ヤクルト(★3対9☆)阪神 =リーグ戦18回戦(2020.09.27)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:秋山 拓巳(6勝2敗0S)
敗戦投手:吉田 大喜(1勝5敗0S)

本塁打
【阪神】原口 文仁(2号・2回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点を追う2回表、原口のソロで同点とする。その後は3回に小幡の適時打で1点を勝ち越すと、7回には原口と近本の適時打などで一挙5点を奪い、試合を決めた。投げては、先発・秋山が6回2失点の好投で今季6勝目。敗れたヤクルトは、2番手・長谷川が乱調だった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が秋山拓巳投手(29)、ヤクルトは吉田大喜投手(23)。 25日に5選手のコロナウイルス陽性が発覚し、1、2軍の大量入れ替えを行った阪神は、23日DeNA戦(甲子園)から3連敗。ここ3戦で計4得点に沈む阪神打線は、ルーキー吉田喜を攻略できるか。先発の秋山は12日広島戦(甲子園)以来の6勝目を狙う。前夜は矢野監督が審判団と激しく言い合う場面もあり、今日こそスカッと勝利し、連敗を止めたい。

◆阪神が原口文仁捕手(28)の2号ソロで同点に追いついた。 1-2の2回先頭。ヤクルト吉田喜の初球、高めにきたカットボールを振りぬいた。打球は虎党の待つ左翼席へ一直線。開幕2戦目の6月20日巨人戦(東京ドーム)以来の1発で試合を振り出しに戻した。 この日先発の秋山とは09年ドラフトの同期入団。1回にサンズの適時打で先制し、直後に逆転を許した同学年右腕を女房役がもり立てた。原口は「追い越されたあとだったので、何とかチャンスメークをと思い、打席に入りました。追いつくことができて良かったです」と喜んだ。 3-2の7回1死満塁では、ヤクルト長谷川から三塁線を破る2点適時打。リードを3点に広げる貴重な追加点をたたき出した。2安打3打点1本塁打と、存在感を示している。

◆阪神近本光司外野手(25)が2年連続20盗塁を達成した。 1回、先頭打者でヤクルト吉田喜から右前打で出塁。その後、2番北條の打席で2度のけん制をかいくぐり、4球目に二盗に成功した。昨季は36盗塁でルーキーながら盗塁王に輝いたリードオフマンは健在。リーグ2位の巨人増田大に4盗塁差をつけ、トップを走っている。 その後2死二塁となり、4番サンズの左前適時打で阪神が先制した。サンズは「近本が仕事をしてくれて、先制のシチュエーションを作ってくれたので何とかかえそうと思っていたよ。先制できたのは良かったね」とコメント。3連敗ストップへ、幸先よくスタートを切った。

◆阪神の高卒2年目小幡竜平内野手(20)が、持ち味の俊足で適時内野安打をもぎ取った。 同点の3回2死満塁で、ヤクルト吉田喜の2球目をたたきつけた。打球は大きく跳ね上がり、遊撃手西浦が素早く送球するも、小幡の足が勝ち。三走の大山が生還して勝ち越しに成功した。 「みんながつないでくれて回ってきた打席だったので自分で切りたくなかったです。当たりは良くなかったですけど、セーフになることを信じて一生懸命走りました」。 ウエスタン・リーグでチームトップの8盗塁を決めている俊足を生かした。 チームのコロナ禍により、開幕から遊撃スタメンだった木浪が球団独自の濃厚接触者に指定されて登録を抹消された。25日のヤクルト戦から代役を務める小幡が、先輩木浪の穴を埋めている。

◆ヤクルト坂口智隆外野手が中軸起用に応えた。 8月16日以来となる5番で先発。1点先制された直後の1回2死一、二塁、阪神秋山の真ん中低め135キロをはじき返して右中間を割った。 一塁走者の村上まで迎え入れる2点適時二塁打に「2死からみんながつないでくれたので、僕自身も後ろにつなぐ気持ちで打席に入りました。いい結果で良かったです」と話した。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)がスーパーキャッチで球場を沸かせた。 1点リードの4回2死二塁だった。ヤクルト打者のエスコバーは、秋山の外角低め変化球に食らいつき、打球は左前へ落ちるかと思われた。しかし、体重102キロのサンズはその巨体を揺らしながらダイビングキャッチ。落ちていれば二塁走者が生還して同点の可能性もある局面で、見事なプレーを見せた。 2回にも中堅手近本が、エスコバーの打球をフェンスに直撃しながらジャンピングキャッチ。12球団ワーストの59失策を喫している阪神だが、この日は好守が光っている。

◆阪神秋山拓巳投手(29)が、6回4安打2失点の好投で6勝目の権利を手にした。今季ここまでの4戦で2勝0敗と好相性の相手に初回に逆転を許したが、その後は持ち前の制球力で抑えこんだ。 先制に成功した直後の1回裏、2アウトから山田に左前打、村上の内野安打で2死一、二塁とされ、坂口に中堅へ2点適時二塁打を浴びた。2回からは安定感を取り戻し、許した安打は1本のみ。外角低めに直球を決めて空振り三振を奪い、変化球で打者のタイミングを外した。味方が猛攻を仕掛けた7回に代打を送られ、マウンドを降りた。 チーム内あの新型コロナウイルス感染の影響で岩崎、岩貞らここまでフル回転してきた中継ぎ陣を欠く緊急事態。この日は秋山が6回を投げ抜き、ブルペン陣を助けた。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が、プロ8年目で初めて公式戦で連投し、1回1安打無失点に抑えた。 6点リードの8回裏に登板。先頭の代打宮本は内角への153キロ直球で遊直。浜田には151キロ直球をとらえられ中前打を許したが、続く青木を初球の150キロ直球で遊ゴロ併殺打に打ち取った。 前日26日の同戦では、5回にリリーフ登板。ルーキーイヤーの13年4月7日広島戦以来、2729日ぶりのことだった。前夜は5回を1安打無失点に抑えながら、6回に4番村上にバックスクリーンへ特大の決勝弾を被弾。危なげない投球で悔しさを晴らした。

◆阪神が連敗を3で止めた。2-2の3回に小幡の適時内野安打で1点を勝ち越すと7回に原口の2点適時打などで5点を奪って突き放した。秋山が6回2失点で6勝目。ヤクルトは1回に逆転に成功したがリードを守れなかった。

◆阪神は1回サンズの適時打で1点、2回原口の2号ソロで1点、3回も小幡の適時打で1点。ヤクルトは1回坂口の二塁打で2点。 4回から6回まで両チームとも追加点なし。ヤクルト吉田喜は6回9安打3失点、阪神秋山は6回4安打2失点。1点差で終盤へ。 阪神が7回に打者一巡5点と突き放して快勝。連敗を3で止めた。秋山6勝目。ヤクルトは今季初の同一カード3連勝を逃した。ヤクルト吉田喜は5敗目。

◆阪神近本光司外野手(25)が、試合開始早々にいやな流れを断ち切った。初回、ヤクルト吉田喜に3球で追い込まれたが、そこからファウルで粘った。8球目の高めに入ったフォークを見逃さず右前打。続く北條への3球目には、迷わず快足を飛ばして二盗成功。2年連続の20盗塁を決め、先制機をつくり上げた。 守備でもいい流れを呼び込んだ。同点に追いついた直後の2回裏、エスコバーの中堅への大飛球をフェンスに当たりながらジャンピングキャッチ。打線が猛攻を仕掛けた7回には、代打中谷が押し出し四球を選んだ直後に、初球をはじき返しダメ押しの2点打。「中谷さんに対して制球も定まっていなかったので、初球から打つべきボール絞っていきました。追加点を取ることができて良かったです」。最終回にも中堅への三塁打で9点目を奪うなど、4安打3打点。最後まで集中力を切らさず、今季9度目の猛打賞を記録した。 惜敗した前夜は、思いもしないことで、クローズアップされた。26日の1点を追う8回裏の開始前、矢野監督と審判団が口論に発展する騒動があった。発端は7回表の攻撃で、小幡の本塁アウトについてのリクエスト協議中、次打者席にいた近本がバックネット裏記者席とやりとりしたかについてだった。この日の試合前には、セ・リーグ杵渕統括が神宮を訪れ、騒動の終焉(しゅうえん)を宣言。グラウンド内外で、スッキリとする夜となった。 6、7月に1割台だった打率も、この日の活躍で2割9分5厘とした。自身初の打率3割台も見えてきた。チームの緊急事態は続くが、頼りのリードオフマンが元気を取り戻した。【磯綾乃】

◆阪神が投打かみあっての白星で、連敗を3で止めた。 初回に先頭の近本が右前打を放つと、二盗に成功。2死二塁から4番サンズが先制の左前適時打を放った。1回裏に逆転されたが、すぐさま2回に原口の2号ソロで同点に。3回には小幡が勝ち越し打を放った。先発秋山は2回以降安定した投球を続け、6回4安打2失点。打線は7回には5安打を集中し、突き放した。 守備でも2回の近本や、4回のサンズのプレーなど好守が続いた。 新型コロナウイルス騒動の渦中で前夜までチームの連敗は3となり、この日敗れていれば貯金を吐き出すところだったが、その危機を脱する快勝だった。

◆阪神秋山拓巳投手が粘りの投球で今季6勝目をつかんだ。 1回に1点先制したが、その直後、坂口に逆転2点打を浴びた。だが、2回以降はコーナーを丁寧に突き、6回を初回の2点だけに抑えた。 それでも「前半バタバタしてしまい、リリーフに迷惑をかけることになり、反省の方が多い」と話した。ヤクルト戦は今季5戦で無傷の3勝目。17日の巨人戦(東京ドーム)で西勇が勝って以来、9試合ぶりの先発投手の白星になった。

◆阪神藤浪晋太郎投手はプロ8年目で公式戦初の連投に臨み、1回無失点でつないだ。6点リードの8回裏、直球で打者3人を詰まらせた。 「秋山さんが作ってくれたいい流れ、いい空気の中でマウンドに上がれた。途中から行く不慣れさはありましたが、精いっぱい投げられました」。代打宮本は153キロで遊直。1番浜田には151キロを中前に落とされたが、2番青木は150キロで遊ゴロ併殺に仕留めた。 チームの新型コロナウイルス集団感染を受け、25日に急きょ1軍再昇格。前日26日ヤクルト戦ではプロ1年目の13年4月以来、7年ぶりの救援登板を経験した。前夜は4番村上に特大の決勝弾を献上して2回1失点。一夜明け、力強い投球で悔しさを晴らした。 当初は10月1日中日戦の先発有力候補だったが、コロナショックでプランは白紙に。矢野監督は「中で使おうかなと思っています。いろいろ台所事情が大変なので」と明言。当面は中継ぎでフル稼働する。

◆ヤクルトが今季初の同一カード3連勝を逃した。 阪神秋山に0勝3敗と、今季5度目の対戦でまたも勝てなかった。36試合ぶりに5番に据えた坂口が2点二塁打を放ち、山田哲と20試合連続出塁の村上が生還と、初回に中軸で得点したが、2回以降は秋山から二塁打1本だけ。高津監督は「苦手とする投手が何人かいて、結果的にその1人。研究をして、次は次はと思っているけど、そう簡単にいかない」と悔やんだ。

◆阪神ジェリー・サンズがお目覚めだ。コロナ禍で大量離脱の3連敗中...。重苦しいムードを消したのは1回だ。2死二塁。ヤクルト先発吉田喜の初球、内角速球を痛烈に引っ張って左前に運んだ。 幸先のいい先制タイムリーだ。「近本が仕事をしてくれて先制のシチュエーションを作ってくれたので、なんとかかえそうと思っていた」。前日までの10戦は35打数5安打、打率1割4分3厘。前夜は来日初のセーフティーバントを敢行したほどの不振だった。 この日は違う。敵の人気マスコットつば九郎の"前祝い"に応えた。試合前に「あすはTさんずのたんじょうびです」「ちなみにさんずだけに33さいだそうです」と書かれたスケッチブックを掲げられた。32歳最終日は攻守でハッスルだ。 1点リードの4回2死二塁。守備でもエスコバーの左翼への浅い飛球を地面スレスレでダイブ捕球し、失点を阻んだ。「秋山が頑張っていた。後ろで自分のできることをしようと」。5回に左前打を放つと7回は忠実に中前へ。「少しスランプ気味だったけど、なんとか抜け出せた」。迷いのないバットさばきがよみがえり、9月11日広島戦以来、14試合ぶりのマルチ安打となる猛打賞だ。晴れやかに33歳を迎える。

◆阪神矢野燿大監督(51)が、藤浪晋太郎投手(26)の中継ぎ継続を明言した。試合後に、藤浪の今後の起用法について聞かれ「中で使おうかなと思っています。いろいろ台所事情が大変なんで、その中で今いいと思うことを選択してやっていく中のひとつが、晋太郎を中でやってみようかなと」と話した。 藤浪はこの日、プロ8年目で初めて公式戦で連投し、1回1安打無失点に抑えた。6点リードの8回裏に登板し、先頭の代打宮本は内角への153キロ直球で遊直。浜田には151キロ直球をとらえられ中前打を許したが、続く青木を初球の150キロ直球で遊ゴロ併殺に打ち取った。 前日26日の同戦では、13年4月7日広島戦以来、2729日ぶりにリリーフ登板。5回から登板し1安打無失点に抑えたが、6回に4番村上にバックスクリーンへ特大の決勝弾を被弾。この日は、危なげない投球で悔しさを晴らしていた。

◆阪神が投打かみあっての白星で、連敗を3で止めた。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -秋山が気持ちを込めた投球 矢野監督 調子はよくなかったと思うんだけどね。あれだけ粘れるのはもちろん気持ちもそうやし、技術もある。アキ(秋山)の粘りが一番の勝因と思います。 -前回は失策もあった 矢野監督 それはそれで練習やっているしね。もちろんゼロで、やらない方がいいけど、そこからうまくなることはできていく。やれることはやっているので。 -原口が打撃でも活躍 矢野監督 最高の場面で打ってくれたし、フミ(原口)もファームに行って、自分のバッティングやいろんなことも変えて、取り組んで。しっかり結果を出して帰ってきてくれたし、打つことだけとはフミ自身思ってないんでね。そういうところではアキと一緒に粘れたというところでは、バッテリーは共同作業。その中でフミらしい勝負強さは出してくれた。バッテリーが一番の勝因だったかなと思います。 -小幡の奮闘 矢野監督 仕事をしてくれたというより、今はね。経験積んでどうするかというね。そういう中で、プロだから結果も出していかなアカンしね。ある意味、こういう形で試合に出られているので。うまくいかないこともあるし、今日みたいにうまく出てくることもあるけど、そこから成長していってくれたらと思っている。もちろん活躍してくれることにこしたことないけれど、先行投資。 -打線は近本、大山が 矢野監督 これだけ点が入っているので、誰か1人だけではこうならない。サンズがちょっと心配というか、状態が下がりかけていたところで出たし、そういうところでは1人でも多く複数安打していけば、チームの気持ちも上がってくる。1人1人にとっても良かったかな。 -近本、サンズらのファインプレー。こういう状況の中での必死さが 矢野監督 毎試合毎試合、それを見せていかなあかんし、何かがあったから必死になってるということじゃなくてね。常に必死というのは大事にしていること。何かがあったからということじゃない野球がしたい。 -藤浪が中継ぎで連投。今後の起用は 矢野監督 中で使おうかなと思っています。いろいろ台所事情が大変なので。その中で今いいと思うことを選択してやっていく中の1つが晋太郎を中でやってみようかなと。

◆阪神2年目の小幡竜平内野手(20)が決勝打を放った。同点の3回2死満塁。高いバウンドの遊撃前のゴロだったが俊足で勝ち越しの適時内野安打だ。7回は中前打でつなぎ、猛攻に参戦した。 8回は絶妙なグラブさばきで併殺を完成。藤浪をもり立てる遊撃守備も光った。「少しずつですが9回通して周りを見られるようになってきた。(7回の安打は)井上さんに『(1軍に)上がってきて一番いい当たりだな』といじってもらった」と話した。 チームのコロナ禍により、開幕から遊撃スタメンだった木浪が球団独自の濃厚接触者に指定されて登録を抹消された。25日のヤクルト戦から小幡が3戦連続の遊撃先発で穴を埋めている。矢野監督は「ある意味、こういう形で試合に出られているので。うまくいかないこともあるし、今日みたいにうまく出てくることもあるけど、そこから成長していってくれたらと思っている」と期待した。

◆阪神ジョン・エドワーズ投手が7回を無難に抑えた。先頭坂口を内角速球で一ゴロに詰まらせた。2死後、エスコバーに中前打と二盗を許したが後続を断った。 この日は1回無失点。「スタッフのみんなの支えもあって良くなってきている。積極的にどんどん攻める投球を心掛けて、これからもっと良い投球ができるようにしていきたい」と振り返った。登板2戦連続の0封だ。

◆コロナ禍、情報伝達疑惑...。矢野阪神が激動の日々を経て5日ぶりに白星を手にした。「7番捕手」で先発した原口文仁捕手(28)が3カ月ぶりの1発となる同点2号ソロを放つなど2安打3打点の活躍で猛攻の中心となった。連敗を「3」でストップ。逆境に強い男が、苦境のチームを救った。負の連鎖を断ち切ったのは、原口の一振りだった。逆転された直後の2回。ヤクルト吉田喜の初球、高めに浮いたカットボールを逃さなかった。「なんとか早く追いつきたい、塁に出ていい攻撃をしたいと思っていました」。執念のこもった打球は、左翼スタンドへ一直線に伸びていった。 開幕2戦目の6月20日巨人戦以来、3カ月ぶりの同点の2号ソロ。チームは新型コロナウイルスの集団感染、さらに前日26日には、試合中に外部とのやりとりがあったのではないかと指摘される一幕もあった。騒動続きの矢野阪神に原口が勢いを与えた。「甲子園に帰る前に1つ勝って戻れる。そういった部分ではよかった」。 この日先発の秋山とは、09年ドラフトの同期。1点リードの7回1死満塁では「神宮で1点差は投手陣にはきつい。バットに当てていけば何か起こる」と、ヤクルト長谷川の投じた5球全てにバットを振った。最後は左翼線を破る2点適時打を放ち、一挙5得点のビッグイニングを演出。「勝ちがついてよかった」と同学年右腕の6勝目を心から喜んだ。現役時代は捕手だった矢野監督も「バッテリーは共同作業。その中でフミらしい勝負強さは出してくれた。バッテリーが一番の勝因やったかなと思います」と最敬礼だ。 発奮材料もあった。今月中旬には第2子が生まれたことを発表。体重3134グラムの元気な女の子が生まれた。「本当にモチベーションにもなりますし、いいところを見せられるようにこれからも頑張りたいと思います」。ヒーローインタビューでは照れ笑い。現在、正捕手の梅野は右腹斜筋の筋挫傷で2軍リハビリ中。チームの非常事態で、かっこいいパパの姿を届けた。 2安打3打点1本塁打でチームの連敗を3で止めた。5日ぶりの白星で一息ついたが、29日からは過酷な13連戦が始まる。「まだまだチームとして諦めてない。一戦一戦、今は一丸となって相手チームに向かっていきたいと思います」。原口が「必死のパッチ」で窮地の虎を救う。【只松憲】

◆「5番・右翼」で先発出場した坂口智隆外野手(36)が、1点を追う一回2死から右中間への2点打を放った。  2死から山田哲の左前打、村上の二塁内野安打で回ってきた第1打席。先発右腕・秋山の直球を捉え、「2アウトからみんながつないでくれたので、僕自身も後ろにつなぐ気持ちで打席に入りました。良い結果となってよかったです」と振り返った。

◆阪神が9-3でヤクルトに勝利し、連敗を3で止めた。1-2の二回。先頭の原口が左越えのソロを放ち同点に追いついた。三回には2死満塁から小幡の遊撃への内野安打で勝ち越しに成功。  七回には1死満塁から原口が左翼線への2点打で追加点。続く小幡も中前打で再び満塁とすると、代打・中谷が押し出しの四球、近本が中前へ2点打でこの回、5得点の猛攻をみせて、突き放した。  先発の秋山は一回に2点を失ったが、二回以降は安定感を取り戻して、6回4安打2失点。今季6勝目を挙げた。

◆ヤクルトは七回に阪神の猛攻を浴びて5失点。連勝は2でストップした。先発したドラフト2位・吉田大喜投手(23)=日体大=は一回、2死二塁からサンズに左前適時打を浴びて先制を許した。その裏、坂口の適時2点二塁打で逆転したが、二回には、先頭の原口に2号ソロを浴びて同点に追いつかれると、三回には小幡の適時内安打で3点目を献上した。四回以降は粘りの投球で点を許さず、6回9安打3失点だった。  ヤクルト打線は二回以降、阪神先発・秋山に封じ込まれた。2-3で迎えた七回、吉田喜から代わった中継ぎ陣が虎打線に捕まった。2番手・長谷川が1死満塁のピンチを招くと、原口に左翼線適時打を浴びた。3番手・クックも押し出し四球に加え、満塁で近本に中前適時打を許し、この回計5失点。ヤクルトは九回、5番手・中沢が近本に適時三塁打を喫し、さらに1失点。その裏に1点返したが、反攻が遅かった。

◆雨粒を切り裂き、白球が左翼スタンドで弾んだ。1-2の二回。阪神・原口が2号ソロ。相手に傾きかけた流れをひと振りで引き戻した。  「追い越された後だったので『何とかチャンスメークを』と思って打席に入りました。追いつくことができてよかったです」  ヤクルトのD2位・吉田喜(日体大)が投じた136キロのカットボールを振り切った。打った瞬間、スタンドインを確信する完璧な当たりにベンチから、スタンドから、歓声が上がった。6月20日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発で相手に主導権を渡さなかった。  この日の先発は2010年のドラフトで同期入団の秋山。同学年の右腕と今季初めてバッテリーを組んだ。シーズン前に2人で「今年は一緒に甲子園のお立ち台に立とう」と誓いを立てるほど、気の知れた間柄だ。  コロナ禍で活動自粛を余儀なくされたときも、互いに連絡を取り合い、来るべくときに向け準備してきた。盟友とバッテリーを組んだ試合で負けるわけにはいかない。まずはバットで大きな一発を届けると、ベンチ前で秋山と息の合ったグータッチを交わした。  原口の一打で試合を振り出しに戻した阪神打線は続く三回2死満塁で、小幡がボテボテの打球に激走。「セーフになることを信じて一生懸命走りました」と遊撃への適時内野安打で1点を勝ち越した。負ければ4連敗で、DeNAに抜かれて3位転落となる中、チーム一丸で執念を見せた。(原田遼太郎)

◆、阪神・大山が今季5度目の3安打で貢献した。一回2死で左前打、五回先頭でも左前打。七回1死一塁では右前打でつないで、一挙5得点を呼んだ。前の2試合の無安打からお目覚め。矢野監督は攻撃全体を「これだけ点が入っているので、誰か1人だけではこうならない。1本ではなく複数安打していけば、気持ちも上がってくる。一人一人にとってもよかったかな」と振り返った。

◆3番手の阪神・藤浪がプロ初の連投で無失点。今後も中継ぎで起用されることになった。「不慣れもあるけど、精いっぱい投げることができた。(先発の)秋山さんが粘ってくれて、いい流れ、いい空気でマウンドに立てました」。八回に出番。1死一塁で青木を遊ゴロ併殺にしとめ、無失点でつないだ。前夜に7年ぶりに救援登板。起用法を悩んでいた矢野監督は「中で使おうかなと思います。台所事情が大変なので、その中で今いいと思うことを」と決断した。

◆ヤクルトは連勝が2で止まり、今季初の同一カード3連戦3連勝はならなかった。阪神先発の秋山とは今季5度目の対戦だったが、得点は一回の坂口が放った2点二塁打だけ。高津臣吾監督(51)は「研究はしているんだけどね。そう簡単にはいかないのが野球」と話した。  秋山には2018年以降白星がなく昨季から5連敗。通算4勝12敗と苦しんでいる。先発のドラフト2位・吉田喜(日体大)は6回3失点と踏ん張ったが、七回に登板した2番手・長谷川が4安打5失点と崩れた。  新型コロナウイルスの感染者が出た影響で25日に主力を含む計19選手を入れ替えた相手に、この日は及ばず。2カードぶりに勝ち越した勢いを、29日からのDeNA戦(横浜)に向ける。(横山尚杜)

◆攻守でゲーム展開を作ったのは切り込み隊長と主砲だ。一回に口火を切った阪神・近本は4安打3打点で最後まで暴れた。  「(七回は)中谷さん(前の打者)に対して制球も定まっていなかったので、初球から打つべき球を絞っていきました」  七回、3点を奪ってなおも1死満塁で中前に2点打。一回先頭で右前打の後、2年連続の20盗塁となる二盗も決めて先制のホームを踏んだ。九回に中越えにダメ押しの適時三塁打も放つなど今季4度目の4安打。守っては、二回にエスコバーの飛球をフェンスにぶつかりながら好捕した。  近本を先制打で返したサンズも大活躍だ。一回2死二塁で左前へ。波に乗って14試合ぶりの3安打。守備でも四回2死二塁でエスコバーの飛球をダイビングキャッチでつかみ、同点の危機を救った。  「スランプ気味だったけど、何とか抜け出せることができたね。(守備は)本当にうれしかったよ。秋山が頑張って投げてくれていたから」。軸になる選手が打って、守って、充実の連敗ストップだ。

◆得意の神宮球場のマウンドで勝利を信じて踏ん張り続けた。阪神・秋山は燕打線を2失点に抑える好投で今季6勝目。序盤に得点を献上しても、そこから修正力を見せた。  「調子自体はよくなかった。よくない分、なんとか工夫して考えて投球して、結果的に最少失点で抑えることができたことはよかったと思う」  1点の援護をもらった直後の一回。2死一塁で4番・村上の打球は、二塁手の北條が好捕し、二ゴロに仕留めたかに思われたが...。リクエストで判定が覆り、内野安打に。直後に坂口に2点打を浴びて逆転を許した。  それでも二回以降は、セットポジションだけではなく、ワインドアップでの投球を使い分けるなど工夫を凝らしながら打者を打ち取り、スコアボードにゼロを並べた。  「チーム状況的には六回でマウンドを降りてはいけない試合だった。前半にバタバタしてしまい、リリーフに迷惑をかけることになり、反省の方が多い試合だった」  反省が口をついて出たが、チームの連敗を止める価値ある1勝。右腕の力投に矢野監督は「あれだけ粘れるというのはもちろん気持ちもそうやし、技術もあるやろうし。アキ(秋山)の粘りが一番の勝因やと思います」と称賛した。  チームは9月18日の中日戦(ナゴヤドーム)から先発投手に白星がついていなかったが、この試合で秋山が9試合ぶりに先発白星をマーク。さらにヤクルト戦は昨季からこれで5連勝となり、相性のよさを発揮した。  「次は長いイニングを投げ切れるようにしっかり調整します」  秋山に満足する様子はない。チームの勝利とさらにレベルの高い投球を追い求めて、腕を振っていく。(織原祥平)

◆必死の形相で一塁ベースを駆け抜けた。一塁塁審が両手を広げたのを見て手をたたいた。阪神・小幡が自慢の快足を生かして、もぎ取った1点は自身初の決勝点だ。  「みんながつないでくれて回ってきた打席だったので自分で切りたくなかった。当たりはよくなかったですけど、セーフになることを信じて一生懸命走りました」  2-2の三回。大山の右前打にボーア、原口の連続四球と先輩たちが満塁を作ったところで打席へ向かった。吉田喜のカットボールに詰まらされるも、高く弾んだ当たりに全力疾走。遊撃への内野安打で決勝打を放った。  糸原が負傷離脱していた際は8月26日の中日戦(甲子園)から10試合連続スタメンなど出場機会も多かったが、キャプテン復帰後はほとんどがベンチスタート。そんな中、25日に二遊間の糸原がコロナ陽性、木浪が濃厚接触者と同様の扱いで登録抹消となった。思わぬ形で再び出番が回ってきたが、落ち着いていた。  「先発で出るからにはしっかり思いきってやるだけなので。そこだけは消さないように意識してやっています」  これまでと変わらない全力プレー。それを心掛けて試合に臨むと七回1死一、二塁では長谷川から中前打。「井上さん(打撃コーチ)に『(1軍に)上がってきて一番いい当たりだな』といじってもらった」という見事なセンター返しで、9月4日の巨人戦(甲子園)以来、今季4度目のマルチ安打を記録した。  木浪の"代役"として遊撃で3戦連続先発起用した矢野監督は「今は経験積んでどうするか。ある意味、こういう形で試合に出られているので。活躍してくれることに越したことはないけど、先行投資」と笑いながら将来性に大きな期待を込めると、20歳の若虎は少しずつ余裕も見せてきた。  「少しずつ9回を通して周りが見られるようになってきた。コミュニケーションも自分から少しずつ取れるようになってきた。もっと積極的に取っていきたいです」  チームのピンチをチャンスに変える。若い力で盛り上げていく。(菊地峻太朗)

◆コロナショック振り払った!! 阪神はヤクルトに9-3で大勝し、連敗を3で止めた。2試合連続「7番・捕手」で出場の原口文仁捕手(28)が同点ソロを含む3打点をマークし、25日に7人の新型コロナウイルス感染者が出てから初勝利。非常事態をチーム一丸で乗り越えていく。  神宮に立ち込めた暗雲を切り裂き、白球が左翼スタンドに弾む。ベンチに充満する重苦しい空気が消えた。期せずして戦線を離れた仲間へ届ける大きな一撃。コロナショックに揺れる虎を原口が救った。  「先制点取ってもらって、追い越されてしまったので早く追いつきたい、塁に出ていい攻撃をしたいと思っていた。甲子園に帰る前に一つ勝ててよかった」  1-2と逆転を許した直後の二回だった。先頭での初球。ヤクルトのD2位・吉田喜(日体大)の136キロカットボールを振り切った。打った瞬間、スタンドインを確信。6月20日の巨人戦(東京ドーム)以来の2号ソロに、ベンチでは同学年の先発・秋山と息の合ったグータッチを交わした。3-2で迎えた七回は1死満塁から三塁線を破る2点打でダメ押し。2018年9月6日の広島戦(マツダ)以来、2年ぶりの1試合3打点と暴れまわった。  同学年の無念をバットに乗せた。虎を襲った大量コロナ感染で、陽性の岩貞と陽川、濃厚接触者の岩崎が25日に登録抹消。さらに梅野も右腹斜筋の筋挫傷で戦線離脱している。いずれも同い年で中心になって虎を引っ張る"黄金世代"。だが、日本人選手でいま1軍に残っているのは原口と、この日バッテリーを組んだ秋山だけだった。  選手の大幅入れ替えで慌ただしく揺れ動いたチーム事情。このまま泥沼にはまるわけにはいかない。一日も早く勝利が欲しかった。  何より失意のなかチームを離れた仲間のため。俺たちが虎を支える-。1軍に残る同学年バッテリーで勝ち取った白星に「アキ(秋山)が先発で久しぶりに勝ちがついてよかったし、これからも先発に勝ちがついて、チームがどんどんいい方向にいけるようにようにしっかりでやりたい」と女房役として意欲を口にした。  負ければ3位に転落していた一戦で連敗を3で止め、コロナショック後初勝利。原口の活躍でベンチにもようやく笑顔が戻った。矢野監督は「最高の場面で打ってくれた」とほほを緩め、「バッテリーは共同作業。その中でフミ(原口)らしい勝負強さは出してくれた。バッテリーが一番の勝因やったかなと思います」と守りの面でも賛辞を惜しまなかった。  首位巨人とのゲーム差は12・5差で変わらず。それでも、虎は一つ大きな壁を破った。29日の中日戦(甲子園)から幕を開ける13連戦へ、ナインの思いを原口が代弁した。  「まだまだチームとしてあきらめていない。一戦一戦、いま一丸となって相手チームに向かっていきたいと思います。また熱い応援よろしくお願いします!」  最後まで戦い続ける-。原口の持つ不屈の魂が、虎の闘志に再び火をつけた。(原田遼太郎)

◆よっしゃ! 2試合連続でリリーフ登板の藤浪晋太郎がコントロールの乱れもなく、1回を無失点のマウンドいいねー!!  先発では苦しんだけど来シーズンは、今季限りでユニホームを脱ぐ火の玉投手・藤川球児の後継者として、日本一のストッパーになったれやー!!  打っては4安打3打点の近本をはじめ、大山、原口、小幡らが暴れ回っての16安打9得点...。まだ、Vを諦めたわけじゃないけど(ホントだから阪神ファンは往生際が悪いんだよね~)、来季への夢は広がる一方なのだ!!  前日26日に中日・木下拓がエレベーターの中でぬれた傘を入れるポリ袋を拾って、ヒーローになる神様の恩恵を受けているじゃないですか? 猛虎ナインも清く、正しくで、野球の神様に恩恵を受けましょう!!

◆阪神は転換期を迎えている。奇跡の優勝へ、諦めない選手起用は必要だが、来季を見据えた登用もしていい時期だ。誰でもいいからスタメンにすればいい、というわけではない。将来を期待でき、現状で結果を残せている選手を、より高いレベルで抜てきすべき。  条件に当てはまるのが小幡だろう。三回の遊撃への適時内野安打、七回の好機を拡大する中前打は、ともに食らいついて、何とかしようというしぶとさが感じられる打撃だった。内野安打で分かるように足も一級品。2番打者で使い続けたいタイプだ。  この日の2番は北條だったが、全体的に三振が多い。あっさりした印象も強い。2番を任せるには、相手が嫌がるクセモノぶりが必要になってくるのだが、現状で一番近いのは小幡。2番では、右打ち、送りバント、盗塁を待つなど、より高度な内容を要求される。将来的には、虎のクセモノになる資格を持つ素材だから、ぜひ、2番で勉強させて、育て上げてもらいたい。 (本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
53264 0.671
(↑0.004)
M24
(↑1)
37395
(+5)
280
(+1)
103
(-)
51
(+1)
0.260
(↑0.001)
3.260
(↑0.02)
2
(-)
阪神
41394 0.513
(↑0.007)
12.5
(-)
36360
(+9)
336
(+3)
86
(+1)
53
(+1)
0.246
(↑0.002
3.550
(-)
3
(-)
DeNA
41405 0.506
(↑0.006)
13
(-)
34366
(+3)
333
(+1)
88
(+1)
21
(-)
0.268
(↓0.001)
3.700
(↑0.03)
4
(-)
中日
39425 0.481
(↓0.007)
15
(↓1)
34298
(+1)
354
(+5)
51
(-)
20
(-)
0.245
(-)
3.850
(↓0.02)
5
(-)
広島
31448 0.413
(↓0.006)
20
(↓1)
37357
(+1)
407
(+3)
83
(+1)
34
(-)
0.263
(↓0.002)
4.530
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
32466 0.410
(↓0.006)
20.5
(↓1)
36356
(+3)
422
(+9)
83
(-)
48
(+1)
0.252
(-)
4.630
(↓0.05)