阪神(☆3対2★)ヤクルト =リーグ戦23回戦(2020.11.04)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:スアレス(3勝1敗24S)
敗戦投手:梅野 雄吾(4勝2敗0S)

本塁打
【ヤクルト】西田 明央(7号・8回表ソロ)
【阪神】陽川 尚将(8号・7回裏ソロ),大山 悠輔(27号・9回裏ソロ)

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◆阪神が劇的なサヨナラ勝利。阪神は1-1で迎えた7回裏、陽川のソロで勝ち越しに成功する。直後に同点とされるも、9回に大山のソロが飛び出し、試合を決めた。投げては、4番手・スアレスが今季3勝目。敗れたヤクルトは、4番手・梅野が痛恨の一発を浴びた。

◆ヤクルトは、青木宣親外野手、坂口智隆外野手、山田哲人内野手がスタメンから外れた。 田代将太郎外野手が「1番・右翼」でスタメン。1番に入ったのは、今季3試合目。 「2番・二塁手」には宮本丈内野手。塩見泰隆外野手は、今季初めて「3番」に入った。 遊撃手には、3日の阪神戦、代打で決勝3ランを放った西浦直亨内野手。藤井亮太内野手は、「7番・三塁」で2試合連続スタメンに名を連ねた。 「8番・左翼」には上田剛史外野手が入った。 先発バッテリーは、石川雅規投手と西田明央捕手。

◆両チームのスタメンが発表された。先発投手は阪神が藤浪晋太郎投手(26)、ヤクルトが石川雅規投手(40)。 藤浪は9月下旬にチーム内のコロナ禍で中継ぎに配置転換。13試合の救援で失点はわずか2試合だった。前回28日中日戦(甲子園)でブルペンデーのオープナーとして先発し、4回1失点(自責0)。今回は先発仕様で調整を続け、本格的な先発復帰マウンドになる。今季先発で挙げた1勝は、8月21日ヤクルト戦(神宮)。勝てば甲子園では17年4月27日DeNA戦以来、1287日ぶり白星になる。

◆1287日ぶりの甲子園白星を目指す阪神藤浪晋太郎投手(26)を、打線が先制点で援護した。 藤浪は3回表2死から3者連続四球で満塁とされながら、5番西田を157キロ直球で見逃し三振に仕留める。 すると直後の3回裏2死二塁、1番近本が中前に先制適時打を放った。 藤浪が白星を手にすれば、甲子園では17年4月27日DeNA戦以来となる。

◆1287日ぶりの甲子園白星を目指す阪神藤浪晋太郎投手(26)が、5回終了時点で4奪三振3安打3四球無失点と好投している。3回表2死から3者連続四球で満塁とされながら、5番西田を157キロ直球で見逃し三振に仕留める。先制点をもらった4回以降も落ち着いた投球が続く。 藤浪が白星を手にすれば、甲子園では17年4月27日DeNA戦以来となる。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が6回を4安打6奪三振無失点と好投し、1287日ぶり甲子園白星の権利を持って降板した。 3回表2死から3者連続四球で満塁とされながら、5番西田を157キロ直球で見逃し三振に仕留める。先制点をもらった4回以降も落ち着いた投球が続いた。 1点リードの6回は先頭4番村上の二塁打から2死一、三塁とされたが、8番上田を156キロ直球で見逃し三振に仕留めた。 112球を投げ、最速は157キロだった。 藤浪が白星を手にすれば、甲子園では17年4月27日DeNA戦以来となる。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が6回を6奪三振4安打無失点と好投した。白星の権利を持って降板したが、1点リードの7回に救援陣が同点とされ、1287日ぶり甲子園白星はならなかった。 3回表2死から3者連続四球で満塁としながら、5番西田を157キロ直球で見逃し三振に仕留める。先制点をもらった4回以降も落ち着いた投球が続いた。 1点リードの6回は先頭4番村上の二塁打から2死一、三塁とされたが、8番上田を156キロ直球で見逃し三振に仕留めた。 「バランス良く思い切って投げることができましたし、梅野さんのリードにもバックにも助けてもらい、無失点で抑えることができて良かったです」 112球を投げ、最速は157キロだった。 藤浪が白星を手にすれば、甲子園では17年4月27日DeNA戦以来だった。

◆ヤクルト塩見泰隆外野手が、同点適時打を放った。 1点を追う7回2死一塁、阪神2番手岩崎の初球、内角へのスライダーにうまくバットを合わせ、左翼線への二塁打とした。一塁走者宮本が激走し、好走塁で同点のホームを踏んだ。俊足の塩見は送球間に三塁を狙ったが、タッチアウト。高津監督はリクエストを要求したが、結果は覆らなかった。 それでも、6回まで先発藤浪の前に無得点に抑えられていた打線で貴重な1点を奪った。 「初球から積極的に打ちにいきました。コンパクトなスイングでとらえることができ、ランナーをかえすことができてよかったです」とコメントした。

◆ヤクルト西田明央捕手が、同点の7号ソロを放った。 1点を勝ち越された直後の7回1死、半身3番手エドワーズの初球、外角の150キロ直球を左翼スタンドへ運んだ。16年の自己最多タイに並ぶ7号ソロで「逆転された後だったので、何とか取り返そうという気持ちで打席に入りました。しっかり振り抜くことができて、ホームランになってよかったです」とコメントした。

◆阪神陽川尚将内野手(29)が8号ソロを放ち、一時勝ち越しに成功した。 1-0の7回に2番手の岩崎が同点に追いつかれた直後だった。1死走者なしでヤクルト清水の内角144キロ直球を強振。打った瞬間の当たりで左翼席に運んだ。 「追いつかれた直後だったので、何とかチャンスメークをしようと思った結果がホームランとなって良かったです。1発で仕留めることができました」 10月31日のDeNA戦(横浜)で2発を放って以来、3試合ぶりのアーチ。ここ4戦3発と好調だ。 しかし、直後の8回に3番手エドワーズが西田に7号同点ソロを被弾。試合は再び振り出しに戻った。

◆阪神ロベルト・スアレス投手(29)の最多セーブ(24セーブ)のタイトルが確定した。3差で追い、逆転の可能性を残していた中日R・マルティネスが4日に出場選手登録されなかった。中日は5日以降は3試合を残すのみで、スアレスの1位が確定した。 助っ人右腕は今季、ソフトバンクから新加入。シーズン序盤、藤川に代わって守護神を任された。力強い速球を武器に今季は3日までに49試合に登板し、抜群の安定感で24セーブを挙げていた。自身初のタイトル獲得で、チームでは17年ドリス以来。

◆阪神が大山悠輔内野手(25)の27号ソロでサヨナラ勝利を収めた。 2-2の1死走者なしでヤクルト梅野の外角147キロ直球を左中間席へ。19試合ぶりのアーチは試合を決める1発になった。 先発の藤浪は6回無失点で勝利投手の権利を得ていたが救援陣が同点に追いつかれた。陽川8号ソロなど、両軍1発攻勢だったが、最後に決めたのは虎の4番。今季のヤクルト戦勝ち越しを決めた。

◆阪神は3回、1番近本の中前適時打で先制。1287日ぶりの甲子園白星を目指す先発藤浪は、3回まで2安打無失点投球。 阪神藤浪は6回4安打無失点で白星の権利を手に降板。ヤクルト石川は最少失点で粘り、6回70球、3安打1失点で降板。 2-2で迎えた9回、阪神は大山が梅野から27号を放ってサヨナラ勝ち。4試合を残して今シーズンの勝ち越しを決めた。スアレスが3勝目。ヤクルト梅野は2敗目。

◆阪神スアレスの最多セーブのタイトルが確定した。セーブのつかない同点の9回に登板し、1回を無失点。直後にサヨナラ勝ちしたことで3勝目をマーク。リーグトップの24セーブは変わらなかったが、21セーブで2位の中日R・マルティネスが出場選手登録されず、中日は残り3試合であることから、スアレスが下回ることはなくなった。「タイガースにこういうチャンスをもらったので、チームになんとか貢献したいという気持ちでやってきました。まずはそこに感謝したいですし、この1年間しっかり自分のコンディションを整えた結果。個人的にもうれしいです」。なお、この日が50試合目の登板だった。

◆阪神が大山悠輔内野手(25)の27号ソロでサヨナラ勝利を収めた。 以下、矢野燿大監督の一問一答。-最後は主砲がやってくれた ちょっとバットの先なのかなと思いましたけど、よくのびましたね。 -久しぶりの大山の1発 ここぞという場面のホームランですし、ヒットは安定して出てたんですけど、ホームランは止まってたのでね。これでまたホームラン争いもね、最後までもつれさせていって欲しいですね。 -固め打ちもあるだけに楽しみ そうですね、楽しみです。 -藤浪は6回無失点。よく踏ん張った 四球を出してもゼロで抑える。でもまたこれからの課題としては、1個でもフォアボールを少なくいくというのはあると思いますけど、でも先発としてしっかりやってくれました。 -中継ぎが出て、思うところがありながらのピッチングだったと思うが もったいないというか、優(岩崎)自身もツーアウトからのフォアボールからですし。でも勝負いった結果なのでね。普段みんな助けてくれてるので、受け止めてます。 -昨日と違い、陽川の勝ち越しホームランなど、ベンチのムードがよくなる1本があった でも本当はヒットでね、みんなでつないでとるっていうのがうちの形だと思うので。打線の形っていうのを作っていきたいですね。 -残り5試合、来年のことも考えながらの試合になる もちろんそれもありますし、でも目の前の試合を全力でやるのが大事だと思いますので。全力でやりきります。 -タイトル争いも そうですね。個人の目標もありますし、チームとしても1つでも上に行くのはこれからもやっていきます。 -大山が久しぶり一撃 場面がね。タイトル争いもあるしね。自分で決めるというね。それは価値があると思う。試合を決める一打というところに価値があって、意味があって。この広い甲子園でホームラン王争いをしている。プライドというか、そういうのも持ち合わせていると思うし、いろんな価値があるんじゃない。 -接戦になったが、藤浪の好投がカギに もちろん、もちろん。今日は変化球も割合的には多く扱えたことで、ピッチング自体の幅もちょっとでてきたかな、と思うし。先ほど言ったようにね、これがジャイアンツだったらとか考えたら、余計な四球をこれから減らしていくべきだと思うし。最終的には抑えればいいんだけど、確率として抑える確率でいうと。いいところと新たに晋太郎(藤浪)自身が進歩していく部分が両方見えたかなと思います。 -リリーフを経験したことで真っすぐ走りは 短いイニングで目いっぱいいくとそりゃ晋太郎の真っすぐは速いしね。いい意味で脱力というか、先発でしかできない部分でもあると思う。さっきいった変化球で取りにいくなかでも、腕も緩んでないところがよかったんじゃないかなと。 -藤浪は中継ぎでつかんだもの 先発をやっているときもなかなか勝ってない、リズムに乗ってない、どうしても長いイニングを投げたいというところで勝ちどころの3まわり目とかに苦しくなって勝てていなかった。そこから中継ぎになって。あいつ自身つかんでいるものは絶対ある。中継ぎをやったというのは晋太郎にとって意味のあるものになっている。 -藤浪の次回登板 もう1回いっていいと思っている。 -スアレスがセーブ王確定 球児でいこうというところからスアちゃん(スアレス)のそこまでの状態を見て、迷うことなく球児の次はスアちゃんだなと。今シーズンずっとやってきてくれた。(もともと)日本の野球を経験があるから、理解してくれている。本当にひたむきに自分のやることを練習を含めてやってくれた。自信を持って後ろを任せられたし、その中でタイトルを取ってくれたのはチームにとってももちろんうれしいし、スアちゃんの力を出してくれているという印象。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)はサヨナラ勝ちの瞬間、ベンチから乗り出し誰より喜びを爆発させた。 「自分のペース、自分の配球で投げられた試合だったと思うんで、久しぶりの先発でしたけど、すごく良かったと思います」。こだわってきた先発に本格復帰し、6回4安打無失点。甲子園で1287日ぶりの白星はつかめなかったが、はじけるような笑顔に来季への光が見えた。 2度のピンチを切り抜けた。3回2死から3連続四球で満塁。福原投手コーチがすかさずマウンドに駆け寄り、ひと呼吸置いた。迎えた西田を渾身(こんしん)の157キロ直球で見逃し三振。6回は先頭の村上に二塁打を浴び2死一、三塁とされるも、上田を156キロ直球で見逃し三振。マウンドでほえる「先発藤浪」に観客は沸いた。 立ち上がりから変化球を多投した。「どうしてもやっぱり自分、速い球を投げがちなんで、そのあたり、緩急をつけられたのが良かったかなと」。130キロ前半のカットボールでカウントを稼ぎ、150キロ台の直球で空振りを奪う。140キロ台のフォークにカーブも2球。この日の全112球のうち直球が54球、変化球は58球だった。「もちろん真っすぐも良かったんですけど、両方使えることで投球の幅が広がりました。相手も迷いが出ると思うので、全体的に球種をバランス良く使えたのが、今日一番良かったところかなと思います」。成長の幅を見せたマウンドになった。 9月下旬に中継ぎに配置転換されてから、13試合の救援で失点は2試合のみ。前回10月28日中日戦(甲子園)でブルペンデーの先発を務め、4回1失点(自責0)と結果を残した。矢野監督は「中継ぎをやったというのは、晋太郎にとって意味のあるものになっている」と話し、次回先発について「もう1回行っていいと思っている」と明言。チームの今季最終戦となる11日のDeNA戦(甲子園)の登板が予想される。今季最後の登板で勝利と確信をつかむ。

◆ヤクルト石川雅規投手が今季最終登板を6回1失点にまとめた。 2回、大山にカウント2-2から内角低めの136キロは、捕手西田のミットへズバリで、見逃し三振。球速だけではない投球術を見せた。開幕投手を任された今季は15試合に先発し2勝8敗。19年目で最少の勝ち星だったが、高津監督は「最後に彼らしいピッチングができたんじゃないかなと思う」と話した。

◆阪神陽川尚将内野手が豪快な8号ソロを放った。 同点に追いつかれた直後の7回。1死走者なしでヤクルト清水の内角144キロ直球を強振。「何とかチャンスメークをしようと思った結果がホームランとなって良かったです。1発で仕留めることができました」。打った瞬間に本塁打と分かる強烈な打球を左翼席に運んだ。

◆すでに2年連続の最下位が決まっているヤクルトは今季3度目のサヨナラ負けを喫し、全5カードでの負け越しが決定した。 1-1で迎えた7回に、2番手清水が阪神陽川に勝ち越しソロ本塁打を許した。 ヤクルトは8回に西田の7号ソロで追いついたが、9回に4番手梅野が阪神4番大山にサヨナラ本塁打を浴びて敗戦。ショックの大きい負け方で、高津臣吾監督は「リリーフピッチャーとして、1発で仕留められて勝ち越し、サヨナラを食らっているようでは、ダメと言ってしまえばそれまでなんだけど、もうちょっと配球であったり、他の選択はあったんじゃないかなという風に思います。結果論で言うと打たれてしまっている訳なので、その2点、2スイングはすごく大きな2球だった」と厳しい表情だった。 阪神は藤浪が先発で、スタメンからは青木、坂口、山田哲の主力を外した。打線は藤浪に6回無失点と封じ込まれ、終盤に追い上げたがあと1本がでなかった。 これで、全5カードの負け越しが決定。最下位のチームの厳しい現実を突きつけられた。

◆キングはあきらめん! 阪神大山悠輔内野手(25)が9回裏に劇的なサヨナラ本塁打を放った。10月13日中日戦以来となる27号ソロで、リーグトップの巨人岡本に2本差とした。チームの今季勝ち越しが決定。シーズンは残り4試合。球団では86年バース以来の本塁打王へ、大山の爆発に注目だ。まだあきらめない。大山が本塁打王に望みをつないだ。同点で迎えた9回1死。ヤクルト梅野の外角高め147キロ直球を強振した。「感触はすごく良かったんですけど、ちょっと打球が低かったのでどうかなと。入ってくれと思って走った」。願いを込めた打球は左中間席に着弾。27号ソロは自身2度目となるサヨナラアーチだ。ナインが待つ本塁では、ポンッと手をたたき、会心のガッツポーズ。祝福のウオーターシャワーを笑顔で味わった。 待望の1発だった。10月13日中日戦を最後に、不発が続いていた。一時はリーグトップの座にいたが、巨人岡本に再逆転を許していた。シーズン終盤での疲れや目に見えない力みもある中で「ホームランを狙って(フォームを)崩すのが一番いやだったので。常に自分のスイングをとは思ってました」。タイトル争いで注目されても、自らのスタイルを貫いた。実に19試合、85打席ぶりの放物線。これで巨人丸に並ぶ2位タイ。トップの岡本まで2本差とした。 シーズンは残り4試合だが、大山はキング獲得の可能性を秘めている。打ち出したら止まらないのが大山の特長だ。今季は3戦連続アーチが1度、2戦連続が4度もある。1試合2発も2度ある。久しぶりの1発がアーチ量産のきっかけになる。 チームは接戦を制し、11月初白星で貯金5。2年連続のシーズン勝ち越しを決めた。矢野監督は4番の一打に「タイトル争いもあるし場面がね。試合を決める一打に、価値があって意味がある。この広い甲子園でホームラン王争いをしているというプライドも持ち合わせていると思うし、いろんな価値がある」と評価した。 大山がこだわる勝利打点は、15度目でリーグトップとなった。「何よりチームに勝ちが付いたの一番うれしい」。お立ち台では寒空で歓声を送ってくれたファンに「チームの勝利のために一生懸命やっていれば、自分の成績もしっかりついてくると思っている。そこに向かって、しっかり頑張りたいと思います」と力強く誓った。86年バース以来の快挙へ。全打席"全集中の呼吸"でバットを構える。【奥田隼人】 ▼阪神のサヨナラ本塁打は、9月1日ヤクルト戦のサンズ以来、今季2度目。大山のサヨナラ本塁打は、19年8月10日の京セラドーム大阪での広島戦以来、2度目。甲子園では初となった。 ▼阪神が11月の1軍公式戦で勝利を収めたのは、50年11月12日の西日本(後に西鉄と合併)戦に4-2で勝って以来、70年ぶり。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(26)が先発し、6回4安打4四球無失点の好投で勝ち投手の権利を持って降板。しかし七回に岩崎優投手(29)が同点に追いつかれ、藤浪の今季2勝目は消えた。  藤浪は三回2死から3連続四球で満塁のピンチを招くも、西田を渾身の157キロ直球で見逃し三振。六回には先頭の村上に二塁打を許したところから2死一、三塁とされるも、上田を156キロ直球で見逃し三振に斬り雄叫びをあげた。七回から2番手・岩崎にマウンドを託したが、2死一塁から塩見に左翼線適時二塁打を打たれて同点とされた。  藤浪は甲子園で2017年4月27日DeNA戦以来となる白星を目指して好投したが、白星はならなかった。

◆ヤクルト・西田明央捕手(28)が4日、阪神23回戦に「5番・捕手」で先発し1-2の八回に左翼スタンドへ同点ソロを放った。  「勝ち越された後だったので何とか取り返そうという気持ちで打席に入りました。しっかり振り抜くことができました」とキャリアハイに並ぶ7号となった。  18、19年は本塁打がなかったが、今季は持ち味の打撃で貢献している。

◆阪神・大山悠輔内野手(25)が2-2の九回1死、梅野から左中間にサヨナラ本塁打。2度追いつかれた試合にけりをつけた。  阪神は先発の藤浪が6回4安打4四球無失点と好投するも、1-0の七回に2番手・岩崎が同点に追いつかれて試合は振り出しに。その裏に陽川が左越えソロを放つも、八回にはエドワーズが西田に同点ソロを浴びて再び追いつかれた。迎えた九回1死走者なしで大山が試合を決めた。  大山はこれが27号で、巨人・丸に並んでリーグ2位タイ。トップを走る巨人・岡本に2本差に迫り、残り4試合で逆転本塁打王へ望みをつないだ。

◆今季限りで現役を引退する阪神の藤川球児投手は4日、日米通算250セーブ達成の可能性がなくなった。名球会入りできる快挙にあと五つで臨んだ同日のヤクルト23回戦(甲子園)で登板機会はなく、チームが残り4試合となったため。  西武の松坂大輔投手ら逸材ぞろいの「松坂世代」で最初の名球会入りが期待され、抑え役として開幕を迎えたが、肩や腕の不調に苦心。2セーブにとどまって1、2軍を行き来し、8月に引退が発表された。9月1日の記者会見では記録への執着を示さず「(チームの)勝ち負けにしか興味がない」と話していた。  日本選手の250セーブ達成は元中日の岩瀬仁紀、横浜(現DeNA)とマリナーズで活躍した佐々木主浩、ヤクルトやホワイトソックスなどでプレーした高津臣吾。

◆阪神・大山悠輔内野手が2-2の九回1死、梅野から左中間にサヨナラ本塁打を放った。以下、試合後の矢野監督の一問一答。  --最後は主砲がやってくれた  「ちょっとバットの先なのかなと思いましたけど、よくのびましたね」  --久しぶりの大山の一発  「ここぞという場面のホームランですし、ヒットは安定して出てたんですけどホームランは止まってたのでね。これでまたホームラン争いもね、最後までもつれさせていってほしいですね」  --藤浪は6回無失点。よく踏ん張った  「そうですね、四球を出してもゼロで抑える。でもまたこれからの課題としては、1個でも四球を少なくいくというのは課題としてあると思いますけど、でも先発としてしっかりやってくれました」  --残り5試合、来年のことも考えながらの試合になる  「もちろんそれもありますし、でも目の前の試合を全力でやるっていうのが大事だと思いますので。全力でやりきります」  --タイトル争いも沸かせてもらいたい  「そうですね。個人の目標もありますし、チームとしても1つでも上に行くっていうのはこれからもやっていきます」  --大山は久しぶりに一発  「場面がね。タイトル争いもあるしね。自分で決めるというね。それは価値があると思うしね。試合を決める一打というというところに価値があって、意味があって。この広い甲子園でホームラン王争いをしているというね。プライドというか、そういうのも持ち合わせていると思うしね。いろんな価値があるんじゃない」  --接戦になったが、藤浪の好投がカギに  「もちろん、もちろん。今日は変化球も割合的には多く扱えたことで、ピッチング自体の幅もちょっとでてきたかな、と思うし。先ほど言ったようにね、これがジャイアンツだったらとか考えたら、余計な四球をこれから減らしていくべきだと思うし。でも、最終的には抑えればいいんだけど、確率として抑える確率でいうと。そういういいところと新たに晋太郎(藤浪)自身が進歩していく部分が両方見えたかなと思います」  --藤浪の次回登板は  「もう一回いっていいと思っている」

◆冷え込んだ甲子園球場でヤクルト・石川は、アンダーシャツを両肘までまくり淡々と投げ込んだ。今季最終登板となる左腕は「勝つのみです」と意気込んでマウンドに上がったが、白星はつかめなかった。6回3安打1失点の好投しながら打線の援護に恵まれなかった。  盟友がユニホームを脱ぐ。10月12日に同級生の五十嵐が引退を発表した。「全然、実感がないです。僕は大学から入って亮太は高校から。入ったときの亮太はバリバリ1軍で投げていて、憧れの気持ちがありましたし、追いつけ追い越せという気持ちでやってきました。寂しいのとお疲れさまでしたという気持ちしかないです」と惜しんだ。  25日の引退試合での登板も見届け「亮太らしいセレモニーだった」と目を潤ませた。来季も投手陣を牽引(けんいん)する立場の石川は「残ったメンバーで年齢関係なく、みんなで引っ張っていけないとスワローズは強くならない」と五十嵐の思いも引き継いでいく。  チームは既に今季の最下位が確定。投手、野手にかかわらず若手の台頭に急務となっている。40歳の石川はマウンドに立ち、背中でチームを鼓舞し続ける。(横山尚杜)

◆ど真ん中の直球で見逃し三振を奪うと、「よっしゃー!」と雄たけびをあげた。藤浪が粘りの投球で燕打線をゼロに抑え、気温13度の肌寒い甲子園を一気に熱くさせた。  「バランスよく思い切って投げることができた。梅野さんのリードにもバックにも助けてもらい、無失点で抑えることができてよかった」  最大のピンチは1-0の六回だ。先頭の4番・村上に外角のカットボールをとらえられて左中間二塁打。その後、四球などで2死一、三塁とされたが、最後は上田に対して、156キロの直球をど真ん中にズドン! 見逃し三振に斬り、危機を脱した。  三回にも2死から3者連続四球で満塁のピンチを招いたが、西田をこの試合最速タイとなる157キロで見逃し三振に仕留めた。  9月25日にコロナ禍で岩貞や岩崎ら10選手が登録抹消。ブルペンが手薄となったことで中継ぎとして緊急昇格して以降は13試合の登板で1敗、7ホールド、防御率2・35と活躍し、チームを支えた。前回10月28日の中日戦(甲子園)では「ブルペンデー」で先発し、4回2安打1失点(自責0)と結果を残し、この日も先発の機会を得た。試合前には「久しぶりに先発調整をして、いい感じにできているのでゲームで出せたら」と話していた通り、マウンドで躍動した。  勝利すれば8月21日のヤクルト戦(神宮)以来、2カ月ぶり。甲子園での白星となれば、2017年4月27日のDeNA戦以来、1287日ぶりだった。藤浪は6回112球4安打無失点と好投。勝ち投手の権利を手にして2番手の岩崎にマウンドを託したが...。2死一塁から塩見に適時二塁打を浴びて同点に。今季2勝目は幻となった。  それでも2-2の九回、4番・大山の27号ソロでサヨナラ勝ち。シーズンとヤクルト戦の勝ち越しを決めた。(織原祥平)

◆ヤクルトは終盤にソロ2本を浴びて敗れた。七回は陽川、九回は大山に、ともに1死無走者から強振された。2人に長所を発揮させる形となり、かつて抑えとして君臨した高津監督は「リリーフが一発で仕留められているようではね。配球で他の選択肢があったのでは」と不用意に映ったバッテリーを嘆いた。  延長十回に勝ち越した3日同様、ロースコアの接戦には持ち込んだ。「この2日はいい展開。その中であと一本出るか、打たれるか。いい勉強になったのでは」と選手の成長を願った。

◆阪神のロベルト・スアレス投手がセ・リーグ最多セーブのタイトルを初めて獲得することが4日、確定した。ソフトバンクから今季移籍して24セーブをマーク。21セーブを挙げて離脱中のR・マルティネスの中日は残り3試合で、上回られる可能性はなくなった。  ベネズエラ出身で29歳のスアレスは、不振の藤川に代わって7月半ばから抑え役を任された。50試合目の登板となったこの日は同点の九回を三者凡退として3勝目(1敗)。防御率2・28と奮闘したシーズンに「セーブの機会を与えてもらったので、何とか生かしたいという気持ちで一年間やってきた。タイトルがついて良かった」とうれしそうに話した。

◆威力ある直球と切れ味抜群の変化球のコンビネーションで打者をねじ伏せた。阪神・藤浪が完全復活を感じさせる投球で、来季へ希望の光を照らした。  「いい形というか、自分のペース、自分の配球で投げられた試合だったと思う。久しぶりの先発でしたけど、すごくよかったと思います」  意地と気迫でホームだけは踏ませなかった。三回は2死から3者連続四球で満塁としながらも、西田をこの日最速タイの157キロで見逃し三振。1-0の六回には村上に許した左中間二塁打から2死一、三塁のピンチを招いたが、最後は上田に対して、ど真ん中へ156キロで見逃し三振。雄たけびをあげた。  6回112球、4安打無失点。七回に2番手の岩崎が同点打を浴びて、1287日ぶりの甲子園での白星となる今季2勝目を逃したが、確かな手応えを口にした。「真っすぐもよかったけど(変化球も)両方使えたことで投球の幅が広がった。全体的に球種もバランスよく使えたのが、一番よかったところかなと」。  コロナ禍で9月25日に緊急昇格し、中継ぎでの登板を経て、「ブルペンデー」となった前回10月28日の中日戦(甲子園)に先発。オープナーという立場で4回1失点(自責0)と結果を残した。この試合で本格的に先発に復帰。矢野監督は「1個でも四球を少なくいくというのは課題としてあるけど、先発としてしっかりやってくれた」と評価した。残り4試合だが「もう一回いっていいと思っている」と、登板の可能性も示した。  「どうしても自分は速い球を投げがちなので。緩急をつけられたことがよかったかなと思う」と藤浪。シーズン最終盤で先発としての能力を再び示した。最後の登板機会があれば、全身全霊で今年の集大成をぶつけるだけ。そして必ず、2021年につなげる。(織原祥平)

◆キングへ望みをつなぐ劇弾! 阪神は2-2の九回、4番の大山悠輔内野手(25)が左中間にサヨナラ本塁打を放ち、ヤクルトに3-2で勝利した。大山は自身19試合ぶりとなる27号で、セ・リーグトップの岡本(巨人)に2差。またチームは4試合を残して、2年連続のシーズン勝ち越しを決めた。  白球を引き付けるように前のめりになる左中間席の虎党に歓喜が届いた。サヨナラ弾で、キングに最後の挑戦。大山が決めた。密を意識して遠慮がちに駆け寄ったナインの輪に、4番が満面の笑みで飛び込んだ。  「いや、もう、本当にうれしいです。試合を決めるのが仕事だと思っているので、その仕事ができてよかったです」 2-2の九回1死、梅野の高めの147キロを力強く打ち返した。「感触はよかったけど、打球が低くてどうかなと思いました」。ライナーは力強くスタンドまで伸びた。 昨年8月10日の広島戦(京セラ)以来、自身2本目のサヨナラ本塁打。甲子園では初となった。27号はリーグトップの巨人・岡本に2本差。前日3日まで18試合ノーアーチは今季最長で、85打席ぶりの一発も最長ブランクだ。1986年のバース以来の虎の本塁打王は苦しくなったと思われたところで、最後の進撃。トップの岡本に7差の打点王とともに、残り4試合で可能性を残した。 「体の疲れ、見えないところでの力みはありました。そういう難しさを改めて感じているので」 コンディショニングにより気を使い、本塁打のない間も打率・318と調子は維持した。さらに、経験のない11月の甲子園。「本当に難しい。終盤に寒さが出てきて体が思うように動かない。ベンチ裏での準備であったり、改めて大切だと感じました」。体を温め、汗をかいて打席へ。気温11度の寒空にホットなアーチをかけた。 チームは負ければ3位転落の危機で耐え、シーズン勝ち越しも決定。球団では1975、76年の吉田義男監督以来となる就任から2年連続の勝ち越しを決めた矢野監督は「試合を決める一打というところに価値がある。広い甲子園で本塁打王争いをしているというプライドというか。いろんな価値がある」とヒーローに最敬礼した。ヤクルト戦も12勝10敗1分けで、巨人以外の4球団に勝ち越し。2位死守は当然、主砲が激動の1年を最終戦まで盛り上げる。 「最後の試合まで全力で頑張ります。勝利のために一生懸命やっていれば、自分の成績もついてくると思うので」 背番号3がバットを握る限り、消化試合とは呼ばせない。(安藤理)

◆大山はこの一発で吹っ切れたのではないか。狙っていける場面だったこともあって思い切り踏み込み、振り切ることができた。今後が楽しみになる立派なホームランだ。  四、六回の2打席はいずれも右翼への大きな飛球だったが、フェンスまでは届かなかった。右方向への打球は、遅れ気味で「ガッ!」と振ればホームランになるが、当てにいってしまうようなスイングではどうしても失速してしまう。  最後の本塁打も、ボール自体はアウトコース寄りの決して簡単なものではなかった。だが、踏み込んでいたから真ん中になり、かちあげるように振り切った。あそこまで飛んだことは自信にしたらいい。今後にもいい感覚を残す一発だろう。  チームが2位になるか3位になるかも、タイトルをとれるかとれないかも大違い。それらが懸かったこの時期にサヨナラの場面で打てるのだから、何かを持っている。やはりタイトルをとってほしい。ホームランというのは、出だしたらポンポンと出てくるもの。この価値ある一発から最後の逆襲に期待したい。(本紙専属評論家)

◆「夢を諦めへんでエ!!」と九回、大山の打球が高々と舞い上がり、左中間スタンドに弾んだのだ!! そやそや、そーや! 残り4試合、本塁打でリーグトップを走る巨人・岡本との差は2。諦めてたまるかいなー! 明日、3連発で逆転やー!!  藤浪は6回112球、4安打4四球で無失点。数字だけ見れば十分に見えるけど、ヤクルトのスタメンには青木、山田哲、エスコバー、坂口の顔はなし...。うーん、それでも3回2死から3連続四球で自ら招いたピンチも落ち着いて西田を三振に仕留めたし...。来季の先発は『予選通過』ということにしておきましょう!  ヤクルトとのカード3戦目は、西勇が防御率1位のタイトルを狙いマウンドに向かうのだ! 現在トップの中日大野雄はDeNA戦で先発...。甲子園とナゴヤ、別の球場でのエース対決に息をのむ一日を与えてくれるプロ野球、バンザーイ!!

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
65428 0.607
(↓0.006)
優勝
(-)
5511
(+1)
404
(+5)
130
(-)
79
(-)
0.254
(↓0.001)
3.340
(-)
2
(-)
阪神
57527 0.523
(↑0.004)
9
(↑1)
4483
(+3)
449
(+2)
108
(+2)
79
(-)
0.248
(-)
3.430
(↑0.01)
3
(-)
中日
58545 0.518
(↑0.004)
9.5
(↑1)
3420
(+5)
482
(+4)
69
(+1)
32
(-)
0.252
(↑0.001)
3.880
(-)
4
(-)
DeNA
55566 0.495
(↓0.005)
12
(-)
3511
(+4)
467
(+5)
135
(+2)
29
(-)
0.266
(↓0.001)
3.820
(↓0.01)
5
(-)
広島
505412 0.481
(↑0.005)
13.5
(↑1)
4509
(+5)
517
(+1)
108
(+1)
63
(+2)
0.262
(↑0.001)
4.120
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
396610 0.371
(↓0.004)
25
(-)
5446
(+2)
561
(+3)
107
(+1)
68
(-)
0.244
(-)
4.570
(↑0.01)