巨人(★1対2☆)阪神 =リーグ戦22回戦(2020.10.24)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:髙橋 遥人(5勝4敗0S)
(セーブ:スアレス(2勝1敗23S))
敗戦投手:菅野 智之(13勝2敗0S)
  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は両軍無得点で迎えた4回表、糸原の適時打で先制する。同点とされた直後の7回には、代打・原口の適時打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、先発・高橋が6回4安打1失点の好投で今季5勝目。敗れた巨人は、打線が振るわなかった。

◆巨人菅野智之投手(31)は通算100勝のうち、東京ドームで50勝。巨人投手の同球場での通算勝利数上位は(1)斎藤雅78勝(2)桑田70勝(3)内海65勝(4)上原57勝(5)槙原51勝。菅野が勝利すれば、槙原に並び5傑入りする。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が高橋遥人投手(24)、巨人が菅野智之投手(31)。 阪神高橋は今季巨人戦6試合目の登板。2勝3敗と苦戦しているが、防御率は2・35と悪くない。菅野との投げ合いは3度目で、これまで2戦2敗。リベンジなるか。 打線では本塁打争いトップで並ぶ大山、岡本の4番対決に注目が集まる。

◆阪神糸原健斗内野手(27)が相手エース菅野から先制適時打を放った。0-0の4回。先頭の1番近本が内野安打で出塁。菅野の暴投で無死2塁とすると、続く糸原が高めに浮いたスライダーを右前にはじき返した。近本が一気に生還し、先発高橋に先制点をプレゼントした。 「(高橋)遥人も頑張っているので、何としても先制点を取るという気持ちで打ちました。まだまだ援護できるように頑張ります」 3回まで無安打の打線は4回の攻撃が始まる前にベンチ前で円陣を組み、対策を講じた。今季4戦4敗の右腕に対し、先手を打った。

◆巨人菅野智之投手(31)が、7回の投球練習中に何らかの異変を訴え、ベンチに引き揚げた。 トレーナーとベンチ裏に戻った後、再び小走りでマウンドに向かって、投球練習し、7回が始まった。先頭のサンズに左前打を許し、2死一、二塁から代打の原口に勝ち越し打を浴びた。 6回までは4安打1失点。打席では6回の先頭で二塁打を放ち、松原の犠飛で一時同点となるホームを踏んだ。

◆阪神ジェリー・サンズ(32)が来日初の退場処分となった。8回2死で外角直球に見逃し三振に倒れた後、判定に不服な態度を示すとヘルメットをたたき付けて嶋田球審に激高。その後、退場が宣告され、侮辱行為とアナウンスされた。 この日は4打席で3三振。第2打席も外角の際どいコースに見逃し三振だった。普段は温厚な助っ人サンズが、来日98試合目にして初の退場処分となった。

◆阪神原口文仁捕手(28)が相手エース菅野から値千金の勝ち越し適時打を放った。1-1で同点の7回2死一、二塁で代打登場。外角148キロ直球を中前に運び、二塁走者サンズを返した。 「甘い球が何球もくる投手ではないので、一振りで決める気持ちで打席に立ちました。しっかり期待に応えることができて良かったです」 23日巨人戦は代打から途中出場し、2打席目で2点適時打。22日広島戦でも代打3ランを放っており、3試合連続で打点を挙げて勝負強さを見せつけた。

◆阪神先発の高橋遥人投手(24)が巨人打線を幻惑する力投で6回1失点に抑えた。 1点先制直後の4回、先頭坂本に四球を許した。だが岡本には丁寧にコーナーを攻めて追い込み、外角低めツーシームで空を切らせた。丸も外角に配した速球で二ゴロ。危なげない投球で抑えた。1点リードの6回は先頭菅野に中越え二塁打を浴び、松原に同点右犠飛を許した。7回に自らの代打原口が中前に勝ち越し適時打を放ち、勝利投手の権利が舞い込んできた。 「バックに助けてもらいながらも、何とか粘り強く投げることができました。野手の方々に感謝です」 前回、巨人と対戦した5日は坂本とのバッテリーでカーブを効果的に用い、プロ初完投の自己最多14奪三振をマークした。この日も同じコンビだが一転してバットの芯を外すツーシームを多投。強力打線を手玉に取った。登板機会を1回飛ばして、この日、再登録されたが、安定感は変わらなかった。

◆巨人は菅野、阪神は高橋が先発した。序盤3回までは両チーム無得点で、菅野は阪神打線をパーフェクトに抑えた。 阪神は4回、糸原の右前適時打で先制した。巨人は6回、菅野の二塁打を起点とし、松原の犠飛で同点に追いついた。 阪神は7回、代打原口の適時打で勝ち越し。先発高橋が巨人菅野との今季3度目の投げ合いを初めて制した。菅野は連敗で2敗目。

◆首位巨人が、3位阪神と対戦し1-2で敗戦。巨人菅野は通算100勝のうち、東京ドームで50勝。巨人投手の同球場での通算勝利数上位は(1)斎藤雅78勝(2)桑田70勝(3)内海65勝(4)上原57勝(5)槙原51勝。菅野が勝利すれば、槙原に並び5傑入りだったが次回へ持ち越しとなった。本塁打争いトップで並ぶ大山、岡本はともに4打数無安打だった。

◆阪神ジョン・エドワーズ投手(32)が難所をしのいだ。1点を勝ち越した直後の7回に登板。 先頭岡本を152キロ速球で空振り三振に抑えたほか、丸もスライダーで右飛に料理。1イニング無失点だった「坂本がいい配球を考えてくれているし、坂本を信じて思い切ってミットに向かって投げることができたよ。しっかり抑えることができて良かった」。7試合連続無失点に延ばした。 8回は岩崎優投手(29)に託した。1死後、四球を与えたが、吉川尚を外角低めスライダーで空振り三振に封じた。松原は外角速球で空を切らせ、0封でつないだ。わずか1点のリードを守り「0点で抑えることができて良かったです」と話した。8月30日広島戦から15試合連続無失点と安定感はずばぬけている。

◆阪神原口文仁捕手(28)がエース菅野から代打決勝打を放ち、ヒーローインタビューを受けた。   -大きな応援を聞いた気持ち 原口 いい場面で1本打てて良かったですし、ファンの方がたくさん喜んでくれたので何よりです。 -1ボールから初球ストライクを一振り。どんな気持ちで打席へ 原口 菅野投手は1打席に1球来るか来ないかの甘いボールだったので、一振りで仕留められて良かったです。 -コンスタントに4戦連続安打、3戦連続打点 原口 前半戦はなかなか調子が上がらない中でチームに貢献できていなかったので、今こうやって少しずつ結果が出てうれしいですね。 -勝ち越し適時打で好投の先発高橋にも勝ちが付いた 原口 (高橋)遥人が粘り強く(坂本と)バッテリーで頑張っていて、そこの代打だったので。本当に勝ちが付いて僕もうれしいです。 -まだまだ活躍は続く 原口 本当に出たところで結果を出すことがチームのためになると思うので、集中してこれからもやっていきたいと思います。

◆阪神ロベルト・スアレス投手(29)が盤石の投球でリーグ最多の今季23セーブ目を挙げた。 1点リードの9回に登板。3番坂本からのクリーンアップとの対戦だ。坂本を内角158キロ速球で遊ゴロに詰まらせると岡本には四球で歩かせたが丸を157キロで空振り三振に抑えた。難なく強力打線を封じ「1点差の大事な場面だったけど、自分のすべき仕事はこういう場面で抑えること。いい投球ができたし、チームを勝利に導くことができて良かった」と気合十分に振り返った。

◆巨人菅野智之投手が、7回6安打2失点で連敗を喫した。前回登板の13日広島戦で開幕からの連勝が13でストップ。 「これを肥やしに」と切り替えたが、4回に近本、糸原の連打で失点。自らの二塁打を起点に同点とした直後の7回には、代打の原口に決勝の適時打を浴びた。「2点目に関しては防げたと思うので、その辺は突き詰めていきたいです」と反省した。 コンディション調整と11月21日の土曜日に開幕する日本シリーズに向け、中10日での先発マウンドだった。7回の投球練習中に右手人さし指をつるアクシデントでベンチに引き揚げたが、治療後に続投。原監督は「つったみたいな。それも全然、時間がたてばね。久々にいいバッティングをして、ランナーに出たってこともあるかもね」と次回登板への影響は否定した。 エースが粘投も、打線が1得点と沈黙した。今週は5試合目で、3試合が1得点。原監督は「もう少し、何とかしないといけないですね。ちょっと打線は踏ん張りどころ。何とか起爆剤的なね、ヒーローも出てこないとね」と打線の奮起を求めた。「こういう時は4番が」と問われ「それが一番でしょうね」と岡本のバットに大きな期待を寄せた。【久保賢吾】

◆阪神が巨人先発の菅野を相手に2本の適時打と継投策で接戦を制した。矢野燿大監督のコメントは以下の通り。   -接戦をものにした 矢野監督 ちょっと苦しかったですけど、投手陣が本当によく頑張ってくれました。 -高橋はどうだった 矢野監督 絶好調という感じではないですけど、菅野に投げ勝ったというね。そういうものを自信にして。本当に大きなピッチャーになれる可能性を持った投手。自信にして、どんどん投げていってくれたらなと思います。 -救援陣も見事な投球 矢野監督 うちの持ち味なんでね。ちょっと点が取れないので、苦しいんですけど、いくしかないというところで、みんないってくれました。 -先制の場面では1、2番でもぎ取った 矢野監督 チカ(近本)の足も生きましたし、ケント(糸原)もしぶとい打撃で。そこが出てくるともっと点になると思う。 -代打の原口が見事 矢野監督 ここ最近、フミ(原口)が本当にいいところで打ってくれていますし、今日も期待に応える素晴らしい打撃で。はい。期待に応えてくれました。 -高橋が素晴らしい投球 矢野監督 本人は100%は出てないけどね。その中でも粘れるのはまた、大事な引き出しになる部分。力だけでいくっていうことじゃない引き出しは、今シーズンの収穫かなと思う。 -菅野に投げ勝った 矢野監督 そこは自信にしていい。最後(6回)はギリギリのところやったけど、1点で踏ん張れた。ひとつひとつ自信にしていってもらえたらなと思います。 -原口の勝負強さ 矢野監督 こちらも自信もって送り出せる。1打席にかける経験とか、そういうものをフミ(原口)はしっかり持っている。その強みを出してくれている。 -救援陣が安定 矢野監督 1点差やしね、何が起こるか分からへんというか、点を取らないと。あまりにも投手に負担かかりすぎているから。逆にいうと、そこを粘ってくれているから、強みというか、自信をもって送り出せる。しのいでくれるから、また信頼がどんどん高まっている。あそこまでいって、出して、打たれたら、こちらの責任でしかないのでね、そう思っていっています。 -25日は東京ドームで今季ラストゲーム 矢野監督 本当にね。ずっと負けっ放しなんで。最後はもっと点取りたいね。点取っていい形で勝てるように。今日みたいにまた全員の戦いになると思う。 -来季にもつなげたい 矢野監督 それは後から考えたらそうやけど、今やれること精いっぱいやるしかない。それは結果的にはそういうふうにつながると思うけど、今頑張ります。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が侮辱行為により、来日98試合目で初の退場処分を受けた。 巨人-阪神22回戦(東京ドーム)の8回2死の第4打席。鍵谷が投じた際どい外角直球で見逃し三振に倒れた後、判定に不服な態度を示した。バットを放り投げるとヘルメットもたたきつけて嶋田球審に激高。退場が宣告された。この日は4打数1安打3三振。第2打席でも外角の際どいコースで見逃し三振に倒れていた。打撃の下降線もあってか、普段は温厚な助っ人がイライラを隠さなかった。なお、退場は今季両リーグ7人目、セ・リーグ4人目で、危険球以外では初めてだった。

◆阪神原口文仁捕手(28)が、今季4戦4敗と苦しめられた巨人菅野を打ち砕いた。1-1同点の7回2死一、二塁。好投の先発高橋の代打で登場し、1ボールから外角148キロ直球を中前に運んだ。「甘い球が何球もくる投手ではないので、一振りで決める気持ちで打席に立ちました」。値千金の勝ち越しタイムリー。球界屈指の右腕とは今季初対戦だったが、代打の切り札がここ一番で決めた。 勝負強さを取り戻した。打撃不振で8月中旬に2軍落ち。ファームで実戦を重ね、1打席への集中力を研ぎ澄ましてきた。9月中旬の再昇格後は45打数15安打で打率3割3分3厘。代打に限れば13打数6安打で打率4割6分2厘、1本塁打、6打点まで数字は跳ね上がる。「前半戦はなかなか調子が上がらない中で、チームに貢献できていなかった。今こうやって少しずつ結果が出てうれしい」。高橋に白星も届け「そこの代打だったので、勝ちがついて本当に僕もうれしい」と喜んだ。 矢野監督も笑顔でたたえた。「こちらも自信をもって送り出せる。1打席にかける経験とか、そういうものはフミ(原口)はしっかり持っている。その強みを出してくれている」。途中出場ながら、3試合連続打点と勢いは止まらない。原口は「出たところで結果を出すことが、チームのためになると思う。集中してこれからもやっていきたい」ときりり。意地の巨人連倒へ、牙を研ぐ。【奥田隼人】

◆阪神ロベルト・スアレス投手が盤石の投球でリーグ最多の23セーブを挙げた。 1点リードの9回、中軸相手に登板。坂本を内角158キロ速球で遊ゴロに詰まらせると、岡本には四球で歩かせたが丸を157キロで空振り三振、若林を左飛に仕留めた。難なく強力打線を封じ「1点差の大事な場面だったけど、自分のすべき仕事はこういう場面で抑えること」と頼もしいセリフ。セーブ2位の中日R・マルティネスとの差を2に広げた。

◆阪神「チカイト」が菅野攻略の起点となった。4回に1番近本光司外野手が遊撃内野安打で出塁。菅野の暴投で二塁を陥れた。 2番糸原健斗内野手は内角高めに食い込むスライダーに詰まりながら右前へ先制適時打。「(高橋)遥人も頑張っているので、何としても先制点を取る気持ちで打ちました」。コンビで4試合連続の1、2番スタメン。6回も連打で好機をつくるなど、リードオフマンの役割を果たした。矢野監督も「チカの足もしっかり生きた。健斗もしぶとい打撃。そこが出てくるともっと点になる」と期待した。

◆闘魂全開のV消滅阻止だ。阪神高橋遥人投手(24)が、今季2戦2敗だった巨人菅野との投げ合いで三度目の正直を果たした。6回4安打1失点と粘りの投球で5勝目。今季限りで退団する能見篤史投手(41)から授かった金言を力に変えた。負けか引き分けで優勝の可能性が完全消滅した崖っぷち。今季チーム4戦4敗の菅野相手に厳しい戦いが予想されたが、同点の7回に代打原口文仁捕手(28)が決勝打を放つなど、ナインが意地を結集した。マウンドを降りた後も、高橋はベンチの最前列で戦う仲間を見つめていた。「やっぱり勝つことが一番大事。自分に勝ちとかじゃなくて、チームが勝つピッチングができてなかったので。勝つ、っていうことにもう1回貪欲になって、そういう気持ちでいきました」。巨人菅野が3回を完璧に抑えた一方で、初回から走者を背負う立ち上がり。それでも粘って粘って、最後に白星を手にしたのは高橋だった。 1-0の6回、先頭菅野の二塁打から同点に追いつかれた。崩れてもおかしくない展開で、なおも1死一塁から坂本をツーシームで三直に仕留めて併殺。6回1失点で手にした5勝目は、菅野との今季3度目の投げ合いでつかんだ初白星でもあった。「勝てたっていうか、(味方が)打ってくれたんで本当に。菅野さんより早く降りてるんで」。自身の投球に満足はないが、負けか引き分けで15年連続V逸が決まった一戦。矢野監督も「自信にしていい。最後はギリギリのところやったけど、1点で踏ん張れたのは」と、日本を代表するエースに投げ勝った左腕を評価した。 自己最短タイの4回3失点で降板した13日中日戦から、登板機会を1度飛ばして調整。中10日で巨人戦マウンドに向かう前日23日、今季限りで退団が決まった能見からアドバイスを授かった。「厳しいところを突いたらバッターはそこを意識する。バッターに意識させるということが大事」。41歳のベテランは、同じ左腕としてずっと追ってきた存在。小さな頃から能見の映像を見続け、阪神入団後もその一挙手一投足を見て学んできた。話し下手を自認する高橋に、能見から話しかけにきて、いろいろなことを教えてくれたという。「昨日もそういう話をしてもらって、勉強させてもらってるんで。今日、もしかしたら昨日話してもらったことがよかったのかなと」。同じチームで戦う時間はあと少し。一緒に過ごす時間の全てが、飛躍への財産になる。【磯綾乃】

◆阪神が1&2番コンビの活躍で先制した。  四回、先頭の1番・近本がしぶとく遊撃内野安打を放ち、この日のチーム初ヒットをマーク。続く2番・糸原の4球目。巨人の捕手・大城が変化球を手前に弾くと一瞬の隙を見逃さなかった。すかさず二塁へ進塁(記録は暴投)し、好機拡大。糸原が菅野の137キロを右前へはじき返し、先制のホームを踏んだ。  巨人の先発・菅野とは今季、ここまで4度対戦し4敗。完全に抑えられてきた難敵を相手に、まずは試合の主導権を握った。

◆阪神が原口の適時打で勝ち越しに成功した。  「甘い球が何球も来る投手ではないので一振りで決める気持ちで打席に立ちました。しっかり期待に応えることができてよかったです」  1-1の同点に追いつかれた直後の七回だ。先頭のサンズが左前打。1死後、坂本の投前犠打と代打・糸井の四球で2死一、二塁としたところで原口が代打で登場。菅野の148キロ直球を中前へはじき返し、勝ち越しに成功した。  原口は22日の広島戦(甲子園)で代打で3ランを放つと、前日23日の巨人戦(東京ドーム)でも2点適時二塁打。3戦連続で打点を挙げた。

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が来日初の退場となった。  2-1の八回2死、鍵谷を相手に1ボール2ストライクと追い込まれて4球目、外角低めの149キロ直球を見逃すとストライクを取られて三振。これに激昂し、ヘルメットをたたきつけて嶋田球審に詰め寄ると、即座に退場となった。嶋田球審は「侮辱行為で退場といたします」と説明。この日は七回先頭で左前打を放ち勝ち越しのホームを踏んだが、4打数1安打3三振に終わった。

◆先週14日、プロ野球記録を更新した開幕戦からの連勝が13でストップした巨人・菅野智之投手(31)が仕切り直しの一戦。粘りの投球を見せるも、味方の援護なく今季2敗目を喫した。巨人は自力でマジックを減らすことはできなかった。  菅野は三回まで阪神打線を三者凡退と完璧な投球を見せたが、四回、阪神1・2番コンビに翻弄され、先制点を献上した。この回、先頭の近本に遊撃内野安打を許すと、続く糸原の4球目。近本はすかさず二塁へ進塁(記録は暴投)し、糸原に右前適時打を浴びた。  なかなか菅野を援護できない巨人打線は六回、菅野の中越え二塁打などで無死一、三塁の好機をつくると、松原の右犠飛でようやく同点に追いついた。しかし、次のイニングの七回、2死一、二塁のピンチに代打・原口の中前適時打を許して1-2と勝ち越された。菅野は7回6安打2失点で降板。  巨人打線は、高橋、エドワーズ、岩崎、スアレスの継投の前に、5安打1得点に抑えられた。

◆阪神は原口が勝ち越しの適時打を放ち、2-1で巨人に勝利した。敗れるか、引き分けで優勝の可能性が完全に消滅する試合だったが踏みとどまった。  1-1で迎えた七回。先頭のサンズが左前打を放つ。1死後、坂本の投前犠打と代打・糸井の四球で2死一、二塁とすると、代打・原口が菅野から中前へ適時打を放ち、勝ち越しに成功した。  先発した高橋は六回に松原の右犠飛で1点を失ったが、それ以外の得点は許さず。6回4安打1失点で今季5勝目(4敗)を挙げた。

◆阪神は先発した高橋遥人投手(24)が6回4安打1失点と好投し、1-1の七回2死一、二塁から原口文仁捕手(28)が巨人・菅野智之投手(31)から勝ち越しタイムリーで勝利。接戦をものにした阪神・矢野燿大監督(51)は「ナイスゲームとは言いにくい」としながらも投手陣の粘りをたたえた。以下、指揮官の一問一答。  --接戦をものにした  「いや、まぁ、ちょっと苦しかったですけどね。投手陣が本当によく頑張ってくれました」  --中継ぎも前日に続き見事なピッチング  「うちの持ち味なんでね。ちょっと点取れないで苦しいんですけど、行くしかないということでみんな行ってくれました」  --原口の一打は見事  「ここ最近フミ(原口)がいいところで打ってくれてますし、きょうもその期待に応える素晴らしいバッティングで。期待に応えてくれました」  --1点差を勝ちきった素晴らしい試合に  「いやぁ、ナイスゲームとは言いにくいけど。ピッチャーがよく粘ってくれたから勝てた」  --リリーフは非常に安定している  「でも1点差やしね。何が起こるかわからへんっていう。だからこそ点を取らないと。やっぱりあまりにもピッチャーに負担かかりすぎてるから。逆に言うとそこを粘ってくれてるから、強みっていうか、自信もって送り出せるっていうのは。こういうのをしのいでいってるからこそ、プラスアルファのこっちの信頼っていうのはどんどん高まってるんでね。あそこまで行って打たれたらこっちの責任でしかないんでね。そう思っていってます」  --明日は東京ドームで最後の試合  「ずっと負けっぱなしなんで。最後はもっと点取りたいね。点とっていい形で勝てるように。きょうみたいに全員の戦いになると思うけど」

◆阪神は同点の七回、代打で登場した原口文仁捕手(28)の勝ち越し打で競り勝った。引き分け以下でリーグ優勝が完全消滅し、相手先発は菅野という窮地。大腸がんを克服した男が3試合連続打点で救った。  不屈の男からほとばしる気迫が、巨人の絶対的エース菅野を飲み込んだ。これ以上やられてたまるか-。殊勲打に原口は三塁ベンチへ向け、大きく右手を突き上げた。  「菅野投手は1打席に甘い球が1球来るか来ないかの投手。1球目からしっかり準備して打ちに行った中で、その甘い球をひと振りで弾き返すことができた。接戦の中で流れを変える一打を打つことができてよかった」  1-1の七回2死一、二塁。高橋の代打で打席に向かった。カウント1-0から2球目。甘く入った148キロを見逃さなかった。快音を残し、白球は中前に弾む。今季5度目の対戦となった菅野から今季初白星をもぎ取る決勝打とした。  「その(やり返したい)気持ちは強く持っていた。きょうはたまたま自分だっただけで、そういう気持ちはチーム全体であるので、本当に勝ててよかった」  これで4試合連続安打。最近3試合はいずれも途中出場から打点を挙げ、計6打点という無双ぶり。「いい準備をして打席に向かうことができていることが一番。試合途中の準備、代打に行くまでの準備、試合展開とかいろいろなものを見ながらゲームに入れている」。甲子園では誰よりも早くグラウンド入り。最近では本職の捕手に加え、精力的に一塁の練習をする。代打打率・292。切り札として十分の数字だが、原口は代打に甘んじるつもりはない。  昨年1月に大腸がんが判明。手術、リハビリを乗り越えた。プラスワン投票で出場した球宴で本塁打を放ったのも、ここ東京ドーム。引き分け以下で優勝が完全消滅するという崖っ縁で力を発揮できたのも何かの縁か。  きょう25日が東京ドームでの今季ラストゲーム。矢野監督は「本当にファンのみなさんに悔しい思いをさせているのでね。なんとかもう1つ勝って終わります」と今季2勝9敗の鬼門で意地を見せることを約束した。  原口は「本当に出たところで結果を出すことがチームのためになると思う。集中してこれからもやっていきたい」と力を込めた。意地のG倒。どんな状況でも絶対にあきめない。(原田遼太郎)

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が球審への侮辱行為により退場処分を受けた。退場は今季両リーグで7人目、セ・リーグでは4人目で、危険球以外では初めて。八回に見逃し三振に倒れた際に判定を不服としてヘルメットやバットを地面にたたきつけた。  ブチッ!! サンズが怒った。ヘルメットをたたきつけ、猛然と嶋田球審に食ってかかった。ソーシャルディスタンスは大丈夫? 顔と顔との距離は数十センチ!? 鬼の形相で何かをまくしたてた。  「侮辱行為で退場とします」  サンズに来日98試合目で初の退場処分を下した嶋田球審がマイクを手に場内に説明した。  八回2死走者なし。カウント1-2からの4球目、鍵谷の外角直球を悠然と見送った。低いようにも見えたが...。  ストライク!  まさかの判定に激高した。五回、見逃し三振を喫した際も不服そうな表情を浮かべていた。確かにストライク? と目を疑うような"甘い"判定。ムッとする気持ちも分からないではないが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今季は審判への抗議もなるべく控えなければいけない。それでもサンズは我慢の限界がきたようだった。  危険球以外での退場は両リーグ合わせて今季初。阪神の選手では2018年4月12日の広島戦でメッセンジャーが厳しい判定にクレームをつけて以来だ。しかもサンズの場合、本塁打を放った後のパフォーマンス「ハッピーハンズ」の印象が強いため、虎党にとってもブチ切れた姿はあまりにも強烈だっただろう。  この日は4打席で3三振。打率・256で本塁打は13試合ない。単年契約(年俸1億2000万円)で来季の残留も決定していない。さまざまなフラストレーションもあったのか-。

◆3度目の正直や! 引き分け以下でリーグ優勝が消滅する阪神は巨人に2-1で勝利。先発・高橋遥人投手(24)が6回4安打1失点で5勝目を飾った。菅野との投げ合いは今季3度目で初勝利。これを自信にエースになってくれ!  辛酸をなめ続けた東京ドームのマウンドで、意地と気迫を白球に込めた。3度目の正直で初めて巨人・菅野に投げ勝った。高橋が6回1失点で、5勝目。はにかみながら野手陣に感謝した。  「(味方が)打ってくれたので。(自分は)菅野さんより早く(マウンドを)降りている。結果的に勝ててよかったけど、別に菅野さんに勝てているわけじゃないので」  最大のピンチは1点リードの六回。先頭の菅野に甘く入った変化球をはじき返され、中越え二塁打を浴びた。吉川尚にも右前打を許して一、三塁とされた後、松原の犠飛で同点とされた。それでも直後の七回に原口の適時打で勝ち越しに成功し、勝利が舞い込んだ。  「(最近は)チームが勝つピッチングができていなかった。(13日の)中日戦も僕のせいで負けた部分はあったので、勝つことにもう一回貪欲になって、そういう気持ちでいった」  14日に抹消され、中10日で上がったマウンド。坂本、岡本、そして丸にもHランプを灯させない。菅野に勝てたのは、今季限りで阪神を退団することが決まりながら、1軍に帯同している能見のおかげでもあった。  前日23日だった。  「厳しいところ(コース)を突いたらバッターはそこを意識するから、意識させることが大事」  そう助言されたという。高橋は同じ左腕ということもあり、野球を覚えた頃から能見の映像をよく見た。見て盗むのがプロの世界。チームメイトになってからは、積極的に質問することはできなかったが、先輩からいつも話しかけてくれた。  「勉強させてもらっているので。きょう(の勝利)は、昨日話してもらったことがよかったのかな」。これまでの感謝を伝える勝利だった。  「毎試合、毎試合、いいピッチングをして、試合作ることがチームのためになると思う」  菅野に勝った。それだけで価値がある。近い将来のエースになるための登竜門。高橋が、また一皮むけた。(織原祥平)

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が球審への侮辱行為により退場処分を受けた。退場は今季両リーグで7人目、セ・リーグでは4人目で、危険球以外では初めて。八回に見逃し三振に倒れた際に判定を不服としてヘルメットやバットを地面にたたきつけた。  ブチッ!! サンズが怒った。ヘルメットをたたきつけ、猛然と嶋田球審に食ってかかった。ソーシャルディスタンスは大丈夫? 顔と顔との距離は数十センチ!? 鬼の形相で何かをまくしたてた。  「侮辱行為で退場とします」  サンズに来日98試合目で初の退場処分を下した嶋田球審がマイクを手に場内に説明した。  八回2死走者なし。カウント1-2からの4球目、鍵谷の外角直球を悠然と見送った。低いようにも見えたが...。  ストライク!  まさかの判定に激高した。五回、見逃し三振を喫した際も不服そうな表情を浮かべていた。確かにストライク? と目を疑うような"甘い"判定。ムッとする気持ちも分からないではないが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今季は審判への抗議もなるべく控えなければいけない。それでもサンズは我慢の限界がきたようだった。  危険球以外での退場は両リーグ合わせて今季初。阪神の選手では2018年4月12日の広島戦でメッセンジャーが厳しい判定にクレームをつけて以来だ。しかもサンズの場合、本塁打を放った後のパフォーマンス「ハッピーハンズ」の印象が強いため、虎党にとってもブチ切れた姿はあまりにも強烈だっただろう。  この日は4打席で3三振。打率・256で本塁打は13試合ない。今季からの単年契約(年俸1億2000万円)で来季の残留も決定していない。さまざまなフラストレーションもあったのか-。いずれにしてもサンズに頑張ってもらうしかない。きょうは今季最後の東京ドーム。怒りのフルパワーを期待しよう!

◆虎、土俵際で残った! 阪神は七回、代打で登場した原口文仁捕手(28)の勝ち越し打で巨人に2-1で競り勝った。引き分け以下でリーグ優勝が消滅し、相手先発は菅野という窮地。大腸がんを克服した男が3試合連続打点で救った。25日は今季の東京ドーム最終戦。勝って意地を見せてくれ!  不屈の男からほとばしる気迫が、巨人の絶対的エース菅野を飲み込んだ。これ以上やられてたまるか-。殊勲打に原口は三塁ベンチへ向け、大きく右手を突き上げた。  「菅野投手は1打席に甘い球が1球来るか来ないかの投手。1球目からしっかり準備して打ちに行った中で、その甘い球をひと振りで弾き返すことができた。接戦の中で流れを変える一打を打つことができてよかった」  1-1の七回2死一、二塁。高橋の代打で打席に向かった。カウント1-0から2球目。甘く入った148キロを見逃さなかった。快音を残し、白球は中前に弾む。今季5度目の対戦。手がつりながらも続投を志願した菅野から、今季初白星をもぎとる決勝打とした。  「その(やり返したい)気持ちは強く持っていた。きょうはたまたま自分だっただけで、そういう気持ちはチーム全体であるので、本当に勝ててよかった」  これで4試合連続安打。最近3試合はいずれも途中出場から打点を挙げ、計6打点という無双ぶり。「いい準備をして打席に向かうことができていることが一番。試合途中の準備、代打に行くまでの準備、試合展開とかいろいろなものを見ながらゲームに入れている」。甲子園では誰よりも早くグラウンド入り。最近では本職の捕手に加え、精力的に一塁の練習をする。代打打率・292。切り札として十分の数字だが、原口は代打に甘んじるつもりはない。  昨年1月に大腸がんが判明。手術、リハビリを乗り越えた。プラスワン投票で出場した球宴で本塁打を放ったのも、ここ東京ドーム。引き分け以下で優勝が消滅するという崖っ縁で力を発揮できたのも何かの縁か-。  25日が東京ドームでの今季ラストゲーム。矢野監督は「本当にファンのみなさんに悔しい思いをさせているのでね。なんとかもう1つ勝って終わります」と今季2勝9敗の鬼門で底力を見せることを約束した。  原口は「本当に出たところで結果を出すことがチームのためになると思う。集中してこれからもやっていきたい」と力を込めた。意地のG倒。どんな状況でも絶対にあきめない。(原田遼太郎)

◆狭い東京ドームで打ち合いを挑むと、どうしても分が悪くなる。この球場で巨人に勝つには、投手陣がしっかり投げ、1点差の接戦に持ち込み、ミスをせず、細かいプレーを決めること。この試合は、すべてがしっかりとできていた。  象徴的なシーンとして挙げたいのは、勝ち越し点を奪った七回。つなぎの四球を選んだ糸井、決勝打の原口と同等に評価したいのが、1死から送りバントを1球で決めた坂本。こういう細かいプレーこそが、来年以降も東京ドームで互角、それ以上に戦うために必要になってくる。  ことしは東京ドームでの開幕3連敗が、阪神がつまずく原因となり、巨人が優位性を保って突っ走った要因になった。  確かに昔から、東京ドームには独特の空気感がある。気圧の違い、どの球場よりもアウェー感が強い。来季に向けて、同じような準備をしていれば、また同じような結果になりかねない。東京ドームの戦いを意識して、オフ、キャンプから備えてほしい。もちろん、きょうのドーム最終戦を勝って、いいイメージで終えることも重要だ。 (本紙専属評論家)

◆巨人の菅野智之投手(31)は日本シリーズを見据えて中10日で登板し、116球を投げて7回を6安打2失点と力投したが、打線の援護に恵まれなかった。プロ野球記録を更新する開幕投手から13連勝した後、今季初の2連敗を喫した。  元巨人監督の堀内恒夫氏(72)は同日、自身のブログで「久しぶりに悪い菅野をみた。スライダーが抜ける。どこ行くかわからんほどコントロールミスが多い」と指摘。その一方で「菅野はね そんなピッチャーじゃないよ」と強調し、「日本シリーズから逆算して登板間隔があいたもんだから試合感なのか...。とにかく、今年初めての悪さだった。次に期待しよう!」と気持ちを切り替えていた。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
63376 0.630
(↓0.006)
M4
(↑1)
14485
(+1)
362
(+2)
122
(-)
69
(-)
0.257
(↓0.001)
3.290
(↑0.01)
2
(-)
中日
55485 0.534
(↓0.005)
9.5
(-)
12394
(+5)
427
(+9)
62
(+1)
30
(-)
0.253
(↑0.001)
3.750
(↓0.06)
3
(-)
阪神
51506 0.505
(↑0.005)
12.5
(↑1)
13438
(+2)
424
(+1)
102
(-)
69
(-)
0.243
(↓0.001)
3.520
(↑0.02)
4
(-)
DeNA
50535 0.485
(↓0.005)
14.5
(-)
12461
(+1)
424
(+2)
122
(-)
26
(-)
0.265
(↓0.001)
3.740
(↑0.02)
5
(-)
広島
445310 0.454
(↑0.006)
17.5
(↑1)
13465
(+2)
500
(+1)
101
(-)
56
(+3)
0.262
(-)
4.310
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
38608 0.388
(↑0.007)
24
(↑1)
14427
(+9)
533
(+5)
101
(-)
57
(+2)
0.247
(↑0.001)
4.690
(-)