阪神(★1対5☆)広島 =リーグ戦21回戦(2020.10.20)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
広島
0041000005610
阪神
0000000011410
勝利投手:九里 亜蓮(7勝5敗0S)
(セーブ:フランスア(2勝3敗15S))
敗戦投手:ガルシア(2勝6敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 広島戦チケット予約
◆広島は0-0で迎えた3回表、西川と坂倉に2点適時打が飛び出し、一挙4点を先制する。続く4回には、長野が犠飛を放ち、リードを広げた。投げては、先発・九里が9回途中1失点の快投で今季7勝目。敗れた阪神は、先発・ガルシアが試合をつくれず、打線も1得点と精彩を欠いた。

◆両チームのスタメンが発表された。先発投手は阪神がオネルキ・ガルシア投手(31)、広島が九里亜蓮投手(29)。ガルシアは9月18日中日戦(ナゴヤドーム)以来の1軍先発で、今季3勝目を目指す。九里は9月28日DeNA戦(マツダスタジアム)で完封勝利を挙げるなど、ここ3戦連続で7回以上を投げ1失点以内に抑えている。阪神打線は攻略出来るか。

◆阪神小幡竜平内野手(20)が矢のような好返球で失点の危機を救った。 2回1死一塁、広島坂倉の打球は左翼手サンズの頭上を大きく越える二塁打に。中継に入った小幡は、サンズの返球を本塁目がけて素早く送球。受け取った捕手坂本が走者の西川を本塁手前でタッチし、生還を阻んだ。 今季の小幡は8月中旬に1軍合流すると、ここまで45試合に出場。連日早出でノックを受けるなど技術向上に励む若虎が、好守備で盛り上げた。

◆ファーストピッチセレモニーに阪神川藤幸三OB会長(71)がサプライズ登場し、球場を盛り上げた。 この日は、今季から球団公式のオーダースーツを作るスーツサプライヤーの「オーダースーツ SADA Day」を開催。同社の佐田展隆(のぶたか)社長(46)が投手としてスーツ姿で登場すると、場内に「バッター、トラッキーに代わりまして川藤」のアナウンスが響いた。スーツ姿の川藤氏が現れると、観客は大拍手。佐田社長の投球が川藤氏の頭上をかすめ、体を折り曲げてボールをよけ、バットを放り投げた。久しぶりに打席に立った感想を問われると「感想を感じ取る暇がなかったわ。ボールから逃げなあかんから」と話した。 同社のスーツを愛用しているという川藤氏。「オーダースーツ」と「スタメンオーダー」を掛けて「タイガースの連中も『オーダー』の中に入れるようになりゃええねん。そしたらみんな一人前ちゅうことや。なあ社長?」と阪神ナインにはっぱ。佐田社長も「頑張って勝ちスーツといわれるようになっていきたいと思っています」と応えていた。 「SADA」の店頭では、球団公式スーツと同じモデルが「タイガーススーツ」として販売されている。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(31)が約1カ月ぶりの1軍登板で、3回を5安打3四球4失点と炎上した。 この日に出場選手登録され、9月18日中日戦以来となる1軍先発マウンドに立った。味方の好守もあって2回までは無失点で切り抜けたが、両チーム無得点で迎えた3回表につかまった。 先頭8番上本への四球からピンチを招き、2死満塁から4番西川の左前2点打で先制を許す。さらに2死満塁から6番坂倉の投手へのライナーを左足で止めにかかったが、左足に直撃した打球は右翼方向に転がり、これも2点打となった。 4点を追う3回裏の打席で代打を送られ、8月26日中日戦以来の白星はならなかった。

◆プロ初の4番起用に応えた。広島西川龍馬外野手(25)が3回2死満塁から左前に2点先制適時打を放った。西川はプロ入り5年目で初の4番先発。これで全打順での先発出場を果たした。 両軍無得点の3回。2死二、三塁から3ボールとなった3番鈴木誠が申告敬遠で歩かされた直後だった。西川はカウント2-2から外角直球をコースに逆らわない打撃で三遊間を破り、2人の走者を本塁に迎え入れた。「追い込まれていたので、コンパクトに打つことが出来ました。いい先制点になって良かったです。引き続き頑張ります」。4番としての役割を果たした。 さらに広島は5番ピレラが遊撃内野安打で再び2死満塁とし、坂倉の投手強襲の2点打でリードを広げた。

◆今季限りで現役引退する阪神藤川球児投手(40)が、約2カ月ぶりの1軍マウンドに上がった。8月10日DeNA戦以来の1軍登板に臨み、1イニングを1安打無四球無失点に抑えた。 5回裏が終了してグラウンド整備が始まると、一塁側アルプスの観客が一斉に右翼線通路付近に集まる。藤川の名前がコールされると、甲子園は大歓声に包まれた。 5点ビハインドの6回表に登板。先頭の7番三好は2ボール1ストライクから147キロ直球で左前に運ばれた。無死一塁となり、8番上本は2ボール1ストライクから146キロで詰まらせて遊直。一塁走者三好が飛び出し、併殺となった。二死無走者となり、9番九里は146キロ直球で見逃し三振。降板時、割れんばかりの拍手にグラブを上げて応えた。 藤川は日米通算250セーブに残り5セーブまで迫りながら、右上肢のコンディション不良で8月13日に出場選手登録を抹消された。8月31日に引退を発表後も2軍で調整を続け、10月15日に1軍復帰。11月10日の引退セレモニー開催が決まっている。

◆広島先発九里の好投を前に、阪神打線が5回まで無安打に抑え込まれた。出塁は5回2死からボーアの四球のみ。続く坂本は投飛に打ち取られ、好機をつくれなかった。 初回は近本が中飛に打ち取られると、板山、糸井がともに一ゴロ。不調の先発ガルシアを3回で降板させ、3回2死から代打島田を送ったが空振り三振に倒れた。5回は先頭の大山が初球をとらえ大飛球を放つも左飛。5回まで57球で抑え込まれた。

◆阪神ドラフト2位の井上広大外野手(19)が6回に代打で登場し、遊ゴロに倒れた。 プロ11打席目、本拠地では4打席目。広島九里と対峙(たいじ)した。フルカウントからの6球目、内角シュートに詰まらされて凡退した。 井上はこの日、デーゲームで行われたウエスタン・リーグ、オリックス戦(オセアンBS)に「4番右翼」でスタメン出場していた。両軍無得点の4回2死二塁で、オリックス山崎福のチェンジアップを左前に運ぶ先制タイムリー。8回にも右前打を放ってマルチ安打だった。プロ初の「親子ゲーム」だったが、昼間にはしっかりと結果を残していた。

◆ファーストピッチセレモニーに阪神川藤幸三OB会長(71)がサプライズ登場し、球場を盛り上げた。 この日は、今季から球団公式のオーダースーツを作るスーツサプライヤーの「オーダースーツ SADA Day」を開催。川藤OB会長が、本塁打のタイトルを争う大山に「川藤節」でエールを送った。「まだまだもっともっと大きくなれる男やから、名に恥じない、大きな山になってくれ。そうすりゃ勝手にタイトルなんかはあっちのほうから、どうぞ取ってくださいとなるから」。名前に掛けた独特の言い回しで期待を寄せた。

◆広島が3回に4長短打を集中して4点を先制した。先発九里も3回まで走者を出さない立ち上がりをみせ、主導権を握った。 広島は4回、無安打ながら阪神の守備の乱れなどもあって1点を追加。九里は6回2死から初安打を許したが、無失点を続けた。 阪神は9回に1点を返すも、連勝が2でストップ。広島九里は7勝目をマークする快投で、チームを連勝に導いた。9回途中に登板したフランスアが15セーブ目。阪神先発ガルシアは6敗目を喫した。

◆今季限りで現役引退する阪神藤川球児投手(40)が、約2カ月ぶりの1軍マウンドに上がった。8月10日DeNA戦以来の1軍登板に臨み、1イニングを1安打無四球無失点に抑えた。 「現状、試合でできることはしっかり登板を頑張ってチームを元気づける、勇気づけたりとか、そういう役割もあると思う。投げられる限りは頑張っていきたいと思います」。全12球のうち11球が直球。最速は147キロだった。 5回裏が終了してグラウンド整備が始まると、一塁側アルプスの観客が一斉に右翼線通路付近の金網に集まる。藤川の名前がコールされると、甲子園は大歓声に包まれた。 5点ビハインドの6回表に登板。先頭の7番三好は2ボール1ストライクから147キロ直球で左前に運ばれた。無死一塁となり、8番上本は2ボール1ストライクから146キロで詰まらせて遊直。一塁走者三好が飛び出し、併殺打となった。二死無走者となり、9番九里は146キロ直球で見逃し三振。降板時、割れんばかりの拍手にグラブを上げて応えた。 登板後は「やっぱり試合が始まると(歓声は)聞こえないですね。なんか、マウンドに近づいていくと聞こえなくなりますね。段々スイッチが入るように。習慣ですね。マウンドは普段の自分ではないので、いくら歓声を感じようと思っても消えますね」と苦笑いした。 藤川は日米通算250セーブに残り5セーブまで迫りながら、右上肢のコンディション不良で8月13日に出場選手登録を抹消された。8月31日に引退を発表後も2軍で調整を続け、10月15日に1軍復帰。11月10日の引退セレモニー開催が決まっている。今後に向けて「最後にまた上がっていけるように、いいモノを見せられるように頑張っていきたい」と力を込めた。

◆阪神4番手の谷川昌希投手が2回無安打無失点でアピールした。 7回から登板。2死で鈴木誠には球を低めに集めてフォークで空振り三振を奪った。8回も小気味よく3者凡退。「なかなか出番は少ないですが投げさせてもらえるときはすべてチャンス。なんとか自分の色を出して投げようということは意識している」。福岡・筑陽学園の先輩である長野も中飛。10月7日広島戦以来の登板で存在感を示した。

◆阪神先発ガルシアは3回4失点の背信投球で2軍降格が決まった。 3回は2イニング連続の先頭打者への四球。2死二、三塁で西川に外角速球を打たれ、左前に先制2点適時打を許した。さらに満塁で坂倉のゴロが左足を直撃し、右前に転々...。さらに2失点した。前回9月18日中日戦も4回途中3失点。白星は8月26日中日戦が最後で6敗目となり、矢野監督も「内容がちょっと。四球が絡むし、カウントを悪くする。今日の状態では使うところがない」と手厳しかった。

◆阪神小幡竜平内野手が遊撃守備で持ち味を発揮した。 まずは2回1死一塁で強肩を生かした。6番坂倉の左翼線への二塁打をサンズが処理した後、カットマンに入ってホームへ力強いワンバウンド送球。一塁走者西川の先制ホームインを間一髪で防いだ。矢野監督が「(小幡)竜平やから殺せたプレーやと思う。肩の強さというのは一番の武器。素晴らしいプレーだった」と高評価する送球だった。 3回1死二、三塁では前進守備から二遊間の難しいゴロをさばき、三塁走者上本の本塁生還を防ぐ。2死一、二塁では5番ピレラの三遊間へのゴロに飛びつき、内野安打にとどめた。ただ、4回には挟殺プレーで走塁妨害を取られて今季8個目の失策も記録。指揮官は「勉強することはいっぱいある」とさらなる成長を期待する。連日、早出特守で汗を流す20歳。レギュラー奪取へ、奮闘が続く。

◆阪神は9回に1点を返すも、連勝が2でストップ。先発ガルシアは6敗目を喫した。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -最後はなんとか崩そうとつないだ 矢野監督 ちょっと遅すぎたね。 -序盤、あの展開だと乗っていけない 矢野監督 それでもね、1点2点取っていれば、むこうも後ろはあまり安定感ないので。嫌な展開には持っていけたんやろうけどね。ちょっとあっさり、バッターの方も抑えられたし、もちろん点の取られ方もよくなかった。 -3回、ガルシアは四球からの失点。もったいなかった 矢野監督 四球はあるしね。コントロールがきっちりいくピッチャーじゃないにしても、取られ方がちょっと...。内容がちょっと、四球が絡むし、カウント悪くするし。うーん、ちょっと内容が伴ってないので。 -2回も先頭に四球があった 矢野監督 (3回に)点を取られたところも、相手の走塁がまずいのもあって、踏ん張れるチャンスはあったんやけどね。 -小幡が好守 矢野監督 アレ(2回の中継プレーでの好送球)も竜平(小幡)だから殺せたプレーだと思う。肩の強さは一番の武器だと思う。素晴らしいプレーだったと思います。 -4回の挟殺プレーは 矢野監督 ボーアの球の離し方、タイミングもあるやろうしね。勉強することはいっぱいあるわね。 -藤川が登板 矢野監督 1回、1回がファンの人にとっても特別やろうしね。球児にとってもチームメートにとっても特別な登板になっていく。そういうところではいい空気感を作ってくれて。その後、中継ぎも頑張ってくれたのでね。最後、多少、嫌なというか(チャンスを)作れたところはそういうところが頑張ってくれたからかな。 -藤川は藤浪にアドバイスを送ったり、周囲に助言している 矢野監督 もともとそういう意識はあると思うけど。より自分の中でもそういう時間がね。辞めてからアドバイスすることもあるやろうけど、今の間に伝えたい、というのも球児の中にもあると思うんで。また聞ける、待ってるだけじゃなくて聞けるチャンスでもあると思うので。そういうのはどんどん球児も残していってくれると思うし。疑問や何か思うことは聞いて聞いていけばいいんじゃないかなと思います。 -最初は球もうわずっていたが、制球できるのはさすが 矢野監督 状態どうのこうのじゃないと思うけどね。気持ちで投げてくれています。 -試合前に(2軍戦の)舞洲に行かれていたが、マルテは 矢野監督 ずっとタイミングというか、どうしようかなというのはあるんだけど、ちょっと今から考えます。 -ガルシアの今後は 矢野監督 抹消しようかなと思って。今日の状態じゃ、使うところがないので。

◆今季限りで現役を引退する阪神藤川球児投手(40)が劣勢の展開で、「魂の12球」を投げた。 5点を追う6回に1軍復帰後、初登板。約2カ月ぶりのマウンドとなったが、1回を1安打無失点に抑えた。自らの引退試合となる11月10日の巨人戦(甲子園)まで、誇り高き猛虎の守護神は、全力投球をファンに披露する。沈みかけた甲子園の空気が、一瞬で変わった。「ピッチャー、藤川」。聞き慣れた登場曲とファンの熱気に包まれて、藤川が6回のマウンドに立った。「マウンドに近づいていくと、やっぱり聞こえなくなりますね。冷静でいて、だんだん、スイッチが入るように。やっぱり習慣ですね」。熱く静かに、8月10日DeNA戦(横浜)以来の1軍マウンドに立った。 先頭の三好には直球が高めに浮き、4球目を左前へ運ばれ、小さく苦笑い。続く上本は146キロ直球で遊直。小幡が一塁から飛び出した三好を刺すと、笑顔でねぎらった。九里には制球良く直球4球を投げ込み、見逃し三振。最速は147キロ。魂の12球だった。 「まだ体はかみ合ってはいないと思うんですけど。最後に向けてのね。今日できることを、しっかりやっていって」。満身創痍(そうい)の中、戦う理由がある。負けていても応援してくれるファンのため、後を託す後輩たちのため。この日はリリーフの1人として、チームで戦う大切さを再確認した。「あくまで1人ずつで働くんじゃなくて、みんなでタッグを組んで働けば、ゲームが生きた状態で戦える。そういうものの大切さとかは、終わった後に話をしました」。言葉と投げる姿で、まだまだ伝えたいことがある。 この日の試合前、藤川はお忍びで「チームショップアルプス」を訪れていた。自身のツイッターには「今日から僕の引退記念グッズの発売 何故だか嬉しく思えません... これで終わりって事ですもんね(原文ママ)」と複雑な思いを投稿。「LEGENDARY CLOSER(伝説の守護神)」と書かれた自身のグッズを前に、近づいてきた引退の日を実感していたようだ。 矢野監督は藤川の存在の大きさを肌身に感じた。「1回1回がファンの人にとっても特別だし、球児にとっても俺らチームメートにとっても特別な登板になっていく。そういうところではいい空気感を作ってくれた」。敗れはしたが、中継ぎが踏ん張り、最終回に反撃を見せた。「チームを元気づけたり、勇気づけたりという役割もあると思うんでね。投げられる限り、頑張っていきたい」と藤川は言う。1試合でも多く、ともに勝利を喜びたい。【磯綾乃】

◆広島九里亜蓮投手が9回途中4安打1失点で自身3連勝の7勝目を手にした。 6回2死まで無安打、8回までも1安打。9回1死から3連打を浴び、完封目前で降板となり「最後まで投げきれないところが悔しいです。今日の試合に関してはそこ。悔しさしかないです」と試合後は笑顔なく反省の弁を並べた。

◆今季限りで現役を引退する阪神藤川球児投手(40)が劣勢の展開で、「魂の12球」を投げた。 5点を追う6回に1軍復帰後、初登板。約2カ月ぶりのマウンドとなったが、1回を1安打無失点に抑えた。 一問一答は以下の通り。 -引退表明後、初の1軍登板で歓声もすごかった 藤川 やっぱり試合が始まると、聞こえないですね。マウンドに近づいていくと、聞こえなくなりますね。冷静でいて、だんだん、スイッチが入るように。やっぱり習慣ですね。マウンドって、普段の自分ではないので、いくら歓声感じようと思っても消えますね。バッター入るし。そういうふうに感じました。 -今まで投げてきた時と、違う雰囲気は 藤川 いやいや、それはないかな。いつも十分に声援もらっていたし、(自分が)感じられていないわけだから。ただシチュエーションも負けている展開で。だけど、ファンの皆さんも応援してくれて、チームの雰囲気もその後、変わったしね。今できる、現状でね。しっかり登板頑張って、チームを元気づけたり、勇気づけたりという役割もあると思うんでね。投げられる限り、頑張っていきたいと思います。久しぶり、かなり久しぶりかな。10月1日以来かな、試合は。なので、それでこれぐらい、最後にもっと上がっていけるように、いいもの見せられるように頑張りたいです。 -右腕は手術が必要なぐらいと言っていたが、147キロを計測。アドレナリンみたいなものは 藤川 どうでしょうね。まだ体はかみ合ってはいないと思うんですけど。最後に向けてのね。今日できることというか、しっかりやっていって。結果はもちろんいいに越したことはないですけど、今現状でできる精いっぱいを。今日、見に来られたお客さんであったり、テレビとかラジオを聞いている人たちに最後まで頑張る姿というか、なんとか感じてもらえたらなと思っています。 -雰囲気が変わって、最終回の攻撃につながったように見えたが 藤川 やっぱり、しばらくベンチにいなかったんで。ただ自分は分からないから。(4回に登板した伊藤)和雄から、みんなで頑張ってきて。こういう仕事があるんだよ、と最後にチャンスを残すことができるというのも、大きな一つの仕事だから。みんなでつながって、能見さんまでつながって、自分たちが今日、継投できたというのは。リリーフの、みんなで組んでいくという意味で、ゲームを壊さないというか。あくまで1人ずつで働くんじゃなくて、みんなでタッグ組んで働けば、ゲームが生きた状態で戦えるんで。そういうものの大切さとかは終わった後に話をしました。

◆虎の反攻も勝利には届かなかった。広島先発九里に8回まで1安打に抑え込まれた。スコアボードの得点部分には、0が刻まれ続けていた。9回1死から近本が右前打で出塁。代打原口が中前打でつなぎ、3番糸井が右前適時打。なんとか完封を阻止し、九里を交代にまで持ち込んだが、4番大山がフランスアに投ゴロ。最後はサンズが空振り三振に終わり、連勝は2で止まった(19日は引き分け)。 矢野監督は言った。「ちょっと遅すぎたね」。3回に先発ガルシアが四球絡みで一挙4失点するなど、嫌な流れも否めない。ただ、6回2死まで無安打。指揮官は「1点2点取っていれば、むこうも後ろはあまり安定感ないので。嫌な展開には持っていけたんやろうけど。ちょっとあっさり、打者の方も抑えられた。もちろん点の取られ方もよくなかった」と受け止めた。 10回ドローだった前日19日が5安打1得点。この日は4安打に終わった。矢野監督はこの日の試合前、2軍オリックス戦(オセアンBS)を視察していた。左足の故障が長引いて2軍調整を続けてきたマルテについて「ずっとタイミングというか、どうしようかなというのはあるんだけど、ちょっと今から考えます」。1軍昇格させるかどうか検討する段階に入っており、打線のテコ入れを図る可能性はある。 2位中日と2ゲーム差。4位DeNAとは1ゲーム差。Aクラスを争う中日とDeNAが対戦している中で、痛い1敗を喫した。勝利をつかむには、打線の奮起が欠かせない。【松井周治】

◆プロ初4番の広島西川龍馬外野手が2点先制打で勝利に貢献した。 3回2死満塁から外角直球をコースに逆らわず、左前にはじき返した。3戦連続打点と勝負強さを発揮。「(コンディション不良で)1カ月ちょっとチームに迷惑をかけていたので、なんとか残り試合でちょっとでも返していかないといけない」。 プロ通算で7試合ある9番を含め全打順先発、全打順安打となった。

◆阪神近本光司外野手が意地のマルチ安打を決めた。広島九里の前に打線全体が無安打で迎えた6回2死、右翼線二塁打でチーム初安打を記録した。 無得点の9回は1死からチーム2安打目となる右前打を放ち、3番糸井の適時打でホームイン。なんとか完封負けを阻止した。

◆広島先発九里亜蓮投手(29)が8回1/3を4安打1失点で、自身3連勝の7勝目を手にした。阪神打線を6回2死まで無安打、8回までも1安打に抑えた。8月まで2勝も、9月以降は5勝2敗と加速。エース大瀬良や野村、ジョンソンら実績ある先発投手を多く欠くチームをタフネス右腕がけん引する。規定投球回数に到達し、今季の最終規定投球回数まであと15イニングとした。力で押し切った。9回1死から3連打を浴びて抑えのフランスアにマウンドを譲ったものの、4安打1失点と力投。勝利の立役者は九里だった。阪神打線に力で押す投球で6回2死から近本に打たれるまで無安打で、8回までその1本に抑えた。ただ、7勝目の九里に笑顔はなかった。 「最後まで投げきれないところが悔しいです。今日の試合に関してはそこ。悔しさしかないです。ああいう投球をしていると、8回まで良かったのも、なかったことになる。最後まで投げきれないといけない」。 最後までマウンドを守り切れず、今季2度目の完封を逃した自分に怒りを感じていた。悔しさをバネにここまできた。開幕前は2軍調整を命じられ、若手とローテーションを争った。開幕ローテ入りも、8月までわずか2勝。6連戦の初戦に当たる火曜日に先発を託されながら、期待に応えず、悔しさは焦りにもなった。 もがきながら投球フォームをワインドアップから、セットポジションに変えたことが転機となった。ワインドアップでは疲れが出る終盤に、知らぬ間に反動をつけるような動作が精度に影響した。常にセットポジションから投じることで制球が安定。「自分が意図した球を投げきれるようになったのがあります。ゾーンで勝負することがある程度できているのかなと思います」。毎年取り組んできた球威も増した。この日も低めに集めた力強い真っすぐを中心に押し、25個のアウトのうち、9個のフライアウトを奪った。 佐々岡監督は「今日は本当にナイスピッチング。球が強くて(打者の)タイミングが合わずに差し込んでいた」とたたえた。開幕から期待してローテの一角を任した右腕が、V字回復して9月以降は5勝2敗。「春先はフォームにいて悔しさもある中でやってきたと思う」と指揮官も目を細める。 九里は今季初完封だった9月28日のDeNA戦から4戦続けて7回以上を投げて1失点以下と抜群の安定感。エース大瀬良や野村が離脱する中、ローテを守り続ける。タフネス右腕が悔しさを力に変え、苦しんだシーズン終盤に成長の跡を示そうとしている。【前原淳】

◆阪神の公式スーツを手がける株式会社SADAの佐田展隆(のぶたか)代表取締役社長と、川藤OB会長が20日、スーツ姿で広島戦(甲子園)のファーストピッチセレモニーに登場。佐田社長が投じた1球は大きくそれ、打席に立った川藤会長が体をかがめてボールを避けた。  佐田社長は「(打席に)川藤さんがいるのでめちゃくちゃ緊張した。絶対に死球にならないようにと考えていたら、そっち(頭の近く)にボールがいって、肝を冷やしました」と苦笑いしていた。

◆今季限りで現役を引退する阪神・藤川球児投手(40)が引退表明後、初登板した。1軍のマウンドは8月10日DeNA戦(横浜)以来、71日ぶり。  0-5の六回に3番手で登板。「藤川」とアナウンスされると甲子園は驚きのどよめきの後、大歓声に包まれた。先頭の三好に左前打を許したものの、続く上本を遊直に打ち取ると飛び出した一走を刺してツーアウト。続く九里を146キロの直球で見逃し三振に仕留め、この回を無失点で終えた。最速は147キロを計測。ベンチに戻る際には虎党から大きな拍手が送られた。

◆阪神は広島に1-5で敗れた。先発したガルシアは三回2死満塁から西川に左前へ2点打を浴びて先制を許した。その後、再び満塁となったところで坂倉に投手強襲の2点打を浴び、3回5安打4失点で降板となった。  甲子園が盛り上がりを見せたのは六回。藤川が引退を表明後、初登板。8月10日DeNA戦(横浜)以来、71日ぶりに1軍のマウンドに上がった。先頭の三好に左前打を許したが、続く上本を遊直。飛び出した一走も刺して2死。続く九里を見逃し三振に仕留めて無失点で終えた。  打線は九里に対して八回まで1安打のみ。九回に近本、代打・原口の連打で1死一、二塁とすると糸井が右前へ適時打。1点を返したが、反撃は及ばなかった。

◆虎党が初めて沸いたのは五回だ。大山がそれまで走者を一人も出していなかった広島の先発・九里のスライダーをたたくと、打球は左翼へ。27号か...と思ったらフェンス際で失速し、左翼手のグラブに収まった。歓声はため息に変わった。  「本当に打線がもっと点を取れれば、もっともっと上にいけると思う。明日は打線が点を取って勝ちたいと思います」  1-1のドローだった前日19日のヤクルト戦の試合後、矢野監督は打線の奮起を促した。10月に入って7勝7敗2分け。新型コロナウイルスの感染者が出た影響でベストメンバーが組めなかったことを考えると、健闘しているともいえるが...。  10月は、投手は3勝の西勇、野手では打率・390、(59打数23安打)、4本塁打、15打点と打ちまくっている大山が奮闘。しかし、ボーア、サンズの助っ人コンビは不調を抜け出せない。  指揮官の叫びも打撃陣に届かなかった。一回は三者凡退。二回先頭で、大山はフォークに空振り三振。サンズは内角シュートに詰まらされて三ゴロ、ボーアは低めのチェンジアップに空を切った。三回に先発のガルシアが集中打を浴びて4点を奪われると、打線に反発する力はなかった。  五回2死。ボーアが四球で、この試合で初めて出塁。六回2死、近本がチーム初安打となる右翼線二塁打を放ったが、板山は三ゴロ。ホームが遠かった。  この日、指揮官は試合前に2軍のオリックス戦(オセアンBS)を視察した。D2位・井上や植田、島田、中谷ら1軍の控えメンバーがスタメン出場。さらに、新型コロナの影響で9月25日に登録抹消された陽川や木浪、江越の調子がどれぐらい戻っているか確認することが目的だった。  「最後までファンを喜ばせるような戦いをしたい」と指揮官。ようやくスタンドが盛り上がったのは九回。近本の右前打を皮切りに3連打で1点をかえしたが、反撃が遅かった。(三木建次)

◆阪神は広島に1-5で敗れた。以下、矢野監督の一問一答。   --最後(九回)は何とか崩そうとつないだ  「まぁまぁ、ちょっと遅すぎたね」  --三回、ガルシアは四球からもったいなかった  「四球はあるしね。コントロールがきっちりいくピッチャーじゃないにしても、取られ方がちょっと。四球が絡むし、カウントを悪くするし。うーん、ちょっと内容が伴っていないので」  --二回、小幡が好返球  「アレ(二回)も竜平(小幡)やから殺せたプレーやと思うしね。肩の強さというのは一番の武器だと思うんでね。素晴らしいプレーだったと思います」  --藤川は登場曲から球場が沸く  「もちろんね、一回一回がファンの人にとっても特別やろうしね。球児にとっても俺らチームメートにとっても特別な登板になっていくので。そういうところでは、いい空気感をつくってくれて。その後、中継ぎもみんな頑張ってくれたのでね。そういうところが最後、多少嫌なというか(チャンスを)つくれたところはそういうところが頑張ってくれたからかな」  --最初は上ずっていたが、徐々に制球できるのはさすが  「状態どうのこうのじゃないと思うけどね。気持ちで投げてくれています」  --(試合前に)舞洲の2軍戦に行かれていたが、マルテは  「ずっとタイミングというか、どうしようかなというのはあるんだけど、ちょっと今から考えます」  --ガルシアは  「抹消しようかなと思って。今日の状態じゃ、ちょっと使うところがないんで」

◆広島の西川がプロ5年目で初めて4番で先発した。「何とも思っていない。ただ4番目に回ってくる」と気負うことなく、三回に先制の2点打を放った。2死二、三塁から鈴木誠が申告敬遠され、塁が埋まって打席へ。ガルシアの速球を左前にはじき返し「追い込まれていたので、コンパクトに打つことができた」と手応えを語った。  8月下旬にコンディション不良で離脱し、今月11日のヤクルト戦から復帰。「チームに迷惑を掛けていた。何とか残りでちょっとでも返していかないといけない」と奮闘を期した。

◆阪神・藤川球児投手(40)は広島戦(甲子園)で1軍復帰登板を果たした後、取材対応。久々に1軍マウンドに上がった感想や、今後の登板への思いを語った。  --引退表明後、初の1軍登板で歓声もすごかった  藤川 「やっぱり試合が始まると、聞こえないですね。マウンドに近づいていくと、聞こえなくなります。冷静でいてだんだんスイッチが入るように。習慣ですね。マウンドって普段の自分ではないので、いくら歓声を感じようと思っても、消えますね。そういうふうに感じました」  --今まで投げてきたことと、違う雰囲気は  「それはないかな。いつも十分に声援をもらっていたし、感じられていないわけだから。負けている展開だけど、ファンのみなさんも応援してくれて、チームの雰囲気もその後、変わったし。とは思うんですけど、今できる、現状でね、試合でできるというのは、しっかり登板を頑張って、チームを元気づけたり、勇気づけたりという役割もあると思うんでね。投げられる限り、頑張っていきたいと思います。かなり久しぶりかな。10月1日以来かな、試合は。なので、それでこれぐらい。最後にもっと(状態が)上がっていけるように、いいもの見せられるように頑張りたいです」  --手術が必要なぐらいと言っていたが、147キロが出てアドレナリンが出たのでは  「どうでしょうね。まだ体はかみ合っていないと思うんですけど。今日できることというか、しっかりやっていって、結果はもちろん、いいにこしたことはないですけど、現状でできる精いっぱいを(したい)。今日、見に来られたお客さんであったり、テレビとかラジオを聞いている人たちに最後まで頑張る姿というか、感じてもらえたらなと思っています」  --雰囲気が変わって最終回の攻撃につながったように見えた  「しばらくベンチにいなかったんで。『球児さんが帰ってきて、元気になってました』ということもあったし、その後のピッチャーも。和雄(伊藤)から、みんなで頑張ってきて。こういう仕事があるんだよ、と最後にチャンスを残すことができるというのも大きな一つの仕事だから。みんなで能見さんまでつながって、自分たちが今日、継投できたというのは、リリーフの、みんなで組んでいくという意味で、ゲームを壊さないというか。あくまで1人ずつで働くんじゃなくて、タッグ組んで働けば、ゲームが生きた状態で戦えるんで。そういうものの大切さとかは、終わった後に話をしました」

◆1軍昇格中の阪神のドラフト2位・井上広大外野手(19)=履正社高=が20日、ウエスタン・オリックス戦(オセアンBS)に「4番・右翼」で出場。先制打を含む2安打と存在感を示した。試合は4-0で勝利した。  快音とともに鋭い打球が三遊間を抜けた。井上は先制打を放つと、白い歯をのぞかせた。  「上で試合に出してもらい、1球で仕留めないと何球も打てるボールが来ないとわかった。(打てる球を)いかに打つか、意識していました」  四回2死二塁、フルカウントから山崎福のチェンジアップをとらえて均衡を破った。「なんとしてもという気持ちがあった」。食らいつき、4番の仕事を果たした。  ウエスタンではこれで8本塁打、33打点。本塁打は2位タイ、打点は3位。14日に1軍昇格したため2軍のタイトル争いで一歩後れを取ったが、まだ2冠とも射程圏内だ。  平田2軍監督は「いいところで先制タイムリー。ファームの試合にも出て、また力をつけていってくれれば」と成長に期待を込めた。  4-0の八回1死一塁では右前打でマルチ安打を記録。ここで代走を送られ、1軍の試合がある甲子園へと向かった。ナイターの中日戦は六回に代打で登場も、遊ゴロ。もっと経験を積んで成長し、その先のタイトルもつかむ。(菊地峻太朗)

◆阪神のオネルキ・ガルシア投手(31)が、21日にも出場選手登録を抹消されることになった。矢野監督が20日の広島戦(甲子園)後に「抹消しようかなと思って」と明かした。今季はここまで14試合の登板で2勝6敗、防御率4・42。約1億6400万円という高年俸からも、来季の契約が極めて厳しくなってきた。  鯉打線に打ち込まれ、トボトボとベンチへと戻った。1カ月ぶりに1軍マウンドに上がったガルシアだったが、結果は今季最短の3回4失点でKO。矢野監督はバッサリと切り捨てた。  「抹消しようかなと思って。きょうの状態じゃ、ちょっと使うところがないんで」  ピシャリと抑えたのは一回だけ。二回先頭の西川に四球を与え、ここは小幡の好守に救われたものの、三回先頭の上本にも四球。ここから長打と申告敬遠などで2死満塁とされると、西川に2点打。さらに坂倉にも投手強襲の2点打を浴びて、万事休した。  9月18日の中日戦(甲子園)で四回途中3失点で降板し、翌19日に登録抹消。2軍では10月9日のソフトバンク戦(タマホーム筑後)で7回1失点と好投し、再び1軍登板のチャンスを手に入れていた。しかし、指揮官は「コントロールがきっちりいくピッチャーじゃないにしても(点の)取られ方がちょっと(よくない)。四球が絡むし、カウントを悪くするし、ちょっと内容が伴っていない」とダメ出しのオンパレードだった。  今季はここまで14試合に登板し、2勝6敗、防御率4・42。昨季も先発としては振るわず、シーズン終盤に中継ぎに回って大逆転のCS進出に貢献したが、最終的には6勝8敗、防御率4・69。オフに年俸約150万ドル(約1億6400万円)で1年契約を結んだが、とてもコストに見合わない。きょうにも抹消されれば今季、再度1軍で登板する可能性は低く、契約更新は極めて厳しい見通しとなった。  今季から加入したエドワーズとスアレスは救援として活躍。金銭的にもチーム事情的にも、2年目の助っ人左腕の立場は怪しくなってきた。(織原祥平)

◆盛り上がったのは藤川の登板と、九回の攻撃だけだった。八回まで九里にわずか1安打。またシーズン終盤に失速気味のチームに、矢野監督は危機感をつのらせた。  「ちょっと遅すぎたね。(八回までに)1点、2点とっていれば、向こうも後ろ(救援)はあまり安定感がないので。嫌な展開には持っていけたんやろうけどね」  五回2死からボーアが四球を選ぶまで1人も走者を出せず。六回2死での近本の右翼線二塁打が初安打だった。九回1死から3連打で1点をかえして九里を引きずり下ろしたものの、時すでに遅し。虎党がワッショイコールを響かせる中、頼みの大山もフランスアの速球に押されて投ゴロ。不調のサンズも空振り三振であっけなく終わった。  前夜、最下位ヤクルトに5安打1得点の薄氷ドローに終わり「明日(広島戦)は打線が点を取って勝ちたいと思います」と息巻いたばかりでこの結果。就任1年目の昨季こそ終盤の6連勝で3位をつかみ取ったが、虎党に失速の悪夢はこびりついて離れない。2008年には序盤から独走しながらも、8月以降が勝率・449で巨人に最大13ゲーム差を逆転される歴史的V逸。18年のラスト2カ月は勝率・375の大失速で最下位に沈み、金本監督が辞任した。そんな苦い記憶がよぎってしまう完敗だった。  試合前には指揮官自ら2軍・オリックス戦(オセアンBS)に足を運んだ。9月末にチームを襲ったコロナ禍で降格した木浪、陽川、江越に左ふくらはぎ痛で長く2軍調整しているマルテも視察した。特にM砲はサンズ、ボーアが失速している今、終盤の起爆剤となり得るかもしれない。この日、ガンケルを抹消してガルシアも抹消する予定。外国人枠に空きが出ただけに「タイミングというか、どうしようかなというのはある。ちょっと今から考えます」と昇格を否定しなかった。野手3人のうち、2人を選んで戦う可能性もある。  4位DeNAも敗れ、1ゲーム差を保てたことがせめてもの救いだった。10月はこれで7勝8敗1分。失速の虎を打破できなければ、Bクラス転落の窮地に陥る。(大石豊佳)

◆今季限りでの現役引退を表明している阪神・藤川球児投手(40)が、広島戦(甲子園)で8月10日のDeNA戦(横浜)以来となる1軍復帰登板。六回に登場して、1安打無失点に抑えた。1-5で敗れたが、試合後にはナインに団結の大切さを説いた。首位巨人とは12・5ゲーム差と絶望的な状況にいるものの、ファイティングポーズは崩さない。  早々に球場を覆った敗戦ムードを変えた。藤川が六回に登場。8月10日のDeNA戦(横浜)以来71日ぶりの1軍復帰戦に、スタンドから拍手と歓声がわき起こる。力強いストレートで打者3人を無失点に抑えたが、感傷には浸れなかった。  「試合が始まると(歓声は)聞こえないですね。いくら歓声を感じようと思っても、消えますね。そういうふうに感じました。あまり(歓声は)感じなかった」  15日の1軍昇格後、初登板。甲子園は8月2日のDeNA戦以来だった。先頭の三好に4球目の147キロ直球を左前に運ばれたが、笑みを絶やさず、続く上本は146キロ直球で遊直併殺。九里を見逃し三振に仕留めると、球場は地響きのような歓声に包まれた。  12球のうち、11球が直球。最速147キロで、10球は145キロを超えた。引退する投手とは思えないパフォーマンス。引き揚げるときにはグラブをはめた左手を挙げて、ファンに感謝を伝えた。  「まだ体はかみ合ってはいないと思うけど、現状でできる精いっぱいを(見せられた)。チームを元気づけたり、勇気づけたりという役割もあると思うので」  藤川が変えたムードに乗って、六回には近本がチーム初安打。後を継いだ谷川、能見は無失点に抑えて反撃を待った。みんなが勝利のために身を粉にして戦う"球児魂"を感じ取っていた。  「1点も取られず、能見さんまでつながって。ゲームを壊さないというか、みんなでタッグを組んで働けば、ゲームが生きた状態で戦える。その大切さは(試合が)終わった後に(仲間に)話しました」。力を結集すればチャンスは残る。久保田、ウィリアムスとともに2000年代の虎を支えた最強救援トリオ・JFKがそうだった。その一員として、残りの時間で後輩に伝えたかった。  2軍調整中の約2カ月間、1軍でもう一度、戦う準備をしていた。午前中に練習を切り上げることもあったが...。「(報道陣が)見えるところで練習はしませんよ」。右肩や肘のケアのために治療院へ。勤続疲労で、もう手術しなければ完治しない。それでも戦力としてマウンドに上がるためにリハビリに励んだ。自らが戦う姿でしか、示せないことがあった。  矢野監督は「(残り試合は)球児にとっても、俺らチームメートにとっても特別な登板になっていく。いい空気感を作ってくれて、その後、中継ぎもみんな頑張ってくれたのでね」と感謝した。  今季は12試合の登板で1勝3敗、1ホールド、2セーブ、防御率6・55。11月10日の巨人戦(甲子園)で行われる引退試合まで「投げられる限り頑張っていきたいと思います」-。球児魂を注入していくために、最後まで全力投球をする。(三木建次)

◆大山は、初めて体験するタイトル争いの中で、相手投手が攻め方をどう変えてくるのか、いい勉強になっているのではないか。この日の九里は、球威、キレともに抜群で簡単に攻略できない内容だったが、特に大山に対しては徹底して低めの変化球を使った攻めを見せていた。本塁打は絶対に打たせない配球だ。  自分のチームの鈴木誠にもタイトルの可能性が高まっており、大山にだけは打たせるわけにはいかないという投球で二、七回の2三振は翻弄された感じだった。  とはいえ、五回の2打席目の左飛は惜しい打球。初球からしっかり振っていく姿勢も消えていない。投手が代わった九回1死二、三塁からの投ゴロも、センター返しを意識しすぎて力んだのはもったいなかったが、内容は悪くない。  今後もチームメートに大山のライバルがいる球団の投手は、攻め方を大きく変えて徹底マークしてくる。これが「プロのタイトル争い」だと実感して、結果が出なくても気にせず、切り替えることが大切だ。 (本紙専属評論家)

◆八回終了時点で、阪神は広島の九里に対し、近本の二塁打のみ。『THE 消化試合』...。  九回に九里が完封の欲を出したのか、阪神は1点を奪ったが、昨季の中日・大野雄に続いて2年連続でノーヒットノーランの屈辱を味わって、来季のバネにでもした方がよかったんじゃねーの?  てか~、消化試合ってのは勝敗は二の次で、例え負けようが、来季への飛躍の足掛かりを見つけることじゃないの~? ならば九里攻略のため、バクチ采配をするべきだと思ったのだ。  九里はボールを動かす、曲げる、抜く、落とすが80%以上。直球は時折初球に投げる、もしくは追い込んでカウントに余裕があるときが多い。よって、裏目に出ようが徹底して変化球に狙いを絞るとか、やってもらいたかったー!!  今季限りで引退する藤川の登板にケチをつけるつもりはないけど、どーせならリードしているマウンドに藤川を送り出してやってくれー!!

◆川藤幸三阪神OB会長が始球式に登場。「代打・川藤」として打席に立ちました。  「俺も、始球式見てくるわ」  そう言って甲子園球場に出かけたのが運動部長大澤謙一郎です。この日の広島戦は「阪神タイガース オーダースーツSADA Day」と銘打って行われました。矢野監督や選手が着用するチームのスーツ、ネクタイを製造・提供しているオーダースーツSADAの佐田展隆社長が始球式で川藤会長に投球することになっていたからです。  「自分のフットサル仲間に、草葉達也さんという漫才の台本や宝塚歌劇に関する本を書いている神戸在住の作家さんがいて、草葉さんが佐田社長と知り合いなんです」  その草葉さんは同社のアンバサダーとあって、紹介してもらって神戸・三宮の店舗で2着仕立てたとか。この機会にごあいさつをと思ったのでした。  「熱い方でした。来年は優勝して、オーダースーツでVパレードをしてほしいとおっしゃってました」。これは、虎番織原祥平の報告です。練習取材後、大澤に合流して佐田社長を取材。試合前に球場外周一塁側の広場で行われたイベントも、のぞきにいきました。  「抽選会もやっていて親子連れでにぎわっていました。僕のすぐ前で、カランカランと鐘が鳴ってネクタイが当たった人を見ました。僕もガラガラを回したんですが」  織原はハズレ。ティッシュでした。残念だったな。その抽選会、1等(2人)はオーダースーツだったんだぞ。これを聞いて織原がくやしがること。コロナ太りで体重が4キロ増えてしまい「スーツが今、ぱっつんぱっつん」だったからです。きのう観戦にいっていたのに、抽選会には立ち寄らなかった阪神ファンの方も残念がっておられるかもしれません。が、ご安心を。2面の原稿をごらんください。阪神モデルのオーダースーツ(1着)とネクタイ(3本)。SADAからプレゼントしていただけることになりました。  それにしてもウチの部長、顔も広いけど話をまとめるのも早いなあ。初対面だったのに、プレゼントのお願いまで済ませていたとは。  「いやいや。佐田社長が『オーダースーツの方がいいのは、一般の方も同じですよ。それぞれ体形が違うんですから』とおっしゃるので、そうですよね。新聞記者も人前に出る仕事ですし、虎番スーツなんてのもあったらいいですよねって言ってみたんですが...」  あ、厚かまし。さすがにこれは「はっはっは」と笑ってかわされたそうです。ただ、取材の一環で価格のことも調べた織原の方は、購入する気になっていました。  「全国に55店舗展開されていて、大阪にも梅田や会社近くの心斎橋にあるんです。3万円くらいのもあるので、いってみようかな」  佐田社長、顧客がひとり増えるかもしれませんよ。そんな話をしていたら、編集委員三木建次がどきっとすることを言いだしました。  「阪神が大勝するか、大きくリードされる展開になれば」  こらこら。大勝はいいけど、大きくリードされるのはアカンやろ。と思ったら理由がありました。試合前、藤川球児が気合の入ったキャッチボールをしていたので、どちらかの展開になれば出番がある。ファンが喜ぶと期待したのです。  出番がきました。3番手で六回の1イニングを無失点。ファンも大喜びでした。ただ、0-5だったのがなあ。オーダースーツで来年そろってVパレードするためにも、期待が持てる試合内容を見せてくれないと...。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
61356 0.635
(-)
M7
(-)
18472
(+1)
354
(+1)
118
(-)
67
(+2)
0.259
(↓0.001)
3.340
(↑0.02)
2
(-)
中日
52475 0.525
(↑0.005)
10.5
(↑0.5)
16380
(+6)
413
(+1)
59
(-)
28
(+2)
0.252
(↑0.002)
3.750
(↑0.03)
3
(-)
阪神
49486 0.505
(↓0.005)
12.5
(↓0.5)
17425
(+1)
409
(+5)
99
(-)
68
(-)
0.246
(↓0.001)
3.550
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
49505 0.495
(↓0.005)
13.5
(↓0.5)
16456
(+1)
417
(+6)
122
(+1)
25
(-)
0.267
(↓0.001)
3.810
(↓0.02)
5
(-)
広島
425110 0.452
(↑0.006)
17.5
(↑0.5)
17454
(+5)
490
(+1)
100
(-)
51
(+1)
0.263
(↓0.001)
4.390
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
36588 0.383
(-)
24
(-)
18413
(+1)
517
(+1)
99
(-)
55
(+1)
0.248
(↓0.001)
4.730
(↑0.04)