阪神(☆6対5★)ヤクルト =リーグ戦20回戦(2020.10.18)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
10003000151201
阪神
40020000X61011
勝利投手:秋山 拓巳(8勝3敗0S)
(セーブ:スアレス(2勝1敗21S))
敗戦投手:小川 泰弘(9勝6敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(23号・5回表3ラン)
【阪神】ボーア(17号・1回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は先制を許した直後の1回裏、大山の適時打とボーアの2ランで4点を奪い、逆転に成功する。そのまま迎えた4回には、糸井の適時打などで2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・秋山が今季8勝目。敗れたヤクルトは、9回に村上の適時打で1点差まで迫るも、あと一歩及ばなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が秋山拓巳投手(29)、ヤクルトが小川泰弘投手(30)。 阪神は16日に1軍昇格した板山が「2番二塁」で先発出場。18年10月13日中日戦(ナゴヤドーム)以来、約2年ぶりのスタメン抜てきとなった。先発秋山は今季、ヤクルト相手に5戦3勝。好相性そのままに好投を見せることができるか。 また、今季限りで現役を引退する藤川もベンチ入り。8月10日DeNA戦(横浜)以来、引退表明後では初となる1軍登板に期待がかかる。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が出場6試合ぶりとなる17号2ランを放った。 1点リードの1回2死一塁。先発小川の132キロチェンジアップを捉えると、打球は右中間席最前列に吸い込まれた。 「前の打者たちがいい流れを作ってくれたから、その勢いに乗って打つことができたね。ホームランになってよかったよ」 8日広島戦(マツダスタジアム)以来の1発で、リードを3点に広げた。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が逆転の2点適時打を放った。 1点を追う1回裏の攻撃。1死二、三塁で先発小川の直球を右翼前に運び、2走者をかえした。 「先制された直後に勝ち越すことができて良かったです。追い込まれていた中で、うまく打つことができました」 16日の同カード第1打席から5打席連続安打。74打点は現時点で中日ビシエドと並びリーグ2位。トップの巨人岡本(78打点)に4差とした。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)が、自己ワーストタイとなる1回2/3で降板した。 ボール先行の苦しい投球。1点リードで迎えた1回、2番板山から3連打とボーアの2ランで4失点し、逆転を許した。 2回2死から近本に中前打、板山にも中前打を許したところで、ベンチから高津監督が出て交代を告げた。 1回2/3での降板は、プロ2年目の14年4月18日阪神戦(甲子園)以来2度目となる。「調子自体悪く、テンポよく投げることができませんでした。先制してもらったにも関わらず、攻撃に流れを持ってこれずに申し訳ないです」とコメントした。 2回2死一、三塁から2番手としてマウンドに上がった左腕長谷川が糸井を遊ゴロに抑え、追加点は許さなかった。

◆阪神秋山拓巳投手(29)が今季8勝目の権利を手にして降板した。 1回表に4番村上の適時二塁打で先制点を献上。2回以降の3イニングは毎回ピンチを招きながらも耐えた。 5点リードをもらった5回に味方失策から1死一、三塁とされ、村上に左越え3ランを浴びる。それでも2点リードの状況でマウンドを下りた。 登板後は「野手の方々が早い回に援護をしてくれたのに、長いイニングを投げることができず悔しい登板となりました。次こそは長いイニングを投げられるように切り替えて、しっかりと準備したいと思います」と振り返った。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)は最速158キロを計測し、連続無失点を6試合に延ばした。 2点リードの6回に登板。先頭の7番山崎に四球を与えたが、8番西浦は外角低めカットボールで空振り三振に仕留める。 続く代打中山の初球に外角低めストライクで158キロを計測した後、外角低めスライダーで左飛に打ち取る。最後は1番エスコバーを外角155キロ直球で右飛に抑えた。 「先頭バッターを出してしまいましたが、しっかりゼロで後ろにつなぐことができて良かったです」 10月6日広島戦から6試合連続無失点。この間は計7回を1安打無失点に抑え込んでいる。

◆ヤクルトは1回、村上の適時二塁打で先制。阪神は直後に4点を奪って逆転。大山が2点適時打、ボーアが17号2ランを放った。 阪神は4回、ヤクルト今野の暴投と糸井の適時打で2点を追加。ヤクルトは5回、村上が23号3ランを放った。 阪神は9回に1点差まで迫られたが、逃げ切って連勝。秋山が8勝目、スアレスがリーグトップに並ぶ21セーブ目をマークした。ヤクルト小川が6敗目。

◆阪神の高卒ドラフト2位、井上広大外野手(19)が本拠地2打席目で履正社の先輩寺島と対戦した。 2点リードの7回2死一塁に代打で登場。履正社の3学年先輩にあたる左腕と初対戦した。初球を見逃し、カウント1-0からの2球目。真ん中高め138キロを捉えた当たりは左翼へ飛んだ。角度の付いた打球にスタンドは沸いたが左飛青木のグラブに収まり、履正社対決は先輩寺島に軍配が上がった。それでも聖地での名門校OB対決に、大きな歓声が送られた。 井上は16日の同カード、甲子園での初打席でプロ初安打&初打点を記録。同試合に続く代打登場だった。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手が17号2ランで流れを引き寄せた。1点リードの1回2死一塁、小川のチェンジアップを右中間最深部席まで運んだ。 日本語も上達しており、お立ち台では「サイコーデス! ホームランを打つのに十分なパワーでした」とニッコリ。「前の打者たちがいい流れを作ってくれた。その勢いに乗って打つことができた」。16日ヤクルト戦から登場曲をDaveMatthewsBandの「Warehouse(Live)」に変更し、出場6試合ぶりの1発。「変化をつけたかった。イントロから盛り上がれる曲を探したんだ」と納得顔だった。

◆阪神は9回に1点差まで迫られたが、逃げ切って連勝。秋山が8勝目、スアレスがリーグトップに並ぶ21セーブ目をマークした。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -最後まで分からない展開 矢野監督 いや、どきどきしました。 -1回にすぐに大山が逆転打 矢野監督 本当に追い込まれてからも、しぶといバッティングができていますし、いろんな方向にね、ヒットも長打も打てるのは打率も上がってきますし、ホームランも(増える)。そして、ああいうバッティングも。成長してきてくれているなと。 -ボーアも貴重な本塁打 矢野監督 ボーアが打ってくれると盛り上がりますし、また、やっぱりホームランっていうのは勢いをグッとこちらに寄せるものになるので。いいホームランでした。 -今季初スタメンの板山も活躍 矢野監督 2軍のときから一緒にやってきたメンバーで(今季)初めての1軍で、スタメンで、気持ちが前面に出てね。なんか気持ちいい、はい。結果も出てよかったですね。 -糸原は 矢野監督 ちょっと無理してる部分もあるんでね。きょうは休ませて、板山でいくことになりました。 -秋山の投球は 矢野監督 ボールの走り自体は立ち上がりはいいかなと思ったんですけど。きょうはコントロールがちょっと甘くなっていたかなといところが、ああいうヒット数や点になったかなと思います。 -その後のリリーフ陣が好投 矢野監督 そうですね。晋太郎(藤浪)からね、みんなつないで、最後はスアちゃん(スアレス)、ドキドキしましたけど、これでまた落ち着いてやってくれるかと思いますし。ウチの強みでもあるんと思うので。みんなよくやってくれたと思います。 -井上の打球 矢野監督 いい角度で上がってね、ガッツポーズしかけたんですけど、思いのほか飛んでなかったなっていう感じで。でもやっぱりこう魅力があるっていうかね、いい角度でボールもいってましたし。今日の練習でもすごくいい形で打っていたんで。打席を見てみたいなっていう選手ですね。 -ファンへ向けて 矢野監督 ほんとにうまくいかないこともありますけど、だからこそぼくらは前を向いて頑張っていきます。明日もよろしくお願いします。 -大山が大事なところでの1本が増えている 矢野監督 中身がしっかりしてるよね。たまたま打ったというのでなくて、自分で引き込んで。カウントだったり、いろんなものを含めて、そういう形で打っている。たまたま打っているんじゃないのは成長だと思うし。ヒットのポイントもいろいろと去年までとは違う部分が、ポイントも増えているのでね。そういう打撃を悠輔(大山)自身が目指しているし、こちらも期待しているところ。このまま成長してくれたら。 -打点もタイトルに手の届くところまできている 矢野監督 本当にそういうのは大いにモチベーションにしてくれて、取れるものは全部取ってくれたらいいし、その勢いで、その気持ちで毎打席いってくれたらいいので、どん欲に狙っていってくれたらいいかな、と。 -板山はいきなり結果出すのは難しいと思うが、準備や気持ちが出ていた 矢野監督 今年の前半、2軍でも全然うまくいかなくて、俺も見に行ってたし数字や映像も見ているんだけど、俺が2軍のときから、がむしゃらさ、なんとかしたいというのがアイツの中にはすごくある選手なので、そういうところではアイツの姿を見てチームみんなも何か思い出すものがあったり感じるものがあるような姿だったので、あのヒットはアイツ自身にもすごく良かったし、チームにとってもこれから意味のある、ヒットも姿もそういうふうに見えたけどね。 -岩崎、岩貞が戻って中継ぎに厚みが増した 矢野監督 そうやね、だからアキもちょっと不安定だったけど、晋太郎からね、きょうもサダ(岩貞)は何回もつくってるんだけど、結局ね、登板なかったけど、いてくれるのは心強い。1点でも少なくいけるような中継ぎ陣になっている手応えはある。 -井上は高校の先輩と対戦。ああいう角度の打球が打てるのは 矢野監督 俺も先輩後輩でおもろいなと思った。得点圏やったら、あと1点ほしいところやったんで健斗(糸原)でいこうと思っていたけど、それもね打席に立てるのはあいつの中で持っている部分かもしれんし、みんな本塁打を期待しているんでね。でも、そういう期待を持てるというのはプロの中では大事なこと。どんどん楽しみにしてもらって、成長していってくれたら。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が23号3ランを含む全5打点を挙げ、76打点でリーグ2位に浮上した。 5回1死一、三塁、秋山の外角シュートを左翼席へ。打率5割1分6厘と好相性の甲子園で結果を出し、高津監督は「長打でかえせたり、1発で流れを変えたり、4番打者はそうでないといけないと思っている。すごくいい打撃だった」。チームは5カード連続の負け越し。今季の負け越しも決定した。

◆阪神ドラフト2位ルーキー井上広大外野手(19)が、本拠地2戦目でもファンを沸かせる打球を放った。出番は7回2死一塁。代打で登場し、履正社の3学年先輩にあたる左腕寺島と対戦。カウント1-0からの2球目。真ん中高め138キロを捉えた当たりは左翼へ。角度の付いた打球にスタンドは沸いたが、左翼青木のグラブに収まり、"履正社対決"は先輩寺島に軍配が上がった。 それでも大きな拍手が送られた打席。矢野監督も「いい角度で上がってね、ガッツポーズしかけたんですけど」と笑顔で振り返る。アウトになったものの「魅力があるっていうかね、いい角度でボールもいってましたし。今日の練習でもすごくいい形で打っていた。打席を見てみたいなっていう選手」と絶賛した。 井上は出場4戦目。16日の甲子園初打席で適時二塁打を放ち、プロ初安打と初打点を記録していた。実はこの日の打席は、巡ってこなかった可能性もあったという。矢野監督は「得点圏(に走者がいる場面)だったら(代打を)健斗(糸原)でいこうと思っていたけど、打席に立てるのは『持っている』部分かもしれんし、みんな本塁打を期待しているんでね。そういう期待を持てるのはプロでは大事なこと。どんどん楽しみにしてもらって、成長していってくれたら」。将来の大砲と期待される新人のバットが、ますます楽しみになってきた。【松井周治】

◆阪神秋山拓巳投手(29)は苦しみながら今季8勝目を手にした。 1回表に先制点を献上。5点リードの5回は味方失策から4番村上に3ランを浴びた。5回8安打4失点ながら白星をゲット。「野手の方々が早い回に援護をしてくれたのに、長いイニングを投げることができず悔しい登板となりました」と反省した上で「次こそは長いイニングを投げられるように切り替えて、しっかりと準備したい」と前を向いた。

◆阪神26歳板山祐太郎内野手が2年ぶりの1軍出場にマルチ安打で応えた。「2番二塁」で18年10月13日中日戦以来の出場。 1回1死で今季初安打となる中前打を放ち、4点先制の口火を切った。2回2死一塁でも詰まりながら中前に落とした。「自分を信じて、もうやるしかないという気持ちでした」。18年オフに結婚を発表。第1子も誕生している。愛妻も駆けつけた結婚後1軍初試合で躍動し、「まだまだもっと1軍で活躍している姿を見せたい」。昨年他界した祖母幸子さんにも思いをはせ「今日も見てくれていたかなと思います」と力を込めた。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が「2冠」を射程圏内に入れた。初回に逆転の2点適時打を放ち、チームを5カードぶりの勝ち越しに導いた。打点は74となり、リーグ3位タイで、トップの巨人岡本に4点差に迫った。本塁打、打点の2部門は激しいタイトル争いが繰り広げられており、虎の4番が球団では86年バース以来の2冠へ1歩も引かない。頼もしい4番の仕事だ。先制を許し、直後に巡ってきた逆転のチャンス。虎党の期待に、大山がしっかり応えた。「ランナーをかえすことだけを考えて打席に入っていました。逆転できて、自分の仕事ができたかなと思います」。フルカウントからヤクルト小川の内角低め直球を、逆方向にはじき返した。16日の同カードから続く3打席連続適時打は、決勝打となった。 打撃2冠へ負けられない。26本でリーグ単独トップの本塁打王争いは、20本以上に7人が並ぶ大混戦。この日の2打点で74打点。リーグ3位タイでトップの巨人岡本に4差とした。大山にとって、チームの勝利に貢献する打点はこだわる数字だ。「1点でも多くというのが仕事だと思っているので。もっともっと増やしていけるように」。12度目の勝利打点はリーグ1位の巨人岡本、丸に並んだ。勝負強さは、数字にも表れている。 頼もしい4番の姿は、ベンチで見守る後輩の良き手本にもなっている。16日にプロ初安打を放った新人井上には、ベンチで即席の打撃アドバイスを送る姿もある。シーズン前には使用するバットについて質問を受けると、自らのバットを譲るなどサポートしてきた。矢野監督も井上に、同じ右の大砲として大山を教材に勧めるなど、その存在はチームにも好影響を与えている。 指揮官は大山の一打を「中身がしっかりしている。たまたま打っているんじゃないというのは成長だと思う」と評価した。射程に入れている打点王のタイトルには「そういうのは大いにモチベーションにして、取れるものは全部取ってくれたらいい。貪欲に狙っていってくれたら」と、期待は膨らむばかりだ。 活躍するほど相手投手のマークは厳しくなる。「必死にやっている結果。1球に対する必死さ、食らい付きというのは技術ではどうにもならないところもある。残り試合も少ないですし、そういった気持ちはまだまだ足りないと思う。もっともっと上げていけるように、準備したいと思ってます」。大山の言葉にはチームを背負う覚悟がにじむ。チームの勝利、そしてタイトル奪取へ。そのバットは勢いを止めない。【奥田隼人】

◆阪神糸井嘉男外野手は8試合連続安打と好調だ。1回1死一塁では右翼へ二塁打を決め、4点先制をお膳立て。4点リードの4回2死一、三塁からは一、二塁間を破る適時打を放った。「勝ちたいという一心で打ちました」。 5回1死の右翼守備ではフェンス際の飛球を落として打者走者を三塁まで進めてしまったが、打ってはマルチ安打で存在感を示した。

◆ヤクルト高津臣吾監督が、エースの小川泰弘投手(30)へかける期待を口にした。 小川は、先発した18日の阪神戦で自己最短タイとなる1回2/3で降板した。指揮官は「今年は大変なシーズンではあるが、終盤に来てあと一踏ん張りするか、できないか。粘れるか粘れないか、というところはすごくプロ野球選手として大きなところだと思う。激励の意味を込めて、頑張ってほしいなという気持ちが強い」と話した。 小川は1点の援護をもらった初回に3連打を含む4被安打で4失点。2回2死から2連打でピンチを招いたところで、高津監督は交代を判断した。1回2/3は、プロ2年目の14年4月18日阪神戦(甲子園)以来となる最短での降板となった。ブルペンから状態が悪かったこともあり「マウンドに実際に上がった状態もあまりよくなく見えたので、小川ですけど、代えようと思いました」と振り返った。 小川は、9月20日広島戦(神宮)で完投目前の9回に5失点し、途中で降板。以降の3試合で3連敗しており、最長が11日広島戦での4イニングと苦しんでいる。それでも高津監督は抹消や先発の間隔をあけるなどの調整はあえてせず、ローテーションの中でエースの復調を待っている。

◆スターティングメンバーが発表され、阪神の板山祐太郎外野手(26)が「2番・二塁」で先発出場。1軍戦は2018年10月13日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、736日ぶりとなる。ウエスタンではここまで67試合に出場し、打率・258。チームトップの57安打を放っている。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(28)がスタメンから外れた。試合前練習ではティー打撃、フリー打撃、キャッチボールなどを行った。雨天中止となった前日17日の阪神戦でも、先発メンバーに名を連ねていなかった山田哲。高津監督は「お休みです」と説明していた。

◆阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が一回、右中間最深部へ17号2ラン。「前の打者たちがいい流れを作ってくれたから、その勢いに乗って打つことができたね。ホームランになってよかったよ」とコメントした。  大山の2点打で2-1と逆転し、なおも2死一塁の場面。小川の132キロの変化球を振り切った。長い滞空時間を経て白球はフェンスを越えた。B砲の一撃で阪神が4-1と一気にリードを広げた。  ボーアは8日の広島戦(マツダ)以来の一発で今季17本塁打。リーグトップの大山(26本塁打)、そしてサンズ(19本塁打)に次ぐチーム3位の本塁打数だ。この試合を含めて今シーズンも残り20試合。阪神では2004年に金本知憲(34本塁打)、今岡誠(28本塁打)、ジョージ・アリアス(25本塁打)が達成して以来、16年ぶりとなる20発トリオの誕生が現実味を帯びてきた。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が一回2死一塁から、右翼線へ先制の適時二塁打を放った。  先発右腕・秋山のカットボールを捉え「しっかりとタイミングをとってコンパクトに打ち返すことができました。先制点をとることができてよかったです」とうなずいた。この一打でシーズン72打点目。打点王へ、最後まで諦めない。

◆ヤクルト・小川泰弘投手(30)が先発として自己最短に並ぶ1回2/3で降板した。1点を先制してもらった直後の一回、1死から3連打で逆転を許すと、2死一塁から6番・ボーアに右中間席への17号2ランを被弾。二回は簡単に2死としたが、近本、板山に連続中前打を浴びて一、三塁とされたところで、長谷川にマウンドを譲った。  「テンポよく投げることができませんでした。先制してもらったにもかかわらず、攻撃に流れを持ってこられずに申し訳ないです」  二回途中49球で、6安打4失点。2017年には救援の経験がある小川だが、1回2/3での降板は2014年4月18日の阪神戦(甲子園)以来で先発としては自己最短だ。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が5点を追う五回1死一、三塁から左翼席への23号3ランを放った。先発右腕・秋山が投じたシュートを振り抜き「コースに逆らわず、しっかりと逆方向に打つことができました。チャンスだったので、追加点をとることができてよかったです」と汗をぬぐった。  この一発でシーズン75打点目。タイトル争いはし烈を極めている。

◆先輩の意地だ! ヤクルト・寺島成輝投手(22)が六回から4番手で登板。回をまたいで2イニング目となった七回2死一塁から、後輩との対決が待っていた。  代打として打席に立ったのは阪神のD2位・井上。ともに大阪・履正社高出身で、寺島にとっては3学年後輩にあたる。負けられない対決となったが、1ボールからの2球目、138キロのカットボールで左飛に打ち取った。  ともに将来を期待される若手の注目株同士の対戦が、甲子園を盛り上げた。

◆阪神はヤクルトに6-5で競り勝った。0-1の一回に今季初スタメンの板山と糸井の連打で1死二、三塁と好機を作り、4番・大山の2点打で逆転に成功した。その後、2死一塁でボーアの右中間への17号2ランで一挙4得点。四回にも2点を追加し、優勢のまま試合が進むかと思われたが、先発の秋山が6-1の五回に4番・村上に3ランを浴び、2点差とされた。  6-4の九回には、守護神・スアレスが2死から村上に適時打を許して1点差に詰められたが、最後は逃げ切った。  先発の秋山は今季8勝目。ヤクルトに対しては昨季から負けなしの自身6連勝となった。

◆本来の姿ではなかった。ヤクルト・小川泰弘投手(30)が自己最短に並ぶ1回2/3、6安打4失点で降板し6敗目(9勝)。高津臣吾監督(51)は試合後、序盤での継投について説明した。  「(小川は)ブルペンからあまり状態が良くなくて、マウンドに上がった状態もあまりよくなく見えたので、小川ですけど、代えようと思いました。これ以上投げてもあまりいい方向にいくような気がしなかったので、代えるなら早めと思って」  なかなか状態が上がってこない。この日を含め、直近3試合はいずれも5回持たずに降板している小川。8月15日のDeNA戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した右腕が、シーズン終盤に苦しんでいる。  高津監督は「原因はいろいろあるだろうし、1つではないだろうし。今年は大変なシーズンだけど、終盤にきてあとひと踏ん張りできるか、できないか。粘れるか粘れないかがプロ野球選手としてすごく大きなところだと思う。激励の意味も込めて頑張ってほしいなという思いが強いです」と奮起を促した。  5年ぶりの2桁勝利目前での足踏み。なんとか打開策を見つけたい。

◆ヤクルトは、あと一歩のところで悔しい敗戦。だが、若き4番の活躍が、球場のボルテージを高めた。2点を追う九回2死一塁。ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が右中間への適時二塁打を放った。  阪神の守護神・スアレスが投じた136キロの変化球を捉え、1点差に詰め寄る一打。逆転とはならなかったものの、4番として最後まで諦めないという強い思いをバットに込めた。  一回2死一塁では右翼線へ先制の適時二塁打とし「コンパクトに打ち返すことができました」。三回2死では右翼フェンス直撃の二塁打、5点を追う五回1死一、三塁では左翼ポール際へ23号3ランを放ち「コースに逆らわず、しっかりと逆方向に打つことができました」。チームの全5打点を稼ぐ大活躍だ。  タイトル争いはし烈を極める。打点部門ではトップの巨人・岡本(78)に2差と迫る76打点で2位に浮上。本塁打部門でもトップの阪神・大山(26)に3差と迫った。  高津監督は「(状態が)少し落ちた時もあったけど、やっぱりああやって長打でかえせたり、一発で流れを変えられる。やっぱり4番バッターはそうじゃないといけないと思っているので。きょうに関しては、すごくいいバッティングをしたと思います」と若き主砲をたたえた。  残り20試合。勝利とともに数字を積み重ねる。

◆3つ目のアウトを奪うと、ほっとした表情でゆっくりベンチへと歩を進めた。藤浪は1回をゼロに抑え、登板6戦連続無失点で今季5ホールド目。中継ぎという新境地で、ブルペン陣になくてはならない存在になっている。  「先頭バッターを出してしまいましたが、しっかり0点で後ろにつなぐことができてよかったです」  6-4の六回、スタンドからの大きな拍手を受けながらマウンドへ。先頭打者の山崎にはオール直球で四球。不安定な滑り出しだったが、ここからが真骨頂だった。次の西浦から外角のカットボールで空振り三振を奪うと、代打・中山も低めへの同じボールで左飛。最後はエスコバーを155キロの直球で右飛に料理し、任務完了。直前の五回に2点差に詰められたが、相手に流れを渡さなかった。  これで10月6日の広島戦(マツダ)から6戦連続無失点と好調をキープ。チームは六回終了時点に同点かリードしていれば、2引き分けを挟んで24連勝中と救援陣の安定感は抜群だ。この日も先発の秋山が五回で降板となったが、試合を左右する六回のマウンドを託された藤浪がピシャリと抑えて勝利に貢献。矢野監督も「アキ(秋山)もちょっと不安定だったけど、晋太郎(藤浪)から(つないで)ね。みんなよくやってくれた」と大きくうなずいた。  新型コロナウイルスに感染していた岩貞と濃厚接触者とされた岩崎が隔離期間をへて12日に1軍に昇格。勝ちパターンを担っていた2人が戻ってからも、藤浪は勝敗がかかった僅差の場面での登板やイニングまたぎもこなすなど、鉄壁の救援陣のなかで新たなポジションを確立しつつある。  「1点でも少なくいけるような中継ぎ陣になっている手応えはある」  虎将も信頼を口にした。ブルペンの中心に背番号「19」がいる。(織原祥平)

◆阪神はヤクルトに勝ち、2連勝とした。矢野燿大監督(51)の一問一答は以下の通り。    (テレビインタビュー)  --最後までわからない展開  矢野監督「いや、ドキドキしました」  --一回にすぐに大山が逆転打  「本当に追い込まれてからも、しぶといバッティングができていますし、いろんな方向にね、ヒットも長打も打てるっていうのは打率も上がってきますし、ホームランも(増える)。そして、ああいうバッティングも。成長してきてくれているなと」  --ボーアも貴重な本塁打  「やっぱりボーアが打ってくれると盛り上がりますし、また、やっぱりホームランっていうのは勢いをぐっとこちらに寄せるようなものになるので。いいホームランでした」  --今季初スタメンの板山も活躍  「2軍のときから一緒にやってきたメンバーで、初めての1軍で、スタメンで、気持ちが前面に出てね。なんか気持ちいい、はい。結果も出てよかったですね」  --糸原は  「ちょっと無理している部分もあるんでね。きょうは休ませて、板山でいくことになりました」  --秋山の投球は  「ボールの走り自体は立ち上がりはいいかなと思ったんですけど。きょうはコントロールがちょっと甘くなっていたかなというところが、ああいうヒットや得点になったかなと思います」  --リリーフ陣が好投  「そうですね。晋太郎(藤浪)からね、みんなつないで、最後はスアちゃん(スアレス)、ドキドキしましたけど、これでまた落ち着いてやってくれるかと思います。うちの強みでもあると思うんでね。みんなよくやってくれたと思います」  --代打・井上の飛球は  「いい角度で上がってね。『行った』ってね、ガッツポーズしかけたんですけど。思いのほか飛んでいなかったなっていう感じで。でもやっぱりこう魅力があるっていうかね、いい角度でボールもいっていましたし。きょうの練習でもすごくいい形で打っていたんで。こう打席を見てみたいなっていう選手ですね」  --ファンに向けて  「本当にうまくいかないこともありますけど、だからこそ、僕らは前を向いて頑張っていきます。明日もよろしくお願いします」    (囲み取材)  --大山は要所での貴重な一打が増えている  「中身がしっかりしているよね。たまたま打ったっていうんじゃなくて、自分で引き込んで。カウントだったり、いろんなものを含めてね、そういう形で打っているんでね。たまたま打っているんじゃないっていうのは成長だと思う。ヒットも(ミート)ポイントも、いろいろと去年までとは違う部分が、ポイントも増えているのでね。そういう打撃を悠輔自身が目指しているし、こちらも期待しているところ。このまま成長してくれたら」  --打点のタイトルにも手が届く  「いや、まあ本当にそういうのは大いにモチベーションにしてくれて、取れるものは全部取ってくれたらいいし、その勢いで、その気持ちで毎打席いってくれたらいいので。貪欲に狙っていってくれたらいいかな、と」

◆坂口が一回1死で右前打を放ち、通算1500安打まで1本とした。高津監督は「今まで通りグラウンドにしっかり立ってプレーすれば、そういう記録はついてくる」としており、節目の記録達成に期待がかかる。

◆阪神・糸井が2安打1打点で2度の得点に絡んだ。四回に1点を追加して、なおも2死一、三塁で右前適時打。「打ったのはストレート。勝ちたいという一心で打ちました」。五回の守備では、坂口のフェンス際の飛球に追いついて落球。今季2個目の失策が失点につながったが、8試合連続安打と打撃は好調。六回2死で四球を選び、3出塁で代走を送られた。

◆九回はヒヤヒヤも、阪神・スアレスがリーグトップに並ぶ21セーブ目を挙げた。「反省して次はきっちり0点で抑えられるように。目の前の試合でしっかりと自分の仕事を全うして、結果としてセーブを重ねていきたいね」。2死から3連打を浴びた。1点差に迫られ、なおも一、三塁で宮本を左飛。15日の中日戦(ナゴヤドーム)で高橋にサヨナラ3ランを浴びて以来の登板で、再出発した。

◆2年ぶりの1軍出場となった阪神・板山が2安打3出塁で猛アピールした。  「(スタメンは)『きたか!!』というか、緊張もあったけど、2年間やってきたので。チャンスをつかめていなかったのは自分だけど、自分を信じて、もうやるしかないという気持ちでした」  糸原に代わって「2番・二塁」でスタメン出場し、一回1死の中前打が逆転を呼んだ。二回2死一塁では右前打を放ち、二盗にも成功。四回2死三塁も四球で好機を広げた。先発出場は2018年10月13日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、出場も安打も同日以来だ。  18年に結婚。4年目で初めて出場がなかった昨季は子供も生まれ、祖母・幸子さんが他界した。  「(祖母に)1軍の姿を見せられなかったのは、すごく悔しかった。今日も(天国から)見てくれていたかな。(妻が)打てない時も励ましてくれた。本当に支えになっています。1軍で活躍している姿を見せたいなと思います」  家族への感謝の思いを込めて奮闘した。(安藤理)

◆悔しい敗戦の中で、若き4番が気を吐いた。ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が、5点ビハインドの五回1死一、三塁から左翼席へ23号3ランを放った。  「コースに逆らわず、しっかりと逆方向に打つことができました」  先発右腕・秋山のシュートを振り抜き、意地の一発。この日のセ・リーグ3会場で最多の1万7461人が詰めかけた甲子園が静まりかえった。  高卒3年目で4番に定着し、打撃のタイトル争いにも挑んでいる。この日は、一回に「コンパクトに打ち返すことができた」と右翼線に適時二塁打。三回は右翼フェンス直撃の二塁打。九回2死一塁からは守護神・スアレスから1点差に詰め寄る右中間適時二塁打を放ち、計4本の長打で5打点。23本塁打はリーグ4位、76打点は同2位、出塁率・425は同トップだ。  ライバルを猛追する20歳に高津監督も「長打で(走者を)かえせたり、一発で流れを変えられる。4番バッターはそうでないといけないと思っているので、いい打撃だった。(タイトルは)ぜひ取ってほしいと思うけど、あとはどういう打撃をするかが一番」と背中を押した。残り20試合。たくましく成長した村上から、目が離せない。(赤尾裕希)

◆七回2死一塁、阪神のD2位・井上(履正社高)が代打で登場し、大飛球で甲子園を沸かせた。高校の先輩・寺島のカットボールを角度よく打ち上げたが、差し込まれて打球は失速。大歓声に包まれながら、苦笑いした。矢野監督は「俺もガッツポーズしかけたけど、思いのほか飛んでなかったね。先輩、後輩でおもろいなと思った」と注目。得点圏なら糸原を起用していた場面で「それもね、打席に立てるのは持っている部分かも」と温かく見守った。

◆何とかリードを守った阪神・秋山が8勝目(3敗)を挙げた。「早い回に援護してくれたのに、長いイニングを投げることができずに悔しい登板」。一回に先制されたが、直後に3点リードをもらった。6-1の五回に村上に3ランを許すなど5回4失点。自身2連勝も、3試合連続で6回未満の降板となり「次こそ長いイニングを投げられるように、切り替えてしっかりと準備したい」と誓った。

◆高々と舞い上がった白球が右中間席最前列へ着弾した。阪神・ボーアが6試合ぶりの本塁打となる貴重な2ラン。お立ち台に登場すると、ほとんど日本語で返答してスタンドを盛り上げた。  「ソウデスネ。サイコーデス! (すごいパワー?)スコシ。スコシ、パワーアル」  一回、大山の逆転打で2-1となって迎えた2死一塁。小川のチェンジアップをとらえると、右中間フェンスをギリギリで越えるアーチを放った。  「最近、いい感じでバットを振ることができている。その感覚で振ることができました」  走者を置いた状況での本塁打は8月26日の中日戦(甲子園)で12号2ランを放って以来。矢野監督は「やっぱりボーアが打ってくれると盛り上がる。いいホームランでした」と評価した。  ヒーローインタビューで流暢(りゅうちょう)な日本語を披露したB砲は、野球以外でも日本の生活にも慣れようと努力している。コロナ禍でそれまで教えてくれていた先生とは会う機会があまりなかったが、チームメートから教わった。「デモ、マダ、(日本語は)ジョウズジャアリマセン」と見事な日本語で話すほど上達した。  来日1年目のここまでの成績は打率・247、17本塁打、45打点。来季も残留するためには、結果を残していかなければいけない。残り19試合。毎日がアピールだ。  「タイガースファンズ、ジャア、マタアシタオネガイシマス」  お立ち台ではいつものあいさつで締めた。笑顔の裏で闘志はメラメラ。最後まで活躍する姿を見せていく。(菊地峻太朗)

◆2冠いける!! 阪神はヤクルトに6-5で勝利。0-1の一回に大山悠輔内野手(25)が逆転の2点打を放った。セ・リーグトップの巨人・岡本和真内野手(24)に4差に迫る74打点。26発でキングに立っている本塁打との2冠が見えてきた。  ふらっと舞い上がった打球が右前に弾む。大山のプライドと執念が詰まった逆転打に1万7461人の観衆が酔いしれた。打線爆発の口火を切る4番のひと振り。60年ぶりの偉業へ、虎の主砲がまた一歩近づいた。  「打席に入ったときから、ランナーをかえすことだけを考えていた。結果が重要なので、そういう意味では2点取れてチームが逆転したというところが一番大きい」  1点を先制された直後の一回。1死二、三塁の見せ場で打順が回ってきた。フルカウントからの6球目。「必死に食らいつくことができた」。小川の内角低め145キロに差し込まれながらも意地で逆方向へ持って行った。2点打で一気に逆転だ。  これで今季74打点目。26本でセ・リーグ単独首位を走る本塁打に加え、打点でも首位の巨人・岡本(78打点)に4差につけた。本塁打&打点のリーグ2冠に輝けば、阪神では2年連続三冠王となった1986年のバース以来。右打者なら60年の藤本勝巳以来、60年ぶりの快挙となる。  戴冠へ、好敵手は岡本だけではない。この日、大山の目の前でヤクルトの4番・村上が5打点を挙げ、リーグ2位の76打点とした。さらに本塁打でも広島・鈴木誠が24号を放ち、2本差に迫ってきた。残り19試合。行く手を阻むセ界の強打者たちに勝ち、栄光をつかんでこそ価値がある。矢野監督はタイトル獲得に向け「大いにモチベーションにして、取れるものは全部取ってくれたらいい。その勢いで、その気持ちで毎打席いってくれたら。貪欲に狙ってほしい」と背中を押した。  最近5試合の打率・500と絶好調。当然、他球団からのマークは厳しさを増している。それでも結果を出し続けるほど、いまの大山は強い。その根幹には、がむしゃらに野球に取り組む姿勢があった。  「1球に対する必死さ、食らいつきは技術ではどうにもならないところもある。ランナーをかえす気持ち、チームの勝利に貢献したいという気持ち。全てが合わさって何とかやっている」  これだけ頑強な意志を持ちながら「そういう気持ちというのはまだまだ足りない。もっともっと上げていけるように準備したい」とさらに上を見る。まだできる、もっとできる-。折れない心がある限り大山の進化は止まらない。  打線は2試合連続の2桁と快音を響かせ10安打6得点で連勝。自身が最も重視する勝利打点を挙げ、背番号3はお立ち台で誓った。  「打点はチームの勝敗に一番直結する数字。1点でも多く、もっともっと増やしていけるように頑張ります」  勝利の先に待つ2冠の栄光へ-。虎の4番は一歩一歩着実に進んでいく。(原田遼太郎)

◆大山が一回に放った右前適時打は「打点を稼げる打撃」だった。フルカウントから内角球をおっつけて右方向へ。状況に応じた理想的な打ち方ができていた。  おそらく最後の最後までもつれると思うが、本塁打王とともに、打点王の可能性も十分にある。ただし、タイトルへの課題は指摘しておきたい。  走者がいない時、あるいは走者一塁の時は、もっともっと狙い球を絞って、引っ張っていい。この状況で、このカウントだから、この球を狙う、どの方向へ打つ、という明確な方針を1球1球で決めて、臨む必要がある。そこまでしなければ、タイトルは取れない。  さらにいえば、真っすぐの空振りが目立つ。打点王を争う岡本(巨人)も村上(ヤクルト)も、真っすぐを待って変化球に対応できている。真っすぐの打ち損じをいかに減らせるか。  最後に、近本、糸井ら前を打つ打者がどれだけ出塁できるかもカギ。本塁打王と違って、打点王は一人の力では取れないタイトルだから。(本紙専属評論家)

◆九回、1点差に迫られ、なお2死一、三塁のピンチ...。マウンド上の虎の守護神・スアレスの姿に、15日の中日・高橋に浴びた悪夢の逆転サヨナラ3ランが重なって...くわばら、くわばら...。  結局、最後は宮本を打ち取り事なきを得たけど、なんで消化試合で息が止まりそうにならなきゃいけないんや~! しかし、先発の秋山もスアレスもヤクルト・村上のファンクラブにでも入っているんとちゃうか~? 本塁打に3本の二塁打で5打点て...。ちゅーか、五回に村上の3ランの呼び水となる糸井さんのエラー...。どないなっとんねん!(まさか糸井さんもファンクラブの一員?)  確かに、今季は大山の成長に両外国人の本塁打もあり得点力は増したけど、相変わらず野手のグラブに空いた大きな穴はそのままなのだ! これで71失策。昨季がセ・リーグ断トツの102だから、残り19試合を考えたら...と考えるのは大きな間違い!! 昨季は143試合で、今年は120試合なのだ。これを計算すると昨年とほぼ同じペース! う~ん、変わらない魅力...ってコラー(怒)  残り試合、『ファインプレーよりも正確な守り』を来季につなげるためにも課題とすべし!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
61355 0.635
(↓0.007)
M7
(↑1)
19471
(+6)
353
(+10)
118
(+1)
65
(-)
0.260
(↑0.001)
3.360
(↓0.06)
2
(-)
中日
51475 0.520
(↓0.006)
11
(-)
17374
(-)
412
(+5)
59
(-)
26
(+1)
0.250
(-)
3.780
(↓0.02)
3
(-)
阪神
49475 0.510
(↑0.005)
12
(↑1)
19423
(+6)
403
(+5)
99
(+1)
67
(+1)
0.248
(↑0.001
3.570
(-)
4
(-)
DeNA
49495 0.500
(↑0.005)
13
(↑1)
17455
(+10)
411
(+6)
121
(+2)
25
(-)
0.268
(-)
3.790
(↓0.01)
5
(-)
広島
415110 0.446
(↑0.006)
18
(↑1)
18449
(+5)
489
(-)
100
(+3)
50
(-)
0.264
(↓0.001)
4.430
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
36586 0.383
(↓0.004)
24
(-)
20411
(+5)
515
(+6)
99
(+1)
54
(-)
0.250
(↑0.001
4.830
(↓0.02)