阪神(☆8対7★)ヤクルト =リーグ戦24回戦(2020.11.05)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
4300000007800
阪神
10151000X81321
勝利投手:ガンケル(2勝4敗0S)
(セーブ:岩崎 優(5勝2敗2S))
敗戦投手:星 知弥(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】梅野 隆太郎(7号・5回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は5点を追う4回裏、代打・原口の適時打が飛び出すなど打者10人の猛攻で一挙5点を奪い、同点とする。続く5回には、梅野がソロを放ち、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・ガンケルが今季2勝目。敗れたヤクルトは2回までに7点を挙げるも、投手陣がリードを守れなかった。

◆ヤクルトは山田哲人内野手が4試合連続、坂口智隆外野手が3試合連続でスタメンから外れた。 青木宣親外野手は「3番左翼」、村上宗隆内野手は「4番一塁」でスタメンに入った。 「1番右翼」には山崎晃大朗外野手が入り、「5番二塁」は宮本丈内野手。5番でのスタメンは、今季4試合目となった。 遊撃手には、2戦続けて西浦直亨内野手。「7番三塁」にはエスコバー内野手が名を連ねた。 先発バッテリーは、プロ初勝利を目指すプロ3年目の金久保優斗投手と、嶋基宏捕手。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が西勇輝投手(29)、ヤクルトが金久保優斗投手(21)。 リーグ2位の11勝を挙げている西勇。防御率争いも中日大野雄、広島森下に次いで3位につけている。この日の内容次第では次戦以降に逆転タイトルの可能性も残すだけに、注目の登板となる。12勝目を挙げれば、チームとして17年秋山以来3年ぶり。自身では、オリックス時代の14年に並ぶ自己最多となる。 ヤクルトは高卒3年目の右腕金久保が、今季2度目の先発。

◆ヤクルト先発のプロ3年目、金久保優斗投手(21)が、プロ初安打を放った。 2回、先頭で阪神西勇の2球目をとらえ、中越えの二塁打。3打席目でのプロ初安打が、いきなり長打となった。 2試合目の先発。4点リードで迎えた初回は、先頭の近本に安打を打たれ、マルテの一ゴロの間に1点を許した。しかし、4番大山をスライダーで空振り三振に仕留め、最少失点に抑えた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(20)が67年ぶりの盗塁記録を達成した。2回に右前打で出塁すると、二盗、三盗、本盗と1イニング3盗塁に成功した。 セ・リーグで1イニング3盗塁は、1950年(昭25)与那嶺要(巨人)1953年(昭28)土屋伍郎(国鉄)に次いで、67年ぶり3人目の記録。プロ野球全体でも、79年島田誠(日本ハム)以来41年ぶり17人目の珍記録。 村上は今季、試合前まで8盗塁だった。 ホームスチールは、2死二、三塁の場面で出た。二塁走者が飛び出し、阪神の西勇輝投手が二塁にけん制している間に、三塁から本塁にすべり込んだ。 ◆二盗、三盗、本盗 1イニングで決めると、メジャーリーグでは「ベーススチール・スウィーピング」と呼ぶ。日本では正式名称がなく「サイクルスチール」「パーフェクトスチール」などと呼ばれることが多い。

◆ヤクルトは初回、相手の隙を突いて4点を先制した。 先頭の山崎が内野安打。1死一、二塁から4番村上が右前打を放ち、1点を先制した。 1死一、三塁から、宮本の大きなバウンドの投ゴロは、阪神西勇が本塁へ投げるも捕手梅野が捕れず、ダッシュしていた三塁走者の青木が生還し2点目を奪った。 さらに1死二、三塁、西浦が初球を中前打とし、さらに1点を追加。 1死一、三塁となり、エスコバーがカウント1-2となったところで、西勇が一塁へけん制。一塁手マルテが捕球できずボールが転々とする間に三塁走者宮本が激走してセーフとなり、4点目を奪った。 村上は10月29日広島戦以来6試合ぶりの打点を挙げ、84打点。「チャンスだったので、ランナーをかえすことだけを考えて打席に入りました。コンパクトに打ち返すことができ、先制することができてよかったです」とコメントした。 追加点を挙げた西浦は「いい流れで回ってきたので、初球から積極的に打ちにいきました。追加点となってよかったです」と話した。

◆阪神西勇輝投手(29)が1回2/3を6安打3四死球7失点(自責4)で降板し、最優秀防御率のタイトル獲得が厳しくなった。 1回1死一、二塁から4番村上に先制の右前適時打を献上。なおも1死一、三塁で投ゴロを本塁に悪送球(記録は失策)し、2点目を失った。さらに6番西浦に中前適時打を浴びた後、一塁へのけん制球を一塁マルテが適時失策して4点目を奪われた。 2回も2番塩見の適時三塁打などで2点を追加された後、村上に二盗、三盗、さらには二塁けん制球の間に本盗まで決められた。1イニングで計5盗塁を許し、2死三塁から西浦に死球を与えたところで降板を告げられた。 1回2/3での降板はオリックス時代も含め、負傷降板以外では自己最短。7失点は阪神移籍後の2年間ではワーストとなった。 セ・リーグの最優秀防御率争いは前日4日終了時点で1位が中日大野雄で1・905、2位が広島森下で1・907、3位が西勇で2・03だった。西勇はこの日のまさかの乱調で防御率は2・26となった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(20)がセ・リーグ67年ぶりとなる盗塁記録を達成した。2回に右前打で出塁すると、二盗、三盗、本盗と1イニング3盗塁に成功した。 二盗、三盗、本盗を1イニングで決めると、メジャーリーグでは「ベーススチール・スウィーピング」と呼ぶ。日本では正式名称がなく「サイクルスチール」「パーフェクトスチール」などと呼ばれることが多い。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が反撃ののろしをあげる適時打を放った。 1-7の劣勢。3回2死一、三塁でヤクルト金久保の低めスライダーを左前に運んだ。5点差に詰め寄るタイムリーで今季64打点目。来季残留へアピールの一打にもなった。2回先頭でも中前打を放ち、マルチ安打とした。

◆阪神が4回に6安打5得点の猛攻を見せ、一時6点差を広げられた試合を振り出しに戻した。 2-7の4回だ。まずは無死一、二塁で代打原口が中前適時打を放って3点目。1番近本も中前適時打で4点目。その後1死二、三塁となりマルテの遊ゴロの間に5点目。2死二塁ではリーグ2冠を争う4番大山が左前適時打を放って6点目を挙げた。大山は今季通算84打点目とした。さらに2死一、二塁として陽川が右前適時打で同点とした。   各選手のコメントは以下の通り 原口 打ったのはストレート。ノーアウトでのチャンスだったので、とにかく後ろにつなぐ意識を持って打席に立ちました。素直に打ち返すことができて良かったです。 近本 打ったのはストレート。いい流れで回ってきたのでその流れに乗って打つことができました。ここから勝ち越せるように頑張ります。 大山 打ったのはカットボール。みんながつないでくれたチャンスだったので、ランナーを返すことができて良かったです。 陽川 打ったのはストレート。みんなの勢いに乗って打つことができました。一気に追いつくことができて良かったです。

◆梅野隆太郎捕手(29)の7号ソロで阪神がついに勝ち越しに成功した。 一時は6点差をつけられたが、4回に6安打5得点の猛攻などで同点。そして5回先頭の梅野がヤクルト星の高め141キロ直球を左中間席へ運んだ。 「流れがこっちに来ていたので、思い切って打ちにいきました。まだまだ流れがどっちにいくかわからない展開なので、まずは次のイニングをしっかり抑えれるように頑張ります」 エース西勇が2回途中7失点(自責は4)で降板したが、女房役が意地の一振り。ヤクルトは3~6回までひとりの走者も出せず。阪神が流れを引き寄せた。

◆二盗!三盗!本盗!ヤクルトの若き4番村上宗隆内野手(20)が、バットだけでなく足でも見せた。2回、右前打で出塁すると、すかさず二盗、さらに三盗、ホームスチールまで成功。セ・リーグでは53年土屋伍郎(国鉄)以来、67年ぶり3人目となる"サイクルスチール"を達成した。燕の主砲村上が、甲子園に詰めかけた虎党をざわめかせた。 6-1で迎えた2回2死、阪神西勇から2打席連続となる右前打を放った。5番宮本の1球目で、すかさず二盗に成功。188センチ、97キロの大柄だが、身のこなしは軽やか。阪神捕手梅野が、二塁に投げられないほどの完璧なタイミングだった。2死一、二塁となり、西浦の2球目に、村上と宮本はダブルスチール。三塁に到達した村上は、涼しい表情で少しずれたヘルメットを直した。 さらに2死二、三塁で、西浦のカウント2-1。4球目の前に、二塁走者の宮本がリードを大きく取り、西勇のけん制を誘う。二塁へ投げると同時に村上がスタートを切り、本塁へ猛ダッシュ。スライディングをしながら、左手でポンとベースにタッチして本盗にも成功した。遊撃手木浪の返球は一塁側へそれ、余裕のセーフだった。 2回の守備につく際には、場内アナウンスで「村上宗隆選手は、ただいまのイニングで3連続盗塁を記録いたしました」と紹介され、村上は笑顔で一塁の守備に走っていった。 昨季、高卒2年目以内で歴代最多タイの36本塁打、同最多の96打点をマークしたセ・リーグ新人王は、実は足も速い。熊本東リトルシニア時代には、卒団した秋以降も練習に通い、下級生と走りのメニューから手を抜かずに下半身を鍛え続けた。九州学院では、50メートル走6秒1。プロ1年目の18年には、イースタン・リーグで16盗塁をマークしている。 昨秋のキャンプでも、高津監督は村上に積極的にサインを出しており「走れるなら、走らないともったいない。どんどん走らせようと思う」と明かしていた。村上の持ち味は、本塁打や打点ランクで上位につけている打撃だけではない。足という大きな武器も持っている。【保坂恭子】 ▼村上が2回に二盗、三盗、本盗を決めた。同じイニングに二盗、三盗、本盗を成功させた1イニング3盗塁は79年6月5日島田誠(日本ハム)が西武戦の3回に記録して以来、41年ぶり17人目のプロ野球タイ記録。セ・リーグでは51年9月12日与那嶺(巨人)53年4月9日土屋(国鉄)に次いで67年ぶり3人目だ。村上の20歳9カ月は59年10月12日城戸(西鉄)の20歳7カ月に次ぐ年少2位で、4番で記録は51年7月26日別当(毎日)に次いで2人目になる。79年島田誠は前日まで24盗塁、この年にリーグ2位の55盗塁した俊足選手で、森繁和と当時43歳だった野村克也のバッテリーからマークしたが、村上は前日まで8盗塁で、今季3盗塁しか許していない西勇-梅野のバッテリーから記録した。

◆ヤクルト先発のプロ3年目金久保優斗投手(21)は、3回0/3を9安打6失点、77球で降板した。2試合目の先発だったが、初勝利には届かなかった。 最大6点のリードを、守り切れなかった。 7-2で迎えた4回、先頭木浪から4者連続安打を許し、さらに無死一、二塁のピンチでマウンドを降りた。 その中でも、2回2死一、二塁のピンチでは代打中谷をカウント2-2から外角低めいっぱいの最速152キロ直球で見逃し三振を奪い、持ち味も発揮した。 「今日は状態としては悪くはなかったが、なかなかリズムを作ることができず、テンポ良く投げる事ができませんでした。ピンチの場面で粘り強く投げる事ができず、早い回で降板してしまい申し訳ないです」とコメントした。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(20)が67年ぶりの盗塁記録を達成した。2回に右前打で出塁すると、二盗、三盗、本盗と1イニング3盗塁に成功した。 セ・リーグで1イニング3盗塁は、1950年(昭25)与那嶺要(巨人)1953年(昭28)土屋伍郎(国鉄)に次いで、67年ぶり3人目の記録。プロ野球全体でも、79年島田誠(日本ハム)以来41年ぶり17人目の珍記録。

◆阪神先発西勇輝投手が2回途中7失点(自責点4)で降板し、最優秀防御率のタイトルが絶望的になった。 初回に自らの本塁悪送球や一塁マルテのけん制後逸など、2つの適時失策で4失点。2回にも村上に3連続盗塁を許すなど5盗塁を許し、3失点した。登板前は防御率リーグ3位につけていたが、まさかの大乱調で数字は悪化。打線の奮起で黒星は免れたが、1回2/3での降板は故障以外ではプロ12年目で最短で、逆転タイトルは厳しい状況となった。

◆ヤクルトは1回に村上の先制打などで4点を先取。2回にも3点を追加。阪神の西勇は今季最短の1回2/3を6安打7失点で降板。 阪神は4回に4連打を含む6安打5得点で同点。5回に梅野の7号ソロで勝ち越した。ヤクルトは3~6回まで無安打で無得点。 阪神は小刻みな継投で反撃をかわし、序盤の7失点をひっくり返して2連勝。ヤクルトは投手陣が崩れ、2連敗。阪神ガンケル2勝目、岩崎2セーブ目。ヤクルト星は1敗目。

◆阪神近本光司外野手はプロ初の打率3割へ、ラストスパートだ。まずは4点ビハインドを背負った1回、先頭で1ボール2ストライクから右腕金久保のフォークを中前にはじき返した。2番糸原の打席ですかさずリーグトップ独走の31盗塁目となる二盗に成功した後、反撃のホームインだ。 4回は1イニング5得点の同点劇を適時打でつないだ。4点差に縮めて迎えた無死一、三塁。フルカウントから右腕金久保の150キロ直球を中前に運び、「いい流れで回ってきたので、その流れに乗って打つことができました」。4番大山のタイムリーで1点差に迫るホームを踏んだ。 打率を2割9分6厘に上昇させて、残り3試合を戦う。勝利を目指した結果の3割到達へ、120試合目まで1本1本を積み重ねる。

◆阪神矢野燿大監督も6点ビハインドからの大逆転勝ちに感慨深げだった。 「苦しかったですが、キャプテンの健斗(糸原)もベンチで『逆転するぞ』って、2回の時点で言ってくれていましたし、みんなのあきらめない気持ちがこのような結果になって、シーズン終盤ですが(あきらめない)気持ちがすごくうれしいです」。救援陣の奮闘や打者のつなぐ気持ちが白星につながり、「この逆転は誰か1人が頑張ったから逆転になったわけではない。全員の力」と目を細めていた。

◆阪神4番大山悠輔内野手はタイトル争いに食らいついている。2点差まで迫った直後の4回2死二塁、右腕大下のカットボールを振り抜き、三遊間を破るタイムリーを決めた。 「みんながつないでくれたチャンスだったので、ランナーをかえすことができてよかったです」。ともにリーグ2位タイの27本塁打、84打点。残り3試合で、ともにリーグトップの巨人岡本の29本塁打、91打点にどこまで迫れるか。

◆阪神が一時6点差ゲームを大逆転で勝利を収めた。 エース西勇が2回途中7失点(自責4)で降板したが、打線が奮起した。2-7の4回は6安打5得点の猛攻を見せて同点。さらに5回には梅野の勝ち越し7号ソロで試合をひっくり返した。梅野は「たまたま自分が勝ち越しホームランを打ちましたけど、今日は全員で勝ち取った勝利だったんじゃないかと思います」と、お立ち台で笑顔を見せた。 西勇の後を継いだ救援陣も6人が無失点リレー。9月20日以来の救援登板で2回1/3を1安打無失点に抑えたガンケルが来日2勝目を手にし「初球から積極的に思い切って攻めていこうと思ったよ。久しぶりのに中継ぎとしての登板だったけど、チームが任せてくれたポジションで自分ができる全力のことをやった。チームの勝利に貢献することができたので本当に良かったね」と喜んだ。

◆阪神岩崎優投手が代役守護神起用に完全投球で応えた。セーブ王を確定させている守護神スアレスがベンチを外れた一戦。1点リードの9回に登板した。 2番塩見はチェンジアップで空振り三振、途中出場の広岡はチェンジアップで遊ゴロ、4番村上は143キロ直球で二ゴロに仕留めた。プロ初セーブを手にした9月3日ヤクルト戦以来の今季2セーブ目を記録した。

◆阪神が一時6点差ゲームを大逆転で勝利を収めた。 エース西勇が2回途中7失点(自責4)で降板したが、打線が奮起した。2-7の4回は6安打5得点の猛攻を見せて同点。さらに5回には梅野の勝ち越し7号ソロで試合をひっくり返した。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。   -6点差から逆転勝ち 矢野監督 苦しかったですけどね、キャプテンの健斗(糸原)もベンチで「逆転するぞ!」って、2回の時点で言ってくれてましたし、みんなの諦めない気持ちがこのような結果になって、シーズン終盤ですけど、このチームの気持ちがすごくうれしいです。 -谷川が3、4回を完璧に抑えてリズムを作った 矢野監督 きょうのこの逆転は誰か1人が頑張ったからなったわけじゃなくて、谷川とかガンケルとか、そのあとのピッチャーはみんな息詰まるような状況でしたし、バッターも1人1人なんとかつなぐことができたからこそ、この試合になったと思う。全員の力で勝てました。 -4回はタイムリー4本 矢野監督 流れの中で勢いに乗ったのもあるんですけど、そんなに簡単に打てることではない。先ほども言ったようにみんなの気持ちが「なんとか後ろに回せ」っていうね、そういう気持ちが1本1本のタイムリーにつながったと思います。 -5回は梅野の勝ち越しホームラン 矢野監督 見逃せばボール気味だと思いますけど、リュウ(梅野)らしく、思い切っていった結果が最高の形になりましたし、その後のリードも、思い切ったリードをしてくれた。バッティングもリードも大きかったですね。 -残り3試合へ 矢野監督 本当に、この終盤でこのような戦いができたのは、僕自身もうれしいですし。チーム全員が諦めていない気持ちというのが、出せた試合だと思うので、残り3試合もそのような試合をしていきます。 -気持ちが結果につながった試合 矢野監督 健斗の話をしたけど、2回の時点でそうやって(逆転するぞ、と)言ってくれていたし。まあ、しゅんとなったり、西(勇)があんな流れになるのはちょっと考えにくいことやけど、こういうことが起こり得るのは野球。それを全員で消してくれたのはうれしいし、今日もミスは出たけど、諦めないというずっと大事にしていることやけど、巨人の優勝が決まった中でもこのようにやってくれたのは、監督としてうれしいです。 -梅野の打撃は 矢野監督 状態が落ちていてね。リュウもバッティング練習でもいろいろ変えたり、いろいろしている中で、何かがきっかけになる部分があるし。キャッチャーなんでね、もちろん守ることも気になっていると思うし。もちろん打てなかったら守りでがんばろうと思うんだけど、打てたらリードも思いきったことができやすくなるので。やっぱりキャッチャーが打つと、自分の経験からもね、思いきっていけるし、乗っていけるかなというのは中盤以降も、守りのところでも出ていたのかなと思います。 -ガンケルは中継ぎでも好投 矢野監督 ガンケル、谷川とかね、流れをあそこで呼び戻してくれたというか、作ってくれた。谷川なんか特に、そのイニングを、そのバッターを必死に抑えるという姿がね、またそういうみんなの気持ちをつなげてくれたと思うし。今日はスアレスを外していたので、そういうところでガンケルがいてくれて流れを作ってくれたので。本当に素晴らしいピッチングでした。 -西勇は思わぬ展開に 矢野監督 流れとか、どうしても精神的にも揺れる点の取られ方だったので。そこをうまく突かれて。流れとかってどうしても野球はあるのでね、そこをちょっと持っていかれたかなという感じが。初めて見たね。 -ファンを喜ばせる、目指す野球ができた 矢野監督 もちろん、喜ばすというのは一番は優勝なんだけど、さっきも言ったようにジャイアンツが優勝決まって残り少ない中でも、こういう試合はもちろんつながっていくと思う。俺自身、超積極的とか、あきらめないとか、誰かを喜ばせようとか、ずっと伝えてきたこと。そういうところでは結果につながったことも、うれしいし。健斗(糸原)がそういう声を出しながら、コーチが鼓舞しながらやってくれて。本当に中継ぎの投手とか誰か打ったとか、誰かだけでは勝てない。ベンチで声を出しているやつも戦力になっているし、コーチももちろん戦力になってくれている。そういう野球が俺の目指す野球。そういうのをみんなが思ってくれてやってくれたのはうれしい。 -Aクラスが確定 矢野監督 最低限というかね、本当に開幕スタートも苦しかったし、今シーズンもうまくいかないことの方が多いなかでね、本当にもうだめか、もうだめか、というところできょうの試合のような粘りで最低限ね。ファンの人に申し訳ない気持ちなんだけど、選手みんながやってくれた結果がつながった。それはそれで、よしとかオッケーとか思ってるわけじゃないけど、苦しい中でもみんながやってくれた結果のひとつかなと思っています。

◆阪神梅野隆太郎捕手(29)が今季最大の6点差大逆転勝ちを完結させ、2年連続のAクラスを決めた。「今日は全員で勝ち取った勝利です」。気温10度前後まで冷え込んだ甲子園。序盤の劣勢にも諦めず、応援を送ってくれたファンに白星をプレゼントした。 同点の5回先頭。3番手星の代わり端を捉えた。真ん中高め141キロをフルスイング。「流れがこっちにきていたので、思い切って打ちにいきました」。会心の一撃は左中間席へ一直線。出場11試合ぶりの7号が千金の決勝点になった。 エースの苦投をチーム一丸でカバーした。チームトップ11勝の先発西勇が、まさかの大乱調。2回途中7失点でマウンドを降りた。今季は幾度となく、右腕に助けられた。今度は打線が、お返しばかりに奮起した。1-7の3回、5点差に迫ったサンズの適時打が合図だった。4回は代打原口から近本、大山、陽川と4本の適時打などで一挙5得点。打者一巡の猛攻で同点とし、西勇の負けも消した。あとは女房役の梅野が、仕留めるだけだった。 救援陣も6投手が0封リレーを決めた。矢野監督は「バッティングもリードも大きかった」と攻守で奮闘した梅野をたたえた。チームは今季3位以上を確定させ、中日との0・5差キープで2位も死守。だが梅野は反省も忘れなかった。村上に3連続盗塁を決められるなど、2回に一挙5盗塁を許した。「この悔しさを残りの試合に個人的にもぶつけたいし、チームが常に連勝できるように頑張っていきたい」。残り3試合、来季につながる有終の2位へ突き進む。【奥田隼人】

◆中継ぎに再転向した阪神ガンケル投手が、好救援で来日2勝目を手にした。 同点の5回に3番手で登板。あっさり3者凡退に仕留め、直後の梅野の決勝ソロを呼んだ。「1球1球、自分の全力を投げ切って、いいピッチングをしていこうと思ったよ」。9月20日以来の救援登板だったが、2回1/3を1安打無失点に抑え、大逆転勝利の流れを呼んだ。

◆阪神藤川球児投手は登板機会がなかったが、試合後に一塁と右翼スタンド側へ近づき、ファンに手を振りあいさつした。 4日には自身のツイッターに「僕が、試合に入るのは今日と明日、それと引退試合の11月10日の3試合になります。」と投稿。残り3試合でベンチ入りするのは、引退セレモニーが行われる11月10日巨人戦(甲子園)だけとなった。

◆二盗!三盗!本盗!ヤクルトの若き4番村上宗隆内野手(20)が、足で見せた。 2回、右前打で出塁すると、すかさず二盗、さらに三盗、ホームスチールまで成功し、人生初の1イニング3盗塁でプロ野球タイ記録をマーク。セ・リーグでは53年土屋伍郎(国鉄)以来、67年ぶり3人目となる"サイクルスチール"を達成した。燕の主砲村上が、足でも球史に名を残した。6-1で迎えた2回2死、2打席連続で右前打を放った。「行けたら行け」のサインを確認。5番宮本の初球、捕手が送球できないほど完全に盗み、二盗に成功した。冷静に阪神西勇を観察した。2死一、二塁。「投手も慌てていたし、テンポが一定だった」。行けると判断し、6番西浦の2球目に一塁走者宮本とダブルスチール。これも完璧だった。 さらに2死二、三塁、西浦への4球目の前。落ち着けないままの相手バッテリーに仕掛けた。二塁走者宮本がリードを大きく取り、けん制を誘った。右手から白球が離れると同時に、地面を蹴った。188センチ、97キロの体格だが、身のこなしは軽やか。「とにかくホームだけ見て走りました」。スライディングをしながら、左手でベースにタッチ。「すごくうれしい」と笑った。 昨季、高卒2年目以内で歴代最多タイの36本塁打、同最多の96打点をマークしたセ・リーグ新人王は、足も速い。熊本東リトルシニア時代には、卒団した秋以降も練習に通い、下級生と走りのメニューから手を抜かずに下半身を鍛え続けた。九州学院時代から50メートル走6秒1の俊足だった。 積極的に足をからめる作戦を出す高津監督のもと「バッティングで飛ばすのも、走るのも体の使い方」と走塁技術も成長中だ。「遅い方ではないので。いいスタートが切れたり、いい判断ができたら盗塁は決まる。磨いていけたら」。打って、走れる最強の4番打者だ。【保坂恭子】

◆阪神が一時6点差ゲームを大逆転で勝利を収めた。 エース西勇が2回途中7失点(自責4)で降板したが、打線が奮起した。 ▼阪神がヤクルトに勝ち、DeNAが敗れたため阪神の今季3位以上が確定した。矢野監督は就任1年目の昨季が3位で、2年連続Aクラス。阪神の監督で就任1年目から2年連続Aクラスは85、86年(1位、3位)の吉田監督以来。中日が6日のヤクルト戦に負け、阪神が7日の広島戦に勝てば阪神の2位が決まる。 ▼阪神は6点差を逆転勝ち。6点差逆転勝ちは今季初。阪神の逆転勝ちは今季27度目で、リーグ最多だ。2点差以内の逆転勝ちが23回と多く、4点差以上の逆転勝ちはなかった。

◆ヤクルトの将来のローテーション投手へ-。高津臣吾監督(51)が、金久保優斗投手(21)へ高い期待をかけている。 先発2試合目となった5日の阪神戦で3回0/3を被安打9の6失点、77球で降板。それでも試合後、高津監督は「全然、結果は気にしていない」ときっぱり答えた。 ゆったりと足を上げるフォームから繰り出す直球は、威力がある。2回2死一、二塁、代打中谷をカウント2-2から外角低めいっぱいの最速152キロ直球で見逃し三振。将来性を感じさせる1球だった。 初先発した10月29日広島戦は5回被安打1の無失点に抑えており、指揮官は「前回と変わらず、いい滑り出しかなとは思ったんだけどね、少しずつでも前進、成長してくれているような気はします」と振り返った。 18年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、長期間のリハビリを経て3年目でようやく1軍デビューした。中継ぎとして踏んだ初めての1軍のマウンドは、10月22日巨人戦。坂本、岡本、丸を3者凡退に抑えるなど2回を無失点。 阪神戦までは7イニング無失点だっただけに、甲子園でプロの洗礼を受けた形となった。誰しもが、必ず通る道。焦りや不安、動揺を経験することも、すべてが勉強だ。すでに最下位が確定しているリーグ戦でも、若者にとっては貴重なマウンド。4回の無死満塁のピンチも、本人に切り抜けてもらいらかったのかもしれない。高津監督は「もちろんいい結果は出してほしいとは思うけど、打たれようがあんまり僕自身が気にしていなくて、勉強だと思っている。次に、また来年に、しっかり勉強していかしてくれたらいいと思っています。打たれることもあるでしょうし、打たれて覚えなきゃいけないこともたくさんあると思うので、良い勉強になったと思いたい」と話した。 金久保を、必ず先発ローテーションの1人に育て上げる-。かかる期待は大きい。【保坂恭子】

◆阪神先発西勇輝投手が2回途中7失点(自責点4)で降板し、最優秀防御率のタイトルが絶望的になった。西勇が1回2/3で7失点KO(自責4)された。先発での自己最短投球回は、17年8月22日の日本ハム戦(ほっともっと神戸)での1回だが、これは打球が左手首に直撃したアクシデントによるもので、KO降板では自己最短だ。また、7失点以上は自身6度目。自己ワーストは16年8月23日西武戦(ほっともっと神戸)での10失点(4回1/3)。

◆初の防御率のタイトルを目指していた阪神・西勇輝投手(29)が今季最短の二回途中6安打7失点(自責4)で降板。リーグ3位だった防御率は2・03から2・26まで下がり、逆転でのタイトル獲得は絶望的となった。  一回、先頭の山崎の遊撃内野安打から招いた1死一、二塁で、村上に先制の右前適時打。続く宮本のゴロを処理した西勇が本塁に悪送球して失点。なおも二、三塁から西浦が中前適時打。さらに西勇の送球をマルテが後逸するタイムリーエラーで、いっきに4失点。  西勇は二回も精彩をかいた。1死一塁から塩見に右中間を破られる適時三塁打、続く青木の一ゴロの間に失点。さらに、重盗を決められて、この回も3失点。1-7と6点リードで、2番手の馬場にマウンドを譲った。  この日、勝利投手になれず、オリックス時代の14年にマークした自己最多の12勝に並ぶことはできなかった。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が二回2死から右前打で出塁すると二盗、三盗、本盗を決め1イニング3盗塁をマーク。プロ野球では1979年の島田誠(日本ハム)以来、41年ぶり、セ・リーグでは53年の土屋伍郎(国鉄)以来、67年ぶりだった。二回は宮本も二盗、三盗と決めチームとして1イニング5盗塁。2つの重盗を決めた。

◆阪神は7-7の五回、梅野が勝ち越しの7号ソロ。最大6点差をひっくり返して8-7でヤクルトに逆転勝利した。貯金は今季最多タイの6となり、Aクラス(2位もしくは3位)が確定した。  先発したエース西勇は今季最短の1回2/3を投げて6安打7失点(自責4)で降板。二回終了時のスコアは1-7と一方的な展開だった。  阪神は三回に1点をかえすと、四回に打者一巡の猛攻で5点差を追いついた。4連打で2点。内野ゴロの間に1点を追加し、大山の今季84打点目となる適時打で1点差に。陽川が2死一、二塁で右前に同点打。七回に梅野が勝ち越し弾を放ちリードした。  二回途中でマウンドに上がった2番手の馬場を含む6人のリリーフ陣がヤクルト打線を無失点に抑え、五回から登板したガンケルが今季2勝目。この日は、すでに最多セーブのタイトルを確定させているスアレスはベンチから外れたため、九回は、岩崎が締めて今季2セーブ目を挙げた。  リーグ3位だった西勇の防御率は2・03から2・26まで下がり、逆転でのタイトル獲得は絶望的となった。

◆プロ初勝利を目指したヤクルトの3年目、金久保は四回途中に降板を告げられた。二回までに7点の大量援護をもらっても落ち着けない。7-2の四回は7番木浪から4連打を食らってKOとなり「テンポ良く投げることができなかった。ピンチで粘れず、早い回で降板してしまい申し訳ない」と肩を落とした。  ただ、150キロ超の速球で力強さは示した。前日4日に21歳になったばかりで、高津監督は「滑り出しは良かったし、結果は気にしていない。いい勉強として来季に生かしてほしい」と先発として変わらぬ期待を語った。

◆ヤクルトの村上宗隆内野手が5日、甲子園球場で行われた阪神24回戦の二回に1イニング3盗塁をマークし、プロ野球記録に並んだ。1979年に島田誠(日本ハム)が記録して以来17人目。セ・リーグでは51年の与那嶺要(巨人)、53年の土屋伍郎(国鉄)に次いで3人目となった。  試合前まで今季8盗塁の村上はこの回、右前打で出塁後、二盗、三盗、本盗に成功した。本盗は2死二、三塁から二塁けん制の間に決めた。  パンチ力を誇る20歳の4番打者は試合後「3盗塁は人生で初めて。すごくうれしい。行けたら行けのサインで、思い切って走れた。隙を突けたというか、うまくタイミングが取れた」と果敢な好走塁に満足げだった。

◆パワーヒッターで鳴らすヤクルトの村上が足で41年ぶりの偉業を達成した。右前打で出塁した二回、二盗、三盗に続いて本盗も鮮やかに決め、1イニング3盗塁。史上17人目のプロ野球記録に「足に自信はないが、遅くもない。ああいう形で点が取れてすごくうれしい」と声を弾ませた。  阪神先発の西勇が失点を重ねる中、「慌てていたし、テンポが一定だった」と警戒が薄れていたところを見逃さない。悠々と二盗を決め、さらに宮本との重盗で三塁に進んで2死二、三塁。最後は二塁にけん制した隙を突いて本塁を陥れた。  26本塁打、84打点を誇る主砲に、高津監督は「若いし、走る能力がある。4番だから走らないというのは違う。これからもどんどん次の塁を狙ってほしい」とさらに期待を寄せた。 塩見(二回に右中間に適時三塁打) 「コースに逆らうことなく、しっかり逆方向に打ち返すことができた」

◆まさかの屈辱だった。村上に二盗、三盗、そして、本盗もされた。NPBで1イニング3盗塁は1979年の島田誠(日本ハム)以来41年ぶり。最優秀防御率のタイトルを狙った西勇は阪神移籍後、自己最短&ワーストの1回2/3を6安打7失点(自責4)と炎上した。  「流れとか、どうしても精神的にも揺れる点の取られ方だったので。そこをうまくつかれた」  矢野監督がエースの思いを代弁した。一回に自らの失策も重なって4失点。二回、村上に右前打を許すと走りに走られ、2死二、三塁の状況で二塁へけん制した際、本塁に走られた。  今季のラスト登板で防御率は2・26に悪化。DeNA戦で7回無失点と好投した中日・大野雄(1・82)に突き放され、霧散となった。自己最多タイの12勝目も届かず、悔しい日となった。(織原祥平)

◆悠々とダイヤモンドを回る本塁打ではない。全力疾走で、ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が快記録を刻んだ。1979年の日本ハム・島田誠以来、41年ぶりのプロ野球タイ記録となる1イニング3盗塁だ。  「投手もすごく慌てていましたし、テンポが一定だったので、隙をついたというか、うまくタイミングが取れてスタートを切れました」  二回、2死から右前打で出ると、次打者・宮本の初球で二盗に成功。さらに2死一、二塁で迎えた、続く西浦の打席の2球目で重盗を決めた。警戒の薄かった右腕、西勇のモーションを完全に盗んでの三盗。だが、衝撃はこれにとどまらない。  4球目の前だ。二走・宮本が大きくリードして注意を引きつけ、西勇がけん制した瞬間に本塁へ突入した。「ホームだけを見て走りました」。ホームスチールに成功。西勇や遊撃・木浪、捕手・梅野ら阪神守備陣は顔をしかめるしかなかった。  「足に自信はないが、遅くもない。ああいう形で点が取れてすごくうれしい」。これで今季11盗塁。今季26本塁打、84打点の大砲にして、実は50メートルを6秒1で走り、2年前のプロ1年目には2軍で16盗塁をマーク。首脳陣の作戦の狙いを理解して実践できる"頭脳"も持ち合わせる。高津監督は「走れる能力もあるし、4番だから走らないというのは絶対嫌。次の塁を狙う姿勢は持っていてほしい」と期待した。  村上の獲得に携わった橿渕スカウトグループデスクは、九州学院高時代の練習を視察した際を「走ることもしっかりやっていた」と回顧する。3盗塁は偶然ではなく、積み上げてきた成果だった。(横山尚杜)

◆大、大、大逆転や! 阪神は6点差をひっくり返し、ヤクルトに8-7で勝利。矢野燿大監督(51)は就任から2年連続でAクラス(3位以上)を確定させた。3月下旬には藤浪ら、9月下旬には糸原、岩貞らが新型コロナウイルスに感染するなど苦しんだシーズン。チームの底力を証明した。  V逸し、クライマックスシリーズもない消化試合で矢野虎が不屈の姿を見せた。6点差をひっくり返し、今季最大の大逆転勝ち。就任から2年連続Aクラスを確定させた矢野監督が、選手の姿に感激した。  「みんなの諦めない気持ちがこのような結果になって、シーズン終盤ですけど、このチームの気持ちっていうのがすごくうれしいです」  西勇が二回途中7失点(自責4)でKO。ヤクルトはその裏の守備から青木を下げ、余裕すら漂わせた。主将の糸原が「逆転するぞ!」とナインにハッパをかける。ここから猛虎が牙をむいた。2-7の四回、先頭の木浪からの4連打などで怒涛の反撃。打者一巡の一挙5得点で同点に追いついた。勝ち頭の想定外の大乱調だったが、虎将は「全員で消してくれたというのはうれしい」と団結力をたたえた。  その勢いのまま五回、先頭の梅野が左中間に決勝の7号ソロでついに逆転。殊勲の選手会長は「たまたまね、自分が五回に打ちましたけど、きょうは本当に全員で勝ち取った勝利じゃないかなと思います」と底力を強調した。  残り2試合の4位DeNAと4ゲーム差に広げ、2年連続Aクラスが確定。就任から2年連続Aクラスは1985、86年の吉田義男以来となった。  「開幕スタートも苦しかったし、今シーズンもうまくいかないことの方が多いなかでね。もうダメか、もうダメか、というところできょうの試合のような粘りで、最低限ね」  日本一を"予祝"していた中、3月には藤浪らが新型コロナウイルスに感染して活動休止し、他球団に後れをとった。開幕3連敗から始まり、12試合で最大借金8。絶望的な状況から立て直したが、9月末には再びコロナが直撃し、糸原、岩貞らが感染。選手の大量入れ替えを余儀なくされた。それでもギリギリで持ちこたえ、8月29日以降は勝率5割を切ることなく戦い抜いた。  「苦しい中でもみんながやってくれた結果の一つかなと思っています」  選手をたたえ「うれしい」と6度も繰り返した。残り3試合、虎党をさらに喜ばせるべく、矢野虎の戦いは続く。(大石豊佳)

◆シーズンを通じて、得点力不足が課題と指摘し続けてきたが、Aクラスを決めた試合で、しぶとく、諦めない攻撃を見せてくれた。相手投手によるだろうし、毎試合打てるほど野球は簡単ではないが、この確率を少しでも上げることで、より上位を狙えるのだ。  技術はもちろん必要だが、この試合で感じられた「絶対に点を取る」「必ず逆転できる」という気持ちの部分は欠かせない。同じ姿勢で残り3試合戦って、今度は2位を確定してもらいたい。  悔しいシーズンではあったが、4球団に勝ち越したわけで、巨人と、特に東京ドームの巨人と互角以上に戦えば、優勝できる戦力であると証明できた。プラス思考で、前向きに受け止めて欲しい。  個人的には、本塁打王を争う大山。この時期に、そういう目標があること自体に自信を持ってもらいたい。打率3割を狙う近本。2安打しても「もう満足」ではなく、「もっと打とう」というタイプ。ぜひ3割をクリアしてほしい。2人の経験は、来季へ財産であり、来季優勝、打倒巨人への大きな力になる。(本紙専属評論家)

◆防御率のタイトルをかけてマウンドに向かった虎のエース・西勇輝...。  ところが誰が予想しただろう? 自分のエラーなどもあり一回に4点、二回に3点を許し、1回2/3で自滅...。  しかし、そこから鶴の恩返しならぬ『虎の恩返し』がはじまったー!  「防御率はともかく、日頃打線の援護が少なく迷惑をかけている虎のエースを、このまま敗戦投手にはさせへんでー!!」と二回が終わって1-7から、終わってみれば8-7の大逆転勝利ー!!  その決勝打が西勇をリードした梅野のホームランだってんだから「西さん、オレのリードが悪かったから防御率のタイトルから遠ざかるようになって...。スミマセン」と謝っているかもしれない。西勇よ、来季はタイトル予約でお願いします!!

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
65438 0.602
(↓0.005)
優勝
(-)
4515
(+4)
409
(+5)
131
(+1)
79
(-)
0.254
(-)
3.350
(↓0.01)
2
(-)
阪神
58527 0.527
(↑0.004)
8
(↑1)
3491
(+8)
456
(+7)
109
(+1)
80
(+1)
0.249
(↑0.001
3.430
(-)
3
(-)
中日
59545 0.522
(↑0.004)
8.5
(↑1)
2422
(+2)
482
(-)
69
(-)
32
(-)
0.253
(↑0.001)
3.850
(↑0.03)
4
(-)
DeNA
55576 0.491
(↓0.004)
12
(-)
2511
(-)
469
(+2)
135
(-)
30
(+1)
0.266
(-)
3.810
(↑0.01)
5
(-)
広島
515412 0.486
(↑0.005)
12.5
(↑1)
3514
(+5)
521
(+4)
109
(+1)
63
(-)
0.261
(↓0.001)
4.110
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
396710 0.368
(↓0.003)
25
(-)
4453
(+7)
569
(+8)
107
(-)
73
(+5)
0.243
(↓0.001)
4.600
(↓0.03)