阪神(☆3対1★)中日 =リーグ戦24回戦(2020.10.29)・阪神甲子園球場=
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中日
1000000001611
阪神
20100000X3900
勝利投手:西 勇輝(11勝5敗0S)
敗戦投手:大野 雄大(10勝6敗0S)

本塁打
【中日】京田 陽太(5号・1回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神が5連勝。阪神は1点を先制された直後の1回裏、糸原の適時二塁打などで2点を奪い、逆転に成功する。そのまま迎えた3回には、陽川が適時二塁打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・西勇が9回1失点7奪三振の完投で今季11勝目。敗れた中日は、打線が1得点と振るわなかった。

◆阪神-中日戦の先発は西勇輝投手(29)と大野雄大投手(32)。両者の先発対決は14年5月28日以来、2度目で、西勇が阪神移籍後は初めて。前回対決は大野雄が7回2/3を無失点に抑えて勝利投手となったが、今日の軍配は?

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が西勇輝投手(29)、中日が大野雄大投手(32)。 注目は両エースの投げ合い。西勇はチームトップの10勝を挙げ、移籍後最多となる11勝目を目指す。大野雄は歴代12位となる45イニング連続無失点中。その間、阪神には9月30日(甲子園)、10月14日(ナゴヤドーム)と2試合連続で完封している。両投手の対決は西勇がオリックス時代の14年5月28日以来、2度目。当時は大野雄が8回途中無失点で勝利投手となった。今回が6年ぶりの対決となる。

◆中日大野雄大投手(32)の連続イニング無失点が45で止まった。1点を先制した直後の初回、先頭近本に右前打を許し、2番糸原にカウント2-2からの7球目フォークを右中間に運ばれる二塁打。近本が同点のホームを踏み、連続記録が止まった。さらに大山の遊ゴロの間にもう1点を失った。 大野雄の45イニング連続無失点は、プロ野球歴代12位。左腕では1位の58年、金田正一(国鉄)の64回1/3に次ぐ歴代2位の記録になる。

◆阪神糸原健斗内野手(27)が、45イニング無失点中だった中日大野雄から同点タイムリーを放った。 0-1の1回無死一塁で低めフォークを右中間へ。一塁走者近の本も快足を飛ばしてホームへ生還した。「チカ(近本)が塁に出てくれましたし、自分も次の打者へつなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができて良かったです」。今季は2度完封負けを喫するなど苦手としていた左腕を開始早々に攻略した。糸原は5試合連続安打と絶好調だ。 その後無死一、三塁とチャンスは続き、4番大山は遊ゴロ。その間に三走の糸原が生還し、大山は今季79打点目となった。

◆2試合ぶりにスタメン起用された阪神陽川尚将内野手(29)が、貴重な追加点を呼んだ。 1点リードの3回2死一、二塁で大野雄のツーシームを左中間へ。適時二塁打でリードを2点に広げた。「ここ最近はチャンスの場面で打てていなかったですし、みんなが良い流れで回してくれたのでその流れに乗って打つことができました。追加点を取ることができて良かったです」。試合前まで防御率1点台だった中日のエース左腕から3点目を奪った。

◆中日は1回に京田の5号ソロで先制。阪神はその裏、糸原の適時二塁打などで2点を奪い逆転。3回にも1点を加えた。 阪神先発西勇は2回以降、安定した投球で6回まで1失点と力投。中日先発大野雄は序盤3失点も中盤3イニングは無失点だった。 阪神は先発西勇が完投で今季11勝目を挙げ5連勝。中日は自身5連勝中だった大野雄が今季6敗目。チームも3連敗となった。

◆阪神先発の西勇輝投手(29)が9回6安打1失点で、今季4度目の完投勝利(2完封含む)。阪神移籍後では最多となる11勝目を手にした。 1回は京田に先制ソロを浴びたが、崩れなかった。2回以降は散発3安打。自慢の制球力で中日打線を手玉に取り、中日大野雄とのエース対決を制した。女房役梅野とお立ち台に上がり「相手が大野さんだったので先制点取られてしまったんですけど、チームが3点取ってくれた。なんとか完投できてよかったです」と笑顔を見せた。 前回登板の23日巨人戦(東京ドーム)では味方の失策も絡んで5回5失点(自責は2)。試合前まで防御率は2・10だったが、この日の完投で2・03まで下げた。「梅野が本当に良いリードをしてくれて投げることができてます。来年もしっかり良いバッテリーを組んで、日本一なりたいと思います」と、頼もしく話した。

◆阪神は先発西勇輝投手(29)が9回1失点の完投で5連勝に延ばし、2位に再浮上した。 1回に1点を失ったが、その後は危なげない投球で最後まで投げきった。この日は打線が難攻不落の大野雄に対して、いち早く反撃した。1回に糸原が右中間に同点適時二塁打を放ち、大山の遊ゴロの間に勝ち越し。大野雄の連続イニング無失点を「45」で止めた。3回には陽川が効果的な適時二塁打を左中間に放った。優位に試合を進めて、逃げ切った。

◆阪神梅野隆太郎捕手が7月以来3カ月ぶり3度目の猛打賞で西勇を援護した。外野全方向へそれぞれ打ち分けて3安打。「ピッチャーが頑張って投げてるので、それに応えられるように結果を出していきたい一心だった」。 西勇とはともにお立ち台にも上り「大野さんと西さんのエース対決で、昨日から勝つことだけを思っていた。2人でお立ち台に立てて本当にうれしく思ってます」と笑顔だった。

◆阪神は先発西勇輝投手(29)が9回1失点の完投で5連勝に延ばし、2位に再浮上した。矢野監督の一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) -45回連続無失点中だった大野に初回、1、2番コンビで鮮やかな攻撃 矢野監督 本当に調子が出る前にね、2人で点とってくれて。ケント(糸原)がそのあと積極的な走塁でサードにいったっていうのもね、すごくいきましたし。立ち上がりで2点取れたっていうのは大きいですね。 -近本は3回スタートをきった。揺さぶりも大きかった 矢野監督 近本が出ると相手は無警戒でいられないのでそういうところは目に見えないプレッシャーは相手にかかっていると思います。 -3回は2死から追加点 矢野監督 そうですね、ダメージのある得点だったと思いますし、こっちとしてはいい形で点が取れました。 -2試合連続完封負けしていた大野を攻略 矢野監督 本当になかなか打てないところが続きましたけど、きょうはみんな積極的に、ちょっと高いボールを思い切っていってくれましたね。 -西勇は中5日の登板 矢野監督 西らしくね、初回に1点取られましたけど、逆にそこで気合が入ったところもありますし、最後まで行く気満々でね、しっかり投げ切ってくれた素晴らしいピッチングでした。 -4度目の完投。頼もしい 矢野監督 そうですね。本当にローテーションも中5日でいってもらったのも何回かあるんですけど、その中で勇輝(西勇)らしく投げてくれてますね。 -5連勝で2位に浮上 矢野監督 順位は最後には決まりますし、僕らにできることは明日どうやって勝つか、全員でどうやって戦うか。そういうところだと思うので、残り少なくなりましたけど、それはしっかりやりきります。   (囲み取材) -西勇の印象 矢野監督 自然に気合も入るでしょう。相手もいいピッチャーってわかっているからね。もちろん先に(点を)やらないようにという意識は西も持っていたと思うけど。逆にホームランで。その後は西らしくね。大野に勝つぞというか、負けないぞというか、そのような気持ちは持っていて当然だとは思うけどね。それを実行するのは簡単なことじゃないけど、そこが素晴らしい。 -初回無死一塁から強攻策 矢野監督 作戦はいろいろあるけど。ケントも状態はいいしね。右、左関係なく対応してくれるバッターなんで、バントという頭はあまりなかった。ケントと、チカで揺さぶれるというか。 -初球攻撃が目立った 矢野監督 いいピッチャーはね。菅野にしても、そうだけど。やっぱり追い込まれたら、追い込まれるほど難しくなるし、立ち上がりゼロで行っちゃうと、どんどんエンジンがかかるんでね。そういう調子が出る前に二人で点を取ってくれたのは大きかったし。ケントが三遊間のところサードに行ってくれたというね。もちろん際どいプレーなんだけどね。あそこはちゅうちょしていたら、もう1点というのはなかったかもしれないんでね。そこは本当に効いたかなと。 -陽川も奮起 矢野監督 いや大きいよ。ちょっと東京ドームでいいホームラン出てこっち来てから内容的にアレやったけど、まああそこで打ってくれたというのは相手に与えるダメージがあるし、こっちとしてもね、2点差というのは気持ち的にもちょっと余裕の出るようなタイムリーだったんで、ナイスバッティングです。 -西は8回100球くらい。9回もエースに対する信頼 矢野監督 もちろんそれもあったし、疲れるというか中5日ではあったけど、西自身いけそうな感じもあったし、そんなに迷うことなく。まあ、スアレスが後ろにいてくれるという安心感もあるんで、それは思い切ってというか、普通に続投で。 -近本は5試合連続マルチ。3割も見えた 矢野監督 そりゃでかいよ。1回、3割くらいまでいって落ちてここまで来たし、価値あると思うし、2年目のジンクスといわれる中で、盗塁王は取って当たり前というか、とらなきゃダメだというのがあると思うけど、やっぱり3割というのは。チカの3割というのは相手にとってのプレッシャーというのがあると思うので、そういうところは目指すというか、越えていってほしい。 -チームとして5連勝。去年終盤の6連勝の勢いを感じる 矢野監督 苦しい時期もけっこう、今シーズンもたくさんあったし、みんな全員でやるというところであきらめずにやりきってくれているというのが、こういうところにつながっていると思うし。さっきも言ったけど、順位というのは上がったり下がったり、最後には絶対決まるんでね。そんなことに一喜一憂することなく...。俺自身はもちろん、考えてるんだけど、考えてしまうんだけど、自分たちの野球やること、毎日をどう過ごすかが大事。みんなしっかりやってくれている。 -桑原が抹消 矢野監督 しっかり投げられるというか肘の状態とか体のコンディションもここ何年かうまくいってなくて。しっかり投げてくれているんでね。じゃあ100%かというとそうじゃないところであいつも投げてくれていた。残り試合少なくなって、来年に向けて万全で投げてくれたらいいなというところで。投手の登録が多いのでそういうところで判断した。 -低めの見極めができていた 矢野監督 打撃コーチとスコアラーさんがいろいろ伝えてやってくれている。それも大きかったし、いい投手はどうボールを振らせるかというところがすごくうまいんで。きょうは高いボールもちょっと多かったというのもある。

◆阪神大山悠輔内野手が2試合連続打点でタイトル争いの差を縮めた。 初回に糸原の適時打で追いつき、なおも無死一、三塁。先発大野雄の変化球を引っかけて遊ゴロとなったが、その間に三塁走者が生還した。この日は無安打に終わったが打点を79に伸ばし、トップの巨人岡本との差は「5」となった。

◆矢野阪神がV逸目前から執念の5連勝を飾った。初回に糸原健斗内野手(27)の同点タイムリーなどで45回連続無失点中の中日大野雄から2点をもぎり、逆転に成功。3回に1点を挙げ、難攻不落の左腕を攻略した。負ければ15年連続のV逸が決まる土壇場で見せた猛虎の意地で2位に浮上した。重くのしかかるはずの記録を意識する間もなく、虎が難攻不落の中日大野雄を攻略した。1点を追う1回裏、1番近本の右前打で無死一塁。2番糸原が4球ファウルで食らいついた後、カウント2-2から甘く入ったフォークをコンパクトに強振した。大歓声をBGMに、飛球が右中間最深部を破っていく。首脳陣の強攻策に応え、同点の適時二塁打を決めた。 糸原 チカ(近本)が塁に出てくれましたし、自分も次の打者へつなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができて良かったです。 相手は今季4試合で防御率0・91に封じ込められていた天敵。たった2人で、わずか10球で、大野雄に46イニングぶりの失点をつけて勢いに乗った。3番マルテの三遊間へのゴロに二塁走者糸原が反応し、間一髪で三塁を陥れる。無死一、三塁となり、4番大山が遊ゴロを転がす間に勝ち越しの2点目をゲット。左腕の出ばなを一気にくじき、今季最長タイの5連勝につなげた。 大野雄はプロ野球史上9年ぶりの45イニング以上連続無失点。前回の日本ハム・ダルビッシュを46イニング連続無失点で止めたチームも虎だった。11年6月15日の甲子園。3回2死三塁から暴投の間に47イニングぶりの失点で、黒星も記録。今回も同じように黒星までつけさせ、矢野監督は「立ち上がりで2点を取れたというのは大きい」と納得顔だ。 貯金を今季最多の5に増やし、10月13日以来の2位に浮上。指揮官は「今シーズンも苦しい時期もたくさんあった。みんな全員でやるというところで諦めずにやり切ってくれているというのが、こういうところにつながっている」とナインをたたえた。負ければV逸決定という窮地から5連勝。残り9試合、猛虎の意地を体現し続ける。【佐井陽介】

◆阪神西勇輝投手が中日大野雄大投手との「エース対決」に完勝した。自己最多のシーズン4完投で移籍後最多の11勝目。お立ち台でも責任をにじませた。 「昨日、ブルペンデーでたくさんの中継ぎの方が投げた。相手が大野さん。先制点を取られてしまったけど、3点、取ってくれた」 本領を発揮したのは1回だ。京田に先制ソロ本塁打を浴び、2死後、高橋の打球を右翼陽川が後逸するミスで三塁打になる。投げ合うのは45回連続無失点中の左腕だ。次の1点を許せばキツい。福田との対戦。初球外角スライダーで目付けさせ、2球目の内角シュートでえぐる。中飛に詰まらせ、ピンチを断った。 大野雄との移籍後初対決で投球術がさえた。シュートもスライダーも敵を詰まらせ、逃げる球になる。内外角への投げ分けで2回以降を封じた。名コンビの梅野とは「今年、特に負けない投手になろう」と誓った。今年は1人で堂々の貯金6だ。前夜は7投手で継投。救援陣を温存する力投だ。 すでに今季の規定投球回到達も「もともとの143イニングを」と妥協なく、この日に突破。自己最多となる13勝まで残り2戦で圏内だ。防御率はリーグ2位の2・03に下げた。タイトルを度外視し「長いイニングを放ることだけ」と気合。大黒柱の自覚が光った。

◆阪神陽川尚将内野手が貴重な追加点を呼んだ。 2-1の3回2死一、二塁で大野雄のツーシームを左中間へ放ち、リードを2点に広げた。「みんなが良い流れで回してくれたので、その流れに乗って打つことができました」。矢野監督も「2点差は気持ち的にも余裕出る。ナイスバッティングでした」と称賛した。守備では1回に高橋の打球を後逸して三塁打にしてしまったが、5回は邪飛をスライディングキャッチ。ミスも取り返した。

◆阪神近本光司外野手がマルチ安打で打率を2割9分5厘まで上げた。1回先頭では右前へ。6回2死二塁でも右前打を放ち、二走の梅野は本塁で憤死したが存在感を出した。これで5試合連続の複数安打。 矢野監督は「チカ(近本)の3割というのは相手にとってのプレッシャーがあると思う。(3割を)目指すというか、超えていってほしい」と期待した。

◆中日・高橋周平内野手(26)が「4番・三塁」で先発出場。高橋のスタメン4番は、昨年6月13日のオリックス戦(京セラ)以来となった。  ダヤン・ビシエド内野手(31)が前日28日の阪神戦の守備で左肩を負傷。そのまま交代して病院に直行し、この日「上肢のコンディショニング不良」を理由に出場選手登録を抹消された。  一塁の代役は堂上直倫内野手(32)。堂上のスタメンは10月1日の阪神戦(甲子園)以来となった。

◆中日・大野雄大投手が先発。一回に失点し、連続イニング無失点が「45」でストップした。  京田の先制ソロで1点の援護をもらった左腕だったが、先頭の近本に一、二塁間を破られると、続く糸原の打球は右中間を突破。一塁走者・近本が一気に生還し、同点に追いつかれた。  大野雄は9月15日の広島戦(マツダ)の二回から、前回登板した10月22日のDeNA戦(ナゴヤドーム)の九回まで、45イニング連続無失点。球団新記録を樹立していた。

◆阪神・糸原健斗内野手(27)が難敵の記録を止めた。  0-1と先制された直後の一回。先頭の近本が右前打を放つと、続く糸原はファウルで粘って7球目、132キロの変化球を右中間へはじき返した。適時二塁打で、45イニング連続無失点だった大野雄から得点を奪った。  阪神は大野雄に、2試合連続で完封を許していた。さらに3番・マルテが遊撃内野安打で続き、無死一、三塁とすると、4番・大山の遊ゴロの間に三走・糸原が生還。2-1と逆転した。

◆阪神は中日に逆転勝ちし、今季2度目の5連勝を飾った。  0-1と先制を許した直後の一回、無死一塁から糸原が右中間へ適時二塁打。中日の先発・大野雄の連続無失点イニングを「45」で止める一打で同点に追いついた。さらに無死一、三塁とし、4番・大山の遊ゴロの間に三走・糸原が生還し、2-1と逆転。三回は2死一、二塁から陽川が左中間に適時二塁打を放ち、2試合連続完封を許していた難敵を打ち崩した。  先発の西勇は5安打1失点で今季4度目の完投。11勝目(5敗)をマークした。中日とのゲーム差はなくなり、勝率で上回った阪神が2位に浮上した。

◆中日は阪神に敗れ、3位に転落した。与田剛監督(54)の主な一問一答は下記の通り。  --大野雄はストライクとボールがはっきりしていた  「(悪かったのは)コントロールかな、ひと言でいうと。ギリギリのところでストライクが取れないから、どうしても真ん中に入った感じはしました」  --球の力はどう感じた  「打たれたところはあるのでね。でも6回3失点。全然、そこは合格点だと思う」  --打線が西勇をとらえられなかった  「この3試合、そうでしたね。点が取れないとなかなか勝てないので。でも、こんな試合もあるし」  --甲子園で1勝11敗。原因は  「あんまりそういう悪い数字はない方がいいですけど、そこはまた僕らは僕らで考えます」  --1つ、2つ挙げるとすると  「うーん、いろいろじゃない? 負けるときは点を取れなかったり点を取られるということになるので、それがたまたま甲子園で続いたということもあるのかもしれない。そういう原因はちゃんと検証しないといけないですね」  --ビシエドの代役4番が高橋。今後は  「いろいろとパターンがあると思う。いますぐ何かを全部、決めないといけないわけでもない」

◆阪神が5連勝で、中日と入れ替わって2位に浮上した。以下、矢野燿大監督の一問一答。  --45回連続無失点だった大野雄に一回、1、2番コンビで鮮やかな攻撃  「調子が出る前にね、2人で点をとってくれて。健斗(糸原)がそのあと積極的な走塁でサードに行ったっていうのもね、すごく生きましたし。立ち上がりで2点取れたっていうのは大きいですね」  --近本は3回スタートを切った。揺さぶりも大きかった  「近本が(塁に)出ると相手は無警戒でいられないので、そういうところは目に見えないプレッシャーは相手にかかっていると思います」  --2試合連続で完封負けしていた大野雄を攻略した  「本当になかなか打てないところが続きましたけど、きょうはみんな積極的に、ちょっと高いボールを思い切っていってくれましたね」  --西勇は中5日。どう見たか  「西勇らしくね、初回に1点取られましたけど、逆にそこで気合が入ったところもありますし、最後まで行く気満々でね、しっかり投げ切ってくれた素晴らしいピッチングでした」  --4度目の完投。頼もしい  「そうですね。本当にローテーションも中5日でいってもらったのも何回かあるんですけど、その中で勇輝らしく投げてくれてますね」  --5連勝で2位に浮上  「順位は最後には決まりますし、僕らにできることは明日どうやって勝つか、全員でどうやって戦うか。そういうところだと思うので、残り少なくなりましたけど、それはしっかりやり切ります」  --チームとして5連勝。昨年の終盤の6連勝の勢いを感じる  「苦しい時期もけっこう、今シーズンもたくさんあったし、みんな全員でやるというところであきらめずにやり切ってくれているというのが、こういうところにつながっていると思うし。自分たちの野球をやること、毎日をどう過ごすかが大事。みんなしっかりやってくれている」

◆虎党も驚き、歓喜した。快音とともに、打球は右中間を真っ二つに抜けた。糸原が0-1の一回に、同点の適時二塁打だ。一走・近本が小躍りしながら生還。中日・大野雄の連続イニング無失点を「45」で止める一打だった。  「チカ(近本)が塁に出てくれたし、自分も次の打者につなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができてよかった」  二塁ベース上で、糸原の顔もほころんだ。一回、先発の西勇が京田に右翼スタンドに被弾。相手は難敵・大野雄だ。阪神は9月30日(甲子園)、10月15日(ナゴヤドーム)と2試合連続完封負けを喫しており、先手を取られて、誰もが苦戦を予想した。  そんな空気をまず打ち破ったのが、先頭の近本だ。大野雄のフォークを右前へ。糸原はカウント2-1からファウルで3球粘って、最後はフォークをとらえた。なおも無死一、三塁で、大山の遊ゴロの間に1点を追加。試合をひっくり返した。  三回は2死一、二塁の好機で、陽川が左中間を破る適時二塁打を放ってリードを2点とし「みんながいい流れで回してくれたので。その流れに乗って打つことができた」と喜びを爆発させた。  矢野監督は前日28日の中日戦に勝利した後のインタビューで「1つでも多く勝って、1つでも上の順位を狙うというのは、僕たちのやることなので。一戦一戦、戦いながら、上を目指していきたいと思います」と声を大にしていた。  打線の援護を受けた先発の西勇も「(長い)イニングを投げることが大事。しっかりゲームを作っていくことを考えながら、やっていければ」という言葉通り、二回以降は、持ち味の緩急をつける投球と抜群の制球で、中日打線に的をしぼらせなかった。完投で11勝目。チームも今季2度目の5連勝で、貯金は今季最多の「5」。直接対決でたたいた中日と入れ替わって、ゲーム差なしで2位に浮上した。(三木建次)

◆1勝10敗と苦杯をなめた甲子園での今季ラストゲーム。1ゲーム差に迫る虎に2位の座を明け渡すことは避けたい一戦で、中日・大野雄がマウンドに上がった。  「今は、粘っていればビハインドでもひっくり返せる雰囲気がある。チームに勝ちを持ってこられるように頑張ります」  前回22日のDeNA戦(ナゴヤドーム)まで登板6試合で45イニング連続無失点。阪神には今季4度の対戦で2勝1敗、防御率0・91と抜群の相性を誇っていた。  しかし、1点の援護をもらった一回、先頭・近本にフォークを右前へ運ばれると、続く糸原にもフォークをとらえられて右中間へ。俊足の近本に悠々と同点のホームを踏まれた。これで連続イニング無失点はストップ。この回はさらに1点を失い、逆転を許した。  三回も2死から四球と安打でピンチを招き、陽川に左中間二塁打を浴びて追加点を献上した。  主砲を欠いた打線も元気がなかった。前日28日の守備でビシエドが一、二塁間の打球に飛び込み、左肩を負傷。この日「上肢のコンディショニング不良」で登録を抹消された。82打点でタイトル争いを演じる4番の離脱は、最終盤にあって大きな痛手。虎のエース・西勇との対決では4番に高橋、一塁には堂上を起用する、今季初の国産打線で臨むこととなった。  中盤までの援護は一回の京田のソロ一発のみ。6回で110球を要した大野雄は、七回から谷元にマウンドを譲った。(須藤佳裕)

◆阪神の西勇が1失点で9回を投げ抜き、自己最多更新のシーズン4度目の完投で11勝目を飾った。大野雄に投げ勝ち「3点取ってくれて、何とか完投できて良かった」と移籍1年目だった昨季の勝ち星も上回り、笑みがこぼれた。  一回に京田に先制ソロアーチを喫したが、二回以降は危なげなし。内外角にテンポ良く投げ分け、凡打の山を築いた。前日28日に「ブルペンデー」として救援の7投手をつぎ込んだチームを救い「(マウンドに)上がるからには最後まで投げたい気持ちが強い」と頼もしかった。

◆中日は今季の甲子園で1勝11敗。相性の悪さを払拭できないまま、3試合続けて1得点で阪神戦を終え、村上打撃コーチは「投打がかみ合わない。変に意識しているのか」と首をひねった。  左肩を痛めて離脱したビシエドに代わり、4番に高橋を据えた打線は迫力不足が否めず、西勇のテンポのいい投球に翻弄された。主砲の今季中の復帰に、与田監督は「(戻ってきても)1試合しか間に合わないし、厳しいのではないか」との見方を示した。

◆主将のバットから放たれた白球が右中間を切り裂く。一塁から虎の韋駄天がぐんぐん加速した。糸原が大野雄の連続イニング無失点を「45」で止める同点二塁打。"チカイト"コンビで奪った価値ある1点が、試合の主導権ももぎとった。  「チカ(近本)が塁に出てくれましたし、自分も次の打者へつなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができてよかった」  0-1と先制を許した直後の一回。まずは1番・近本が右前打を放ち、大野雄の出ばなをくじいた。打席には虎の主将。一塁で近本が3度もスタートを切って左腕に揺さぶりをかける。ファウルで粘って7球目。132キロフォークを完璧にはじき返した。難攻不落の左腕から、たった2人で1点を奪った。  チームとしても大野雄に対し、2試合連続完封を喫していた。これが20イニングぶりの得点。糸原はマルテの遊撃内野安打の間に三塁に進み、大山の遊ゴロの間に勝ち越しホームイン。矢野監督は「(大野雄の)調子が出る前に、2人で点とってくれて。近本が出ると相手は無警戒でいられない。目に見えないプレッシャーは相手にかかっている」とたたえた。  近本は六回にも右前打を放ち、これで5試合連続マルチ安打。打率・295と、3割が目前に迫る。糸原も5試合連続安打と、絶好調の1&2番コンビが5連勝の要因だ。残り9試合。"チカイト"が最後まで打線を引っ張る。(原田遼太郎)

◆エース対決を制した! 阪神は3-1で中日に勝利し、今季2度目の5連勝。貯金を最多の5と増やし、2位に再浮上した。西勇輝投手(29)が1失点で今季4度目の完投勝利。45イニング連続無失点で試合に臨んでいた中日・大野雄に堂々、投げ勝った。  九回2死。代打・シエラを三直に仕留めた西勇は"恋女房"の梅野とグータッチで喜びを分かち合った。オリックスからFA移籍した1年目の昨季(10勝)を上回る11勝目を、1失点完投で飾った。  「相手が大野(雄大)さんだったので。先制点は取られてしまったけど、なんとか完投できてよかったです」  一回1死。いきなり京田にスライダーを右翼席に運ばれた。45イニング連続無失点中の大野雄が相手だけに「あそこは取られてはいけないところでした」。だが、直後の一回、打線がすぐに2点を奪って、背中を押してくれた。  「大野さんから、もらえる点数は、全部大きかったです」  二回以降は二塁を踏ませず、終わってみれば9回114球を投げて6安打1失点。シーズン4完投は自己最多だ。パワーの源になったのは、大野雄に6年越しでリベンジを果たすことだった。  前回対決はオリックス時代の2014年5月28日の中日戦(ナゴヤドーム)。チームは0-1で完封負けし、開幕から8連勝中だった西勇は、8回1失点と好投しながら初黒星を喫した。  「覚えています。あの試合で負けて、連勝が止まりましたし。好投しても負けは負け。今回は勝ててよかった」  チームが2試合連続完封負けをしていた大野雄にエースが投げ勝ち、チームは今季2度目の5連勝。貯金は今季最多の「5」とした。中日にも今季3度目の同一カード3連勝で、10月13日以来の2位に返り咲いた。  矢野監督は「(今季は)中5日で何回もいってもらい、その中で勇輝(西)らしく投げてくれた」と絶賛。残り9試合へ「順位は最後には決まりますし、僕らにできることは明日どうやって勝つか、全員でどうやって戦うか」と力を込めた。  西勇も思いは同じだ。自己最多の12勝(14年)に続く6年ぶりの11勝で、トップの巨人・菅野とは2差。さらに防御率は2・03まで上昇し、同1・91で1位の大野雄を射程圏にとらえたが「そこらへんは狙っていない。僕は長いイニングを投げることだけを考えている」と言い切った。リーグトップの投球回数(146回)を伸ばし、チームの勝利のためにフル回転するだけだ。(三木建次)

◆大野雄にやられっ放しになるかどうかは、1番・近本がキーマンだと思っていた。好投手に対しては、1番打者が「行けるぞ」という姿を示せれば、攻略確率は一気に高まるもの。私も1番打者で何度も実感した。  1点リードされた直後の一回、いきなり近本が右前打。糸原の適時二塁打は見事だが、その直前に何球も続けて盗塁のスタートを切っていた。走者の見える左腕投手には、プレッシャーになったはず。制球も甘くなった。近本のおかげで、一気に逆転できた攻撃だ。  プロ2年目、いいリードオフマンになった。文句なしに合格点。ことしは前半戦調子を崩して心配したが、最終的に打率3割近くまで戻してきた。内角を攻められたときに見せる、向こうっ気の強そうな表情もいい。  「2年目のジンクス」は投手にはあるが、打者にはないというのが私の持論。常に研究され丸裸の打者は、力があれば結果は残せる。近本の姿を見て、改めて感じた。  残り試合で、何が何でも3割に到達してもらいたい。3割を打って初めて一流打者。仲間入りする絶好のチャンスだ。(本紙専属評論家)

◆ビリビリビリ~虎にしびれる秋深しなのだ。中日との3連戦に全勝しての2位浮上に、わっしょい! わっしょい!!  にしても、この終盤にきて、胸がキュ~ンと痛くなる面白さなのだ!! 防御率のタイトルを狙う西勇が一回、いきなり京田に一発を浴びて『絶望』の2文字が頭をよぎりかけたが、頼れる猛虎打線が1位の大野雄から6回3得点を奪う男前ぶりを見せたのだ。  さあ、それを意気に感じた西勇は、その後ピシャリと抑えての1失点完投勝利!! 終わってみれば大野雄は1.79から1.91と数字を落とし、逆に西勇は2.10から2.03。結果、森下、菅野を抜いて2位に躍り出たのだ!! 西勇そのネバーギブアップで最後に笑おうぜ!!  前日残り試合17安打で3割と俺がソロバンを弾いた近本が2安打!! よっしゃー!! あと9試合で15本や! 突っ走れー!! 大山も打点1を記録して岡本との差は5打点。よーし、ハマスタで本塁打、打点のW逆転見せたれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
63416 0.606
(↓0.006)
M1
(↑1)
10497
(+2)
390
(+5)
126
(+1)
72
(-)
0.255
(-)
3.400
(↓0.02)
2
(1↑)
阪神
55506 0.524
(↑0.005)
8.5
(↑1)
9458
(+3)
429
(+1)
104
(-)
72
(-)
0.247
(↑0.001
3.430
(↑0.02)
3
(1↓)
中日
56515 0.523
(↓0.005)
8.5
(-)
8402
(+1)
444
(+3)
65
(+1)
30
(-)
0.251
(-)
3.740
(-)
4
(-)
DeNA
54535 0.505
(↑0.005)
10.5
(↑1)
8488
(+5)
434
(+2)
125
(-)
29
(+1)
0.267
(-)
3.690
(↑0.01)
5
(-)
広島
465411 0.460
(-)
15
(↑0.5)
9473
(+3)
508
(+3)
102
(+1)
60
(+1)
0.260
(-)
4.230
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
38639 0.376
(-)
23.5
(↑0.5)
10433
(+3)
546
(+3)
103
(-)
62
(+2)
0.245
(-)
4.640
(↑0.02)