日本ハム(★4対6☆)オリックス =リーグ戦15回戦(2020.10.09)・札幌ドーム=
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ORIX
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日本ハム
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勝利投手:田嶋 大樹(4勝4敗0S)
敗戦投手:杉浦 稔大(6勝4敗0S)

本塁打
【オリックス】杉本 裕太郎(2号・4回表ソロ),T-岡田(13号・9回表2ラン)
【日本ハム】近藤 健介(5号・6回裏2ラン)

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◆オリックスは3回表、ジョーンズの押し出し四球で先制する。続く4回には杉本のソロ、5回にはジョーンズとT-岡田の連続適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・田嶋が6回2失点の好投で今季4勝目。敗れた日本ハムは、打線が追い上げを見せるも及ばなかった。

◆オリックス田嶋大樹投手(24)が、5回2死まで完全投球を続けた。3回、先頭の樋口に左翼フェンスぎりぎりの打球を飛ばされたが、左翼の吉田正がフェンスぎわで好捕。6個の三振を奪い、日本ハム打線につけいるスキを与えなかったが、5回2死から渡辺に148キロ速球を右前に運ばれた。 この日の登板を控えた8日、田嶋は「今まで通りです。自分のピッチングをやる。やるべきことをやって、今年始まってやってきたことを考えて、しっかりやっていきたい」と語っていた。

◆オリックスのアダム・ジョーンズ外野手(35)が、出場6試合ぶりの打点を挙げた。3回2死二、三塁で、日本ハムベンチが吉田正を申告敬遠。2死満塁で打席に入り、押し出しの四球を選んで先制点を挙げた。 さらに2-0の5回1死一、三塁では杉浦のスライダーを捉え、チーム3点目の適時打。「チーム全体がいい方向に向かっていけるように、打席に入っていたよ。タイムリーになってくれてよかったし、これからもチームみんなで最後までしっかりと戦っていきたい」と振り返った。 ジョーンズにとっては、9月30日西武戦での11号弾以来の打点だった。

◆日本ハム近藤健介外野手(27)が反撃の1発をかっ飛ばした。 4点を追う6回2死一塁から、オリックス田嶋の初球スライダーを右翼席へ運ぶ5号2ラン。「なかなかチームとして打ち崩すことができていなかった投手相手に、甘く入ってきたボールを完璧にとらえることができました」とコメントした。

◆先発は日本ハムが杉浦、オリックスが田嶋。オリックスは3回にジョーンズの押し出し四球で先制。田嶋は3回まで無安打無失点。 オリックスは4回に1点、5回に2点を追加。先発田嶋は5回2死まで完全投球も、6回に日本ハム近藤の2ランを浴びた。 オリックスは9回にT-岡田の2ランで加点し逃げ切り。田嶋は4勝目。日本ハムは9回に反撃も及ばず2連敗。杉浦は4敗目。

◆日本ハム中田翔外野手が22打席ぶりの安打。6回2死走者なしから、オリックス田嶋の初球147キロを右前へ。やや詰まりながらも最後は右手で押し込み、ヒットゾーンへ運んだ。 栗山監督は「あとは自分で(悪い状況を)突破してくれると思う」。今月1日ロッテ戦(札幌ドーム)以来、出場6試合ぶりの1本は、不振脱出のきっかけになるか。

◆日本ハム先発の杉浦稔大投手は6回7安打4失点で4敗目を喫した。3回2死二、三塁から4番吉田正を敬遠し満塁策を取ったが、続くジョーンズに押し出し四球を与えて先制点を献上。 5四球と制球に苦しみ「思うように投げられず、チームにも良い流れを呼び込むことができなかったことが悔やまれます」と、反省していた。 ▽日本ハム木田投手コーチ(先発杉浦の投球に)「チームが勝つチャンスを残しながらのピッチングをしてくれている。全然悪かったわけではないし、次のピッチングにつなげてほしいなと思います」

◆オリックス中嶋聡監督代行の"札幌凱旋(がいせん)試合"を、ナインが投打で飾った。15年10月1日ロッテ戦の日本ハム選手兼任コーチとしての現役最後の試合から同チームの指導者を経て、オリックス監督代行として札幌ドームに戻った初戦。田嶋が5回2死まで完全投球を見せ、ジョーンズが出場6試合ぶりに先制となる打点を挙げ、ラオウ杉本が自身同球場1号の1発で加点。最後はT-岡田が13号でダメを押した。 「何とかいいところで打ちたい。チームが乗っていけるようなところで打ちたいと思っていた。今日は結果的に勝てて、いいホームランになってよかったです」。満塁弾を打っても勝てないなど、空砲の多かったT-岡田は、感無量だった。 凱旋(がいせん)試合に勝った中嶋監督代行は「いや、ぼくは代行なんで」と照れ笑いを浮かべた。15年の現役最終戦も、本人はクライマックスシリーズを控えたチーム状況を考え、派手な舞台を拒んだ。だが、栗山監督ら首脳陣がそれを許さなかった。「最後の阪急戦士」の最後の舞台をサプライズの演出で盛り上げ、引退セレモニーで送り出した。 それから5年。オリックスを率いて、中嶋監督代行は札幌に戻ってきた。勝利にも「今日は勝ちましたけど、最後の締めとしてはよろしくない感じです」と、2失点ともたついた9回に追い上げられたことに厳しい表情も見せた。ただ"札幌1勝"で、代行着任後の勝利数を20に乗せ、20勝20敗2分の5分に戻した。

◆日本ハムは「2番左翼」でプロ4年目、捕手登録の郡拓也をスタメンで抜てきも、勝利につながらなかった。 6回からマスクもかぶったが、オリックス田嶋を攻略しきれず。栗山監督は「いろんなところが守れてキャッチャーも出来るという新しいスタイルというものを、何年も前から、あいつには言ってきた」と期待して送り込んだが実らなかった。最下位オリックスに4・5差に詰め寄られた。

◆日本ハムはオリックス15回戦(札幌ドーム)で「魂の塊打線」を組んで臨んだが、白星は遠かった。栗山英樹監督(59)は試合前、好左腕のオリックス田嶋攻略へ向けた、サプライズ打線の予告をしていた。 栗山監督 今日は思いっきり、打順をいじっているから。やっぱりその、なんかもう、必死の魂の塊みたいなものが、今一番欲しいという打線なので。 発表されたスタメンには「2番左翼」で帝京出身のプロ4年目、郡拓也捕手(22)を抜てき。2番も左翼としての出場も、もちろん初めてだった。同監督は試合後に意図を明かした。 栗山監督 (9番遊撃の)谷内も含め、田嶋が(攻略は)なかなか難しいと分かっていく中で、右バッターの方がいけるんじゃないかと思って。 6日に再昇格した捕手登録の郡は、試合前練習で好調さをアピールしていた。スタメン起用のタイミングを考える中で、これまでに準備させてきたユーティリティーさを生かすことにした。プロ入り後は捕手だけでなく内外野にも挑戦。持ち前の器用さもあり、今季も2軍戦では三塁手や二塁手としても出場してきた。 指揮官は二塁としてのスタメン起用案も考えながら、最終的に左翼で起用。安打こそ打てなかったが、6回には四球を選んで出塁。続く近藤の5号2ランを呼び込んだ。「郡のフォアボールもすごく大きい。何とかしようというものが、流れを変える」。5回途中まで完全試合ペースで抑え込まれた中で、田嶋を攻略しかけた魂の四球が、期待を少し膨らませてくれた。 栗山監督が期待する郡の将来像は「いろんなところが守れてキャッチャーも出来るという新しいスタイルというものを、何年も前から、あいつには言ってきた」というものだ。6回からは捕手を務めた。外野のスタメンから捕手へ守備位置を変更したのは、13年近藤以来、チームでは7年ぶり。9回の守備では捕逸などもあり、ほろ苦い経験もしたが、必死に先輩投手をリードする姿は成長への糧となるはずだ。 ただ、試合は先手を取られて逃げ切られた。借金も今季最多の8までふくらんだ。「こういう試合を取れるかが1つの課題」と栗山監督。郡が見せた魂も勝利につなげられない悔しさと、最下位オリックスに4・5差に詰め寄られた現実だけが残った。【木下大輔】

◆オリックス山岡泰輔投手(25)が、6回3失点の粘投も4敗目を喫した。 2回、日本ハム渡辺に先制の6号ソロを被弾。6回には先頭の宇佐見に右前打を許してピンチを招き、平沼、中田に適時打を打たれて2点を失った。「今日は先制点を与えてしまったところがすべてだと思います。先発として最低限、6回まで投げることはできましたが、先に点を与えないピッチングをしたかったですし、6回の場面も何とか粘りたかったです」と悔やんだ。 9月18日西武戦から連勝中だったが、この日は味方打線が日本ハム有原に封じられ、2勝4敗となった。

◆今季10度目の無得点負けを喫したオリックスで、吉田正尚外野手が今季10度目の猛打賞で初タイトルに前進した。 楽天鈴木大を1差で追っていた安打数を121とし、西武戦が降雨ノーゲームとなった相手を抜き去った。首位を独走中の打率も3割5分4厘とし、2位(日本ハム近藤、3割3分9厘)以下との差を広げた。首位打者、最多安打を視野に入れる今季は「メンタルの部分は変わりなくできている」と、8日ロッテ戦中止後に心境を明かしていた。 この日は6回、先頭の佐野が出塁も、続く1番福田がバントを失敗。俊足の佐野を得点圏に置いて3番吉田正に回れば反撃機をつかめただけに、中嶋監督代行も「あの2人でダブルプレーになるというのは、ちょっとダメですね」と苦言を呈した。

◆今季初めて5番に「降格」した日本ハム中田翔内野手(31)が、不振脱出へ兆しの2適時打をマークした。10日、オリックス16回戦(札幌ドーム)に「5番一塁」でスタメン出場。2点リードの6回2死一、三塁で左前適時打を放ち、26打席ぶりに打点を挙げた。8回にも左前適時打で、リーグトップの楽天浅村に1打点差に迫った。長いトンネルに、一筋の光を見いだした。苦しんでいた中田に、待望の打点が生まれた。6回2死一、三塁。オリックス山岡の132キロシンカーに、体勢を崩されながらも、最後は左手1本で左前適時打。26打席ぶりの打点に笑顔はなく、「何とか食らいつこうという気持ちで、毎打席立っている」。苦悩の日々を、とつとつと話し始めた。 「状態が今、どん底まで来ている」。前日9日に放った右前打が22打席ぶり。10月に入り、不振でスタメン落ちも経験し、この日は今季初めて5番での出場だった。2安打2打点で意地は見せたが「自分の理想とする打ち方、当たりからは程遠い。自分のことどうこうではなく目先の試合に勝つだけ」と最後まで笑顔はなかった。 好不調の波が大きいタイプではある。「(スランプは)毎年あるのでね。僕の中の引き出しは全部、出尽くしている。本当に耐えるしかない」と自らに言い聞かせるように口にした。満身創痍(そうい)での連戦。下半身の疲労軽減のためにゴムスパイクを履くなど、打席以外での試行錯誤も続けている。 栗山監督は「苦しんでいる姿は見えていた。大きなホームランを2本打つより、オレはちょっと前に進んでいる感じがした」と受け取った。快音とともに、本来の姿を取り戻す時まで。中田は「最後まで、頑張るしかない」と歯を食いしばり、シーズン終盤を走り抜ける。【田中彩友美】

◆日本ハム有原航平投手(28)が10日、オリックス16回戦(札幌ドーム)で、今季初完封勝利を挙げた。散発の6安打、111球の快投で6勝目。完封勝利は今季のチーム第1号。自身は昨年5月30日ロッテ戦以来、通算4度目となった。ゲームセットの瞬間、有原のほおがゆるんだ。2死二塁でジョーンズを右飛に抑えて「やっと終わったな」。初回から「0」を並べ、投じた球数は111球。「本当にもう最後フラフラだったのですけど、守備が助けてくれたので感謝しています」。許した安打は6本。三塁を踏ませない投球で、プロ4度目、今季チーム第1号の完封勝利をマークした。 味方に助けられた。1点の援護をもらった3回。2死から出塁させた福田の二盗を、女房役の宇佐見が好送球で刺してくれた。6回無死一塁でも、バントを素早く処理した宇佐見から、2-6-3の併殺が完成。ピンチの芽を摘んでくれた。「本当に守備に救われた試合だと思う」とチームメートをたたえた。 8回を投げ終えたところで100球に達したが、木田投手コーチには「行きます」と直訴。9回のマウンドへ向かう際には、今季本拠地最多1万779人のスタンドからの拍手に背中を押された。「9回、勝っている場面で任せてもらえたことを意気に感じて、次の登板も頑張りたい」と話した。 ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦する希望を明かして迎えた今季。開幕当初から結果が出ない時期もあったが「9イニング投げられて、チームが勝てたことが1番いいかなと思う」と6勝目を喜んだ。栗山監督は「ああいう風に夢を語っている選手にとっては、どういう姿で野球をやるのか、何を見せてくれるのか、というのはすごく大きな意味を持つ。しっかり完封したのは意味があると思う」とエースの投球に目を細めた。 有原は「まだ残り試合があるので、チームが勝てるように精いっぱい投げたい」。高い目標を持つエースは、さらなる高みを目指して走る。【山崎純一】 ▽日本ハム木田投手コーチ(完封勝利の有原に) 絶好調ではなかったと思うけど、球種も多くて引き出しも多い投手。今日、何が有効で、どういう投球をしたら相手をやっつけられるかというのを、うまく見つけて投げていってくれた。

◆日本ハム宇佐見真吾捕手が有原航平投手を好サポートした。 リード面だけではなく、3回には福田の盗塁を阻止。6回にもバントの打球を素早く二塁へ送球し、併殺を完成させた。「準備していたので最高の結果になってよかった」。栗山英樹監督も「(9回の谷内の好プレーを含め)そういうところがきちっと出来ればこういう試合になりやすいということ」とうなずいた。

◆日本ハム平沼翔太内野手が価値ある打点を挙げた。 1点リードの6回1死二塁、山岡の134キロシンカーを捉え、右中間を真っ二つに破る適時二塁打。45打席ぶりの打点に「ここ最近、チャンスで打てていなかったので、なんとか援護点を取りたいという気持ちでした」と強い気持ちを実らせた。

◆入団4年目の日本ハム・郡拓也捕手(22)が、外野手で今季初のスタメン出場を果たす。今季は1軍戦4試合出場。すべて途中出場で捕手に就いたが「2番・左翼」でスタメンに名を連ねた。  イースタン・リーグでは捕手だけでなく二塁、三塁でもスタメン出場する俊足プレーヤー。栗山英樹監督(59)は試合前に「きょうは思いきり打順をいじっている。必死の塊の塊みたいなのが、いま一番ほしいという打線」と話した。  郡は10月6日に出場選手登録された。今季は2軍戦で45試合に出場して打率・203(138打数28安打)、5本塁打、16打点。また、ヤクルトから移籍2年目の谷内亮太内野手(29)が「9番・遊撃」で8月1日のオリックス11回戦(札幌)以来、今季2度目のスタメン出場を果たした。

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
52395 0.571
(↓0.007)
-
(-)
24405
(+1)
342
(+3)
105
(+1)
72
(+1)
0.242
(↓0.001)
3.230
(↑0.01)
2
(-)
ロッテ
53402 0.570
(↑0.005)
0
(↓1)
25391
(+3)
392
(+1)
75
(-)
74
(+3)
0.241
(-)
3.930
(↑0.03)
3
(-)
楽天
46464 0.500
(↓0.005)
6.5
(-)
24444
(+2)
421
(+5)
96
(-)
54
(-)
0.257
(-)
4.210
(↓0.01)
4
(-)
西武
45463 0.495
(↑0.006)
7
(↑1)
26389
(+5)
425
(+2)
93
(-)
62
(+1)
0.241
(↑0.001)
4.340
(↑0.02)
5
(-)
日本ハム
42504 0.457
(↓0.005)
10.5
(-)
24403
(+4)
419
(+6)
76
(+1)
55
(-)
0.252
(↓0.001)
3.970
(↓0.02)
6
(-)
ORIX
36536 0.404
(↑0.006)
15
(↑1)
25368
(+6)
401
(+4)
73
(+2)
75
(+1)
0.250
(↑0.001
4.010
(-)