阪神(★4対7☆)巨人 =リーグ戦18回戦(2020.10.03)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:畠 世周(2勝3敗0S)
敗戦投手:ガンケル(1勝3敗0S)

本塁打
【巨人】吉川 尚輝(7号・5回表ソロ),大城 卓三(9号・6回表3ラン)
【阪神】近本 光司(9号・9回裏3ラン)

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◆巨人は両軍無得点で迎えた4回表、丸の適時二塁打で先制する。続く5回には吉川尚のソロ、6回には大城の3ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・畠が6回途中無失点で今季2勝目。敗れた阪神は、打線が9回に追い上げを見せるも、反撃が遅かった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神がジョー・ガンケル投手(28)、巨人が畠世周投手(26)。阪神近本は、前日2日の第2打席で左肘付近に死球を受けたが、この日の試合前練習も通常通りに参加。「1番・中堅」でスタメンに名を連ねた。勝てば今季最多の貯金5、負ければ巨人戦9年連続負け越しが決まる。虎が勝負の一戦に挑む。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(28)が、来日4打席目で初安打を放った。 0-0の3回1死走者なし。カウント1-1から巨人畠の直球を左中間へ運ぶ二塁打にした。チーム初安打が、先発の助っ人右腕から生まれた。 しかしその後は2死一、二塁となり、期待された3番糸井は二ゴロで無得点。下位打線からつくったチャンスをものにできなかった。

◆巨人吉川尚輝内野手(25)が技ありの7号ソロを放ち、リードを広げた。 1点リードの5回1死、2ストライクからの内角低めのスライダーを右翼席に運んだ。7月26日のヤクルト戦以来となる1発に「追い込まれた中で、うまく打つことができました。畠が頑張っていたので、追加点が取れて良かったです」とコメントした。

◆「サカマルコンビ」が"神中継"で先発の畠世周投手を救った。 2点リードで迎えた5回2死一塁。阪神の2番北條に中堅フェンス直撃の二塁打を浴びたが、丸佳浩外野手から坂本勇人内野手と中継し、大城卓三捕手にストライク送球。2死からのプレーで昨季の盗塁王、一塁走者の俊足近本を刺した。 阪神ベンチからはリクエストの要求があったが判定は覆らず。敵地に集まった巨人ファンから大きな拍手がわき起こった。

◆阪神近本光司外野手(25)が、2年連続規定打席に到達した。 「1番中堅」でスタメン出場し、第1打席で今季の規定372をクリア。見逃し三振に終わったが、5回の第3打席では左前打で出塁し、3試合連続安打を決めた。 昨季はルーキーながら159安打を放ち、セ・リーグ新人安打記録を樹立した。新人から2年連続規定打席に到達するのは、2リーグ分立後では99年の坪井智哉以来、球団6人目となった。

◆来日3度目の先発となった阪神ジョー・ガンケル投手(29)は2本塁打を浴びるなど、6回6安打5失点で3敗目を喫した。 「ジャイアンツはやっぱりいい打線だったし、簡単にアウトになってくれないなと感じた。球数も多くなってしまったし、追い込んでからのボールも甘くなってしまったから、反省して次に生かせるようにしたい」。前日2日に先発で8勝目を挙げた西勇に続けなかった。 初回はコントロール良くボールをちりばめ3者凡退。2、3回は走者を出しながらも要所を抑え、テンポのいい立ち上がりを見せた。しかし4回先頭の坂本に右翼へ二塁打を浴びると、1死三塁から丸に先制の適時二塁打を許した。5回は1死から吉川尚にソロ本塁打、6回1死一、二塁から大城に痛恨の3ランを浴びた。 3回の打席では左中間への二塁打を放ち来日初安打を記録。見せ場もつくったが、先発での初白星はまたもお預けとなった。 初先発だった6月24日ヤクルト戦(神宮)では4回7安打3失点で黒星。その後2軍調整を経て、中継ぎで21試合登板して信頼を高めた。この日は、4回4安打1失点だった前回9月26日ヤクルト戦(神宮)に続く先発だった。【磯綾乃】

◆24本塁打でセ・リーグ1位の巨人岡本和真内野手が、8回2死一、三塁からの第5打席で、左手甲付近に死球を受けて途中交代した。 阪神谷川の初球を左手に受けると、その場にうずくまり、元木大介ヘッドコーチやトレーナーが駆け寄ってきた。直後に立ち上がったが、原辰徳監督から交代を告げられ、ベンチ裏に下がった。

◆阪神が完敗し、今季の巨人戦負け越しが決まった。12年から9年連続のカード負け越し。首位巨人と再び今季ワーストタイの12・5ゲーム差に広がった。先発ガンケルが踏ん張れず、中盤に失点を重ねた。4回、丸に先制打を浴びると、5回は吉川尚にソロ本塁打を被弾。6回には大城に3ランを浴びて、流れは決まった。打線も突破口を開けず、9回に完封負けを逃れるのがやっとだった。 6月の開幕直前、矢野燿大監督(51)は「強い相手ですし、ここまで先輩方が作ってもらえた阪神巨人戦という『伝統の戦い』といってもらえるもの。僕たちとしてはジャイアンツは意識してやっていく相手になると思っています」とライバル心を隠さなかった。だが、いきなり開幕3連戦3連敗とつまずいた。今年は巨人に5勝13敗。他の4球団には優位に戦っているだけに、優勝を目指すチームにとって、最大の難敵になった。巨人にシーズンで勝ち越したのは07年が最後で13年連続で勝ち越しなしの惨状だ。今季最多の2万64人が見守る前で、実力差を突きつけられた。

◆阪神高山俊外野手(27)が9回に執念を見せた。 0-7の9回1死一、二塁で、小幡の代打で登場。カウント3-1から巨人堀岡の直球を右中間へ運んだ。 宿敵の投手陣にここまで無得点に抑えられており、意地の一打。代打で二塁打を放った前日2日に続き存在感を出した。

◆阪神近本光司外野手(25)が、土壇場で意地の9号3ランを放った。 1-7の9回2死二、三塁。巨人宮国に、追い込まれてから4球ファウルで粘り、10球目の高め直球を振りぬいた。打球は大きな弧を描いて右翼席に着弾。一気に3点差に詰め寄った。 近本はこのアーチが今季100安打目。ルーキーイヤーから2年連続で大台に乗せた。

◆9回裏2死、珍しい出来事が続けて起こった。 阪神近本が3ランを放ち3点差に。巨人はデラロサに交代した。しかしブルペンカーに乗って現れたのは中川...道中で気付き、Uターンしてデラロサと入れ替わった。 デラロサは阪神北條を高い内野飛球に打ち取るも、一塁手ウレーニャと三塁手田中俊が交錯。ボールはウレーニャのミットからこぼれたが、田中俊の右脇にスッポリ収まり、ゲームセットとなった。

◆巨人坂本勇人内野手が3安打を放って今季10度目、通算161度目の猛打賞。 坂本がシーズン2桁回数の猛打賞をマークするのは5年連続10度目。シーズン2桁猛打賞の最多記録は張本(ロッテ)の15度で、坂本の10度は3位タイ。上位2人は両リーグで記録しており、セ・リーグで2桁回数を10度は長嶋(巨人)金本(阪神)らに並び6人目のタイ記録。巨人でも1リーグ3度、セ・リーグ7度の川上と長嶋に並び最多となった。

◆阪神先発ガンケルと巨人先発畠の投げ合いで始まった。ともに序盤から走者を出したが決め手を欠き、3回まで両軍無得点。 巨人は4回、丸の適時二塁打で先制。5回は吉川尚が7号ソロ本塁打を放って追加点。6回には大城の9号3ランで突き放した。 巨人は継投で逃げ切り、先発畠が2勝目を挙げた。阪神は9回に追い上げたが及ばず。巨人戦の9年連続負け越しが決まった。阪神ガンケル3敗目。

◆巨人が"おなかキャッチ"幕切れで、優勝マジックを19とした。 7点リードの9回に4点を返され、守護神デラロサを投入。阪神北條を内野フライに打ち取ったが、一塁手のウレーニャと三塁手の田中俊が交錯。互いにグラブでボールを捕球できないお手玉状態になったが、最後は倒れ込んだ田中俊の腹から右脇の付近でボールが止まり、グラウンドには落ちずに3アウト。試合終了となった。

◆阪神北條史也内野手(26)が1度はセーフ判定を受けるも、巨人田中俊太内野手(27)の「脇キャッチ」によって判定がアウトに覆り試合終了となった。 9回2死走者なし、北條はデラロサに2球で追い込まれ、3球目の高めに入ったスライダーを内野に高々と打ち上げた。捕球を試みた三塁手田中俊と駆け寄った一塁手ウレーニャが交錯。ボールが地面に着いたとして、1度はセーフと判定された。しかし、ボールは田中俊の肩、頭などに当たり、最後は地面に転んだ田中俊の右脇に挟まっていた。審判団が協議した結果、判定はアウトになった。

◆巨人岡本和真内野手(24)が、阪神18回戦(甲子園)の8回2死一、三塁、阪神谷川から左手に死球を受け途中交代した。 病院には行かずアイシングで治療。4日の同戦の出場は当日の状態を見た上で決める。原監督は「大丈夫だと思います」と話した。

◆阪神が完敗し、今季の巨人戦負け越しが決まった。12年から9年連続のカード負け越し。首位巨人と再び今季ワーストタイの12・5ゲーム差に広がった。矢野燿大監督の談話は以下の通り。   -ガンケルが6回まで踏ん張った 矢野監督 ボール自体はしっかり投げている部分が多かったんじゃないかなと思うけど。 -援護もなく見えない疲れもあったか 矢野監督 そりゃ疲れはあるし、打線が援護していかないとあかんと思うし。でも、もっとやれることバッテリーであったんじゃないかなと。 -ガンケルは自己最長の6イニング。13連戦も考慮 矢野監督 それは全部総合的に(判断)して。13連戦もあるし、中継ぎも数が今日は少ないし、総合的に。 -9回はデラロサまで引っ張り出した 矢野監督 もっと早くいかなあかんし、どうしても投手陣が苦しい状況なので、そういうところで打者が頑張ってもらわないと。 -(前日死球の)近本は本人の意思もあっての出場 矢野監督 もちろん。最後のね、あっさり終わらないのは大事なこと。今日だけじゃなくて、ずっとそういうふうにやってくれていると思う。そこでしっかり結果を出せるというのは良かったかな。 -2年連続の100安打 矢野監督 まあそれは、まだまだこれからやと思っている。もっと高いところ目指しているわけだし。逆に言うと、開幕から苦しんだ中でここまで持ってきたというのも、自信だったり実力になってくると思う。もっともっと上を目指してほしいなと思います。 -巨人戦の負け越しが決まった 矢野監督 結果は受け入れるしかないんで。明日取るしかないんで。何も変えるところはないんでね、悔しさを持って戦っていきます。

◆巨人が阪神戦の9年連続勝ち越しを決めた。4回に丸が先制二塁打を放ち、5回は吉川尚がソロ本塁打で6回は大城が3ラン。8回は坂本が3安打目となる2点打で突き放した。5回1/3を無失点の畠が2勝目。阪神は反撃が遅かった。

◆巨人は技と力の2発で阪神ガンケルを攻略した。1点リードの5回1死、吉川尚が7月26日のヤクルト戦以来の7号ソロ。「追い込まれたので、コンパクトに」と内角低めのスライダーを右翼席に運び、原監督を「彼の何というか、天才的なところ」とうならせた。 2点リードの6回1死一、二塁では大城が右中間への特大9号3ランを放ち「援護できて良かった」と畠の2勝目を引き寄せた。

◆巨人が対阪神9年連続の勝ち越しを決め、優勝マジック19とした。 原辰徳監督は「相手の先発ピッチャーも非常に良くて、先取点を取れて守りの部分でいいところが出たと思いますね。2点目も(吉川)尚輝のホームランも非常に良かったんですけど、いいところで守れた」と評価。ただ9回に4失点して3点差に迫られる展開に「しかし9回は締まりの悪いゲームになったなというところですね」と指摘した。 2点リードの5回は大城に9号3ランが飛び出した。「このところ少し本人もストレスたまっている状態で。一生懸命やっているんですけど結果がいい所で出たということで、本人にとってもチームにとっても大きい一打でした」と言った。6回途中無失点で2勝目を挙げた先発の畠については「間違いなく階段は上がってくれています。150キロを超える真っすぐも変化球も。ただもう少し3-2カウントにせずに、何て言うんでしょう、勝負していくっていうんでしょうか。課題はあると思いますけど間違いなく1つ階段は上ってくれたと思います」と評価した。 9年連続で阪神に勝ち越した点を問われると「いつもギリギリの勝負の中でやっている。だいたい五分ぐらいという中でちょっと上回れたのかなという部分。これから試合もありますから。タイガースとはいつも接戦の中で勝負をしているという印象しか僕の中にはないです」と引き締めた。

◆巨人が"おなかキャッチ"幕切れで、優勝マジックを19とした。 7点リードの9回に4点を返され、守護神デラロサを投入。阪神北條を内野フライに打ち取ったが、一塁手のウレーニャと三塁手の田中俊が交錯。互いにグラブでボールを捕球できないお手玉状態になったが、最後は倒れ込んだ田中俊の腹から右脇の付近でボールが止まり、グラウンドには落ちずに3アウト。試合終了となった。

◆巨人がドタバタの"右脇キャッチ"幕切れで、優勝へのマジックを19とした。 7点リードの9回に堀岡と宮国が4点を返され、3点差に迫られた。2死走者なしからリリーフカーに乗って出てきたのは左腕のセットアッパー中川。だがベンチの原監督は血相を変えて指示を送り直す。中川は小走りでベンチに下がり、守護神デラロサが再びリリーフカーに乗って現れた。 原監督は「僕と宮本(投手チーフコーチ)の間では意思疎通はできていた。その次に送った人が中川って言ったみたいなんだよね。中川に罪はない。むしろベンチが悪い」と受け止めた。急きょ登板したデラロサは阪神北條を内野フライに打ち取ったが、一塁手のウレーニャと三塁手の田中俊が交錯。お手玉したボールが、最後は倒れ込んだ田中俊の右脇で止まってゲームセット。元木ヘッドコーチは「ウレーニャも張り切る気持ちは分かるけど、あれはサードボール。情けない。みっともないよ」と指摘。原監督は自らの手で右太ももを強くたたき「締まりの悪いゲームになった」と厳しく言った。

◆来日3度目の先発だった阪神ジョー・ガンケル投手は6回6安打5失点で3敗目を喫した。 3回まで無失点も5回は吉川尚にソロ、6回は大城に3ラン。「ジャイアンツはやっぱりいい打線だったし、簡単にアウトになってくれないなと感じた」。中継ぎでは3度対戦して無失点だったが、強力打線につかまった。 矢野監督は「ボール自体はしっかり投げている部分が多かった」としつつ「もっとやれること、バッテリーであったんじゃないかな」と指摘した。

◆阪神近本光司外野手(25)が1年目から2年連続で100安打に到達した。5回に左前打、9回は9号3ランを放ち、今世紀入団した阪神の選手では初めて新人から2年連続で大台に乗った。第1打席では規定打席に届き、こちらも2年連続となった。試合に敗れたものの、昨季リーグ新人最多安打記録を樹立したリードオフマンは今季もフル回転している。粘り勝った。9回2死二、三塁。近本は追い込まれてから4球、宮国の内角変化球をカットした。スコアボードに映るボール、ストライク、アウトカウントはすべて点灯。そして10球目、甘く入った直球を振り抜き、高々と右翼席へかっ飛ばした。今季の100安打目は意地の詰まったアーチ。スコアが1-7の「あとひとり」から9号3ランで3点差とし、最後まで宿敵に追いすがる姿勢を示した。 昨季159安打でセ・リーグ新人安打記録を樹立したヒットマンは5回の左前打で王手をかけ、2年連続で大台に到達した。「特に数字を意識していることはないですが、チームのためになる1本を積み重ねていきたいと思っている。もっともっと打てるように頑張ります」。阪神のルーキーでは98、99年の坪井智哉以来で、1リーグ制も含めて6人目の快挙となった。 開幕から約1カ月は打率1割台。スタメン落ちも経験した。矢野監督はもがいてきた姿を知っているからこそ「開幕から苦しんだ中でここまで持ってきたというのも、それは自信だったり実力になってくると思う」と評価。続けて「もっともっと上を目指してほしいなと思います」と注文も忘れなかった。プロ2年目で主力として認めているからこその期待だった。 前日2日の巨人戦で左肘付近に死球を受けたが、「問題ありません」とキッパリと答えた通り「1番中堅」でフル出場した。1回の第1打席で今季の規定打席数の372に到達。新人から2年連続クリアは2リーグ分立後、阪神では6人目。シーズンを通して戦っている証しでもある。虎のリードオフマンに「2年目のジンクス」は存在しない。【只松憲】 ▼阪神近本がこの日の巨人戦で5打席に立ち、今季376打席とし、規定打席(372打席)をクリアした。近本は新人だった昨季から2年連続で規定打席をクリア。2リーグ分立後、阪神の新人から2年連続規定クリアは98、99年の坪井以来、6人目となる。 ▼近本は最終打席で本塁打を放ち、今季通算100安打に到達。昨季は159安打を放っており、阪神の新人で2年連続100安打以上を記録したのは、1リーグ時代を含め、前記坪井以来、6人目だ。

◆今季初の観衆2万人超えゲームで、虎が宿敵に敗れた。最終回に追い上げをみせたが、勝利に届かず。打倒巨人に闘志を燃やして臨んだ今季だったが、G戦は5勝13敗で9年連続の負け越しが決定した。首位を独走する相手とは6試合を残している。悔しさを胸に刻み、最後まで死力を尽くす。今季最多2万64人の観衆を集めた甲子園で、虎党の願いはかなわなかった。9回に4点を返す反撃も大量点差が響いての黒星。今季巨人戦13敗目で、このカード9年連続の負け越しが決まった。最後の勝ち越しは07年で今年も「伝統の一戦」で宿敵を上回れず、指揮官は現実を受け止めた。 矢野監督 結果は受け入れるしかないんで。明日取るしかない。何も変えるところはないんでね、悔しさを持って戦っていきます。 中盤まで得点のチャンスはあったが、巨人のディフェンス力に阻止された。2点を追う5回2死一塁。北條の二塁打で一走の近本は一気生還を狙ったが、丸-坂本の完璧な中継プレーの前に本塁アウト。5点ビハインドの6回2死一、三塁では梅野のライトへの飛球を、右翼松原がスライディングしながら好捕。6回まで3者凡退は1度だけだったが、ホームを踏めなかった。 外国人選手のベンチ入りは4人までの規定で、この日は先発がガンケルだったため、救援陣ではエドワーズを外さざるを得なかった。ガンケルは来日後最長の6イニング目も投げ、3失点していた。 矢野監督 全部総合的に(判断)して。13連戦もあるし、中継ぎも数が今日は少ないし、総合的に。 もちろん、序盤から打線の援護があれば展開も違っただろうが、サンズが17打数ノーヒットで、ボーアも9打数無安打。それぞれ5戦、7戦続けて打点がない。ともに四球を選んではいるものの、何とも苦しい状況だ。 昨秋の球団納会で矢野監督は「強いジャイアンツを倒せるようなチームに全員でなっていきましょう」と大号令をかけるなど、G倒に執念をみせていた。今季18試合目の対決でカード負け越しの屈辱を突きつけられたが、虎がこのまま終わるはずがない。【松井周治】 ▽阪神井上打撃コーチ「(今季初対戦の巨人畠に)四球もあったし、いい当たりが全くなかったわけではないので、少し不運な部分もあった。畠投手を波に乗せてしまったことは反省点。(サンズ、ボーアの状態は)確かに当たりは止まっているけれど、2人とも良く練習もするし、ずっとゲームに出てくれている。疲れもたまってきているし、調子の波もあると思う。もう1度しっかりとした調整をして、2人がきっかけをつかむように一緒にやっていきたいと思います」

◆巨人がドタバタの"右脇キャッチ"幕切れで優勝へのマジックを19とした。7点リードの9回に堀岡と宮国で4点を返され、3点差に迫られた。2死走者なしからリリーフカーに乗って出てきたのは左腕のセットアッパー中川。だがベンチの原監督は血相を変えて指示を送り直す。中川は小走りでベンチに下がり、守護神デラロサが再びリリーフカーに乗って現れた。 敵地甲子園は騒然。原監督は「僕と宮本(投手チーフコーチ)の間では意思疎通はできていた。その次に送った人が中川って言ったみたいなんだよね。中川に罪はない。むしろベンチが悪い」と受け止めた。急きょ登板したデラロサは阪神北條を内野フライに打ち取ったが、一塁手のウレーニャと三塁手の田中俊が交錯。互いにグラブには収まらず、お手玉したボールが、倒れ込んだ田中俊の腹をつたい最後は右脇で止まってゲームセットとなった。元木ヘッドコーチは「ウレーニャも張り切る気持ちは分かるけど、あれはサードボール。落とす、落とさないじゃない。情けない。みっともないよ」と指摘した。 最後は思わぬドタバタとなったが、中盤はプロの技術がぎっしり詰まったプレーが続出した。2点リードの5回2死一塁では中堅フェンス直撃の打球を丸-坂本と中継し、昨季の盗塁王近本を本塁で刺した。6回2死一、三塁では松原が右中間への打球をダイビングキャッチ。今季12球団最少28失策の守備力でもり立てただけに、9回は投手を含めて課題が残った。原監督は自らの手で右太ももを強くたたき「締まりの悪いゲームになった」と厳しく言った。【前田祐輔】

◆巨人坂本が攻守で勝利をたぐり寄せた。打ってはダメ押し打を含む3安打2打点。通算161度目、5年連続10度目となる2ケタ猛打賞を達成し、巨人長嶋、阪神金本らに並んだ。 守備でも2点リードの5回に中堅丸の送球を中継し、好返球で近本の本塁生還を阻止。「丸がいいプレーでつないできたので、自分はその流れに乗りました」。 ▼坂本が3安打を放って今季10度目、通算161度目の猛打賞。坂本がシーズン2桁回数の猛打賞をマークするのは5年連続10度目。シーズン2桁猛打賞の最多記録は張本(ロッテ)の15度で、坂本の10度は3位タイ。上位2人は両リーグで記録しており、セ・リーグで2桁回数を10度は長嶋(巨人)金本(阪神)らに並び6人目のタイ記録。巨人でも1リーグ3度、セ・リーグ7度の川上と長嶋に並び最多となった。

◆指揮官の早めの勝負手も実らなかった。0-2で迎えた六回、1死一塁から、阪神・ガンケルが一走・丸に対して2度目の牽制(けんせい)は際どいプレー。セーフの判定に矢野監督はリクエストを要求したが、判定は覆らなかった。ガンケルはその後、一、二塁とし、大城に3ランを被弾。0-5と差を広げられた。  直前の五回も近本の本塁クロスプレーをめぐり、リクエストを要求したが失敗。阪神は六回で早くもリクエストの権利を失った。

◆阪神は巨人に4-7で敗戦した。先発のガンケルは四回、丸に先制の適時二塁打を許すと、五回は吉川尚にソロ、六回は大城に3ランを被弾。6回6安打5失点と試合を作れなかった。  打線は九回1死一、二塁から代打・高山が右中間へ適時二塁打を放つと、なおも2死二、三塁。近本が右翼席へ9号3ランを放った。近本はこれで球団史上4人目となる新人から2年連続100安打に到達した。勝てば今季最多の貯金「5」だったが、4度目の挑戦もはね返された。  6試合を残して2012年から9年連続となる巨人戦のシーズン負け越しが決定。首位巨人とは再び12・5差に広がった。

◆阪神・近本光司外野手(25)が、阪神では坪井智哉以来、21年ぶりの新人から2年連続100安打を記録した。  この日の試合前の時点で98安打。五回の第3打席で左前打を放つと、1-7で迎えた九回の第5打席。2死二、三塁から右翼席へ9号3ランを放ち100安打目。2リーグ分立後、吉田義男、岡田彰布、坪井智哉に続く球団史上4人目の快挙を達成した。  メモリアル打を、豪快な一撃で飾り、球団史に名を残した。

◆前夜に阪神との4連戦の初戦を落とした巨人。この日は九回に阪神の猛攻を受けたが、なんとか逃げ切り、対阪神9年連続勝ち越しを決めた。マジックは2つ減らして「19」となった。  阪神・ガンケルと巨人・畠の投げ合い。両チーム、三回までスコアボードに「0」が並ぶ展開だったが、四回、丸のひと振りが均衡を破った。1死三塁、丸は3球目の直球を左翼線へはじき返して先制。五回には吉川尚に7号ソロ、六回には大城の9号3ランが飛び出し、5-0と突き放した。  先発の畠は五回まで3安打無失点と好投。六回に先頭の糸井に右前打を打たれ、その後1死一、三塁としたところで降板。代わった大江がボーア、梅野を打ち取り、このピンチをしのいだ。  打線は八回、2死満塁の場面で回ってきた坂本が左前2点打を放ち、ダメ押しとなる7点目。投手陣は大江に代わった3番手・高梨が七回、4番手・鍵谷が八回を無失点に抑えた。しかし、九回、5番手・堀岡が2死一、二塁から高山に適時二塁打を浴びると、代わった6番手・宮国が近本に9号3ランを浴びてこの回4失点。最後の1死が取れない状況だったが、7番手・デラロサがマウンドに上がり、北條を三飛に打ち取った。

◆阪神は九回反撃に転じたが、届かなかった。これで9年連続の巨人戦負け越しが決まった。以下、矢野燿大監督の一問一答。  --ガンケルは六回までよく頑張ったのでは  「ボール自体はね、しっかり投げてるボールが多かったんじゃないかと思うけど」  --疲れもあり、援護のない展開も苦しかった  「いや、疲れはあるし。もちろん打線も援護していかなあかんと思うしね。でも、もっとやれることは、バッテリーであったんじゃないかなと思うけどね」  --五回に代打を送らずに続投。連戦中ということも踏まえた判断か  「それは全部、総合的に。13連戦もあるし、中継ぎもきょうは数が少ないし、総合的な判断で」  --近本は前の試合で死球もあったが、本人も出場を志願したか  「もちろん。最後の(九回の攻撃)ね、やっぱりあっさり終わらないというのは大事なことやし。それは今日だけじゃなくて、ずっとそういう思いでやってくれてると思うし。それをしっかり結果を出せるというのは、よかったかな」  --巨人戦の負け越しが決まった  「結果は受け入れるしかないんで。明日取るしかないんで。何も変えるところはないので、悔しさを持って頑張っていきます」

◆阪神のガンケルは105球を要して6回5失点に「球数も多くなってしまったし、追い込んでからのボールも甘くなってしまった」と反省した。0-2の五回に回ってきた打席にそのまま立ち、六回のマウンドでは四球で走者を増やして大城に3ランを浴びた。  リリーフから先発に戻って2試合目。スタミナが不安視された中で続投したものの、裏目に出た格好だ。矢野監督は「13連戦中ということもあるし、中継ぎの投手も少ない。総合的な判断」と説明した。(甲子園)

◆巨人の畠は粘り強く投げ、六回途中まで4安打無得点に抑えて2勝目を挙げた。「投げるからには負けられないと思って、一球に魂を込めて投げた」と勝利の興奮冷めやらぬ様子で話した。  球威のある直球で押し、二回は無死一塁から大山を空振り三振、ボーアを右飛に仕留めた。盗塁に捕手の失策が重なって三進されても攻める姿勢を崩さず、直球で梅野を空振り三振と脱した。  先発枠定着を目指す26歳。「野手に助けられているので、次は自分が助けるような投球をしたい」と次回登板へ意気盛んだった。(甲子園)

◆阪神は3日、巨人に4-7で敗れ、9年連続のカード負け越しが決定。今季開幕前から「打倒・巨人」を掲げていた矢野燿大監督(51)は、結果を受け入れつつ「悔しさを持って頑張っていく」と前を向いた。屈辱をバネにして、最後まで戦っていくしかない。今季初めて2万人を超える観衆を迎え、それだけ大きなため息も響いた。反撃も遅い。巨人にやられっぱなしの矢野監督は言葉を振り絞った。  「結果は受け入れるしかないので。あした、取るしかないので」  最大の12・5ゲーム差に戻った巨人との直接対決は5勝13敗で、6試合を残して9年連続の負け越しが決まった。13年連続で勝ち越しもなく、矢野虎も昨季の10勝15敗に続く屈辱。九回に4点を返したが、八回までは一方的な展開で敗れた。  「投手陣が苦しい状況なんで、打者にちょっと頑張ってもらわないと」  チーム内の新型コロナウイルス感染拡大の影響でリリーフが手薄だが、頼みの打線も4番・サンズと6番・ボーアが不振だ。両助っ人から快音はなく、ゼロ行進。2点を追う五回2死一塁では、北條が中越え二塁打。一走の近本が一気に本塁突入も、憤死した。リクエストも失敗に終わった。六回の守りでも、1死一塁でけん制球の判定にリクエスト失敗。中盤で2度の権利を使い切る必死の思いも実らず、突き放された。  常に「打倒・巨人」を強く言葉に表して戦ってきた。開幕カード3タテに始まった東京ドームでの連敗が「8」まで伸びるなど苦戦の嵐。どれだけ差が開こうとも、戦闘態勢は崩さなかった。9月15日から敵地での3連戦が1勝2敗で、ゲーム差は2桁に広がった。それでも「もう一度、挑戦権を持ってこられる戦いを」と前を向いていた。  その矢先にコロナの打撃に直面した。メンバーをそろえることで手いっぱい。対抗心を口に出す余裕も消えた。この4連戦前も「大きなことはいえない。精いっぱいの野球を」と現実を受け入れていた指揮官。この日も淡々と会見を締めた。  「何も変えるところはないので、悔しさを持って頑張っていきます」  下を向いて、宿敵の頂点へのカウントダウンを数えるだけでは終われない。まずは目の前の直接対決2試合。意地をみせることが、大差からの反撃に大いに盛り上がったファンへの恩返しだ。(安藤理)

◆巨人の岡本が八回、谷川の投球を左手に受けて交代した。苦悶の表情を浮かべてベンチに退いた主砲は、球団によるとアイシングによる治療を受け、病院に行く予定はない。(甲子園)

◆最後に2万人沸かせた!! 阪神・近本光司外野手(25)が巨人戦(甲子園)の九回に意地の3ランを放った。この日2安打をマークし、球団6人目となるルーキーイヤーから2年連続100安打を達成。4-7で敗れて巨人戦9年連続負け越しが決まった中、今季最多の虎党の前で偉業を成し遂げた。最後の最後に甲子園が歓声の渦に包まれた。近本が球団史に名を刻む豪快アーチ。今季最多2万64人の留飲を少しだけ下げた。  「特に数字を意識していることはないですが、チームのためになる1本を積み重ねていきたいと思っています」  この日の試合前の時点で98安打。五回の第3打席で左前打を放ち、今季99本目をマークした。九回は5番・大山から。大台到達はお預けかと思われたが、打線がつながり2死二、三塁で第5打席が巡ってきた。フルカウントからファウルで粘り10球目。宮国の直球を振り抜き、右翼スタンドにライナーで飛び込む9号3ランだ。  1年目の昨季は159安打を放ち、1958年の長嶋茂雄(巨人)のセ・リーグ新人記録を61年ぶりに塗り替えた。そして、ルーキーイヤーからの2年連続100安打。球団では1998、99年の坪井智哉以来、21年ぶり6人目の快挙だ。今月から甲子園の観客数の上限がさらに引き上げられ、この日は今季初めて2万人を超えるファンが詰めかけた。巨人戦9年連続負け越し決定に唇をかみしめた虎党へ届けた歴史的瞬間。このときばかりはマンモスが揺れた。  "2年目のジンクス"とは無縁...いや、乗り越えた。開幕直後から打撃不振で7月半ばまでは打率1割台とリーグワースト。どん底まで落ちた。しかし、ここからはい上がった。  練習方法に試行錯誤を重ね、スローボールから始まるフリー打撃はいまも継続している。成果が出始めればあとは自分を信じてひたすらに取り組むだけ。周りに流されず実直に野球と向き合い、気づけばチームトップの打率・293。安打数は誰よりも早く3桁に到達した。  前日2日は、左ひじ付近に死球を受けながら、フル出場。一夜明け、患部の状態が心配されたがこの日も志願してグラウンドに立った。体の強さもある。矢野監督は「開幕から苦しんだ中でここまでもってきたのも、自信だったり実力というところになってくる」とたたえ「もっともっと上を目指してほしい」とハッパをかけた。  「もっともっと打てるように頑張ります」  近本は力を込めた。今シーズンも残り31試合。虎が誇る令和の安打製造機は、これからも快音を響かせる。(原田遼太郎)

◆阪神・大山が0-7の九回先頭で右中間フェンスを直撃する二塁打。岡本(巨人)に並ぶ24号アーチかと思わせる一撃を放って、スタンドを沸かせた。前日2日は、岡本の前で1本差に迫った。この日、ライバルは八回、左手付近に死球を受けてベンチに退いたが、2人の本塁打王を目指しての争いは、シーズン最後まで繰り広げられそうだ。

◆今季3度目の先発だった阪神・ガンケルは6回6安打5失点で、3敗目(1勝)。「ジャイアンツはやっぱりいい打線だったし、簡単にアウトになってくれないと感じた」と脱帽だった。四回、丸の適時二塁打で先制されると五回、吉川尚にソロ。六回には大城に3ランを浴びた。「追い込んでからの球も甘くなった。反省して次に生かせられるようにしたい」。0-0の三回1死からは左中間に来日初安打となる二塁打を放つも笑顔はなかった。

◆阪神の助っ人コンビの打撃不振が深刻だ。サンズは5試合連続&今季ワーストの17打数連続無安打。ボーアは7試合でわずか1安打と精彩を欠いている。井上打撃コーチは「確かに、当たりは止まっているが、2人ともよく練習をする。ずっと試合に出ているから疲れもたまってきているし、調子の波はある。2人が(上向く)キッカケをつかめるように(われわれも)一緒にやっていきたい」と変わらぬ信頼を口にした。

◆代打で出場した阪神・高山が意地の一打を放った。九回1死一、二塁で打席に立つと、堀岡の真ん中に入った直球を右中間へはじき返した。これで前日2日に続き、2試合連続二塁打。打点を記録したのは、8月15日の広島戦(京セラ)以来、49日ぶりで、今季初の適時打となった。9月25日に昇格後、代打での起用が続くなか、連日の活躍で存在感を示している。

◆ドタバタの幕切れだった。九回2死一、二塁で6番手・宮国が近本に3ランを被弾。投手交代が告げられ、電光掲示板にはデラロサの名前が表示されたが、何とブルペンからリリーフカーに乗って出てきたのは中川だった。救援左腕はマウンド手前で気がつき、デラロサが再びリリーフカーで登場。伝達ミスだった様子で原監督は「中川に罪はない。ベンチが悪い」と苦笑いを浮かべた。守護神は北條を内野フライに打ち取ったが、今度は三塁手の田中俊と一塁手のウレーニャが交錯。ウレーニャのグラブからこぼれたボールを田中俊が腹部で押さえて捕球。ヒヤヒヤで試合を締めくくった。

◆巨人は3日、阪神18回戦(甲子園)に7-4で勝利。2位との直接対決で優勝へのマジックナンバーを「19」とした。坂本勇人内野手(31)が3安打2打点で通算2000安打まで残り「28」とした。主将は五回の守備でも本塁への好返球で失点を防ぐなど、攻守で活躍。六回は松原聖弥外野手(25)が右翼で好守を見せるなど、今季両リーグ最少の失策数「28」を誇る鉄壁の守備力が際立った。  甲子園球場のスタンドを埋めた虎党から、ため息が漏れた。2点リードの五回2死一塁。坂本が中継プレーでピンチを救った。  「丸がいいプレーでつないできたので、自分はその流れに乗りました」  相手の反撃ムードを食い止めるビッグプレーだった。先発の畠が北條に中越え二塁打を浴び、一走の近本が一気に本塁突入。「いい予測と準備ができていた」という中堅手・丸からの返球を坂本は本塁へワンバウンドのストライク送球で、間一髪のアウト。リプレー検証でも判定は変わらず、満面の笑みを浮かべた。  打撃では通算2000安打にラストスパートを開始している。四回に右中間二塁打で6試合連続安打をマーク。丸の先制二塁打を演出し、七回は左前打、八回2死満塁では左前2点打で、計3安打2打点。通算161度目の猛打賞(歴代6位)を記録し、残り32試合で通算2000安打まで28本となった。  リードを最後まで守り切り、2位・阪神とは12・5ゲーム差。独走するチームの、強さの秘訣(ひけつ)は守備力にある。主将の好返球に続き、六回2死一、三塁の守備では阪神・梅野が放った右中間へのライナーを右翼手・松原が滑り込んで好捕。育成出身の4年目外野手は八回もスライディングキャッチで好プレーを連発した。  チームの今季失策数は両リーグ最少の「28」。コロナ禍の今季は120試合制だが、例年の143試合に換算しても「45」だ。1950年の2リーグ制以降で最も少なかった90年の「48」をしのぐ鉄壁の守備陣が光っている。  「丸も捕ってから速かったし、勇人もストライクを投げた。(捕手の大城)卓三のタッチもうまかった。守れないと勝てない。ミスしないようにするのが野球」と虫垂炎から復帰2戦目の元木ヘッドコーチも隙のないプレーに目尻を下げた。王者の貫禄が漂う原巨人の優勝マジックは「19」。最短で14日にリーグ連覇が決まる。(谷川直之)

◆最後に"見せ場"は作ったが、試合としては完敗。対巨人9年連続負け越しという現実を突き付けられ、力の差を見せつけられた。阪神OBの八木裕氏(55)=本紙専属評論家=は五回に完ぺきな中継で失点を防いだ巨人の守備力をクローズアップ。「守備力こそが阪神と巨人の差」と結論付けた。  9年連続負け越しという事実は、しっかり受け止めなければいけない。巨人との差は、いったいどこにあるのか。この日の敗戦に凝縮されている部分があった。それは守備力だ。  この試合を左右したのが五回に巨人が見せた100点満点の中継プレー。二死一塁から北條が左中間二塁打。俊足・近本が一気に本塁を狙ったが、丸-坂本-大城とつないでタッチアウト。見事だった。  巨人はこのビッグプレーで2点差を維持。この回に打席に立って続投となったガンケルは、次の六回に試合を決定付ける追加点を奪われた。1つの守備が、試合の流れを引き寄せる、典型的な例だ。  一番難しいポジションであるショートで、坂本は一見何気ないように見える好守を披露。右翼・松原も美技を繰り返した。巨人といえば坂本、岡本、丸のクリーンアップがクローズアップされて、打撃のチームと思われがちだが、12球団最少の28失策で守備が抜群に安定している。  対する阪神は12球団ワーストの63失策。守りの綻びが出て失った試合がいくつもある。守備力の差がそのまま、巨人と阪神の勝敗に直結していると言っていいだろう。  もちろん、今季に限れば、一方的に負け越している東京ドームの戦い方も、大きな課題として残されている。  来季以降、巨人に勝ち越すためには、どうすればいいか。それを考える時間は、今から始まっている。負け越しは決まったが、直接対決はまだ6試合ある。その中で、どうすればいいか。選手各自が考えながら、大事に戦ってもらいたい。  最後に一つ付け加えたいのは、九回の反撃で甲子園のファンが最高に盛り上がった。たとえ優勝が遠のいても、スタンドが沸くシーンを一回でも多く演出するのが、プロの使命だ。(本紙専属評論家)

◆甲子園の秋風よ、なぜ、もう一押ししてくれんのや!?  九回。先頭で打席に入ったのは、ランディ・バース以来34年ぶりに阪神からホームランキングを狙う大山であった。  巨人・堀岡の投じた2球目を強振した打球は岡本に並ぶリーグトップの24号か...と思われたが、フェンス直撃の二塁打。惜しい!  「こうなったら恥も外聞もあるかいな! 大山を打席の多い1番打者で起用し、一発狙いをさせよ!」  31試合も残っているのに、大騒ぎしている俺って焦りすぎですか? やっぱり、虎のホームランキングが見たい! 絶対に見たーい!!  秋風とともに本日先発のガンケルさん、首元が寒くなってきていませんか? 6回5失点。ボールを動かして内野ゴロを打たせる持ち味が生かされず、本塁打を2本も浴びちゃなあ...。28歳とまだ若い。この先は生き残りをかけて気迫のマウンドを見せてくれ!!

◆今年の巨人の強さ、特徴をよく表した、典型的な勝ちパターンだよ。  まずは丸が先制二塁打。続いて吉川尚がソロ本塁打。そして大城が3ラン。3イニング連続でたたみかけ、この時点で勝負あり。カード全勝をもくろむ阪神からすれば、ガクンとこたえただろうね。  主役が打つのは当然として、主役が打てないときは、脇役が代わって仕事をする。主役が脇役に回ることもあれば、脇役が主役の座をさらっていくことも多い。  なにしろ巨人は、ちょこまかと、いろいろな所から攻めて、アレがコレがと、入り乱れて得点を奪う。攻撃の多種多様さが、大独走の大きな要因だね。  例えるならオーケストラ。バイオリンを弾き続ける人や、ドンジャカと太鼓をたたきまくる人がいれば、シンバルを1度、鳴らすだけの人もいる。それらが混ざりあって初めて、名曲が奏でられる。そういうイメージかな。  もちろん、そのオーケストラをまとめあげたのは原監督。見事な"マエストロ"だということも付け加えておくよ。 (本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
56284 0.667
(↑0.004)
M19
(↑2)
32415
(+7)
296
(+4)
107
(+2)
54
(+2)
0.259
(↑0.001
3.240
(↓0.01)
2
(-)
阪神
44414 0.518
(↓0.006)
12.5
(↓1)
31377
(+4)
356
(+7)
91
(+1)
58
(+1)
0.245
(↓0.001)
3.540
(↓0.04)
3
(1↑)
中日
42445 0.488
(↑0.006)
15
(-)
29327
(+9)
375
(+7)
54
(+1)
22
(-)
0.248
(↑0.002)
3.860
(↓0.02)
4
(1↓)
DeNA
42455 0.483
(↓0.005)
15.5
(↓1)
28389
(+7)
365
(+9)
95
(+2)
22
(-)
0.267
(↑0.001)
3.780
(↓0.06)
5
(-)
広島
35468 0.432
(↑0.007)
19.5
(-)
31389
(+13)
426
(+2)
89
(+3)
43
(+2)
0.264
(↑0.002)
4.430
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
34496 0.410
(↓0.005)
21.5
(↓1)
31374
(+2)
453
(+13)
87
(-)
51
(-)
0.250
(-)
4.710
(↓0.09)