DeNA(3対3)阪神 =リーグ戦21回戦(2020.10.30)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【DeNA】神里 和毅(3号・4回裏ソロ),ロペス(10号・9回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は1-1で迎えた5回表、マルテが適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功する。対するDeNAは2点ビハインドの9回、2死一塁からロペスの2ランが飛び出し、土壇場で同点とした。試合はそのまま延長戦に突入するも決着はつかず、規定により引き分けに終わった。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神は5連勝中で今季最多の貯金5で敵地に乗り込んだ。先発のジョー・ガンケル投手(28)は10月19日ヤクルト戦以来の先発。救援では1勝を挙げているが、先発での来日初白星を目指す。

◆4番の一撃や!! 阪神大山悠輔内野手(25)がDeNA戦(横浜)で勝負強さを見せつけた。両チーム無得点の3回2死一、二塁。DeNA先発京山のスライダーを力みなくとらえた。打球はライナーで左翼上空へ。フェンス直撃の適時二塁打で先制した。 「先制のチャンスでしたし、初回のチャンスでは凡退していたので、ランナーをかえすだけでした。先制できて良かったです」 1回2死二塁の先制機では右飛に倒れていた。この日、2度目の得点圏での打席で結果を出した。これで節目の今季80打点目。3試合連続の打点を刻み、ポイントゲッターぶりを示した。 惜しいひと振りだった。あと50センチほどでオーバーフェンスしている大飛球だった。今季は試合前までリーグ2位の26本塁打。13日中日戦(ナゴヤドーム)でアーチを放って以降、この日の試合前まで14試合、本塁打が出ていない。しかも、リーグ最多の巨人岡本はこの日、ヤクルト戦で2本差の28本塁打に積み上げた。不利な状況でも、1球1打席にベストを尽くした。 セ・リーグは近年まれに見る激しい本塁打王争いを繰り広げている。前日29日までヤクルト村上が大山と並走し、巨人丸も26発目を放って肩を並べた。広島の4番鈴木誠も追う。強打者とのデッドヒートでも、大山は確かな存在感を示す。プロ4年目で初の打率3割にもチャレンジする。「自分の打撃をするだけです。1打席1打席ですね」。残り8試合。すでに打率、本塁打数、打点数のいずれも自己最高の成績を残すスラッガーがラストスパートする。

◆DeNA神里和毅外野手(26)が、3号ソロを放った。 1点を追う4回1死、ここまでパーフェクト投球を続けていた阪神先発ガンケルの初球、真ん中高め135キロを振り抜き、右中間席に運んだ。「打ったのはカットボールです。前の打席でストレートに少し差し込まれ気味だったので、ポイントを前にして打ちにいきました。逆風だったのでスタンドに入るか不安でしたが、本塁打になりよかったです」と笑顔で話した。

◆DeNAが、本拠地横浜スタジアムで開催する30日からの阪神3連戦で「withコロナにおける大規模イベントガイドライン策定に向けた技術実証」をスタートさせた。十分な感染症対策を講じた上で、これまで最大収容人数3万2402人の50%に設定していた入場人員を、この日は80%を目安に実施。約51・2%の1万6594人を集客した。3連戦で段階的に観客数を増やしていく。試合は西村経済再生担当相や黒岩神奈川県知事も視察。得られたデータや知見を、今後に役立ていく。来年のプロ野球、東京五輪にもつながる大きな1歩を踏み出した。DeNAが神奈川県らと連携し、注目の技術検証をスタートさせた。シーズン最終盤での取り組みに木村球団副社長の言葉にも「この取り組みが1つのきっかけとなって今後、少しずつ、人間らしい生活を営んでいくためのきっかけづくりになればと。お客さん含めてみなさんで協力しながら、コロナに打ち勝てる、人間の生活というのを作って行ければなと」と力がこもった。 感染対策を講じた上で、多くの機器を配備してデータ集積を行う。入場ゲートやコンコースに高精細カメラを複数設置。厚生労働省が推奨する接触確認アプリ「ココア」がインストールされたスマートフォンからの信号を受信し、インストール率を把握する。人の流れ「人流」を捉え、マスク着用率なども測定。場内のトイレ、フードエリアなど特に人が滞留するエリアにも機器を設置。混雑度を検知し、解析する。他にもCO2測定機で二酸化炭素濃度を計測し、場内の換気状態を把握。あらゆるデータを集めていくことで、これまで感覚として「密」を感じていた部分が視覚化され、数値として判別できることで「密」を避ける対策が可能。この積み上げが今回の実証の根本となる。 球団は、観客増を促すため、3連戦のチケットの価格を最大35%引きで販売。31日には上限の90%。11月1日は100%の集客を図る。29日までの売り上げから、日曜日の最終戦は80%以上の集客を見込む。木村副社長も「絶対数の観点でも検証すべきポイントは確認できるかなと。規制退場・入場などの混雑も見えると思いますので、今日、明日、明後日と3段階で見ていけるのではないかと思います」と話した。 コロナの終息が見えない中での制限緩和。批判の声が上がるのも覚悟の上で、少なからず費用がかかるのも事実。それでもスポーツの未来のため、「withコロナ」の中、歩みを止めずに進んでいく。【鈴木正章】

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が勝ち越し打を放ち、来季残留をアピールした。 同点の5回1死一、二塁、京山から左中間に適時二塁打を決めた。 「同点の場面だったし、ガンケルもすごく頑張ってくれているから、ランナーをかえしたいと思っていたよ。自分の仕事ができて良かったね」 今季は左ふくらはぎ負傷で2軍生活が長引いたが、シーズン終盤に存在感を出している。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(28)が6回1安打1失点と好投し、来日初となる先発勝利の権利を得て降板した。 序盤からコントロール、直球の強さともに上々。3回まで完全投球。4回1死から2番神里に同点ソロを浴びたが、許した安打はこの1本だけだった。 2点リードの7回表2死満塁で代打原口を送られた。

◆阪神ジョー・ガンケル投手は6回1安打1失点と快投しながら来日初の先発勝利を逃した。 序盤から制球力、直球の強さともに上々。4回1死から2番神里に同点ソロを浴びたが、許した安打はこの1本だけだった。「内外角に直球を投げ分けることができたし、緩急をつけたピッチングもできて良かった」。勝利投手の権利を持って7回に代打を送られたが、チームが9回に同点とされて勝ち負けはつかなかった。

◆阪神の勝ち越し点がリプレー検証で取り消しになった。 2点リードの9回裏、守護神スアレスが5番ロペスに同点2ランを浴びる。 同点で迎えた10回表2死満塁、1ボールから途中出場していた植田海内野手(24)の手首付近への1球が1度は押し出し死球と判定された。 だが、これがリクエストされた結果、バットのグリップに当たったと判定されてファウルに。最後は見逃し三振に倒れ、勝ち越しを逃した。

◆阪神セットアッパー岩崎優投手が盤石の投球で18試合連続無失点に抑えた。 2点リードの8回に登板。2死一塁で最多安打争いを繰り広げる梶谷と対決し、スライダーで空を切らせて追い込むと、外角低め速球で空振り三振に仕留めた。「また、次も抑えられるように頑張ります」。難なく0封で切り抜けた。8月30日広島戦以降、無傷の好内容。防御率も1・47に下げた。

◆阪神が9回の土壇場で追いつかれ、引き分けた。 2点差の9回2死一塁、ここまでリーグトップの24セーブを挙げていたロベルト・スアレス投手(29)が、DeNAロペスに同点2ランを被弾。阪神は延長10回に2死満塁の好機をつくり、1度は植田が押し出し死球と判定されるも、DeNAラミレス監督のリクエストで判定がくつがえり、結果は空振り三振。DeNAも3者凡退に終わり、試合終了となった。 先発のジョー・ガンケル投手(28)は6回1安打1失点と好投も、先発初勝利はならなかった。近本光司外野手(25)は今季初の1試合3盗塁を決め、リーグトップ独走の28盗塁とした。

◆阪神の守護神ロベルト・スアレスが痛恨の同点弾を浴びた。2点リードの9回2死一塁。ロペスに外角低めスライダーをすくわれると、打球は左翼席へ。2ランを許し、試合は振り出しに戻った。 ここまで今季24セーブとリーグ1位を快走するが、この日は結果を残せず。今季2本目のアーチを食らい、チームの勝ちに結びつけられなかった。

◆巨人の優勝が決まり、阪神は05年にリーグ優勝して以降、15年連続で優勝を逃した。 他球団には30日現在ですべて勝ち越しているが、巨人に8勝15敗と大きく負け越したのが響いた。 15年連続V逸は、セ・リーグでは22年連続でV逸中のDeNAに次ぎ、球団では65~84年の20年連続、86~02年の17年連続に次いで長いブランクとなった。

◆DeNAホセ・ロペス内野手、土壇場の同点弾でチームに引き分けに導き、古巣巨人の優勝を"アシスト"した。 2点を追う9回2死一塁、阪神守護神スアレスの3球目をはじき返し、ライナーで左中間席に突き刺した。日本通算999安打目となる10号同点2ランに「完璧です! 積極的に打ちにいきました。ツーアウトから同点に追いつくことができうれしいです」と笑顔で話した。その後、10回を新守護神の三嶋が踏ん張り引き分けが確定。ラミレス監督も「決して諦めない姿勢をアピールできたね」と満足そうにうなずいた。 2位阪神と引き分けた時点でマジック1の巨人はまだ試合中だったが、10回表を抑え、引き分け以上が確定した瞬間に優勝が決定。来日8年目のベテラン助っ人が、チームを救い、古巣にも花をもたせた。

◆阪神は3回、大山の左越え二塁打で1点を先制。先発ガンケルが140キロ台後半の直球を軸に、3回までパーフェクトに抑えた。 DeNAは4回、神里の3号ソロで同点。阪神は5回にマルテの二塁打で1点を勝ち越し、6回に近本の二塁打で1点を加えた。 阪神は終盤無得点。2点を追うDeNAは9回2死一塁から、ロペスが2ランを放ち土壇場で同点に追いついた。 延長10回、阪神は2死満塁のチャンスをつくったが無得点に終わった。規定により3-3で引き分けた。

◆阪神近本光司外野手がマルチ安打と今季初の3盗塁で全得点に絡んだ。6回2死二塁、2番手国吉のカットボールをとらえ、左翼へ3点目の適時二塁打。 「ガンケルもすごく頑張ってくれていたので、ランナーをかえしたいと思っていましたし、自分のできることをしっかりやることだけを意識していました」。3回と5回に二盗を決めると、ともにホームイン。延長10回にも二塁を陥れ、リーグトップ独走の28盗塁。ここ6戦連続で複数安打を放ち、打率は2割9分6厘まで上昇した。

◆阪神矢野燿大監督がV逸の現実を受け止めた。引き分けでDeNA戦を終え、試合後のコーチ会議中に巨人Vが決定。「それ(巨人の優勝)は現実。仕方がないし、俺らの力不足。もちろん監督として指揮をとらせてもらっている立場なので、それは責任というか。特に大きく負け越した。そういうところでは、今シーズンもずっと悔しい思いをしているので、それをどうするか。俺を含めて、ジャイアンツとどう戦うかはチームの課題」と語った。 巨人に8勝15敗と大きく負けたことが、チームの15年連続V逸に直結した。指揮官は「ジャイアンツの方がこういうところが上で、こういうところがうちはまだまだ成長していかないとダメだと、よく分かったシーズン。それはしっかり受け止めていかないと」と言葉を続けた。 この日は延長10回2死走者なしから、あと1歩で勝利というところまで粘った。2死満塁から1度は植田が押し出し死球と判定されたものの、DeNA側のリクエストでファウルに。勝ち越しは幻に終わり、112試合目で今季のVが消えた。貯金は5。成長は確かにある。21年シーズン、矢野監督にとって就任3年目の戦いになる。その歩みは、負けた瞬間から始まっている。【松井周治】

◆阪神が9回の土壇場で追いつかれ、引き分けた。 巨人の優勝が決まり、阪神は05年にリーグ優勝して以降、15年連続で優勝を逃した。 矢野監督の一問一答は以下の通り。 -10回の攻撃は粘りを見せた 矢野監督 いやいや、竜平(小幡)があそこから出て走ったという、その気持ちがね。楽な展開にさせなかったというところでいうと、意味のあるレベルの高い走塁ができたんじゃないかなと。 -9回はスアレスがあと1死から被弾 矢野監督 もちろん、みんなあそこでホームラン打たれたくないと思っているし。その警戒した中で真ん中付近にいったボールを打たれたということやから。スアレスには助けてもらっているし、それも含めてね。まあ、信頼しているんで。その後も宮崎を打ち取ってくれたからこうなっている。これからも残り試合もスアちゃんに頼らないとあかんので。そういうところでは受け止めています。こっちとしては。 -ガンケルは力投 矢野監督 そうやね。ボールがよく動いている感じが。ゴロがすごく多かった。それがそういう打者にとっては、ちょっと動きのあるボールになったと思うし。いい形で。まだいけたんやけど、いいチャンスができたんで。 -大山は調子がいい 矢野監督 調子がいいというか、自力もついてきていると思う。 -近本も走った 矢野監督 そうやね。走って、最後もタイムリーにはならなかったけど、2死からああいう形で打てるのは大きいし、3割って個人的な目標はもちろんあるし、盗塁もあるし。でも1個1個がチームの中で価値のある盗塁やバッティングになってるんで。それは悠輔も含めて、そういう気持ちで残りの試合もやってくれたら。それでタイトルも取ってくれたら。 -巨人の優勝が決定 矢野監督 それは現実なんで、しかたがないし、俺らの力不足。もちろん監督として指揮をとらせてもらっている立場なんで、それは責任というか。特に大きく負け越したんで。そういうところでは、今シーズンもずっと悔しい思いをしているので、それをどうするかは、俺を含めて、ジャイアンツとどう戦うかはチームの課題やったし、ジャイアンツの方がこういうところが上で、こういうところがうちはまだまだ成長していかないと駄目だとよくわかったシーズンなので。それはしっかり受け止めていかないと。

◆DeNAが九回2死からロペスの2ランで追い付き、引き分けに持ち込んだ。阪神はガンケルが6回1安打1失点の好投も、抑えのスアレスで逃げ切りに失敗。延長十回は代走熊谷がけん制で刺され、2死満塁で植田が三振に倒れた。

◆DeNAは延長十回に2死満塁のピンチを招き、6番手・三嶋が植田の胸元に投じた一球が一時は死球の判定となったが、ラミレス監督がリクエスト。リプレー検証の結果、当たったのは手ではなく、バットのグリップエンドだったと判定が覆り、ファウルに。2ストライクとなり、最後は三振に仕留め、押し出し一転、無失点で切り抜けた。  ラミレス監督は試合後「当たった瞬間にすごく大きい音がしたので、あれが手なら折れていると思った。それであの反応だったので」と確信を持ったリクエストだったことを明かし「すごくうれしかったね、失いかけた流れを戻して、三嶋ならやってくれると思ったらその通りの結果になった」とニンマリだった。

◆ライナー性の打球が左翼フェンスの上部に当たった。大山が三回2死一、二塁で、DeNAの先発・京山の外角スライダーを力で運んだ先制の適時二塁打は、シーズン通算80打点に到達する一打だった。  「先制のチャンスでしたし、初回のチャンスでは凡退していたので、(気持ちは)ランナーを返すだけでした。先制することができてよかった」  一回2死二塁では中飛に倒れた。その悔しさを三回のチャンスでぶつけた。  阪神のシーズン80打点は、2014年に打点王を獲得したゴメス(109打点)、マートン(84打点)以来。日本人になると11年の打点王・新井貴浩(93打点)以来だ。  試合前の時点で、トップは84打点の岡本(巨人)。ゴメス以来の打点王のチャンスの可能性はある。1986年のバース以来34年ぶりとなる本塁打王にも期待がかかるが、大山は「それよりも僕はチームの勝利につながる打点にこだわっていきたいです」と話す。  この日は不振のサンズがスタメンから外れた。ボーアは出場選手登録を抹消されて1軍にはいない。それでもチームは今季最多タイの5連勝中で前日には2位に浮上した。大山が4番でコンスタントに数字を残しているからだ。  1-1の五回、マルテの適時二塁打で勝ち越して、なおも1死二、三塁のチャンス。大山は申告敬遠で歩かされると、敵地の虎党からはため息が漏れた。矢野監督も「ここまで来たら、タイトルはどっちも狙える位置にまだいると思うんで、そういうところでは貪欲に、本塁打王も打点王も意識しながら、どこまでできるかを挑戦してもらいたい」と期待を寄せている。  大山が打撃部門の初タイトルを目指して、120試合目までフルスイングを続ける。(三木建次)

◆DeNAのロペスが日米各リーグでの通算1000安打達成まで1とした。1-3の九回2死からスアレスの変化球を左翼席に運び、劇的な同点2ラン。チームが八回まで1安打に抑えられていた劣勢を覆し「完璧です。2死から追い付けてうれしい」と喜んだ。  米大リーグでは通算1005安打を放ち、24日の広島戦で日米通算2千安打に到達した。

◆阪神・大山が三回2死一、二塁から先制の適時二塁打を放ち、シーズン通算80打点に到達した。「初回のチャンス(2死二塁)で凡退したので(気持ちは)ランナーを返すだけでした」。球団で80打点は2014年のゴメス(109打点=打点王)、マートン(84打点)以来。日本選手では11年の新井貴浩(93打点=打点王)以来9年ぶり。矢野監督は「調子がいいというか、地力もついてきていると思う」。86打点でトップの岡本(巨人)に6差。本塁打でも岡本を2差の26本で追う。

◆守護神の阪神・スアレスは10月15日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、登板6試合ぶりにセーブ失敗となった。3-1の九回、先頭の神里に中前打。2死後にロペスに甘く入った変化球を左翼席に運ばれた。矢野監督は「スアレスには助けてもらっているし、信頼している。これからの残り試合もスアちゃん(スアレス)に頼らないとあかんので」と揺るがぬ信頼を示した。

◆阪神は30日、DeNAと3-3で引き分け、15年連続のV逸が決まった。勝てば望みをつないでいた一戦も、わずかなところでものにできず終戦-。矢野燿大監督(51)は、今季8勝15敗と巨人戦に大きく負け越した責任を語った。  遠すぎる背中に、指をかけることも出来なかった。虎のドローが決まった数分後、巨人が引き分け以上を確定させ、連覇達成。同時に阪神の15年連続V逸も決まった。敗軍の将となった矢野監督は、Gを独走させた責任を痛感した。  「現実なんで仕方がないし、俺らの力不足。もちろん監督として指揮をとらせてもらっている立場なんで、それは責任というか。特に(巨人戦)大きく負け越したんで」  負ければV逸の崖っぷちから脅威の5連勝。巨人も5連敗してここまで首をつないだが、あまりに離され過ぎた。最大13・5ゲーム差とされ、直接対決は8勝15敗。2位の虎が最下位のヤクルト(5勝12敗3分)と同じだけ貯金させていては、セ界を牛耳られるのは当然だった。  結果的に勝てば望みをつなげていた一戦も、勝負弱さをみせた。九回2死から守護神スアレスがロペスに痛恨の2ランを被弾。延長十回は先頭の木浪が四球を選ぶと、代走・熊谷。打席の梅野は強攻で勝負に出たが...。熊谷がけん制に誘い出され、まさかの盗塁死。2死から代打・小幡の執念のヘッドスライディングや盗塁で満塁としたが、最後は途中出場の植田が見逃し三振に倒れた。  「俺を含めて、ジャイアンツとどう戦うかはチームの課題やった。ジャイアンツの方がこういうところが上で、こういうところがうちはまだまだ成長していかないとダメだと、よく分かったシーズン」  この日の一戦も、まさにそうだった。わずかなミスの積み重ねが、大きな差になった。巨人には9年連続負け越し。80失策は昨年に続いて、両リーグワーストだ。藤原オーナーは手腕を評価しており、3年契約3年目となる来季の続投は基本線。ただ、このままでは来年も勝てない。「成長していかないとダメ」。この言葉を胸に刻み込み、来季に向かう。(大石豊佳)

◆巨人優勝オメデトウ! 終わったらノーサイド...。でも悔しい! うえ~ん(涙)。  虎が1試合に3度死んだ~! 八回まで神里のホームランの1安打1失点で6連勝寸前の2点リードの九回2死、あと1アウトでロペスの同点2ランを守護神・スアレスが食らうわ...。  延長十回2死満塁から植田の押し出し死球で勝ち越しと歓喜したら...。「アラララ??? なんでラミちゃんリクエスト? も~嫌だなあ~。球審も植田の打撃用手袋を外させて当たった跡を確認してるじゃない...」と、余裕こいていたら、えー!? まさかの判定覆り。そのあと三振の無得点で虎2度目のダウン...。  仕上げは、阪神の引き分けと巨人の引き分けで優勝が決まった(らしい...)。でも、ロペスの同点弾のおかげで? 十回に6打席目が回ってきた近本が2安打目&盗塁王まっしぐらの本日3盗塁目を決めたのだから、捨てる神があれば、拾う神あり...と、まあ今夜は許したるわー!

◆死球押し出しがリプレー検証で覆るなど、何ともすっきりしない試合になってしまった。ファン目線なら、延長十回無死一塁からの盗塁失敗も疑問が残るだろう。梅野の送りバントで得点圏で進めるのがセオリーだ。  感じたのは、直後に決めた小幡の二盗も、あまりに素晴らしいスタートだったこと。ということは三嶋の癖を見破っている可能性がある。ならばあの作戦も十分に「あり」。外から分からないベンチの事情がある。ただ熊谷は絶対に成功させなければいけない。  ことし1年を通じて、つまらないミスが繰り返された。この試合でも、五回1死一、二塁から投ゴロ併殺に取れるところを、送球を受けた遊撃・木浪が転倒して走者が残ってしまった。もしここで同点されていたら、勝ち投手の権利がかかった場面だから、投手への影響は大きい。その後の投手起用も大幅に変わってきたかもしれない。記録に残らないミスだが、勝敗を左右しかねない。  目に見えないミスの積み重ねが、優勝した巨人に大きく引き離された一因だったのは間違いないだろう。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
63417 0.606
(-)
優勝
(-)
9500
(+3)
393
(+3)
127
(+1)
74
(+2)
0.255
(-)
3.390
(↑0.01)
2
(-)
阪神
55507 0.524
(-)
8.5
(-)
8461
(+3)
432
(+3)
104
(-)
76
(+4)
0.247
(-)
3.420
(↑0.01)
3
(-)
中日
56525 0.519
(↓0.004)
9
(↓0.5)
7405
(+3)
461
(+17)
66
(+1)
30
(-)
0.250
(↓0.001)
3.840
(↓0.1)
4
(-)
DeNA
54536 0.505
(-)
10.5
(-)
7491
(+3)
437
(+3)
127
(+2)
29
(-)
0.266
(↓0.001)
3.680
(↑0.01)
5
(-)
広島
475411 0.465
(↑0.005)
14.5
(↑0.5)
8490
(+17)
511
(+3)
105
(+3)
61
(+1)
0.261
(↑0.001)
4.220
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
386310 0.376
(-)
23.5
(-)
9436
(+3)
549
(+3)
104
(+1)
66
(+4)
0.245
(-)
4.620
(↑0.02)