阪神(☆9対1★)中日 =リーグ戦23回戦(2020.10.28)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:岩貞 祐太(6勝2敗0S)
敗戦投手:勝野 昌慶(4勝5敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1-1で迎えた5回裏、マルテと大山の連続適時打で2点を挙げ、勝ち越しに成功する。その後2点を加えて迎えた8回には、近本と大山の適時打で4点を奪い、試合を決めた。投げては、先発・藤浪が4回1失点。最後は7番手・藤川が締めた。敗れた中日は、投打ともに振るわなかった。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が9月13日広島戦以来の先発登板。今季の藤浪は1勝6敗だが、唯一の白星は神宮で行われたヤクルト戦。 甲子園球場での白星は17年4月27日DeNA戦が最後で、本拠地勝利から3年遠ざかっている。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が藤浪晋太郎投手(26)、中日が勝野昌慶投手(23)。 注目は「オープナー」として9月13日広島戦以来の先発マウンドとなる藤浪。チーム状況から9月下旬に中継ぎへ配置転換されると、13試合に救援して失点したのはわずか2試合。10月19日ヤクルト戦では自己最速を1キロ更新する162キロもマークした。8戦連続無失点中の勢いそのまま、ブルペンデーの先発を担う。 チームは引き分けか負けで15年連続のV逸が決まる。巨人がDeNAに勝利すればV逸となるが、最後まで意地を見せたい。

◆快足が持ち味の阪神近本光司外野手(25)が、まさかのミスで左越え単打を記録した。 初回先頭で先発勝野の高め直球を逆方向の左翼へはじき返した。鋭い当たりは左翼福田を越えて長打コースかと思われたが、打球を目で追っていた近本は歩幅が合わずに一塁を踏み忘れ。一塁を大きく回ったところでベースを踏み直すために戻ったため、二塁進塁はならなかった。 痛いミスだったが、すぐさま快足で挽回した。続く糸原の2球目にスタートを切って二盗に成功。盗塁王争いトップを走る25個目の盗塁を決めて、チャンスを広げた。

◆阪神木浪聖也内野手(26)が、守備でのミスを取り返す同点打を放った。1点を追う2回無死一、三塁の好機。先発勝野の外角低め直球を左翼前へ運んだ。 「チャンスの場面だったので、とにかく積極的にスイングしていこうという気持ちで打席に入りました。打つことができて良かったですし、まずは同点に追いつくことができて良かったです」 初回の守りでは一塁悪送球で失策を記録。ピンチが広がり、先制点につながってしまった。3試合連続安打と好調のバットで、試合を振り出しに戻した。

◆阪神先発藤浪晋太郎投手(26)の大ファウルに、球場がどよめいた。 同点の2回1死二、三塁で迎えた第1打席。中日先発勝野の直球を捉えた当たりは、左翼ポール際へ飛んだ。入れば勝ち越し3ランだったが、打球はわずかにポールの外へ切れた。それでも場内は投手藤浪の大飛球に騒然となった。 この日はブルペンデーの「オープナー」として9月13日広島戦以来の先発マウンド。打席も同試合以来、約1カ月半ぶりだった。

◆ブルペンデーの「オープナー」として先発した阪神藤浪晋太郎投手(26)は、4回76球2安打1失点(自責0)でバトンをつないだ。 9月下旬に中継ぎへ配置転換され、9月13日広島戦以来の先発マウンド。初回から2本の安打と味方失策で1死満塁のピンチを招いた。5番高橋は二直に抑えるも、続く福田には押し出し四球。際どいコースの判定もあり、先制点を許した。しかし、大きく崩れることはなかった。続くシエラは134キロ変化球で空振り三振。立ち上がりの窮地を最少失点でしのいだ。 2回以降は完全に立ち直り、4回まで無安打無失点投球。威力抜群の直球に変化球を効果的に織り交ぜ、4回で6三振を奪う好投。 「久しぶりの長いイニングで初回は少しバタバタしてしまいましたが、その後は粘ることができたかなと思います。次回は先発か中継ぎか分からないですが、どちらであっても次回につながるピッチングができたかなと思います」 同点の4回裏に代打を送られ、お役御免となった。今季チーム初となった「オープナー」の役割を果たし、2番手岩貞にマウンドを託した。 試合後、矢野監督は藤浪の次回について、先発起用を明言した。

◆打点王を争う阪神大山悠輔内野手(25)が、2試合ぶりの適時打で76打点とした。1点リードの5回1死三塁。2番手又吉の内角シュートを詰まりながらも中前に運び、追加点をもたらした。 「ランナーが三塁にいましたし、とにかくランナーを返すだけでした」 試合前の時点で打点ランキングは1位ビシエドの82打点まで7差のリーグ4位。他球場では争う巨人岡本、ヤクルト村上が打点を挙げる中、大山も負けじと加算した。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が勝ち越し適時打を放った。同点の5回2死一塁、先発勝野の直球をはじき返し、左翼フェンスを直撃。ボールが転々とする間に一塁走者近本が快足を飛ばし、一気に生還した。 「投手もみんなよく投げてくれているし、逆転したいと思っていた。しっかり打ち返すことができて良かったね」 残留へアピールを続ける2年目助っ人が4試合ぶりの打点でアピールした。

◆阪神木浪聖也内野手(26)が、守備でのミスを取り返す同点打を放った。1点を追う2回無死一、三塁の好機。先発勝野の外角低め直球を左翼前へ運んだ。 「チャンスの場面だったので、とにかく積極的にスイングしていこうという気持ちで打席に入りました。打つことができて良かったですし、まずは同点に追いつくことができて良かったです」 初回の守りでは一塁悪送球で失策を記録。ピンチが広がり、先制点につながってしまった。3試合連続安打と好調のバットで、試合を振り出しに戻した。

◆中日は1回2死満塁から福田が押し出し四球を選んで先制。阪神は2回無死一、三塁から木浪の左前適時打で同点とした。 阪神先発の藤浪は4回1失点で降板。打線は同点で迎えた5回にマルテの適時二塁打、大山の適時打で2点を勝ち越した。 阪神は8回に大山の2点適時打などで4点を追加。9回2死からは藤川が7番手で登板してブルペンデーを締め、4連勝とした。岩貞6勝目。勝野5敗目。

◆今季限りで現役を引退する藤川球児投手(40)が、9回2死から7番手でマウンドに上がった。 聖地におなじみの登場曲が流れると、老若男女問わずスタンドの阪神ファンが大歓声を送った。 この日はブルペンデー。藤浪が先発し、9回までに9-1と大きくリード。初回の1失点以降、6投手が無失点でつないできたバトンを藤川が受け取った。 7番シエラに対し、初球は145キロ低め直球でボール。2球目も145キロ直球を投じ、一邪飛に抑えた。 登板は1軍復帰以来、3試合目。阪神が勝った試合を藤川で締めたのは、7月9日の巨人戦(甲子園以来)。

◆阪神は今季初のブルペンデーが機能し、7投手で1失点リレー。「オープナー」藤浪の好投から最後は藤川が試合を締め、負ければV逸の崖っぷちから4連勝とした。 藤浪は中継ぎへの配置転換前となる9月13日広島戦以来の先発。初回に2死満塁から押し出し四球で先制を許すも、最少失点で切り抜けた。2回以降は立ち直り、4回まで無安打投球。4回1失点(自責0)で2番手岩貞にバトンをつないだ。 同点の5回を岩貞が無失点に抑えると、直後にマルテが勝ち越し適時打。その後は打点王を争う大山が2本の適時打を放つなど、点差を広げた。救援陣は3番手以降をエドワーズ、桑原、岩崎、谷川と継投。9回2死からは今季限りで現役を引退する藤川が試合を締めた。

◆阪神近本光司外野手が初回のミスを取り返す活躍を見せた。 初回、先発勝野の高め直球を左翼へはじき返して二塁進塁を狙ったが、打球を目で追っており歩幅が合わずに一塁を踏み忘れ。一塁を大きく回ったところで踏み直すために戻ったため、二塁進塁はならず。だが、3番マルテの2球目に25個目の盗塁を成功。盗塁王を争う巨人増田大がこの日3盗塁を決め、3つ差に迫られたがトップをキープ。打撃でも5回に勝ち越しへつなげる右前安打を放つなど、計4安打。今季12度目の猛打賞を決めた。

◆中日は阪神に3年ぶりに負け越した。投手陣が打ち込まれ、1-9の大敗。 10月初連敗で、"鬼門"甲子園で10敗目となった。さらに8回、近本の打球に飛び込んだ一塁ビシエドが左肩を強打。トレーナーらに付き添われ、顔をゆがめながらベンチに下がり、病院へ向かった。チーム最多82打点の主砲のリタイア危機に、与田監督は「心配? そうですね。肩を痛めたみたい」と表情を曇らせた。

◆阪神は今季初のブルペンデーが機能し、7投手で1失点リレー。 「オープナー」藤浪晋太郎投手の好投から最後は藤川球児投手が試合を締め、負ければV逸の崖っぷちから4連勝とした。 以下、矢野監督の一問一答。 (テレビ取材) -4連勝の手ごたえは そうですね。もうちょっと点が取れそうなところで点が取れないっていうのはあるんですけど、全員でよくやってくれていますし、とくにピッチャーがよく粘ったと思います。 -藤浪の先発の狙いは 中継ぎでね、いい形で晋太郎もいってたので、そのままいくっていうのも考えてたんですけど、よくなってるところで1回先発でも見てみたいなっていうところで。あの1点でしのいでくれて、落ち着いて投げてくれたなと。いいピッチングでした。 -もう1イニングの選択は いや、あったんですけど、本人も久しぶりの先発でちょっと疲れも出てるっていう感じだったので替えました。 -今後の起用法は 先発で次回も行こうかなと思います。 -中継ぎ陣は頼もしい そうですね。それぞれが出たいイニングしっかり投げてくれてますし、こちら出す方も自身もって送り出せるんで、本当に頼もしいです。 -最後に藤川が登板 本当に球団にすごく貢献してくれたピッチャーですし、そういう出せる場面で球児を見たいというファンの皆さんの気持ちもよく分かりましたし。そういうところでは、みんながそういう演出をしてくれて、谷川もしっかり抑えてくれたので、いい形で球児がいけて、その姿を見てもらえてよかったと思います。 -中日との差も縮まってきた。モチベーションになる そういう戦いは最後まで続きますし、1つでも多く勝って、1つでも上の順位を狙うというのは僕たちのやることなので。1戦1戦戦いながら上を目指していきたいと思います。 -明日は大野雄と対戦 こっちも西(勇)ですし、緊迫したゲームになると思いますけど。大野に勝ってさらに自信をつけていきたいですね。   (囲み取材) -藤浪は押し出しのボールも悪くなかった。 うん、まあ、いいボールだったよね。 -初回を1点でしのいだのは大きかった。 立ち上がりって難しいしね。しかも久しぶりの先発やったし、そういうところではあそこを1点でしのげたのは振り返るとやっぱりすごく大きいところなんで。よく粘ってくれた。 -中継ぎの経験はいきている すぐに今、今日いきているかっていうと分からない部分もあるけど、これからの晋太郎には絶対にいきてくるから。今日もそのことが無関係だとは思わないけど。 -次回は先発 まあ本人もやりたいであろうし、まあ逆にこういうことも出来るというカードというか発想にもなるし、でもスケールの大きいピッチャーなんでそういうところでは先発で投げるっていうところが、目指すところなのかなと思う。 -中継ぎの桑原も良かった そうやね。だからイニングがどうしてもね、晋太郎が4回までよくいってくれたんだけど、ちょっといつもの勝ちパターンというよりはクワとかにも頑張ってもらわないとダメだし。本当にそれぞれがエドワーズもなんとかしのいでくれたし。だからああいう点になった。投手が頑張ったところの打線の絡みが絶対ある。中継ぎが本当によくやってくれています。 -マルテも打った もともと、しぶといしね。チャンスになれば、相手にとっては嫌な打者になってくる。チャンスメークももちろん、かえす打撃も特長なんで。本塁打は入ってるのかなと思ったけど。 -大山は走者をかえす打撃 貴重だよ、やっぱり。全部本塁打を打てるわけじゃない。しぶとく又吉のヒットもそうやし、最後もそうやし、そういうところで走者をかえす、もちろん打点も本塁打も試合の中で結果的に考えて関係のないところで出たりというのは、なくはないけど、打点はね、一番チームに直結する部分でもある。ここまで来たら、タイトルはどっちも狙える位置にまだいると思うんで、そういうところでは貪欲に本塁打王も打点王も意識しながらどこまでできるかを挑戦してもらいたい。

◆いよいよ先発に本格復帰だ。阪神藤浪晋太郎投手(26)がブルペンデーの中日戦(甲子園)で9月13日以来の先発マウンドに上がり、4回1失点と好投。チーム内のコロナ禍の影響もあって中継ぎに配置転換されて以来、結果を積み重ねてきた豪腕に、矢野燿大監督(51)は次回先発起用を明言した。阪神は負ければV逸のピンチをしのいで4連勝。2位中日に1ゲーム差に迫った。約1カ月半ぶりに立ったまっさらなマウンドで、藤浪は確かな成長の証を見せた。「やっぱり先発したいっていう気持ちは自分の中で強いので、ゲームの最初から投げるのは久しぶりだったので良かったと思います」。ピンチはいきなりやってきた。初回2死満塁で迎えた福田に、カウント3-1から外いっぱいに158キロ直球を投げ込むも判定はボール。押し出し四球に苦笑いを浮かべたが、自らを納得させるように2度うなずくと再びマウンドへ。続くピンチで、シエラをカットボールで空振り三振に仕留めた。 2回以降、走者を出したのは四球の1度だけ。「オープナー」の先発で4回2安打1失点(自責0)6奪三振。変化球でカウントをつくり、直球で空振りを奪った。好投した右腕の次回について、矢野監督は「先発で次回も行こうかなと思います」と明言。「スケールの大きいピッチャーなんで、先発で投げるっていうところが、目指すところなのかなと思う」。進化した姿に期待した。 緊急の配置転換が功を奏した。先発では8月21日ヤクルト戦で692日ぶりに勝利したが、3戦連続5回未満の降板で9月14日に登録抹消。その後9月下旬にチームのコロナ禍で緊急昇格すると、中継ぎで13試合に登板した。直近8試合で連続無失点を続け、19日ヤクルト戦(甲子園)では球団最速の162キロもマーク。「より配球を考えたり、印象づけだったり、そういうところを、中継ぎでいろいろ勉強できた部分もあるので、生きた部分はあると思います」。プロ8年目に得た大きな財産だ。 この日は藤浪から投手7人で継投。V消滅がかかった試合で4度目の勝利を収め、ともしびを消さなかった。今度は「先発・藤浪」で白星を-。「多分シーズン最後になると思いますけど、いい形で来シーズンにつながるように投げられたらなと思います」と力強く意気込んだ。【磯綾乃】

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手は勝ち越し打で流れを引き寄せた。 同点の5回1死一塁、左翼フェンス直撃の適時二塁打。「あの場面はしっかり打点を稼ぐことが重要だった。それができて良かったよ」。 7回にも犠飛を決め、大勝に貢献。ヒーローインタビューの直後には子供にバットをプレゼントし、満面の笑みで球場を後にした。

◆阪神岩貞祐太投手がブルペンデーで今季6勝目を飾った。 5回から2番手で登板し、上位打線の大島、京田らと対戦。「0点で抑えることができて良かったです」と1イニングを3者凡退に抑えた。その裏に味方の反撃で勝ち越し。「(藤浪)晋太郎が頑張って投げてくれましたし、自分もチームの勝ちに繋がるようなピッチングをするという気持ちで投げました」と振り返った。

◆阪神藤川球児投手はゲームの締めくくりを任され、大歓声に直球で応えた。8点リードの9回2死。なじみの登場曲が流れると、甲子園がこの日一番の盛り上がりを見せた。今季限りでの現役引退を表明した後に限れば、初めてリードした場面での登板。「あと1人」コールが響き渡る中、7番シエラを145キロ直球で一邪飛に仕留めて笑顔だ。 「締まった試合ができるというのは、みんなの頑張りがあってなので。プラスワンという形で登板させてもらうくらい、現状のリリーフというか投手陣の強さを感じます。心強く思います」と後輩たちに感謝。「ファンの方とともに最後の時間を一緒に過ごせること自体がすごく貴重。誰もが味わえる時間じゃないところをいただけるというのは、本当に今まで頑張ってきて良かったなというところです」。引退試合となる11月10日の巨人戦まで、思いをマウンドでも体現する。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が2本の適時打で3打点を稼ぎ、熾烈(しれつ)な打点王争いに食らいついた。打点数も一気にキャリアハイ更新となった。 まずは1点リードの5回1死三塁。「ランナーが三塁にいましたし、とにかくランナーを返すだけでした」。2番手又吉の内角直球に詰まりながらも、中前に運んで中押し点をもたらした。6点リードの8回2死満塁では、4番手岡野から中前2点適時打。合計3打点で78打点とし、昨年の自己記録(76打点)を塗り替えた。昨季は143試合出場での記録だが、今季は110試合目でマークした。 タイトル争いは目まぐるしく動いた。他球場では巨人岡本が27号3ランで単独トップの84打点。ヤクルト村上が25号、26号とソロ本塁打2発を放ち、82打点で中日ビシエドと並ぶ2位。大山も1位まで6差と、離されずに追いかける。 本塁打王争いは岡本に単独トップを譲り、26本で村上と2位タイになった。それでも2冠は射程圏にある。矢野監督は4番の勝負強さを「打点は一番チームに直結する部分でもある」と評価。「タイトルはどっちも狙える位置にまだいると思うので。ここまで来たら貪欲に本塁打王も打点王も意識しながら、どこまでできるかを挑戦してもらいたい」と、ハッパをかけた。シーズンは残り10試合。大山の打席から目が離せない。【奥田隼人】

◆痛恨の1球となった。9月13日の広島戦(甲子園)以来の先発マウンドに立った藤浪晋太郎投手(26)は、一回2死満塁から福田に押し出し四球を与え、先制点を献上した。  1死から京田に右翼線へ二塁打を浴びると、続く阿部の打球が藤浪に当たり、遊撃・木浪のもとへ。タイミングはアウトだったが、送球がそれ一、二塁(記録は遊撃の失策)とされた。  さらにビシエドに投手強襲の内野安打を浴び満塁。高橋は二直に打ち取ったが、福田に対し、カウント3-1からの5球目はボール判定。際どい判定に両手を挙げ、驚いた表情の藤浪だったが続くシエラを空振り三振に斬り、最少失点で切り抜けた。

◆阪神・木浪聖也内野手(26)が0-1の二回に同点打を放った。  「チャンスの場面だったので、とにかく積極的にスイングしていこうという気持ちで打席に入りました。打つことができてよかったですし、まずは同点に追いつくことができてよかったです」  無死一、三塁で打席に向かうと勝野の141キロを逆方向へ。一回には先制点につながる失策を犯していたが、左前適時打ですぐさまミスを取り返した。さらに続く梅野の右飛では、相手の隙をつき二塁へタッチアップを決めるなど躍動。新型コロナウイルスの濃厚接触者判定を受け戦線を離脱していたが、1軍復帰した25日の巨人戦(東京ドーム)から3試合連続安打と好調だ。

◆9月13日の広島戦(甲子園)以来の先発マウンドに立った阪神・藤浪晋太郎投手(26)は、4回2安打1失点(自責0)。6三振を奪った。  「久しぶりの長いイニングで、初回は少しバタバタしてしまいましたが、その後は粘ることができたかなと思います。次回は先発か中継ぎか分からないですが、どちらであっても次回につながるピッチングができたかなと思います」  一回に失策も絡み1死満塁とすると、福田に押し出し四球で先制を許した。しかし、その後は大崩れすることなく最速158キロの直球を駆使し、毎回の6奪三振と好投した。

◆阪神は中日に逆転勝ちした。藤浪が9月13日の広島戦(甲子園)以来の先発マウンドに立ち、4回2安打1失点(自責0)。最速158キロの直球を軸に6三振を奪う好投を見せると、岩貞、エドワーズ、桑原、岩崎、谷川が無失点リレー。最後は九回2死から今季限りでの現役引退を表明している藤川が登板し、甲子園が大歓声に包まれた。藤川はシエラを145キロ直球で一邪飛に仕留め、試合を締めた。  打線は二回無死一、三塁から木浪の3試合連続安打で同点。五回は、マルテが左翼フェンス直撃の適時二塁打、さらに続く大山もタイムリーを放ち勝ち越した。その後も効果的に追加点を重ね、14安打9得点と打線が爆発した。

◆阪神が4連勝。1-1の五回に、ジェフリー・マルテ内野手(29)の左越え二塁打で勝ち越し、終盤にも加点し、中日を突き放した。先発で4回1失点と好投した藤浪晋太郎投手(26)ら7投手がリレー。最後は藤川球児投手(40)が締めた。以下、矢野燿大監督(51)の一問一答。--4連勝の手応えは  「もうちょっと点が取れそうなところで点が取れないっていうのはあるんですけど、全員でよくやってくれていますし、とくにピッチャーがよく粘ったと思います」  --藤浪の先発の狙いは  「中継ぎでね、いい形で晋太郎もいっていたので、そのままいくっていうのも考えてたんですけど、一回、先発でも見てみたいなっていうところで。あの1点でしのいでくれて、落ち着いて投げてくれたなと。いいピッチングでした」  --もう1イニングの選択は  「いや、あったんですけど、本人も久しぶりの先発でちょっと疲れも出てるっていう感じだったので代えました」  --今後の起用法は  「先発で次回も行こうかなと思います」  --中継ぎ陣は頼もしい  「それぞれが出たいイニングをしっかり投げてくれていますし、こちら出す方も自信をもって送り出せるんで、本当に頼もしいです」  --最後を藤川に  「本当に球団にすごく貢献してくれたピッチャーですし、そういう場面で球児を見たいというファンの皆さんの気持ちもよく分かりましたし。いい形で球児がいけて、その姿を見てもらえてよかったと思います」  --あしたは大野雄と対戦  「こっちも西ですし、緊迫したゲームになると思いますけど。大野に勝ってさらに自信をつけていきたいですね」  --藤浪は押し出しのボールも悪くなかったのでは  「うん、まあ、いいボールだったよね」  --初回を1点でしのいだのは大きかった  「立ち上がりって難しいしね。しかも久しぶりの先発やったし、そういうところではあそこを1点でしのげたのは振り返るとやっぱりすごく大きいところなんで。よく粘ってくれた」  --次回も先発を決めた  「まあ本人もやりたいであろうし、まあ逆にこういうことも出来るというカードというか発想にもなるし、でもスケールの大きいピッチャーなんで、そういうところでは先発で投げるっていうところが、目指すところなのかなと思う」

◆阪神・藤浪が先発復帰へ、まずまずの投球をみせた。約1カ月半ぶりの先発マウンド。立ち上がりは制球に苦しんだ。一回2死満塁。福田にカウント3-1から投じた外角低めをボールと判定されて、押し出し四球となった瞬間、両手を挙げて不服そうな表情をみせた。  「久しぶりの長いイニングで、初回はバタバタしてしまいましたが、その後は粘ることができたかなと思います」  その言葉通り、二回以降は安定。4回76球を投げて2安打1失点(自責0)、6奪三振。"先発"の役目は果たした。  この日は救援陣の継投でつなぐ「ブルペンデー」。先発に指名されたのは藤浪だった。9月13日の広島戦(甲子園)で四回途中5失点降板して以来。「ペース配分などは意識せず、1人1人抑えていくことに集中したい」と話していた。  一回1死後、京田に一塁線を破られると、阿部の遊ゴロを木浪が一塁に悪送球(記録は失策)。さらにビシエドの投手強襲安打で満塁のピンチを背負った。高橋を二直に打ち取ったが、福田に押し出し四球。それでも、ここから踏ん張った。  先発で結果を出せず、2軍で調整中だった9月下旬にチーム内にコロナ禍が広がった。その影響で1軍に緊急昇格し、救援で13試合に登板して防御率2・35。先発8試合では同5・87だったが、中継ぎで1軍には欠かせない戦力となり、10月19日のヤクルト戦(甲子園)では球団最速となる162キロをマーク。8戦連続無失点中だった。  圧巻は1-1と同点に追いついた直後の三回。阿部を154キロで見逃し三振、ビシエドも154キロで遊ゴロに打ち取ると、高橋は155キロで空振り三振。竜の主軸を緩急をつけて追い込むと、ウイニングショットは自慢の直球だった。  「次回は先発か中継ぎかわからないですが、どちらであっても次回につながる投球ができたかなと思います」  五回からはベンチで2番手以降に声援。藤浪の力投に岩貞、エドワーズ、桑原、岩崎、谷川が続いた。最後の1人は藤川が抑えて、虎党も大満足の快勝劇となった。(三木建次)

◆九回2死、今季限りで現役を引退する阪神の藤川が登場した。歓声が湧いたスタンドから「あと1人」の声が響く中、シエラに力勝負。2球目で一邪飛に仕留め「ああいう場面で登板させてもらえるのは、みんなの頑張りがあるから。現状の投手陣の強さを感じる」と感謝を口にした。  藤川自身は「状態的にはそんなに良くない」という中、救援投手だけで乗り切る「ブルペンデー」の締めを託した矢野監督は「みんながそういう演出をしてくれて、姿を見てもらえて良かった」と語った。

◆14安打9得点で4連勝とした阪神は、マルテが勝ち越し二塁打と犠飛で2打点と貢献した。  1-1の五回は1死一塁で勝野の直球を左越えに打ち返し「あの場面はしっかり打点を稼ぐことが重要だった。それができて良かった」と白い歯をのぞかせた。七回1死二、三塁では中堅へきっちり打ち上げ、矢野監督は「チャンスでは相手にとって嫌な打者。(走者を)かえす打撃はマルテの特長」と主軸の働きに目を細めた。

◆中日のビシエドが八回守備で左肩を負傷、交代した。一、二塁間の打球へ飛びついて捕球を試みた際に痛めた。打点王を争う主砲が離脱することになれば大きな痛手だ。与田監督は「詳細は上がってきていない」と説明。六回の打席で左肩に投球を受けていたこととは「関係ない」と影響を否定した。

◆1-1の五回に2番手で登板した岩貞は1回を無失点に抑えて今季6勝目。「晋太郎(藤浪)が頑張って投げてくれたし、自分もチームの勝ちにつながるようなピッチングをするという気持ちで投げた」。先頭の勝野を空振り三振、大島と京田を5球で打ち取り、直後の攻撃でチームが勝ち越しに成功。8月の中継ぎ転向後は、25試合で4勝、7ホールド、防御率2・49と安定感抜群だ。

◆ブルペンデーだった阪神は、藤浪晋太郎投手(26)が"先発"して4回1失点(自責0)と試合を作り、9-1での4連勝に貢献した。矢野燿大監督(51)は、次回登板での先発本格復帰を明言。7人のリレーで中日打線を3安打に抑え、最後は今季限りでの現役引退を表明している藤川球児投手(40)が締めた。2位中日と1ゲーム差に迫った。  九回2死。矢野監督がベンチを出ると、何が起こるのか察したスタンドから大歓声がわき起こった。アルプスのファンは少しでも近くで見ようと思わず席を立つ。拍手と熱狂の中、藤川が登場。最後を締めた。  「ファンの方と最後の時間を一緒に過ごせること自体がすごく貴重。誰でも味わえる時間ではないのをいただける。頑張ってきてよかった」  「あと1人」コールの中、シエラに初球は外角低め145キロ直球でボール。2球目も145キロの直球で一邪飛。笑顔で右手を握った。  勝った試合を締めるのは、今季2セーブ目を挙げた7月9日の巨人戦(甲子園)以来。久しぶりに勝利の瞬間をマウンドで味わった。  チームは1つでも負けるか引き分ければV逸が決まる。それでも「それ(優勝)がなくなっても人生は続く。またすぐに立ち上がって、進んでいかないといけない」と後輩らにメッセージを送った。応援してくれるファンのために、最後まで身を粉にして戦い続ける。(菊地峻太朗)

◆ブルペンデーだった阪神は、藤浪晋太郎投手(26)が"先発"して4回1失点(自責0)と試合を作り、9-1での4連勝に貢献した。矢野燿大監督(51)は、次回登板での先発本格復帰を明言。7人のリレーで中日打線を3安打に抑え、最後は今季限りでの現役引退を表明している藤川球児投手(40)が締めた。2位中日と1ゲーム差に迫った。  四回2死。木下拓を空振り三振に仕留めた藤浪は、まだ投げられる-と言わんばかりに、おどけた表情をみせた。  「やっぱり先発がしたいという気持ちが強い。試合の最初から投げるのは久しぶりだったので、よかったと思います」  「ブルペンデー」で9月13日の広島戦(甲子園)以来の先発マウンドに上った。4回76球を投げて2安打1失点(自責0)、6奪三振。「変化球でもカウントを取れたし、(最速158キロの)直球で空振りも取れて、落ちついて投げられた」と自画自賛だ。  立ち上がりは制球に苦しんだ。一回1死から京田に二塁打。木浪の一塁悪送球と内野安打などで迎えた2死満塁のピンチ。福田にカウント3-1から投じた外角低めをボールと判定されて押し出しの四球となった瞬間、両手を挙げて不服そうな表情をみせたが...。  「テンパら(気持ちに余裕がなくなる)なかったことが、最少失点につながったかな、と」  二回以降は制球が安定。三回は阿部を見逃し三振、ビシエドを遊ゴロ、高橋を空振り三振に仕留めると、四回も三者凡退。中継ぎで奮投したことで「より配球を考えたり、いろいろと勉強したことが生きたと思う」と振り返った。  先発で結果を出せず、2軍調整していた9月下旬にチーム内にコロナ禍が広がった。緊急昇格し、中継ぎで13試合に登板して防御率2・35。数字以上の収穫を得た。  最後は引退を発表した藤川が締める今季最多タイの投手7人リレーで、中日に3年ぶりのシーズン勝ち越し。負ければ優勝の可能性が完全消滅する状況になってからの4連勝で、2位中日に1ゲーム差と迫った。きょう29日も勝てば2位奪回。そんな状況で、矢野監督は藤浪の次回登板について「先発で行こうかなと思います」と明言した。  「本人もやりたいだろうし。スケールの大きい投手なので、先発で投げるのが、目指すところなのかなと思う」  中6日なら11月4日のヤクルト戦(甲子園)の先発が有力。藤浪は「(今季)最後になると思う。来季につながるような投球ができたら」。2020年ラスト登板を、弾みとする。(三木建次)

◆来た! 来た! 来たー!! 2年目の近本が4安打!! 試合前に・287だった打率が・293に上昇。一流打者の証明ともいえる打率3割が見えてきたー!!  こーいう計算をはじめると『とらぬ虎の皮算用』(本当は狸ですよ~)で、もくろみ通りいかないことが多いんだけど、ソロバンを弾かずにいられますかいな!!  残り10試合。近本は1番打者だから1試合で4打席もしくは5打席に立つので(4×5)+(5×5)=45と仮定。475打数でシーズンを終えるとしましょう...。  安打数は126。あと17安打すれば143÷475=0・301で、一流打者の仲間入り!! ルーキーから2年連続の盗塁王までついてくりゃ、一流の上に『超』がつくのだ!! 輝く3割打者に絶対になってくれー!!

◆藤浪は4回1失点の数字以上にいい内容だった。とくに三回はしっかりと腕が振れて、右膝が捕手に向かっていた。右足が地面をする形になって、粘り強さを感じる投げ方だった。  立ち上がりは、プレートを蹴った右足が捕手の方向ではなく、上に向かって上がっていく悪いときの形も見られたが、全体として右足にタメをつくって、体をしっかりひねって投げられていた。  ただ、結果が出たからといって、ここですぐ先発調整に戻すのには反対だ。今季の残り試合は今の形で臨む方がいい。  先発投手に戻すと、長いイニングを意識して、楽に投げようとする。そうすると藤浪は腕が下がる。抜け球が増える。この日のいい形は、リリーフで全力で投げてきた中でつかんだもの。イメージできたその形を続けて、つかんだ手応えを自信に変えてほしい。  藤浪は投げる体力が誰よりもある。今後もリリーフで準備し、たとえば中2日で救援で1イニング投げて、その次に中3日でブルペンデーで先発して4回を投げる。そういう形を続ける方が、来季の先発復帰へ、いいイメージでつなげていけると思う。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
63406 0.612
(↓0.006)
M2
(↑1)
11495
(+6)
385
(+10)
125
(+1)
72
(+3)
0.255
(↓0.001)
3.380
(↓0.03)
2
(-)
中日
56505 0.528
(↓0.005)
8.5
(-)
9401
(+1)
441
(+9)
64
(-)
30
(-)
0.251
(↓0.001)
3.740
(↓0.04)
3
(-)
阪神
54506 0.519
(↑0.004)
9.5
(↑1)
10455
(+9)
428
(+1)
104
(-)
72
(+1)
0.246
(↑0.002
3.450
(↑0.03)
4
(-)
DeNA
53535 0.500
(↑0.005)
11.5
(↑1)
9483
(+10)
432
(+6)
125
(-)
28
(+1)
0.267
(↑0.001)
3.700
(↓0.01)
5
(-)
広島
465410 0.460
(↑0.005)
15.5
(↑1)
10470
(+3)
505
(+2)
101
(-)
59
(-)
0.260
(↓0.001)
4.240
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
38638 0.376
(↓0.004)
24
(-)
11430
(+2)
543
(+3)
103
(+2)
60
(+2)
0.245
(↓0.001)
4.660
(↑0.02)