阪神(☆4対1★)中日 =リーグ戦22回戦(2020.10.27)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
中日
0000010001820
阪神
01000003X4901
勝利投手:岩崎 優(5勝2敗1S)
(セーブ:スアレス(2勝1敗24S))
敗戦投手:福 敬登(5勝4敗1S)

本塁打
【阪神】木浪 聖也(3号・2回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 中日戦チケット予約
◆阪神が3連勝。阪神は2回裏、木浪のソロで先制する。その後は同点を許すも、8回に近本と糸原の連続適時打で3点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・岩崎が今季5勝目。敗れた中日は、守備の乱れが失点につながり、打線も好機を生かしきれなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が青柳晃洋投手(26)、中日が福谷浩司投手(29)。 青柳は今季、対中日戦6試合に先発して3勝3敗の五分。今季最終カードで勝利を挙げ、勝ち越しなるか。チームは負ければ優勝の可能性が消滅する24日巨人戦(東京ドーム)で連勝して、甲子園に戻ってきた。この日も負け、もしくは巨人がDeNAに勝利すればV逸の条件だが、まずは本拠地ファンを前に意地を見せたい。

◆中日滝野要外野手(24)が、「7番・右翼」でプロ2年目で初のスタメン出場を果たした。大垣日大時代に2度、夏の甲子園を経験。1軍では初の聖地凱旋(がいせん)も決めた。 同外野手は、24日ヤクルト戦(神宮)で6回にプロ初安打を放ったばかり。初安打を打った場面で、隣接する国立競技場で行われていたアイドルグループ、嵐のコンサートでの演出の花火が盛大に上がり、注目を集めたばかり。「(2球目で)ファウルを打った後に(花火が)見えて少し視野が広がり、落ち着いた」と話していた。初安打を嵐の花火で祝ってもらった"持ってる男"は、聖地凱旋(がいせん)で初スタメンをつかんだ。

◆阪神木浪聖也内野手(26)が3号先制ソロを放った。2回先頭で先発福谷のスライダーを右翼ポール際に運んだ。 「先制点を取りたいと思っていたので、なんとか塁に出たいという気持ちで打席に入りました。それが結果になって良かったです。ヤギさん(先発の青柳)を少しでも楽にできたかなと思います。まだまだ序盤なので、もっと援護できるように頑張ります」 7月28日ヤクルト戦(神宮)以来、約3カ月ぶりの1発となった。チーム内のコロナ禍で9月下旬に離脱し、10月25日に再昇格。2試合連続スタメン起用にバットで応えた。

◆負ければV消滅という一戦で、阪神先発の青柳晃洋投手(26)が7回を6安打7奪三振で1失点でマウンドを降りた。今季初となる8回のマウンドに上がったが、先頭の8番木下拓に中前打されたところで2番手の岩崎優投手(29)へスイッチとなり、粘りきれなかった。 5回まで2安打無四球。低めに集め、ゴロを量産する持ち味をしっかり発揮し完璧な投球を続けたが、6回1死三塁から1番大島の中前適時打で同点とされた。 打線は2回の1点のみという援護なく苦しい状況が続いている。 首位の巨人がDeNAに勝てば、阪神の勝敗の結果にかかわらず、優勝の可能性は消滅。阪神が負ければ巨人の結果に関係なく消滅する。

◆阪神が接戦を制し、負ければV消滅の危機で踏ん張った。 1-1で迎えた8回。2死二、三塁で近本は中日福のカーブに詰まらされたが、これを右翼手滝野が飛びつくもグラブに収めきれず。記録は2点適時三塁打となり、勝ち越しに成功した。その後糸原にも適時打が飛び出して4点目を奪った。 先発の青柳も8回途中6安打7奪三振で1失点。勝ち星はつかなかったが試合を作った。 阪神は6連戦の初戦を制し、2位中日とは2ゲーム差。優勝の可能性がある限り、必死に食らいつく。

◆阪神が近本光司外野手(25)の"ラッキーヒット"で勝ち越しに成功した。 1-1のまま迎えた8回2死二、三塁、福のカーブを打ち返した近本の打球は、右翼方向へのフライ。打ち取られたかと思ったが、走り込んできた右翼手滝野のグラブをかすめ、ボールがこぼれ落ちた。記録は三塁打となり、一気に2者が生還。マウンドの福はがっくりと膝に手をついた。阪神のV消滅がかかった一戦で、終盤に大きな2点となった。

◆阪神が2回に7番木浪の右越えソロで先制。中日は、阪神青柳に3回まで1安打と苦戦している。 中日が6回1死三塁から1番大島の中前適時打で同点。阪神青柳、中日福谷両投手が要所を締める粘投で、試合は均衡状態が続く。 阪神は同点の8回に近本の2点適時三塁打などで勝ち越してV消滅を阻止。岩崎が5勝目、スアレスが24セーブ目。中日は8回の2失策に足を引っ張られた。福が4敗目。

◆阪神の先発青柳晃洋投手は8回途中を6安打7奪三振で1失点と力投も、今季8勝目とはならなかった。 「今日はテンポよく長いイニングを投げることができたので良かった」。低めに集めて5回まで被安打2。しかし6回1死三塁から同点とされ、今季最長となった8回のマウンドも、先頭の8番木下拓に中前打されて降板。最後の粘りが足りず、自身2連勝を逃した。

◆負ければV消滅のピンチで、阪神岩崎優投手が火消しに成功した。8回無死一塁から2番手で登板。2番京田の右前安打などで2死一、三塁とされたが、3番阿部を中飛に抑えてピンチを脱出した。 「ゼロで次につなぐことができましたし、チームが勝つことができて良かったです」。これで16試合連続無失点。今季36試合に登板し、防御率1・56と安定感抜群だ。

◆阪神木浪聖也内野手(26)と近本光司外野手(25)の「キナチカ」同学年コンビが、プロ入り後初のお立ち台共演を果たした。 木浪は2回に先制の3号ソロ。近本は同点の8回に決勝の2点適時三塁打を放った。試合後にお立ち台に上がると近本は「去年から一緒にやってきて、一度は立ってみたいなっていう風に思ってたので、今日立てて本当にうれしいです」と笑顔。木浪も「やっぱり隣にいてくれる存在なので、ずっといてほしいです」と話し、終始熱々な? 2人だった。 近本は18年のドラフト1位で木浪は同3位。ともに社会人出身で、昨年は1、2番コンビも組み「キナチカ」と呼ばれた。プロ2年目で意外にも初のお立ち台共演。最後に近本は「残り試合、この2人でチームを引っ張っていけるように頑張っていきます。応援よろしくお願いします」と力強く宣言した。

◆阪神ロベルト・スアレス投手は"自身最多"の24セーブ目を記録し、タイトル争いで安全圏に突入した。 3点リードの9回に登板。先頭の4番ビシエドに一塁線を抜かれて無死二塁。ここから5番高橋、6番福田、代打井領を3者連続で空振り三振に仕留めた。「自分の最多セーブはメキシコであげた23セーブだったから、最多の24セーブをあげることができてうれしい。これからも1つ1つ積み上げていきたい」。セーブ王争いでは、コンディション不良で戦線離脱している2位の中日R・マルティネスに3個差。タイトル獲得は確実な情勢だ。

◆中日大島洋平外野手が、2年連続最多安打のタイトルに1歩前進した。 6回1死三塁での同点打などマルチ安打をマークし、136安打で1位をキープ。この日、出場選手登録を抹消された安打数リーグ2位のDeNA佐野や同梶谷との差を4に広げた。 同点打については「甘い球をしっかり仕留められた」と話したが、タイトル争いには「まだシーズンは終わってないので...」と語るにとどめた。 ▽中日福谷(自己最多117球で7回1失点と好投) 最初は自分の投げたいところへコントロールできなかったが、何とか最小失点で抑えることができたと思う。 ▽中日与田監督(8回の守備の乱れに) 点を取れるところで取っていれば展開は変わっていた。(近本の勝ち越し打を捕れずに三塁打にした右翼滝野も)よく追いついた。次は取れるようにレベルアップすればいい。

◆本塁打王を争う阪神4番大山悠輔内野手は、痛烈な二塁打で盛り上げた。 5回1死から福谷のスライダーをとらえ、左翼線二塁打を決めた。ただ、左翼ポール際への大ファウルはあったものの、13日の敵地中日戦で26号を放って以来、12試合アーチから遠ざかっている。 同じくリーグ最多タイの巨人岡本に加え、巨人丸もこの日25号を記録して猛追中。タイトル獲得へ、1打席1打席に注目が集まる。

◆阪神木浪聖也内野手(26)が約3カ月ぶりの1発を放った。2回先頭で迎えた第1打席、中日福谷の内角スライダーを振り抜いた。打球は右翼スタンドギリギリに届く先制本塁打。「やっぱり、甲子園で走るのは気持ちいいです」。7月28日ヤクルト戦(神宮)以来となる3号ソロ。ダイヤモンドを周りながら、久しぶりの熱気を存分に味わった。 9月下旬のチーム内のコロナ禍で、木浪も球団独自の濃厚接触者に指定され一時離脱。10月25日に再昇格してから2戦連続でスタメン出場すると、この日もマルチ安打を記録した。「野球で挽回したいという気持ちをずっと持っていたので、こうやって1軍に戻ってきて、結果を残すということしか考えてなかったです」。時間を取り戻すように、懸命のプレーを続けている。 1軍を離れていた間に遊撃を守っていたのは、同期入団の高卒2年目小幡だった。「やっぱり刺激になりましたし、絶対負けないという気持ちが生まれました」。躍動する仲間の姿に芽生えた闘争心。2回には中日高橋の左翼方向への強烈なライナーに、左手を伸ばしてジャンピングキャッチ。その後の守備機会もそつなくこなした。矢野監督は「ずっと競争はあるんでね。(小幡)竜平が出てきたってところで、(木浪)聖也も安心できない形ができてるし。聖也の意地っていうか、そういうのが出たんかな」と歓迎。26日のドラフトでは二遊間を守れる三菱自動車岡崎・中野拓夢内野手(24)を6位で指名。激しい遊撃争いが続くが、木浪が「大本命」をアピールした。【磯綾乃】

◆阪神が接戦を制し、負ければV消滅の危機で踏ん張った。阪神は6連戦の初戦を制し、2位中日とは2ゲーム差となった。矢野監督の一問一答は以下の通り。   -投手戦を振り返り 青柳がほぼ完璧というか。コントロールも良かったですし、青柳らしくゴロをたくさん打たせる素晴らしい投球でした。 -岩崎も 出した時点で任せられる投手。期待通り投げてくれています。 -先制点は木浪 ああいうパンチというのを聖也自身も持っていますし。あの後もヒットも出ましたしね。今日の打撃内容は良かったんで。(小幡)竜平が出てきて、ライバル意識というかそういうものに火が付いてきている。それがいい影響になっているかなと思います。 -近本の決勝打 ラッキーな形ですけど。その前に何回もチャンスがあったんで、そういうところで自分たちで点を取っていけるというところが課題として残っているんで。その前にもっと点を取っていきたいですね。 -2位との対決で初戦を取った カードの頭を取れるとね、ムードも上がってきますし、そういう意味では明日以降もドラゴンズもいい投手が出てくるので何とか1点でも多く取って勝ちにいきます。 -藤浪が先発 中継ぎに回ってから、本当に晋太郎もまた良くなっていますし、その中でまた頭からどんな投球をしてくれるか。楽しみにしたいと思います。 -木浪が戻ってきてから結果を出した。小幡の存在も それはずっと競争はあるんでね。そういうところで竜平(小幡)がでてきたところで、聖也も安心できない形ができてるし。竜平も聖也が来るまでは頭からでていたのに今はベンチという形で。また出たいっていう悔しい形になっているし。チームとしてやっぱりそういう形になっていかないと良くないんでね。そういう意味では聖也の意地っていうかそういうのが出たんかな。 -ドラフトがあると競争意識も高まる いやあ、昨日の今日でどうだっていうのは分からないけど。でも自分も現役の時にキャッチャー取ったなとか同じポジションのヤツが入ってくるなあとか、どこか気になっているんでね。ただ、昨日の今日でそこまで、変えられないし。でも気持ちの面で1打席1打席、なんていうのかなあ、これでチャンスを伸ばしていきたいとか、明日も使ってもらえるようにじゃないけどそういうのは多少あるんじゃないかなと思う。 -シーズン合間にドラフトが入るのは珍しい。切り替えも難しいのでは 切り替えというかね。ドラフトの入り方はすごく自分では変わっていたし。みんなに赤パンツですか? とか言われるけど、シーズン中なんでね。本当に自然に入っていって、また今日、佐藤にも会いに行って、佐藤に会いに行くのも変な感じするけど。いいドラフトができたんでね。まあそういうところでは、試合は特別な感じでもなかったし、普通に。普通じゃないけど、気持ち的には何か変化があって、臨んだってことはないので、あまり違和感は感じてないです。 -藤浪はイメージ的には普通の先発か どこまでいけるかね。中継ぎやっていたんで、先発の調整はしっかりできて準備というところじゃないのでね。でも中継ぎでやったものは、これからのプロ野球人生においても晋太郎のためになる登板だったと思う。またそこで技術的なもの、精神的なもので、感じたり身につけたものがあると思う。もちろん晋太郎が長いイニング投げたいという思いで上がった以上はいくと思うけど、目の前の打者を抑えるという形で、その状況の中でこっちが判断していこうと思っている。

◆阪神糸原健斗内野手がダメ押し打を放った。8回に近本の三塁打で2点を勝ち越して、なお2死三塁。中日福のグラブをはじく適時内野安打で貴重な追加点を呼んだ。 「チカ(近本)が打ってくれた良い流れで打つことができました。追加点を取ることができて良かったです」。7回にも右前打を放ち、3試合連続複数安打と好調だ。

◆阪神近本光司外野手(25)がV逸を阻止する意地の一打を放った。同点の8回に右前にしぶとく落とす2点適時三塁打。負ければ15年連続でリーグ優勝を逃す一戦で粘りを見せた。ドラフト1位指名の近大佐藤は、外野で起用するプランもある。充実の外野陣へ、18年ドラフト1位が存在感を示した。近本は願いを込めながら、打球を見上げた。「とにかく『落ちろ! 落ちろ!』と」。左腕福の116キロカーブを捉え損ねたが、フラフラと舞い上がったボールは右翼前で跳ねた。寒空の甲子園は、一気に熱を帯びた。負ければV逸の一戦。本拠地ファンの前で、意地を見せた。 迷わぬフルスイングが勝敗を分けた。ここ最近は芯で捉えた当たりが野手の正面を突くことが多かった。「(捉えるのは)芯じゃなくてもいいのかなと思ったので、しっかり振り抜くことが大事だなと。あとは『どうにでもなれ』という気持ちで打ちました」。浅めにシフトしていた中日外野陣。打球が上がった瞬間、右翼滝野は1歩後退してから前進してきた。しっかり振り切ったからこそ相手の初動を遅らせ、記録は2点適時三塁打となった。 念願の「キナチカ」初お立ち台となった。18年ドラフトで指名された同学年の同期コンビ。新人イヤーからともに1軍でプレーし、切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲だ。木浪がチームのコロナ禍で9月下旬に離脱。「ちょっと僕が元気なかったんですけど、聖也が帰ってきて。あいつがよく話をしてくれますし、今日もそういう話をした。あいつも本当に頑張ってくれているので、僕も元気を出してやっていかないとと」。木浪の復帰後はともにマルチ安打と、バットでも呼吸を合わせる。 先輩として、かっこいい姿も見せた。前日26日のドラフトでは同じ淡路島出身の東洋大・村上頌樹投手(22=智弁学園)が5位で指名された。2人は高校入学から地元を離れ、縁あってチームメートとなる。「こうやって関西に戻ってきて野球ができる。地域の人にもすごく支えてもらったというのは去年思った。2人で一緒に淡路島、関西を盛り上げていけるように『一緒にやっていきましょう』と言いたいですね」と、メッセージも送った。 ドラフト1位の近大・佐藤は、外野手起用プランも挙がっている。近本らと競い合うことで、外野の層も確実に厚くなりそうだ。近本、木浪ら若い世代がチームを背負っていく存在。お立ち台では「残り試合、この2人でチームを引っ張っていけるように頑張っていきます」と、ファンに力強く宣言。若い力が猛虎を底上げしていく。【奥田隼人】

◆阪神は中日との接戦を制した。  二回、先頭の木浪が右翼席への3号ソロを放ち、先制。先発の青柳は1-0の六回に1死三塁で大島に適時打を浴びて同点とされたが、7回0/3を投げ、6安打1失点でまとめた。  同点で迎えた八回に1死から中日の2番手・福の連続失策で二、三塁。2死としてから近本の右翼前方への飛球を右翼手・滝野が捕球できず、2点三塁打となって勝ち越しに成功した。糸原も投手強襲の適時打で続き、リードを広げた。  負ければ、首位・巨人の勝敗に関係なく、リーグ優勝の可能性が消滅する一戦で、同期入団の木浪と近本が危機を救った。

◆阪神は近本光司外野手(25)が1-1の八回2死二、三塁から決勝の2点三塁打を放つなどして勝利。先発の青柳晃洋投手(26)も八回途中1失点と粘りの投球を見せ、負ければリーグ優勝の可能性が完全消滅する状況から3連勝した。以下、矢野燿大監督(51)の一問一答。--投手戦を振り返って  「いやもう、青柳がほぼ完璧というか。コントロールも良かったですし、青柳らしくゴロをたくさん打たせる素晴らしい投球でした」  --先制点は木浪のホームラン  「まあ、ああいうパンチというのを聖也(木浪)自身も持っていますし。あの後もヒットも出ましたしね。今日の打撃内容は良かったんで。(小幡)竜平が出てきて、ライバル意識というか、そういうものに火が付いてきている。それがいい影響になっているかなと思います」  --近本が決勝打  「まあ、ラッキーな形ですけど。その前に何回もチャンスがあったんで、そういうところで自分たちで点を取っていけるというところが課題として残っているんで。その前にもっと点を取っていきたいですね」  --2位との対決で初戦を取った  「やっぱりカードの頭を取れるとね、ムードも上がってきますし、そういう意味では明日以降もドラゴンズもいい投手が出てくるので何とか1点でも多く取って勝ちにいきます」  --明日は藤浪が先発  「中継ぎに回ってから本当に晋太郎もまた良くなっていますし、その中でまた頭からどんな投球をしてくれるか。楽しみにしたいと思います」  --前日のドラフト会議を経て競争意識も高まってくることもあるか  「自分の現役のときはキャッチャーをとったなあとか、同じポジションのヤツが入ってくるなあとか、どこか気になっているんでね。でも気持ちの面で1打席1打席というのは、なんていうのかなあ、これでチャンスを伸ばしていきたいとか、明日も使ってもらえるようにじゃないけど、そういうのは多少あるんじゃないかなと思うけれど」  --シーズン途中にドラフト会議が入って、監督も切り替えが難しかったのでは  「ドラフトの入り方はすごく自分では変わっていたし。みんなに赤パンツですかとか言われるけど、シーズン中なんでね。本当に自然に入っていって、また今日、佐藤にも会いに行って、佐藤に会いに行くのも変な感じするけど。いいドラフトができたんでね。気持ち的には何か変化があって臨んだってことはないので、あまり違和感は感じてないです」

◆阪神の青柳は八回途中まで1失点と踏ん張った。無四球と制球が安定し、低めに集めてゴロを打たせる持ち味を発揮。8勝目には届かなくても「テンポよく、長いイニングを投げることができたので良かった」と充実感をにじませた。  六回は大島に同点打を浴びた後に1死一、二塁を背負っても阿部を二ゴロ。ビシエドを外角いっぱいの球で見逃し三振とした。矢野監督は「内容がしっかりしていた。素晴らしい投球だった」と評価した。

◆阪神の木浪が二回、7月28日以来の本塁打となる先制の3号ソロを放った。福谷のスライダーを捉えた打球は低い弾道で右翼ポール際に飛び込み「塁に出ることを考えて、思い切り振った結果が本塁打になった」と満足げだった。  9月に参加した会食の同席者が新型コロナウイルスに感染。球団独自の濃厚接触者扱いとして25日に出場選手登録を外れ、今月25日に1軍に昇格した。三回は右前打を放ち、復帰から2試合連続の複数安打をマーク。堅実な遊撃守備でも投手を支え「ミスをすると点が入ってしまう。とにかく集中して臨んだ」と誇らしげだった。

◆3位の阪神は27日、甲子園で2位の中日に4-1で勝利。3連勝で貯金を3とし、2位とのゲーム差を2と縮めた。1-1の八回に近本光司外野手(25)が決勝の2点三塁打。ドラフト1位で佐藤輝明内野手(近大)を引き当てた歓喜のドラフト会議から一夜明け、2年前のドラ1が頼もしく試合を決めた。  飛球が右翼前方にフラフラっと上がった。「落ちれ! 落ちれ!」。近本が淡路島弁!? で叫ぶ。右翼・滝野がスライディングキャッチを試みたが捕球できず、白球はグラウンドに跳ねた。決勝の2点三塁打。負ければ優勝の可能性が完全消滅する試合で、チームを3連勝に導いた。  「最高でした。Hランプがついたのもそうですが、(同点の)八回裏に2点取れたというのはよかった」  1-1の八回。福の2つの送球ミスも絡んで1死二、三塁。代打・原口が二飛に倒れ、チャンスがしぼみかけた直後だ。カーブにタイミングを狂わされたが「なんとかなれと思ってバットを振った」。続く糸原の投手強襲安打で、4点目のホームを踏んだ。  前日26日のドラフト会議で新たに9人(育成1人を含む)が阪神に指名された。2年前の2018年10月25日に"外れ外れ1位"で指名され、昨季はセ・リーグ新人安打新記録(159安打)&盗塁王のタイトルに輝いた近本。運命の日から一夜明け、先輩の貫禄を見せつける活躍だ。  5位で指名された村上頌樹(しょうき)投手(東洋大)は同じ兵庫・淡路島出身。「(対面すれば)2人で『タイガースで淡路島、関西を盛り上げていけるように一緒にやっていきましょう』って言いたいですね」。  また1位で4球団が競合し、交渉権を引き当てた佐藤輝(近大)について、矢野監督は外野を守らせるプランも語っている。となれば近本にとってライバルだ。「自分も現役のときは、同じポジション(捕手)のヤツが入ってくると気になったからね」と指揮官。来季は、近本&佐藤が切磋琢磨して、チームを盛り上げる...というシナリオを脳裏に浮かべていた。  「目の前の試合をしっかりすることだけ」と近本。崖っぷちから3連勝し、残り11試合。今はチームの勝利のために打って、守って、走ることしか頭にない。 (三木建次)

◆フニャ~ニッコリ♪ あ、阪神が中日に勝ったみたいですね~。いや~もう完全に、前日のドラフトで近大の佐藤輝明選手を引き当てた"ドラフトロス"やね~。  青柳は低めに球を集める素晴らしい投球で7回0/3を1失点に抑えたのに、味方の援護なくザンネ~ン!! 1番近本は二塁打に三塁打、2番糸原が2安打、4番大山も二塁打、5番サンズも久しぶりにヒット2本なのに、3番ファーストの佐藤輝明、なんでノーヒットなんや~!! 二回、木浪のアーチで先制してなお2死一、三塁とたたみかける場面で、しょ~もないショートフライって...。佐藤~! 気合入れていかんかい~!!  えっ、3番は佐藤じゃなくてマルテ? 申し訳な~い! すでに俺の虎頭は、来季にフライングしちゃってました~。きょうは来季先発復活をかけて佐藤浪晋太郎のマウンドや~!! うむ? 佐藤浪じゃなくて藤浪...。  いや、ドラフト1位の当たりくじの幸運そのまま佐藤浪晋太郎でもいいやん! 快投頼むでェ!!

◆2位中日と2ゲーム差。2位でも6位でも一緒という意見の方もあるが、私は今の阪神は2位を目指すべきだと思う。その中で、残り11試合をどう戦うか。  来季のレギュラーを考えた時、現状で約束されているのは近本だけ。他のすべてのポジションが競争になる。最近の矢野監督の選手起用をみても分かる。たとえば捕手。最近3試合はすべて坂本がスタート。不動のレギュラーだった梅野に対して「今から競争が始まっている」と起用で示している気がする。  ショートも同様だ。この日、本塁打を含む2安打を放った木浪も、先日まで抜てきしていた2年目の小幡という新しい力を意識しているはず。  例年なら、この時期から秋季練習、秋季キャンプ、自主トレ期間という流れで進むが、ことしは11月中旬まで試合があり、全く違うスケジュールになっている。  残り11試合の内容が、来季のレギュラー争いに大きな影響があると認識して、必死で戦ってもらいたい。そういう気持ちで戦えば、自ずと2位も見えてくる。 (本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
63396 0.618
(↓0.006)
M3
(↑1)
12489
(+2)
375
(+9)
124
(+1)
69
(-)
0.256
(-)
3.350
(↓0.06)
2
(-)
中日
56495 0.533
(↓0.005)
8.5
(-)
10400
(+1)
432
(+4)
64
(-)
30
(-)
0.252
(↓0.001)
3.700
(↑0.02)
3
(-)
阪神
53506 0.515
(↑0.005)
10.5
(↑1)
11446
(+4)
427
(+1)
104
(+1)
71
(+1)
0.244
(-)
3.480
(↑0.03)
4
(-)
DeNA
52535 0.495
(↑0.005)
12.5
(↑1)
10473
(+9)
426
(+2)
125
(+2)
27
(-)
0.266
(↑0.001)
3.690
(↑0.02)
5
(-)
広島
455410 0.455
(↑0.006)
16.5
(↑1)
11467
(+2)
503
(-)
101
(-)
59
(+1)
0.261
(-)
4.260
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
38628 0.380
(↓0.004)
24
(-)
12428
(-)
540
(+2)
101
(-)
58
(+1)
0.246
(↓0.001)
4.680
(↑0.02)