1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島 | 2 | 0 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 19 | 1 | 1 |
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 6 | 0 | 1 |
勝利投手:床田 寛樹(5勝8敗0S) (セーブ:フランスア(2勝3敗19S)) 敗戦投手:奥川 恭伸(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆広島は初回、松山の適時二塁打で2点を先制する。その後は3回表に、松山の2ランと鈴木誠の適時二塁打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・床田が8回途中3失点の力投で今季5勝目。敗れたヤクルトは、打線が終盤に追い上げを見せるも及ばなかった。
◆今夜踏み出される、大きな1歩。ヤクルトのドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手(19)が、今季最終戦となる広島戦でプロ初先発する。ライトアップされたマウンドに登る瞬間は、見逃せない。 絶対に目が離せないポイント<1>直球のキレ、伸び なんと言っても、高校時代からの持ち味。甲子園でも多くのファンをとりこにした直球は、芸術品と言える。「糸を引く」と表現する捕手もいた。プロ入り後最速は、154キロ。もちろん球速表示は気になるが、実際のキレを体感する、打者の打席での反応も要注目だ。 絶対に目が離せないポイント<2>制球力 奥川の調子を見る上でも重要になる。140キロ台のフォークボールがストンときれいに決まり、三振を奪う場面を、神宮でも見たい。イースタン・リーグ最終戦、1日の日本ハム戦(鎌ケ谷)で登板した際には、フォームのバランスが崩れており、高めに浮く球が多かった。そこから中8日での登板で、どう修正しているのか。 絶対に目が離せないポイント<3>奥川スマイル マウンドではりりしい立ち姿だが、時折見せる19歳らしい笑顔がチャームポイント。マウンド上でも、味方の好プレーの際やチームメートと目が合って白い歯を見せることもある。とくにベンチに戻る際や、ベンチ内での一挙手一投足に魅力が詰まっている。 高津臣吾監督が、3球団競合の末に交渉権を獲得した昨年10月のドラフト会議から391日。1軍で初先発する。球団で、新人の初登板初勝利は過去13人。しかし、高卒新人で記録したのは64年半沢士郎の1人だけだ。しかも半沢は救援での勝利のため、奥川には高卒新人で球団初の初登板先発勝利がかかる。
◆ヤクルトを今季限りで戦力外になった選手たちが、クラブハウスにあいさつに訪れた。近藤一樹投手(37)は、球場にも足を運び、自身の名前のついた「近藤カレー」の店頭ポスターに日付とサインを入れていた。 「スタジアムカレー」の担当者によると、「近藤カレー」の販売は、近藤の退団にともなって今季限りとなる見込み。「来年も、販売するつもりだったのですが...」と残念がっていた。 今季最終戦のこの日は、ヤクルトファンへの感謝の気持ちを込めて、対象となっている選手グルメが割引販売されている。
◆ヤクルトの今季最終戦でスタメンが発表された。ドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手(19)がプロ初先発する。ベテランの嶋基宏捕手とバッテリーを組む。 村上宗隆内野手は「4番三塁」に入り、今季全120試合に4番でスタメン出場となった。 山田哲人内野手が「3番二塁」で10月31日巨人戦以来のスタメン出場。 「1番中堅」に塩見泰隆外野手、「2番左翼」は山崎晃大朗外野手、「5番一塁」には西田明央捕手、「7番右翼」には広岡大志内野手が入った。 青木宣親外野手と、坂口智隆外野手は、スタメンから外れた。
◆ヤクルトのドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手(19)は2回0/3を57球、被安打9の5失点で降板した。プロの洗礼を浴びる形となった。 初回1死一、三塁で広島4番松山に適時二塁打を許し、2点を先制された。初回で29球を費やした。 2回は無失点に抑えたが、3回は松山の9号2ランを含む4連打を許して無死一、三塁のピンチで降板した。 初回に最速148キロをマークしたが、その後徐々に落ち、3回には球速が130キロ台となった。
◆ヤクルトのドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手(19)は2回0/3を57球、被安打9の5失点で降板した。プロの洗礼を浴びる形となった。奥川のプロ初先発を、恩師の星稜・林和成監督が神宮球場で観戦した。「非常にいい経験をさせてもらいましたね。自分の今の立ち位置。やるべきことがよくわかったでしょう」と悔しいデビュー戦にも、恩師として温かい目を向けた。 奥川が高1秋の北信越大会決勝での敗戦を糧に、大きく成長した時期と重ね「あの時と同じ。来年につなげていかないといけませんね」とエールを送った。
◆広島は初回、松山の適時二塁打で2点先制。3回も松山の9号2ランなど4点。初先発のヤクルト奥川は3回途中5失点で降板。 広島は4回、堂林の犠飛で1点を追加。ヤクルトは、広島の先発床田を打ち崩せず、6回まで2安打のみで無得点。 ヤクルトは8回に広岡の8号ソロなどで3点を返したが、反撃も届かず。奥川がプロ初黒星。広島先発の床田は8回途中まで3失点で5勝目を挙げた。フランスアが19セーブ目。
◆セ・リーグ最下位のヤクルトが、5位広島と対戦。 広島は1回に松山の二塁打で2点を先制。3回には松山の本塁打と鈴木誠の二塁打などで4点を追加。8回に3点を返されるが、逃げ切り勝利した。ヤクルトはドラフト1位ルーキーの奥川が1軍で初先発したが、序盤から失点し敗れた。
◆広島鈴木誠也外野手が球団新の5年連続打率3割を達成した。 16年10月1日ヤクルト戦以来の1番起用に応え、1回ヤクルト奥川から二塁打を放つと、2回は変化球を引きつけて左前へ。3回2死一、二塁では星から一塁線を破る適時二塁打でジャスト3割に到達した。「意識し出して自分の打撃ができていなかった。自分のスイングができればいいかなと。数字を意識するのは難しい」。原点回帰で節目に到達。3安打後に代走を送られ、11日のシーズン最終中日戦は欠場が見込まれる。25本塁打も5年連続。球団史に1ページを刻んだ。
◆ヤクルトが最終戦後に、セレモニーが行われた。就任1年目のシーズンを最下位で終えた高津監督は「1つでも多くの勝ちをみなさんにお届けしたかったんですけども、なかなかそれができず、監督として責任を感じております」とあいさつ。 ライトスタンドへ全員であいさつに向かい、ファンからは拍手が起こった。
◆ヤクルトのドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手(19)は、不完全燃焼のデビュー戦となった。 本拠地神宮での今季最終戦で、プロ初先発。2回0/3を57球、被安打9の5失点で降板した。シュート回転する球もあり、制球に苦しみ本来の持ち味を発揮できないままだったが、この経験を来季へつなげていく。球場全体からわき上がるような拍手に包まれて、奥川はマウンドを降りた。「もっともっとレベルアップしないといけないと思いました。頑張ります」。 初めての神宮、初めてのマウンド。1番鈴木誠にカウント3-1から、甘く入った148キロ直球を右中間への二塁打とされた。1死一、三塁で松山に先制の2点二塁打を許した。初回に最速148キロを出したが、3回には130キロ台。シュート回転する球も多く、変化球の制球にも苦しんだ。本来の力を発揮できず「状態としてはあまり良くなかった。初めてのマウンドにも対応できなかったし、修正が出来ないままズルズルといってしまい、早い回での降板は非常に悔しい」。 1年目は、地道な練習が多かった。1月に右ひじの軽い炎症。8月にも再度ノースロー調整に。大きな痛みはなく「早く投げたい」という気持ちが膨らんだ。星稜時代のチームメートに「投げられないのが、もどかしい」と漏らしたこともあった。それでもじっくり練習を積み、食事面にも気を配った。白米だけでなく、タンパク質などバランスよく、朝食から1時間をかけてしっかり食べて体重は6キロ増。球の力も増した。 悔しさも反省も、糧になる。最終戦セレモニーでは高津監督に促され、マイクの前に立った。「1年目の奥川です。今日の試合の反省をしっかりといかして、来年以降はしっかり活躍できるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」。ここから、奥川のエース道が始まる。【保坂恭子】
◆ヤクルトのドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手(19)は、不完全燃焼のデビュー戦となった。 本拠地神宮での今季最終戦で、プロ初先発。2回0/3を57球、被安打9の5失点で降板した。シュート回転する球もあり、制球に苦しみ本来の持ち味を発揮できないままだったが、この経験を来季へつなげていく。ヤクルト高津監督(奥川について)「本人的には満足できる内容、結果ではなかったかもしれないが、これを見たくて我々は首を長くして待っていた。それが見られたことだけで、非常に良かったと思う」
◆石川・星稜高から今季ドラフト1位で入団したヤクルト・奥川恭伸投手(19)が、10日の今季最終戦(対広島、神宮)に先発でプロ初登板した。高卒新人が先発で初登板勝利をつかめば、球団史上初の偉業だったが、二回0/3を被安打9、2奪三振、5失点でノックアウト。プロ初黒星を喫し、ほろ苦いデビュー登板となった。 一回、先頭の鈴木誠に中越え二塁打を許したが、続く田中広を左邪飛に仕留め、初アウトを奪った。しかし長野には三安で1死一、三塁とされると、松山に左中間へ2点適時二塁打を浴び、初失点を喫した。坂倉にも左前打を許し再び1死一、三塁のピンチを迎えたが、堂林を空振り三振、続く高橋大は見逃し三振とし、ピンチを切り抜けた。 不安定な立ち上がりとなった奥川だが、二回は菊地涼を左飛、床田を二ゴロ。2死から鈴木誠に左前打を許したが、続く田中広を右飛に打ち取り、無失点に抑えた。 ところが三回、先頭の長野に左前打、続く松山には初球インコースの真っ直ぐを捉えられ、プロ初の被本塁打を浴びる。さらに坂倉、堂林にも連打を許し、4連打となったところで降板。ほろ苦いデビューとなったが、本拠地のファンからは温かい拍手が送られた。 代わった2番手・星も広島打線の勢いを止めきれず。床田、鈴木誠に適時打を浴びると、四回にも追加点を許した。八回に廣岡の8号ソロなどでようやく3点を返したが試合をひっくり返すことはできず、3-7でヤクルトは敗れた。 ヤクルト・奥川 「初めて神宮のマウンドにあがって緊張感もありましたが、たくさんのヤクルトファンの方々の声援もあり、気持ちよく思いっきり投げることができました。状態としてはあまり良くなかったです。初めてのマウンドにも対応できなかったし修正が出来ないままズルズルといってしまい早い回での降板は非常に悔しいです。登板前日から緊張感はありましたが眠れないということはありませんでした。もっともっとレベルアップしないといけないと思いました。頑張ります」 その他の写真(2/3枚) ◆主な高卒新人投手の初登板アラカルト ★梶本隆夫 岐阜・多治見工高から阪急入りした54年、いきなり開幕投手を務め、6回3失点で勝利投手。同年に20勝(通算254勝)。 ★近藤真一 愛知・享栄高から中日へ入団した87年、デビュー戦の巨人戦で無安打無得点試合を達成。 ★松坂大輔 横浜高から西武に入団し、99年4月7日の日本ハム戦に先発。一回に片岡を空振り三振に仕留めた球は155キロ。六回1死まで無安打で、8回2失点で勝利投手に。 ★ダルビッシュ有 宮城・東北高から日本ハム入りした2005年の6月15日、完封を目前とした九回に2点を失って途中降板したが、白星をつかんだ。 ★田中将大 北海道・駒大苫小牧高から楽天に入った07年、3月29日のソフトバンク戦で先発したが、6失点で二回途中KO。 ★大谷翔平 日本ハムで投手デビューは13年5月23日。岩手・花巻東高出の新人ながら打者で2安打1打点とデビューを飾った開幕戦から約2カ月後、157キロをマークしたが、5回2失点で勝ち負けはつかなかった。 ★吉田輝星 高卒新人の初登板勝利は、最近では19年6月12日に日本ハムの吉田輝(秋田・金足農高)がマーク。 ◆今季の高卒新人投手 沖縄・興南高からオリックスにD1位で入団した左腕、宮城が11月6日の日本ハム戦(京セラ)で勝利一番乗り。初登板からいずれも先発し、3度目で5回7安打3失点と粘った。岩手・大船渡高からロッテにD1位で入団した最速163キロ右腕、佐々木朗はコンディションが上がらず、1・2軍とも実戦登板がないまま1年目を終了。岡山・創志学園高から阪神D1位の西純は2軍で11試合に登板、4勝3敗だった。
◆今季、国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たしたヤクルトの主力3選手は権利行使に含みを残した。山田哲は94試合に出場して打率2割5分4厘でシーズンを終え「一生懸命プレーをしてきて、自らの身の振り方をじっくり考えるのも初めてなので、じっくり考えたい」と話した。 10勝を挙げたエース小川は「野球人生の分岐点になると思う。じっくり考えたい」とコメント。20セーブの石山は「これまで指導してくださった方々の教えを守り、しっかり方向性を決めたい」と述べた。
◆広島の床田が7回0/3を投げて5安打3失点で5勝目を挙げた。内角を厳しく攻める強気の投球が光り、七回までスコアボードにゼロを並べ「初球でストライクを取れたら自分のペース。すごく良かった」と手応えを口にした。 昨季、7勝を挙げ、さらなる飛躍を期して挑んだシーズンだったが、好不調の波が大きかった。この日もプロ初完封が見えて来た八回に崩れ「詰めの甘さが出た。慎重になり過ぎた」と反省も忘れなかった。
◆ヤクルトの村上が3年目で初のタイトルとなる最高出塁率獲得を確実にした。試合前の時点でチームメートの青木とはわずか2厘差。2打席凡退して差がほとんどなくなったが、七回に二塁打、八回には四球を選び2度出塁。青木が代打で犠飛に終わったこともあり3厘差でトップを守った。 弱冠20歳ながら今季の全120試合で4番を任された。「開幕前からの目標だったのでうれしい。大きなけががなかったのは支えがあったから」と周囲に感謝した。
◆ヤクルトのドラフト1位ルーキー、奥川恭伸投手(19)が広島との今季最終戦でプロ初登板を果たした。神宮球場で見届けた奥川の父・隆さん(54)は本紙に特別手記を寄せ、ねぎらいの言葉と今後への期待を表した。また、奥川を入団時から取材するヤクルト担当・横山尚杜記者(26)が見た、19歳の"素顔"とは-。 入団して以降、きょうを迎えるまで長く心配が尽きない日々でした。昨年までは毎日自宅に帰ってきていましたが、今年は新型コロナの影響もあり、ほとんど会えない。連絡しても「うん」「はい」「分かった」しか返事がないので、身体のことは常に心配していました。いろいろな方々に面倒を見ていただいたおかげで、また元気に投げる姿を見ることができ、感謝しております。 私は(金沢市立工高で)野球をやっていたので、小さい頃には基本的なことを教えた記憶があります。小学校の頃は打撃が大好き。毎日自宅でスポンジボールを打っていました。 硬式野球を始めてからは、石川・星稜高の林監督をはじめ、指導者に恵まれたこともあって技術的なアドバイスは一切していません。ただ、野球が好きという気持ちは小さいときから変わらないですね。 恭伸を怒ったことはほとんどないですが、少年野球時代に一度だけ記憶しています。打たれて、味方がエラーするとマイナスな表情を出したことがあり「チームメートは皆、投手の背中を見ている。マウンド上でそんな態度を取るな」と叱りました。当時は、まだ未熟で仕方ない部分もありましたが、そこからマウンドでの立ち居振る舞いには気を使っていると思います。 今まで言い続けてきたのは「自分の体は、自分で守るしかない」ということです。体の痛みや違和感は、自分にしか分からない。そういったことを周囲の人に言えるようにならないといけない、と。無理をしたらどうなるのか冷静に自分で考えられるようにならないといけない。それもあって、今季もけがから復帰し、登板がかなったのかもしれないですね。特に今年は、自分の体のことをよく考えなさいということしか言っていないです。 まだ1軍の試合に出ていないのに、グッズをたくさん買ってくれているファンの方がいます。この日の登板を待ちわびてくれた方に元気な姿を見せられたのは本当によかったです。来年へ、同じ失敗を繰り返さないようにしっかりと練習に励み、チームの力になれることを願っています。
◆石川・星稜高からヤクルトにドラフト1位で入団したルーキーの奥川恭伸投手(19)が10日、広島との今季最終戦(神宮)でプロ初登板。先発で2回0/3を9安打5失点と初黒星を喫し、ほろ苦い1軍デビューとなった 入団時に奥川を担当した阿部スカウトは「来季に向けてのモチベーションにもなったと思う」と、さらなるステップアップを期待した。プレーはもちろん、大舞台に臨む心構えや内に秘める強い闘争心に惹かれたといい「負けん気の強さ、探求心がある。プロでやっていく上で大事な部分を持っていた」と高校時代を振り返り「サプリメントを摂取するようになったり、意識もプロになってきた」と右腕の成長に目を細めた。
◆ヤクルト・奥川の母校、石川・星稜高の林和成監督(45)は神宮球場で投球を見守り「本人は時間がかかったと思っているかもしれないですが、登板機会をもらえて来年へのステップになったと思います」と教え子の"第一歩"に目を細めた。 今季は2度のノースロー期間があったが、恩師は「高校時代の経験からしても、この1年間は無駄ではなかったと思う」と前向きに捉える。初めて奥川に背番号1を託した1年秋、石川県大会決勝と北信越大会決勝でいずれも日本航空石川高に完敗し「『このままでは通用しない』と一時は落ち込んだ時期もあった」という。 奥川は悔しさを忘れず冬に練習を積み、2年春には石川大会決勝に4-0で勝って雪辱。林監督は「苦しい時期も、先を見据えて頑張れる力がある」と精神的なタフさを評価し「彼は、球団の思いも十分感じ取っていると思います。しっかりやってくれるんじゃないかな」と期待した。 神宮球場で投球を見守った星稜高・山下部長 「首回りもそうですし、体が大きくなりましたね。ボールの切れを見てもプロになったんだなと思って見ていました」
◆20歳の村上が「4番・三塁」でフル出場し、今季全120試合で4番打者として出場を果たした。過去に球団で全試合4番を務めたのは2000年のペタジーニ、03、05、06年のラミレスで日本選手では初となり「大きなけがなく全試合4番での出場は開幕前からの目標でしたし、達成できてうれしいです」とコメント。さらに3打数1安打1四球で出塁率は・427、この日時点でリーグトップとした。
◆石川・星稜高からヤクルトにドラフト1位で入団したルーキーの奥川恭伸投手(19)が10日、広島との今季最終戦(神宮)でプロ初登板。先発で2回0/3を9安打5失点と初黒星を喫し、ほろ苦い1軍デビューとなった。目標にする米大リーグ、ヤンキースの田中将大投手(32)もデビュー戦で、この日の奥川と同じ57球で降板している。"プロの洗礼"を浴びて飛躍を遂げた憧れの右腕のように、この悔しさを飛躍につなげる。 懸命に腕を振ったがプロの壁にはね返された。神宮のマウンドに上がった奥川は、三回途中9安打5失点。それでも、上限ギリギリまで集まった1万4456人のファンは今後への期待を込め、温かな拍手を送った。 「たくさんの声援で気持ちよく投げることができた。状態があまり良くなく、早い回での降板は非常に悔しいです」 最後までトレードマークの笑顔は失わなかったものの苦しい投球が続いた。一回、初めて相対したのは日本を代表する強打者、鈴木誠。全て直球で挑み、この日最速となった148キロの5球目を右中間への二塁打にされた。三回には松山に右翼席へ2ランを運ばれ、この回途中で降板した。 入寮直後の1月半ばに検査で右肘の軽い炎症が判明。2月上旬までと8月の約1カ月間、ノースロー調整となるなど、全てが順調だったわけではない。コロナ禍で開幕が3カ月遅れる前例のない事態にも見舞われた。 ただ、ノースローの期間を体づくりの時間と捉え、転機にした。通常より負荷をかけたスクワットや右肘の機能を高めるメニュー、ゴムチューブを使った体幹強化など下半身と右上腕を重点的に強化。体重は入団時の82キロから4キロ増えた。 石川、五十嵐らベテランの野球への姿勢にも感銘を受けた。読書は苦手だったが、栄養学の本2冊を手に取るなど習慣化。陸上の本では「立つ姿勢から歩く姿勢、走るフォームを意識していくことで投球フォームにも少しずつ良い影響が出てくる」との理論を学び、プレーに生かした。 その他の写真(2/2枚) プロ初登板は57球。くしくも目標にするヤンキース・田中のデビュー戦と同じ球数だった。田中は1年目、2007年3月29日のソフトバンク戦で二回途中6失点と"洗礼"を浴びた。プロ野球記録の開幕24連勝、メジャーでの活躍など、田中がその後に日本を代表する投手となったのは周知の事実だ。 11日には秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」に参加するため宮崎入りする。「もっともっとレベルアップしないといけないと思いました。頑張ります」と奥川。この57球を、必ず糧にする。(横山尚杜) ★ファンから拍手 今季最終戦後のセレモニーではサプライズがあった。高津監督がファンに「勝ちをお届けしたかったんですが、なかなかできず監督として責任を感じております」と最下位に沈んだ今季を振り返ると、「来年に向かって、非常に有望な選手がきょう先発しました」と奥川をマイクの前に呼んだ。戸惑いながらも、新人右腕は「1年目の奥川です。今日の反省を生かして、来年以降しっかり活躍できるように頑張りたいと思います」と誓い、拍手を浴びた。 ◆ヤクルト・奥川という男 ★生まれ 2001(平成13)年4月16日生まれ、19歳。石川県かほく市出身。 ★球歴 星稜高で甲子園に2年春から4季連続出場。昨夏は2回戦(対立命館宇治)で甲子園大会歴代2位タイの球速154キロを計測。3回戦(対智弁和歌山)で23三振を奪うなど、チームの準優勝に貢献。2、3年時に高校日本代表。20年ドラフト1位でヤクルト入団。 ★好きな食べ物 すし。特に好物はエビとバイ貝、白エビの天ぷら。 ★座右の銘 星稜高・山下智茂名誉監督の教えであり、野球部訓の「耐えて勝つ」。 ★ルーティン 試合ではダイヤモンドに入るときに左足から入る。いつから始めたか覚えていないが、始めてからうまくいっていることが多く続けている。 ★サイズなど184センチ、86キロ。右投げ右打ち。独身。年俸1600万円。背番号11。
◆奥川は昨夏の甲子園大会の頃に比べてフォームが少し小さくなり、踏み出した左足が地面に着くのも少し早かった。最速は150キロに届かず、走者を背負うとさらに球速が落ちる。1軍初登板の緊張、不慣れなナイターを差し引いても、6、7割の仕上がりに感じた。 正直、もう少しいい結果を期待していたが、打たれたことは気にしなくていい。大切なのは、指がボールにしっかりとかかり、コントロールできた球をどれだけ投げられたか。力で抑えにかかったときは球が抜けていたので、自分で納得できる球はほとんどなかったのではないだろうか。 今年はコロナ禍で3-5月の練習が制限され、自身のコンディション不良もあり、2軍でも球数が制限されていた。神宮のマウンドで現在の力がどのくらい通用するか分かったことは、いい経験になったと思う。 今後は自問自答しながら、自分の感覚を取り戻さなければならない。フォームは状態が上がっていけば、いいときの感じに戻る。秋季練習、来春のキャンプで最低でも昨夏のレベルまで戻し、さらにレベルアップすること。オフの期間もボールを投げる練習が必要だろう。(本紙専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
67 | 44 | 8 | 0.604 (↑0.004) | 優勝 (-) |
1 | 528 (+4) | 416 (-) | 135 (-) | 80 (+1) |
0.255 (↓0.001) | 3.330 (↑0.03) |
2 (-) |
阪神 |
59 | 53 | 7 | 0.527 (↓0.005) | 8.5 (↓1) |
1 | 493 (-) | 460 (+4) | 110 (-) | 80 (-) |
0.247 (↓0.001) | 3.380 (↑0.02) |
3 (-) |
中日 |
59 | 55 | 5 | 0.518 (-) | 9.5 (↓0.5) |
1 | 426 (-) | 487 (-) | 70 (-) | 33 (-) |
0.252 (-) | 3.850 (-) |
4 (-) |
DeNA |
55 | 57 | 6 | 0.491 (-) | 12.5 (↓0.5) |
2 | 511 (-) | 469 (-) | 135 (-) | 30 (-) |
0.266 (-) | 3.810 (-) |
5 (-) |
広島 |
52 | 55 | 12 | 0.486 (↑0.005) | 13 (-) |
1 | 521 (+7) | 526 (+3) | 110 (+1) | 64 (+1) |
0.263 (↑0.002) | 4.070 (↑0.02) |
6 (-) |
ヤクルト |
41 | 69 | 10 | 0.373 (↓0.003) | 25.5 (↓1) |
0 | 468 (+3) | 589 (+7) | 114 (+1) | 74 (-) |
0.242 (-) | 4.610 (↓0.02) |
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