獲得した。チームはポストシーズン12連勝の日本記録を更新。21日から4年連続日本一をかけ、昨年に続き巨人との日本シリーズに挑む。確かな手応えに、思わず左手を上げた。チームを勝利に導く打球が右翼席で弾んだことを見届けた中村晃は、今度はベンチに向かって右手を上げ、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。1点を追う4回1死二塁で飛び出た逆転2ランは、自身初のCSのMVPというご褒美にもつながった。 中村晃 勝ちたいという思いが出たと思います。みんなでつかんだ2勝でした。MVPは取ったことがなかったのでうれしいです。 初回に3点を先制されたいやなムードを振り払ったのも、この頼れる男だった。2回1死一塁で今CS初アーチとなる2ラン。1点差に迫り反撃ムードを高めると、プロ初の2打席連発で試合をひっくり返した。CSでは16年から5年連続8本目のアーチと短期決戦での勝負強さを見せつけ、チームのポストシーズン12連勝の日本記録更新につなげた。 1番周東の盗塁がクローズアップされるなか、2番打者としては、なかなか早いカウントで打ちにいくことはなかった。「周東の記録がかかっていた時は優先させていた」。この日は、ロッテ先発が左腕チェンだったこともあり、7番での起用。「基本的には初球からどんどんいきたいと思っている」という言葉通り、1本目は初球、2本目はカウント2-0からと、ともにファーストストライクをフルスイングした。 激動の選手会長1年目だった。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた。自身も膝を痛めた影響で、1軍昇格は7月11日だった。しかし、その後は時に4番も務めるなど勝利に貢献。さらに9月に他界した川村隆史3軍コンディショニング担当(享年55)のユニホームをベンチに飾ることを提案し、グラウンド外でもチームをまとめる役を担った。「ここまでみんなが頑張ってやってこられたのは、ボク自身も自信になったし、選手会長になってよかった」と胸を張った。 最終的な目標、4年連続日本一を狙う舞台を手にした。巨人しか経験していない偉業に、その巨人相手に挑む。「巨人もやり返すつもりでくる。僕らも挑戦者という意識を強く持っていきたい」。チームのために身を粉にして動き回る背番号7が、最終ステージまでチームのためにバットを振り続ける。【浦田由紀夫】 ▽ソフトバンク岩崎(3番手で6回に登板し1回無失点) 上位打線だったので、流れを渡さないようにしっかり投げられた。

◆ソフトバンクに連敗し、ロッテの戦いが終わった。シーズン終盤にコロナ禍で失いかけた2位の座を死守し、4年ぶりのCS出場を果たした。 井口資仁監督は「全員が頑張ってくれた。最後にこういう経験をできたのがよかったと思います」と重圧と闘い続けた選手たちをねぎらった。 シーズンで苦しんだ千賀、東浜をCSで攻めた。若きロッテ安田尚憲内野手は2戦で本塁打1本、二塁打2本を含む4安打4打点。「この短期間でよく調子を上げてきた」と成長を認めた。10月以降は2年目の藤原恭大外野手も台頭。来季はレギュラーをうかがうだけの素質を見せた。 故障者が多く、特にレアード、マーティンの途中離脱は攻撃面で響いた。「その中でよく四球を選んだりしながら、つないでくれた」と指揮官は振り返る。チーム打率2割3分5厘はリーグ最下位、選んだ四球491個は同1位。投手陣に支えられながら、僅差のゲームを拾ってきた。 来季で就任4年目となる井口監督をはじめ、1軍首脳陣は留任が基本路線となる。「最後に自分たちでしっかり盛り返して、CSと2位を勝ち取った。選手には自信になったと思う。経験値と捉えてまた頑張りたいです」。新たな戦いへ歩き出す。

◆20歳6カ月のロッテ藤原恭大外野手(20)が3安打を放った。 プレーオフ、CSでは05年プレーオフ2S<3>戦の西岡剛(ロッテ=21歳2カ月)を上回る最年少の猛打賞だった。同じく3安打の安田(21歳7カ月)も藤原、西岡に次いで年少3位になる。

◆ソフトバンクの選手会長、中村晃外野手(31)が4年連続クライマックスシリーズ(CS)突破に導いた。 3点を先制されたが、2回に反撃ののろしを上げる2ランを放つと、4回にはプロ初の2打席連続となる逆転の2ランを放って最優秀選手賞を獲得した。チームはポストシーズン12連勝の日本記録を更新。21日から4年連続日本一をかけ、昨年に続き巨人との日本シリーズに挑む。確かな手応えに、思わず左手を上げた。チームを勝利に導く打球が右翼席で弾んだことを見届けた中村晃は、今度はベンチに向かって右手を上げ、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。1点を追う4回1死二塁で飛び出た逆転2ランは、自身初のCSのMVPというご褒美にもつながった。 中村晃 勝ちたいという思いが出たと思います。みんなでつかんだ2勝でした。MVPは取ったことがなかったのでうれしいです。 初回に3点を先制されたいやなムードを振り払ったのも、この頼れる男だった。2回1死一塁で今CS初アーチとなる2ラン。1点差に迫り反撃ムードを高めると、プロ初の2打席連発で試合をひっくり返した。CSでは16年から5年連続8本目のアーチと短期決戦での勝負強さを見せつけ、チームのポストシーズン12連勝の日本記録更新につなげた。 1番周東の盗塁がクローズアップされるなか、2番打者としては、なかなか早いカウントで打ちにいくことはなかった。「周東の記録がかかっていた時は優先させていた」。この日は、ロッテ先発が左腕チェン・ウェインだったこともあり、7番での起用。「基本的には初球からどんどんいきたいと思っている」という言葉通り、1本目は初球、2本目はカウント2-0からと、ともにファーストストライクをフルスイングした。 激動の選手会長1年目だった。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた。自身も膝を痛めた影響で、1軍昇格は7月11日だった。しかし、その後は時に4番も務めるなど勝利に貢献。さらに9月に他界した川村隆史3軍コンディショニング担当(享年55)のユニホームをベンチに飾ることを提案し、グラウンド外でもチームをまとめる役を担った。「ここまでみんなが頑張ってやってこられたのは、ボク自身も自信になったし、選手会長になってよかった」と胸を張った。 最終的な目標、4年連続日本一を狙う舞台を手にした。巨人しか経験していない偉業に、その巨人相手に挑む。「巨人もやり返すつもりでくる。僕らも挑戦者という意識を強く持っていきたい」。チームのために身を粉にして動き回る背番号7が、最終ステージまでチームのためにバットを振り続ける。【浦田由紀夫】

◆ソフトバンク王貞治球団会長(80)がクライマックスシリーズ連勝突破を見届け、「工藤ホークスは強い」と胸を張った。21日からは古巣巨人と日本シリーズを戦う。2年連続の対戦だが、昨年は2位からの勝ち上がりだったため、リーグ覇者としては長嶋、王のON監督対決で沸いた00年以来、20年ぶり。王会長は巨人を倒しての完全V、そして4年連続日本一を真っすぐに見据えた。 ソフトバンクが4年連続の日本シリーズ進出を決めた。歓喜に沸くナインを見つめ、誰よりもチームの「強さ」を実感していたのは王球団会長だった。ロッテとのクライマックスシリーズは2戦連続逆転勝ち。「この2試合は厳しい試合でしたが、最終的にはリーグチャンピオンらしく2試合で決めた」。孫オーナーととともに一塁側ベンチ前でナインを迎え入れ「さすが工藤監督率いるホークスは強いなと、あらためて感じている」と自賛した。 16年前のこの時期だった。ホークスの親会社はダイエーからソフトバンクに変わった。東京本社で孫オーナーの食事会に招かれた王監督(当時)は「よろしくお願いします」と深々と頭を下げる新オーナーの姿に心を打たれた。監督として優勝の美酒を贈ることはできなかったが、フロント入りし、球団を全面バックアップ。リーグV6回、日本一6回と文字通り「常勝チーム」に育て上げた。 「選手たちが戦い方を知っている。自分たちは何をしなきゃいけないかと。やはり最終的に勝つという意識がウチの選手たちが一番強いんじゃないですか」。球団創設15年の節目の年(16シーズン目)。年を重ねるごとに成長度を増すチームに手応えは深まるばかりだ。 日本シリーズでは古巣である巨人と2年連続で対決する。昨年は2位からのCS突破ながらシリーズ4連勝で頂点に立った。「リーグ覇者として」の宿題もクリアした。「巨人もダントツで(シーズンを)勝ってきているし、打倒ホークスということで去年とは違った形でチャレンジしてくるだろうから。(日本シリーズ)3連覇しているなら4連覇を狙うのは当然。あとは勝つのみ。相手はジャイアンツだから不足はない」。王会長は力強くV宣言した。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・工藤公康監督(57)が試合前に取材に応じた。前日14日の第1戦は1-3から会心の逆転勝利。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて対戦成績を2勝0敗としたが、第2戦も勝って一気に日本シリーズ進出を決めるつもりだ。  「決められるように頑張ります。やるからには一戦必勝で行く。その気持ちはなくしてはいませんし、常にどういう状況になったとしても『日々新たに』というのも変わってはいません」  攻撃のカギを握る1番の周東は、前日は4打数無安打。今季台頭し、ポストシーズンでもポイントゲッターと期待する栗原も一回の満塁機で併殺に倒れるなど、2打数無安打2犠打だった。だが逆転勝利したことで、それぞれの気持ちがほぐれ、また全員で力強く前を向いて戦っていける。  「一喜一憂しない。たとえエラーがあったとしても、次しっかりと取り戻せばいいと考えてくれればいい。その日が駄目だったら次の日頑張ろうと思ってくれればいい。どんどん引きずってしまっては、本人の出せる力も出せなくなってしまうのでね」  昨季はポストシーズン10連勝で日本一3連覇を成し遂げた。前日の勝利で11連勝となったが、目の前の一戦だけを見つめ、鷹はまた頂点へ進んでいく。

◆ソフトバンク・和田毅投手(39)がキャッチボールなどで調整。16日の先発登板に向けて汗を流した。15日に敗れた場合にのみ、回ってくる登板に「ポストシーズン用のピッチングはない。気の緩みを出さないように」と意気込んだ。  今季は16試合に登板して8勝1敗と戦力として大きく貢献。レギュラーシーズンではリーグ優勝を決めた10月27日のロッテ戦(ペイペイドーム)が最後の登板で、中19日での試合となる。11月8日にはタマホーム筑後にてシート打撃に登板して3イニング分を消化。「あそこで投げることで体に重さが出る」と油断はない。ロッテ戦は今季3試合に登板して2勝、防御率0・52だ。  10日の阪神-巨人戦(甲子園)は自宅で観戦。同級生の藤川の引退を見届けた。「セレモニーを見ていて、すごい同級生が引退してしまったんだなと。一番はさみしさがありますけど、彼のすごさをまた再認識させてもらいました」と決意を新たにした。戦う姿を見せ、鷹の力になる。

◆CS突破に後がなくなったロッテは第1戦から打順を大幅に変更。第1戦で7番で先発出場しCS史上最年少本塁打を放った安田尚憲内野手(21)を「4番・三塁」に据えた。  安田はレギュラーシーズン86試合で4番に起用されたが、打撃不振から10月31日に7番に降格。その後、4試合で9番を打ち、レギュラーシーズン最終戦の9日の日本ハム戦では4番に復帰していた。第1戦で「5番・一塁」で出場して4打数無安打、守備でも六回に同点を許す落球をした井上晴哉内野手(31)はベンチスタートとなった。

◆4番に復帰したロッテ・安田尚憲内野手(21)が一回1死二、三塁で左中間を破る先制の2点適時二塁打を放った。1ボールからの2球目、ソフトバンク先発・東浜のシンカーを捉えた。安田は7番で先発出場した第1戦で二回の初打席でCS史上最年少弾となる先制2ランを放っていた。 ロッテ・安田の話 「チャンスだったので何とかランナーを還したいと思っていました。コースに逆らわずに打つことができた。次の打席も頑張ります」

◆ロッテのチェン・ウェイン投手(35)が3本塁打を浴び、四回途中5失点でKOされた。同投手は今季、マリナーズとマイナー契約を結んだが、6月に自由契約。10月にロッテに入団し、9年ぶりの日本球界復帰を果たした。  ソフトバンク戦2試合を含む4試合に登板し、0勝3敗、防御率2・42。打線の援護に恵まれず、勝ち星を挙げることはできなかったが、全4試合でクオリティスタート(QS=6回以上を投げて自責点3以下)と安定した投球を続けていた。中日、オリオールズ時代にポストシーズンで登板した経験を買われての第2戦の先発起用だったが、2011年10月2日の阪神戦以来、3332日ぶりの日本球界での勝利はならなかった。 チェン・ウェインの話 「調子は良くなかったが、粘らないといけないところで粘ることができなかった。チームの状況を悪くしてしまった。いつもの自分の仕事ができたらと思っていたが、きょうはそれができなかった」

◆ソフトバンクが2試合連続で逆転勝ちした。0-3の二回に中村晃の2ランで追い上げ、四回に中村晃の2打席連続の2ランと松田宣のソロで3点を奪って逆転。七回は周東の適時三塁打で加点した。五回から継投でリードを守った。  ロッテは一回に安田の2点二塁打などで3点を先制したが、チェン・ウェインが四回途中5失点と粘れなかった。

◆リーグ王者のソフトバンクがレギュラーシーズン2位のロッテに逆転勝利。優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて3勝とし、4年連続の日本シリーズ進出を決めた。これで年をまたぎ、ポストシーズンの連勝記録を「12」とした。4年連続の日本一を懸けた巨人との日本シリーズは、21日に京セラドーム大阪で開幕する。  第1戦に続き、先制したのはロッテ。ソフトバンク先発・東浜の立ち上がりを攻め、一回に1死二、三塁のチャンスを作ると、この日「4番、三塁」で起用された安田が2点適時二塁打を放ち、指揮官の期待に応えた。さらに1死満塁とチャンスを広げると、福田秀の二ゴロの間に1点を加え、3点のリードを奪った。  ソフトバンクは二回、1死一塁から中村晃がロッテ先発チェンの初球を右翼席へたたき込み、反撃開始。四回1死二塁から再び中村晃に打席が回ると、第一打席同様に右翼席へ逆転弾を放った。続く松田にも左越え本塁打が飛び出し5-3。一気に試合をひっくり返し、ロッテ先発のチェン・ウェインをノックアウトした。  七回は互いに1点ずつ奪い、迎えた九回。守護神・森が1死満塁のピンチを招いたが、中村奨を空振り三振。続く代打・佐藤は中飛に仕留め、なんとか逃げ切りに成功した。敗れたロッテは八回以外毎回走者を出したが、追加点を奪うことができなかった。

◆リーグ優勝したソフトバンクがレギュラーシーズン2位のロッテに6-4で逆転勝利し、2連勝で4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。4年連続の日本一を懸けた決戦は21日、セ・リーグを制した巨人を相手に京セラドームで開幕する。  2戦続けてロッテに先制を許す展開となったが、王者らしく動じなかった。この日は一回から先発の東浜が3点を失ったが、二回に中村晃が右越え2ランを放ち1点差に迫った。2-3の四回にも中村晃は2打席連続の右越え逆転2ラン。続く松田宣も2者連続弾で続き、一気に5-3とひっくり返してロッテの先発、チェン・ウェインをKOした。  工藤監督は試合後、優勝監督インタビューに臨み「中村晃くんのあの2本のホームラン、素晴らしかったと思いますし、本当にチームにもピッチャーにも、多くのファンの皆さんにも大きな勇気になったと思います」と声をはずませると、ベンチに座る中村晃に向かって「素晴らしいホームランだったよ、アキラ、おめでとう!」と声をかけた。  日本シリーズでは2年連続で巨人とぶつかる。リーグ制覇したチーム同士の顔合わせは2016年の「日本ハム-広島」以来4年ぶりとなった。ソフトバンクは昨年から続くポストシーズンの連勝を「12」に伸ばしたまま、日本一4連覇を目指す。

◆ソフトバンクはロッテに6-4で逆転勝利し、2連勝で4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。試合後、工藤公康監督(57)は優勝監督インタビューに臨んだ。主な一問一答は以下の通り。  --2連勝でCS突破を決めた  「本当に多くのファンの皆さんが、拍手で選手たちに熱い思いを伝えてくれたおかげだと思っています。本当に応援いただきありがとうございました」  --先制を許しながらも一発攻勢で逆転した  「本当に、中村晃君のあの2本のホームラン。素晴らしかったと思いますし、本当にチームにもピッチャーにも、来ていただいている多くのファンの皆さんにも、大きな勇気になったんじゃないかなというふうに思いますし、素晴らしいホームランだったよ、アキラ、おめでとう!」  --松田宣も続いた  「マッチ! ナイスホームラン」  (松田宣はベンチで熱男ポーズ)  「もう一本出たということで、よりベンチの雰囲気も盛り上がりましたしね。ピッチャーにもまた大きな勇気になったと思います」 その他の写真(2/3枚)  --駄目押し点は前日悔しい思いをしていた周東のバットから生まれた  「やはり1戦目はかなり緊張していたというふうに思いますけど。さすがね、シーズン、1番でずっと頑張ってきてくれた周東君がああやってヒットが出て、そしてタイムリーが出てというのはですね、この先にもつながるかなというふうに思います」  --自慢の中継ぎ陣も惜しみなくつぎ込んだ  「(先発の)東浜君もですね、少しコンディショニング的にあまり上がっていない中で、きょうマウンドに上がってくれて。自分の行けるところまで一生懸命に投げて。その姿がね、やっぱり野手の人が奮起したというふうに思います。中継ぎ陣もしっかりと、その後を受け継いで。なにがなんでも勝つんだ、と。絶対に打たれないんだ、という強い気持ちを持って投げてくれたことが勝利に結びついたというふうに思います」  --ポストシーズンは昨年から12連勝  「これも本当に選手たちが、どうすれば勝てるのか、どうすれば抑えられるのか、やっぱりそういうところを、しっかりとコーチの皆さんとミーティングをし、その中でしっかり準備をしてくれたおかげだと思っています」  --パ・リーグ覇者として日本シリーズへ  「本当に、このクライマックスシリーズ、ロッテさんと、2勝という形ではありましたが、1つ間違えれば2連敗という可能性もありました。そのぐらい緊迫した試合だったと思いますし、ほんのわずかの差というところだったと思います。本当にシーズンを通してですけど、ロッテさんは強かったです。そういう中でわれわれは、日本シリーズに出る、パ・リーグの代表として日本シリーズに出ることになりました。みんなの思いもしっかり背負って、4連覇目指してしっかりと勝って、4連覇できるように頑張っていきたいと思います」

◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は15日、ペイペイドームで第2戦が行われ、3年ぶりにリーグ優勝したソフトバンクが2位ロッテに6-4で2連勝を飾り、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝として4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。  ソフトバンクの松田宣がソロ本塁打を放ち、勝利に貢献した。四回、前を打つ中村晃の2ランで逆転し、打席へ。まだ余韻が残る中、チェン・ウェインの初球、浮いたチェンジアップを完璧に捉えて左翼席へ運び「いいスイングで打つことができたし、とても大きい追加点になってくれた」と誇った。  今季は開幕から不振が続いたが、10月は5本塁打を放つなど、終盤に状態を上げた。「10月の打ち方をCSでも継続できればいい」と臨み、2安打をマークした第1戦に続いて快音を響かせた。

◆ソフトバンクはロッテに6-4で逆転勝利し、2連勝で4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。試合後、王貞治球団会長(80)が取材に対応。2試合連続の逆転勝利に「ホークスらしい試合でね。2試合で出場を決めた。工藤監督率いるホークスは強いなと、改めて感じています」と選手たちが頼もしかった。  これで昨年に続いて、ポストシーズン12連勝。短期決戦で無類の強さを見せている。「戦い方を知っているというか。自分たちが何をしないといけない、どうあるべきなのか。役割を果たしてくれている」と現場の戦いぶりを評価した。  2年連続で巨人と日本シリーズでぶつかることになった。血がたぎる頂上決戦に「巨人もダントツで向こう(セ・リーグ)を勝ってきている。今年こそ『打倒ホークス』ということで、去年とは違った形でチャレンジしてくるだろうから」と気を引き締めた。鍛え上げた鷹戦士は、てっぺんまで止まらない。

◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は15日、ペイペイドームで第2戦が行われ、3年ぶりにリーグ優勝したソフトバンクが2位ロッテに6-4で2連勝を飾り、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝として4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。 孫正義ソフトバンク球団オーナーの話 「ポストシーズン12連勝ということで勝ち方を知っている。本当に強い素晴らしいチームになった。日本シリーズ4連覇に向けて、何とかこのままの勢いで突き抜けてほしい」

◆ソフトバンクはロッテに6-4で逆転勝利し、2連勝で4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。試合後、孫正義オーナー(63)が取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。  --日本シリーズ進出  「もう本当にうれしいし、監督、選手、スタッフの皆さんには心からおめでとうと申し上げたい。また、応援いただいているファンの皆さんには、本当に感謝申し上げたいと思います」  --2試合とも逆転勝利、チームはまったく慌てる雰囲気がなかった  「選手の皆さんやっぱりシーズンずっと勝ち抜いております。ポストシーズンも12連勝ということで、勝ち方を知っているといいますかね。選手の皆さんは本当に頑張っていただいたと思います。見る方はときどき、ドキドキハラハラはしたんですけども。しかし、本当に強い素晴らしいチームになったと思います」  --選手たちからは心強さを感じるか  「いやもう、本当に素晴らしいですね」  --現状では満員近い2万人弱が詰めかけた  「コロナの第3波が始まっているという状況ですから。本当にあの、われわれも、感染が拡大しないようにという細心の注意を払いながらではありますけれども。そんな中で、球場に来られた方も、来られなくて家からテレビを見ながら応援いただいている方々も、みんな気持ちは1つだと思うんですね。『勝ってほしい、優勝してほしい』。そしていよいよ次の、日本シリーズ4連覇に向けてですね。何とかこのままの勢いで突き抜けてほしいなと。みなさん同じ気持ちではないかなと思います」  --パ・リーグ史上初となる日本一4連覇へ、選手へはどんなエールを  「もうね、最後の締めくくり、勝つということがね。勝負事はなにしろ結果ですから、何としても勝って、気持ちのいい日本一を、4連覇を達成してほしいと思います」

◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は15日、ペイペイドームで第2戦が行われ、3年ぶりにリーグ優勝したソフトバンクが2位ロッテに6-4で2連勝を飾り、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝として4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。 ロッテ・井口監督 「選手は一年間頑張ってくれた。最後にこういう経験ができたのは良かったと思う。(試合中盤以降は)同点では駄目だったので一気に追い越す作戦だった。若い選手が活躍してくれたし、シーズンも含めて来季につながる」

◆ロッテ・鳥谷敬内野手(39)はCSでは出場機会がないままに終戦。「自分の役割というか、できることは全力でやった。自分としてはベストを尽くした」と振り返った。  その上で、来季の去就については「球団もどういうふうに考えているかというのは分からないので、この先どうなるかは全然分からない。(現役を)続ける可能性もあるし、辞める可能性もあるし...」と明言を避けた。

◆第1戦の7番から4番に昇格したロッテ・安田尚憲内野手(21)は一回の先制2点適時二塁打を含む3安打。ただ、二回1死一、三塁、四回2死一、三塁の追加点機でいずれも空振り三振に倒れたことで、「悔しい。あそこで1本打つことができれば...。自分の実力不足」と唇をかんだ。  それでも最後には「1年間ずっと試合に出させてもらって感謝していますし、いい経験になった。来年はリーグ優勝して、(CSでソフトバンクに)やり返せるように頑張っていきたい」とプロ4年目の来季を見据えた。

◆ソフトバンクの周東は打撃で存在感を示した。三回に左翼線へ二塁打を放つと、5-4の七回1死一塁ではハーマンの速球を捉えて右中間を破り、自慢の快足を飛ばして適時三塁打とした。  第1戦は無安打で、守備でも失策こそ記録されなかったものの、送球が乱れてアウトを奪えないプレーがあった。名誉挽回し「守りでミスをしてしまったので、何とか取り返したかった」と安堵の表情を浮かべた。

◆ロッテ・沢村拓一投手(32)は、敗戦投手となった第1戦から連投し、八回を三者凡退に抑えた。  9月に巨人からトレードで加入し、レギュラーシーズンは22試合で防御率1・71と好投を続けCS進出に貢献。日本シリーズでの古巣との対戦はならなかったが「チャンピオンになることはできなかったが、毎日が充実していた。ただ、今は悔しい気持ちの方が大きい」と振り返った。  10月に海外フリーエージェント(FA)権を取得した右腕は、今後については「終わったばかりなので、これからゆっくり考える」と話すにとどめた。

◆ロッテは一回に3点を先制しながらも、12残塁の拙攻で2試合連続の逆転負け。これでCSでのソフトバンク戦は7連敗となった。  井口資仁監督(45)は「選手は1年間頑張ってくれた。最後にこういう経験ができたのは良かったと思う。(試合中盤以降は)同点では駄目だったので一気に追い越す作戦だった。若い選手が活躍してくれたし、シーズンも含めて来季につながる」と振り返った。  4番に安田を昇格させるなど打順も大幅にテコ入れしたが、2戦で計21三振と畳みかける攻撃はできなかった。指揮官は「(藤原)恭大もしっかり結果を残してくれたし、若い選手はこの短期間でよく調子を上げてくれた。逆を言えば、もうちょっと中堅に頑張ってもらわなきゃいけない」と既存のレギュラー陣の奮起を求めた。  リーグ優勝したソフトバンクに14ゲーム差をつけられての2位。CSでも点差以上の完敗で、指揮官は「これが実力」と現実を受け入れざるを得なかった。

◆ロッテは再三の好機にあと一本が出ず、12残塁の拙攻で2連敗。CSでは2015年のファイナルステージ第1戦から、ソフトバンクに通算7連敗で、敗退した。  一回に安田の2点二塁打などで3点を先制。三者凡退は八回だけと攻め続けたが、追加点は七回に中村奨の二ゴロで挙げた1点に終わった。  今季は10月初旬までソフトバンクと首位を争ったものの、終盤は新型コロナウイルス感染や故障による主力の離脱もあって失速。それでも2位に滑り込み、4年ぶりのCS進出を果たした。  10年以来の日本シリーズ出場は逃したが、安田、藤原ら若手が台頭。来季も指揮を執ることが確実な井口監督は「選手は頑張ってくれた。このCSで課題がいっぱい出てきたので、帰ってまたマリンで来年に向けてスタートしたい」と見据えた。(石井孝尚)

◆レギュラーシーズン優勝のソフトバンクが2位・ロッテに6-4で勝ち、2連勝。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝とし、4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。  次にはね返さなくてはならないのは、巨人からの挑戦だ。昨年の4連勝は過去の話-。ソフトバンク・工藤監督は警戒を強めている。  「常に新聞は見てはいますけど、打つことも、盗塁にしても走れる選手が多い。そういう中でしっかり投手が抑えて勝つ試合をしている。走攻守にわたってバランスのいい中で勝ってきているんだなと感じています」  そして、鷹にはこの再戦を誰より心待ちにしていた人物がいる。他ならぬ、王球団会長だ。  「断トツで勝ってきているし、今年こそは『打倒ホークス』ということで去年とはまた違った形でチャレンジしてくるだろう。自分たちも、中身は部分的に変わっていて去年とは違った味が出せる。ファンの人にもいい戦いが見せられる」  さらに、王会長は「相手はジャイアンツだから不足はないしね」とも付け加えた。お互いに望んでいた相手だ。最高峰で力をぶつけ合う。

◆レギュラーシーズン優勝のソフトバンクが2位・ロッテに6-4で勝ち、2連勝。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝とし、4年連続20度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。2-3の四回に、中村晃外野手(31)のこの日2本目となる2ランで逆転した。2年連続12度目の顔合わせとなる巨人との日本シリーズは、21日に京セラドーム大阪で開幕する。  王者の誇りが詰まった打球が、コロナ禍の規制で歓声を我慢する右翼席に飛び込んだ。選手会長の中村晃が逆転弾を含む2ラン2発で4打点。ソフトバンクを4年連続の日本シリーズへ導いた。  「出来過ぎです。うまく打てました。勝ちたいという気持ちが結果につながったのかなと」  2-3の四回1死二塁。チェン・ウェインの133キロのスライダーを右翼ポール際へ運んだ。0-3の二回1死一塁でも速球を引っ張っての2ランで自軍ベンチに向けて右拳を突き上げ、反撃ののろしを上げていた。苦しい流れを1人で一変させる躍動。2試合で8打数3安打4打点で、CSのMVPに輝いた。  賞金は100万円。使い道を聞かれると、「みんなで食事といきたいところですけど、それも難しいので。ちょっと考えてみます」と苦笑いした。前例のないシーズンに、今季から就任した選手会長としても奮闘。チーム活動自粛中には、練習場所の確保を球団に求めるなどしてきた。  「割り切りがうまくできているのかな。単打も大切ですけど、どこで打つのか。勝ちにつながる一打は意識しています」と胸を張った背番号7は、ポストシーズンで7年連続の本塁打。CSでは5年連続の通算8本目だ。常勝軍団でレギュラーを張ってきた31歳の勝負強さが輝く。  10月にプロ野球記録となる月間22勝を挙げた勢いそのままに、2試合連続の逆転勝利で、今年はパ・リーグのみ開催されたCSを突破。ポストシーズンは昨季から12連勝で、球団通算100勝目となった。21日からの日本シリーズでは昨年に続いて、原監督率いる巨人と激突する。  昨年は4戦4勝のスイープで退け、3年連続の日本一に君臨。周囲はソフトバンク優位との見方が多いが、工藤監督は巨人への警戒を強める。  「常に新聞は見てはいますけど、打てて、走れる選手も多い。そういう中でしっかり投手が抑えて勝つ試合をしている。走攻守にわたってバランスのいい中で勝ってきているんだなと感じています」  両リーグの優勝チームが当たるのは2016年の日本ハム-広島以来、4年ぶり。頂上対決へ、中村晃にも油断はない。  「ジャイアンツもやり返す気持ちで来るでしょうし、僕たちも挑戦者の気持ちで。『よかった』というのは日本一になってからです」  4年連続日本一は、過去に巨人の「V9」(1965-73年)しか例がない。"元王者"を返り討ちにして、ホークスが新たな歴史を刻む。(竹村岳)

◆ロッテの試合前の練習が始まると、鷹ガールさえも一眼レフカメラを向ける。レンズの先にいるのは2年目の藤原だ。  なにせ、ロッテの女性ファンによる投票で決まる「イケメン5」で、2019年の1位に輝いた。ちなみに15年に始まった同企画は第1回から荻野が3連覇し、18年は平沢がトップだった(20年は新型コロナウイルスの影響で中止)。藤原はそのルックスに加え、肌がツルツル。「高校(大阪桐蔭)時代から洗顔、化粧水、乳液とスキンケアはしています。たまにパックも...」という。  清楚な女性が好みという背番号2は、第2戦でシリーズ初安打を含む3安打1盗塁をマーク。20歳6カ月での猛打賞(1試合3安打以上)は05年のロッテ・西岡剛の21歳2カ月を抜いて、プレーオフ、CSでの最年少記録となった。実力でも球界のスターになる日は近そうだ。 (貴)

◆CSをテレビでチェックしていたであろう巨人の選手たちは、改めてソフトバンクの強さを感じたと思う。  私は1、2戦ともに、地力の差を感じた。ソフトバンクは2試合とも先発投手が早い回に先制点を許し、流れは決して良くなかった。なのに、終わると勝っている。突然、下位打線で逆転し、どこで流れが変わったのか分かりづらい"解説者泣かせ"のチームだ。  この日は四回、ロッテの投手コーチがマウンドへ行く暇もなく、下位打線で一気にひっくり返した。相撲に例えると、土俵際へ押し込まれてうっちゃるのではなく、土俵の反対側まで寄り戻す取り口。地力がないとできないし、月間22勝をマークした10月から、その威力が増している。  ロッテは3-5と逆転を許した直後の五回無死一、二塁の好機で、7番・福田秀に強攻策。結果は三振に倒れ、8、9番も凡退して無得点に終わった。普通の試合なら同点狙いで走者を進め、1死二、三塁にしたかったところ。引き分けも許されず、勝つしかないところまで追い込まれたチームのつらい部分が出た。  巨人はミーティングを徹底して日本シリーズに臨むそうだが、細かい対策というより、「これがソフトバンクだ。分かっているだろうな!」と気を引き締めるのだと思う。ストレートで敗れた昨年の二の舞は許されない。 (本紙専属評論家)

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